JP2005305398A - 有機性廃棄物の処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡素で、短時間に能率よく処理できる有機性廃棄物の処理装置の提供。
【解決手段】 焼酎粕等の食品廃棄物の廃液を加圧して有機性廃棄物(食品廃棄物)の処理装置1の噴流生成装置3に供給する。供給された廃液は、噴流となりキャビテーションを発生する。このキャビテーション発生部位にオゾン発生器22から殺菌物質であるオゾンを供給することにより、廃液は脱臭され殺菌され無害化される。この有機性廃棄物の処理装置1は固定的に設備されず、既存設備にも取り付けることが可能である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、有機性廃棄物の処理装置に関し、更に詳しくは、キャビテーション崩壊により有機性廃棄物、特に焼酎粕等の食品廃棄物を破壊し悪臭を排除し殺菌を行なう処理装置に関する。
一般に有機性廃棄物、代表的な例として焼酎粕を含む食品廃棄物の廃液処理は、水道水を噴霧しサイクロン方式で臭気を混合させ外部に放出したり、焼却処分したり、又焼酎粕を乾燥させて廃棄したり、脱水した固形物を飼料等に利用していた。この焼酎粕等の食品廃棄物は、大量に発生するので、飼料等に有効に活用されるのが好ましいが、供給が一定しておらず、放置しておくと腐敗し易い問題点を有している。このため、現状は腐敗した廃棄物として処理されることが多い。
この焼酎粕等を処理する過程で臭気は不快臭となって環境を悪化させている。これを防止するために種々の設備を導入して臭気を除く処置も行なわれている。しかし、焼酎等の製造業者は中小企業が多く、製造過程で生じる食品廃棄物を無害に処理するには、あまりにも設備費が高くコスト面で対応できないのが現状である。このため、従来は海洋投棄がなされていたが、最近はロンドン条約の規制で海洋投棄は全面禁止となっている。
このようなことから、焼酎粕等の膨大な量の食品廃棄物の処理は緊急の課題として取り上げられている。従来から焼酎粕や焼酎廃液に代表される食品廃棄物の処理については、種々研究がなされ、それに伴う処理技術、処理装置の提案もなされている。その例として例えば、焼酎粕を含む焼酎蒸留廃水に同量の他の廃水を混合し、静置法により上澄液を得る方法、この上澄液をPH無調整、無希釈のままこの液に馴養した好酸性微生物群を接種して好気条件下で曝気処理する方法、さらにPH8前後で活性汚濁処理する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
又、醤油粕を処理する方法では、醤油粕を所定の含水率以上となるように湿潤化処理し乾燥処理を行なう方法で、異臭成分が水蒸気と同伴して系外に排出されて脱臭させる方法が知られている(例えば、特許文献2)。更に、焼酎蒸留粕等の動植物性廃棄物と稲わら等の繊維性植物素材と混合粉砕した粉砕物を、圧搾ろ過して圧搾残渣とろ過液とに分離し、この圧搾残渣に穀物類を配合して飼料とする方法が提案されている(例えば、特許文献3)。
更に、発酵処理する方法の例として、醸造廃棄物を発酵処理するための培養槽と酸化処理するための改質装置と処理液の液温調整装置と種菌の接種装置とが設けられた発酵装置(例えば、特許文献4)、微生物であるトリコスポリン属菌と植物繊維を用いて酒類蒸留液を処理する方法(例えば、特許文献5)、焼酎粕に中温菌と高温菌を混合接種し、菌を増殖させ培養処理する方法、得られた処理物は有機質肥料として利用する方法(例えば、特許文献6)。焼酎の蒸留廃液に麹菌を加えて培養し、固液分離して処理する方法(例えば、特許文献7)等が提案されている。
一方、水質の改質のために実用化され将来的にますます有望視される技術として、後掲特許文献8、9に示されるように、本出願人が提案したキャビテーション崩壊の利用による有機物質壊滅(例示:細胞破壊、汚泥分解)が知られている。これは、扁平状の箱形式によってキャビテーションを発生させるもので、このキャビテーション流を渦流とすることで、脱気、混合、撹拌、殺菌、殺虫、分解、乳化等を行い浄化する技術である。
