JP2005305859A - 共押出多層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来のピロー包装用CPPフィルムと比較して高温でヒートシールしてもシール部の収縮あるいは融解が少なく、且つ易開封性を兼ね備え、透明性に優れ、耐傷つき性が良好な共押出多層フィルムを提供すること。
【解決手段】 融点150℃以上のプロピレン系樹脂(a)を含有してなる表面樹脂層(A)と、密度0.880〜0.930g/cmのエチレン系樹脂(b)を含有してなる中間樹脂層(B)と、融点145℃以下のプロピレン系樹脂(c)を含有してなるヒートシール樹脂層(C)とが順に積層されてなり、しかも、中間樹脂層(B)とヒートシール樹脂層(C)の合計厚みが2〜20μmであって、かつ表面樹脂層(A)と中間樹脂層(B)とヒートシール樹脂層(C)の合計厚みに対する厚み比率が5〜30%である共押出多層フィルム。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、共押出多層フィルムに係わり、高温でもヒートシールが可能で、かつ易開封性に優れた共押出多層フィルム、特にパン包装用に好適な共押出多層フィルムに関する。
無延伸ポリプロピレン系フィルム(CPP)は、ピロー包装される麺、パン等の包装用フィルムとして広範囲に使用され、また、内容物の風合いを保持するのに優れている為、内容物によってはCPPが使用されている場合も多い。一方で、近年、ピロー包装用フィルム、特にパン用途において、ヒートシール層を有する二軸延伸ポリプロピレン系フィルム(OPP)が、包装適性、透明性、剛性の面で優位であるという理由から、一部CPPからの切り替えが進んでいる。このような状況の中で、CPPとOPPが同じ包装機で併用される事が多いが、OPPはCPPよりも耐熱性、剛性が高く、現在の一般的なOPPではCPPのヒートシール温度よりも約20℃以上高温、例えば150℃以上でヒートシールする必要がある。よって、OPPからCPPへの切り替え時にはヒートシールの温度条件の変更を余儀なくされ、切り替え時間のロスが発生していたため、OPPと同温度あるいはより近い温度、例えば140〜155℃でもヒートシールによる包装が可能なCPPが要求されていた。
さらに、現行のCPP、特にピロー包装用フィルムは、高温でヒートシールした場合は、シール強度が高くなり、開封時に包装体がきれいに開かない、あるいは包装体が破け、被包装物が飛散する場合があった。一方で、ヒートシール層にエチレン系重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体あるいはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体等を用いることにより、易開封性を保持する事は公知であり、例えば、ヒートシール層として融点が158℃以上のプロピレン重合体(A)20〜80重量%と密度が0.860〜0.930g/cmのエチレン系重合体(B)80〜20重量%とのプロピレン重合体組成物から得られうる樹脂層を備えた易開封性積層フィルムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、この易開封性積層フィルムは、ヒートシール層にエチレン系重合体を含有しているため、透明性に劣り、ピロー包装時にヒートシール面側が傷つき易いという欠点がある。さらに、エチレン系重合体はポリプロピレン系重合体と比較して融点が低く、高温でシールした場合に、シール部が収縮あるいは融解してしまう場合がある。そのため、OPPと同温度あるいはより近い温度でヒートシールによる包装が可能で、耐傷つき性および透明性に優れ、高温でヒートシールした場合でもシール部の収縮あるいは融解が少ない易開封性を保持したフィルムが強く望まれている。
特開2003−127298号公報(第2−3頁)
本発明の課題は、従来のピロー包装用CPPフィルムと比較して高温でヒートシールしてもシール部の収縮あるいは融解が少なく、且つ易開封性を兼ね備え、透明性に優れ、耐傷つき性が良好な共押出多層フィルムを提供することである。
