JP2005305910A - 液滴吐出ヘッドの駆動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動周波数を低下させることなく、尾部の曲がりのない液滴を安定的に吐出させることのできる液滴吐出ヘッドの駆動方法を提供すること。
【解決手段】互いに2本のチャネルを挟んで離れているチャネルをまとめて1つの組として、チャネルを3つの組に分割し、側壁に形成された電極に液滴を吐出パルスを印加することにより、1つの組ごとに順次に時分割で駆動し、側壁をせん断変形させ、せん断変形時の圧力によりチャネル内の液体をノズルより液滴として吐出させる液滴吐出ヘッドの駆動方法において、吐出パルスの印加による駆動を、チャネルの容積を拡大させる第1の工程と、拡大状態を保持する第2の工程と、チャネルの容積を縮小させてノズルから液柱を突出させる第3の工程と、チャネルの容積を縮小させる状態を保持する第4の工程と、チャネルの容積を拡大させる第5の工程とし、第3の工程を、その直前に駆動した隣接チャネルのノズルから突出した液柱がメニスカスから分離して液滴として吐出される前に開始する。
【選択図】 図5

Description

本発明は液滴吐出ヘッドの駆動方法に関し、詳しくは、駆動周波数を低下させることなく、ノズルから吐出される液滴の尾部の曲がりを抑制し、液滴の着弾精度を向上させることのできる液滴吐出ヘッドの駆動方法に関する。
ノズルから液体を液滴として吐出させる液滴吐出ヘッドの例としては、微小なインク滴を記録媒体に吐出して画像を記録するためのインクジェット記録ヘッドが良く知られている。
このようなインクジェット記録ヘッドは、インクが満たされたチャネル内に圧力を付与することで、ノズルからインク柱を突出させ、その後、メニスカスを引き込むことで、突出されたインク柱の後端を引き戻し、インク柱をメニスカスから分離させる。これにより、図13に示すように、ノズル400からインク滴200が記録媒体300に向けて飛翔する。
ノズル400から吐出された直後のインク滴200は、同図に示すように、略球状をなす主滴201と該主滴201の後端から長く尾を引いた尾部202とからなる。しかし、その後、尾部202は分裂してサテライトと呼ばれる微小な2次滴203となり、この主滴201と2次滴203とが記録媒体300に向かって飛翔し、これらが着弾することにより画像が記録される。このとき、主滴201の飛翔方向と2次滴203の飛翔方向とが同じであれば、同じ場所に着弾するので画像に影響を与えることはない。しかし、2次滴203の飛翔方向が主滴201と異なると、同図に示すように主滴201の周囲に着弾するので画像を劣化させる。
このように2次滴203の飛翔方向が主滴201の飛翔方向と異なる原因は、ノズル400から吐出された直後のインク滴200の尾部202に、図13において矢視する本来の飛翔方向とは異なる方向の曲がりが発生することにある。
ノズルから吐出されるインク滴の尾部に曲がりが発生する原因は、ノズル内面の不均一性にあることが知られている。例えば、図14に示すように、ノズル内面401の傾斜が一様でなく、一部で傾斜が異なると、ノズル内面401のメニスカスMの表面張力にアンバランスが生じて、ノズル400から突出したインク柱500の尾部501を本来の飛翔方向とは垂直な一方向に片寄らせる力が働いてしまい、インク滴がメニスカスMから分離した直後に尾部に曲がりを発生させる。従って、ノズル内面の形状の正確さが、インク滴の尾部の曲がりを抑制した安定な吐出に大きく影響することになる。
しかしながら、ノズル内面形状に要求される正確さのレベルは非常に高く、ノズル内面まで真円且つ左右対称に加工形成することはきわめて困難であり、その要求に応えることは到底容易ではない。また、使用中にノズル内面に異物が付着すると、除去することが困難であり、これが尾部の曲がりを発生させる原因となる場合もある。このため、ノズル内面形状の正確さ以外の方法によって、インク滴を尾部の曲がりなく安定的に吐出させることが求められる。
このようなインク滴の尾部の曲がりを改善することは従来から検討されており、特許文献1には、第1パルスを与えてノズルからインク柱を突出させた後、このインク柱がメニスカスから分離してインク滴として吐出される前に第2パルスを与えてノズルからメニスカスを突出させ、凸状になったメニスカスの頂点でインク滴として分離させることで、尾部の曲がりを防ぐ技術が開示されている。
特開平2−215537号公報
特許文献1に記載の技術によれば、メニスカスをノズルから突出させてからインク滴を分離するので、ノズル内面形状の影響を受けないが、インク柱を突出させる第1パルスの他に、更にメニスカスを突出させるための第2パルスを再度印加する必要があるため、それだけ駆動周波数が低下してしまい、記録速度の低下につながる問題がある。しかも、第2パルスによる残留圧力波をキャンセルしなくては次の吐出を開始することができないため、残留圧力波をキャンセルするための新たなパルスを別途印加する必要があり、更に駆動周波数の低下を招く問題がある。
そこで、本発明は、駆動周波数を低下させることなく、尾部の曲がりのない液滴を安定的に吐出させることのできる液滴吐出ヘッドの駆動方法を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
請求項1記載の発明は、少なくとも一部が圧電材料で形成された側壁により隔てられた複数のチャネルを有し、前記複数のチャネルのうち、互いに2本のチャネルを挟んで離れているチャネルをまとめて1つの組として、チャネルを3つの組に分割し、側壁に形成された電極に液滴を吐出させるための電圧パルスを印加することにより、前記1つの組ごとに順次に時分割で駆動し、該側壁をせん断変形させ、せん断変形時の圧力によりチャネル内の液体をノズルより液滴として吐出させる液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、前記液滴を吐出させるための電圧パルスの印加による駆動は、前記チャネルの容積を拡大させる第1の工程と、前記拡大状態を保持する第2の工程と、前記チャネルの容積を縮小させて前記ノズルから液柱を突出させる第3の工程と、前記チャネルの容積を縮小させる状態を保持する第4の工程と、前記チャネルの容積を拡大させる第5の工程とを有し、前記第3の工程を、その直前に駆動した隣接チャネルのノズルから突出した液柱がメニスカスから分離して液滴として吐出される前に開始することを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法である。
請求項2記載の発明は、前記第3の工程を、その直前に駆動した隣接チャネルのノズルから液柱が突出した後に形成されたメニスカスが実質的にノズル開口先端に復帰した時点で開始し、前記隣接チャネルのノズルから突出された液柱をメニスカスから分離して液滴として吐出させることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法である。
請求項3記載の発明は、前記第3の工程により縮小させた時のチャネルの容積は、前記第1の工程によりチャネルを拡大させる以前の容積よりも小さく、且つ、前記第5の工程により拡大させた後のチャネルの容積は、前記第1の工程によりチャネルを拡大させる以前の容積と同じであることを特徴とする請求項1又は2記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法である。
請求項4記載の発明は、前記第1の工程において、側壁に形成された電極に印加する電圧をa(V)、第5の工程において側壁に形成された電極に印加する電圧をb(V)としたとき、|a|>|b|であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法である。
