実際の放送にあっては、Closed Captionデータとしては、デジタル放送用のEIA−708規格準拠のサービスはまだ少なく、デジタル放送であっても送信することができるアナログ放送用のEIA−608規格準拠のサービスが主に放送されており、EIA−708規格とEIA−608規格との双方のClosed Captionデータのデコードが必要となっている。
また、EIA−708規格では最低6サービス、EIA−608規格では最低4サービスの切り替えが北米では必須であり、EIA−708規格とEIA−608規格との双方から選択する場合、合計最低10サービスの中から切り替え選択が可能とならなければならない。この最低10サービスをメニューで選択するようにすると、この10サービス以外のサービスが放送されたときには選択することができないし、また、切り替え用としてトグル切り替えボタンを用いてOFFも含めてサービスを順にトグル切り替えを行う場合には、例えば一つ前のサービスに切り替えるためには、最大10回ボタンを押す必要があり、使い勝手が良くない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、あらかじめ最低10種類のサービスとして固定して選択するサービス切り替え手段を提供する代わりに、EIA−708規格とEIA−608規格との双方で、現在放送されているサービスをそれぞれ判定し、サービス切り替え手段としては、現在放送されているサービスのみを用いて、該サービスの中から任意のサービスを選択できるようにし、より使い勝手の良いClosed Caption切り替えインターフェースを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、以下のような技術手段から構成されている。
第1の技術手段は、アナログ放送を受信可能な放送受信機において、EIA−608規格準拠のEIA−608Closed Caption(以下、EIA−608CCと略す)のデータをアナログ放送信号の垂直帰線期間(VBI)から抽出するEIA−608CCデータ抽出手段と、抽出したEIA−608CCデータをデコードするEIA−608CCデコード手段と、デコードしたEIA−608CCデータに含まれているサービスを特定するサービスコードを判別して、現在放送されているEIA−608の各サービスを判定して登録するサービス判定手段と、該サービス判定手段により判定され、登録された現在放送されているEIA−608の各サービスのみを用いて、該サービスのいずれかを選択して切り替えるサービス切り替え手段とを備えていることを特徴とする。
第2の技術手段は、前記第1の技術手段に記載の放送受信機において、前記サービス判定手段が、現在放送されているEIA−608の各サービスを判定して登録する際に、デコードしたEIA−608CCデータに含まれている前記サービスコードのみならず、デコードしたEIA−608CCデータの中に描画すべきデータが含まれているか否かを判別し、描画すべきデータが含まれている場合には、現在放送されているサービスとして判定して登録することを特徴とする。
第3の技術手段は、デジタル放送を受信可能な放送受信機において、EIA−708規格準拠のEIA−708Closed Caption(以下、EIA−708CCと略す)のデータをデジタル放送信号のトランスポートストリームから抽出するEIA−708CCデータ抽出手段と、抽出したEIA−708CCデータをデコードするEIA−708CCデコード手段と、デコードしたEIA−708CCデータに含まれているサービスパケットを抽出し、該サービスパケットのサービス情報を判別して、現在放送されているEIA−708の各サービスを判定して登録するサービス判定手段と、該サービス判定手段により判定され、登録された現在放送されているEIA−708の各サービスのみを用いて、該サービスのいずれかを選択して切り替えるサービス切り替え手段とを備えていることを特徴とする。
第4の技術手段は、前記第3の技術手段に記載の放送受信機において、前記サービス判定手段が、現在放送されているEIA−708の各サービスを判定して登録する際に、デコードしたEIA−708CCデータに含まれている前記サービスパケットのサービス情報のみならず、デコードしたEIA−708CCデータの中に描画すべきデータが含まれているか否かを判別し、描画すべきデータが含まれている場合には、現在放送されているサービスとして判定して登録することを特徴とする。
第5の技術手段は、アナログ放送とデジタル放送との双方を受信可能な放送受信機において、EIA−608規格準拠のEIA−608Closed Caption(以下、EIA−608CCと略す)のデータをアナログ放送信号の垂直帰線期間(VBI)から、あるいは、デジタル放送信号のトランスポートストリームから抽出するEIA−608CCデータ抽出手段と、抽出したEIA−608CCデータをデコードするEIA−608CCデコード手段と、EIA−708規格準拠のEIA−708Closed Caption(以下、EIA−708CCと略す)のデータをデジタル放送信号のトランスポートストリームから抽出するEIA−708CCデータ抽出手段と、抽出したEIA−708CCデータをデコードするEIA−708CCデコード手段と、デコードしたEIA−608CCデータに含まれているサービスを特定するサービスコードを判別して、また、デコードしたEIA−708CCデータに含まれているサービスパケットを抽出し、該サービスパケットのサービス情報を判別して、現在放送されているEIA−608の各サービスと現在放送されているEIA−708の各サービスとを判定して登録する、サービス判定手段と、該サービス判定手段により判定され、登録された現在放送されているEIA−608の各サービスとEIA−708の各サービスのみを用いて、該サービスのいずれかを選択して切り替えるサービス切り替え手段とを備えていることを特徴とする。
第6の技術手段は、前記第5の技術手段に記載の放送受信機において、前記サービス判定手段が、現在放送されているEIA−608の各サービスと現在放送されているEIA−708の各サービスとを判定して登録する際に、デコードしたEIA−608CCデータに含まれている前記サービスコードのみならず、デコードしたEIA−608CCデータの中に描画すべきデータが含まれているか否かを判別し、また、デコードしたEIA−708CCデータに含まれている前記サービスパケットのサービス情報のみならず、デコードしたEIA−708CCデータの中に描画すべきデータが含まれているか否かを判別し、描画すべきデータが含まれている場合には、現在放送されているサービスとして判定して登録することを特徴とする。
第7の技術手段は、前記第5又は第6の技術手段に記載の放送受信機において、アナログ放送とデジタル放送とを切り替える放送切り替え手段と、前記サービス判定手段により登録された現在放送されているアナログ放送用のEIA−608の各サービスとデジタル放送用のEIA−708の各サービスとのそれぞれの中から、前記サービス切り替え手段により現在選択中のサービスに最も近いEIA−608のサービスとEIA−708のサービスとをそれぞれ判別し取得するサービス取得手段とを備え、前記放送切り替え手段によりアナログ放送とデジタル放送との間の切り替えがなされた際に、切り替えたアナログ放送又はデジタル放送に適用されるアナログ放送用のEIA−608の各サービス又はデジタル放送用のEIA−708の各サービスのいずれかのうち、前記サービス取得手段により取得された前記現在選択中のサービスに最も近いサービスに切り替えることを特徴とする。
第8の技術手段は、前記第1乃至第7の技術手段のいずれかに記載の放送受信機において、前記サービス切り替え手段として、順番に切り替えていく切り替え構造からなるトグル切り替えボタンを用いていることを特徴とする。
