JP2005304621A - 光源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通常観察モードと特殊観察モードとを簡単に切り替えることができ、なおかつ、特殊観察モードにおいて参照画像の色合いが悪くならない光源装置を、提供する。
【解決手段】ダイクロイックミラー206と回転シャッタ208とが白色光の光路から引き抜かれた場合には、白色光のみがライトガイド101の基端面に供給され、ダイクロイックミラー206と回転シャッタ208とが白色光の光路へ挿し入れられた場合には、励起光光源装置204が点滅制御されるとともに回転シャッタ208が回転して、白色光と励起光とがライトガイド101の基端面に交互に供給される。
【選択図】図3


Description

本発明は、内視鏡内に引き通されたライトガイドへ光を供給するための光源装置に、関する。
周知のように、生体組織は、特定の波長の光が照射されると、励起して蛍光を発する。また、腫瘍や癌などの病変が生じている異常な生体組織は、正常な生体組織よりも弱い蛍光を発する。この反応現象は、体腔壁下の生体組織によっても引き起こされ得る。近年、体腔壁下の生体組織に生じた異状をこの反応現象を利用して検出する内視鏡システムが、開発されている。
この種の内視鏡システムの一つとして、二つの観察モードを備えた内視鏡システムがある。一つ目の観察モードは、可視光にて照明された体腔内の通常観察画像を、表示装置に表示するという通常観察モードであり、二つ目の観察モードは、可視光にて照明された体腔内の参照画像に対して病変部として算出された領域を示す患部画像をスーパーインポーズしてなる特殊観察画像を、表示装置に表示するという特殊観察モードである。
上記の特殊観察モードでは、内視鏡システムは、内視鏡の挿入部の先端から、体腔内を照明するための可視光と、体腔壁下の生体組織を励起させるための励起光とを、交互に射出するとともに、挿入部の先端から可視光が射出されている期間に取得される参照画像データと、挿入部の先端から励起光が射出されている期間に取得される蛍光画像データとを交互に取得する。そして、内視鏡システムは、一組の参照画像データと蛍光画像データとを取得する毎に、参照画像データと蛍光画像データとを比較して患部画像データを生成するとともに患部画像データを参照画像データに合成することによって、特殊観察画像の画像データを生成する。
このような特殊観察モードを備えた内視鏡システムの一例として、特許文献1記載の内視鏡システムがある。特許文献1記載の内視鏡システムは、特殊観察モードのときには、内視鏡内に引き通されているライトガイドの基端面と光源との間に、回転フィルタを挿入して回転させる。その回転フィルタは、赤色光のみを透過させるフィルタ,緑色のみを透過させるフィルタ,励起光のみを透過させるフィルタを、備えており、回転されると、光源から射出された光の光路内に、これらフィルタを順に挿入する。その結果、内視鏡の先端からは、赤色光,緑色光,励起光が、順に射出される。
また、別の例として、特許文献2記載の内視鏡システムがある。特許文献2記載の内視鏡システムは、特殊観察モードのときには、通常観察モードの時に用いられる可視光を射出する光源装置とは別の光源装置から、内視鏡の鉗子チャンネルに挿入された導光プローブの基端面に向けて励起光を射出する。二つの光源装置は、内視鏡の先端から可視光と励起光とが交互に射出されるように、互いに同期を取っている。
特開2002−336196号公報 特開2001−137187号公報
前述したように、特許文献1記載の内視鏡システムは、特殊観察モードのときには、赤色光、緑色光、励起光を体腔内に射出する。しかしながら、この内視鏡システムは、赤色光を射出した期間に取得される画像データと、緑色光を射出した期間に取得される画像データとに基づいて、参照画像データを生成するため、患部画像がスーパーインポーズされる参照画像の色合いが悪くなり、観察しにくくなるといった弊害があった。
また、前述したように、特許文献2記載の内視鏡システムでは、特殊観察モードのときには、鉗子チャンネルが導光プローブにて占領されてしまうので、鉗子チャンネルが使えないという問題がある。さらに、鉗子チャンネルにプローブを挿入するという手間を毎回掛けねばならないため、操作者にとっては、観察モードの切り替えが非常に煩わしいものとなっていた。
本発明は、前述したような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、通常観察モードと特殊観察モードとを簡単に切り替えることができ、なおかつ、特殊観察モードにおいて参照画像の色合いが悪くならない光源装置を、提供することにある。
