JP2005300381A - プローブ検査装置及びプローブ検査装置本体 - Google Patents

プローブ検査装置及びプローブ検査装置本体 Download PDF

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Abstract

【課題】 地震の揺れによるプローブ針への押圧力の付加を低減することができ、プローブ針の変形をある程度防止できるようにしたプローブ検査装置及びプローブ検査装置本体を提供する。
【解決手段】 地震検出装置は、所定の大きさ以上の振れを検知する揺れ検知センサ60と、揺れ検知センサによる揺れの検知結果に基づいて地震が発生したか否かを判断する制御部と、地震が発生したと制御部が判断した場合に、プローバ本体50に退避信号を送信する送受信部とを備え、プローバ本体50は、ウエーハ載置用のステージ10と、ステージ10のウエーハ載置面にプローブ針22を向けたプローブカード20と、地震検出装置から送信される退避信号を受信する送受信部と、送受信部が退避信号を受信した場合に、ウエーハを載せたステージ10を下降させて、プローブカード20とステージ10との間を離すステージ昇降機構5とを備えたものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、プローブ検査装置及びプローブ検査装置本体に係り、特に、所定の大きさ以上の地震が発生した場合に、プローブ針の変形をある程度防止できるようにした技術に関するものである。
従来から、半導体ウエーハに作り込まれたICチップの電気的特性(抵抗値、耐圧、リーク電流、出力電流、出力電圧、閾値電圧、又は回路動作等)を検査する検査装置として、プローバ100が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。この種のプローバ100は、所定の検査プログラムにしたがって、プローブカードのプローブ針を半導体ウエーハに作り込まれたICチップのパッド電極に当て、このパッド電極を介して、ICチップに所定の電気信号を入力し、戻りの信号を検出することによって、このICチップの電気的特性を自動的に検査するものである。
近年では、ICチップの微細化、高集積化が進みつつあり、このICチップのパッド電極も小さくなりつつある。例えば、ICチップのパッド電極は、通常、平面視での形状が矩形であり、その大きさは例えば縦方向に20〜100[μm]、横方向に20〜100[μm]程度である。また、このような極微細なパッド電極に接触させるプローブカードのプローブ針の先端部分及びその近傍も微細であり、隣り合うプローブ針同士の距離(ピッチ)は、例えば20〜100[μm]程度である。ICチップの微細化、高集積化が進展する中で、プローバ100を用いてプローブ検査を正しく行うためには、プローブ針をICチップのパッド電極に精度良く接触させることが重要であり、それらの位置合わせには極めて高い精度が要求されている。
このようなプローバ100を用いたICチップの検査工程(以下、「プローブ検査工程」という。)では、通常、ICチップ1個当たりの検査に要する時間は例えば8〜16秒である。この8〜16秒の間は、プローブ針はICチップのパッド電極に接触した状態である。また、ICチップの検査が終了した後で、プローブ針をICチップのパッド電極から離し、離したプローブ針を隣り合う他のICチップのパッド電極に接触させるのに要する時間は例えば0.5秒程度である。従って、プローブ針はほぼ常時、ICチップのパッド電極に接触した状態となっている。
特開平6−318622号公報 実登3052458号公報
ところで、上述したプローブ検査工程で、実施にICチップの検査を行う場合には、通常、プローブ針を有するプローブカードはプローバ100のテストヘッド下に固定され、半導体ウエーハはプローバ100のステージ上に固定される。従って、プローブ針とICチップのパッド電極とが接触した状態で地震が発生した場合には、プローブ針とICチップとは同じ方向に同時に揺れるはずである。
しかしながら、ほぼ全てのプローバ100で、プローブカードはテストヘッドに着脱可能に取り付けられる構造となっている。そして、このような着脱可能な構造ゆえに、プローブカードとテストヘッドとの間には「あそび」と呼ばれる空隙がごく僅かながらも存在してしまう。また、プローブ針は極微細であり、その一端だけがプローブカードに固定された状態である。従って、プローブ針は揺れ等の外力を受けるとふらついてしまう傾向がある。
このような理由から、プローブ針とICチップのパッド電極とが接触した状態で地震が発生すると、実際には、プローブ針とICチップとの揺れ方に差が生じてしまい、プローブ針がウエーハに押されて変形してしまうという問題があった。プローブカードは、検査対象であるデバイスの種類や、大きさによってそのプローブ針の配置位置やピッチ等が異なり、その製作や修理には専門技術を備えた職人による手作業に頼るところが大きい。従って、一度変形してしまったプローブ針を元の形状に直すには、多大なコストがかかってしまう。
