JP2005304320A - γ−アミノ酪酸資化能低下納豆菌、及びγ−アミノ酪酸含有納豆 - Google Patents

γ−アミノ酪酸資化能低下納豆菌、及びγ−アミノ酪酸含有納豆 Download PDF

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Abstract

【課題】 通常の納豆の品質を維持しながら、且つγ−アミノ酪酸をより高濃度で含有し、血圧降下作用をはじめとするγ−アミノ酪酸の様々な健康機能を発揮できる納豆の提供、並びに該納豆を効率良く製造する手段の提供。
【解決手段】 親株よりも低いγ−アミノ酪酸資化能を有することを特徴とする納豆菌変異株;親株のγ−アミノ酪酸分解・代謝に関与する酵素活性が親株よりも低いことを特徴とする前記納豆菌変異株;納豆菌変異株gabPTD1(FERM BP−08671);前記納豆菌変異株を使用して製造されることを特徴とするγ−アミノ酪酸含有納豆;製造時にγ−アミノ酪酸が添加されることを特徴とする前記γ−アミノ酪酸含有納豆。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規納豆菌及び該納豆菌を用いて製造された新規納豆に関し、さらに詳細には、γ−アミノ酪酸資化能低下納豆菌、及びγ−アミノ酪酸含有納豆に関する。
食品業界で、γ−アミノ酪酸(γ−aminobutylic acid,GABA)は、機能性成分の一つとして注目されている。
γ−アミノ酪酸は、1950年に哺乳類の脳抽出液中から発見され、1953年には哺乳類の中枢神経系における代表的な抑制物質として働くことが報告された。
その後、様々な研究が行われた結果、γ−アミノ酪酸には血圧正常化作用、血中のコレステロール・中性脂肪抑制作用、腎臓・肝臓・膵臓機能活性化作用、血糖値上昇抑制作用、脳血流向上及び脳細胞代謝活性化作用、肥満防止作用、アルコール代謝促進作用、体臭・口臭・生理臭・老人臭・尿臭等の消臭作用、感情障害・不安障害の解消作用、脳卒中後遺症改善作用、大腸癌抑制作用、成長ホルモン分泌促進作用など様々な効能があることが報告されている(非特許文献1参照)。
近年の健康食品ブームの中で、γ−アミノ酪酸を日常的に摂取する方策が検討され、γ−アミノ酪酸を高濃度で含有する食品素材が開発された(非特許文献1参照)。例えば、米や小麦の胚芽やフスマなどγ−アミノ酪酸を含有する植物素材からγ−アミノ酪酸を抽出して添加した食品素材(特許文献1参照)や、グルタミン酸又はグルタミン酸ナトリウムに酵母を作用させてγ−アミノ酪酸濃度を高めた食品素材(特許文献2参照)等が挙げられる。
これらの食品素材は食品の主原料としてではなく、食品に添加されて利用されることになるが、該食品素材を添加し過ぎることにより、食品本来の呈味や風味、食感などが損なわれる問題があった。
一方、日本人の食生活に馴染みが深く、健康イメージが強い納豆においても、γ−アミノ酪酸含有量を高めることが試みられている。即ち、納豆中のγ−アミノ酪酸含有量を10mg/45g納豆まで高めたことを謳った納豆が上市されているが、この場合も、納豆中にγ−アミノ酪酸を含有する発芽玄米を添加しているため、従来の納豆とは呈味や風味、食感が異なったものになるという欠点があった。
また、後述するように、納豆菌はγ−アミノ酪酸の資化能を有しているため、通常の納豆にはほとんどγ−アミノ酪酸は含有されておらず、添加しても、発酵中や製品保管中、或いは輸送中に納豆菌により分解されてγ−アミノ酪酸の含量が低下する恐れがあった。
以上のように、納豆の呈味や風味、食感などを損なわず、且つγ−アミノ酪酸含有量を高める手段を開発することが求められていた。
ジャパンフードサイエンス、2002巻、1号、39頁(2002) 特開平7−213252号公報 特開平9−238650号公報
本発明は、通常の納豆の品質を維持しながら、且つγ−アミノ酪酸をより高濃度で含有し、血圧降下作用をはじめとするγ−アミノ酪酸の様々な健康機能を発揮できる納豆の提供、並びに該納豆を効率良く製造する手段の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するにあたり、まず、納豆菌のγ−アミノ酪酸合成能について検討した。
γ−アミノ酪酸は、動植物や微生物などの生体内においては、グルタミン酸脱水素酵素、若しくはアルギニン脱炭酸酵素の作用によってグルタミン酸から生成されることが知られている。納豆菌の類縁菌である枯草菌においては、グルタミン酸脱炭酸酵素の存在は知られていないことから(例えば、「ネイチャー(Nature)、390巻、p.249−256、(1997)」参照)、この酵素によりγ−アミノ酪酸を生成させる能力を有していないと予想され、これは納豆菌においても同様であると推定された。一方、アルギニン脱炭酸酵素をコードする遺伝子としては、枯草菌の総ゲノム情報(例えば、「ネイチャー(Nature)、390巻、p.249−256、(1997)」参照)からspeAが挙げられるが、該遺伝子の納豆菌での機能は明確ではない。