請求項5記載の発明は、|a|/|b|=2であることを特徴とする請求項4記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法である。
請求項6記載の発明は、少なくとも一部が圧電材料で形成された側壁により隔てられた複数のチャネルを有し、前記複数のチャネルのうち、互いに2本のチャネルを挟んで離れているチャネルをまとめて1つの組として、チャネルを3つの組に分割し、側壁に形成された電極に液滴を吐出させるための電圧パルスを印加することにより、前記1つの組ごとに順次に時分割で駆動し、該側壁をせん断変形させ、せん断変形時の圧力によりチャネル内のインクをノズルより液滴として吐出させると共に、前記1つの組のチャネルの中の非吐出のチャネルの側壁に形成された電極に、液滴を吐出しない程度の電圧パルスを印加し、液滴を吐出させずに前記ノズルのメニスカスを微振動させる液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、前記液滴を吐出しない程度の電圧パルスの印加による駆動は、前記チャネルの容積を縮小させる第1の工程と、前記縮小状態を保持する第2の工程と、前記チャネルの容積を拡大させる第3の工程とを有し、前記第1の工程を、その直前に駆動した隣接チャネルのノズルから突出した液柱がメニスカスから分離して液滴として吐出される前に開始することを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法である。
請求項7記載の発明は、前記第1の工程によりチャネルの容積を縮小させる前の容積は、前記第3の工程によりチャネルを拡大させた後の容積と同じであることを特徴とする請求項6記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法である。
請求項8記載の発明は、少なくとも一部が圧電材料で形成された側壁により隔てられた複数のチャネルを有し、前記複数のチャネルのうち、互いに2本のチャネルを挟んで離れているチャネルをまとめて1つの組として、チャネルを3つの組に分割し、側壁に形成された電極に液滴を吐出させるための電圧パルスを印加することにより、前記1つの組ごとに順次に時分割で駆動し、該側壁をせん断変形させ、せん断変形時の圧力によりチャネル内のインクをノズルより液滴として吐出させると共に、前記1つの組のチャネルの中の非吐出のチャネルの側壁に形成された電極に、液滴を吐出しない程度の電圧パルスを印加し、液滴を吐出させずに前記ノズルのメニスカスを微振動させる液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、前記液滴を吐出しない程度の電圧パルスの印加による駆動は、前記チャネルの容積を拡大させる第1の工程と、前記拡大状態を保持する第2の工程と、前記チャネルの容積を縮小させる第3の工程とを有し、前記第3の工程を、その直前に駆動した隣接チャネルのノズルから突出した液柱がメニスカスから分離して液滴として吐出される前に開始することを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法である。
請求項9記載の発明は、前記第3の工程を、その直前に駆動した隣接チャネルのノズルから液柱が突出した後に形成されたメニスカスがノズル開口先端に実質的に復帰した時点で開始し、前記隣接チャネルのノズルから突出された液柱がメニスカスから分離して液滴として吐出させることを特徴とする請求項8記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法である。
請求項10記載の発明は、前記第1の工程によりチャネルの容積を拡大させる前の容積は、前記第3の工程によりチャネルの容積を縮小させた後の容積と同じであることを特徴とする請求項8又は9記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法である。
請求項11記載の発明は、前記第2の工程の継続時間が2AL(ALはチャネルの音響的共振周期の1/2)であることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法である。
請求項12記載の発明は、前記液滴を吐出しない程度の電圧パルスは、液滴の吐出、非吐出にかかわらず、前記1つの組のチャネルの側壁に形成された電極全てに印加されることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法である。
請求項13記載は発明は、前記液滴を吐出しない程度の電圧パルスの印加による前記メニスカスの最大押し出し量は、ノズル半径以下であることを特徴とする請求項6〜12のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法である。
請求項14記載の発明は、前記電圧パルスは、矩形波パルスであることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法である。
請求項15記載の発明は、前記液体の粘度が、5cp以上15cp以下であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法である。
請求項16記載の発明は、前記液体の表面張力が、20dyne/cm以上30dyne/cm以下であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法である。
本発明によれば、駆動周波数を低下させることなく、尾部の曲がりのない液滴を安定的に吐出させることのできる液滴吐出ヘッドの駆動方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
本発明に係る駆動方法は、少なくとも一部が圧電材料で形成された側壁により隔てられた複数のチャネルを有し、その複数のチャネルのうち、互いに2本のチャネルを挟んで離れているチャネルをまとめて1つの組として、チャネルを3つの組に分割し、側壁に形成された電極に液滴を吐出させるための電圧パルスを印加することにより、1つの組ごとに順次に時分割で駆動し、該側壁をせん断変形させ、せん断変形時の圧力によりチャネル内の液体をノズルより液滴として吐出させるようにした液滴吐出ヘッドであれば、どのようなタイプの液滴吐出ヘッドにも適用でき、また、吐出されるチャネル内の液体はどのような液体であってもよいが、以下の説明では、チャネル内の液体として画像記録のためのインクを使用した液滴吐出ヘッドであるせん断モード(シェアモード)タイプのインクジェット記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという。)を用いて説明する。
図1は、せん断モードタイプの記録ヘッドの概略構成を示す図であり、(a)は一面を断面で示す斜視図、(b)は断面図である。図2はその作動を示す図である。
記録ヘッド2は、カバープレート24と基板26の間に、PZT等の圧電材料からなる複数の側壁27A、27B、27Cで隔てられたチャネル28が多数並設されている。図2では多数のチャネル28の一部である3本(28A、28B、28C)が示されている。チャネル28の一端はノズル形成部材22に形成されたノズル23につながり、他端はインク供給口25を経て、インクチューブ21によって図示されていないインクタンクに接続されている。そして、各チャネル28内の側壁27表面には両側壁27の上方からチャネル28内の底面に亘って繋がる電極29A、29B、29Cが密着形成され、各電極29A、29B、29Cは駆動信号発生部100に電気的に接続している。