一方、特許文献2には、許容範囲を超えた地震(震度4以上)が発生した場合に、電気回路を遮断する地震検知ブレーカー装置が記載されている。このような地震検知ブレーカーは、例えば半導体装置の製造工程で用いられるイオン注入装置等には有効であるが、プローバ100に適用した場合には、プローブ針とICチップのパッド電極とが接触した状態で、プローバ100の電源が落とされてしまう可能性が極めて高い。従って、特許文献2をプローバ100に適用した場合には、上述した地震によるプローブ針の変形を十分に防止することはできないという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、地震の揺れによるプローブ針への押圧力の付加を低減することができ、プローブ針の変形をある程度防止できるようにしたプローブ検査装置及びプローブ検査装置本体の提供を目的とする。
上記した課題を解決するために、発明1のプローブ検査装置は、プローブ検査装置本体と、地震検出装置とを含むプローブ検査装置であって、前記地震検出装置は、所定の大きさ以上の振れを検知する揺れ検知手段と、前記揺れ検知手段による前記揺れの検知結果に基づいて地震が発生したか否かを判断する地震発生判断手段と、前記地震が発生したと前記地震発生判断手段が判断した場合に、前記プローブ検査装置本体に退避信号を送信する退避信号送信手段とを備え、前記プローブ検査装置本体は、ウエーハを載置するためのステージと、前記ステージのウエーハ載置面に対して鉛直方向に離れた位置に設けられ、当該ウエーハ載置面にそのプローブ針を向けたプローブカードと、前記地震検出装置から送信される前記退避信号を受信する退避信号受信手段と、前記退避信号受信手段が前記退避信号を受信した場合に、前記プローブカード又は、前記ウエーハを載せた前記ステージの少なくともどちらか一方を移動させて、前記プローブカードと前記ステージとの間を離す離間手段と、を備えたことを特徴とするものである。
このような構成であれば、プローブ検査装置本体は、退避信号受信手段が前記退避信号を受信した場合に、離間手段によって、プローブカード又は、ウエーハを載せたステージの少なくともどちらか一方を移動させて、プローブカードとステージとの間を離すことが可能である。
ここで、プローブ針がウエーハに接触した状態で、所定の大きさ以上の地震が発生すると、その揺れが続くにつれて、プローブカードと、ウエーハを載せたステージとの間でそれぞれの揺れ方に差が生じ、この差によってプローブ針はウエーハに押圧されて変形してしまう可能性がある。
図12は、地震による揺れの持続時間と、プローブカードの破損発生率との関係を示す図である。図12の横軸は、地震による揺れの持続時間[sec]である。図12の横軸の0(原点)はプローブ検査装置に所定の大きさ以上の揺れが伝わり始めた時点を示す。所定の大きさの揺れとは、例えば、震度3,4程度の揺れのことである。また、図12の縦軸はプローブカードの破損発生率[%]である。具体的には、プローブ検査装置に取り付けられていた全てのプローブカードに対する、プローブ針に修理が必要な程度の重大な変形等が生じてしまったプローブカードの割合である。図12に示すように、揺れの持続時間が長いほどプローブカードの破損発生率は増え、その増加は地震の揺れが収束するまで続く。
このようなプローブ針の変形は、地震の揺れが大きい(即ち、震度が大きい)ほど顕著になる傾向がある。例えば、震度1,2程度の揺れならばプローブ針はほとんど変形しないが、震度3,4以上の揺れになると、プローブ針は大きく変形してしまう場合がある。また、図12に示すように、揺れの持続時間が長いほど、プローブ針が変形してしまう可能性が高くなる傾向がある。
発明1のプローブ検査装置によれば、所定の大きさ以上の地震が発生した場合に、プローブ針をウエーハから離し遠ざけることができる。従って、従来の技術と比べて、地震の揺れが続いている最中でのウエーハとプローブ針との接触の機会を少なくすることができ、プローブ針への押圧力の付加を低減することができる。これにより、プローブ針の変形をある程度防止することができる。
更に、発明2のプローブ検査装置は、上述した発明1のプローブ検査装置において、前記地震検出装置は、前記地震が発生したと前記地震発生判断手段が判断した後の前記揺れ検知手段による前記揺れの検知結果に基づいて、当該地震が収束したか否かを判断する地震収束判断手段と、前記地震が収束したと前記地震収束判断手段が判断した場合に、前記プローブ検査装置本体に復帰信号を送信する復帰信号送信手段とを備え、前記プローブ検査装置本体は、前記地震検出装置から送信される前記復帰信号を受信する復帰信号受信手段と、前記復帰信号受信手段が前記復帰信号を受信した場合に、前記プローブカード又は、前記ウエーハを載せた前記ステージの少なくともどちらか一方を移動させて、前記プローブカードと前記ステージとの位置関係を前記地震が発生する前の状態に戻す復帰手段とを備えたことを特徴とするものである。
このような構成であれば、プローブ検査装置本体は、復帰信号受信手段が前記復帰信号を受信した場合に、復帰手段によって、プローブカード又は、ウエーハを載せたステージの少なくともどちらか一方を移動させて、プローブカードとステージとの位置関係を前記地震が発生する前の状態に戻すことが可能である。
発明2のプローブ検査装置によれば、地震が収束した後で、プローブカードとステージとの位置関係を地震が発生する前の状態に自動で戻すことができるので、オペレータはプローブカードとステージとの位置関係を地震発生前の状態にわざわざ戻す必要がない。従って、オペレータの作業負荷の軽減に貢献することができる。