発明者等は、上記実状に鑑みて鋭意検討した結果、融点150℃以上のプロピレン系樹脂(a)を含有してなる表面樹脂層(A)と、密度0.880〜0.930g/cmのエチレン系樹脂(b)を含有してなる中間樹脂層(B)と、融点145℃以下のプロピレン系樹脂(c)を含有してなるヒートシール樹脂層(C)とが(A)/(B)/(C)の順で積層されてなり、しかも、中間樹脂層(B)とヒートシール樹脂層(C)の合計厚みが2〜20μmであって、かつ表面樹脂層(A)と中間樹脂層(B)とヒートシール樹脂層(C)の合計厚みに対する厚み比率が5〜30%である共押出多層フィルムは、ピロー包装用フィルムに好適であり、OPPと同温度あるいはより近い温度でヒートシールによる包装が可能で、ヒートシール時のフィルムの収縮あるいは融解が少なく、易開封性を兼ね備え、透明性に優れ、耐傷つき性も良好であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、融点150℃以上のプロピレン系樹脂(a)を含有してなる表面樹脂層(A)と、密度0.880〜0.930g/cmのエチレン系樹脂(b)を含有してなる中間樹脂層(B)と、融点145℃以下のプロピレン系樹脂(c)を含有してなるヒートシール樹脂層(C)とが(A)/(B)/(C)の順で積層されてなり、しかも、中間樹脂層(B)とヒートシール樹脂層(C)の合計厚みが2〜20μmであって、かつ表面樹脂層(A)と中間樹脂層(B)とヒートシール樹脂層(C)の合計厚みに対する厚み比率が5〜30%であることを特徴とする共押出多層フィルムを提供するものである。
本発明の共押出多層フィルムは、OPPと同等またはより近い温度である高温でヒートシールしてもシール部の収縮あるいは融解が少なく、かつ易開封性を兼ね備え、透明性に優れ、耐傷つき性が良好であるため、パン、麺等の食品包装用フィルムとして好適に用いられる。
本発明で用いる共押出多層フィルムの表面樹脂層(A)は、融点150℃以上のプロピレン系樹脂(a)を含有してなる樹脂層であれば良く、例えば、プロピレン単独重合体;プロピレン−エチレンランダム共重合体、ポリエチレン−ポリプロピレンブロック共重合体、プロピレンとエチレン以外のα−オレフィンとのランダム共重合体等のプロピレン系共重合体;等であって、かつ融点が150℃以上のプロピレン系樹脂の1種以上を主成分として80重量%以上、好ましくは95重量%以上含有する樹脂層が挙げられ、なかでも融点が158〜165℃のプロピレン系樹脂を95重量%以上含有する樹脂層であることが好ましく、プロピレン単独重合体を95重量%以上含有する樹脂層であることがより好ましい。このような表面樹脂層(A)としては、さらに造核剤を含有させることが好ましく、造核剤を含有したプロピレン単独重合体からなる樹脂層であることが最も好ましい。
前記表面樹脂層(A)に含有させる造核剤としては、プロピレン系樹脂に対する造核作用を有するものであれば良く、例えば、有機カルボン酸の金属塩あるいは高分子核剤などが挙げられる。有機カルボン酸の金属塩としては、パラ−t−ブチル安息香酸−アルミニウム塩、安息香酸のナトリウム塩、安息香酸のカリウム塩などが挙げられ、高分子核剤としては、3−メチルブテン−1、ビニルシクロアルカン等の重合体が挙げられる。これらの造核剤のうち、高分子核剤は表面樹脂層(A)へ添加することにより、耐熱性を向上させるのに最も効果があり、好ましいものである。この高分子核剤の配合量としては、造核効果がでる量ならばそれでよいが、高分子核剤の場合は、重量基準で100〜800ppmが好ましい。
また、前記表面樹脂層(A)は、2層以上からなる多層構成の樹脂層であっても良く、例えば表面側の樹脂層(A1)と中間樹脂層(B)側の樹脂層(A2)の2層からなる樹脂層等が挙げられる。前記表面樹脂層(A)が多層構成の樹脂層の場合、各樹脂層はいずれも前記融点150℃以上のプロピレン系樹脂(a)を含有してなる樹脂層であることが必要であるが、各樹脂層の組成は同一であっても、異なっていても良いが、通常の場合組成の異なった2〜3層の樹脂層の組み合わせからなることが好ましい。
前記表面樹脂層(A)が組成の異なる多層構成の樹脂層である場合の具体例としては、
(1)プロピレン単独重合体と造核剤からなる樹脂層(A1)と、プロピレン単独重合体からなる樹脂層(A2)の2層からなる表面樹脂層、
(2)プロピレン単独重合体と造核剤からなる樹脂層(A1)と、プロピレン単独重合体と本共押出多層フィルム製造に際して発生したフィルム端部などからなる回収物(以下、回収物と略記する。)と、さらに必要により造核剤とからなる樹脂層(A2)の2層からなる表面樹脂層、
(3)プロピレン単独重合体からなる樹脂層(A1)と、プロピレン単独重合体と回収物とからなる樹脂層(A2)の2層からなる表面樹脂層、
(4)プロピレン単独重合体と造核剤からなる樹脂層(A1)と、融点150℃以上のプロピレン系ランダム共重合体と、さらに必要により造核剤とからなる樹脂層(A2)の2層からなる表面樹脂層、