ところで、本発明者らは、納豆製造工程における発酵以前の蒸煮大豆の成分を調べたところ、蒸煮大豆には、原料である大豆由来のγ−アミノ酪酸が含有されていることが確認できた。そこで、本発明者らは、納豆菌のγ−アミノ酪酸資化能を低下、さらには欠損させることができれば、蒸煮大豆に含まれるγ−アミノ酪酸をそのまま含有する納豆の製造が可能になると考えた。
しかしながら、納豆菌のγ−アミノ酪酸分解・代謝に関与する遺伝子の詳細な情報は、今のところ知られていない。
一方、枯草菌においては、γ−アミノ酪酸の資化に関係する可能性のある遺伝子としては、γ−アミノ酪酸の取り込みに関するγ−アミノ酪酸パーミアーゼ(GABA permease)遺伝子(gabP遺伝子)、γ−アミノ酪酸の分解に関わるγ−アミノ酪酸アミノトランスフェラーゼ(4−aminobutyrate aminotransferase)遺伝子(gabT遺伝子)、及びその分解物の代謝に関わるコハク酸セミアルデヒド脱水素酵素(succinate−semialdehyde dehydrogenase)遺伝子(gabD遺伝子)が知られている。このうち、gabT遺伝子とgabD遺伝子は、オペロンを形成している。また、そのオペロンを正に調節するものとして、gabR遺伝子が報告されている(例えば、モレキュラー・マイクロバイオロジー「Molecular Microbiology、45巻、2号、p.569−583、(2002)」参照)。
さらに、枯草菌では、gabP遺伝子を破壊することによりγ−アミノ酪酸の取り込み能が失われることが報告されている(例えば、「モレキュラー・マイクロバイオロジー(Molecular Microbiology)、22巻、4号、p.693−701、(1996)」参照)。また、gabP遺伝子、gabT遺伝子、gabD遺伝子及びgabR遺伝子を個々に破壊した株ではGABAを唯一の窒素源とした培地では増殖しないことが報告されている(例えば、「モレキュラー・マイクロバイオロジー(Molecular Microbiology)、45巻、2号、p.569−583、(2002)」参照)。すなわち、枯草菌の場合、上記複数の遺伝子が共同に作用してγ−アミノ酪酸の資化が行われ、複数の遺伝子のうち一つでも破壊すればγ−アミノ酪酸の資化能が低下ないしは欠損する。
そこで、納豆菌のgabP遺伝子、若しくはgabTDオペロンを、それぞれ遺伝子組換え法により破壊した納豆菌変異株を構築し、納豆作製時のγ−アミノ酪酸の資化能を検討したところ、それぞれの遺伝子破壊株のγ−アミノ酪酸資化能は、ほとんど低下しなかった。このことから、納豆菌の代謝経路においては、その一部分が機能しない場合にその機能を補完するタンパク質が存在すること、及び、そのタンパク質の発現は非常に低いものであることが推測される。
そこで、本発明者らは試行錯誤を繰り返した結果、gabP遺伝子及びgabTDオペロンを同時に破壊したところ、驚くべきことに、γ−アミノ酪酸の資化能をほぼ欠損させた納豆菌変異株が得られることを見出した。
そして、このγ−アミノ酪酸資化能が低下した納豆菌を用いることにより、品質は通常のものと同等で、γ−アミノ酪酸を高含有する納豆を製造できることを見出した。
さらに、上記納豆菌がγ−アミノ酪酸を分解しないことに鑑みて、上記納豆の製造過程において、蒸煮大豆にγ−アミノ酪酸を添加することにより、さらにγ−アミノ酪酸を多く含有する納豆を製造できることを見出し、本発明を完成させた。
請求項1記載の本発明は、親株よりも低いγ−アミノ酪酸資化能を有することを特徴とする納豆菌変異株である。
請求項2記載の本発明は、γ−アミノ酪酸パーミアーゼ活性、γ−アミノ酪酸アミノトランスフェラーゼ活性、及びコハク酸セミアルデヒド脱水素酵素活性が親株よりも低いことを特徴とする請求項1記載の納豆菌変異株である。
請求項3記載の本発明は、親株のγ−アミノ酪酸パーミアーゼ遺伝子、γ−アミノ酪酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子、及びコハク酸セミアルデヒド脱水素酵素遺伝子を破壊させることによりγ−アミノ酪酸資化能を低下させたことを特徴とする請求項1又は2記載の納豆菌変異株である。