更に後掲特許文献10においては、キャビテーション泡をより多くしてプランクトン等の水中有機物の破壊、殺菌を行ない、特に海水の浄化を効率的に行なう技術を提案している。これらの技術は、汚染水や海水を浄化したりすることで有用な実績があり、水質を改質する優れた結果を示している。次にキャビテーションに関しさらに詳述する。ジェットノズルから液中に噴射されるジェット流体(噴流)は、その液中に無数のキャビテーション(真空泡に液の気化ガスが充満する球体)を生成する。キャビテーションは微小な球として発生し大きく成長し遂に破裂する。その破裂は、衝撃的球面波を発生させる。無数のキャビテーションから発生する無数の球面波は互いに干渉し衝撃粒になって液中の全体に拡散する。
無数の衝撃粒の1個1個の運動量は小さいが、破裂する際に大きいエネルギーを放出する圧力・張力ポテンシャルを有していて、金属エロージョンを惹き起こすほどのエネルギーを秘めている。衝撃粒は、汚泥中の頑強な有機物質、細菌の細胞のような物質の化学的生物学的構造を瞬間的に破壊し又は分解する。即ち、キャビテーションは浮遊する微生物等の細胞を破壊殺菌し、水質を改質して脱臭させる効果を有しているのである。
液を収容している容器の壁にぶつかって崩壊する衝撃的液流の中のキャビテーションの衝撃的破壊力は、その壁を壊食する程度に大きい。その容器中で生成される渦流の中で崩壊するキャビテーションの衝撃的破壊力は、壁にぶつかって崩壊するキャビテーションの衝撃力より小さいが、壁の破壊を招く難点がある。渦流の中心領域のキャビテーション(渦依存型:後掲特許文献9参照)はそのスピン角運動量が大きく、その中心で崩壊するキャビテーションの破壊力は大きい。キャビテーションを壁にぶつけて衝撃力を発生させるよりも、渦流を発生させて渦流中心のキャビテーションを崩壊させることにより衝撃力を発生させることは実用的に得策である。
前述の特許文献の技術は、扁平な空間を有する箱にジェットノズルを介して流体を噴射させキャビテーションを発生させるものであるが、渦流発生条件は、既述の後掲特許文献で詳細に述べられているように、経験則的に且つ理論的に知られている。角運動量保存則により、通常、渦流は偶数個が発生する。偶数個の渦流は、発振的に生成する。偶数個の渦流内の崩壊の物理的作用効率は、単数の渦流内の崩壊の物理的作用効率より高いと考えられるが、複数の渦流は、逆共振により干渉して予測不可能に消滅する。
このような渦流の予測不可能な消滅は、有機物質破壊による水質改善の信頼度の低下を招く。特許文献8に記載される渦流発生条件(W/H>4)は、渦流を発生させずキャビテーション崩壊によるエロージョンを抑制するという観点で研究されてきた安全サイドの目安であり、渦流を積極的に発生させキャビテーション生成を促進して水質改質を良好にするという観点では、その条件は緩和される。しかし、他の物質との相乗効果で殺菌力等を高めることは期待できる。又、一方、渦流発生条件(2<W/H<4)は、奇数個のキャビテーション渦を発生させるが、直接的な殺菌効果を高めることが期待される。
特開平11−188370号公報 特開2003−19471号公報 特開2002−142686号公報 特開2000−167592号公報 特開平9−313164号公報 特開平7−148497号公報 特開平6−315369号公報 特許第3373444号公報 特開2000−563号公報 特開2003−135946号公報
以上のように、有機性廃棄物、例えば焼酎粕等の食品廃棄物は大量に発生することもあって、従来からその処理方法について研究され、解決技術も前述のように種々提案され公知である。しかし、従来から提案されている技術は、現状を完全に解決する方法とはいえず、次のような問題点を有している。即ち、第1に、処理するための装置が複雑で大規模なシステムになるということである。このために中小企業者にとってはやはり負担になる構成でありコスト高を招いている。次に、静置法にしても、発酵処理の方法においても処理に時間がかかることである。