この駆動信号発生部100は、複数の電圧パルスを含む一連の駆動信号を各画素周期毎に発生する駆動信号発生回路と、各チャネル毎に前記駆動信号発生回路から供給された駆動信号の中から各画素のデータに応じて電圧パルスを選択して各チャネルに供給する駆動パルス選択回路とからなり、各画素のデータに応じて圧電材料からなる側壁27を駆動するための電圧パルスを供給する。この電圧パルスには、インク滴を吐出させるための吐出パルスと、ノズル23からインク滴を吐出させない程度にメニスカスを微振動させる微振動パルスとを含んでいる。
各側壁27は、ここでは図2の矢印で示すように分極方向が異なる2枚の圧電材料27a、27bによって構成されているが、圧電材料は例えば符号27aの部分のみであってもよく、側壁27の少なくとも一部にあればよい。
各側壁27表面に密着形成された電極29A、29B、29Cに駆動信号発生部100の制御により吐出パルスとしての電圧パルスが印加されると、以下に例示する動作によってインク滴をノズル23から吐出する。なお、図2ではノズルは省略してある。
まず、電極29A、29B、29Cのいずれにも電圧パルスが印加されない時は、側壁27A、27B、27Cのいずれも変形しないが、図2(a)に示す状態において、電極29A及び29Cを接地すると共に電極29Bに図3に示すような電圧パルスを印加すると、まず、側壁27B、27Cを構成する圧電材料の分極方向に直角な方向の電界が生じ、各側壁27B、27C共に、それぞれ圧電材料27a、27bの接合面にズリ変形を生じ、図2(b)に示すように側壁27B、27Cは互いに外側に向けて変形し、チャネル28Bの容積を拡大する。これによりチャネル28B内に負の圧力が生じてインクが流れ込む(Draw)。
この状態を一定時間継続してから電圧パルスの電位を0に戻すと、側壁27B、27Cは図2(b)に示す拡大位置から図2(a)に示す中立位置に戻り、チャネル28B内のインクに高い圧力が掛かる(Release)。引き続いて、図2(c)に示すように、側壁27B、27Cを互いに逆方向に変形するように電圧パルスを印加して、チャネル28Bの容積を縮小する(Reinforce)と、チャネル28B内に正の圧力が生じる。これによりチャネル28Bを満たしているインクの一部によるノズル内のメニスカスがノズルから押し出される方向に変化し、ノズルからインク柱が吐出する。他の各チャネルも電圧パルスの印加によって上記と同様に動作する。
このような駆動法はDRR駆動法と呼ばれ、せん断モードタイプの記録ヘッドの代表的な駆動法である。
このように少なくとも一部が圧電材料によって形成された側壁27によって隔てられた複数のチャネル28を有する記録ヘッド2を駆動する場合、一つのチャネル28の側壁27が変形動作をすると、隣のチャネル28が影響を受けるため、複数のチャネル28のうち、互いに2本のチャネル28を挟んで離れているチャネル28をまとめて1つの組となすようにして、チャネル28を3つの組に分割し、1つの組毎に順次に時分割で駆動制御する(以下、これを3サイクル駆動という場合がある。)。このように1つの組毎に順次に時分割で駆動制御するものでは、1つの組に印加される電圧パルスが終了した後に、隣接する次の組に電圧パルスが印加されるような駆動方法が採用される。
かかる3サイクル駆動を行う本発明の駆動方法について図4を用いて更に説明する。図4に示す例では、記録ヘッドはチャネルがA1、B1、C1、A2、B2、C2、A3、B3、C3の9つのチャネル28で構成されているとして説明する。また、このときのA、B、Cの各組のチャネル28に印加される電圧パルスのタイミングチャートの一例を図5に示す。また、図5に示すA組のチャネル28のノズル23におけるインク及びメニスカスの挙動を図6に模式的に示す。図5、図6及び以下の説明における括弧内の数字(1)〜(6)はそれぞれ対応している。
なお、本明細書において、「液柱」又は「インク柱」とは、先端がノズルの開口から突出しているが、後端はノズル内のメニスカスと繋がっていて、未だメニスカスから分離していない状態の液体又はインクを指し、「液滴」又は「インク滴」とは、後端がノズル内のメニスカスから分離している状態の液体又はインクを指す。
また、せん断モードタイプの記録ヘッドでは、側壁27の変形は壁の両側に設けられる電極29に掛かる電圧差で起こるので、インク吐出を行うチャネル28の電極29に負の電圧パルスを掛ける代わりに、インク吐出を行うチャネル28の電極29を接地して、その両隣のチャネル28の電極29に正の電圧パルスを掛けるようにしても同様に動作させることができる。この後者の方法によれば、正電圧だけで駆動させることができるが、本明細書では、正・負の両電圧によって駆動させる場合を示す。
ここで、各組のチャネル28に印加されるインク滴を吐出させるための電圧パルス、すなわち吐出パルスは、上記DRR駆動法による吐出パルスであり、これはチャネル28の容積を拡大させる第1の工程と、その拡大状態を保持する第2の工程と、チャネル28の容積を縮小させてノズル23からインク柱を突出させる第3の工程と、チャネル28の容積を縮小させる状態を保持する第4の工程と、チャネル28の容積を拡大させる第5の工程とを有している。
(1);まず、A組(A1、A2、A3)の各チャネルの電極に吐出パルスを掛け、その両隣のチャネルの電極を接地する。すなわち、A組のチャネル28に正の電圧パルス(+Von)を掛けると、吐出したいA組のチャネル28の側壁27が外側に変形してチャネル28の容積が拡大する(A組の第1の工程)。これによりA組のチャネル28内に負圧が発生し、この負圧により、インクタンクからA組のチャネル28にインクが流れ込む。
チャネル28内の圧力は、駆動波形が変化しない時は、1AL毎に反転を繰り返す。そこで、この正の電圧パルスの印加によるチャネル28の容積の拡大状態を1ALの間保つ(A組の第2の工程)。すると、引き込まれたメニスカスMがノズル23の開口先端に向けて移動し、インクの圧力が正圧に反転する。
なお、AL(Acoustic Length)とは、チャネルの音響的共振周期の1/2のことである。このALは、圧電材料により形成された側壁27に矩形波の吐出パルスを印加して吐出するインク滴の速度を測定し、矩形波の電圧値を一定にして矩形波のパルス幅を変化させたときに、インク滴の飛翔速度が最大になるパルス幅として求められる。また、パルスとは、一定電圧波高値の矩形波であり、0Vを0%、波高値電圧を100%とした場合に、パルス幅とは、電圧の0Vからの立ち上がり10%と波高値電圧からの立ち下がり10%との間の時間として定義する。更に、ここで矩形波とは、電圧の10%と90%との間の立ち上がり時間、立ち下がり時間のいずれもがALの1/2、好ましくは1/4以内であるような波形を指す。
(2);上記の通り拡大状態を1ALの間保持した後、このタイミングで電極を接地すると、側壁27の変形が元に戻ってA組のチャネル28の容積が縮小し、高い圧力がA組のチャネル28内のインクに掛かり、これによりノズル23からインク柱10が突出する。更に、同じタイミングでA組の各チャネル28の電極29に負の電圧パルス(−Voff)を掛けると、図4(a)に示すように、A組の各チャネル28の両側壁27が内側に変形してチャネル28の容積が更に縮小し、更に高い圧力がインクに掛かり、ノズル23からインク柱10が更に押し出される(A組の第3の工程)。
(3);この縮小状態を2ALの間保つ(A組の第4の工程)。最初の1AL後、圧力が反転してチャネル28内が負圧になり、更に1AL経過すると、チャネル28内の圧力が反転して正圧になり、このときノズル23内のメニスカスMはノズル23の開口先端に向かって移動する。