上記の課題を解決するために発明された光源装置は、内視鏡の挿入部の先端が挿入された体腔内を照明するための可視光を、内視鏡内に引き通されたライトガイドの基端面に向けて射出する可視光光源,体腔壁下の生体組織を励起させるための励起光を射出する励起光光源,前記励起光光源から射出される前記励起光を導くことにより前記励起光の光路を前記可視光の光路に直交させる光ファイバ,前記可視光の光路と前記励起光の光路とが交差する位置において、前記可視光を透過させるとともに前記励起光を前記ライトガイドへ向けて反射するミラー,前記ミラーと前記可視光光源との間において、前記可視光を所定期間だけ繰り返し遮蔽するシャッタ,前記可視光の光路と前記ミラーによる反射後の前記励起光の光路とにともに直交する方向に沿って前記ミラー及び前記シャッタを平行移動させることにより、前記ミラー及び前記シャッタを前記可視光の光路から引き抜き又はその光路へ挿し入れるための駆動機構,及び、前記ミラー及び前記シャッタが前記可視光の光路に挿し入れられている場合において、前記可視光が前記シャッタに遮蔽されている期間だけ前記励起光が前記ライトガイドの基端面に導入されるように、前記励起光光源を点滅制御する光源制御部を備えることを、特徴としている。
このように構成されると、ミラーとシャッタとが可視光の光路から引き抜かれた場合には、可視光のみがライトガイドの基端面に供給され、ミラーとシャッタとが可視光の光路へ挿し入れられた場合には、励起光光源が点滅されるとともにシャッタが回転して、可視光と励起光とがライトガイドの基端面に交互に供給される。つまり、通常観察モードと特殊観察モードとを簡単に切り替えることができる。然も、特殊観察モードにおいては、ライトガイドの基端面へ供給される可視光は、一部の波長帯域が欠けたものとはならないので、参照画像の色合いが悪くなることがない。
以上に説明したように、本発明によれば、通常観察モードと特殊観察モードとを簡単に切り替えることができ、なおかつ、特殊観察モードにおいて参照画像の色合いを悪くすることがない。
次に、添付図面に基づいて、本発明を実施するための形態を、説明する。なお、本発明は、一般的な内視鏡システムの光源部に対して適用される。そこで、先ず、一般的な内視鏡システムの全体的な構成について簡単に説明し、その後に、本発明が実施された光源部について説明する。
図1は、一般的な内視鏡システムの外観図である。図1に示されるように、一般的な内視鏡システムは、電子内視鏡10,制御装置20,及び、表示装置30を、備えている。
電子内視鏡10は、体腔内に挿入するために細長く形成されている挿入部10a,その挿入部10aの先端部分を湾曲操作するためのアングルノブ等を有する操作部10b,操作部10bと制御装置20とを接続するために操作部10bから延びるケーブル部10c,及び、ケーブル部10cの先端を制御装置20に着脱自在に装着するためのコネクタ部10dに、区分される。
そして、この電子内視鏡10は、挿入部10aの内部に対物光学系及び撮像素子を、備えている。対物光学系は、挿入部10aの先端に対向した被写体の像を形成し、撮像素子は、対物光学系によって形成された像を撮像して画像データへ変換する。画像データは、挿入部10a,操作部10b,ケーブル部10c,及び、コネクタ部10d内に順に引き通された信号線を通じて、制御装置20へ伝送される。
また、この電子内視鏡10は、束ねられた可撓な光ファイバからなるライトガイドを、備えている。ライトガイドは、挿入部10a,操作部10b,ケーブル部10c,及び、コネクタ部10d内に順に引き通されており、コネクタ部10dが制御装置20に装着されている場合、ライトガイドの基端は、制御装置20の光源部内に挿入される。
図2は、制御装置20の概略的な構成図である。制御装置20は、制御装置20全体を制御する制御部20a,電子内視鏡10のライトガイドへ光を供給する光源部20b,及び、電子内視鏡10の撮像素子から出力される画像データに各種の処理を施すための画像処理部20cに、区分される。
制御部20aは、操作盤上の切替スイッチが操作されることによって、通常観察モード及び特殊観察モードの何れか一方に観察モードを切り替える。
光源部20bは、通常観察モードでは、電子内視鏡10の挿入部10aが挿入された体腔内を照明するための可視光を、電子内視鏡10内のライトガイドの基端面に供給し、特殊観察モードでは、体腔内を照明するための可視光と、体腔壁下の生体組織を励起させるための励起光を、そのライトガイドの基端面に交互に供給する。
画像処理部20cは、通常観察モードでは、電子内視鏡10の撮像素子から出力される画像データに所定の処理を施して、表示装置30に出力する。表示装置30は、入力された画像データに基づいて、体腔内の通常画像を表示する。
