JP2005302504A - 画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ガス吸着、特に硫黄成分の吸着の少ない薄膜型電子源を実現し、長寿命の画像表示装置を実現する。
【解決手段】 薄膜型電子源の上部電極13の表面を酸化物19で被覆し、電子線照射により蛍光体から発生する硫黄成分が上部電極13に吸着しない構造にした。これにより電子放出効率の低下を防止することができ、信頼性の高い薄膜型電子源を備えた画像表示装置が実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、薄膜型電子源を利用した画像表示装置に係り、特に自発光型フラットパネルディスプレイに関するものである。
微小で集積可能な冷陰極を利用するディスプレイは、FED (Field Emission Displayの略称)と呼称される。冷陰極には、電界放出型電子源とホットエレクトロン型電子源に分類され、前者には、スピント型電子源、表面伝導型電子源、カーボンナノチューブ型電子源等が属し、後者には金属―絶縁体―金属を積層したMIM(Metal-Insulator-Metalの略称)型、金属―絶縁体―半導体を積層したMIS(Metal-Insulator-Semiconductorの略称)型、金属―絶縁体―半導体−金属型等の薄膜型電子源がある。
MIM型については、例えば特許文献1に、金属―絶縁体―半導体型についてはMOS型について例えば非特許文献1に、金属―絶縁体―半導体−金属型ではHEED型(high-efficiency-electro-emission device)については例えば非特許文献2、EL型(Electroluminescence)については例えば非特許文献3に、ポーラスシリコン型については例えば非特許文献4などにそれぞれ報告されている。
MIM型電子源については、例えば特許文献2に開示されている。MIM型電子源の構造と動作原理を模式的に示した図2により説明する。上部電極13と下部電極11との間に駆動電圧Vdを印加して、絶縁層12内の電界を1〜10MV/cm程度にすると、下部電極11中のフェルミ準位近傍の電子はトンネル現象により障壁を透過し、電子加速層である絶縁層12の伝導帯へ注入されホットエレクトロンとなり、上部電極13の伝導帯へ流入する。これらのホットエレクトロンのうち、上部電極13の仕事関数φ以上のエネルギーをもって上部電極13表面に達したものが真空21中に放出される。
特開平7-65710号公報
特開平10-153979号公報 J. Vac. Sci. Techonol. B11 (2) p.429-432 (1993) Jpn.J.Appl. Phys.、vol 36 、p L939 応用物理 第63巻、第6号、592頁 応用物理 第66巻、第5号、437頁
周知のように、FEDは冷陰極から放出させた電子線を画像表示パネルに発光層として設けられた蛍光体に照射し、発光させるフラットパネルディスプレイである。冷陰極を備えたこの種のディスプレイは、ブラウン管に比べ、陰極と蛍光面間の距離が短く、また熱陰極と異なり陰極温度が低いため、電子線照射により蛍光面から発生したガスで陰極が汚染され易い。
特に発光効率の高い硫化物系蛍光体は、電子線照射により硫黄成分がガス化して脱離しやすく、脱離した硫黄成分が冷陰極に吸着し易い。特に電界放射型電子源では電子放出が陰極の表面状態に敏感なため、大きな問題である。
ホットエレクトロン型では、電子放出は一般に陰極の表面状態に鈍感であるが、それでも陰極表面に蛍光体から脱離した硫黄成分のガス吸着が起これば、ホットエレクトロンが散乱されるため電子放出効率が低下する場合がある。特にガス吸着により上部電極13の仕事関数が上がる場合は電子放出効率が低下し易い。
図3に電気二重層の模式図を示したように、硫黄成分20は電気陰性度が高く、上部電極13の表面において真空側が負の電気双極子を形成し仕事関数φを更にΔφだけ増大させるため、電子放出効率の低下要因になり易い。
