JP2005302554A - 固体高分子形燃料電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カーボンの表面とその樹脂のプロトン伝導経路との接面に白金とルテニウムとを選択的に備えしている固体高分子形燃料電池の製造方法において、Pt−Ru合金系触媒に代わる触媒を用いることで、耐CO被毒特性が高い電極を用いた固体高分子形燃料電池を提供する。
【解決手段】固体高分子形燃料電池において、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に触媒金属と酸化チタンとが選択的に備えられた触媒電極を用いたことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池およびその製造方法に関するものである。
固体高分子形燃料電池(PEFC)は、固体高分子電解質膜の一方の面にアノ−ドを、他の面にカソ−ドを接合して構成され、例えば、アノ−ドに燃料として水素、カソ−ドに酸化剤として酸素をそれぞれ供給すると、つぎの電気化学反応によって発電する装置である。
アノ−ド:2H→4H+4e
カソ−ド:O+4H+4e→H
固体高分子形燃料電池の実用化において、インフラ設備が容易になることから燃料として炭化水素系の燃料、例えば、メタノールまたはメタンを改質して得られる、水素と炭酸ガスとを含む改質ガスを用いることが検討されている。しかし、この改質ガスにわずかに含まれる一酸化炭素(CO)が触媒の白金を被毒するので、PEFCの出力および寿命性能が著しく低下する。
COによる白金の被毒を低減する方法として、アノードの触媒として白金とルテニウムとの合金を用いることが知られている。この合金を超微量に備えた電極の製作方法が、特許文献1や非特許文献1で提案されている。その方法はつぎのとおりである。まず、陽イオン交換樹脂とカーボンとを含む混合物を高分子フィルム上に塗布することによって、このフィルム上に混合物層を形成する。
この混合物層を白金錯体陽イオンとルテニウム錯体陽イオンとを含む水溶液中に浸漬し、各陽イオンをイオン交換反応によって混合物層内の陽イオン交換樹脂のイオンクラスター部に選択的に吸着させる。つぎに、陽イオン交換樹脂に吸着した各陽イオンを水素雰囲気中200℃で還元する。
非特許文献2で報告されているように、この電極は、カーボンの表面と陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との接面に白金とルテニウムとを選択的に備えているので、超少量の触媒量で高い耐CO被毒性能を示す。この性能は、200℃の水素雰囲気中で保持するというエージングによって向上することが報告されている。
一方、触媒金属を酸化チタンに備えた触媒電極を固体高分子形燃料電池に用いることが検討されている。非特許文献3では、Pt/TiOはPt−Ru/Cよりも高活性な燃料極触媒になる可能性が報告されており、特許文献2では、担体として酸化チタン等の導電性酸化物セラミックスを使用し、金をこの酸化物上に析出させることにより高表面積の金触媒が得られることが報告されている。
特開2002−358971号公報
特開平06−192873号公報 津村、人見、安田、山地 第41回電池討論会要旨集、1B14、P116(2000) 津村、人見、安田、山地 第42回電池討論会要旨集、3D05、P570(2001) 佐々木、村上、古川、田中、黒木、寺岡 第43回電池討論会要旨集、2D05、P534(2002)
Pt−Ru合金触媒の耐CO被毒性能が、前述のエージングによって向上することは、白金とルテニウムとの相互拡散により、白金に吸着したCOとルテニウムに保持された水酸基との反応が促進されることに起因するものと考えられる。しかしながら、特許文献1で提案されている製造方法により製作した電極の触媒量は非常に少ないので、その反応に必要な量の水酸基を供給することは困難である。
特許文献2および非特許文献3で提案されている触媒電極を用いた場合、その触媒がカーボンと陽イオン交換樹脂とのイオンクラスター部に選択的に備えることができないので、その触媒利用率は低くなる。その結果、高性能なPEFCとするためには、大量の触媒が必要となり、コストが高くなる。
そこで本発明の目的は、特許文献1で提案されている製造方法において、Pt−Ru合金系触媒に代わる触媒を用いることで、耐CO被毒特性が高い電極を用いた固体高分子形燃料電池およびその製造方法を提供することにある。
請求項1の発明は、固体高分子形燃料電池において、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に触媒金属と酸化チタンとが選択的に備えられた触媒電極をアノードに用いたことを特徴とする。