第9の技術手段は、前記第1乃至第8の技術手段のいずれかに記載の放送受信機において、放送されていたサービスが放送されなくなって消失した状態に移行したことを判別するサービス消失判別手段を備え、放送されなくなって消失したと判別されたサービスを、前記サービス判定手段により登録されていた現在放送されているサービスから削除することを特徴とする。
第10の技術手段は、前記第1乃至8の技術手段のいずれかに記載の放送受信機において、放送されていたサービスが放送されなくなって消失した状態に移行したことを判別するサービス消失判別手段と、前記サービス判定手段により登録された現在放送されている各サービスの中から、前記サービス切り替え手段により現在選択中のサービスに最も近いサービスを判別して取得する近似サービス判定手段とを備え、前記サービス消失判別手段において前記現在選択中のサービスが放送されなくなって消失したことを判別した際に、前記近似サービス判定手段により取得された最も近いサービスに切り替えることを特徴とする。
第11の技術手段は、前記第10の技術手段に記載の放送受信機において、放送されなくなった前記現在選択中のサービスが復活して放送が再開された場合、前記近似サービス判定手段により取得された最も近いサービスに切り替えられていた状態から、再開された前記現在選択中のサービスに自動的に切り戻すことを特徴とする。
第12の技術手段は、前記第10又は第11の技術手段に記載の放送受信機において、前記サービス判定手段により登録された各サービスについてClosed CaptionのサービスとTEXTのサービスとのいずれのサービス種別かを判別するサービス種別判別手段を備え、前記近似サービス判定手段が、現在選択中のサービスに最も近いサービスを判別して取得する際に、現在選択中のサービスがClosed Captionのサービスであった場合には、前記サービス種別判別手段により判別されたClosed Captionのサービスの中からのみ最も近いサービスを判別し、現在選択中のサービスがTEXTのサービスであった場合には、前記サービス種別判別手段により判別されたTEXTのサービスの中からのみ最も近いサービスを判別することを特徴とする。
第13の技術手段は、前記第12の技術手段に記載の放送受信機において、前記近似サービス判定手段が、現在選択中のサービスに最も近いサービスを判別して取得する際に、現在選択中のサービスと同じサービス種別のサービスが全て放送されなくなって消失してしまっている状態にあった場合、消失してしまったサービスの中から、現在選択中のサービスに最も近いサービスを判別して一時的に取得することを特徴とする。
第14の技術手段は、前記第13の技術手段に記載の放送受信機において、消失してしまったサービスの中から前記近似サービス判定手段により一時的に取得された最も近いサービスに切り替えられていた状態にあった場合に、放送されなくなった前記現在選択中のサービスが再開された場合、あるいは、放送されなくなった前記現在選択中のサービスと同じサービス種別のサービスの放送が開始された場合、前記近似サービス判定手段により一時的に取得された最も近いサービスに切り替えられていた状態から、再開された前記現在選択中のサービスあるいは開始された前記同じサービス種別のサービスに自動的に切り替えることを特徴とする。
第15の技術手段は、前記第9乃至第14の技術手段のいずれかに記載の放送受信機において、前記サービス消失判別手段は、放送チャンネルの選局の変更又は放送以外の入力への切り替えの操作を判別した場合、あるいは、放送が停止されたことを判別した場合、あるいは、番組情報による開始時刻又は終了時刻の到達により番組が変更されたことを判別した場合、あるいは、サービスが予め定めた一定期間の間放送されていないことを判別した場合、サービスが放送されなくなって消失したものと判別することを特徴とする。
第16の技術手段は、前記第1乃至第15の技術手段のいずれかに記載の放送受信機において、少なくとも、前記サービス判定手段により登録された現在放送されている各サービスのサービス名及び/又は当該サービスが使用する言語情報と、現在放送されている各サービスのうち、前記サービス切り替え手段により現在選択中のサービスを示す情報とを表示することを特徴とする。
第17の技術手段は、第1乃至第15の技術手段のいずれかに記載の放送受信機において、少なくとも、現在放送されている各サービスのうち、前記サービス切り替え手段により現在選択中のサービスのサービス名及び/又は当該サービスが使用する言語情報を表示することを特徴とする。
第18の技術手段は、前記第16又は第17の技術手段に記載の放送受信機において、更に、前記サービス判定手段により登録された現在放送されているサービスの合計数をも表示することを特徴とする。
第19の技術手段は、前記第16乃至第18の技術手段のいずれかに記載の放送受信機において、更に、前記サービス切り替え手段としてトグル切り替えボタンを用いる場合に備えて、該トグル切り替えボタンのサービスの切り替え順番を表示することを特徴とする。
第20の技術手段は、前記第16乃至第19の技術手段のいずれかに記載の放送受信機において、更に、現在選択中のサービスとして表示されているサービスが、前記サービス切り替え手段により現在選択中のサービスではなく、該現在選択中のサービスに最も近いサービスに切り替えられている場合に備えて、前記サービス切り替え手段により現在選択中のサービスではなく、前記最も近いサービスに切り替えられていることを示す識別表示を表示することができることを特徴とする。
第21の技術手段は、前記第20の技術手段に記載の放送受信機において、前記最も近いサービスに切り替えられている状態から、前記サービス切り替え手段により前記現在選択中のサービスの状態に切り戻された場合に、前記最も近いサービスに切り替えられていることを示す前記識別表示を削除して表示することを特徴とする。
以上のような各技術手段のいずれかから構成される本発明によれば、以下のような効果が齎される。
現在放送されているサービスを判別し、現在放送されている有効なサービスのみを用いて、該有効なサービスの中から任意のサービスを選択して切り替えるようにすることにより、使い勝手の良いユーザインターフェースをユーザへ提供することが可能となり、ユーザに対して、より良いClosed Caption切り替え手段を提供することができる。
また、現在放送されている有効なサービスを判別する際に、Closed Captionのサービス種別を示すサービスコードやサービス情報のみならず、Closed Captionデータを描画すべき有効なデータが受信されているか否かも判別可能としているので、更に使い勝手の良いユーザインターフェースをユーザへ提供することができる。
更に、アナログ放送用とデジタル放送用との間で、現在選択中のサービスを最も近いサービスに切り替えることも、アナログ放送とデジタル放送との切り替えと同じ仕組みで可能としており、更に使い勝手の良いユーザインターフェースをユーザへ提供することができる。
また、ユーザが選局チャンネルを切り替えたり、あるいは、放送が停止して放送同期信号が検出できなくなったり、あるいは、予約番組の開始時刻や終了時刻により放送番組が切り替わったり、あるいは、ビデオ装置など放送以外の入力機器からの入力に切り替えたり、あるいは、今まで設定されていて放送されていたサービスがあらかじめ定めた一定期間以上に及んで受信できなくなったりした場合に、放送されなくなって消失したサービスであるものとして、自動的に登録を削除してしまうことが可能であり、実際に選択してClosed Caption表示をすることが可能なサービスのみをユーザに選択可能とする使い勝手の良いユーザインターフェースをユーザへ提供することができる。
また、サービスを現在放送されている有効なサービスのみに限定して、ユーザに選択させることを可能としているので、サービスの切り替え手段として、例えば、リーズナブルな選択段数で構成可能なトグル切り替えボタンを用いることも可能となり、1個のボタンのみで簡単に所望のサービスに切り替えることが可能であり、操作性の向上のみならず、操作パネルのスペースの節約も可能となる。