更に、発明3のプローブ検査装置は、上述した発明1、又は発明2のプローブ検査装置において、前記プローブ検査装置本体は、前記プローブカードと前記ステージとの位置関係が前記退避信号を受信する前の状態に戻された後で、前記プローブ針と前記ウエーハとの導通検査を行う導通検査手段を備えたことを特徴とするものである。
このような構成であれば、プローブ検査装置本体は、プローブカードとステージとの位置関係が前記退避信号を受信する前の当該位置関係に戻された後で、導通検査手段によって、プローブ針とウエーハとの導通検査を行うことが可能である。発明3のプローブ検査装置によれば、このような導通検査によって、プローブ針に修理を必要とするような変形が生じたか否かを自動で判断することができる。
更に、発明4のプローブ検査装置は、上述した発明1から発明3の何れか一つのプローブ検査装置において、前記プローブ検査装置本体を複数台含むことを特徴とするものである。発明4のプローブ検査装置によれば、例えば1台の地震検出装置で複数台のプローブ検査装置本体に対応できる。
更に、発明5のプローブ検査装置は、上述した発明1から発明4の何れか一つのプローブ検査装置において、前記地震検出装置は複数の前記揺れ検知手段を備え、前記地震発生判断手段は、所定の数以上の前記揺れ検知手段が前記揺れを検知した場合に、前記地震が発生したと判断することを特徴とするものである。
ここで、揺れ検知手段は、例えば複数台のプローブ検査装置本体にそれぞれ少なくとも1つ以上取り付けられている。又は、揺れ検知手段は、例えばプローブ検査装置本体が設置された建造物に少なくとも1つ以上取り付けられている。或いは、揺れ検知手段は、例えば複数台のプローブ検査装置本体にそれぞれ少なくとも1つ以上取り付けられており、かつプローブ検査装置本体が設置された建造物にも少なくとも1つ以上取り付けられている。
発明5のプローブ検査装置によれば、地震発生判断手段は、複数の揺れ検知手段による揺れの検知結果に基づいて地震が発生したか否かを判断することができる。従って、例えば、1個又は2個程度の揺れ検知手段が故障したり、或いは、誤作動したりしたような場合でも、地震発生判断手段は、他の揺れ検知手段による揺れの検知結果に基づいて地震が発生したか否かを判断することができるので、地震検出装置の信頼性を高めることができる。
更に、発明6のプローブ検査装置は、上述した発明5のプローブ検査装置において、前記プローブ検査装置本体を複数台含み、前記所定の大きさ以上の揺れを検知した前記揺れ検知手段の数が前記所定の数に満たない場合には、前記退避信号送信手段は、前記複数台のプローブ検査装置本体の中から、前記揺れを検知した前記揺れ検知手段が対応する前記プローブ検査装置本体だけに前記退避信号を送信することを特徴とするものである。ここで、揺れ検知手段が対応するプローブ検査装置本体とは、例えば、この揺れ検知手段が取り付けられたプローブ検査装置本体や、この揺れ検知手段から所定距離の範囲内にあるプローブ検査装置本体、等のことである。
発明6のプローブ検査装置によれば、例えば、オペレータがクリーンルーム内に入り、誤ってプローブ検査装置本体に強く接触してしまったような場合でも、この接触したプローブ検査装置本体だけに退避信号を送信することができるので、そのプローブ針の変形をある程度防ぐことができる。
更に、発明7のプローブ検査装置は、上述した発明5又は発明6のプローブ検査装置において、前記地震発生判断手段によってその発生が判断され、その後、前記地震収束判断手段によってその収束が判断された前記地震を初震としたとき、前記地震発生判断手段の地震発生の判断基準である前記所定の数は、前記初震の収束を判断した後で所定時間が経過するまでの間は、前記初震の発生を判断したときよりも少ない値に設定されることを特徴とするものである。ここで、初震が本震の場合にはその後、所定時間内に余震が発生する可能性がある。また、初震が予震の場合にはその後、所定時間内に本震が発生する可能性がある。
発明7のプローブ検査装置によれば、初震後に引き続いて起こる可能性がある余震、又は本震に備えて、地震検出装置の検出感度を高めておくことができ、余震、又は本震発生時にプローブ針の変形をより防ぐことができる。
更に、発明8のプローブ検査装置本体は、ウエーハを載置するためのステージと、前記ステージのウエーハ載置面に対して鉛直方向に離れた位置に設けられ、当該ウエーハ載置面にそのプローブ針を向けたプローブカードと、所定の大きさ以上の揺れを伴う地震が発生した際に地震検出装置から送信される退避信号を受信する退避信号受信手段と、前記退避信号受信手段が前記退避信号を受信した場合に、前記プローブカード又は、前記ウエーハを載せた前記ステージの少なくともどちらか一方を移動させて、前記プローブカードと前記ステージとの間を離す離間手段と、を備えたことを特徴とするものである。
ここで、地震検出装置は、例えば、所定の大きさ以上の振れを検知する揺れ検知手段と、前記揺れ検知手段による前記揺れの検知結果に基づいて地震が発生したか否かを判断する地震発生判断手段と、前記地震が発生したと前記地震発生判断手段が判断した場合に、退避信号を送信する退避信号送信手段とを備えたものである。