(5)プロピレン単独重合体からなる樹脂層(A1)と、融点150℃以上のプロピレン系ランダム共重合体とからなる樹脂層(A2)の2層からなる表面樹脂層、
(6)プロピレン単独重合体と造核剤からなる樹脂層(A1)と、融点150℃以上のプロピレン系ランダム共重合体と回収物と、さらに必要により造核剤とからなる樹脂層(A2)の2層からなる表面樹脂層、
(7)プロピレン単独重合体と造核剤からなる樹脂層(A1)と、融点150℃以上のプロピレン系ランダム共重合体と融点150℃未満のプロピレン系共重合体と、さらに必要により造核剤とからなる樹脂層(A2)の2層からなる表面樹脂層、
(8)プロピレン単独重合体と造核剤からなる樹脂層(A1)と、融点150℃以上のプロピレン系ランダム共重合体と融点150℃未満のプロピレン系ランダム共重合体と回収物と、さらに必要により造核剤とからなる樹脂層(A2)の2層からなる表面樹脂層、
等が挙げられる。
本発明で用いる共押出多層フィルムの中間樹脂層(B)は、密度0.880〜0.930g/cmのエチレン系樹脂(b)を含有してなる樹脂層であれば良く、例えば、低密度ポリエチレン(分岐状エチレン単独重合体)、エチレンとその他のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のエチレン系樹脂の単独または2種以上の混合物であって、その密度が0.880〜0.930g/cmであるものを主成分として80重量%以上、好ましくは95重量%以上含有する樹脂層が挙げられ、なかでも表面樹脂層(A)との層間接着性の調整が容易で易開封性フィルムとして適度の層間接着強度を実現できることから、低密度ポリエチレン(b1)とエチレンとその他のα−オレフィンとの共重合体(b2)を含有してなる樹脂層であることが好ましい。
前記低密度ポリエチレン(b1)としては、例えば、密度0.890〜0.930g/cmの低密度ポリエチレンが挙げられ、エチレンとその他のα−オレフィンとの共重合体(b2)としては、例えば、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられ、なかでもエチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体が好ましく、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体がより好ましい。
前記エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体としては、なかでもプロピレン由来成分またはブテン−1由来成分の含有率が5〜20重量%の共重合体であることが好ましく、7〜15重量%の共重合体であることがより好ましい。また、これら共重合体の融点としては60〜145℃であることが好ましく、密度としては0.890〜0.930g/cmであることが好ましい。
また、前記中間樹脂層(B)が低密度ポリエチレン(b1)とエチレンとその他α−オレフィンとの共重合体(b2)を含有してなる樹脂層である場合の配合比としては、表面樹脂層(A)との層間接着強度が適度に低く容易に開封でき、更に適度なシール強度を保持することから、これらの重量比(b1)/(b2)が95/5〜20/80であることが好ましく、90/10〜50/50であることがより好ましい。
本発明で用いる共押出多層フィルムのヒートシール層(C)は、融点145℃以下のプロピレン系樹脂、例えば、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体(c1)を含有してなる樹脂層であれば良く、なかでも融点125〜140℃のプロピレン系樹脂を含有してなる樹脂層が好ましい。ここで用いるプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体(c1)としては、例えば、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ランダム共重合体、ポリプロピレンとポリエチレンとからなるブロック共重合体等が挙げられる。これらプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体(c1)のなかでも、低温シール性、耐衝撃性、滑り性に優れるフィルムが得られることから、エチレン由来成分含有率が2.5〜10重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体であることが好ましいが、エチレン由来成分の含有率が3〜8重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体であることがより好ましい。