更に、選択中のサービスが放送されなくなった後であっても、該サービスに最も近い別のサービスに切り替えることが可能であり、Closed Captionデータを継続して視聴することができる。また、放送されなくなったサービスに最も近い別のサービスに切り替えて継続して視聴している状態であっても、先に選択していたサービスの放送が再開された場合、自動的に、再開されたサービスに復帰させるように切り替えることも可能であり、使い勝手の良いユーザインターフェースをユーザへ提供することができる。
更に、Closed CaptionのサービスとTEXTサービスとをまたがるサービスの切り替えを自動的には実施させないようにすることも可能であり、突然、画面表示形態が切り替わってしまうことを防止することができ、画面表示上、ユーザへのサービス性を向上することができる。
また、現在放送されている選択可能なサービスの一覧や現在選択中のサービスを画面表示させることが可能であり、ユーザがサービスの選択状況を容易に確認することができ、使い勝手の良いユーザインターフェースをユーザへ提供することができる。
更に、現在放送されているサービスの合計数や、トグル切り替えボタンを用いてサービスの切り替えを行う場合のトグル切り替え順序を表示することも可能であり、更に使い勝手の良いユーザインターフェースをユーザへ提供することができる。
更に、放送されなくなったサービスに最も近い別のサービスに切り替えて表示している場合などのように、ユーザが選択したサービスではないサービスでClosed Caption表示がされている場合、このようなサービスは、一時的なサービス設定状態であることがユーザに簡単に判るように表示することが可能であり、使い勝手の良いユーザインターフェースをユーザへ提供することができる。
本発明によるアナログ・デジタル放送受信機の実施形態の一例を、以下に図面を参照しながら説明する。本発明による放送受信機は、アナログ放送のみを受信可能なアナログ放送受信機、デジタル放送のみを受信可能なデジタル放送受信機、アナログ放送とデジタル放送との双方を受信可能なアナログ・デジタル放送受信機を含むものであるが、以下の説明においては、アナログ放送とデジタル放送との双方を受信可能なアナログ・デジタル放送受信機を例にとって説明する。
図1に、本発明によるアナログ・デジタル放送受信機の一実施形態例である機能ブロック図を示している。図1に示すアナログ・デジタル放送受信機20において、1はリモコンを、2はリモコン受光部などのインターフェース(以下、I/Oと称す)を、3は放送による受信データや受信機固有のデータを電源オフの状態でも保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ(以下、NVRAMと称す:Non−Versatile RAM)を、4は当該アナログ・デジタル放送受信機20全体の動作を制御するマイクロプロセッサ(以下、CPUと称す)を、5は当該アナログ・デジタル放送受信機20の制御用のプログラムを動作させるためのワークメモリ及び各種データを保管、読み出すためのRAMメモリ(以下、主メモリと称す)を、6はCPU4を動作させるための制御用のプログラムを格納するためのプログラムメモリを、7はシステムバスを示している。
更に、図1に示すアナログ・デジタル放送受信機20において、8は受信したデジタル電波(デジタルRF)信号を復調するためのデジタルチューナを、9はデジタル電波(デジタルRF)信号として多重化して伝送されてきたトランスポートストリーム(TS:Transport Stream)をデコードして指定した番組のそれぞれの映像、音声、番組情報、付加データ(Closed Captionデータを含む)などの信号に分離して抽出するための分離回路(以下、DEMUXと称す)を、10は前記付加データを受け、デジタル放送用のEIA−708規格準拠のClosed Caption(以下、CCと略記することもある)データをデコード処理するEIA−708規格準拠のデコーダ(以下、EIA−708CCデコーダと称す)を、11はメニューやClosed CaptionデータなどをOSDIC(On Screen Display IC:オンスクリーンディスプレイIC)などによりオンスクリーン画面表示するための提示装置即ち表示装置(以下、OSDと称す)を示している。
更に、図1に示すアナログ・デジタル放送受信機20において、12は受信したアナログ電波(アナログRF)信号を復調するためのアナログチューナを、13はアナログチューナ12から出力されるNTSC信号の垂直帰線期間(VBI)の21ライン目にあるEIA−608規格準拠のClosed Captionデータを取り出すVBIスライサを、14はアナログ放送用のEIA−608規格準拠のClosed Captionデータをデコード処理するEIA−608規格準拠のデコーダ(以下、EIA−608CCデコーダと称す)を示している。
以下、図1に示すアナログ・デジタル放送受信機20の動作について説明する。前述のように、CPU4は制御用のプログラムを動作させてアナログ・デジタル放送受信機20の全体の制御をしており、CPU4で実行するプログラムはプログラムメモリ6に格納されている。また、NVRAM3は書き換え可能な不揮発性メモリであり、電源オフ状態であってもデータを保持することが可能なデータ保持用として使用される。NVRAM3は、例えばデジタルチューナ8やアナログチューナ12のチャンネル情報などのように、電源オフにされても保持する必要のあるデータを記憶している。
ユーザの操作結果として、リモコン1から赤外線が発せられると、該赤外線はI/O2にて受光されて、CPU4にシステムバス7を介してユーザからの指示情報として伝えられる。そして、以降、リモコン1のボタンをユーザが押すことにより、例えばデジタル放送とアナログ放送との切り替えや選局の指示が行われることになる。
デジタル放送の視聴時は、受信されたデジタルRF信号がデジタルチューナ8にて復調され、復調されたトランスポートストリーム(TS)の信号はDEMUX9にて映像、音声、番組情報、付加データなどのストリームに分離される。そして、その中から、EIA−708Closed Captionのデータが、EIA−708CCデコーダ10に渡される。また、デジタル信号には、EIA−608Closed Captionのデータも含まれている場合があるので、その場合には、EIA−608Closed CaptionのデータはEIA−608CCデコーダ14に渡される。EIA−708CCデコーダ10又はEIA−608CCデコーダ14により、それぞれ、EIA−708Closed Captionのデータ又はEIA−608EIA−708Closed Captionのデータがデコードされて、受信コマンドに基づいて生成されたウィンドウ枠と該ウィンドウ枠内に埋め込まれたテキストとがOSD11に引き渡されて、OSD11によりオンスクリーン画面表示される。
また、アナログ放送の視聴時は、受信されたアナログRF信号がアナログチューナ12にて復調され、VBIスライサ13にて復調されたNTSC信号の垂直帰線期間(VBI)の21ライン目からEIA−608Closed Captionのデータが取り出され、EIA−608CCデコーダ14に渡される。EIA−608CCデコーダ14によりEIA−608Closed Captionのデータがデコードされて、受信コマンドに基づいて生成されたウィンドウ枠と該ウィンドウ枠内に埋め込まれたテキストとがOSD11に引き渡されて、OSD11によりオンスクリーン画面表示される。
次に、アナログ放送用のEIA−608CCデコーダ10内の処理概略例について図2を用いて説明する。図2は、図1に示したEIA−608CCデコーダ14内のブロック構成の一例を示す機能ブロック図である。
