JP2016068300A - 複合板材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】再生プラスチック材の有効利用を図ることができるとともに、床材や壁材などの基材などの建築用途に好適で合板に比べコストダウンを図ることができるとともに環境にもやさしい複合板材およびその製造方法を提供することを目的としている。【解決手段】少なくとも再生プラスチック材が加熱プレスされて形成された再生プラスチック板状層2と、この再生プラスチック板状層2の一方の面に沿うように設けられ、麻系繊維、竹繊維、やし繊維から選ばれた少なくともいずれかの植物繊維を含む繊維材料からなる不織布マットが熱硬化性樹脂接着剤を介して押し固められてなる植物繊維板状層3を備えることを特徴としている。【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば、床材、壁材などの建築用として用いられる複合板材およびその製造方法に関する。
合板は、木材の単板を縦横方向に組み合わせ圧着したもので、木材単体よりも強度が出せるために、例えば、キッチン・洗面台などの箱物製品から、フローリングといった床材製品の芯材として幅広く使用されている。
しかし、合板のほとんどが外国からの輸入に頼っているのが現状で、近年においては、合板の原材料であるラワン等の南洋材の価格が高騰し、建築業界にとって非常に懸念される問題の一つとなっている。
しかし、合板のほとんどが外国からの輸入に頼っているのが現状で、近年においては、合板の原材料であるラワン等の南洋材の価格が高騰し、建築業界にとって非常に懸念される問題の一つとなっている。
そこで、こうした輸入合板の価格高騰に対処するために、建築業界では、南洋材に代えて、国内やロシアなどの針葉樹(杉)製の合板の使用量を年々増やす傾向にある。
しかしながら、南洋材にしろ、針葉樹にしろ、一度伐採すると、元の大きさの木に再生するためには、数十年といった非常に長い年月を要する。したがって、南洋材や、針葉樹の大量の使用は、地球の酸素供給源である森林の減少につながり、環境面で大きな問題となる。
しかしながら、南洋材にしろ、針葉樹にしろ、一度伐採すると、元の大きさの木に再生するためには、数十年といった非常に長い年月を要する。したがって、南洋材や、針葉樹の大量の使用は、地球の酸素供給源である森林の減少につながり、環境面で大きな問題となる。
一方、中密度木質繊維板(MDF)やパーティクルボードは、間伐材や廃木材を原料として使用できることから、上記合板に比べ、低価格であるとともに、木材の新たな伐採量を減らすことができ環境面ではやさしいものとすることができる。
しかし、床基材用の輸入合板(12mm厚)と、市販のパーティクルボード(12mm厚)とを比較してみると、表1に示すような性能の差がある。
すなわち、パーティクルボードは、合板に比べ、寸法安定性および強度に問題がある。
しかし、床基材用の輸入合板(12mm厚)と、市販のパーティクルボード(12mm厚)とを比較してみると、表1に示すような性能の差がある。
すなわち、パーティクルボードは、合板に比べ、寸法安定性および強度に問題がある。
そこで、合板と同等の寸法安定性および強度を得るために、木質繊維板またはパーティクルボードからなる基板の表面に、オリエンテッド・ポリプロピレン樹脂フィルムを介して化粧材が一体的に積層貼着された木質系化粧板が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、上記木質系化粧板の場合、近い将来枯渇するといわれる石油から製造されるオリエンテッド・ポリプロピレン樹脂フィルムを用いなければならず、コストがかかるとともに、廃棄時に廃プラスチックの増加を招くため、環境面でも問題がある。
しかし、上記木質系化粧板の場合、近い将来枯渇するといわれる石油から製造されるオリエンテッド・ポリプロピレン樹脂フィルムを用いなければならず、コストがかかるとともに、廃棄時に廃プラスチックの増加を招くため、環境面でも問題がある。