一方、特殊観察モードでは、画像処理部20cは、挿入部10aの先端から可視光が射出されている期間に取得される参照画像データと、挿入部10aの先端から励起光が射出されている期間に取得される蛍光画像データとを交互に取得する。そして、画像処理部20cは、一組の参照画像データと蛍光画像データとを取得する毎に、参照画像データと蛍光画像データとを比較して患部画像データを生成するとともに患部画像データを参照画像データに合成することによって、特殊観察画像の画像データを順次生成する。順次生成された画像データは、表示装置30に出力される。表示装置30は、入力された画像データに基づいて、病変部として算出された領域を示す患部画像を参照画像にスーパーインポーズしてなる特殊観察画像を、表示する。
図3は、制御装置20内の光源部20bの概略的な構成図である。図3に示されるように、光源部20bは、白色の平行光を射出する白色光光源装置201と、その白色光光源装置201から射出される白色光の光束径を縮小させるアフォーカル光学系202と、白色光を電子内視鏡10内のライトガイド101の基端面上で収斂させる集光レンズ203とを、備えている。
光源部20bは、更に、体腔壁下の生体組織を励起させるための励起光を射出する励起光光源装置204と、この励起光光源装置204から射出される励起光を平行光に変換するコリメートレンズ205と、励起光を反射するとともに白色光を透過させるダイクロイックミラー206とを、備えている。
励起光光源装置204には、励起光をコリメートレンズ205の焦点まで導く光ファイバ束204aが、取り付けられている。この光ファイバ束204aの先端部分の中心軸は、コリメートレンズ205の光軸に対して同軸となっており、アフォーカル光学系202及び集光レンズ203の光軸と直交している。ダイクロイックミラー206は、光路合成素子であり、ステージ207上に設置されている。
ステージ207は、例えばラックアンドピニオン方式が採用された移動機構によって、アフォーカル光学系202の光軸に直交する一方向にのみ移動可能となっている。このステージ207上では、ダイクロイックミラー206は、アフォーカル光学系202の光軸方向に対して45°傾いているとともに、コリメートレンズ205の光軸方向に対しても45°傾いている。
そして、このステージ207が正逆に駆動されると、ダイクロイックミラー206は、アフォーカル光学系202と集光レンズ203との間の白色光の光路内に挿し入れられ、或いは、その光路から引き抜かれる。
ダイクロイックミラー206が白色光の光路内に挿し入れられた時には、白色光がダイクロイックミラー206をそのまま透過して集光レンズ203に達するとともに、励起光がダイクロイックミラー206によって直角に反射されて集光レンズ203に達する。このため、励起光と白色光とが共に集光レンズ203によって電子内視鏡10内のライトガイド101の基端面に収斂されるようになる。
逆に、ダイクロイックミラー206が白色光の光路から引き抜かれた時には、白色光だけが集光レンズ203に達し、この集光レンズ203によって電子内視鏡10内のライトガイド101の基端面に収斂されるようになる。
光源部20bは、更に、円板状の回転シャッタ208を備えている。回転シャッタ208には、略扇形の貫通孔が穿たれており、その略扇形の頂点は、円板の中心に一致している。また、この回転シャッタ208の中心には、モータの駆動軸の先端が固定されており、この回転シャッタ208は、このモータを介して、前述したステージ207上に設置されている。
そして、この回転シャッタ208は、ステージ207の移動によってダイクロイックミラー206が白色光の光路に挿し入れられた時には、そのダイクロイックミラー206とアフォーカル光学系202との間の白色光の光路に垂直に挿入され、ステージ207の移動によってダイクロイックミラー206が白色光の光路から引き抜かれた時には、その光路から引き抜かれる。
なお、このようなステージ207の移動は、前述した制御部20aが観察モードの切り替えを受け付けた際に、行われる。
すなわち、観察モードが通常観察モードに切り替えられた場合には、制御部20aは、アフォーカル光学系202と集光レンズ203との間の白色光の光路から、ダイクロイックミラー206と回転シャッタ208とが引き抜かれるように、ステージ207の駆動を制御する。これにより、通常観察モードでは、電子内視鏡10内のライトガイド101の基端面には、白色光だけが導入されるようになる。従って、電子内視鏡10の挿入部10aの先端が挿入された体腔内は、その先端から射出される白色光によって照明されることとなる。