まず、図2に示すEIA−608CCデコーダ14において、デコード部141にてEIA−608規格のペアコードである2バイトが処理されてコマンドとして解釈されると同時に、サービス判定部145において、サービスを特定するサービスコードを判別してサービスの判定が行われる。コマンドとして解釈されたペアコードの2バイトは、サービス判定部145におけるサービス判定結果に応じて、順次コマンド実行部142に引き渡されて、コマンドとして実行され、ウィンドウ管理部143で、管理されているClosed Captionデータ表示用ウィンドウの管理状態(表示文字フォントや文字サイズやウィンドウサイズやウィンドウ背景色など)が変更されていく。
そして、描画処理部144にて、ウィンドウの変更された管理状態に応じて描画されたウィンドウ枠にClosed Captionデータの文字列が描画され、OSD出力として、図1に示すOSD11に対して出力され、オンスクリーン画面表示されるという流れになっている。
また、規格やデコード処理内容は全く違うものの、デジタル放送用のEIA−708CCデコーダ10の場合でも、EIA−608CCデコーダ14と同じような回路ブロックにより図3のように構成されて、同様に処理が行われる。図3は、図1に示したEIA−708CCデコーダ10内のブロック構成の一例を示す機能ブロック図であり、図2のEIA−608CCデコーダ14と同様に、デコード部101、コマンド実行部102、ウィンドウ管理部103、描画処理部104及びサービス判定部105の各回路ブロックを備えて構成されている。
次に、図2のEIA−608CCデコーダ14のサービス判定部145の動作の一例について、即ち、アナログ放送用のEIA−608規格のサービス判定の一例について説明する。
図4の表は、EIA−608規格のサービスを判定するためのEIA−608コード表の一例を示す構成図であり、EIA−608規格のフィールド1として放送されているデータについて、各サービスコードに基づいてサービスの判定を行うための判定表である。EIA−608でのサービスの判定は、図2に示すサービス判定部145において、デコード部141によりデコードされたデータの中から、図4に示すサービスを特定するこれらのサービスコードが受信されたか否かにより行う。例えば、図4に示す判定表に示すように、「14」、「20」の16進のペアコード(2バイトコード)は、EIA−608規格のCC1(Closed Caption1)というサービスにおける「RCL」というコマンドであり、サービス判定部145では、CC1のサービスであると判定して、コマンド実行部142において、CC1のサービスにおけるポップオン表示モードとして、続行する字幕を1文字ずつ順次ローディングすることを指示するコマンドが実行される。
なお、EIA−608規格のフィールド2として放送されるデータについても、同様に判定され、図4に示す判定表において、各サービスを、それぞれ、CC1→CC3、CC2→CC4、TEXT1→TEXT3、TEXT2→TEXT4と置き換えて、サービスを判別することが可能とされている。
図4に示すように、例えば、「14」、「20」のペアコード(サービスCC1のコマンド「RCL」)と「1C」、「2A」のペアコード(サービスTEXT2のコマンド「TR」)とを受信した場合は、図5のように、サービス判定部145におけるサービス判定結果として、CC1とTEXT2との2つのサービスが放送中であるということになる。即ち、切り替え対象のサービスとしては、現在放送されているCC1とTEXT2との2つのみで切り替えられることになる。従い、ユーザがサービスを切り替えるために操作するサービス切り替え用のボタンとして、トグル切り替えボタンを用いる場合は、現在放送されている2つのサービスのみを選択することができれば良く、OFF→CC1→TEXT2→OFFと3つのモードに切り替えるトグル切り替えボタンとして構成すれば良いことになる。この場合、サービスの切り替え手段として1個のトグル切り替えボタンのみで簡単に所望のサービスに切り替えることが可能となり、操作性の向上のみならず、操作パネルのスペースの節約も可能となる。
ここに、図5は、アナログ放送用のEIA−608規格のサービス判定結果を設定登録するサービス登録表の一例を示す構成図であり、放送中のサービスとして「CC1」と「TEXT2」とが登録され、その他のサービスは未登録を示す「×」印が付されている。また、トグル切り替え順序を示す「インデックス」として、サービス「CC1」が「1」、サービス「TEXT2」が「2」に設定されている。
なお、ユーザがサービスを切り替える切り替え手段(即ちサービス切り替え手段)としては、順番にサービスを切り替えていく切り替え構造からなるトグル切り替えボタンのみに限らず、例えば、上下左右キー(必要に応じて決定ボタンの組み合わせ)などであっても良いし、あるいは、直接任意のサービスを選択可能な複数のボタンで構成しても良いし、あるいは、画面上のカーソルを用いて選択するようにしても良く、如何なる切り替え手段を用いても良い。
また、サービス判定部145においては、前述のように、受信したペアコード(2バイトコード)により、サービスを特定するサービスコードを判別してサービスを判定して図5のサービス登録表に登録するのみでなく、図6のフローチャートに示すように、受信したペアコード(2バイトコード)が、サービスの切り替え指示をするサービス切り替え制御コードや文字コード又は空白(スペース)の付加を指示する空白付加制御コードか否かを判定し、デコード中のサービスを受信したサービスに設定すると共に、図5のサービス登録表に登録する処理を行うようにしても良い。図6は、アナログ放送用のEIA−608規格の受信サービスを判定する処理の一例を示すフローチャートである。
図6のフローチャートにおいて、まず、例えばアナログ放送信号の垂直帰線期間(VBI)の第21ライン目から抽出されたEIA−608Closed Caption(EIA−608CC)のデータから2バイトのペアコードを受信したら(ステップS1)、該ペアコードが、サービスの切り替え指示をするサービス切り替え制御コードであるか否かをチェックし(ステップS2)、サービス切り替え制御コードであった場合(ステップS2のYES)、デコード中のサービスを切り替え指示があったサービスに切り替えて設定すると共に、図5のサービス登録表に登録する(ステップS5)。
一方、サービス切り替え制御コードでなかった場合(ステップS2のNO)、受信したペアコード(2バイトコード)が、描画処理を要する文字コード又は空白(スペース)の付加を指示する空白付加制御コードであるか否かをチェックし(ステップS3)、描画処理が発生する文字コード又は空白付加制御コードを受け取った場合(ステップS3のYES)、文字コードを描画したり又は空白(スペース)を付加する描画処理を行うために、デコード中のサービスを受信したサービスに設定するようにすると共に、図5のサービス登録表に登録する(ステップS4)。この結果、データは送られてきているにも関わらず、実際に画面上にオンスクリーン表示することがないようなサービスをはじくことが可能となり、サービス判定処理として、より良いサービスを提供することができる。
また、ユーザが、放送信号の受信用チャンネルを切り替える選局操作をしたり、放送信号の受信の代わりにビデオ装置やその他の放送以外の入力などに切り替えたりした場合や、NTSCの同期信号の判別結果などにより放送が停止してしまったことを検出した場合や、XDS(Extended Data Services:VBI信号に重畳される番組付加情報)に含まれる番組の開始時刻や終了時刻などの情報により、時間帯が次の放送番組に変わったと判断された場合、などにおいては、サービスが放送されなくなって消失してしまったものと判別して(即ちサービス消失判別手段を提供している)、今まで放送中にあるものとして設定登録されていたサービスをリセット(削除)することも可能としている。なお、放送番組が変わったことを判断する際に、前述のXDSの情報のみならず、VBI信号に重畳されているサービスなど番組に関連する情報、あるいは、インターネットからの番組情報を用いて、放送番組が変わったことを判断することも可能である。