請求項4記載の本発明は、親株のγ−アミノ酪酸パーミアーゼ遺伝子にスペクチノマイシン耐性遺伝子が挿入されてなると同時に、γ−アミノ酪酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子及びコハク酸セミアルデヒド脱水素酵素遺伝子にクロラムフェニコール耐性遺伝子が挿入されてなる、γ−アミノ酪酸資化能の低下した納豆菌変異株gabPTD1(FERM BP−08671)である。
請求項5記載の本発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の納豆菌変異株を使用して製造されることを特徴とするγ−アミノ酪酸含有納豆である。
請求項6記載の本発明は、製造時にγ−アミノ酪酸が添加されることを特徴とする請求項5に記載のγ−アミノ酪酸含有納豆である。
本発明によれば、γ−アミノ酪酸をほとんど分解・代謝しない納豆菌変異株が提供される。該納豆菌変異株を用いることにより、通常の納豆の品質を維持しながら、従来の納豆にはほとんど含まれていなかったγ−アミノ酪酸をより高濃度で含有する納豆を、添加物などを用いなくとも効率良く製造することができる。
本発明により提供されるγ−アミノ酪酸含有納豆は、γ−アミノ酪酸を豊富に含有することから、血圧降下作用などの種々の健康機能が期待される品質の良い納豆として、特定保健用食品、健康食品等として、幼児〜高齢者に至るまで、広く利用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の納豆菌変異株の親株である納豆菌は、枯草菌(バシラス・サテラス;Bacillus subtilis)に分類され、粘物質(糸引物質)などの納豆としての特徴を作り出すことができ、納豆発酵での主体をなす細菌である。
一方、納豆菌は、生育にビオチンを要求するとされるなどの特性を有していることなどから、バシラス・ナットウ(Bacillus natto)として、或いはBacillus subtilis var.natto、Bacillus subtilis(natto)のように枯草菌の変種などとして、枯草菌と区別されている。
納豆菌としては、Bacillus natto IFO3009株、Bacillus subtilis IFO3335株、同IFO3336株、同IFO3936株、同IFO13169株などがある他、各種の納豆菌が広く使用できる。
具体的には、市販納豆から分離したO−2株や、該株の形質転換効率向上性変異株であるr22株(特開2000−224982号公報参照)が挙げられ、また市販の納豆種菌である高橋菌(T3株、東京農業大学菌株保存室)、宮城野菌(宮城野納豆製作所)など各種の納豆菌が適宜使用可能である。
このような本発明の納豆菌変異株は、親株よりも低いγ−アミノ酪酸資化能を有するものを育種選抜して得ることができる。例えば、親株のγ−アミノ酪酸分解・代謝機能に関与する酵素活性、例えば、請求項2に記載するように、γ−アミノ酪酸パーミアーゼ活性、γ−アミノ酪酸アミノトランスフェラーゼ活性、及びコハク酸セミアルデヒド脱水素酵素活性が親株よりも低いものを選抜することにより得ることができる。
特に、請求項3に記載するように、親株のγ−アミノ酪酸パーミアーゼ遺伝子(gabP遺伝子)、γ−アミノ酪酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子(gabT遺伝子)、及びコハク酸セミアルデヒド脱水素酵素遺伝子(gabD遺伝子)を破壊させることによりγ−アミノ酪酸資化能を低下させたものとして、本発明の納豆菌変異株を得ることができる。
これらの三種の遺伝子全てが破壊されることにより、γ−アミノ酪酸の資化能を低下させることができるが、いずれか1種類、或いはgabT及びgabDの同時破壊だけでは、目的を達成することはできない。その理由については明らかでないが、納豆菌の代謝経路においては、その一部分が機能しない場合にその機能を補完するタンパク質がごく僅かであるが発現することによると推測される。
尚、これらの遺伝子のうち、gabT遺伝子及びgabD遺伝子は、オペロン(gabTDオペロン)を形成している。
親株のgabP遺伝子、gabT遺伝子、及びgabD遺伝子を欠損させるための育種方法の一つとして、相同組換えを利用した遺伝子改良法が採用可能である。本方法の利点は狙いを定めた遺伝子だけを特異的に欠損させることが可能であり、そのため納豆菌などの工業的に利用される微生物においては、他の優れた特性は壊さずに、欠点となっている性質に関与する遺伝子だけに変異を起こさせて改良することができることである。