逆に、観察モードが特殊観察モードに切り替えられた場合には、制御部20aは、アフォーカル光学系202と集光レンズ203との間の白色光の光路に対し、ダイクロイックミラー206と回転シャッタ208とが挿し入れられるように、ステージ207の駆動を制御する。このとき、制御部20aは、回転シャッタ208を回転させることによって白色光を所定時間間隔毎に電子内視鏡10内のライトガイド101の基端面に導入させるとともに、白色光がライトガイド101に導入されていない期間に励起光が射出されるように励起光光源装置204を点滅制御する。なお、励起光光源装置204が例えばレーザダイオードであれば、このような点滅制御は可能である。これにより、特殊観察モードでは、電子内視鏡10内のライトガイド101の基端面には、白色光と励起光とが交互に導入される。従って、電子内視鏡10の挿入部10aの先端が挿入された体腔内では、体腔壁の表面での白色光の反射と、体腔壁下の生体組織による蛍光の発光とが、交互に繰り返されることとなる。
ところで、本実施形態では、ステージ207上に、補助光源装置209が設置されている。この補助光源装置209は、高輝度レーザー発光ダイオードを含み、白色光光源装置201が白色光を射出できない状態になった場合に、体腔内から挿入部10aを安全に引き抜くことができる程度の強度を持つ照明光を、ライトガイド101に供給するためのものである。
制御部20aは、白色光を射出できない状態(例えばハロゲンランプが寿命を迎えた状態)になった旨が白色光光源装置201内のセンサから通知されると、ステージ207を駆動して、補助光源装置209を、アフォーカル光学系202と集光レンズ203との間に位置させて、補助光源装置209から照明光を射出させる。このとき、照明光は、集光レンズ203によって電子内視鏡10内のライトガイド101の基端面に収斂される。これにより、電子内視鏡10の挿入部10aが挿入された体腔内は、この照明光によって照明されることとなる。
図4乃至図7は、本発明が実施された光源部20b内の要部の斜視図である。但し、図4は、ステージ207周辺の機構を示し、図5は、ステージ207周辺から光学系だけを透視した状態を示し、図6は、図4の奥側からこの機構を見たときの状態を示し、図7は、図6においてステージ207を透視した状態を示している。
図5に示されるように、光ファイバ束204aの基端部分は、励起光光源装置204の略直方体状の筐体にコネクタC1を介して装着されている。また、図4及び図7に示されるように、光ファイバ束204aの先端部分は、四角柱状の鏡筒205aにコネクタC2を介して着脱自在に装着されている。この鏡筒205aは、励起光用のコリメートレンズ205を保持するためのものであり、鉛直方向に沿って起立する枠板200aに対して固定されている。
なお、白色光光源装置201は、図4においては紙面に向かって右手前側に、図5においては紙面に向かって左手前側に、図6及び図7においては紙面の手前側に配置される。また、電子内視鏡10内のライトガイド101の基端部分は、図4においては紙面に向かって左奥側に、配置されている。
ライトガイド101の中心軸は、アフォーカル光学系202及び集光レンズ203の光軸Ax1と同軸になっており、その光軸Ax1は、枠板200aに対して直交している。そして、枠板200aに固定された鏡筒205aは、コリメートレンズ205の光軸Ax2を、光軸Ax1に対して直交させているとともに鉛直方向に向けている。
枠板200aは、更に、鏡筒205aがある側の側面に突出形成された一対の支持台200b,200bによって、この面から所定間隔だけ離れた棒状の水平バー200cの両端を支えている。この水平バー200cは、光軸Ax1に対し、ねじれの位置の関係を有している。そして、この水平バー200cには、ステージ207が取り付けられている。
ステージ207は、ギア部207a,開口板部207b,ミラー台座部207c,及び、シャッタ台座部207dの四つの部分に区分される。ギア部207aは、略短冊板状に形成されており、水平バー200cと同じ大きさの直径(より正確には若干大きい直径)を有する貫通孔が、長手方向に沿って、穿たれているとともに、一方の長辺の側縁には、ラックギアが形成されている。そして、このギア部207aの貫通孔には、上記の水平バー200cが挿通されており、ラックギアは、枠板200aに装着されたモータ200dの駆動軸に固定されているピニオンギア200eに対し、噛み合わされている。