一方、容器包装リサイクル法により、家庭から回収される廃棄プラスチックを、ペレットやフレーク状の再生プラスチック材(以下、「容リ材]と記す」)にしてマテリアルリサイクルが図られている。
容リ材は、廃棄プラスチックを樹脂ごとに予め分別するとともに、洗浄、粉砕、異物除去などの再生処理を行って得られる。
容リ材は、廃棄プラスチックを樹脂ごとに予め分別するとともに、洗浄、粉砕、異物除去などの再生処理を行って得られる。
しかし、廃棄プラスチックを完全に単一樹脂に分離回収することは困難で、得られる容リ材は、どうしても一部に他の樹脂が混ざったものとなっている。
そこで、相溶性のない樹脂が混ざっている場合、相溶化剤を添加するなどして樹脂間の分離を防ぐようにしているが、コストがかかるという問題がある。
そこで、相溶性のない樹脂が混ざっている場合、相溶化剤を添加するなどして樹脂間の分離を防ぐようにしているが、コストがかかるという問題がある。
しかも、容リ材は、廃棄プラスチックを粉砕する工程を経て得られるため、バージンの樹脂に比べ、分子鎖が切断されて短くなっている。したがって、容リ材を用いてバージンの樹脂と同様な手法で成形品を成形した場合、十分な強度の成形品が得られないおそれがある。
したがって、容リ材は、マテリアルリサイクル用途に十分に有効利用されているとはいえない。
したがって、容リ材は、マテリアルリサイクル用途に十分に有効利用されているとはいえない。
本発明は、上記事情に鑑みて、容リ材の有効利用を図ることができるとともに、床材や壁材などの基材などの建築用途に好適で合板に比べコストダウンを図ることができるとともに環境にもやさしい複合板材およびその製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかる複合板材は、少なくとも容リ材が加熱プレスされて形成された容リ材板状層と、この容リ材板状層の一方の面に沿うように設けられ、麻系繊維、竹繊維、やし繊維から選ばれた少なくともいずれかの植物繊維を含む繊維材料からなる不織布マットが熱硬化性樹脂接着剤を介して押し固められてなる植物繊維板状層を備えることを特徴している。
一方、本発明にかかる複合板材の製造方法は、熱硬化性樹脂接着剤が担持された上記繊維材料からなる不織布マットの厚み方向の少なくとも一方の面に沿うように容リ材ペレットを敷き並べた状態で、前記マットを容リ材ペレットとともに加熱圧縮して前記熱硬化性樹脂接着剤を熱硬化させて植物繊維ボート層を形成すると同時に前記リサイクル材ペレットを熱溶融させてリサイクル材層を形成することを特徴としている。
本発明において、麻系繊維としては、特に限定されないが、ケナフ繊維、ジュート繊維、サイザル麻繊維が挙げられる。
竹繊維としては、孟宗竹、真竹、ハチクなどの繊維が挙げられる。なお、竹繊維は、例えば、伐採した竹を、破砕、切削等して得た竹チップを熱水処理、あるいは弱アルカリで前処理したのち、コーミング、捻りローラー等を用いて繊維化したのち、解繊機(反毛機)を用いて解繊することによって得られる。
やし繊維としては、特に限定されないが、油やし、ココナッツやしの繊維が挙げられ、
油やしからのヤシ油や、ココナッツやしからのココナッツミルク等の製造段階で発生する廃棄かすから得られるやし繊維を用いることが好ましい。
竹繊維としては、孟宗竹、真竹、ハチクなどの繊維が挙げられる。なお、竹繊維は、例えば、伐採した竹を、破砕、切削等して得た竹チップを熱水処理、あるいは弱アルカリで前処理したのち、コーミング、捻りローラー等を用いて繊維化したのち、解繊機(反毛機)を用いて解繊することによって得られる。
やし繊維としては、特に限定されないが、油やし、ココナッツやしの繊維が挙げられ、
油やしからのヤシ油や、ココナッツやしからのココナッツミルク等の製造段階で発生する廃棄かすから得られるやし繊維を用いることが好ましい。
上記不織布マットを構成する繊維材料としては、少なくとも上記植物繊維のみ、または、これらの植物繊維を75重量%以上含み、残部が低融点樹脂繊維である混合繊維からなるものでも構わない。
なお、上記植物繊維のみの場合、細かくニードルパンチ加工すれば、得られる不織布マットのハンドリング性に問題がなくなるが、細かくニードルパンチしようとすると不織布マットの製造スピードが遅くなる可能性がある。