(4);次いで、電極を接地すると、側壁27の変形が元に戻ってチャネル28の容積が再び拡大する(A組の第5の工程)。このときA組の各チャネル28内の残留圧力波はキャンセルされる。この時点では、インク柱10はまだメニスカスMから分離しておらず、その尾部10bはメニスカスMと繋がっている。
このようにして、A組の各チャネル28に第1の工程〜第5の工程からなる吐出パルスを印加した後は、引き続いて、A組の各チャネル28に隣接するB組(B1、B2、B3)の各チャネル28に同じく第1の工程〜第5の工程からなる吐出パルスを印加する。
図5に示すように、B組の各チャネル28に対する吐出パルスの印加は、ここではA組の各チャネル28への吐出パルスの印加が終了した後、A組の各チャネル28のノズル23から突出したインク柱10が未だメニスカスMから分離していない4AL後に、上記吐出パルスの第1の工程が開始されるタイミングで行われるものを例示している。なお、このA組の各チャネル28への吐出パルスの印加が終了した後の5AL後には、A組の各チャネル28のノズル23からインク柱10が突出した後に形成されたメニスカスMはノズル23の開口先端(以下、このノズル23の開口先端のことをメニスカスMの「復帰位置」という場合がある。)に実質的に復帰している。
(5);A組の各チャネル28の駆動の後、A組の各チャネル28のノズル23から突出したインク柱10が未だノズル23内のメニスカスMから分離していない時点で、隣接するB組の各チャネル28の電極29への吐出パルスの印加を開始し、その両隣のチャネルの電極29を接地する。すなわち、B組のチャネル28に正の電圧パルス(+Von)を掛けると、吐出したいB組のチャネル28の側壁27が外側に変形してチャネル28の容積が拡大する(B組の第1の工程)。
このとき、このB組の各チャネル28に隣接するA組の各チャネル28の片側の側壁27は、A組の各チャネル28の容積を縮小させるように変形するため、A組の各チャネル28のノズル23内のメニスカスMは、インク柱10の尾部10bが繋がった状態でノズル23の吐出方向に押し出される方向に圧力が付与され、ノズル23の開口先端付近まで速やかに移動する。
(6);その後、B組のチャネル28の容積の拡大状態を1ALの間保った後(B組の第2の工程)、このタイミングで電極29を接地すると、側壁27の変形が元に戻ってB組のチャネル28の容積が縮小し、高い圧力がB組のチャネル28内のインクに掛かる。更に、同じタイミングでB組の各チャネル28の電極29に負の電圧パルス(−Voff)を掛けると、図4(b)に示すように、B組のチャネル28の両側壁27が内側に変形してB組の各チャネル28の容積が更に縮小する(B組の第3の工程)。
このB組の第3の工程は、その直前に駆動した隣接するA組の各チャネル28のノズル23から突出したインク柱10がメニスカスMから分離してインク滴として吐出される前に開始される。この第3の工程によるB組の各チャネル28の容積の縮小によって、図4(b)に示されるように、B組に隣接するA組の各チャネル28の容積が拡大することにより、A組(A1、A2、A3)の各チャネル28のノズル23内のメニスカスMは、ノズル23内に引き込まれる方向に移動する。このメニスカスMの引き込み動作によって、A組の各チャネル28のノズル23から突出したインク柱10の尾部10bには、吐出方向とは反対方向の引きが付与される。そして、インク柱10はノズル23内のメニスカスMから分離し、A組の各チャネル28のノズル23からインク滴として吐出する。
その後は、B組に隣接するC組(C1、C2、C3)も、図4(c)に示すように、上記同様に駆動し、更に、C組に隣接するA組も上記同様に駆動する。すなわち、C組の第3の工程は、その直前に駆動した隣接するB組の各チャネル28のノズル23から突出したインク柱10がメニスカスMから分離してインク滴として吐出される前に開始されることにより、C組の各チャネル28の容積の縮小によって図4(c)のようにB組の各チャネル28の容積が拡大し、B組の各チャネル28のノズル23内のメニスカスMはノズル23内に引き込まれる方向に移動する。また、A組の第3の工程は、その直前に駆動した隣接するC組の各チャネル28のノズル23から突出したインク柱10が分離してインク滴として吐出される前に開始されることにより、A組の各チャネル28の容積の縮小によって図4(a)のようにC組の各チャネル28の容積が拡大し、C組の各チャネル28のノズル23内のメニスカスMはノズル23内に引き込まれる方向に移動する。従って、B組及びC組のチャネル28のノズル23から突出したインク柱10の尾部10bにも引きが付与され、これにより、B組及びC組の各チャネル28のノズル23におけるインク及びメニスカスも、上記と同様の挙動を示すこととなる。
このように、インク滴を吐出させるための電圧パルスにおけるチャネル28の容積を縮小させる第3の工程を、その直前に駆動した隣接チャネル28のノズル23から突出したインク柱10がメニスカスMから分離してインク滴として吐出される前に開始することで、インク柱10の尾部10bに引きが与えられてインク滴として吐出する前にほぼ真っ直ぐな状態に整えられるので、その後は、尾部の曲がりが抑制された状態でメニスカスMから分離してインク滴としてノズル23から吐出する。このため、3サイクル駆動に無駄な動作を必要とせず、従って駆動周波数を低下させることなく、インク滴の尾部の曲がりを防止した駆動が可能となる。
また、チャネル28の容積を縮小させる状態を保持する第4の工程に引き続いて実施されるチャネル28の容積を拡大させる第5の工程によって、チャネル28内の残留圧力波はキャンセルされるため、一般にノズル23内のメニスカスMの開口先端への復帰は遅くなるが、本発明では、第3の工程の前に駆動するチャネル28の容積を拡大させる第1の工程により、その直前に駆動した隣接チャネル28には、容積縮小の圧力が発生し、ノズル23の内部のメニスカスMがノズル23の吐出方向に向けて押し出されるので、より早期にメニスカスMがノズル23の開口先端に復帰することになり、インク滴の尾部の曲がりを抑制することができるようになる。
特に、図5に示した例では、B組の各チャネル28に対する吐出パルスの印加は、A組の各チャネル28への吐出パルスの印加が終了した後、A組の各チャネル28のノズル23から突出したインク柱10が未だメニスカスMから分離していない4AL後に、上記吐出パルスの第1の工程が開始されるタイミングで行われるようにしており、このときの第3の工程の実施のタイミングは、その直前に駆動した隣接チャネル28のノズル23からインク柱10が突出した後に形成されたメニスカスMが復帰位置に実質的に復帰した時点で開始され、これによりその隣接チャネル28のノズル23から突出されたインク柱10はメニスカスMから分離してインク滴として吐出される。従って、インク柱10の尾部10bがメニスカスMから分離する時点では、ノズル23の内面形状の影響を受けることがなく、その内面形状の影響によってインク滴の尾部が飛翔方向と異なる方向に曲がるおそれがないため、尾部の曲がりの抑制効果をより高めることができ、より駆動周波数の向上及び着弾精度の向上を図ることができる。
ここで、メニスカスMが復帰位置に実質的に復帰した時点とは、インク柱10の突出後のメニスカスMの位置が復帰位置にほぼ位置しているか、または、ノズル23の開口先端から突出している状態をいう。この「ほぼ位置している」とは、図12に示すように、メニスカスMと復帰位置との間の距離dが、ノズル半径の1/2以下、好ましくは1/4以下である。ノズル23の開口先端から突出しているよりは、このように復帰位置にほぼ位置しているほうが、駆動周波数をより上げることができる点で好ましい。なお、ノズル23の開口形状は、真円に限らず、楕円形等様々であるが、本発明においてノズル半径とは、ノズル23の吐出側の開口先端面での最長径の1/2のことである。