前述のように焼酎粕等は大量に発生し、しかも海洋投棄等は出来ないので、全て陸上で処理しなければならない。このため腐敗が進行する前に短時間で処理をする必要がある。また、腐敗してしまったものも迅速に処理しなければならないことである。一方、同一出願人は、水質を改質する点において、前述のように噴流発生によって水質を改善する技術を提案している。この技術は、溶存酸素濃度を高めたり、又高濃度の懸濁物質を減らし、比較的大きなプランクトン類、アオコ等を細胞破壊する等の効果を有するものであり、しかも大腸菌等の殺菌を含め殺菌効果の可能性を有する技術である。
本発明は、このような従来の問題点を克服するために開発されたものである。即ち、噴流発生技術を適用し、水質改質の技術を殺菌効果を高めることで改良し、本発明は水質改質の技術を有機性廃棄物の処理に適用して開発したもので、次の目的を達成する。本発明の目的は、短時間で処理ができる有機性廃棄物の処理装置を提供することにある。本発明の他の目的は、脱臭、殺菌効果を高めて処理ができる有機性廃棄物の処理装置を提供することにある。本発明の更に他の目的は、構成を簡素化し低コストで処理できる有機性廃棄物の処理装置を提供することにある。本発明の更に他の目的は、既存のタンク等の設備に取り付けが可能な有機性廃棄物の処理装置を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の有機性廃棄物の処理装置は、加圧された有機性廃棄物の廃液を噴射してキャビテーションを発生させ前記廃液を改質処理する装置であって、前記廃液を加圧して供給する供給装置と、前記供給装置からの前記廃液を導き入れ内部に3次元の扁平空間Vを形成しキャビテーションを発生させる噴射生成箱と、前記噴射生成箱に設けられ前記扁平空間Vに前記液体を導入するノズルと、前記噴射生成箱に導き入れられ前記キャビテーションに噴射される殺菌効果物質とからなっている。
本発明2の有機性廃棄物の処理装置は、本発明1において、前記有機性廃棄物は、食品廃棄物であることを特徴とする。
本発明3の有機性廃棄物の処理装置は、本発明1において、前記廃液は、有機性廃棄物の廃液化されたもので有機性廃液タンクに貯留された廃液であることを特徴とする。廃液が貯留されていると連続的に処理ができ、管理がし易い。
本発明4の有機性廃棄物の処理装置は、本発明1において、前記キャビテーションの発生条件は、前記扁平空間Vの概ねの高さをHで、概ねの幅をWで表し、前記ノズル開口の有効径をDで表すと、D<H、且つ2<W/H<4の関係にあることを特徴とする。この関係は殺菌効果がある。
本発明5の有機性廃棄物の処理装置は、本発明1において、前記キャビテーションの発生条件は、前記扁平空間Vの概ねの高さをHで、概ねの幅をWで表し、前記ノズル開口の有効径をDで表すと、D<H、且つW/H>4の関係にある
ことを特徴とする。この関係は脱臭効果がある。
本発明6の有機性廃棄物の処理装置は、本発明1において、前記廃液は、焼酎粕を水溶化した廃液であることを特徴とする。焼酎粕は大量に発生するので、大量処理を迅速に行なえることで処理効果がある。
本発明7の有機性廃棄物の処理装置は、本発明1において、前記噴流生成箱は、バルブ切り換えで洗浄水を送り込み洗浄可能な構成になっていることを特徴とする。メンテナンスのときにバルブ切り換えだけで即座に対応がし易い。
本発明8の有機性廃棄物の処理装置は、本発明1において、前記殺菌効果物質は、オゾンであることを特徴とする。殺菌効果を高めるのに有用である。
本発明9の有機性廃棄物の処理装置は、本発明8において、前記オゾンは、処理装置に付随して設けられるオゾン発生装置により供給されるオゾンであることを特徴とする。一体的な装置として簡素化される。オゾン発生装置を含めて同時に移動させることもできる。