発明8のプローブ検査装置本体によれば、所定の大きさ以上の地震が発生した場合に、プローブ針をウエーハから離し遠ざけることができる。従って、従来の技術と比べて、地震の揺れが続いている最中でのウエーハとプローブ針との接触の機会を少なくすることができ、プローブ針への押圧力の付加を低減することができる。これにより、プローブ針の変形をある程度防止することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係るプローブ検査装置及びプローブ検査装置本体について説明する。
(1)第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係るプローバ100の構成例を示すブロック図である。このプローバ100は、半導体ウエーハ(以下で、単にウエーハと略称する)に作り込まれたICチップの電気的特性を検査する際に使用される検査装置である。図1に示すように、このプローバ100は、プローバ本体50と、地震検出装置80とから構成されている。
図1に示すように、地震検出装置80は、揺れ検知センサ60と、制御部70と、送受信部72等から構成されている。これらの中で、揺れ検知センサ60は、例えばプローバ本体50を外側から囲む筐体40に固定されている(図2参照。)。この揺れ検知センサ60は、例えば振り子等を利用したものであり、震度3以上の揺れを検知できる検知感度を有する。
また、図1に示すように、制御部70は、例えばCPU(central processing unit)と、所定領域にあらかじめCPUの制御プログラム等を格納するRAM(random access memory)とを含む構成となっている。この制御部70は、揺れ検知センサ60と、送受信部72とそれぞれ相互にかつデータ授受可能に接続されている。この制御部70は、揺れ検知センサ60による揺れの検知結果に基づいて地震が発生したか否かを判断する機能を備えている。また、この制御部70は、地震が発生したと判断した場合には、例えばRAMに格納された制御プログラムに基づいてプローバ本体50のテストヘッド35や、ステージ昇降機構5等を制御する機能も備えている。
送受信部72は、インターフェース(以下、「I/F」という。)回路を含み、データを転送するための信号線又は無線を介してプローバ本体50にデータを送信する機能と、プローバ本体50から送信されてくるデータを受信する機能とを兼ね備えている。この送受信部72は、制御部70とそれぞれ相互にかつデータ授受可能に接続されている。
一方、プローバ本体50は、送受信部42と、テストヘッド35と、パフォーマンスボードと、中間配線基板と、プローブカード20と、ステージと、ステージ昇降機構5と、筐体等から構成されている。これらの中で、パフォーマンスボードと、中間配線基板と、ステージと、筐体については、図2を参照しながら説明する。
図1に示す送受信部42は、I/F回路を含み、データを転送するための信号線又は無線を介して地震検出装置80にデータを送信する機能と、地震検出装置80から送信されてくるデータを受信する機能とを兼ね備えている。この送受信部42は、また、テストヘッド35と、ステージ昇降機構5とにそれぞれ相互にかつデータ授受可能に接続されている。
図2は、プローバ本体50の構成例を示す概念図である。図2に示すように、プローバ本体50を構成するステージ10は、ウエーハWを載置するための台である。このステージ10のウエーハ載置面には複数の吸着孔が設けられており、このウエーハ載置面にウエーハWを吸着し固定することが可能となっている。また、ステージ昇降機構5は、ステージ10を鉛直方向に昇降させる機能を持っている。このステージ昇降機構5は、上述したように送受信部42(図1参照。)とデータ授受可能に接続されており、制御部70(図1参照。)によってその昇降動作が制御可能となっている。
テストヘッド35は、ステージ10のウエーハ載置面に対して鉛直方向に離れた位置に取り付けられている。このテストヘッド35は、所定の検査プログラムに従って、検査用の電気信号をプローブカード20に出力し、又は戻りの電気信号を受けることによって、ウエーハWに作り込まれたICチップの電気的特性を検査するものである。このテストヘッド35は、上述したように送受信部42(図1参照。)とデータ授受可能に接続されており、制御部70(図1参照。)によってその検査処理が制御可能となっている。
図2に示すように、このプローバ本体50では、テストヘッド35のステージ側にパフォーマンスボード30と、中間配線基板25と、プローブカード20とが階層を成して取り付けられており、配線の線幅及びそのピッチ間隔は、テストヘッド35からプローブカード20にかけて徐々に小さくなっている。また、プローブカード20には、このプローブカード20の複数の配線にそれぞれ一端が接続した複数本のプローブ針22が設けられている。図2に示すように、これらのプローブ針の他端は、プローブカード20からステージ10のウエーハ載置面に向けて突き出ている。
図3(A)はウエーハWに作り込まれたICチップCの配置の一例を示す平面図である。また、図3(B)は、ICチップCとプローブ針22とのコンタクト例を示す平面図である。図3(A)に示すように、ウエーハWの表面には多数のICチップCが小さく、かつ整然と作り込まれている。また、プローブ検査時には、図3(B)に示すように、プローブ針22はその先端部がICチップCのパッド電極Pにそれぞれ一対一で接触できるように、その配置と隣り合う針間のスペース(ピッチ)とがそれぞれ調整されている。例えば、パッド電極Pの平面視での形状は正方形であり、その一片の長さは100[μm]程度、隣り合うパッド電極P間のスペースは50[μm]程度である。また、パッド電極Pの形状とその大きさ、パッド電極P間のスペースが上記の値である場合には、プローブ針22のピッチは150[μm]程度に調整されている。