ところで、本実施形態に示すように吐出パルスによる駆動が第1の工程〜第5の工程からなる場合、チャネル28の容積を縮小させてノズル23からインク柱10を突出させる第3の工程により縮小させた時のチャネル28の容積は、第1の工程によりチャネル28を拡大させる以前の容積よりも小さく、且つ、第5の工程により拡大させた後のチャネル28の容積は、第1の工程によりチャネル28を拡大させる以前の容積と同じであると、図5に示すように吐出パルスの駆動波形をシンプルな波形とすることができる。また、この吐出パルスは、一連の工程における最後の第5の工程において側壁27は初期状態に戻り、第3の工程で発生したチャネル28内の残留圧力波をこの第5の工程で効果的にキャンセルできるので、高周波駆動を行う点でより好ましい。
また、上記第1の工程において、側壁27に形成された電極29に印加する電圧をa(V)、上記第5の工程において側壁27に形成された電極29に印加する電圧をb(V)としたとき、図5に示すように、|a|>|b|であるようにすると、メニスカスMの復帰が早くなり、高周波駆動を行う上でより好ましい。なお、この電圧aと電圧bは、それぞれ差分の電圧である。
この電圧aと電圧bは、|a|/|b|=2とすると、第3の工程で発生した残留圧力波を第5の工程でより効果的にキャンセルできるため、高周波駆動と吐出安定性の両立を図ることができるためにより好ましい。
次に、同じく3サイクル駆動を行う場合に、1つの組のチャネル28の中の非吐出のチャネル28の側壁27に形成された電極29に、インク滴を吐出しない程度にメニスカスMを微振動させるための電圧パルス、すなわち微振動パルスを印加し、インク滴を吐出させずにノズル23のメニスカスMを微振動させる駆動方法について説明する。
図7は、このような駆動方法の一例を示す電圧パルス(吐出パルス及び微振動パルス)のタイミングチャートである。また、図7に示すA組のチャネル28のノズル23におけるインク及びメニスカスの状態を図8に模式的に示す。図7、図8及び以下の説明における括弧内の数字(1)〜(8)はそれぞれ対応している。
ここで、各組のチャネル28に印加される微振動パルスは、チャネル28の容積を縮小させる第1の工程と、その縮小状態を保持する第2の工程と、チャネル28の容積を拡大させる第3の工程とを有している。
(1);まず、A組(A1、A2、A3)の各チャネル28の電極29に微振動パルスを掛け、その両隣のチャネル28の電極29を接地する。すなわち、A組のチャネル28に負の電圧パルス(−Voff)を掛けると、A組のチャネル28の側壁27が内側に変形してチャネル28の容積が縮小する(A組の第1の工程)。これによりそのチャネル28内に正圧が発生し、この正圧により、A組の各チャネル28のノズル23内のメニスカスMは、ノズル23の開口からインク滴を吐出しない程度に押し出される。
(2);チャネル28内の圧力は、駆動波形が変化しない時は、1AL毎に反転を繰り返す。そこで、この負の電圧パルスの印加によるチャネル28の容積の縮小状態を2ALの間保つ(A組の第2の工程)。すると、押し出されたメニスカスMは一旦ノズル23内に引き込まれた後、開口先端に向けて移動する。
(3);次いで、A組のチャネル28を接地すると、A組のチャネル28の側壁27の変形が元に戻ってチャネル28の容積が拡大する(A組の第3の工程)。これによりそのチャネル28内に負圧が発生し、この負圧により、A組の各チャネル28のノズル23内のメニスカスMは、ノズル23内に引き込まれる。この第1の工程から第3の工程までの一連の微振動パルスの印加により、ノズル23内のメニスカスMに、インク滴を吐出しない程度の微振動が与えられる。
ここで、この微振動パルスの印加の後、A組の各チャネル28に画像データに基づいて吐出パルスが印加される。ここでの吐出パルスは、図5で例示した吐出パルスと同一のものを使用している。
(4);微振動パルスの印加終了から1ALの後、A組のチャネル28に吐出パルスとしての正の電圧パルス(+Von)を印加すると、吐出したいA組のチャネル28の側壁27が外側に変形してチャネル28の容積が拡大する。
(5);上記拡大状態を1ALの間保持した後、このタイミングで電極29を接地すると、側壁27の変形が元に戻ってA組の各チャネル28の容積が縮小し、高い圧力がA組のチャネル28内のインクに掛かり、これによりノズル23からインク柱10が突出する。更に、同じタイミングでA組の各チャネル28の電極29に負の電圧パルス(−Voff)を掛けると、側壁27が内側に変形してチャネル28の容積が更に縮小し、更に高い圧力がインクに掛かり、ノズル23からインク柱10が更に押し出される。
(6);この縮小状態を2ALの間保つと、最初の1AL後、圧力が反転してチャネル28内が負圧になり、更に1AL経過すると、チャネル28内の圧力が反転して正圧になり、このときノズル23内のメニスカスMはノズル23の開口先端に向かって移動する。
(7);次いで、A組の各チャネル28の電極29を接地すると、側壁27の変形が元に戻ってA組のチャネル28の容積が再び拡大する。このとき残留圧力波はキャンセルされる。この時点では、インク柱10はまだメニスカスMから分離しておらず、その尾部10bはメニスカスMと繋がっている。
以上のA組の各チャネル28に微振動パルス及び吐出パルスを印加した後は、引き続いて、A組の各チャネル28に隣接するB組(B1、B2、B3)の各チャネル28に微振動パルス及び吐出パルスを印加する。但し、吐出パルスは画像データに基づいて印加されるものであり、図7は、B組の各チャネル28には吐出パルスが印加されない場合を示している。
図7に示すように、B組の各チャネル28に対する微振動パルスの印加は、ここではA組の各チャネル28に印加した吐出パルスの印加が終了した後、A組の各チャネル28のノズル23から突出したインク柱10が未だメニスカスMから分離していない5AL後に、上記微振動パルスの第1の工程が開始されるタイミングで行われるものを例示している。
(8);A組の各チャネル28の駆動の後、A組の各チャネル28のノズル23から突出したインク柱10が未だノズル23内のインクのメニスカスMから分離していない時点で、B組のチャネル28に負の電圧パルス(−Voff)を掛けると、B組のチャネル28の側壁27が内側に変形してチャネル28の容積が縮小する(B組の第1の工程)。
このとき、このB組の各チャネル28に隣接するA組の各チャネル28の片側の側壁27は、A組の各チャネル28の容積を拡大させるように変形する。このB組の第1の工程は、その直前に駆動した隣接するA組の各チャネル28のノズル23から突出したインク柱10がメニスカスMから分離してインク滴として吐出される前に開始されるため、A組の各チャネル28のノズル23内のメニスカスMは、A組の各チャネル28の容積が拡大することによりノズル23内に引き込まれる方向に移動する。従って、A組の各チャネル28のノズル23から突出したインク柱10の尾部10bにはインクの吐出方向と反対方向の引きが付与され、その後、ノズル23内のメニスカスMから分離し、A組の各チャネル28のノズル23からインク滴として吐出する。
その後は、B組に隣接するC組(C1、C2、C3)、C組に隣接するA組も、それぞれ上記と同様に駆動する。但し、今回の例では、B組は非吐出なので、インク柱は吐出しないので省略する。A組の各チャネル28に印加される微振動パルスの第1の工程は、その直前に駆動した隣接するC組の各チャネル28のノズル23から突出したインク柱10がメニスカスMから分離される前に開始されるので、C組の各チャネル28のノズル23内のメニスカスMは、C組の各チャネル28の容積が拡大することにより、ノズル23内に引き込まれる方向に移動する。C組の各チャネル28のノズル23から突出したインク柱10の尾部10bに引きが付与され、これにより、C組の各チャネル28のノズル23におけるインク及びメニスカスも、上記と同様の挙動を示すこととなる。