更に、図7に示すフローチャートのように、ペアコード(2バイトコード)として、サービス切り替え制御コードや描画処理が発生する文字コード又は空白付加制御コードサービスを受け取った際に、サービス毎に、次の当該サービスの受信が予め定めた一定時限までになされない場合にタイムアウトするタイマを起動し、タイムアウトしたときに、当該サービスは放送されなくなって消失したものとして、現在まで放送中にあるものとして設定登録されているサービスをリセット(削除)するようにしても良い。これにより、ユーザに対して、実際に放送されているサービスにより近いサービスの有無を判定し直すための契機を与えることもできる。図7は、アナログ放送用のEIA−608規格の受信サービスを判定する処理の他の例を示すフローチャートであり、設定登録されていたサービスがタイムアウトにより消失する場合の処理の一例を示すものである。
図7のフローチャートにおいて、まず、例えばアナログ放送信号の垂直帰線期間(VBI)の第21ライン目から抽出されたEIA−608Closed Caption(EIA−608CC)のデータから2バイトのペアコードを受信したら(ステップS11)、該ペアコードが、サービスの切り替え指示をするサービス切り替え制御コードであるか否かをチェックし(ステップS12)、サービス切り替え制御コードであった場合(ステップS12のYES)、デコード中のサービスを切り替え指示があったサービスに切り替えて設定すると共に、図5のサービス登録表に登録する(ステップS15)。
一方、サービス切り替え制御コードでなかった場合(ステップS12のNO)、受信したペアコード(2バイトコード)が、描画処理を要する文字コード又は空白付加制御コードであるか否かをチェックし(ステップS13)、描画処理が発生する文字コード又は空白付加制御コードを受け取った場合(ステップS13のYES)、文字コードを描画したり又は空白(スペース)を付加する描画処理を行うために、デコード中のサービスを受信したサービスに設定するようにすると共に、図5のサービス登録表に登録する(ステップS14)。更に、デコードに用いるサービス毎に、タイムアウト値を設定してタイマを起動する(ステップS16)。この結果、タイマがタイムアウトしたときには、予め定めた或る一定期間の間、当該サービスが全く放送されていない状態にあるものと判定し、現在設定登録されているサービスが放送されなくなったものとして、該サービスを図5のサービス登録表からリセット(削除)することが可能となり、サービス判定処理として、実際に放送されているサービスにより近いサービスの有無をユーザが判定する契機を与えることができる。
次に、図3のEIA−708CCデコーダ10のサービス判定部105の動作の一例について説明する。デジタル放送用のEIA−708規格においては、PMT(Program Map Table)及び/又はEIT(Event Information Table)のcaption service descriptorに、現在放送されているサービス情報を記述するディスクリプタがあるが、実際の放送では、該ディスクリプタにサービス情報が記述されていたとしても、実際には、当該サービスが放送されていないといった場合も存在している。更に、現在放送されているClosed Captionのサービス情報を格納しているサービスパケット(即ちサービスブロック)があり、該サービスパケットは、デジタル放送信号のトランスポートストリームのPicture User Data Extensionという領域(以下、ユーザデータと称する)の中にあるCaption Channel Packet中に、例えば図8に例示するようにサービス毎に複数個収容されている。
図8は、EIA−708サービスパケットの構成の一例を示す模式図であり、EIA−708規格のサービス情報を格納している複数のサービスパケットからなるCaption Channel Packetの構成の一例として、サービス1とサービス4との2つのサービスをそれぞれ示す2つのサービスパケットが含まれている例を示している。
従って、図3に示すサービス判定部105において、EIA−708規格のサービスを判定する場合、デコード部101によりデコードされたデータの中から、図8のCaption Channel Packetに収容されているサービスパケットの有無を判定することにより、放送されているサービスの有無を判定する。
即ち、図8に示すように、デコードしたCaption Channel Packetに収容されているサービスパケットの有無を判定し、サービスパケットが存在していた場合、その中に格納されているサービス情報を判別し、サービスを判定する。サービスの判定結果として、サービス1とサービス4とが含まれていることが判別されると、図9のように、判別されたサービスを示す位置にフラグを設定し、例えば、「1」と「4」との2つのサービスのみが現在放送されていると判断する。
図9は、EIA−708規格のサービス判定結果を設定登録するサービス登録表の一例を示す構成図であり、放送中のサービスとして、サービス番号「1」と「4」とにフラグが設定されて登録され、残りの61個のその他のサービスはフラグオフとして放送中ではない旨を示す「×」印が付されている。また、トグル切り替え順序を示す「インデックス」として、「サービス1」が「1」、「サービス4」が「2」に設定されている。即ち、図9の登録例においては、切り替え対象のサービスとしては、現在放送されている「サービス1」と「サービス4」との2つのみで切り替えられることになる。従い、ユーザがサービスを切り替えるために操作するサービス切り替え用のボタンとしてトグル切り替えボタンを用いる場合は、現在放送されている2つのサービスのみを選択することができれば良く、OFF→Service1→Service4→OFFと3つのモードに切り替えるトグル切り替えボタンとして構成すれば良いことになる。
この場合、前述したEIA−608の場合と同様に、サービスの切り替え手段として1個のトグル切り替えボタンのみで簡単に所望のサービスに切り替えることが可能となり、操作性の向上のみならず、操作パネルのスペースの節約も可能となる。なお、ユーザがサービスを切り替える切り替え手段(即ちサービス切り替え手段)は、EIA−708の場合でも、前述したEIA−608の場合と同様に、トグル切り替えボタンのみに限ることなく、如何なる手段を用いても良い。
また、サービスパケットの中から、文字コードを抽出したり、空白(スペース)を付加する制御コードを抽出したりすることにより、該サービスパケットにClosed Captionデータとして有効なデータが格納されているか否かを判別し、Closed Captionのデータとして描画処理を行うための有効なデータが格納されているサービスパケットであれば、該描画処理を伴うデータに対応するサービスのみを、実際に放送されて、描画処理してClosed Captionデータとして画面表示するべき有効なサービスと判別して、現在放送されているサービスとして登録するようにしても良い。而して、描画処理を伴う有効なデータが格納されているサービスパケットのサービスのみを、図9のサービス登録表に登録して、切り替え対象のサービスとすることもできる。
また、ユーザが、放送信号の受信用チャンネルを切り替える選局操作をしたり、放送信号の受信の代わりにビデオ装置やその他の放送以外の入力などに切り替えたりした場合や、デジタル同期信号の判別結果などにより放送が停止してしまったことを検出した場合や、EPG(Electronic Program Guide:電子番組表)に含まれる番組の開始時刻や終了時刻などの情報により、時間帯が次の放送番組に変わったと判断された場合、などにおいては、サービスが放送されなくなって消失してしまったものと判別して(即ちサービス消失判別手段を提供している)、今まで放送中にあるものとして設定登録されていたサービスをリセット(削除)することも可能としている。なお、放送番組が変わったことを判断する際に、前述のEPGの情報のみならず、デジタル放送信号に含まれているサービスなど番組に関連する情報、あるいは、インターネットからの番組情報などを用いて、放送番組が変わったことを判断することも可能である。