なお、図2に示すプローバ本体50では、プローブカード20は中間配線基板25に着脱可能に取り付けられている。また、この中間配線基板25はパフォーマンスボード30に、パフォーマンスボード30はテストヘッド35にそれぞれ着脱可能に取り付けられている。
図4は、クリーンルーム99内におけるプローバ100の配置例を示す概念図である。上述した地震検出装置とプローバ本体とで構成されるプローバ100は、例えばクリーンルーム99内に複数台用意され、整然と設置される。図4では、プローバ本体の筐体40の外側に揺れ検知センサ60が固定されている。また、揺れ検知センサ60を除く地震検出装置(即ち、図1に示した制御部70、送受信部72等)は、プローバ本体の筐体40内に格納されている。
図5は、プローバ100によるプローブ針22の保護動作例を示すフローチャートである。次に、所定の大きさ以上の地震が発生した場合に、上述したプローバ100がプローブ針22を保護するために行う一連の動作について、図1、図2及び図5を参照しながら説明する。なお、この第1実施形態では、図2に示したプローバ本体50のステージ10上にウエーハWを載せた状態でプローブ検査を行っている際に、震度3以上の地震が発生した場合を想定する。
まず始めに、図5のステップS1で、地震検出装置80の揺れ検知センサ60が揺れを検知し、この揺れ検知センサ60は制御部70に向けて揺れの検知を知らせる信号(以下、「揺れ検知信号」という。)を送信する。すると、ステップS2で、制御部70は「震度3以上の地震が発生した。」と判断する。
制御部70は、このような判断をした後、直ちに送受信部72,42を介して、ステージ昇降機構5にステージ10の下降を指示する信号(以下、「下降指示信号」という。)を送信する。ステージ昇降機構5は、この下降指示信号を受けてステージ10を下降させるので、ステージ10上に載置されたウエーハWとプローブ針22との間が離される。そして、ステージ10が所定の退避位置まで下降し、その下降動作を完了した後で、図5のステップS3へ進む。
このステップS3では、プローバ本体50は制御部70の制御によって一定時間待機する。ここで、一定時間とは、例えば30秒〜60秒程度である。次に、ステップS4で、制御部70は、揺れ検知センサ60から送信されてくる信号に基づいて、地震(揺れ)が続いているか否かを判断する。例えば、震度3以上の揺れを知らせる揺れ検知信号が、揺れ検知センサ60から制御部70に依然として送られてきている場合には、制御部70は地震がまだ続いていると判断し、ステップS3へ戻る。また、このような揺れ検知信号が揺れ検知センサ60から制御部70に送られてこなくなった場合には、制御部70は地震が収まったと判断し、図5のステップS5へ進む。
ステップS5では、制御部70は、送受信部72,42を介して、ステージ昇降機構5にステージ10の上昇を指示する信号(以下、「上昇指示信号」という。)を送信する。ステージ昇降機構5は、この上昇指示信号を受けてステージ10を上昇させるので、ステージ10は地震発生前の検査位置に戻る。ここで、プローブ針22に重大な変形等が生じていない場合には、ステージ10が検査位置に戻ると、プローブカード20のプローブ針22は、地震発生時に接触していたICチップのパッド電極に再び接触することとなる。ステージ10が地震発生前の検査位置に完全に戻った後で、図5のステップS6へ進む。
ステップS6では、制御部70は、送受信部72、42を介して、テストヘッド35に導通検査の開始を指示する信号(以下、「導通検査開始信号」という。)を送信する。テストヘッド35は、この導通検査開始信号を受けて、ウエーハWに向けて所定の電気信号を出力する。プローブ針22がICチップのパッド電極に正しく接触している(即ち、導通している)場合には、この電気信号はICチップに伝わり、そして、戻りの電気信号がICチップからプローブ針22等を通してテストヘッド35に出力される。また、プローブ針22がICチップのパッド電極に正しく接触していない(即ち、導通していない)場合には、この電気信号はICチップに伝わらず、その結果当然に、テストヘッド35は戻りの電気信号を受け取ることができない。次に、図5のステップS7へ進む。
ステップS7では、制御部70は、上記の導通検査における戻り信号の有無に基づいて、プローブ針22に修理を要するような重大な変形等が生じたか否かを判断する。即ち、テストヘッド35が戻りの電気信号を検出した場合には、制御部70は「ICチップのパッド電極にプローブ針22は正しく接触しており、プローブ針22に重大な変形等は生じていない。」と判断する。制御部70がプローブ針22に重大な変形等は無いと判断した場合には、図5のステップS8へ進み、地震によって中断していたICチップのプローブ検査を再開する。