さらに、スタールらが枯草菌バシラス・サテラス(Bacillus subtilis)において開発した相同組換え能を利用した遺伝子失活法(例えば、「ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(Journal of Bacteriology)、158巻、p.411−418、(1984)」参照)を納豆菌用に改変した方法も利用可能である。この方法は、最終的には、育種のための遺伝子破壊などの目的で納豆菌に導入した異種遺伝子を完全に除去することができる方法であるため、育種された菌は遺伝子組換え菌とはならないなどの長所を有している。
また、このような遺伝子組換え法を納豆菌で利用するには、納豆菌への遺伝子導入のための形質転換系が必要であるが、納豆菌を遺伝子導入活性が高くなる状態にするいわゆるコンピテンス法(例えば、「ジャーナル・オブ・モレキュラー・バクテリオロジー(Journal of Molecular Biology)、56巻、p.209−221、(1971)」参照)が利用可能である。
そして、納豆菌の遺伝子組換え系の一つとしては、ファージベクターを利用した形質導入法が既に開発されており(例えば、「アプライド・アンド・エンバイロンメンタル・マイクロバイオロジー(Applied and Environmental Microbiology)、63巻、p.4083−4089、(1997)」参照)、本発明ではこの方法も利用可能である。
本発明者らは、上記手法のうち、コンピテンス法を利用して、請求項4に記載するように、親株のgabP遺伝子にスペクチノマイシン耐性遺伝子が挿入されてなると同時に、gabT遺伝子及びgabD遺伝子にクロラムフェニコール耐性遺伝子が挿入されてなる、γ−アミノ酪酸資化能の低下した納豆菌変異株gabPTD1を得ることができた。gabPTD1は、後述の実施例に示すように、γ−アミノ酪酸資化能が親株に比べて顕著に低く、γ−アミノ酪酸をほとんど分解・代謝しないことが証明されている。
この納豆菌変異株gabPTD1は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されており、その受託番号は、FERM BP−08671である。
尚、上記のような遺伝子組換え技術以外によっても、即ち、既に目的遺伝子が欠損している納豆菌を自然界から選抜するいわゆるスクリーニング法や、薬剤変異法などによってこれらの遺伝子を変異欠損させるなどの突然変異法など、従来から実施されているような他の方法によっても育種が可能である。
このようにして、親株よりも低いγ−アミノ酪酸資化能を有する本発明の納豆菌変異株を得ることができる。
親株を含む通常の納豆菌は、γ−アミノ酪酸資化能があるので、蒸煮大豆に対して植菌すると、蒸煮大豆中のγ−アミノ酪酸を分解・代謝し尽くしてしまうが、本発明の納豆菌変異株は、親株と比べてγ−アミノ酪酸資化能が低下、若しくは欠損しているために、蒸煮大豆に対して植菌すると、蒸煮大豆中のγ−アミノ酪酸をほとんど分解・代謝することがない。
従って、本発明の納豆菌変異株は、γ−アミノ酪酸資化能が親株に比べて顕著に低いという性質は、γ−アミノ酪酸含有納豆の製造に好ましく利用することができ、このような高付加価値の納豆を提供するのが、請求項5記載の本発明である。
すなわち、請求項5記載の本発明のγ−アミノ酪酸含有納豆は、上記本発明の納豆菌変異株を使用して製造されることを特徴とする。
本発明のγ−アミノ酪酸含有納豆は、上記本発明の納豆菌変異株を用いて製造されるのであれば、その製造条件及び製造工程について特に制限はなく、従来から実施されている方法を採用すれば良く、何ら制限がない。
例えば、納豆は丸大豆を原料として製造されたいわゆる丸大豆納豆が一般的であるが、一部には予め挽割った大豆を原料とする挽割り納豆もある。丸大豆納豆の製造方法は、一般に原料である丸大豆を冷水に十数時間浸漬した後、蒸煮釜で加圧蒸気を用いて加圧蒸煮(1.5〜2Kg/cm・128〜133℃)して得られた蒸煮大豆に対して、高温状態(70〜100℃)で納豆菌を接種し混合した後、所定の容器に充填してから発酵室に搬入して比較的高温度(40〜55℃程度)で所定時間(12〜48時間程度)発酵させた後、5℃前後で冷蔵熟成(12〜72時間程度)して完成させるのが一般的である。また、挽割り納豆の場合は、予め挽割った大豆を水に浸漬する以外は、通常の丸大豆納豆の場合と同様の方法で製造される。
このような従来の納豆の製造方法において、本発明のγ−アミノ酪酸含有納豆を得る場合は、発酵工程で用いる納豆菌を、本発明の納豆菌変異株に代えて使用することができる。
尚、本発明の納豆菌変異株との相乗効果を期待して、請求項6に記載するように、γ−アミノ酪酸を添加することにより、生産される納豆のγ−アミノ酪酸量をさらに増強させることも可能である。
γ−アミノ酪酸の添加は、蒸煮大豆にγ−アミノ酪酸溶液を加えることにより行うこともでき、その際のγ−アミノ酪酸の添加量は、一般に納豆とした場合に、γ−アミノ酪酸が析出しない程度の範囲とすることができる。