また、図7に示すアナログ放送用のEIA−608の場合と同様に、デジタル放送用のEIA−708の場合においても、文字コードなどを抜き出した場合において、デコードに用いるサービス毎に、次の当該サービスの受信が予め定めた一定期間までになされない場合にタイムアウトするタイマを設定し、タイマを起動するようにしても良い。この結果、タイムアウト値が示す一定期間の間、当該サービスとして描画すべきデータの受信がなく、タイムアウトが発生した場合、現在設定登録されている当該サービスは消失して放送されなくなったものとして、該サービスを図9のサービス登録表からリセット(削除)することが可能となり、サービス判定処理として、実際に放送されているサービスにより近いサービスの有無をユーザが判定する契機を与えることができる。
また、デジタル放送では、EIA−708規格のデータのみならず、EIA−608規格のデータも放送されてくる。ここで、図1に示すようなアナログ放送とデジタル放送との双方を受信可能なアナログ・デジタル放送受信機20の場合に、EIA−608規格のサービスとして、例えば、図5のEIA−608サービス登録表に示すように、「CC1」と「TEXT2」との2つのサービスが放送されている状態であり、一方、EIA−708規格のサービスとして、例えば、図9のEIA−708サービス登録表に示すように、「サービス1」と「サービス4」との2つのサービスが放送されている状態であれば、EIA−608サービスとEIA−708サービスとの双方を統合した統合サービス登録表として、例えば、図10に例示するように管理し、「サービス1」、「サービス4」、「CC1」、「TEXT4」の4つのサービスのみを切り替えるように構成しても良い。
図10は、EIA−608規格とEIA−708規格との双方のサービス判定結果を設定登録する統合サービス登録表の一例を示す構成図であり、EIA−708の放送中のサービスとして、「サービス1」と「サービス4」とにフラグが設定されて登録され、また、EIA−608の放送中のサービスとして、「CC1」と「TEXT2」とにフラグが設定されて登録され、その他のサービスはフラグオフとして放送中ではない旨を示す「×」印が付されている。また、トグル切り替え順序を示す「インデックス」として、EIA−708からEIA−608へと順次切り替えられるように構成しており、「サービス1」が「1」、「サービス4」が「2」、「CC1」が「3」、「TEXT2」が「4」に設定されている。
即ち、図10の登録例においては、切り替え対象のサービスとしては、EIA−708では現在放送されている「サービス1」と「サービス4」との2つ、EIA−608では現在放送されている「CC1」と「TEXT2」との2つのみで切り替えられることになる。従い、ユーザがサービスを切り替えるために操作するサービス切り替え用のボタンとしてトグル切り替えボタンを用いる場合は、OFF→Service1→Service4→CC1→TEXT2→OFFと5つのモードに切り替えるトグル切り替えボタンとして構成すれば良いことになる。
この場合、前述したEIA−608の場合と同様に、サービスの切り替え手段として1個のトグル切り替えボタンのみで簡単に所望のサービスに切り替えることが可能となり、操作性の向上のみならず、操作パネルのスペースの節約も可能となる。なお、ユーザがサービスを切り替える切り替え手段(即ちサービス切り替え手段)は、図10のようなEIA−608とEIA−708とを統合した場合であっても、前述したEIA−608やEIA−708の場合と同様に、トグル切り替えボタンに限ることなく、如何なる手段を用いても良い。また、切り替え手段として、前述のように、EIA−708とEIA−60とのサービス間にまたがってサービスの切り替えを行うようにしても良いし、あるいは、現在選択中のサービスに近いサービスとして、EIA−708とEIA−608とのそれぞれのサービス内においてのみ、切り替えるように構成することもできる。
次に、現在放送されているサービスや現在選択中にあるサービスに関する情報をユーザに対して提示するサービスの表示方法について図10の統合サービス登録表を例にとって説明する。但し、サービスの表示方法については、図10のようなEIA−608とEIA−608とを統合した統合サービス登録表の場合のみに限らず、図5のようなEIA−608サービス登録表や図9のようなEIA−708サービス登録表の場合であっても、全く同様に適用することができる。
図10の統合サービス登録表に基づいて、現在放送されている有効なサービスの数として合計いくつあるか、また、ユーザがトグル切り替えボタンを操作して、選択したサービスが何番目のサービスであるか、が容易に判別することができるように、例えば図11に例示するように、現在放送されている有効なサービスとして如何なるサービスがあり、かつ、合計何個のサービスが有効であって、現在何番目のサービスが選択されているかという情報を、図形化して表示しても良い。図11は、サービスの切り替え状態を図形化して表示する一例を示す模式図であり、2番目の「Service4」が現在選択されているサービスとして、枠で囲んだ図形として表示されている例を示している。
即ち、図11の表示例においては、図10の統合サービス登録表において「放送中」の欄に設定登録されているサービス(即ち現在放送されているサービス)が何個あるかを算出して、現在放送されている有効なサービス数の合計として、図11の左側の分数の分母として表示し、また、図10の「インデックス」欄に示すトグル切り替え順序を読み取って、トグル切り替えボタンの選択順番を示すものとして、図11の左側の分数の分子として表示している。更に、ユーザが操作したトグル切り替えボタンなどのサービス切り替え手段の切り替え位置を取得して、現在選択されているサービスを示すものとして、図11に示すように、当該サービスを枠で囲んで図形として強調表示している。
かくのごとく、現在放送されているサービスの合計数を示す分母と、トグル切り替えボタンをサービスの切り替え用の手段として用いる場合に備えて、トグル切り替え順番を示す分子とを分数表示している表示は、かかる分数表示とせずに、それぞれを別々に表示するようにしても良い。あるいは、サービス切り替え手段としてトグル切り替えボタンを用いない場合などにおいては、かくのごとき、サービスの合計数やトグル切り替え順番を表示しなくても構わない。
なお、図11の表示例においては、現在放送されているサービスの全てについて、トグル切り替え順序を明示するように、下矢印で結んだ形式の一覧表示として表示する例を示しているが、かかる表示形式に限るものではなく、例えば、図12に示すような表形式で一覧表示するようにしても良い。図12は、サービスの切り替え状態を図形化して表示する他の例を示す模式図であり、現在放送されているサービスを表形式で表示すると共に、現在選択されているサービスをハッチングして強調表示している例を示している。また、現在選択されているサービスを強調表示する表示形式は、枠で囲んだりハッチングを施す場合のみに限るものではなく、表示文字のフォントやサイズあるいは文字色を変更して強調するようにしても良いし、背景色を変更して強調するようにしても良く、現在選択中のサービスであることが識別可能であれば如何なる強調表示形式を用いても構わない。
更には、図11や図12の表示例とは異なり、現在放送されている全てのサービスについて一覧表示するのではなく、現在切り替えられて選択中の状態にあるサービスのみを表示するようにしても良い。