請求項2の発明は、固体高分子形燃料電池の製造方法において、カーボンと陽イオン交換樹脂とを含む混合物層を作製する第1の工程と、前記混合物層中の前記陽イオン交換樹脂の対イオンに触媒金属の陽イオンを吸着させる第2の工程と、その吸着した陽イオンを化学的に還元して、カーボンと陽イオン交換樹脂と触媒金属とを含む触媒層を形成する第3の工程と、チタニウムアルコキシドを含む溶液中に前記触媒層を浸漬し、その後加水分解する第4の工程と、前記触媒層と陽イオン交換膜とを接合し、陽イオン交換膜/触媒層積層体を形成する第5の工程とを経ることを特徴とする。
本発明の固体高分子形燃料電池用電極によれば、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に触媒金属を選択的に備える燃料電池用電極において、その接面に水酸基を保持する機能を持つ酸化チタンを備えることによって、触媒金属に吸着したCOは酸化チタンが保持している水酸基と反応しCOとして除去されるので、COによる触媒金属の不活性化を抑制することができる。したがって、この電極を固体高分子形燃料電池のアノードに用いた場合には、耐CO被毒性能が高い固体高分子形燃料電池を提供することが可能になる。
本発明の固体高分子形燃料電池用アノード電極では、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に触媒金属と酸化チタンとが選択的に備えられている。
本発明の固体高分子形燃料電池用電極は、陽イオン交換樹脂の親水性領域であるプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に酸化チタンを選択的に備えることによって、COの酸化反応に必要な水酸基を供給することができ、酸化チタンに保持された水酸基と触媒金属に吸着したCOとの反応が促進されるので、その電極をアノードに用いた燃料電池の耐CO被毒性能は向上するものと考えられる。
また、本発明は、固体高分子形燃料電池の製造方法において、カーボンと陽イオン交換樹脂とを含む混合物層を作製する第1の工程と、前記混合物層中の前記陽イオン交換樹脂の対イオンに触媒金属の陽イオンを吸着させる第2の工程と、その吸着した陽イオンを化学的に還元して、カーボンと陽イオン交換樹脂と触媒金属を含む触媒層を形成する第3の工程と、チタニウムアルコキシドを含む溶液中に前記触媒層を浸漬し、その後加水分解する第4の工程と、前記触媒層と陽イオン交換膜とを接合し、陽イオン交換膜/触媒層積層体を形成する第5の工程とを経ることを特徴とする。
プロトン伝導経路である対イオンに吸着した触媒の陽イオンは、第3の工程によってカーボンが触媒作用となり還元される。したがって、触媒の陽イオンの還元はカーボン表面で付近でしかおこなわれない結果、触媒金属は、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に選択的に備えられる。
第4工程において、酸化チタンは、チタニウムアルコキシドと水との存在下で加水分解反応により生成する。水は陽イオン交換樹脂の親水性領域であるプロトン伝導経路にのみ存在するので、酸化チタンは、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に選択的に備えられる。
混合物層に酸化チタンを備えるためには、例えば、混合物層にチタニウムアルコキシドを含浸したのちに、加水分解する方法がある。このチタニウムアルコキシドの加水分解反応は、触媒金属の近傍の、陽イオン交換樹脂の親水性領域であるプロトン伝導経路で選択的におこなわれるので、酸化チタンをカーボンと陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との接面に選択的に備えることができる。
本発明の固体高分子形燃料電池の製造方法においては、上記第2の工程および第3の工程と、第4の工程の順序を逆にすることも可能である。すなわち、第1の工程で作製した混合物層を、チタニウムアルコキシドを含む溶液中に浸漬し、加水分解して、酸化チタンを陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に選択的に備え、その次に、混合物層中の陽イオン交換樹脂の対イオンに触媒金属の陽イオンを吸着させ、吸着した陽イオンを化学的に還元して、カーボンと陽イオン交換樹脂と触媒金属を含む触媒層を形成し、その後、第5の工程で、陽イオン交換膜/触媒層積層体を形成してもよい。