本発明の共押出多層フィルムの厚みは、特に限定されないが、通常20〜50μmであり、なかでも25〜40μmが好ましい。また、本発明の共押出多層フィルムは、中間樹脂層(B)とヒートシール樹脂層(C)の合計厚みが2〜20μmであって、かつ表面樹脂層(A)と中間樹脂層(B)とヒートシール樹脂層(C)の合計厚みに対する厚み比率が5〜30%であることが必須であり、なかでも包装体とした場合に適度のヒートシール強度を示し、かつ易開封性も良好で、これらのバランスに優れるフィルムが得られることから、樹脂層(B)と樹脂層(C)の合計厚みは2〜15μmであることが、またその厚み比率は7〜20%であることがそれぞれ好ましい。さらに樹脂層(B)と樹脂層(C)の合計厚みは3〜10μmであることがより好ましい。なお、中間樹脂層(B)とヒートシール樹脂層(C)の合計厚みが、2μm未満および/または前記厚み比率が5%未満ではヒートシール強度の劣るフィルムとなり、20μmおよび/または前記厚み比率が30%を超えると易開封性に劣るフィルムとなるため、それぞれ好ましくない。
前記中間樹脂層(B)の厚さは、通常1〜10μmであるが、特に包装体の易開封性を保持するために1〜3.0μmであることがより好ましい。また、前記ヒートシール樹脂層(C)の厚さは、通常1〜10μmであるが、特に包装体の易開封性を保持するために1.5〜5.0μmであることがより好ましい。
本発明の共押出多層フィルムが、(A1)/(A2)/(B)/(C)の順に積層された4層フィルムである場合、樹脂層(A1)と樹脂層(A2)と樹脂層(B)と樹脂層(C)の合計厚みに対する樹脂層(A2)の厚み比率は、樹脂層(A2)には回収物等を混合してなる樹脂層とする場合があるため、通常30〜50%であり、好ましくは35〜45%である。
本発明の共押出多層フィルムは、包装体とした場合に適度のヒートシール強度を示し、かつ易開封性も良好で、これらのバランスに優れることから、ヒートシール樹脂層(C)同志が接するように重ね合わせて、温度130℃、時間1秒間、圧力0.2MPaの条件でヒートシールした場合のヒートシール強度が1.5〜5N/15mmであるものが好ましく、なかでも、2.0〜4N/15mmであるものがより好ましい。
このような本発明の共押出多層フィルムは、プロピレン系樹脂を含有してなる表面樹脂層(A)とヒートシール樹脂層(C)の間に、プロピレン系樹脂との接着性の小さいエチレン系樹脂(b)を含有してなる中間樹脂層(B)を挟み込んだ層構成であるため、層間が剥離しやすいフィルムであり、なかでも融点150℃以上のプロピレン系樹脂(a)を含有してなる表面樹脂層(A)と中間樹脂層(B)の層間は、融点145℃以下のプロピレン系樹脂(c)を含有してなるヒートシール樹脂層(C)と中間樹脂層(B)の層間に比べて剥離し易いという特性がある。このため、本発明の共押出多層フィルムは、ヒートシールしてその部分を引き剥がした場合には、合計しても厚みの小さいヒートシール樹脂層(C)と中間樹脂層(B)が破断し、次いで中間樹脂層(B)と表面樹脂層(A)の層間が容易に剥離することで、易開封性を示す。なお、本発明の共押出多層フィルムをヒートシールしてその部分を引き剥がした場合に、ヒートシール樹脂層(C)のみが破断し、次いでヒートシール樹脂層(C)と中間樹脂層(B)の層間が剥離することで、易開封性を示してもよいが、前記した中間樹脂層(B)と表面樹脂層(A)の層間が剥離する場合が好ましい。
本発明の共押出多層フィルムは、そのまま用いてもよいが、印刷による商品訴求力向上のために表面樹脂層(A)にコロナ放電処理をしてもよい。また、本発明の共押出多層フィルムの各樹脂層の中には、必要に応じて酸化防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、着色剤、シリカなどの添加剤等を適宜添加しうる。
本発明の共押出多層フィルムの製造方法は、共押出成形法であればよく、特に限定されないが、例えば、3台以上の押出機を用いて溶融押出する、共押出多層ダイス法、フィードブロック法等の公知の共押出法により溶融状態で積層した後、インフレーション、Tダイ・チルロール法等の方法で長尺巻フイルムに加工する方法が好ましい。
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。尚、例中の部および%は、特に断りのない限りすべて重量基準である(ただし、1%接線モジュラスを除く。)。