また、本発明者等は、さらに詳細な実験、検討を重ねたところ、電子源の電子放出効率の低下要因は、蛍光体からの硫黄成分の脱離のみならず、その外に、表示パネルに蛍光体層を形成する工程で使用したバインダーを燃焼させ除去するが、その時の残留ガスを上部電極が吸着し、電子放出効率が低下すると云う知見を得た。
したがって、本発明の目的は、電子源の電子放出効率を低下させるこれらの要因を解消することにあり、ホットエレクトロンを放出する薄膜型電子源と蛍光体、とくに硫化物蛍光体を組み合わせた画像表示装置において、電子線照射により蛍光面より発生するガス(特に硫黄成分)が吸着しにくい薄膜型電子源を提供し、電子放出効率が低下するのを防止して、輝度低下の少ない長寿命の画像表示装置を実現することにある。
本発明の目的は、下部電極と上部電極と、これらの間に挟持され電子加速層となる絶縁層とを有し、下部電極と上部電極間に電圧を印加することで上部電極側より電子を真空中に放出する薄膜型電子源が規則的に複数個配列されている基板と、蛍光面を有する表示パネルとを備えた画像表示装置であって、上記薄膜型電子源の上部電極を構成する金属膜上に、前記金属膜と同等か、もしくは前記金属膜より仕事関数の低い酸化物層を被覆することにより実現される。
特に硫化物蛍光体を用いた蛍光面を有する画像表示装置において、その効果が発揮される。
また、上部電極を構成する金属膜としては、特にIr、Pt、Au、Ag、Rh、Ru、Pd、Os、ReなどのVIII族およびIB族の貴金属膜を上記酸化物層で被覆すると有効である。
また、上部電極を構成する金属膜を被覆する酸化物層としては、前記金属膜と同等か、もしくは前記金属膜より仕事関数の低い酸化物層が用いられるが、IA族、IIA族、IIIA族、IIIB族、IVB族の酸化物のいずれか一つ、またはそれらの複合膜が有効であり、特に化学的安定性の高いMg酸化物、Al酸化物、Si酸化物やそれらの複合膜が有効である。
上部電極のガス吸着に起因する特性劣化の問題が解消できる。特に蛍光体が硫化物からなる場合、電子線照射時に蛍光体から脱離する硫黄成分の吸着の起きにくい薄膜型電子源を実現することができ、電子放出効率の低下しにくい、すなわち輝度の低下しにくい長寿命の画像表示装置を実現することができる。
本発明の代表的な画像表示装置の構成例を以下に概説する。
(1)第1の構成例:下部電極と上部電極と、これらの間に挟持され電子加速層となる絶縁層とを有し、下部電極と上部電極間に電圧を印加することで上部電極側より電子を真空中に放出する薄膜型電子源が規則的に複数個配列されている(薄膜型電子源アレイと云う)基板と、蛍光面を有する表示パネルとを備えた画像表示装置であって、上記薄膜型電子源の上部電極を構成する金属膜上には、前記金属膜と同等か、もしくは前記金属膜より仕事関数の低い酸化物層が被覆されていることを特徴とする。
これにより、少なくとも表示パネルに蛍光体層を形成する時に使用したバインダーの燃え残りによる残留ガス吸着に起因する電子源の電子放出効率の低下を防止することができる。
(2)第2の構成例:下部電極と上部電極と、これらの間に挟持され電子加速層となる絶縁層とを有し、下部電極と上部電極間に電圧を印加することで上部電極側より電子を真空中に放出する薄膜型電子源が規則的に複数個配列されている(薄膜型電子源アレイと云う)基板と、硫化物蛍光体を用いた蛍光面を有する表示パネルとを備えた画像表示装置であって、上記薄膜型電子源の上部電極を構成する金属膜上には、前記金属膜と同等か、もしくは前記金属膜より仕事関数の低い酸化物層が被覆されていることを特徴とする。
これにより、硫化物蛍光体層を使用した場合に、蛍光体から脱離した硫黄成分のガス吸着に起因する電子源の電子放出効率の低下をも防止することができる。