このように、微振動パルスにおける第1の工程を、その直前に駆動した隣接チャネル28のノズル23から突出したインク柱10がメニスカスMから分離される前に開始することにより、その直前に駆動した隣接チャネル28の容積が拡大してそのノズル23から突出したインク柱10の尾部10bに引きが与えられてインク滴として吐出される前にほぼ真っ直ぐな状態に整えられ、その後、尾部の曲がりが抑制された状態でメニスカスMから分離してインク滴としてノズル23から吐出するため、3サイクル駆動に無駄な動作を必要とせず、従って駆動周波数を低下させることなく、尾部の曲がりを防止した駆動が可能となる。しかも、微振動パルスを利用していることにより、非吐出のチャネルであっても、その直前に駆動される隣接チャネルのノズル23から吐出されるインク滴の尾部の曲がりを防止できるため、画像データによらずに上記効果を得ることができると共に、メニスカスMには微振動が与えられるため、ノズル23の目詰まりを抑制することも可能である。
このような微振動パルスにおいて、第1の工程により縮小させる前のチャネル28の容積は、第3の工程によりチャネル28を拡大させた後の容積と同じであると、図7に示すように各微振動パルスをシンプルな波形とすることができるために好ましい。また、この微振動パルスは、一連の微振動の工程における最後の第3の工程において側壁27は初期状態に戻るので、高周波駆動を行う点で好ましい。
なお、図7に示す例では、微振動パルスとして、チャネル28の容積を縮小させる第1の工程と、この縮小状態を保持する第2の工程と、チャネル28の容積を拡大させる第3の工程とを有するものとしたが、微振動パルスは、チャネル28の容積を拡大させる第1の工程と、この拡大状態を保持する第2の工程と、チャネル28の容積を縮小させる第3の工程とを有するものとしてもよい。
この後者の態様の一例を図9に示す。また、図9に示すA組のチャネル28のノズル23におけるインク及びメニスカスの状態を図10に模式的に示す。図9及び図10における括弧内の数字(1)〜(8)はそれぞれ対応している。ここでも、B組の各チャネル28は非吐出である場合を示している。
この微振動パルスによると、チャネル28は拡大→保持→縮小の動作を行うため、このときのメニスカスMは、図10中の(1)〜(3)に示すように、図7で示した微振動パルスを印加する場合と逆の挙動をとるようになる。そして、このような微振動パルスを印加する場合は、例えばB組のチャネル28に印加する場合を例にとると、A組のチャネル28に吐出パルスを印加した後、A組の各チャネル28のノズル23から突出したインク柱10がメニスカスMから分離される前に、この微振動パルスにおけるチャネル28の容積を縮小させる第3の工程を開始するようにタイミングを設ける。これにより、その直前に駆動したA組のチャネル28の容積が拡大してそのノズル23から突出したインク柱10の尾部10bに引きが与えられてインク滴として吐出される前にほぼ真っ直ぐな状態に整えられ、その後、尾部の曲がりが抑制された状態でメニスカスMから分離してインク滴としてノズル23から吐出するため、3サイクル駆動に無駄な動作を必要とせず、従って駆動周波数を低下させることなく、尾部の曲がりを防止した駆動が可能となり、図7に示した微振動パルスを印加する場合と同様の効果を得ることができる。
また、チャネル28の容積を拡大させる微振動パルスの第1の工程により、A組の各チャネル28のメニスカスMは吐出方向に押し出され、早期にノズル23の開口先端に復帰するので、微振動パルスの第3の工程は、その直前に駆動した隣接チャネル28のノズル23からインク柱10が突出した後に形成されたメニスカスMが復帰位置に実質的に復帰した時点で開始され、これによりその隣接チャネル28のノズル23から突出されたインク柱10はメニスカスMから分離してインク滴として吐出される。従って、インク柱10の尾部10bがメニスカスMから分離する時点では、ノズル23の内面形状の影響を受けることがなく、その内面形状の影響によってインク滴の尾部が飛翔方向と異なる方向に曲がるおそれがないため、尾部の曲がりの抑制効果をより高めることができる。
このような微振動パルスにおいても、第1の工程により拡大させる前のチャネル28の容積は、第3の工程によりチャネル28を縮小させた後の容積と同じであると、図9に示すように各微振動パルスをシンプルな波形とすることができるために好ましい。また、この微振動パルスは、一連の微振動の工程における最後の第3の工程において側壁27は初期状態に戻るので、高周波駆動を行う点で好ましい。
図7及び図9に示したように、微振動パルスはチャネル28の容積の縮小状態又は拡大状態を保持する第2の工程の継続時間を2ALとしている。これにより、第1の工程で発生したチャネル28内の残留圧力波を第3の工程で容易にキャンセルできるため、高周波駆動の点で好ましい。
なお、図7及び図9に示す例では、吐出、非吐出にかかわらず微振動パルスを印加しており、このようにすることは、インク滴を吐出して記録を行うチャネル28においても、ノズル23内のメニスカスMに微振動を掛けてから確実にインク滴の吐出を行うことができると共に、隣接チャネルが非吐出の場合でも、上述したように、微振動パルスの第1の工程又は第3の工程によってその直前の隣接チャネルのインク滴の尾部の曲がりを防止することができる点で好ましい。また、微振動パルスは、非吐出のチャネル28にのみ印加するようにしてもよい。この場合は、消費電力を抑え、記録ヘッドの発熱を抑えることができる。
このようにメニスカスMを微振動させる時のメニスカスMの最大押し出し量は、ノズル23の半径以下とすることが好ましい。微振動によるメニスカスMの押し出し量が大きいと、直後のインク吐出のタイミングまでにメニスカスMが復帰位置まで戻りきれず、安定な吐出が困難となるが、この場合のメニスカスMの押し出し量をノズル23の半径以下に抑制することで、メニスカスMを微振動させた直後でも安定した吐出が可能となる。
なお、最大押し出し量とは、1回の押し出し動作におけるノズル23の開口先端からのメニスカスMの押し出し量の最大値である。ノズル23からのメニスカスMの押し出し量は、例えば、KEYENCE社製デジタルマイクロスコープ「VH−6300」を用いてストロボ同期により測定することができる。押し出し量は、図11に示すように、メニスカスMのノズル23の略中央部におけるノズル23の開口先端からの突出量を、ノズル形成部材22と略垂直方向に測定した値である。
本発明において、各チャネル28の電極29に印加する吐出パルス及び微振動パルスとしての電圧パルスは、以上図示したように矩形波パルスであることが好ましい。矩形波パルスは、電圧の立ち上がりと立ち下がりが傾斜している台形波よりも側壁27の変形が極端に起こり、チャネル28の容積を縮小させるパルスによって隣接チャネル28に強い拡大の圧力を発生させることができ、より確実にインク柱10のメニスカスMからの分離を実現できる。また、矩形波は、簡単なデジタル回路を用いることで容易に生成可能であるため、台形波に比べて回路構成も簡素化できる利点がある。
本発明の駆動方法は、インクの粘度が5cp以上15cp以下である場合に、尾部の曲がりの抑制効果を顕著に発揮する。このようなインクは粘度が高く、メニスカスMの復帰過程での残留圧力波による暴れが小さく、またインク柱10がメニスカスMから分離しにくく、その尾部10bが長く伸びるようになって、尾部10bの曲がりが発生し易くなるためである。