なお、実施例および比較例で得られた共押出多層フィルムの曇り度、1%接線モジュラス、ヒートシール強度、ヒートシール時の収縮・溶解の有無、フィルム包装時の耐傷つき性の測定または評価は、以下のように行った。
曇り度(%):JIS K7105に準拠して測定した。
1%接線モジュラス:共押出多層フィルムを用い、ASTM D−882に基づき、23℃においてテンシロン引張試験機〔(株)エー・アンド・デー製〕で測定した(単位:MPa)。
ヒートシール強度:共押出多層フィルムをヒートシール樹脂層が接するように重ね合わせ、第1表に記載の温度(110〜150℃)の幅10mmのシールバーにより、0.2MPaの圧力で1.0秒間ヒートシールした後、放冷し、次いで15mm幅の試験片を切り取り、23℃、引張速度300mm/分の条件でテンシロン引張試験機〔(株)エー・アンド・デー製〕で引き剥がす時の最大荷重を測定し、その強度をヒートシール強度(単位:N/15mm)とした。
ヒートシール部の収縮、融解の有無:共押出多層フィルムをヒートシール樹脂層が内側になるようにして横ピロー包装機〔フジキカイ(株)製FW−3400/B αV〕にセットし、底部の上シールバー温度150℃、下シールバー温度150℃、背貼り部シール温度を140、150、160℃、製袋速度120個/分の条件で、ピロー包装袋(縦180mm、横150mm)を作成した。この包装袋について、背貼り部シール部の収縮、融解について次の基準で評価した。
○:収縮、融解がないもの。
△:収縮、融解が少し見られるもの。
×:収縮、融解がひどいももの。
フィルム包装時の耐傷つき性の評価:前記製袋により得られた包装袋の傷つき性について、次の基準で評価した。
○:傷がないもの。
△:傷が少し見られるもの。
×:傷がひどいももの。
実施例1
表面樹脂層(A)用樹脂として、プロピレン単独重合体(HOPP)〔密度:0.900g/cm、融点:162℃、MI(測定温度230℃):9g/10分間〕に、造核剤として3−メチルブテン−1の重合体を重量基準で400ppmを添加した混合物を用い、中間樹脂層(B)用樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)〔密度:0.910g/cm、MI(測定温度190℃):8g/10分間〕70部とエチレン−ブテン−1ランダム共重合体(PEB−1)〔ブテン−1由来成分含有率:10%、密度:0.880g/cm、融点:67℃、MI(測定温度190℃):3.5g/10分間〕30部の混合物を用い、さらに、ヒートシール樹脂層(C)用樹脂として、プロピレン−エチレンランダム共重合体(COPP1)〔エチレン由来成分含率:7.0%、密度:0.900g/cm、融点:132℃、MI(測定温度230℃):7g/10分間〕を用い、それぞれを3台の押出機に供給し、表面樹脂層(A)と中間樹脂層(B)とヒートシール樹脂層(C)の平均厚さの比が8:1:1となるように共押出して、厚さ30μmの3層フィルムを成形した。
得られた3層フィルムの表面樹脂層(A)に、表面樹脂層(A)の表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施した後、曇り度、1%接線モジュラス、ヒートシール強度を評価した。さらに、横ピロー包装機により、ヒートシール部の収縮・融解、フィルムへの傷つき性を見た。その結果を第1表に示す。
実施例2
表面樹脂層(A)を樹脂層(A1)と樹脂層(A2)の2層構成とし、樹脂層(A1)用樹脂として、プロピレン単独重合体(HOPP)に、造核剤として3−メチルブテン−1の重合体を重量基準で400ppmを添加した混合物を用い、樹脂層(A2)用樹脂として、プロピレン単独重合体(HOPP)と本共押出多層フィルム製造に際して発生したフィルム端部などからなる回収物の混合物を用い、中間樹脂層(B)用樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)70部とエチレン−ブテン−1ランダム共重合体(PEB−1)30部の混合物を用い、さらに、ヒートシール樹脂層(C)用樹脂として、プロピレン−エチレンランダム共重合体(COPP1)を用い、それぞれを4台の押出機に供給し、樹脂層(A1)と樹脂層(A2)と中間樹脂層(B)とヒートシール樹脂層(C)の平均厚さの比が3:5:1:1となるように共押出して、厚さ30μmの4層フィルムを成形した。次いで、この4層フィルムを用いた以外は実施例1と同様にしてコロナ放電処理を施した後、曇り度、1%接線モジュラス、ヒートシール強度を評価した。さらに、横ピロー包装機により、ヒートシール部の収縮・融解、フィルムへの傷つき性を見た。その結果を第1表に示す。
比較例1