一方、上記混合繊維を用いるようにすると、解繊機、カード機、クロスレイヤー、ニードルパンチ等を用いてフリース化したのち、得られたフリースを加熱処理するだけで、低融点樹脂繊維と植物繊維との交絡部が融着状態になるため、ニードルパンチ加工を粗めにするあるいはニードルパンチ加工することがなくてもハンドリング性が確保でき、不織布マットの製造スピードを上げることができる。
一方、上記混合繊維を用いるようにすると、解繊機、カード機、クロスレイヤー、ニードルパンチ等を用いてフリース化したのち、得られたフリースを加熱処理するだけで、低融点樹脂繊維と植物繊維との交絡部が融着状態になるため、ニードルパンチ加工を粗めにするあるいはニードルパンチ加工することがなくてもハンドリング性が確保でき、不織布マットの製造スピードを上げることができる。
混合繊維を用いる場合、上記植物繊維の割合は75重量%以上(より好ましくは85重量%以上)が好ましいが、その理由は、麻系繊維あるいは竹繊維の割合が少なくなると、得られる植物繊維板状層の強度が低下し建築材料として用いる場合の寸法安定性や強度に問題がでてくるためである。
上記低融点樹脂繊維としては、特に限定されないが、例えば、融点100〜140℃の低融点ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、特に限定されないが、例えば、水で希釈して用いることができるもの(水系熱硬化性樹脂接着剤あるいは水分散型熱硬化性樹脂接着剤)で、レゾールタイプのフェノール樹脂接着剤、メラミン樹脂接着剤、尿素樹脂接着剤が挙げられる。
用いる熱硬化性樹脂は、分子量分布を調整し、低分子量成分の割合を多くすることが好ましい。すなわち、低分子量成分は不織布マットの内部まで含浸しやすく、マット内部まで均一に担持させることができる。
上記熱硬化性樹脂の担持方法としては、特に限定されないが、例えば、ロールコーター塗布法、スプレー塗布法、浸漬法等が挙げられ、後工程での乾燥時間を短縮できることからロールコーター塗布法が好ましい。
用いる熱硬化性樹脂は、分子量分布を調整し、低分子量成分の割合を多くすることが好ましい。すなわち、低分子量成分は不織布マットの内部まで含浸しやすく、マット内部まで均一に担持させることができる。
上記熱硬化性樹脂の担持方法としては、特に限定されないが、例えば、ロールコーター塗布法、スプレー塗布法、浸漬法等が挙げられ、後工程での乾燥時間を短縮できることからロールコーター塗布法が好ましい。
また、上記のように熱硬化性樹脂を不織布マットに担持させたのち、次工程で接着剤が流れ落ちずに、熱硬化性樹脂の不織布マットへの付着状態が確保でき、次工程でのハンドリング性などを阻害しなければ、不織布マット全体で含水率が7〜15重量%(より好ましくは8〜10重量%)になるまで乾燥することが好ましい。
すなわち、含水率が少なすぎると、加熱圧縮工程において熱硬化性樹脂の流動性が悪くなり、繊維同士の接着が不十分で、得られる植物繊維板状層の厚みが不均一になるとともに、強度の低下を招くおそれがある。一方、含水率が多すぎると、熱プレス作業に時間がかかるおそれがある。
すなわち、含水率が少なすぎると、加熱圧縮工程において熱硬化性樹脂の流動性が悪くなり、繊維同士の接着が不十分で、得られる植物繊維板状層の厚みが不均一になるとともに、強度の低下を招くおそれがある。一方、含水率が多すぎると、熱プレス作業に時間がかかるおそれがある。
上記不織布を形成する麻系繊維、竹繊維の繊維長は、特に限定されないが、20〜80mmが好ましい。
また、繊維の径は、特に限定されないが、平均径で50μm〜300μmが好ましい。
また、繊維の径は、特に限定されないが、平均径で50μm〜300μmが好ましい。
本発明にかかる複合板材は、木質系基板の少なくとも一側面に沿ってリサイクル材板状層が設けられ、このリサイクル板状層に沿って植物繊維板状層が設けられている構成としてもよい。
また、リサイクル板状層の両側に植物繊維板状層が設けられている構成としてもよい。
また、リサイクル板状層の両側に植物繊維板状層が設けられている構成としてもよい。