(3)第3の構成例:上記(1)もしくは(2)記載の画像表示装置において、薄膜型電子源を構成する上部電極は、Ir、Pt、Au、Ag、Rh、Ru、Pd、Os、ReなどのVIII族及びIB族の元素群から選択される貴金属単体もしくはそれらの合金からなる単層膜もしくは積層膜からなることを特徴とする。
(4)第4の構成例:上記(1)乃至(3)いずれか一つに記載の画像表示装置において、薄膜型電子源の上部電極を被覆する酸化物は、IA族、IIA族、IIIA族、IIIB族及びIVB族の元素群から選ばれる元素の酸化物のいずれか一つ、またはそれらの複合膜からなる単層膜もしくは積層膜であることを特徴とする。
(5)第5の構成例:上記(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の画像表示装置において、上記酸化物は、Mg酸化物、Al酸化物及びSi酸化物の中から選ばれるいずれか一つ、またはそれらの複合膜であることを特徴とする。
以下、図面に従い本発明の実施例を具体的に説明する。
<実施例1>
上記目的を実現する本発明の第1の実施例として、MIM電子源を例に図1及び図4〜図13により説明する。この実施例では説明しない他の薄膜型電子源でも上部電極に同様の手法を用いることができることは云うまでもない。
図1は、本発明の典型的なMIM電子源の要部断面を模式的に示したものである。同図において、基板10、下部電極11、保護絶縁層14、電子加速層となる絶縁層12、層間絶縁膜15及び上部電極13(この例では三層構造)までは周知の構造であるが、上部電極13の上を酸化物層19で被覆しているところが本発明の特徴である。
以下、図1のMIM電子源を得る製造方法と共にMIM電子源の構成例を具体的に説明する。図4〜図13は製造工程図を模式的に示したものであり、これらに従い工程順に製造方法を順次具体的に説明する。
図4に示したように、はじめにガラス等の絶縁性の基板10上に下部電極11用の金属膜を成膜する。図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)の線分A−A´断面図、図4(c)は図4(a)の線分B−B´断面図をそれぞれ示す。なお、以下の図5〜図13においても同様に(b)は(a)の線分A−A´断面図、(c)は(a)の線分B−B´断面図をそれぞれ示す。
下部電極11の材料としてはAlやAl合金を用いる。AlやAl合金を用いたのは、陽極酸化により良質の絶縁膜(電子加速層である絶縁層12及び保護絶縁層14)を形成できるからである。ここでは、下部電極11にNdを2原子量%ドープしたAl-Nd合金を用いた。下部電極11の成膜には例えば、スパッタリング法を用いる。膜厚は300 nmとした。
下部電極11の成膜後は図5に示したように、パターニング工程、エッチング工程によりストライプ形状の下部電極11を形成した。下部電極11の電極幅は画像表示装置のサイズや解像度により異なるが、そのサブピクセルピッチ程度、大体100〜200ミクロン程度とする。エッチングは例えば燐酸、酢酸、硝酸の混合水溶液でのウェットエッチングを用いる。
次に、図6及び図7に示すように、電子放出部を制限し、下部電極エッジへの電界集中を防止する保護絶縁層14と、絶縁層12を形成する。まず図6(a)、(b)、(c)に示すように、下部電極11上の電子放出部となる部分をレジスト膜25でマスクし、その他の露出部分を選択的に厚く陽極酸化し、保護絶縁層14とする。化成電圧を100Vとすれば、厚さ約136 nmの保護絶縁層14が形成される。
つぎに図7(a)、(b)、(c)に示すように、レジスト膜25を除去し残りの下部電極11の表面を陽極酸化する。例えば化成電圧を6Vとすれば、下部電極11上に厚さ約10 nmの絶縁層12が形成される。
次に図8(a)、(b)、(c)に示すように、層間絶縁膜15と、上部電極13への給電線となる上部バス電極(後述する)、およびスペーサを配置するためのスペーサ電極となる金属膜(下層16、上層17)を例えばスパッタリング法等で成膜する。