また、PMT及び/又はEITに記述されているcaption service descriptorというディスクリプタには、EIA−708規格において各サービスが使用する言語情報が含まれているので、EIA−708側のサービス名については、該言語情報をも用いて表示するようにしても良い。この一例として、図11や図12の「Service1」、「Service4」のサービス名の代わりに、例えば、図13のように、言語情報のみを表示するようにしても良い。図13は、サービスの切り替え状態を図形化して表示する更に異なる例を示す模式図であり、図11の表示例における「Service1」のサービス名の代わりに言語情報として「English」を、また、「Service4」のサービス名の代わりに言語情報として「Spanish」を表示している例を示している。
また、図10の統合サービス登録表に例示するようなサービス状態において、現在選択中のサービスが放送されなくなった場合、例えば、デジタル放送用の「サービス4」を選択中に、選択中の該「サービス4」が放送されなくなった(消失した)場合、図14のような状態に遷移することになり、以降、当然「サービス4」は表示できなくなる状態になるので、この場合は、初期値として、現在まで選択中の「サービス4」のようなデジタル放送用のサービスのうち、現在放送されている一番若い順位のサービスである「サービス1」に自動的に切り替えるようにしても良いし、あるいは、選択中であった「サービス4」の次の切り替え順位にあるデジタル放送用のサービスに切り替えるようにしても良い。あるいは、選択中であったデジタル放送用のサービスが他には存在していない場合には、場合によっては、アナログ放送用のサービスのうち、選択中であった「サービス4」に最も近いサービスに切り替えるようにしても良い。
ここに、図14は、EIA−608規格とEIA−708規格との双方のサービス判定結果を設定登録する統合サービス登録表の他の例を示す構成図であり、図10のサービス状態から「サービス4」が消失した場合のサービス登録状態を示している。
言い換えると、現在選択中のサービスが放送されなくなった場合、別のサービスが存在しているか否かを、図10のような統合サービス登録表を検索することにより判別し、別のサービスが複数存在している場合、その中から、現在選択中であったサービスに最も近いサービスを抽出して(即ち、現在選択中のサービスに最も近いサービスを判別して取得する近似サービス判定手段を用いて、最も近いサービスを抽出して)、該最も近いサービスに切り替えて設定するようにしている。
更に説明すると、図10の統合サービス登録表のように、サービス形態が全く異なるClosed CaptionサービスとTEXTサービスとを別々に管理し、トグル切り替えボタンの切り替え位置により図10の統合サービス登録表を参照して、Closed CaptionサービスとTEXTサービスとのいずれかも含めて、現在選択中のサービスを取得することができる。即ち、図10の統合サービス登録表は、登録された各サービスについてClosed CaptionのサービスとTEXTのサービスとのいずれのサービス種別かを判別するサービス種別判別手段を提供しており、「放送中」の欄を参照して、現在放送されているサービスとしてClosed CaptionサービスとTEXTサービスとでそれぞれ何があるかを取得でき、かつ、現在選択中のサービスと最も近いサービスが何かを取得することができる近似サービス判定手段をも提供することができる。
而して、例えば、現在選択中のサービスがClosed Captionサービスのいずれかであった場合に、該サービスが放送されなくなった場合には、現在放送されているClosed Captionサービスのうち、現在選択中のサービスに最も近いサービスを検索して、検索した最も近いサービスに切り替えて選択するようにし、一方、現在選択中のサービスがTEXTサービスのいずれかであった場合に、該サービスが放送されなくなった場合には、現在放送されているTEXTサービスのうち、現在選択中のサービスに最も近いサービスを検索して、検索した最も近いサービスに切り替えて選択するようにすれば良い。これにより、Closed CaptionサービスとTEXTサービスとにまたがって自動的には切り替えさせないようにし、突然、画面表示形態が切り替わってしまうことを防止することができ、画面表示上、ユーザへのサービス性を向上することができる。
なお、図14の統合サービス登録表のように、「サービス4」が一旦消失した後、再度、「サービス4」が放送されている状態に復活した場合には、当然のことながら、また、「サービス4」を再登録し直し、例えば、図10の統合サービス登録表に示すサービス状態に復旧するようにしても良く、更には、選択中のサービスについても、以前選択中であった「サービス4」が復活したことを判別することによって、復活した「サービス4」に自動的に切り替えて選択するようにしても良い。
また、図10の統合サービス登録表のみに限らず、図5のEIA−608サービス登録表のごとく、アナログ放送用のEIA−608サービスのみが登録されている場合であっても、また、図9のEIA−708サービス登録表のごとく、デジタル放送用のEIA−708サービスのみが登録されている場合であっても、全く同様に最も近いサービスに関する処理を行うことができる。
EIA−608のTEXT(テキスト)サービスは、前述したように、Closed Captionのサービスとは違う形式でテキストを表示するサービスであり、放送されている内容とは無関係のサービスとして、画面の大部分を特定の背景によって覆って表示するものである。
例えば、図14の統合サービス登録表に示すようなサービス状態で、「サービス1」を選択中であった場合に、Closed Captionサービスの「サービス1」及び「CC1」が共に放送されなくなってしまった(消失した)場合、図15のような状態になり、「TEXT2」のサービスしか存在しなくなる。図15は、EIA−608規格とEIA−708規格との双方のサービス判定結果を設定登録する統合サービス登録表の更に異なる例を示す構成図であり、図14に示すサービス状態において、「サービス1」及び「CC1」が消失した場合のサービス状態を示している。
ここで、図15のサービス状態に示すように、残っている「TEXT2」のサービスに自動的に切り替えてしまうと、前述したように、突然、画面の大部分が背景によって覆われてしまい、表示中の放送映像が隠されてしまい、ユーザを混乱させかねない。そこで、たとえ、Closed Captionのサービスが全て消失してしまったような場合が生じたとしても、現在選択中として設定されていたサービスがClosed Captionの何らかのサービスであった場合、現在選択中のサービスに最も近いClosed Captionのサービスを判定して、現在選択中のサービスが放送されなくなった後でも、放送されなくなった該サービスに最も近いClosed Captionのサービス一時的に切り替えて選択表示させることも可能である。
例えば、現在選択中として設定されていたサービスが「サービス1」であった場合には、Closed Captionのサービスが全て消失してしまったような場合が生じたとしても、選択されていた「サービス1」に最も近いClosed Captionとして、選択中であった該「サービス1」を一時的に設定するようなサービス切り替え状態を選択するようにしても良い。而して、たとえ、Closed Captionサービス以外に表示形式が全く異なるTEXT(テキスト)サービスしか存在していないような場合であっても、現在放送されているClosed Captionサービスと表示形式が大幅に異なってしまうような、TEXT(テキスト)サービス(図15の場合の「TEXT2」)には切り替えないようにさせている。
逆に、TEXTサービスを選択中の状態で、TEXTサービスが全て放送されなくなり、消失してしまうような場合、現在放送されているサービスとして、たとえ、Closed Captionサービスが存在していたとしても、表示形式が大幅に異なってしまうClosed Captionサービスに切り替えさせることとせずに、選択中であったTEXTサービスに最も近いTEXTサービスを一時的に設定するようなサービス切り替え状態を選択するようにしても良い。