本発明による有機性廃棄物の処理装置に適用した噴流生成装置は、効果的な構成として、基本的に内部に扁平空間(V)を形成する噴流発生箱(2)と、扁平空間(V)に水流を導入するノズル(3)とから形成されている。扁平空間(V)の有効幅はWで表わされ、扁平空間の有効高さはHで表され、ノズル(3)の開口(14)の有効直径はDで表される。渦流発生条件は、D<H、且つ、W/H>4、あるいはD<H、且つ、2<W/H<4で表現されるが、間接的に例えば他の物質を補うと脱臭効果を高めるのは前者の条件が好ましく、直接的に殺菌効果を高めるのには後者の条件が好ましい。有効直径は、流体力学的には、四角形の大きさに還元される物理量であり、有効直径はノズルの開口(噴射開始開口端)が円形に限られることを意味しない。
条件:W/H<4は、噴流発生箱壁に対するキャビテーション・エロージョン効果を低減し、且つ、渦流発生を損なわない。条件2<W/Hは、1個の渦を常態的に保持する。渦中心で崩壊するキャビテーションは、それが持つ巨大な圧力・張力ポテンシャルを放射状に扁平空間の中に放出し、扁平空間内の有機物質と無機物質を破壊する。従って、
条件:2<W/H<4は、奇数個の渦流を生成させるが、常態的に少なくとも1個の渦を生成する。渦の個数が常態的に1個に限られれば、液質改質の品質を均一化する。
又、条件:W/H>4は、オゾンを加えると特に脱臭効果を高めるのに有効である。本発明の効果をより高めるために、キャビテーションで発生する渦の中心に塩素やオゾンなどの殺菌効果のある物質を導入するようにしている。キャビテーションで廃液中の大腸菌類などの塊をばらばらに分解し、オゾンの導入により廃液にオゾンを溶解し脱臭させる効果を生む。オゾン等の殺菌効果のある物質を導入することによって廃液を効率よく溶解し細胞を破壊し殺菌、脱臭する。廃液を改質する方法は、基本的に前述の構成になる扁平空間に液体を導入し、前述の前者の条件を適用した場合には液体に奇数個又は偶数個のキャビテーション渦流を形成する。少なくとも1個の渦が常態的に発生する。後者の条件は、渦流が共振的に2つ発生する。本発明のキャビテーションを含む噴流崩壊は、焼酎粕を含めた有機性廃棄物の廃液の改質のために広く有効に利用されるのである。
本発明の有機性廃棄物の処理装置は、短時間で有機性廃棄物を殺菌効果を高めて且つ脱臭処理ができるようになった。又。装置を簡素な構成にしたので低コストで処理できるようになった。更に、装置を移動できる構成にしたので、既存のタンク等の設備にも取り付けが可能で、適用範囲の広い装置となった。
本発明による有機性廃棄物の処理装置の実施の形態を図にもとづき、詳細に説明する。有機性廃棄物は種々のものがあるが、本実施の形態においては食品廃棄物の例で説明する。図1は、食品廃棄物の処理装置1の平面図で、図2は、その正面図である。この処理装置1は、フレーム鋼で形成されたベース2上に各装置が搭載された構成になっている。処理装置1は、ベース2を持ち上げ移動させることにより任意の場所に設置することが可能である。従って、この処理装置1は、このベース2を介して既存の廃液タンク5等にも取り付けることができる。
この処理装置1には、本発明の基体をなす噴流生成装置3が設けられている。この噴流生成装置3には、パイプ4を介して廃液が導入されるように廃液タンク5等と接続している。廃液の導入は、加圧する供給装置、即ち廃液用ポンプ6を介して加圧された廃液を噴流状態にするため噴流生成装置3に導かれる。噴流生成装置3からの排水は無害状態となり排水パイプ7を介して放出、又は元のタンクに戻される。次にこの噴流生成装置3による噴流生成方法について説明する。
噴流生成装置3は、図に示されるように、噴流を内部に生成し扁平形状を有する噴流生成箱3aとノズル3bとから構成されている。噴流生成箱3aは薄い扁平状の箱体である。図3及び図4は、噴流生成装置3の内部空間を模式的に示したもので、図4は図3のX−X断面図である。噴流生成箱3aの内部には、キャビテーション発生部位である噴流吐出穴3cが設けられている。ノズル3bはこの噴流吐出穴3cに、廃液を噴出供給させるものである。又、噴流生成箱3aには、キャビテーション発生後の噴流を排出するための排出口3dが設けられている。