本発明のγ−アミノ酪酸含有納豆は、γ−アミノ酪酸資化能が親株に比べて顕著に低い納豆菌変異株を用いて製造されるものであるから、γ−アミノ酪酸を高い濃度で含有している。この点は、後述の実施例からも実際に証明されており、従って、本発明のγ−アミノ酪酸含有納豆は、γ−アミノ酪酸の健康機能が期待できる優れた納豆であることが明らかである。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。
以下に本発明の実施例について述べる。
実施例1(γ−アミノ酪酸資化能低下納豆菌の構築)
(1)基本条件
親株としては、納豆菌バシラス・サテラスr22(Bacillus subtilis r22)株(以下、r22株と称する場合もある)(例えば、「特開2000−224982号公報」参照)を用いた。r22株は、市販納豆から常法により分離した納豆菌であるO−2株を、ニトロソグアニジン(NTG)を用いて化学変異処理することにより取得した形質転換能を高めた変異株である。
即ち、O−2株を常法に準じNTG処理(NTG濃度160μg/ml、30℃、1時間、生存率7.3%)して、得られた変異菌5×10個を、「モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecular and General Genetics)、168巻、p.111−115、1979年」に記載されているバシラス・サテラス(Bacillus subtilis)の方法に準じたプロトプラスト法により、枯草菌ベクターpHY300PLKで形質転換した。形質転換後のプロトプラスト培地としてNP再生培地(表1)を用い、テトラサイクリン耐性を指標として数十株の形質転換株を得た。形質転換株のうち30株を選択し、胞子形成培地で培養して胞子を形成させた。
その後、それぞれの形質転換株から得られた胞子を培養後、ベクターpHY300PLKの保持の有無を調べ、得られた21株のベクター除去株について、プロトプラストを形成し、ベクターpHY300PLKで再度形質転換し、親株O−2よりも形質転換能が向上しているもの15株を選抜した。さらに、これら15株について常法による納豆製造試験を行い、発酵能や品質評価を比較検討した結果、外観上納豆となったものを製造できる4株のうち、品質の悪いものや糸引きが極端に悪くなったものを除いた1株をr22株として得た。
Figure 2005304320
また、他には大腸菌DH5α(Escherichia coli DH5α)株(タカラバイオ社製)を用いた。
プラスミドベクターとしては、pUC19(タカラバイオ社製)、pC194(ATCCより入手)及びpIC333(例えば、「ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(Journal of Bacteriology)、178巻、p.1178−1186、(1996)」参照)を用いた。
なお、特に記載しない限り、培養条件や培地及びその他の遺伝子組換え技術は、「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning A Laboratory Manual)、第2版(1992)、Cold Spring Harbor Laboratory Press,NY」の記載に従った。
また、基本的な培養は、下記の表2に示す組成からなるLB培地を用いて行った。
Figure 2005304320
他の培地として、GABAを唯一窒素源とする最少栄養培地(例えば、「モレキュラー・マイクロバイオロジー(Molecular Microbiology)、45巻、2号、p.569−583、(2002)」参照)を以下の表3に示した。
Figure 2005304320
PCRによるDNA断片の増幅には、Ex Taq(タカラバイオ社製)を使用し、反応条件は添付のマニュアルに従った。
納豆菌の染色体DNAの調製は、市販のキットを使用して行ない、また、形質転換は「ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biology)、56巻、p.209−221、(1971)」の方法に従って行った。
納豆菌の胞子は、以下の表4に示す組成からなるSterlini−Madelstam置換培地を用いて調製した。
Figure 2005304320
(2)プライマーの設計
a.gabP遺伝子の破壊