本発明の固体高分子形燃料電池の模式図を図1に示す。図1において、11は燃料電池用電極、12は高分子電解質膜、13は導電性多孔質体、14はガス供給路、15はセパレータ、16はシール材、17は固体高分子形燃料電池である。
燃料電池用電極11の一方の面が、高分子電解質膜12の両面に接触するように配置される。これらの燃料電池用電極11の他の面には、撥水性を付与した導電性多孔質体13の一方の面が接触するように配置される。さらに、これらの導電性多孔質体13の他の面には、ガス供給路14を備えるセパレータ15が接触するように配置される。
図1に示すように、固体高分子形燃料電池17は、一対の燃料電池用電極11と、一対の導電性多孔質体13と、一対のセパレータ15とで高分子電解質膜12を挟持することによって構成される。これらのセパレータ間には、ガスケットやOリングなどのシール材16が配されることによって、反応ガスの気密が保たれる。
本発明の燃料電池用電極11の模式図を図2に示す。図2において、21はカーボン、22は陽イオン交換樹脂、23は細孔であり、その他の記号は図1と同じものを示す。燃料電池用電極11は、カーボン21と陽イオン交換樹脂22とを含有する。陽イオン交換樹脂22には、例えばパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂あるいはスチレン−ジビニルベンゼンスルホン酸樹脂などを用いることができる。
図2に示すように、カーボン21と陽イオン交換樹脂22とが混ざり合うことによって、カーボン21と陽イオン交換樹脂22とが三次元的に分布する。カーボン21の表面には、図示していないが触媒金属および酸化チタンの微細粒子が備えられている。さらに、これらの混合物には、複数の細孔23が形成される。
本発明の燃料電池用電極11の、カーボンの表面近傍の模式図を図3に示す。図3において、21はカーボン、31は陽イオン交換樹脂の親水性領域(プロトン伝導経路)、32は陽イオン交換樹脂の疎水性領域、33は触媒金属、34は酸化チタンである。
カーボン21の表面は、親水性領域であるプロトン伝導経路31と疎水性領域32とから構成される陽イオン交換樹脂によって被覆されている。このプロトン伝導経路31とカーボン21の表面との接面に触媒金属33および酸化チタン34が選択的に備えられている。
なお、ここで「プロトン伝導経路31とカーボン21の表面との接面に触媒金属33および酸化チタン34が選択的に備えらている」とは、本発明の固体高分子形燃料電池用電極において、触媒金属33および酸化チタン34が備えられている主な場所が、プロトン伝導経路31とカーボン21の表面との接面であることを意味する。したがって、図3では示していないが、疎水性領域32とカーボン21の表面との接面に、触媒金属33および酸化チタン34が存在していてもよいが、これらは反応に関与しないため、固体高分子形燃料電池用電極中に存在する触媒金属33および酸化チタン34の合計重量のうち、50wt%以上が、好ましくは80wt%以上が、プロトン伝導経路31とカーボン21の表面との接面に存在していることを意味する。
本発明の固体高分子形燃料電池用電極は、この親水性領域であるプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に酸化チタンを選択的に備えることによって、触媒金属に吸着したCOの酸化反応に必要な水酸基を、酸化チタンから供給することができるので、この電極をアノードに用いた燃料電池の耐CO被毒性能は向上するものと考えられる。
以下、本発明の固体高分子形燃料電池用電極の製造方法を説明する。そこで、陽イオン交換樹脂とカーボンとの混合物を混合物A、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に触媒金属を選択的に備えた混合物を混合物B、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に触媒金属および酸化チタンを選択的に備えた混合物を混合物Cとする。
混合物Cの代表的な製造方法には、混合物Aに触媒金属を備えたのちに、酸化チタンを備える方法がある。混合物Aに触媒金属を備えるには、触媒金属Xを含む陽イオンxをイオン交換反応によって混合物A内の陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に吸着させたのちに、その吸着した陽イオンxを還元する方法を用いることができる。
この方法で製作した混合物Cの触媒金属は、吸着した陽イオンxがカーボンの触媒作用によって還元されるので、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボンとの接面に選択的に備わることから、利用率が高い。この接面に備える触媒金属の割合は、全触媒金属に対して50wt%以上、さらに好ましくは80wt%以上であることが好ましい。