又、この噴流生成装置3に対しては、廃水を高圧の噴流にして供給するための高圧液体供給装置、即ち廃液用ポンプ6がパイプ4を介して接続されている。本実施の形態に適用される噴流生成箱3aは、液体である廃液が強制的に流し込まれ、キャビテーションを発生させるものである。この噴流生成箱3aを使用することで、廃液中の植物・細菌等の細胞破壊、細胞活性の無効化、溶存気体の分離、有害物質の無効化、乳化、攪拌等を効率的に行なうことができる。尚、この噴流生成装置3に関する基本思想は前述の特許文献に記載されているので詳細説明は省略する。
既述のキャビテーション発生部位は、噴流吐出穴3cとして噴流生成箱3aに形成されている。噴流吐出穴3cの軸心線は噴流生成箱3aの中心線CLに一致している(図5参照)。噴流生成箱3aの内部空間Vは、概ね扁平に形成され、直方体状空間に形状化されている。内部空間Vは、図に示されるように、その高さと幅が規定される。その高さはHで示され、その幅はWで示されている。又、噴流吐出穴3cは、2段構成になっていて、吐出発生側の穴径がdで、噴流生成箱2側の穴径がDで、更に、噴流吐出穴の長さは、Lで示されている。この穴径dとD及び長さLとの関係は、噴流発生のための条件として次のようになっている。
D>d=3〜4、L/D>8
噴流吐出穴3cは、このような構成でキャビテーション発生用吐出穴を形成している。内部空間Vは、そのキャビテーション発生用吐出穴と図に示される排出口3dとにより局所的に開放されているが、高圧流体が導入される内部空間Vは実質的に閉じられた空間として理論的に取り扱われる。内部空間Vを形成する噴流生成箱3aの6面壁の6つの内面は、幾何学的境界条件を規定している。次に、本発明の技術の理解を容易にするため、前述の特許文献にもとづきキャビテーション発生条件を説明する。
キャビテーション発生条件は、液体が水であれば、既述の特許文献で詳細に知られているように、下記式で与えられる。
L/D≧5・・・(1)
ただし、L:噴流吐出穴3cの長さ
式(1)は、キャビテーションの発生を抑制するための研究過程で知られてきた関係であり、キャビテーションの発生を抑制するための下記式:
L/D≦5・・・(1’)
の逆関係として規定されている。キャビテーションを積極的に発生させるためには、下記式を充足することが好ましい。
L/D≧8・・・(2)
渦流発生条件は、既述の特許文献では、下記式となっている。これは前述の特許文献におけるキャビテーション発生条件である。
D<H、且つ、W/H>4・・・(3)
式(3)は、渦流をより積極的に生成させるための条件である。既述の特許文献は、式(3)が充足される場合に、渦流が複数化し、特に、2つの渦流が共振的に発生することを述べていない。共振的に発生する2つの渦流は、ダイナミックに変化する。複数渦流が発生する複雑系の計算は困難であり、共振条件は俄に崩れ、逆共振し干渉して2つともに消滅することが気づかれていなかった。ノズルから噴出する液体は、軸流であり、角運動量は概ね零である。2つの渦流の角運動量の合計は、角運動量保存則により概ね零であり、2つの渦流(偶数個の渦流)はダイナミックに消滅し、2つの渦流はダイナミックに発生する。この渦流は共振的に揺動して絶えず動いている。
この発生条件の理由は、高さHが大きいと、渦はそれが一旦発生しても持続せずすぐに破壊されて消滅する。角運動量を有する渦は、立体空間では安定せず平面内で安定する。このような渦の中心領域は、高さ方向に直交する平面内で概ね内部空間の全体で上下2面壁を除く4面壁に沿うように周回運動する。即ち、内部空間内の液体全体は、その一部が排出口から排出されながら、渦中心の回転速度に比べてゆっくりした速度の角運動量を持つ。これにもとづきキャビテーションを発生させる内部空間を概ね扁平形状としたのであり、WとHの比を前述のとおりとした。しかし、これでも問題がない訳ではない。このキャビテーション発生条件は本発明にも適用できるが、更に効果を高めるためにこれら従来の研究事項を踏まえて、本発明は更に改良発展させたものである。