一方、テストヘッド35が戻りの電気信号を検出しなかった場合には、制御部70は「ICチップのパッド電極にプローブ針22は正しく接触しておらず、プローブ針22に重大な変形等が生じた可能性がある。」と判断する。制御部70がプローブ針22に重大な変形等が有ると判断した場合には、図5のステップS9へ進む。ステップS9では、制御部70は、例えば、青、赤、黄色を発光可能なシグナルタワ(図示せず)や、スピーカ(図示せず)等を通して警報を発生し、オペレータ等にプローブ針22の異常を知らせる。これにより、図5のフローチャートを終了する。
このように、本発明の第1実施形態に係るプローバ100によれば、震度3以上の地震が発生した場合に、プローブ針22をウエーハWから離し遠ざけることができる。従って、従来の技術と比べて、震度3以上の地震の揺れが続いている最中でのウエーハWとプローブ針22との接触の機会を少なくすることができ、プローブ針22への押圧力の付加を低減することができる。これにより、プローブ針22の変形をある程度防止することができ、プローブカードの修理コストの低減に貢献することができる。また、地震発生後に、プローブ針に修理を要するような重大な変形等が生じたか否かを自動で判断できるので、スループットロス時間の短縮化に貢献することができる。
この第1実施形態では、プローバ本体50が本発明のプローブ検査装置本体に対応し、地震検出装置80が本発明の地震検出装置に対応し、プローバ100が本発明のプローブ検査装置に対応している。また、揺れ検知センサ60が本発明の揺れ検知手段に対応し、制御部70が本発明の地震発生判断手段と地震収束判断手段とに対応している。さらに、送受信部72が本発明の退避信号送信手段と復帰信号送信手段とに対応し、送受信部42が本発明の退避信号受信手段と復帰信号受信手段とに対応している。また、ステージ昇降機構5が本発明の離間手段と復帰手段とに対応し、テストヘッド35が本発明の導通検査手段に対応している。
(2)第2実施形態
図6は、本発明の第2実施形態に係るプローブ検査装置200の構成例を示す概念図である。図6に示すプローブ検査装置200において、図1及び図2に示したプローバ100と同一の機能を有する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図6に示すように、このプローブ検査装置200は、例えば10台のプローバ本体50と、1台の地震検出装置80´等から構成されている。プローバ本体50の各構成部と、それらの機能については、図1及び図2を参照しながら説明した通りである。
地震検出装置80´は、例えば15個の揺れ検知センサ60と、1つの制御部70と、1つの送受信部72とから構成されている。この地震検出装置80´では、制御部70は15個の揺れ検知センサ60とそれぞれ相互にかつデータ授受可能に接続されている。この地震検出装置80´では、制御部70はこれら15個の揺れ検知センサ60による揺れの検知結果に基づいて地震が発生したか否かを判断するようになっている。
図7は、クリーンルーム99内におけるプローブ検査装置200の配置例を示す概念図である。地震検出装置80´を構成する制御部70(図6参照。)と、送受信部72(図6参照。)は、サーバ150の筐体内に格納されている。ここで、サーバ150とは、例えば10台のプローバ本体50の検査処理をそれぞれ制御し、かつ、これらプローバ本体50と、検査対象であるロットのステータスを管理する機能を備えたプローブ検査装置200全体の制御システムである。
図7に示すように、地震検出装置80´を構成する15個の揺れ検知センサ60のうち、10個の揺れ検知センサ60は10台のプローバ本体50にそれぞれ1個ずつ固定されている。また、4個の揺れ検知センサ60は、クリーンルーム99の四隅にそれぞれ取り付けられている。残り1個の揺れ検知センサ60は、サーバ150の筐体の外側に取り付けられている。
図8は、プローブ検査装置200によるプローブ針22の保護動作例(その1)を示すフローチャートである。次に、所定の大きさ以上の地震が発生した場合に、上述したプローブ検査装置200がプローブ針22を保護するために行う一連の動作について、図1、図6及び図7を参照しながら説明する。なお、この第2実施形態では、例えば10台のプローバ本体50がそのステージ10上にウエーハWを載せた状態でそれぞれプローブ検査を行っている際に、震度3以上の地震が発生した場合を想定する。
まず始めに、図8のステップA1で、少なくとも1個以上の揺れ検知センサ60が揺れを検知し、この揺れ検知センサ60がサーバ150内に格納されている制御部70に揺れ検知信号を送信する。図8のステップA2では、制御部70は、15個の揺れ検知センサ60のうち、何個の揺れ検知センサ60が揺れを検知しているのかを確認する。
ここで、揺れを検知した揺れ検知センサ60の個数が、揺れ検知センサの全個数(以下、単に「全個数」という。)の例えば80パーセント(15個×0.8=12個)以上に達する場合には、図8のステップA3へ進む。ステップA3では、制御部70は、全個数の80パーセント以上が揺れを検知したという結果に基づいて、「震度3以上の地震が発生した。」と判断する。また、揺れを検知した揺れ検知センサ60の個数が、全個数の80パーセント未満である場合には、図8のステップA9へ進み、制御部70は「地震は発生していない。」と判断して、図8のフローチャートを終了する。