高い耐CO被毒性能を得るためには、触媒金属の陽イオンが白金を含む陽イオンとルテニウムを含む陽イオンであることが好ましい。吸着した陽イオンxを還元するには、水素ガス、水素を含むガスまたはヒドラジンを含む不活性ガスによって気相還元する方法がある。ここで、水素を含むガスには、水素ガスと窒素、ヘリウムまたはアルゴンなどの不活性ガスとの混合ガスがある。
混合物Bに酸化チタンを備えするには、例えば、混合物Bにチタニウムアルコキシドを含浸したのちに、加水分解する方法がある。このチタニウムアルコキシドの加水分解反応は、触媒金属の近傍の、陽イオン交換樹脂の親水性領域であるプロトン伝導経路で選択的におこなわれるので、酸化チタンをカーボンと陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路との接面に選択的に備えることができる。
本発明の固体高分子形燃料電池用電極の製造方法において、混合物Aにまず酸化チタンを備え、次に触媒金属を備える場合は、上述の方法により酸化チタンを備えたのちに触媒金属を備えればよい。
カーボンには、触媒金属の陽イオンxの還元反応に対して高い活性を示すものが好ましく、その性質をもつものではカーボンブラックが良く、そのカーボンブラックには、例えば、Denka Black、Valcan XC―72、Black Pearl 2000がある。
陽イオン交換樹脂とカーボンとを含む混合物Bは、例えば、カーボン、その樹脂の溶液および必要に応じてPTFE粒子分散溶液を含むペーストを高分子フィルム上に塗布(好ましくは膜厚3〜50μm)したのちに乾燥して製作すること、カーボンとPTFE粒子分散溶液とを含むペーストを高分子フィルム上に塗布(好ましくは膜厚3〜50μm)して乾燥したのちに陽イオン交換樹脂溶液を塗布あるいは含浸後乾燥させて製作すること、カーボン、陽イオン恋間樹脂の溶液および必要に応じてPTFE粒子分散溶液を含むペーストを導電性多孔質体のカーボン電極基材上に塗布したのちに乾燥して製作すること、カーボンとPTFE粒子分散溶液を含むペーストを導電性多孔質体のカーボン電極基材上に塗布して加熱乾燥したのちに陽イオン交換樹脂溶液を塗布あるいは含浸後乾燥することによって製作される。
本発明の燃料電池用電極をアノードに用いることにより、耐CO被毒性能が高く、触媒活性の高い燃料電池を得ることができる。
以下、本発明を好適な実施例を用いて説明する。
[実施例1]
まず、陽イオン交換樹脂溶液(Nafion5wt%溶液、Aldrich Chemical)とカーボン(Vulcan XC-72、Cabot)とを混合した。この混合物中の陽イオン交換樹脂とカーボンとの質量比は、4:6とした。その混合物を加熱濃縮することによってペーストを調整した。このペーストの分散媒とカーボンとの質量比は、10:1とした。そのペーストを高分子フィルム上に塗布したのちに乾燥することによって、高分子フィルム上に混合物を形成した。その混合物の厚みは20μmであった。
つぎに、その混合物を[Pt(NH]Cl水溶液に6時間浸漬し、陽イオン交換樹脂に[Pt(NH2+イオンを吸着させたのちに、精製水で充分洗浄・乾燥後、水素雰囲気中で6時間還元した。さらに、その混合物をTi[OCH(CH(ナカライテスク(株)製)とイソプロパノールとの混合溶液に4時間浸漬したのちに、150℃、窒素雰囲気中で加水分解をおこなうことによって、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に触媒金属および酸化チタンが選択的に備える本発明による燃料電池用電極Aを製作した。
[実施例2]
実施例1と同様の方法により製作した陽イオン交換樹脂とカーボンとの混合物をKOH水溶液中に24時間浸漬し、陽イオン交換樹脂にKイオンを吸着させて、陽イオン交換樹脂の耐熱性をあげてから、300℃の水素雰囲気中に2時間保持したのちにHSO水溶液中に24時間浸漬し、陽イオン交換樹脂にHイオンを吸着させた。
つぎに、その混合物を[Pt(NH]Clと[Ru(NH]Clとの混合水溶液に24時間浸漬し、陽イオン交換樹脂に[Pt(NH2+イオンおよび[Ru(NH3+イオンを吸着させたのちに、精製水で充分洗浄・乾燥後、200℃の水素雰囲気中で24時間還元した。さらに、この混合物をKOH水溶液中に24時間浸漬し、陽イオン交換樹脂にKイオンを吸着させてから、300℃の水素雰囲気中に2時間保持するというエージングをおこなった。