前述のキャビテーション発生条件は渦流が2つ発生することで説明したが、一方、渦流の発生個数を奇数個特に1個に限定する場合もある。奇数個の渦流の内の2個が相殺消滅する場合に、1個の渦流は安定的に(常態的に)存在する。渦流の発生個数を奇数化する条件は、下記式で規定される。
W/H<4・・・(4)
特に、
D<H、且つ、2≦W/H≦4・・・(4’)
であることが好ましい。この条件は、キャビテーションの衝撃力と渦のせん断力が大きく殺菌能力(細胞破壊能力等)を高める点で効果がある。従って、本発明にも適用するのに好ましい条件である。W/Hが2より小さい場合には、キャビテーション渦流が発生しにくく、且つ、その発生が不安定である。
図5は、単数渦流の発生を示した例である。図は模式的に表現した3次元の噴流生成箱3aでのキャビテーション発生状態を示したものである。噴流吐出穴3cの噴出開口3eから噴出する噴流の一部分は、噴流核8を噴出開口3eの前方近傍領域に生成する。説明の便宜のために、渦流は静的に発生し、同じ位置で十分に長い期間で停止していることとしている。
噴流は、噴出開口3eから特定方向に噴出される噴流束9の噴流束中心線10に示されるように、噴流核生成領域(X座標でXc)を越えて噴流の流れを形成し、渦流発生領域11で渦流になって特定回転方向(図では時計方向)に回転し始める。渦流12は、渦中心13に向かって螺旋状に吸い込まれる。渦流発生領域は、幅Wと高さHで規定される扁平な内部空間Vの前方領域である。
渦流線14の上の無数のキャビテーションは、それぞれに、有効質量Mjと有効回転半径Rjと有効回転速度Vjで表される局所的角運動量Pを持つ。
Pj=Mj・Vj・Rj
ここで、jは渦流線17上で並ぶ有限個のキャビテーションの位置的順序数を示している。Pjは、j番目の気泡のスピン角運動量を示している。渦流中心13の角運動量は最大である。渦流の全角運動量Jは、下記式で表される。
J=Σ[j=1〜n]Pj
ここで、{j=1〜n}はP1からPnまでの累積加算を示す。
単数個の渦流の発生の場合には、角運動量保存則により、−Jの角運動量が存在する。噴流生成箱3aが地球に固定されている場合には、地球の回転が現れるか、目には見えない小さい反時計方向の多数の渦流又は大域的回転流が噴流生成箱3aの中で発生している。大域的回転流は、扁平な箱の中で反時計方向に回転する渦を包む全体の回転として現れ、その全体の角運動量は−Jである。
渦中心13で極限的に角運動量が大きくなったキャビテーションは、その崩壊寿命がきて、衝撃的に破裂する。キャビテーションの崩壊に起因する衝撃力的波15が固体17に当たった時に示す衝撃力16は、汚泥、細胞を破壊するために十分である破壊力を示す。ここで、衝撃力的波は粗密波の振幅が大きくその振幅は高密度に分布していることを意味する。
渦の数が奇数、特に1であれば、その渦は角運動量保存則により扁平空間の中で大域的に渦流の回転方向と反対の方向に回転する。渦流の及ぼす範囲が広まることになる。渦の大域的回転は扁平空間の中の水の撹拌作用を有し、浄化分布確率を扁平空間の中で分散的に均一化し、廃液改質の信頼度の劣化を抑制する効果を高くする。又渦流の持続性を高める。
前述の特許文献で示す噴流生成箱3aは、W/H>4の条件で構成されているが、噴流生成箱3a内に発振する渦が発生し、キャビテーションの衝撃力と渦のせん断力で殺菌等も行なうものである。この条件の場合は、左右に発振する渦となるため、例えば2つの渦が発生し、更に瞬間的に渦が消える場合がある。一般にキャビテーションは水中で自然消滅する場合よりも板面等のターゲットに衝突させて気泡を強制的に破壊する方が衝撃力が高まることが知られている。