即ち、図14の統合サービス登録表に示すようなサービス状態で、「TEXT2」を選択中であった場合に、前述のClosed Captionサービスが消失した場合とは異なり、「TEXT2」が放送されなくなってしまった(消失した)場合、図16のような状態になり、「サービス1」及び「CC1」のClosed Captionサービスしか存在しなくなる。図16は、EIA−608規格とEIA−708規格との双方のサービス判定結果を設定登録する統合サービス登録表の更に異なる例を示す構成図であり、図14に示すサービス状態において、「TEXT2」が消失した場合のサービス状態を示している。この場合、EIA−608の「CC1」が次の切り替え順番のサービスであったとしても、現在は、画面の大部分が背景によって覆われてテキストが表示される状態に設定されているので、表示形式が大幅に異なってしまうClosed Captionサービスの「CC1」に切り替えさせることとせずに、前述のように、選択中であった「TEXT2」に最も近いTEXTサービスとして、例えば「TEXT1」を一時的に設定するようなサービス切り替え状態を選択するようにしても良い。
あるいは、前述の場合とは異なり、「TEXT2」が放送されなくなってしまった場合、現在存在しているサービスがClosed Captionのサービスである「サービス1」、「CC1」のみであった場合には、「サービス1」や「CC1」のいずれにも切り替えずに、かつ、放送されなくなった「TEXT2」に最も近いとして一時的に「TEXT1」を選択して設定するような状態にもすることなく、一旦、画面表示を一切行わないオフ状態に切り替えて設定してしまっても良い。
このようなClosed CaptionサービスとTEXTサービスとの自動的な切り替えを抑止する処理は、図10のような統合サービス登録表の場合のみに限るものではなく、図5のようなEIA−608サービス登録表の場合であっても、また、図9のようなEIA−708サービス登録表の場合であっても、全く同様に実施することができる。
なお、選択中のサービスが消失してしまった以降において、該サービスに最も近いサービスであるとして一時的に選択して設定するようなサービス切り替え状態が存在する場合、現在選択中の状態にあるとして表示しているサービスが、一時的な選択のものか、あるいは、現在放送されている有効なサービスとして選択中にあるものかをユーザが判別することができず、ユーザに混乱を与えかねない。そこで、図11乃至図13のように、サービスの切り替え状態を図形化して表示する際に、一時的な選択状態にあるサービスについては、例えば、サービス名や言語情報を( )で囲むように表現するなど、表示方法を他のサービス状態と異なるように表示させても良い。即ち、( )は、サービスの切り替え手段により現在選択中のサービスではなく、該現在選択中のサービスに最も近いサービスに切り替えられていることを示す識別表示である。なお、かかる一時的な選択状態を識別可能とする表示(即ち、前述の例では( )で囲むような表示)は、現在放送されている全てのサービスを一覧表示する場合のみに限るものではなく、現在選択中の状態にあるサービスのみを表示する場合においても、全く同様に適用することができる。
例えば、図11のサービスの切り替え状態の表示例において、「サービス4」が放送されなくなって、図14に示すように、現在放送されている有効なサービスが4つから3つに減少した場合、放送されなくなって消失した「サービス4」に最も近いデジタル放送用のClosed Captionサービスとして、デジタル放送用の「サービス1」を一時的に選択した場合には、最も近いサービスに一時的に切り替えていることを示す識別表示として、図17のように、「サービス1」に( )を付加して、「(Service1)」とサービス名を囲むように表示しても良い。
図17は、サービスの切り替え状態を図形化して表示する更に異なる例を示す模式図であり、一時的なサービス切り替えをした場合におけるサービスの切り替え状態の表示例を示している。即ち、図11のサービス切り替え状態の表示例に示す状態から現在選択中の「サービス4」が消失した場合であっても、消失した「サービス4」に最も近いサービスであるとして、「サービス1」を一時的に選択して切り替えている状態を示している。この後、「サービス4」が復活したときには、当然のことながら、一時的なサービス切り替え状態を示す( )表示を「サービス1」から削除した状態にして、復活した「サービス4」を再度表示すると共に、復活した「サービス4」に自動的に選択状態を切り替えて設定し、「サービス4」を枠で囲むように表示することにしても良い。
なお、サービスの合計数及びサービスの選択順序を示す左側の分数表示は、図17の例においては、放送されている有効なサービスが4つから3つに減少している状態にあるので、有効なサービス数を表示する分母は「4」ではなく「3」に更新し、残っている有効なサービス即ち「Service1」、「CC1」、「TEXT2」それぞれについて、「1/3」、「2/3」、「3/3」と表示している。
また、図14の統合サービス登録表に示すようなサービス状態で、EIA−708のサービスである「サービス1」を選択中であった場合に、EIA−708の「サービス1」が放送されなくなってしまった(消失した)場合、図18のような状態になり、EIA−708のサービスは全てなくなり、EIA−608の「CC1」及び「TEXT2」しか存在しなくなる。図18は、EIA−608規格とEIA−708規格との双方のサービス判定結果を設定登録する統合サービス登録表の更に異なる例を示す構成図であり、図14に示すサービス状態において、「サービス1」が消失し、EIA−708のサービスが全て消失した場合のサービス状態を示している。この場合は、図18の選択順序に示すように、デジタル放送用のClosed Captionサービス「サービス1」と最も近いサービスとしてアナログ放送用のClosed Captionサービス「CC1」を選択して表示するようにしても良い。
つまり、この場合、アナログ放送に切り替えたときは、ちょうど、EIA−708のサービスが放送されなくなったように動作することになり、アナログ放送用とデジタル放送用とで同じ仕組みでサービスの切り替えが行われることが可能である。また、前述の例とは逆に、EIA−608のサービスを選択中に、EIA−608のサービスが全て消失してしまった場合、EIA−708のサービスに切り替えるようにし、アナログ放送をデジタル放送に切り替えたと同じ仕組みで、サービスの切り替えを行うようにしても良い。
即ち、現在選択中のサービスに最も近いサービスとして、アナログ放送用のEIA−608のサービスとデジタル放送用のEIA−708のサービスとの双方で、それぞれ取得することが可能なサービス取得手段を備えて、アナログ放送とデジタル放送とを切り替える放送切り替え手段を操作して、アナログ放送とデジタル放送との切り替えを行った際に、現在選択中のサービスに最も近いサービスに自動的に切り替えさせることにより、アナログ放送とデジタル放送との切り替えと、EIA−608とEIA708のサービスの切り替えとを全く同じ仕組みで実現することができる。
1…リモコン、2…I/O(インターフェース)、3…NVRAM、4…CPU(マイクロプロセッサ)、5…主メモリ(RAM)、6…プログラムメモリ、7…システムバス、8…デジタルチューナ、9…DEMUX(TSデコーダ)、10…EIA−708CCデコーダ、11…OSD(提示装置)、12…アナログチューナ、13…VBIスライサ、14…EIA−608CCデコーダ、20…アナログ・デジタル放送受信機、101…デコード部、102…コマンド実行部、103…ウィンドウ管理部、104…描画処理部、105…サービス判定部、141…デコード部、142…コマンド実行部、143…ウィンドウ管理部、144…描画処理部、145…サービス判定部。