開口板部207bは、円形の開口が穿たれた矩形平板状に形成されており、その両側面は、光軸Ax1方向に対して垂直となっている。ミラー台座部207cは、直角二等辺三角形状の底面を有する三角柱状に形成されており、斜面以外の側面には、円形の貫通孔が斜面に向かって垂直に穿たれている。また、斜面以外の一対の側面のうち、一方の側面は、鉛直方向における上方に向けられ、他方の側面は、光軸Ax1方向における集光レンズ203側に向けられている。そして、ミラー台座部207cの斜面には、ダイクロイックミラー206が貼り付けられている。
シャッタ台座部207dは、四角柱の箱状に形成されている。その両底面は、光軸Ax1方向に対して垂直となっており、内部には、回転シャッタ208のモータが固定されている。また、白色光光源装置201がある側の面には、モータの駆動軸を挿通するための貫通孔が穿たれており、シャッタ台座部207dのこの貫通孔から突出した駆動軸の先端に、回転シャッタ208が固定されている。
開口板部207b,ミラー台座部207c,及び、シャッタ台座部207dは、何れも、ギア部207aにおけるラックギアがある側とは反対側の側縁に接した状態で、このギア部207aと一体に形成されている。また、開口板部207b,ミラー台座部207c,及び、シャッタ台座部207dは、ギア部207aの長手方向に沿ってこの順に配列されており、これら各部207b〜207dにおける集光レンズ203がある側の面は、ギア部207aにおける集光レンズ203がある側の面に対し、面一となっている。このように面一に形成されているステージ207の側面は、図7に示されるように、枠板200a側に向けられており、その結果として、ステージ207は、ギア部207aがある側とは反対側の側縁207eが枠板200aに当接した状態で、水平バー200cに吊り下げられることとなる。
なお、図4,図6,及び、図7に示されるように、このステージ207の開口板部207bにおけるミラー台座部207cがある側とは反対側には、補助光源装置209が取り付けられている。補助光源装置209は、高輝度レーザー発光ダイオード209a,放熱フィン209b,及び、補助レンズ209cを、備えている。
高輝度レーザー発光ダイオード209aは、前述したように、体腔内から挿入部10aを安全に引き抜くことができる程度の強度を持つ照明光を射出する素子である。放熱フィン209bは、駆動中の高輝度レーザー発光ダイオード209aを冷却するためのものである。補助レンズ209cは、高輝度レーザー発光ダイオード209aから射出された照明光を平行光に変換するためのレンズである。そして、高輝度レーザー発光ダイオード209aの発光点は、補助レンズ209cの光軸上に設置され、この補助レンズ209cの光軸は、ステージ207の開口板部207bの有する開口の中心軸,ミラー台座部207cにおいて水平方向に沿って穿たれている貫通孔の中心軸とに対し、水平面内において互いに平行となっている。
そして、枠板200aに取り付けられているモータ200dが回転されると、ステージ207は、水平バー200cに沿って移動される。通常観察モードに切り替えられることによってこのステージ207が移動された場合、励起光の光路と白色光の光路とが交わる位置からダイクロイックミラー206及び回転シャッタ208が引き抜かれ、開口板部207bの開口が、白色光の光路上に配置される。このため、電子内視鏡10内のライトガイド101の基端面には、白色光が導入されることとなる。
また、白色光光源装置201が白色光を射出できない状態(例えばハロゲンランプが寿命を迎えた状態)になることによって、このステージ207が移動された場合、アフォーカル光学系202と集光レンズ203との間に、高輝度レーザー発光ダイオード209a及び補助レンズ209cが、配置される。すると、高輝度レーザー発光ダイオード209aから射出された照明光は、補助レンズ209cによって平行光に変換された後、集光レンズ203によって、電子内視鏡10内のライトガイド101の基端面に収斂される。
また、特殊観察モードに切り替えられることによってこのステージ207が移動された場合、励起光の光路と白色光の光路とが交わる位置にダイクロイックミラー206及び回転シャッタ208が配置される(図4乃至図7の状態)。この状態にあるとき、ダイクロイックミラー206は、アフォーカル光学系202及び集光レンズ203の光軸Ax1に対して45°傾いて交差するとともに、コリメートレンズ205の光軸Ax2に対しても45°傾いて交差する。このため、アフォーカル光学系202から射出された白色光は、ダイクロイックミラー206をそのまま透過して集光レンズ203へ達し、コリメートレンズ205から射出された励起光は、ダイクロイックミラー206によって直角に反射されて集光レンズ203に達する。その結果、電子内視鏡10内のライトガイド101の基端面には、白色光と励起光とが共に導入され得る状態となる。