上記木質系基板としては、特に限定されないが、パーティクルボード、中密度木質繊維板(MDF)、合板が挙げられ、コスト面からパーティクルボードが好ましい。なお、合板としては、コスト面および環境面を考慮すると、低質の早成樹合板(ファルカタ、ポプラ、ユーカリ等)が好ましい。
本発明にかかる複合板材は、化粧材層が、リサイクル材板状層との間に植物繊維板状層を挟むように積層されている構成としてもよい。
上記化粧材層は、接着剤を介して植物繊維板状層に化粧材シートを接着することによって形成される。
化粧材としては、特に限定されないが、例えば、突き板、樹脂化粧シート、化粧紙などが挙げられる。
化粧材としては、特に限定されないが、例えば、突き板、樹脂化粧シート、化粧紙などが挙げられる。
突き板としては、特に限定されないが、例えば、ナラ、ケヤキ、マホガニー、ウォールナット、チーク、ローズウッド、オークなどが挙げられる。
また、化粧材層の表面には、光硬化樹脂等による透明保護被膜層を設けるようにしても構わない。
また、化粧材層の表面には、光硬化樹脂等による透明保護被膜層を設けるようにしても構わない。
本発明に使用される容リ材の樹脂の種類は、発明の目的を達成することができれば、特に限定されないが、ポリエチレンを主成分とするものが好ましい。
上記のように、本発明にかかる複合板材は、容リ材が加熱熱プレスされて形成された容リ材板状層と、この容リ材板状層の少なくとも一方の面に沿うように設けられ、植物繊維マットが熱硬化性樹脂接着剤を介して押し固められてなる植物繊維板状層からなる積層構造部を少なくとも備えている。
すなわち、容リ材を用いたので、容リ材の有効利用を図ることができるとともに、植物繊維板状層が、一年草本である成長が早いカーボンニュートラルな麻系繊維あるいは竹繊維を用いて形成されるので、低コストで製造することができる。植物繊維板状層との界面で繊維と繊維との間に溶融した容リ材の一部が入り込むとともに、熱硬化性樹脂の一部がリサイクリ材板状層側に入り込んで両者をしっかりと一体化することができる。
すなわち、容リ材を用いたので、容リ材の有効利用を図ることができるとともに、植物繊維板状層が、一年草本である成長が早いカーボンニュートラルな麻系繊維あるいは竹繊維を用いて形成されるので、低コストで製造することができる。植物繊維板状層との界面で繊維と繊維との間に溶融した容リ材の一部が入り込むとともに、熱硬化性樹脂の一部がリサイクリ材板状層側に入り込んで両者をしっかりと一体化することができる。
本発明にかかる複合板材の製造方法は、未硬化の熱硬化性樹脂が担持された植物繊維からなるマットの厚み方向の少なくとも一方の面に沿うように容リ材ペレットを敷き並べた状態で、前記マットを容リ材ペレットとともに加熱圧縮して前記熱硬化性樹脂を熱硬化させて植物繊維板状層を形成すると同時に前記容リ材ペレットを熱溶融または軟化させて容リ材板状層を形成するようにしたので、加熱圧縮されることによって熱硬化性樹脂が硬化し、不織布マットが圧縮状態のまま押し固められた植物繊維板状層が形成されると同時に容リ材ペレットが熱溶融して容リ材板状層が形成される。このとき、熱硬化性樹脂接着剤の一部が容リ材板状層側にも入り込む(マイグレーション現象)とともに、熱溶融した容リ材の一部が植物繊維板状層の界面において繊維と繊維との間に入り込み、植物繊維板状層とリサイクル材板状層がしっかりと一体化される。
以下に、本発明にかかる複合板材の実施の形態を、図を参照しつつ説明する。
図1は、本発明にかかる複合板材の第1の実施の形態をあらわしている。
図1は、本発明にかかる複合板材の第1の実施の形態をあらわしている。
図1に示すように、この複合板材Aは、木質系基材としてのパーティクルボード1と、容リ材板状層2と、植物繊維板状層3が積層されている。
パーティクルボード1は、例えば、9mm〜10mmの厚さになっている。
容リ材板状層2は、例えば、0.5〜1.5mmの厚さになっている。
植物繊維板状層3は、例えば、1.0〜1.5mmの厚さになっている。
パーティクルボード1は、例えば、9mm〜10mmの厚さになっている。
容リ材板状層2は、例えば、0.5〜1.5mmの厚さになっている。