層間絶縁膜15としては、例えばシリコン酸化物やシリコン窒化膜、シリコンなどを用いることができる。ここでは、シリコン窒化膜を用い膜厚は100nmとした。この層間絶縁膜15は、陽極酸化で形成する保護絶縁層14にピンホールがあった場合、その欠陥を埋め、下部電極11と上部バス電極間の絶縁を保つ役割を果たす。
金属膜(下層16、上層17)は、積層構造とし、金属膜下層16として例えばAl-Nd合金、金属膜上層17として例えばCr、W、Moなどの各種の金属材料を用いることができる。さらに金属層上層17として表面に酸化防止のためにAlやCrを被覆したCuを用い、3層膜とすることも可能である。ここでは金属膜下層16にAl-Nd合金、金属膜上層17としてCrを用いた。
続いて、図9(a)、(b)、(c)に示すように、パターニングとエッチング工程により金属膜上層17を、下部電極11とは直交するストライプ電極に加工する。ストライプ電極は1ピクセル中で1本形成する。
続いて、図10(a)、(b)、(c)に示すように、パターニングとエッチング工程により金属膜下層16を、下部電極11とは直交するストライプ電極として1ピクセル中で1本形成する。その際、図10(c)に示すように、金属膜下層16をストライプ電極に加工する片側では金属膜上層17より、後の工程で電子放出部が形成される側に突き出し(図中に16”で1μmの突出部を表示)、張り出させて段々構造とし、後の工程で上部電極13との電気的接続を確保するコンタクト部とし、その反対側では金属膜上層17をマスクとしてアンダーカット16'を形成し、後の工程で上部電極13を分離する庇を形成する。このように金属下層16及び金属上層17を加工して形成されたストライプ電極は、上部電極13への給電を行う上部バス電極として形成される。
続いて図11(a)、(b)、(c)に示すように、層間絶縁膜15を加工し、電子放出部(絶縁膜12の上部領域)を開口する。電子放出部はピクセル内の1本の下部電極11と、下部電極11と直交する2本のストライプ電極に挟まれた空間の直交部の一部に形成する(レイアウトは後述する図14の平面概略図参照)。エッチングは、例えばCF4やSF6を主成分とする用いたドライエッチングによって行うことができる。
次に図12(a)、(b)、(c)に示すように、上部電極13と酸化膜19の成膜を行う。上部電極13の金属膜としては、Ir、Pt、Au、Ag、Rh、Ru、Pd、Os、ReなどのVIII族、およびIB族の貴金属膜を用いる。ここではIr、Pt、Auの積層膜を用いた。貴金属膜を用いるのは、dバンドの電子占有数が高く、ホットエレクトロンの電子−電子散乱の断面積が小さいので、ホットエレクトロンの透過率が高いためである。
しかしながら、上部電極13に、これらの金属膜のみ用いると、表面にガス分子が吸着し易い。特に電子源に対向配置された硫化物系蛍光体に電子線を照射したとき蛍光体から脱離したガス状の硫黄分子は、電気陰性度が高く、上部電極(貴金属)13表面から電子を引き付け、電子を放出する真空側が負の電気双極子を形成して仕事関数を上げるため電子放出効率が低下し易い(電気二重層が形成されることを先に図3で説明した)。
そこで本発明では、電子の授受が起きにくい酸化膜19で上部電極(金属膜)13表面を被覆し、ガス吸着を防止する。酸化膜19としては上部電極(金属膜)13と同等か、もしくはそれより仕事関数が低い、例えばIA族、IIA族、IIIA族、IIIB族、IVB族の酸化物が有効であるが、特に化学的に安定で耐熱性の高いMgO、Al2O3、SiO2などが有効である。
酸化膜19の成膜法としては、例えば酸化物ターゲットを用いたRFスパッタ法、酸素等を導入しながら成膜する反応性スパッタ法、MgやAl、Siなどをまず貴金属電極(上部電極)13上にスパッタリングで成膜し、それを自然酸化や熱酸化などの酸化工程を経て貴金属膜13上に酸化膜19を形成する方法がある。ここでは、膜厚6nmのIr-Pt-Au3層積層膜からなる上部電極13上に反応性スパッタリングにより1nmのAl2O3の酸化膜19を成膜した。なお、酸化膜19の膜厚は通常0.3nm〜3nm程度の単層もしくは積層膜が好ましい。