r22株のgabP遺伝子領域付近の上流側約2.7kbpの増幅には、プライマー1(配列表の配列番号1参照)及びプライマー2(配列表の配列番号2参照)を使用し、下流側約2.6kbpの増幅には、プライマー3(配列表の配列番号3参照)及びプライマー4(配列表の配列番号4に記載)を使用した。
pIC333のスペクチノマイシン耐性遺伝子の増幅には、プライマー5(配列表の配列番号5参照)及びプライマー6(配列表の配列番号6参照)を用いた。
b.gabT及びgabD遺伝子の破壊
r22株のgabT及びgabD遺伝子領域付近の上流側約2.6kbpの増幅には、プライマー7(配列表の配列番号7参照)及びプライマー8(配列表の配列番号8参照)を使用し、下流側約2.5kbpの増幅には、プライマー9(配列表の配列番号9参照)及びプライマー10(配列表の配列番号10参照)を使用した。
pC194のクロラムフェニコール耐性遺伝子の増幅には、プライマー11(配列表の配列番号11参照)及びプライマー12(配列表の配列番号12参照)を用いた。
尚、それぞれのプライマーは、枯草菌バシラス・サテラス(Bacillus subtilis)のgabP遺伝子、gabT遺伝子、及びgabD遺伝子を含む付近の塩基配列(例えば、「ネイチャー(Nature)、390巻、P.249−256、(1997)」参照)、pC194のクロラムフェニコール耐性遺伝子の塩基配列(例えば、「プロシーディングズ・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・イン・ユー・エス・エイ(Proceedings of National Academy of Science in U.S.A.)、77巻、12号、p.7079−7083、(1980)」参照)、並びに、pIC333上のスペクチノマイシン耐性遺伝子は遺伝子情報データベースGenbank−today(http://www.genome.ad.jp/dbget−bin/www_bfind?genbank−upd)に記載されたStaphylococcus aureusトランスポゾンTn554由来の塩基配列情報のそれぞれを基にして設計した。
(3)ベクターの構築
a.gabP遺伝子の破壊
r22株の染色体DNAを鋳型にし、プライマー1(配列表の配列番号1参照)及びプライマー2(配列表の配列番号2参照)を用いて、gabP遺伝子領域付近の上流側約2.7kbpを増幅するとともに制限酵素サイトsacIおよびSmaIを両端に導入した(DNA断片1(DNA fragment 1))。
また、プライマー3(配列表の配列番号3参照)及びプライマー4(配列表の配列番号4参照)を用いて、gabP遺伝子領域付近の下流側約2.6kbpを増幅するとともに、制限酵素サイトSmaIおよびBamHIを両端に導入した(DNA断片2(DNA fragment 2))。
さらに、pIC333を鋳型にし、プライマー5(配列表の配列番号5参照)及びプライマー6(配列表の配列番号6に記載)を用いて、スペクチノマイシン耐性遺伝子を増幅するとともに制限酵素サイトSmaIを該遺伝子の両端に導入した(DNA断片3(DNA fragment 3))。
続いて、上記DNA断片を用いて大腸菌DH5αを宿主としてベクターを構築した。その概略を図1に示した。
即ち、DNA断片1を制限酵素SacI及びSmaIで、DNA断片2をSmaI及びBamHIで、DNA断片3をSmaIで、それぞれ処理した。得られた断片を、pUC19のマルチクローニングサイト上のSacI〜BamHIにDNA断片1とDNA断片2を同時に導入した(図1の(a)参照)。その後、SmaIで処理した箇所にDNA断片3を導入し(図1の(b)参照)、プラスミドpGPS1を得た。
b.gabT遺伝子及びgabD遺伝子の破壊
r22株の染色体DNAを鋳型にし、プライマー7(配列表の配列番号7参照)及びプライマー8(配列表の配列番号8参照)を用いて、gabT遺伝子及びgabD遺伝子領域付近の上流側約2.6kbpを増幅するとともに制限酵素サイトSalI及びXhoIを両端に導入した(DNA断片4(DNA fragment 4))。
また、プライマー9(配列表の配列番号9参照)及びプライマー10(配列表の配列番号10参照)を用いて、gabT遺伝子及びgabD遺伝子領域付近の下流側約2.5kbpを増幅するとともに、制限酵素サイトXhoIおよびSphIを両端に導入した(DNA断片5(DNA fragment 5))。
さらに、pC194を鋳型にし、プライマー11(配列表の配列番号11参照)及びプライマー12(配列表の配列番号12参照)を用いて、クロラムフェニコール耐性遺伝子を増幅するとともに、制限酵素サイトXhoIを該遺伝子の両端に導入した(DNA断片6(DNA fragment 6))。