植物繊維板状層3は、例えば、1.0〜1.5mmの厚さになっている。
そして、この複合板材Aは、以下のようにして製造される。
(1)図示していないが、解繊機、カード機、クロスレイヤー、ニードルパンチ等を用いて10〜15mmの厚さのケナフ繊維からなる不織布マットを作製する。
(2)図2に示すように、得られた不織布マット4をロールコーター装置に通し、熱硬化性樹脂接着剤としての水溶性のフェノール系樹脂接着剤5を不織布マット4に塗布する。
(3)フェノール系樹脂接着剤5が塗布された不織布マット4を乾燥炉6に通し、含水率が7〜15%になるまで乾燥させて、接着剤が担持された不織布マット41を得る。なお、乾燥温度は、フェノール系樹脂接着剤5が熱硬化しない程度の温度80〜90℃が好ましく、常温乾燥でも構わない。
(4)図3に示すように、市販のパーティクルボード1の上面に、容リ材板状層2の厚みに相当する量のポリエチレンを主成分とし、ポリプロピレンを含む容リ材ペレット21をほぼ均一な厚みに敷き並べる。
なお、容リ材ペレット21を敷き並べる方法としては、粉粒体散布装置を用いることができる。また、容リ材ペレット21を敷き並べる前に、90℃程度に予備加熱しておいても構わない。予備加熱の方法は、特に限定されないが、熱水中に容リ材ペレット21を投入する方法が挙げられる。
(5)図3に示すように、敷き並べられた容リ材ペレット21の層上に接着剤が担持された不織布マット41を積層し、予備積層体A1を作製する。
(6)図4に示すように、予備積層体A1を熱プレス装置7にセットし、図5に示すように上盤71と下盤72との間で熱プレスして、容リ材ペレット21を溶融するとともに、フェノール系樹脂接着剤5を熱硬化させて、パーティクルボード1の一側面に容リ材板状層2を介して植物繊維板状層3が積層一体化された複合板材の半製品A2を得る。
なお、熱プレスによってフェノール系樹脂接着剤5が熱硬化するとともに、一部が容リ材板状層2側に移行(マイグレーション)するとともに、パーティクルボード1側まで達し、熱硬化すると考えられる。すなわち、他の接着剤を用いなくてもパーティクルボード1に植物繊維板状層3が容リ材板状層2を介してしっかりと固着された状態となる。
また、熱プレス時の上盤71および下盤72の温度は、例えば、160〜180℃で、プレス時間は、例えば、3〜5分である。
(7)図示していないが、上記フェノール系樹脂接着剤5を熱プレス装置7から取り出し、上下を反転させて、パーティクルボード1の他側面を上方に向けて上記(4)〜(6)の工程を繰り返し、パーティクルボード1の他側面に容リ材板状層2を介して植物繊維板状層3を積層一体化し、図1に示す複合板材Aを作製する。
(1)図示していないが、解繊機、カード機、クロスレイヤー、ニードルパンチ等を用いて10〜15mmの厚さのケナフ繊維からなる不織布マットを作製する。
(2)図2に示すように、得られた不織布マット4をロールコーター装置に通し、熱硬化性樹脂接着剤としての水溶性のフェノール系樹脂接着剤5を不織布マット4に塗布する。
(3)フェノール系樹脂接着剤5が塗布された不織布マット4を乾燥炉6に通し、含水率が7〜15%になるまで乾燥させて、接着剤が担持された不織布マット41を得る。なお、乾燥温度は、フェノール系樹脂接着剤5が熱硬化しない程度の温度80〜90℃が好ましく、常温乾燥でも構わない。
(4)図3に示すように、市販のパーティクルボード1の上面に、容リ材板状層2の厚みに相当する量のポリエチレンを主成分とし、ポリプロピレンを含む容リ材ペレット21をほぼ均一な厚みに敷き並べる。
なお、容リ材ペレット21を敷き並べる方法としては、粉粒体散布装置を用いることができる。また、容リ材ペレット21を敷き並べる前に、90℃程度に予備加熱しておいても構わない。予備加熱の方法は、特に限定されないが、熱水中に容リ材ペレット21を投入する方法が挙げられる。
(5)図3に示すように、敷き並べられた容リ材ペレット21の層上に接着剤が担持された不織布マット41を積層し、予備積層体A1を作製する。