以上のように構成されるため、本実施形態の内視鏡システムによると、ダイクロイックミラー206と回転シャッタ208とが白色光の光路から引き抜かれた場合には、白色光のみがライトガイド101の基端面に供給される。逆に、ダイクロイックミラー206と回転シャッタ208とが白色光の光路へ挿し入れられた場合には、励起光光源装置204が点滅されるとともに回転シャッタ208が回転して、白色光と励起光とがライトガイド101の基端面に交互に供給される。つまり、通常観察モードと特殊観察モードとを簡単に切り替えることができる。然も、特殊観察モードにおいては、ライトガイド101の基端面へ供給される白色光は、一部の波長帯域が欠けたものとはならないので、参照画像の色合いが悪くなることがない。
ところで、特殊観察モードに切り替えられた際においては、ダイクロイックミラー206は、水平バー200cと平行な方向に多少ずれた位置に配置されたとしても、光軸Ax1及び光軸Ax2に対してともに45°を維持したままとなる。このため、ミラー台座部207cが光束を遮らない程度において、ステージ207の配置位置の精度が多少悪くても済む。この結果、精密な位置決めをする場合に比べると、本実施形態の内視鏡システムは、特別な位置決め用のセンサや機構がない分だけ、低廉にすることができる。
また、通常観察モードと特殊観察モードとの切り替えの際、コリメートレンズ205の鏡筒205aが不動である。この結果、観察モードの切り替えの際に鏡筒205aを移動させる場合に比べると、本実施形態の内視鏡システムは、光ファイバ束204aに負担を掛けることがない。
一般的な内視鏡システムの外観図 制御装置の概略的な構成図 制御装置内の光源部の概略的な構成図 本発明が実施された光源部内の要部の斜視図 本発明が実施された光源部内の要部の斜視図 本発明が実施された光源部内の要部の斜視図 本発明が実施された光源部内の要部の斜視図
符号の説明
10 電子内視鏡
10a 挿入部
10b 操作部
10c ケーブル部
10d コネクタ部
101 ライトガイド
20 制御装置
200 光源部
200a 枠板
200b 支持台
200c 水平バー
200d モータ
200e ピニオンギア
201 白色光光源装置
202 アフォーカル光学系
203 集光レンズ
204 励起光光源装置
204a 光ファイバ束
205 コリメートレンズ
205a 鏡筒
206 ダイクロイックミラー
207 ステージ
207a ギア部
207b 開口板部
207c ミラー台座部
207d シャッタ台座部
207e 側縁
208 回転シャッタ
209 補助光源装置
209a 高輝度レーザー発光ダイオード
209b 放熱フィン
209c 補助レンズ
C1 コネクタ
C2 コネクタ

Claims (2)

  1. 内視鏡の挿入部の先端が挿入された体腔内を照明するための可視光を、内視鏡内に引き通されたライトガイドの基端面に向けて射出する可視光光源,
    体腔壁下の生体組織を励起させるための励起光を射出する励起光光源,
    前記励起光光源から射出される前記励起光を導くことにより前記励起光の光路を前記可視光の光路に直交させる光ファイバ,
    前記可視光の光路と前記励起光の光路とが交差する位置において、前記可視光を透過させるとともに前記励起光を前記ライトガイドへ向けて反射するミラー,
    前記ミラーと前記可視光光源との間において、前記可視光を所定期間だけ繰り返し遮蔽するシャッタ,
    前記可視光の光路と前記ミラーによる反射後の前記励起光の光路とにともに直交する方向に沿って前記ミラー及び前記シャッタを平行移動させることにより、前記ミラー及び前記シャッタを前記可視光の光路から引き抜き又はその光路へ挿し入れるための駆動機構,及び、
    前記ミラー及び前記シャッタが前記可視光の光路に挿し入れられている場合において、前記可視光が前記シャッタに遮蔽されている期間だけ前記励起光が前記ライトガイドの基端面に導入されるように、前記励起光光源を点滅制御する光源制御部
    を備えることを特徴とする光源装置。
  2. 前記駆動機構は、内視鏡の挿入部の先端が挿入された体腔内を照明するための光を射出する補助光源を、有しており、
    前記光源制御部は、前記ミラー及び前記シャッタが前記可視光の光路から引き抜かれている場合において、前記可視光光源が可視光を射出できない状態になったときには、前記可視光光源と前記ライトガイドとの間に前記補助光源を位置させて、その補助光源から前記ライトガイドの基端面に向けて光を射出させる
    ことを特徴とする請求項1記載の光源装置。
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