続いて、上記DNA断片を用いてベクターを大腸菌DH5αを宿主として構築したが、その概略は図2に示した。即ち、DNA断片4を制限酵素SalIおよびXhoIで、DNA断片5をXhoIおよびSphIで、DNA断片6をXhoIで処理した。得られた断片をpUC19のマルチクローニングサイト上のSalI〜SphIにDNA断片4とDNA断片5を同時に導入した(図2の(a)参照)。その後、XhoIで処理した箇所にDNA断片6を導入し(図2の(b)参照)、プラスミドpGTDC1を得た。
(4)形質転換
a.gabP遺伝子破壊株の作製
プラスミドpGPS1のプラスミドDNAを鋳型にし、プライマー1(配列表の配列番号1に記載)及びプライマー4(配列表の配列番号4に記載)を用いて、gabP遺伝子領域及びスペクチノマイシン耐性遺伝子を含む約6.5Kbpを増幅した。増幅されたDNAを用いてr22株へ形質転換した。形質転換株の選択は、スペクチノマイシン100μg/mlを添加したLB培地で、37℃、18時間培養することによって行った。
このようにして得られた形質転換株であるバシラス・サテラスgabP1(Bacillus subtilis gabP1)株(以下、gabP1株と称する場合もある)のgabP遺伝子は、塩基番号60−1329の1269塩基がスペクチノマイシン耐性遺伝子に置換していることが、PCR法による解析によって確認された。
b.gabT遺伝子及びgabD遺伝子破壊株の作製
プラスミドpGTDC1のプラスミドDNAを鋳型にし、プライマー7(配列表の配列番号7参照)及びプライマー10(配列表の配列番号10参照)を用いて、gabT遺伝子領域、gabD遺伝子領域及びクロラムフェニコール耐性遺伝子を含む約6Kbpを増幅した。増幅されたDNAを用いてr22株へ形質転換した。形質転換株の選択は、クロラムフェニコール5μg/mlを添加したLB培地で、37℃、18時間培養することによって行った。
このようにして得られた形質転換株であるバシラス・サテラスgabTD1(Bacillus subtilis gabTD1)株(以下、gabTD1株と称する場合もある)のgabT遺伝子及びgabD遺伝子は、gabT遺伝子の塩基番号35からgabD遺伝子の塩基番号1342までの計2686塩基がクロラムフェニコール耐性遺伝子に置換していることが、PCR法による解析によって確認された。
c.gabP遺伝子、gabT遺伝子及びgabD遺伝子の同時破壊株の作製
上記aで構築した破壊株の染色体DNAを供与DNAとして用いて、上記bで構築した破壊株を宿主として形質転換を行った。形質転換株の選択は、クロラムフェニコール5μg/mlとスペクチノマイシン100μg/mlとを添加したLB培地で、37℃、18時間培養することによって行った。
このようにして得られた形質転換株であるバシラス・サテラスgabPTD1(Bacillus subtilis gabPTD1)株(以下、gabPTD1株と称する場合もある)のgabP遺伝子は、塩基番号60−1329の1269塩基がスペクチノマイシン耐性遺伝子に置換していること、及び、該株のgabT及びgabD遺伝子は、gabT遺伝子の塩基番号35からgabD遺伝子の塩基番号1342までの計2686塩基がクロラムフェニコール耐性遺伝子に置換していることが、PCR法による解析によって確認された。
実施例2(納豆試作と品質評価)
常法に従い、実施例1で親株として使用したr22株、並びに実施例1で前記r22株を親株として得られた3種類の変異株、gabP1株、gabTD1株、及びgabPTD1株の胞子液を調製した。
即ち、r22株、gabP1株、gabTD1株、及びgabPTD1株を、表1に示す組成からなるNB培地にそれぞれ1白菌耳植菌し、37℃、一晩培養した。得られる各培養液を、表2に示す組成からなる胞子形成培地に1%植菌し、37℃、24時間培養して4種類の胞子液を調製した。
以下、それぞれの胞子液を種菌として使用し、常法に従い納豆を試作した。即ち、極小大豆を水道水で4℃、1晩浸漬し、圧力蒸煮釜で蒸気圧1.8KPaで18分間蒸煮した。このようにして調製した蒸煮大豆に対して、上記のr22株又はgabP1、gabTD1、gabPTD1株の胞子液を滅菌水で20倍に希釈し、蒸煮大豆100gあたり0.8ml植菌し、39℃で18時間発酵した。発酵後、4℃で24時間保存して、納豆を調製した。
その結果、gabP1株、gabTD1株、及びgabPTD1株のそれぞれを用いて発酵を行った場合、r22株を用いて発酵した場合と比べて、発酵時間の遅延や発酵中の納豆品温の低下等は見られなかったことから、gabP遺伝子、gabT遺伝子及びgabD遺伝子の各遺伝子の欠損変異操作は、納豆菌の生育に影響を及ぼさないことが分かった。
続いて、試作により得られた納豆を官能検査に供した。