(6)図4に示すように、予備積層体A1を熱プレス装置7にセットし、図5に示すように上盤71と下盤72との間で熱プレスして、容リ材ペレット21を溶融するとともに、フェノール系樹脂接着剤5を熱硬化させて、パーティクルボード1の一側面に容リ材板状層2を介して植物繊維板状層3が積層一体化された複合板材の半製品A2を得る。
なお、熱プレスによってフェノール系樹脂接着剤5が熱硬化するとともに、一部が容リ材板状層2側に移行(マイグレーション)するとともに、パーティクルボード1側まで達し、熱硬化すると考えられる。すなわち、他の接着剤を用いなくてもパーティクルボード1に植物繊維板状層3が容リ材板状層2を介してしっかりと固着された状態となる。
また、熱プレス時の上盤71および下盤72の温度は、例えば、160〜180℃で、プレス時間は、例えば、3〜5分である。
(7)図示していないが、上記フェノール系樹脂接着剤5を熱プレス装置7から取り出し、上下を反転させて、パーティクルボード1の他側面を上方に向けて上記(4)〜(6)の工程を繰り返し、パーティクルボード1の他側面に容リ材板状層2を介して植物繊維板状層3を積層一体化し、図1に示す複合板材Aを作製する。
上記複合板材Aは、パーティクルボード1に容リ材板状層2を介してケナフ繊維不織布マットをフェノール系樹脂接着剤5で押し固めた植物繊維板状層3が積層された構造になっているので、合板と同等の寸法安定性および強度を備えたものとなる。
しかも、容リ材の有効利用を図ることができるとともに、1年草本でカーボンニュートラルな材料であるケナフ繊維を用いたので、合板に比べ安価に得られる。
また、森林破壊の問題も解消でき、環境にやさしいものとなる。さらに、ケナフ繊維は、木質繊維に比べ2〜3倍の強度を備えているので、植物繊維板状層3の強度も非常に高いものとなる。
しかも、容リ材の有効利用を図ることができるとともに、1年草本でカーボンニュートラルな材料であるケナフ繊維を用いたので、合板に比べ安価に得られる。
また、森林破壊の問題も解消でき、環境にやさしいものとなる。さらに、ケナフ繊維は、木質繊維に比べ2〜3倍の強度を備えているので、植物繊維板状層3の強度も非常に高いものとなる。
また、上記複合板材Aの製造方法においては、フェノール系樹脂接着剤5をケナフ繊維不織布マット4に担持させるにあたり、ロールコーター塗布方法を用いたので、スプレー塗布や浸漬に比べ、乾燥時間を短縮できるため、乾燥コストを低減できるとともに、ラインスピードを上げて生産性を向上させることができる。
そして、熱プレスして、接着剤が担持された不織布マット41を圧縮し、フェノール系樹脂接着剤5を熱硬化させて植物繊維板状層3を形成すると同時に容リ材ペレット21を溶融して容リ材板状層2を形成するようにしたので、フェノール系樹脂接着剤5の一部が熱プレスに伴い容リ材ペレット21側に移行し、パーティクルボード1側まで達するため、パーティクルボード1
と、容リ材板状層2と、植物繊維板状層3がしっかりと固着されたものとなる。
そして、熱プレスして、接着剤が担持された不織布マット41を圧縮し、フェノール系樹脂接着剤5を熱硬化させて植物繊維板状層3を形成すると同時に容リ材ペレット21を溶融して容リ材板状層2を形成するようにしたので、フェノール系樹脂接着剤5の一部が熱プレスに伴い容リ材ペレット21側に移行し、パーティクルボード1側まで達するため、パーティクルボード1
と、容リ材板状層2と、植物繊維板状層3がしっかりと固着されたものとなる。
また、上記複合板材Aは、植物繊維板状層3の表面に天然木の突き板、樹脂化粧シートなどの化粧材を、接着剤を介して貼着して、床材や壁材として用いたり、断熱材保持ボード、トムソン型のベース板などに用いたりすることができる。
図6は本発明にかかる複合板材の第2の実施の形態をあらわしている。
図6に示すように、この複合板材Bは、容リ材板状層2と植物繊維板状層3の2層から構成されている。
図6に示すように、この複合板材Bは、容リ材板状層2と植物繊維板状層3の2層から構成されている。
この複合板材Bは、図示していないが、例えば、離型性を備えた金属枠部材内に容リ材ペレット21を敷き詰めた後、不織布マット4を容リ材ペレット21上に載せた状態で、金属枠部材とともに、熱プレスすることによって得ることができる。
(実施例1)