しかし、この方法はキャビテーションの衝撃力でターゲットも破壊される問題点があるが間接的に他の物質との相乗効果が期待される。同一出願人は前述の構成になる扁平形状の箱をベースとした装置で、この問題点を解消する技術を提案した。殺菌効果を直接的に高めるためには、前述したように、噴流生成箱3aを2<W/H<4の条件の構成にするのが好ましい。噴流生成箱3a内のキャビテーションにより発生した気泡は、渦により渦の中心部方向に巻き込まれ、渦の中心部付近で強制的に破壊される。このキャビテーション構成は、ターゲットに衝突させることなく効率よく衝撃力を高めることになる。
図6は、噴流生成箱3aに渦流中心部に位置する部位の箱壁、即ち箱壁の略中央部に、殺菌物質を導入するための導入口18を設けた構成を示している。導入口18を渦流中心部に一致して合わせるのが理想的ではあるが、噴流束中心線10は、流れの過程で絶えず振られる状態で動いているので、一致させることはできない。従って、平均的な渦流中心の位置となる略中央部に導入口18を設けるのが好ましい。図6は、原理的説明のため導入口18は1つとしているが、実際の形態においては、渦流中心部は揺動することを考慮し、導入口18を2つ設けている(図2参照)。
図に示すように、この導入口18は軸中心線CL方向の中間位置に設けたが、この導入口18の位置を理論的に数値計算で特定するのは難しく、実験的に確認して設定するのがよい。この導入口18とオゾン発生器22とが相互に接続されていて、このオゾン発生器22から殺菌物質であるオゾンが導入口18を介して扁平空間の渦流中心に向けて供給される。渦流の中心部は最もキャビテーションの衝撃力の強い部位なので、オゾンの作用として知られている殺菌効果、脱臭効果をより高めることができる。又、この導入口18へは、オゾンを供給することで説明したが、殺菌効果、脱臭効果を有する他の物質、例えば塩素を供給するようにしてもよい。
このようにして、この噴流生成装置3により廃液の脱臭を施すとともに殺菌処理も同時に行なうようにしている。この噴流生成装置3は、比較的小型形状をなしパイプ4と直接結合し、パイプ4で支持できるものである。更にこの処理装置1には、噴流生成装置3に隣接して洗浄用の受水槽19が設けられていて、洗浄用水中ポンプ20を介して洗浄水が洗浄バルブ21を介して噴流生成装置3に導かれる構成になっている。
この導入部分は、廃液の導入部分と一緒に交差していて、バルブによって切り替え、廃液と水の導入をコントロールしている。洗浄用バルブ21は、廃液処理を行なっている通常の状態では閉じていて、メンテナンス等のときに開き受水槽19の水を引いて噴流生成装置3等の清掃を行なう。この洗浄は受水槽の水でなく水道水を直接引いて行ってもよい。又、オゾン発生装置22もこの噴流生成装置3に隣接して設けられ、逆止弁22aを介して噴流生成装置3の導入口18と接続されている。これら一連の装置の制御は、制御盤23によって行なう。制御盤23には主電源、廃液用ポンプ6、洗浄用ポンプ、ファンと、オゾン発生器22を制御するための押しボタン等の機器が設けられている。
前述したように、これらの装置が全てベース2上に取り付けられており、図に示すように、この処理装置1は、極めてコンパクトに構成されている。クレーンやフォークリフトの使用で移動は簡単に行なえる。また、図示はしていないが、平地の場合ベース2の下にキャスターを取り付ければ人手で移動させることも可能である。実施の形態においては、全ての装置をベースに取り付けることで説明したが、噴流生成装置に対して、他の装置、例えばオゾン発生器、受水槽等を分割して別に設置することも可能である。各装置の接続部品はパイプでなく、ホースであってもよい。以上、本発明の実施の形態について説明したが、強いていえば、渦流発生条件がW/H>4の場合、オゾンを廃液に溶解させ脱臭するのに効果がよりあり、渦流発生条件が2<W/H<4の場合、キャビテーションで直接有機性物質を破壊するのが強く殺菌効果がより高い。