また、本発明の駆動方法は、インクの表面張力が20dyne/cm以上30dyne/cm以下である場合にも顕著な効果を発揮する。このようなインクは表面張力が低いので、インク滴がメニスカスMから分離しにくく、同様に尾部10bが長く伸びるようになって、尾部10bの曲がりが発生し易くなるためである。
なお、図5、図7及び図9に示した吐出パルスや微振動パルスの印加タイミングは一例にすぎず、インク滴の分離し易さやメニスカスが復帰する早さは、記録ヘッドやインク毎に異なるので、本発明においては、実際の記録ヘッドのメニスカスの運動をマイクロスコープ等によって観察するという実験や、有限要素法等によりシミュレーションを行ってメニスカスの復帰位置であるノズルの開口先端でのメニスカスの運動形態を調べ、電気回路的手段により信号の印加のタイミングを調整することが好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果を例証する。
(実施例1)
液滴吐出ヘッドとして、以下に示すせん断モードタイプの記録ヘッドを使用した。
仕様
ノズルピッチ:180dpi
ノズル径:30μm
吐出インク滴量:15pl
インク:油系顔料インク
25℃での粘度:7cp
25℃での表面張力:28dyne/cm
吐出パルス
図5に示したDRR駆動法による吐出パルスを用いた。
吐出パルスの第1の工程と第5の工程の電圧比(|a|/|b|):2/1
吐出パルスの第2の工程の保持時間:1AL
吐出パルスの第4の工程の保持時間:2AL
評価方法
3サイクル駆動におけるサイクル間の吐出パルスの間隔(直前のサイクルの吐出パルスの第5の工程の終了から隣接チャネルの次のサイクルの吐出パルスの第1の工程の開始までの間隔)を2ALとし、そのときに吐出されたインク滴の尾部の曲がりの発生の有無を観察し、以下の評価基準で評価した。
◎:尾部の曲がりは全く見られない
○:尾部の曲がりはほとんど見られない
×:尾部の曲がりがかなり見られる
(実施例2)
3サイクル駆動におけるサイクル間の吐出パルスの間隔を3ALとした以外は、実施例1と同様にして評価した。
(実施例3)
3サイクル駆動におけるサイクル間の吐出パルスの間隔を4ALとした以外は、実施例1と同様にして評価した。
(比較例1)
3サイクル駆動におけるサイクル間の吐出パルスの間隔を6ALとした以外は、実施例1と同様にして評価した。
以上、実施例1〜3及び比較例1について表1に示す。
なお、インク滴の尾部の曲がりの発生の有無は、CCDカメラにて目視観察した。曲がりの有無は、インク滴の飛翔方向に対して、メニスカスから分離する直前の尾部の端部が平行であるかどうかで判断した。
また、表1中の「インク滴の分離」とは、吐出パルスの第3の工程の開始時において、その直前のサイクルで隣接チャネルのノズルから突出されたインク柱がメニスカスから分離してインク滴として吐出しているか否かをいう。
更に、表1中の「メニスカスの状態」とは、吐出パルスの第3の工程の開始時において、その直前のサイクルで隣接チャネルのノズルからインク柱が突出された後のメニスカスがノズルの開口先端に実質的に復帰しているか否かをいう。
Figure 2005305910
実施例1〜3の通り、インク柱がメニスカスから分離される前に隣接チャネルの次のサイクルの吐出パルスの第3の工程が開始されるものでは、尾部の曲がりはほんどなく、良好なインク滴の吐出を行うことができた。特に、インク柱がメニスカスから分離される前にメニスカスがノズルの開口先端に実質的に復帰している時点で隣接チャネルの次のサイクルの吐出パルスの第3の工程が開始される実施例3では、尾部の曲がりは全く見られなかった。
一方、比較例1では、吐出パルスの第3の工程は、その直前に駆動した隣接チャネルのノズルからインク柱が分離してインク滴として吐出された後に開始されるため、メニスカスの引き込みによってノズルから突出したインク柱の尾部を真っ直ぐに整えることができず、尾部はノズルの内面形状の影響を受け、吐出されたインク滴に曲がりが発生した。
(実施例4)
実施例1と同じ記録ヘッドを使用し、図7に示した微振動パルス及びDRR駆動法による吐出パルスを用い、画像データに応じて各電圧パルスを選択(非記録時は微振動パルスのみ。記録時は微振動パルス+吐出パルス。)し、3サイクル駆動を行った。なお、吐出パルスは実施例1の吐出パルスと同一である。
評価方法
3サイクル駆動におけるサイクル間のパルスの間隔(直前のサイクルの吐出パルスの印加終了から隣接チャネルの次のサイクルの微振動パルスの第1の工程の開始までの間隔)を1ALとし、そのときに吐出されたインク滴の尾部の曲がりの発生の有無を観察し、上記と同様の評価基準で評価した。
(実施例5)
3サイクル駆動におけるサイクル間のパルスの間隔を3ALとした以外は、実施例4と同様にして評価した。
(実施例6)
3サイクル駆動におけるサイクル間のパルスの間隔を5ALとした以外は、実施例4と同様にして評価した。
(比較例2)
3サイクル駆動におけるサイクル間の吐出パルスの間隔を7ALとした以外は、実施例4と同様にして評価した。
以上、実施例4〜6及び比較例2について表2に示す。
なお、表2中の「インク滴の分離」とは、微振動パルスの第1の工程の開始時において、その直前のサイクルで隣接チャネルのノズルから突出されたインク柱がメニスカスから分離してインク滴として吐出されているか否かをいう。
また、表2中の「メニスカスの状態」とは、微振動パルスの第1の工程の開始時において、その直前のサイクルで隣接チャネルのノズルからインク柱が突出された後のメニスカスがノズルの開口先端に実質的に復帰しているか否かをいう。
Figure 2005305910
実施例4〜6の通り、インク柱が分離される前に隣接チャネルの次のサイクルの微振動パルスの第1の工程が開始されるものでは、尾部の曲がりは全く或いはほんどなく、良好なインク滴の吐出を行うことができた。
一方、比較例2では、微振動パルスの第1の工程は、その直前に駆動した隣接チャネルのノズルからインク柱が分離された後に開始されるため、メニスカスの引き込みによってノズルから突出したインク柱の尾部を真っ直ぐに整えることができず、尾部はノズルの内面形状の影響を受け、吐出されたインク滴に曲がりが発生した。
(a)は記録ヘッドの一例を一部断面で示す概観斜視図、(b)は断面図 (a)〜(c)は記録ヘッドのインク吐出時の作動を示す図 吐出パルスの一例を示す波形図 (a)〜(c)は記録ヘッドの時分割動作の説明図 A、B、Cの各組のチャネルに印加される吐出パルスのタイミングチャート 図5に示すA組のチャネルのノズルにおけるインク及びメニスカスの挙動を模式的に示す図 A、B、Cの各組のチャネルに印加される微振動パルス及び吐出パルスのタイミングチャート 図7に示すA組のチャネルのノズルにおけるインク及びメニスカスの挙動を模式的に示す図 A、B、Cの各組のチャネルに印加される他の態様を示す微振動パルス及び吐出パルスのタイミングチャート 図9に示すA組のチャネルのノズルにおけるインク及びメニスカスの挙動を模式的に示す図 メニスカスの押し出し量を説明する図 メニスカスの復帰位置を説明する図 従来のインク滴の飛翔状態を説明する図 従来のノズルから突出したインク柱の様子を説明する図
符号の説明
2:記録ヘッド
21:インクチューブ
22:ノズル形成部材
23:ノズル
24:カバープレート
25:インク供給口
26:基板
27:側壁
28:チャネル
29:電極
10:インク柱
10a:主滴
10b:尾部
100:駆動信号発生部
M:メニスカス

Claims (16)