ケナフ繊維(バングラデシュ産平均径約100μm、繊維長20〜50mm)が85重量%、低融点ポリエステル繊維(リサイクル繊維、繊度1.4d)が15重量%からなる厚さ9mmの不織布マット(目付け350〜400g/m2)を用意した。
水系フェノール樹脂接着剤(アイカ工業社製商品名PX341、固形分45重量%)100重量部に対し、水150重量部を加え、接着剤希釈液を得た。
上記不織布マットの含水率が100%になるまで、上記接着剤希釈液を上記不織布マットにはけ塗りしたのち、接着剤が塗布された不織布マットを90℃で含水率が9%になるまで乾燥させて、接着剤担持マットを得た。
9mm厚のパーティクルボード(MIECO CHIPBOARD社製)の上に容リ材ペレット(福井工業社、ポリエチレン、ポリプロピレン混合品)を約2mm厚になるように敷き並べたのち、容リ材ペレット層状に上記接着剤担持マットを載せた。
そして、上盤温度180℃、下盤温度180℃の熱プレス装置の上下盤間でプレス圧25kg/cm2で4分間プレスして複合板材サンプルを得た。
得られた複合板材サンプルの植物繊維板状層の剥離強度を測定したところ、0.3MPa以上であった、
ケナフ繊維(バングラデシュ産平均径約100μm、繊維長20〜50mm)が85重量%、低融点ポリエステル繊維(リサイクル繊維、繊度1.4d)が15重量%からなる厚さ9mmの不織布マット(目付け350〜400g/m2)を用意した。
水系フェノール樹脂接着剤(アイカ工業社製商品名PX341、固形分45重量%)100重量部に対し、水150重量部を加え、接着剤希釈液を得た。
上記不織布マットの含水率が100%になるまで、上記接着剤希釈液を上記不織布マットにはけ塗りしたのち、接着剤が塗布された不織布マットを90℃で含水率が9%になるまで乾燥させて、接着剤担持マットを得た。
9mm厚のパーティクルボード(MIECO CHIPBOARD社製)の上に容リ材ペレット(福井工業社、ポリエチレン、ポリプロピレン混合品)を約2mm厚になるように敷き並べたのち、容リ材ペレット層状に上記接着剤担持マットを載せた。
そして、上盤温度180℃、下盤温度180℃の熱プレス装置の上下盤間でプレス圧25kg/cm2で4分間プレスして複合板材サンプルを得た。
得られた複合板材サンプルの植物繊維板状層の剥離強度を測定したところ、0.3MPa以上であった、
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、半製品A2を成形したのち、半製品A2のパーティクルボード1の他側面に容リ材板状層2および植物繊維板状層3を形成するようにしていたが、パーティクルボード1の上面側と下面側に容リ材ペレット21と、接着剤が担持された不織布マット41をそれぞれ配置した予備積層体A1を熱プレス装置7にセットして、パーティクルボード1の上下面に同時に容リ材板状層2および植物繊維板状層3を積層一体化するようにしても構わない。
また、上記の実施の形態では、パーティクルボード1が1層であったが、パーティクルボードの上面に容リ材ペレット21を敷き、その上に不織布マット4を載せたのち、さらに不織布マット4の上に容リ材ペレット21を敷き、その上にパーティクルボード1を載せて熱プレスした積層構造部を備えていても構わない。
また、上記の実施の形態では、パーティクルボード1が1層であったが、パーティクルボードの上面に容リ材ペレット21を敷き、その上に不織布マット4を載せたのち、さらに不織布マット4の上に容リ材ペレット21を敷き、その上にパーティクルボード1を載せて熱プレスした積層構造部を備えていても構わない。
A、B 複合板材
A1 予備積層体
A2 半製品
1 パーティクルボード(木質系基材)
2 容リ材板状層
21 容リ材ペレット
3 植物繊維板状層
4 不織布マット
41 接着剤が担持された不織布マット
5 フェノール系樹脂接着剤
6 乾燥炉
7 熱プレス装置
71 上盤
72 下盤
A1 予備積層体
A2 半製品
1 パーティクルボード(木質系基材)
2 容リ材板状層
21 容リ材ペレット
3 植物繊維板状層
4 不織布マット
41 接着剤が担持された不織布マット
5 フェノール系樹脂接着剤