このような構成であれば、15個の揺れ検知センサ60のうち、1,2個程度の揺れ検知センサ60が故障したり、或いは、誤作動したりしたような場合でも、制御部70は、他の揺れ検知センサ60が検知した揺れの結果に基づいて、地震が発生したか否かを判断することが可能である。従って、制御部70による判断の信頼性を高めることができる。図8のステップA3で、制御部70が「震度3以上の地震が発生した。」と判断した後は、ステップA4へ進む。
図9は、退避及び復帰動作例を示すサブルーチンであり、ステップA4における処理の内容を示している。図9のステップD1では、制御部70は直ちに、各プローバ本体50のステージ昇降機構5に下降指示信号をそれぞれ送信する。各プローバ本体50のステージ昇降機構5は、この下降指示信号を受けてステージ10を下降させるので、ステージ10上に載置されたウエーハWとプローブ針22との間が離される。各プローバ本体50のステージ10がそれぞれ所定の退避位置まで下降し、その下降動作を完了した後で、図9のステップD2へ進む。
このステップD2では、各プローバ本体50は制御部70の制御下で一定時間待機する。ここで、一定時間とは、例えば30秒〜60秒程度である。次に、ステップD3で、制御部70は、各揺れ検知センサ60から送信されてくる信号に基づいて、地震が続いているか否かを判断する。例えば、図9のステップD3で、少なくとも1個以上の揺れ検知センサ60が震度3以上の揺れを知らせる揺れ検知信号を制御部70に送り続けている場合には、制御部70は地震がまだ続いていると判断し、ステップD2へ戻る。また、このような揺れ検知信号が揺れ検知センサ60から制御部70に送られてこなくなった場合には、制御部70は地震が収まったと判断し、図9のステップD4へ進む。
ステップD4では、制御部70は、各プローバ本体50のステージ昇降機構5に上昇指示信号を送信する。ステージ昇降機構5は、この上昇指示信号を受けてステージ10上昇させるので、ステージ10は地震発生前の検査位置に戻る。ここで、プローブ針22に重大な変形等が生じていない場合には、ステージ10が検査位置に戻ると、プローブカード20のプローブ針22は、地震発生時に接触していたICチップのパッド電極に正しく接触することとなる。各プローバ本体50のステージ10が地震発生前の検査位置に完全に戻った後で、図8のステップA5へ進む。
ステップA5では、制御部70は、各プローバ本体50のテストヘッド35に導通検査開始信号をそれぞれ送信する。各プローバ本体50のテストヘッド35は、この導通検査開始信号を受けて、ウエーハWに向けて所定の電気信号を出力する。ここで、プローブ針22がICチップのパッド電極に正しく接触している場合には、この電気信号はICチップに伝わり、そして、戻りの電気信号がICチップからプローブ針22を通してテストヘッド35に出力される。また、プローブ針22がICチップのパッド電極に正しく接触していない場合には、この電気信号はICチップに伝わらず、その結果当然に、テストヘッド35は戻りの電気信号を受け取ることができない。次に、図8のステップA6へ進む。
ステップA6では、制御部70は、各プローバ本体50毎に、上記の導通検査における戻り信号の有無に基づいて、プローブ針22に修理を要するような重大な変形等が生じたか否かを判断する。制御部70が「プローブ針22に重大な変形等は生じていない。」と判断したプローバ本体50については、その後、図5のステップA7へ進み、地震によって中断していたICチップのプローブ検査を再開する。
一方、制御部70が「プローブ針22に重大な変形等が生じた。」と判断したプローバ本体50については、図8のステップA8へ進む。ステップA8では、制御部70は、プローバ本体50に付属のシグナルタワやスピーカ等を通して警報を発生し、そのプローバ本体50におけるプローブ針22の異常をオペレータ等に知らせる。これにより、図8のフローチャートを終了する。
このように、本発明の第2実施形態に係るプローブ検査装置200によれば、第1実施形態で説明したプローバ100と同様に、地震の揺れによるプローブ針22への押圧力の付加を低減することができ、プローブ針22の変形をある程度防止することができる。また、第1実施形態で説明したプローバ100と比べて、1台の地震検出装置で10台のプローバ本体50に対応でき、効率的である。
さらに、制御部70は、15個の揺れ検知センサ60による揺れの検知結果に基づいて、震度3以上の地震が発生したか否かを判断することができる。従って、例えば、1個又は2個程度の揺れ検知センサ60が故障したり、或いは、誤作動したりしたような場合でも、制御部70は他の揺れ検知センサ60による揺れの検知結果に基づいて地震が発生したか否かを判断することができるので、地震検出装置80の信頼性を高めることができる。
(3)第3実施形態
上述の第2実施形態では、ステップA2で、揺れを検知した揺れ検知センサ60の個数が、全個数の80パーセント未満である場合には、ステップA9へ進み、制御部70が「地震は発生していない。」と判断して、図8のフローチャートを終了していた。しかしながら、プローバ本体50は地震だけでなく、例えばオペレータがその体等で強く接触してきたような場合でも揺れてしまう可能性がある。そして、このような接触による揺れによって、プローブ針22に修理を要するような重大な変形等が生じてしまう可能性がある。
図10は、プローブ検査装置200によるプローブ針22の保護動作例(その2)を示すフローチャートである。図10において、図8の各ステップと同一の処理を行うステップには同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