図12(c)に示すように、上部電極13と酸化膜19は、スパッタリング成膜の際、図中に破線で示した隣接するストライプ形状の走査電極(金属上層17、金属下層16)の片側で、アンダーカット16'による庇構造により切断される。
一方、ストライプ形状の走査電極の反対側(電子放出部を形成する側)では金属膜下層16の突出部16”により断線を起こさずに接続され、層間絶縁膜15上を経て、絶縁層12上を覆い給電される構造となる。このようにして得られた電子源の要部断面構造を図12(b)に示しているが、これは先に図1に示した薄膜型電子源の要部断面図に相当する。
最後に図13(a)、(b)、(c)に示すように、金属膜上層17をストライプ状電極にパターン化して構成した上部バス電極上にスクリーン印刷法によりAgペーストを印刷し、厚膜電極18を形成する。金属膜上層17と厚膜電極18の間の酸化膜19は非常に薄いため、印刷時に簡単に破壊され、金属膜上層17と厚膜電極18の電気的接続を確保することができる。Agペーストは10〜20μm程度と厚膜化できるため、配線抵抗の低減と不図示のスペーサからの圧力を吸収し、さらに導電性のためスペーサの帯電を防止することもできる。
厚膜電極18は乾燥後、パネルを封着する際の高温プロセスにより焼成され、低抵抗化とスペーサの接着とを行う。
なお、スペーサは、周知のように画像表示装置を組み立てる際に、蛍光体パターンが形成された表示パネルと電子源アレイが形成された基板とを真空状態に封止し、かつこれら両者を支持するものである。
<実施例2>
図14に本発明の画像表示装置の平面模式図を示す。表示側基板(表示パネル)は説明のため、一部のみ図示している。表示側基板にはガラス板上に、コントラストを上げる目的のブラックマトリクス120、赤色蛍光体111、緑色蛍光体112と青色蛍光体113とが形成されている。
蛍光体としては、例えば赤色にY2O2S:Eu(P22-R)、緑色にZnS:Cu、Al(P22-G)、青色にZnS:Ag、Cl(P22-B)を用いる。これらの蛍光体は高発光効率であるが、電子線照射により硫黄成分が脱離し易く陰極(上部電極13)を汚染し易い材料である。しかし、本発明では、薄膜型電子源の上部電極13表面を酸化膜19で被覆しているため、脱離した硫黄成分が上部電極13表面に吸着しにくく、電子放出効率の低下は起きにくい。
スペーサ30は、実施例1で得られた薄膜型電子源基板の厚膜電極18上に配置し、蛍光面基板(表示パネル)のブラックマトリクス120の下に隠れるように配置する。下部電極11は信号線回路50へ結線し、厚膜電極(走査線)18は走査線回路60に結線する。
薄膜型電子源では走査線18に印加させる電圧は数V〜数10Vであり、数KVを印加する蛍光面に対する電圧に比較して十分に低く、スペーサ30の陰極側に対しほぼ接地電位に近い電位を与えることができる。
本実施例の画像表示装置の性能テストを、酸化膜19で上部電極上を被覆しない在来の電子源を組み込んだ比較品と対比して行った。画像表示装置の駆動条件は両者とも同一で、電子源10V、蛍光面5KVであり、1,000時間後の電流減少率を比較した。
その結果、在来の電子源を組み込んだ比較品の電流減少率は50%であったのに対し、本実施例の電流減少率は20%程度であり、飛躍的な特性向上が見られた。
また、表示パネルを分解し、電子源の上部電極13表面のオージェ分析をしたところ、本実施例では硫黄が検出されなかったが、比較品では硫黄の高いピークが表れ硫化物蛍光体から脱離した硫黄が上部電極13に吸着されていることがわかった。