本発明は、以上説明した内容に限定されないことはいうまでもない。実施の形態においては、食品廃棄物を対象に説明したが、本発明は、食品廃棄物以外に特に悪臭を発生する有機性の廃棄物にはいずれにも適用できることはいうまでもない。
図1は、食品廃棄物の処理装置の平面図である。 図2は、食品廃棄物の処理装置の正面図である。 図3は、模式的に示した噴流生成装置の断面図である。 図4は、図3のX−X断面図である。 図5は、模式的にキャビテーションの渦流を示した説明図である。 図6は、オゾン導入口を設けた形態を示す正面断面図である。
符号の説明
1…処理装置
2…ベース
3…噴流生成装置
3a…噴流生成箱
3b…ノズル
3c…噴流吐出穴
6…廃液用ポンプ
V…扁平空間
D…有効直径
H…高さ
W…幅
18…導入口
22…オゾン発生器

Claims (9)

  1. 加圧された有機性廃棄物の廃液を噴射してキャビテーションを発生させ前記廃液を改質処理する装置であって、
    前記廃液を加圧して供給する供給装置と、
    前記供給装置からの前記廃液を導き入れ内部に3次元の扁平空間Vを形成しキャビテーションを発生させる噴射生成箱と、
    前記噴射生成箱に設けられ前記扁平空間Vに前記廃液を導入するノズルと、
    前記噴射生成箱に導き入れられ前記キャビテーションに噴射される殺菌効果物質と
    からなる有機性廃棄物の処理装置。
  2. 請求項1に記載の有機性廃棄物の処理装置において、
    前記有機性廃棄物は、食品廃棄物である
    ことを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
  3. 請求項1に記載の有機性廃棄物の処理装置において、
    前記廃液は、有機性廃棄物の廃液化されたもので有機性廃液タンクに貯留された廃液である
    ことを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
  4. 請求項1に記載の有機性廃棄物の処理装置において、
    前記キャビテーションの発生条件は、前記扁平空間Vの概ねの高さをHで、概ねの幅をWで表し、前記ノズル開口の有効径をDで表すと、D<H、且つ2<W/H<4の関係にある
    ことを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
  5. 請求項1に記載の有機性廃棄物の処理装置において、
    前記キャビテーションの発生条件は、前記扁平空間Vの概ねの高さをHで、概ねの幅をWで表し、前記ノズル開口の有効径をDで表すと、D<H、且つW/H>4の関係にある
    ことを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
  6. 請求項1に記載の有機性廃棄物の処理装置において、
    前記廃液は、焼酎粕を水溶化した廃液である
    ことを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
  7. 請求項1に記載の有機性廃棄物の処理装置において、
    前記噴流生成箱は、バルブ切り換えで洗浄水を送り込み洗浄可能な構成になっている
    ことを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
  8. 請求項1に記載の有機性廃棄物の処理装置において、
    前記殺菌効果物質は、オゾンである
    ことを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
  9. 請求項8に記載の有機性廃棄物の処理装置において、
    前記オゾンは、処理装置に付随して設けられるオゾン発生装置により前記噴流生成箱の側壁から前記キャビテーション渦の略中心部に向けて噴射供給される
    ことを特徴とする有機性廃棄物の処理装置。
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