またさらに、その混合物をTi[OCH(CH(ナカライテスク(株)製)とイソプロパノールとの混合溶液に4時間浸漬したのちに、150℃、窒素雰囲気中で加水分解をおこなうことによって、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に触媒金属および酸化チタンを選択的に備える本発明による燃料電池用電極Bを製作した。
[比較例1]
実施例1と同様の方法により製作した陽イオン交換樹脂とカーボンとの混合物を[Pt(NH]Cl水溶液に6時間浸漬し、陽イオン交換樹脂に[Pt(NH2+イオンを吸着させたのちに、精製水で充分洗浄・乾燥後、水素雰囲気中で6時間還元することによって、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に触媒金属を選択的に備える従来の燃料電池用電極Cを製作した。
[比較例2]
実施例1と同様の方法により製作した陽イオン交換樹脂とカーボンとの混合物をKOH水溶液中に24時間浸漬し、陽イオン交換樹脂にKイオンを吸着させてから、300℃の水素雰囲気中に2時間保持したのちにHSO水溶液中に24時間浸漬し、陽イオン交換樹脂にHイオンを吸着させた。
つぎに、その混合物を[Pt(NH]Clと[Ru(NH]Clとの混合水溶液に24時間浸漬し、陽イオン交換樹脂に[Pt(NH2+イオンおよび[Ru(NH3+イオンを吸着させたのちに、精製水で充分洗浄・乾燥後、200℃の水素雰囲気中で24時間還元した。
さらに、この混合物をKOH水溶液中に24時間浸漬し、陽イオン交換樹脂にKイオンを吸着させてから、300℃の水素雰囲気中に2時間保持するというエージングをおこなうことによって、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に触媒金属を選択的に備える従来の燃料電池用電極Dを製作した。
電極A、B、CおよびDをアノードに備えた固体高分子形燃料電池の単セルA、B、CおよびDを作製し、単セルA〜Dの電流−電圧特性を図4に示す。図4において、記号●は単セルAの、△は単セルBの、○は単セルCの、□は単セルDの、電流−電圧特性を示す。
これらのセルの燃料には、10ppmのCOを含む水素ガスを、酸化剤には酸素を用いた。なお、カソードには白金担持カーボン(TEC10V30E、田中貴金属工業(株))と陽イオン交換樹脂とを重量比70:30の割合で混合したペーストを金属シート上に塗布・乾燥することによって製作したものを用いた。
図4から、これらの単セルの電流−電圧特性は、触媒金属の種類にかかわらず、酸化チタンを加えることで向上することがわかった。このことは、酸化チタンを備えることによって、その酸化チタンに保持された水酸基と触媒金属に吸着したCOとの反応が促進されるので、耐CO被毒性能が向上したことによるものと考えられる。
なお、陽イオン交換樹脂にスチレン−ジビニルベンゼン系のスルフォン酸形陽イオン交換樹脂を用いた場合においても、酸化チタンを加えた電極を備えたセルの出力性能は高いことを確認した。
本発明の固体高分子形燃料電池の模式図。 本発明の燃料電池用電極の模式図。 本発明の燃料電池用電極の、カーボンの表面近傍の模式図。 単セルA〜Dの電流−電圧特性を示す図。
符号の説明
11 燃料電池用電極
12 高分子電解質膜
13 導電性多孔質体
14 ガス供給路
15 セパレータ
16 シール材
17 固体高分子形燃料電池
21 カーボン
22 陽イオン交換樹脂
23 細孔
31 陽イオン交換樹脂の親水性領域(プロトン伝導経路)
32 陽イオン交換樹脂の疎水性領域
33 触媒金属
34 酸化チタン

Claims (2)

  1. 陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボンの表面との接面に触媒金属と酸化チタンとが選択的に備えられた触媒電極をアノードに用いたことを特徴とする固体高分子形燃料電池。
  2. カーボンと陽イオン交換樹脂とを含む混合物層を作製する第1の工程と、前記混合物層中の前記陽イオン交換樹脂の対イオンに触媒金属の陽イオンを吸着させる第2の工程と、その吸着した陽イオンを化学的に還元して、カーボンと陽イオン交換樹脂と触媒金属とを含む触媒層を形成する第3の工程と、チタニウムアルコキシドを含む溶液中に前記触媒層を浸漬し、その後加水分解する第4の工程と、前記触媒層と陽イオン交換膜とを接合し、陽イオン交換膜/触媒層積層体を形成する第5の工程とを経ることを特徴とする固体高分子形燃料電池の製造方法。




























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