  1. 少なくとも一部が圧電材料で形成された側壁により隔てられた複数のチャネルを有し、前記複数のチャネルのうち、互いに2本のチャネルを挟んで離れているチャネルをまとめて1つの組として、チャネルを3つの組に分割し、側壁に形成された電極に液滴を吐出させるための電圧パルスを印加することにより、前記1つの組ごとに順次に時分割で駆動し、該側壁をせん断変形させ、せん断変形時の圧力によりチャネル内の液体をノズルより液滴として吐出させる液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、
    前記液滴を吐出させるための電圧パルスの印加による駆動は、
    前記チャネルの容積を拡大させる第1の工程と、
    前記拡大状態を保持する第2の工程と、
    前記チャネルの容積を縮小させて前記ノズルから液柱を突出させる第3の工程と、
    前記チャネルの容積を縮小させる状態を保持する第4の工程と、
    前記チャネルの容積を拡大させる第5の工程とを有し、
    前記第3の工程を、その直前に駆動した隣接チャネルのノズルから突出した液柱がメニスカスから分離して液滴として吐出される前に開始することを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  2. 前記第3の工程を、その直前に駆動した隣接チャネルのノズルから液柱が突出した後に形成されたメニスカスが実質的にノズル開口先端に復帰した時点で開始し、前記隣接チャネルのノズルから突出された液柱をメニスカスから分離して液滴として吐出させることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  3. 前記第3の工程により縮小させた時のチャネルの容積は、前記第1の工程によりチャネルを拡大させる以前の容積よりも小さく、且つ、前記第5の工程により拡大させた後のチャネルの容積は、前記第1の工程によりチャネルを拡大させる以前の容積と同じであることを特徴とする請求項1又は2記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  4. 前記第1の工程において、側壁に形成された電極に印加する電圧をa(V)、第5の工程において側壁に形成された電極に印加する電圧をb(V)としたとき、|a|>|b|であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  5. |a|/|b|=2であることを特徴とする請求項4記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  6. 少なくとも一部が圧電材料で形成された側壁により隔てられた複数のチャネルを有し、前記複数のチャネルのうち、互いに2本のチャネルを挟んで離れているチャネルをまとめて1つの組として、チャネルを3つの組に分割し、側壁に形成された電極に液滴を吐出させるための電圧パルスを印加することにより、前記1つの組ごとに順次に時分割で駆動し、該側壁をせん断変形させ、せん断変形時の圧力によりチャネル内のインクをノズルより液滴として吐出させると共に、前記1つの組のチャネルの中の非吐出のチャネルの側壁に形成された電極に、液滴を吐出しない程度の電圧パルスを印加し、液滴を吐出させずに前記ノズルのメニスカスを微振動させる液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、
    前記液滴を吐出しない程度の電圧パルスの印加による駆動は、
    前記チャネルの容積を縮小させる第1の工程と、
    前記縮小状態を保持する第2の工程と、
    前記チャネルの容積を拡大させる第3の工程とを有し、
    前記第1の工程を、その直前に駆動した隣接チャネルのノズルから突出した液柱がメニスカスから分離して液滴として吐出される前に開始することを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  7. 前記第1の工程によりチャネルの容積を縮小させる前の容積は、前記第3の工程によりチャネルを拡大させた後の容積と同じであることを特徴とする請求項6記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  8. 少なくとも一部が圧電材料で形成された側壁により隔てられた複数のチャネルを有し、前記複数のチャネルのうち、互いに2本のチャネルを挟んで離れているチャネルをまとめて1つの組として、チャネルを3つの組に分割し、側壁に形成された電極に液滴を吐出させるための電圧パルスを印加することにより、前記1つの組ごとに順次に時分割で駆動し、該側壁をせん断変形させ、せん断変形時の圧力によりチャネル内のインクをノズルより液滴として吐出させると共に、前記1つの組のチャネルの中の非吐出のチャネルの側壁に形成された電極に、液滴を吐出しない程度の電圧パルスを印加し、液滴を吐出させずに前記ノズルのメニスカスを微振動させる液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、
    前記液滴を吐出しない程度の電圧パルスの印加による駆動は、
    前記チャネルの容積を拡大させる第1の工程と、
    前記拡大状態を保持する第2の工程と、
    前記チャネルの容積を縮小させる第3の工程とを有し、
    前記第3の工程を、その直前に駆動した隣接チャネルのノズルから突出した液柱がメニスカスから分離して液滴として吐出される前に開始することを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  9. 前記第3の工程を、その直前に駆動した隣接チャネルのノズルから液柱が突出した後に形成されたメニスカスがノズル開口先端に実質的に復帰した時点で開始し、前記隣接チャネルのノズルから突出された液柱がメニスカスから分離して液滴として吐出させることを特徴とする請求項8記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  10. 前記第1の工程によりチャネルの容積を拡大させる前の容積は、前記第3の工程によりチャネルの容積を縮小させた後の容積と同じであることを特徴とする請求項8又は9記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  11. 前記第2の工程の継続時間が2AL(ALはチャネルの音響的共振周期の1/2)であることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  12. 前記液滴を吐出しない程度の電圧パルスは、液滴の吐出、非吐出にかかわらず、前記1つの組のチャネルの側壁に形成された電極全てに印加されることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  13. 前記液滴を吐出しない程度の電圧パルスの印加による前記メニスカスの最大押し出し量は、ノズル半径以下であることを特徴とする請求項6〜12のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  14. 前記電圧パルスは、矩形波パルスであることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  15. 前記液体の粘度が、5cp以上15cp以下であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  16. 前記液体の表面張力が、20dyne/cm以上30dyne/cm以下であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
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