本発明の画像表示装置に適用される薄膜型電子源の断面構造図を示すである。 薄膜型電子源の動作原理を示す模式図である。 硫黄成分の吸着により上部電極表面に形成される電気二重層の模式図である。 本発明の実施例となる薄膜型電子源の製造工程を示す図である。 本発明の実施例となる薄膜型電子源の製造工程を示す図である。 本発明の実施例となる薄膜型電子源の製造工程を示す図である。 本発明の実施例となる薄膜型電子源の製造工程を示す図である。 本発明の実施例となる薄膜型電子源の製造工程を示す図である。 本発明の実施例となる薄膜型電子源の製造工程を示す図である。 本発明の実施例となる薄膜型電子源の製造工程を示す図である。 本発明の実施例となる薄膜型電子源の製造工程を示す図である。 本発明の実施例となる薄膜型電子源の製造工程を示す図である。 本発明の実施例となる薄膜型電子源の製造工程を示す図である。 本発明の実施例となる画像表示装置の概要を模式的に示した平面図である。
符号の説明
10…基板、
11…下部電極、
12…絶縁層(電子加速層)、
13…上部電極、
14…保護絶縁層、
15…層間絶縁膜、
16…金属膜下層、
16'… 金属膜下層16のアンダーカット部、
16”…金属膜下層16の突き出し部、
17…金属膜上層、
18…厚膜電極(走査線)、
19…酸化物、
20…硫黄、
21…真空、
25…レジスト膜、
30…スペーサ、
50…下部電極駆動回路(信号回路)、
60…上部電極駆動回路(走査回路)、
111…赤色蛍光体、
112…緑色蛍光体、
113…青色蛍光体、
120…ブラックマトリクス、
φ…仕事関数、
e-…放出電子。

Claims (5)

  1. 下部電極と上部電極と、これらの間に挟持され電子加速層となる絶縁層とを有し、下部電極と上部電極間に電圧を印加することで上部電極側より電子を真空中に放出する薄膜型電子源が規則的に複数個配列されている基板と、蛍光面を有する表示パネルとを備えた画像表示装置であって、上記薄膜型電子源の上部電極を構成する金属膜上には、前記金属膜と同等か、もしくは前記金属膜より仕事関数の低い酸化物層が被覆されていることを特徴とする画像表示装置。
  2. 下部電極と上部電極と、これらの間に挟持され電子加速層となる絶縁層とを有し、下部電極と上部電極間に電圧を印加することで上部電極側より電子を真空中に放出する薄膜型電子源が規則的に複数個配列されている基板と、硫化物蛍光体を用いた蛍光面を有する表示パネルとを備えた画像表示装置であって、上記薄膜型電子源の上部電極を構成する金属膜上には、前記金属膜と同等か、もしくは前記金属膜より仕事関数の低い酸化物層が被覆されていることを特徴とする画像表示装置。
  3. 請求項1もしくは2記載の画像表示装置において、薄膜型電子源の上部電極を構成する金属膜は、Ir、Pt、Au、Ag、Rh、Ru、Pd、Os及びReの元素群から選択されるいずれか一つの貴金属単体もしくはそれらの合金からなる単層膜もしくは積層膜からなることを特徴とする画像表示装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つに記載の画像表示装置において、薄膜型電子源の上部電極を構成する金属膜上を被覆する酸化物層は、IA族、IIA族、IIIA族、IIIB族及びIVB族の元素群から選ばれる元素の酸化物のいずれか一つ、またはそれらの複合膜からなる単層膜もしくは積層膜であることを特徴とする画像表示装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれか一つに記載の画像表示装置において、薄膜型電子源の上部電極を構成する金属膜上を被覆する酸化物層は、Mg酸化物、Al酸化物及びSi酸化物の中から選ばれるいずれか一つ、またはそれらの複合膜であることを特徴とする画像表示装置。
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JP2008159392A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Hitachi Ltd 画像表示装置とその製造方法
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