表面樹脂層(A)用樹脂として、プロピレン単独重合体(HOPP)を用い、中間樹脂層(B)用樹脂として、プロピレン単独重合体(HOPP)70部とプロピレン−エチレンランダム共重合体(COPP2)〔エチレン由来成分含率:4.0%、密度:0.900g/cm、融点:140℃、MI(測定温度230℃):7g/10分間〕30部の混合物を用い、さらに、ヒートシール樹脂層(C)用樹脂として、プロピレン−エチレンランダム共重合体(COPP1)を用い、それぞれを3台の押出機に供給し、表面樹脂層(A)と中間樹脂層(B)とヒートシール樹脂層(C)の平均厚さの比が3:6:1となるように共押出して、厚さ30μmの3層フィルムを成形した。次いで、この3層フィルムを用いた以外は実施例1と同様にしてコロナ放電処理を施した後、曇り度、1%接線モジュラス、ヒートシール強度を評価した。さらに、横ピロー包装機により、ヒートシール部の収縮・融解、フィルムへの傷つき性を見た。その結果を第1表に示す。
比較例2
表面樹脂層(A)用樹脂として、プロピレン単独重合体(HOPP)を用い、中間樹脂層(B)用樹脂として、プロピレン単独重合体(HOPP)を用い、さらにヒートシール樹脂層(C)として、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)〔密度:0.920g/cm、MI(測定温度190℃):4.0g/10分間〕70部とプロピレン−エチレンランダム共重合体(COPP2)の混合物を用い、それぞれを3台の押出機に供給し、表面樹脂層(A)と中間樹脂層(B)とヒートシール樹脂層(C)の平均厚さの比が8:1:1となるように共押出して、厚さ30μmの3層フィルムを成形した。次いで、この3層フィルムを用いた以外は実施例1と同様にしてコロナ放電処理を施した後、曇り度、1%接線モジュラス、ヒートシール強度を評価した。さらに、横ピロー包装機により、ヒートシール部の収縮・融解、フィルムへの傷つき性を見た。その結果を第1表に示す。
Figure 2005305859
第1表の結果からわかる様に、本発明の共押出多層フィルムは、透明性が良好で、各温度でヒートシールしても良好な易開封性を保持し、OPPと同等またはより近い高温で包装しても、ヒートシール部の収縮や融解が少なく、耐傷つき性も良好である。

Claims (7)

  1. 融点150℃以上のプロピレン系樹脂(a)を含有してなる表面樹脂層(A)と、密度0.880〜0.930g/cmのエチレン系樹脂(b)を含有してなる中間樹脂層(B)と、融点145℃以下のプロピレン系樹脂(c)を含有してなるヒートシール樹脂層(C)とが(A)/(B)/(C)の順で積層されてなり、しかも、中間樹脂層(B)とヒートシール樹脂層(C)の合計厚みが2〜20μmであって、かつ表面樹脂層(A)と中間樹脂層(B)とヒートシール樹脂層(C)の合計厚みに対する厚み比率が5〜30%であることを特徴とする共押出多層フィルム。
  2. 中間樹脂層(B)が低密度ポリエチレン(b1)とエチレンとその他のα−オレフィンとのランダム共重合体(b2)を含有してなる樹脂層である請求項1に記載の共押出多層フィルム。
  3. エチレンとその他のα−オレフィンとの共重合体(b2)がエチレン−ブテン−1ランダム共重合体であって、ブテン−1由来成分の含有率が5〜20重量%の共重合体である請求項2に記載の共押出多層フィルム
  4. 表面樹脂層(A)が融点158〜165℃のプロピレン系樹脂を含有してなる樹脂層であり、ヒートシール樹脂層(C)が融点125〜140℃のプロピレン系樹脂を含有してなる樹脂層である請求項3に記載の共押出多層フィルム。
  5. 表面樹脂層(A)がプロピレン単独重合体と造核剤を含有してなる樹脂層であり、ヒートシール樹脂層(C)が融点125〜140℃のプロピレン系樹脂を含有してなる樹脂層である請求項3に記載の共押出多層フィルム。
  6. 表面樹脂層(A)と中間樹脂層(B)とヒートシール樹脂層(C)の合計厚みが20〜50μm、中間樹脂層(B)とヒートシール樹脂層(C)の合計厚みが2〜15μm、および、ヒートシール樹脂層(C)の厚みが1〜10μmである請求項1〜5のいずれか一項に記載の共押出多層フィルム。
  7. ヒートシール樹脂層(C)同志が接するように重ね合わせて、温度130℃、時間1秒間、圧力0.2MPaの条件でヒートシールした場合のヒートシール強度が1.5〜5N/15mmである請求項1〜5のいずれか一項に記載の記載の共押出多層フィルム。
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