その結果、親株(r22株)と変異株(gabP1、gabTD1、gabPTD1株)とで品質上に違いが見られず、gabP1株、gabTD1株、及びgabPTD1株を種菌に用いて作製した納豆は、納豆として必要な品質を具備していることが確認できた。
その後、納豆中のγ−アミノ酪酸の含有量を測定した。
即ち、磨り潰した納豆2gを秤量し、0.2N塩酸を加え懸濁し50mlにメスアップし、一晩放置してからNo.2濾紙(No.2、φ125mm ADVANTEC製)でろ過した。5mlを採取し、これに3%の5−Sulfosalicylic acidを含むdihydrateを20ml添加して、15分間懸濁してから、No.5C濾紙(No.5C、φ125mm、ADVANTEC製)で濾過した。
濾液20gにLiOHを添加してpH2.2に調整し、Cellulose Acetate膜(孔径0.45μm、ADVANTEC製)でろ過したものについて、アミノ酸分析を行った。
分析の結果明らかとなった各納豆のγ−アミノ酪酸含有量を、表5に示した。
Figure 2005304320

N.D.=not detected
表5に示すように、変異株gabP1株及びgabTD1株で作製した納豆中には、親株r22で作製した納豆と同様に、γ−アミノ酪酸は含まれていないが、変異株gabPTD1株で作製した納豆中には原資(蒸煮大豆)とほぼ同量のγ−アミノ酪酸の残存が確認できた。
このことから、原資(蒸煮大豆)に含まれるγ−アミノ酪酸は、通常の納豆菌や、gabP遺伝子又はgabTDオペロンのみを破壊した株では分解され代謝し尽くされてしまうのに対し、gabP遺伝子及びgabTDオペロンの両方が破壊された変異株gabPTD1株は、γ−アミノ酪酸の分解・代謝を行わなかったこと、すなわち、γ−アミノ酪酸資化能が低下していることが明らかである。
以上より、γ−アミノ酪酸資化能が低下した変異株gabPTD1株は、通常の納豆菌と同様の条件で生育可能であると共に、γ−アミノ酪酸を豊富に含む納豆を生産できることが明らかとなった。
本発明によれば、γ−アミノ酪酸をほとんど分解・代謝しない納豆菌変異株が提供される。該納豆菌変異株を用いることにより、通常の納豆の品質を維持しながら、従来の納豆にはほとんど含まれていなかったγ−アミノ酪酸をより高濃度で含有する納豆を、添加物などを用いなくとも効率良く製造することができる。
本発明により提供されるγ−アミノ酪酸含有納豆は、γ−アミノ酪酸を豊富に含有することから、血圧降下作用などの種々の健康機能が期待される品質の良い納豆として、特定保健用食品、健康食品等として、幼児〜高齢者に至るまで、広く利用することができる。
gabP遺伝子破壊用ベクター構築の概略を示す図である。 gabT及びgabD遺伝子破壊用ベクター構築の概略を示す図である。
符号の説明
図1の(a)は、DNA断片1とDNA断片2を同時に導入した際の模式図を示し、(b)は、SmaIで処理した箇所にDNA断片3を導入した際の概略を示す模式図を示す。
図2の(a)は、DNA断片4とDNA断片5を同時に導入した際の模式図を示し、(b)は、XhoIで処理した箇所にDNA断片6を導入した際の概略を示す模式図を示す。

Claims (6)

  1. 親株よりも低いγ−アミノ酪酸資化能を有することを特徴とする納豆菌変異株。
  2. γ−アミノ酪酸パーミアーゼ活性、γ−アミノ酪酸アミノトランスフェラーゼ活性、及びコハク酸セミアルデヒド脱水素酵素活性が親株よりも低いことを特徴とする請求項1記載の納豆菌変異株。
  3. 親株のγ−アミノ酪酸パーミアーゼ遺伝子、γ−アミノ酪酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子、及びコハク酸セミアルデヒド脱水素酵素遺伝子を破壊させることによりγ−アミノ酪酸資化能を低下させたことを特徴とする請求項1又は2記載の納豆菌変異株。
  4. 親株のγ−アミノ酪酸パーミアーゼ遺伝子にスペクチノマイシン耐性遺伝子が挿入されてなると同時に、γ−アミノ酪酸アミノトランスフェラーゼ遺伝子及びコハク酸セミアルデヒド脱水素酵素遺伝子にクロラムフェニコール耐性遺伝子が挿入されてなる、γ−アミノ酪酸資化能の低下した納豆菌変異株gabPTD1(FERM BP−08671)。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の納豆菌変異株を使用して製造されることを特徴とするγ−アミノ酪酸含有納豆。
  6. 製造時にγ−アミノ酪酸が添加されることを特徴とする請求項5に記載のγ−アミノ酪酸含有納豆。
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