6 乾燥炉
7 熱プレス装置
71 上盤
72 下盤
Claims (6)
- 少なくとも再生プラスチック材が加熱プレスされて形成された再生プラスチック板状層と、
この再生プラスチック板状層の一方の面に沿うように設けられ、麻系繊維、竹繊維、やし繊維から選ばれた少なくともいずれかの植物繊維を含む繊維材料からなる不織布マットが熱硬化性樹脂接着剤を介して押し固められてなる植物繊維板状層を備えることを特徴とする複合板材。 - 木質系基板の少なくとも一側面に沿って再生プラスチック板状層が設けられ、この再生プラスチック板状層の他側面に沿って植物繊維板状層が設けられている請求項1に記載の複合板材。
- 再生プラスチック板状層の両側に植物繊維板状層が設けられている請求項1に記載の複合板材。
- 化粧材層が、再生プラスチック板状層との間に植物繊維板状層を挟むように積層されている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の複合板材。
- 熱硬化性樹脂接着剤が担持された繊維材料からなる不織布マットの厚み方向の少なくとも一方の面に沿うように再生プラスチックペレットを敷き並べた状態で、前記マットを再生プラスチックペレットとともに加熱プレスして前記熱硬化性樹脂接着剤を熱硬化させて植物繊維ボート層を形成すると同時に前記再生プラスチックペレットを熱溶融させて再生プラスチック板状層を形成する請求項1〜請求項4のいずれかに記載の複合板材の製造方法。
- 木質系基材の表面に沿うように再生プラスチックペレットを敷き並べた状態で、再生プラスチックペレット上に未硬化の熱硬化性樹脂接着剤が担持された繊維材料からなる不織布マットを積層したのち、不織布マットを再生プラスチックペレットとともに木質系基材方向に加熱プレスする請求項5に記載の複合板材の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2014197846A JP2016068300A (ja) | 2014-09-29 | 2014-09-29 | 複合板材およびその製造方法 |
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---|---|---|---|---|
US10822798B2 (en) | 2006-01-20 | 2020-11-03 | Material Innovations Llc | Carpet waste composite |
KR20220060120A (ko) * | 2020-11-03 | 2022-05-11 | 이태수 | 재생플라스틱 판재를 내심재로 한 합판 |
US11572646B2 (en) | 2020-11-18 | 2023-02-07 | Material Innovations Llc | Composite building materials and methods of manufacture |
-
2014
- 2014-09-29 JP JP2014197846A patent/JP2016068300A/ja active Pending
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US10822798B2 (en) | 2006-01-20 | 2020-11-03 | Material Innovations Llc | Carpet waste composite |
US11773592B2 (en) | 2006-01-20 | 2023-10-03 | Material Innovations Llc | Carpet waste composite |
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KR102461680B1 (ko) | 2020-11-03 | 2022-11-02 | 이태수 | 재생플라스틱 판재를 내심재로 한 합판 |
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