この図10では、ステップA9で制御部70が「地震は発生していない。」と判断した場合に、図10のステップA10へ進む。ステップA10では、揺れを検知した揺れ検知センサ60が対応するプローバ本体50だけに退避信号等を送信して、この対応するプローバ本体50だけに退避及び復帰動作を実行させる。ここで、揺れを検知した揺れ検知センサ60が対応するプローバ本体50とは、例えば、揺れを検知した揺れ検知センサ60が直接取り付けられているプローバ本体50や、揺れを検知した揺れ検知センサ60を中心とする半径2,3メートルの領域内にあるプローバ本体50等のことである。以下、この揺れを検知した揺れ検知センサ60が対応するプローバ本体50のことを、「揺れを検知したプローバ本体50」という。
図10のステップA10で、揺れを検知したプローバ本体50だけに実行させる退避及び復帰動作の内容は、図9のステップD1からステップD4に示した通りである。ステップA10の後、ステップA11に進む。このステップA11では、揺れを検知したプローバ本体50だけに導通検査を実行させる。この導通検査の内容は、ステップA5と同じである。ステップA11の後、ステップA12へ進む。
ステップA12では、ステップA11での導通検査の結果に基づいて、制御部70が揺れを検知したプローバ本体50のプローブ針22に重大な変形等が生じたか否かを判断する。ステップA12で、制御部70が「揺れを検知したプローバ本体50のプローブ針22に重大な変形等は生じていない。」と判断した場合には、図10のフローチャートを終了する。また、ステップA12で、制御部70が「揺れを検知したプローバ本体50のプローブ針22に重大な変形等が生じた。」と判断した場合には、図10のステップA13へ進む。ステップA13では、制御部70は、揺れを検知したプローバ本体50に付属のシグナルタワやスピーカ等を通して警報を発生し、オペレータ等にプローブ針22の異常を知らせる。これにより、図10のフローチャートを終了する。
このような構成であれば、例えば、オペレータがクリーンルーム99内に入り、誤ってプローバ本体50に強く接触してしまったような場合でも、この接触したプローバ本体50だけに退避信号を送信することができるので、そのプローブ針22の変形をある程度防ぐことができる。
(4)第4実施形態
上述の第2実施形態では、図8及び図10のステップA2で、全ての揺れ検知センサ60の個数(全個数)のうち、80パーセント以上に相当する個数が揺れを検知した場合には、制御部70は「震度3以上の地震が発生した。」と判断することについて説明した。また、同じくステップA2で、揺れを検知した揺れ検知センサ60が全個数の80パーセント未満の場合には、制御部70は「地震は発生していない。」と判断することについて説明した。
しかしながら、初震(即ち、最初に発生した地震)が本震の場合にはその後、所定時間内に余震が発生する可能性がある。また、初震が予震の場合にはその後、所定時間内に本震が発生する可能性がある。従って、初震が発生してから所定時間が経過するまでの間は、「全個数の80パーセント以上」という判断基準をある程度下げて、地震検出装置80´の検出感度を高めておくことが好ましい。この第4実施形態では、例えば、初震発生後48時間が経過するまでの間、地震発生の判断基準を「全個数の80パーセント以上」から「全個数の50パーセント以上」に、その設定を変更する場合について説明する。
図11は、プローブ検査装置200によるプローブ針22の保護動作例(その3)を示すフローチャートである。プローブ検査装置200の構成例とその配置例は、第2実施形態と同様、図6及び図7に示した通りである。この第4実施形態では、プローブ検査装置200を構成する10台のプローバ本体50がそのステージ10上にウエーハWを載せた状態でそれぞれプローブ検査を行っている際に、震度3以上の地震が発生した場合を想定する。
まず始めに、図11のステップB1で、少なくとも1個以上の揺れ検知センサ60が揺れを検知し、揺れ検知センサ60がサーバ150内に格納されている制御部70に揺れ検知信号を送信する。すると、図11のステップB2で、制御部70は、RAMに格納された地震の発生履歴を参照して、震度3以上の地震が過去48時間以内に発生したか否かを判断する。制御部70が「過去48時間以内に地震が発生した。」と判断した場合には、ステップB3へ進む。また、制御部70が「過去48時間以内に地震が発生していない。」と判断した場合には、ステップB11へ進む。
ステップB3では、制御部70は、15個の揺れ検知センサ60のうち、何個の揺れ検知センサ60が揺れを検知しているのかを確認する。ここで、揺れを検知した揺れ検知センサ60の個数が、揺れ検知センサ60の全個数の例えば50パーセント(15個×0.5=7.5個、切り上げて8個)以上に達する場合には、図11のステップB4へ進む。ステップB4では、制御部70は、全個数の50パーセントが揺れを検知したという結果に基づいて、「震度3以上の地震が発生した。」と判断する。また、揺れを検知した揺れ検知センサ60の個数が、全個数の50パーセント未満(即ち、7個以下)である場合には、図11のステップB10へ進み、制御部70は「地震は発生していない。」と判断して、図11のフローチャートを終了する。
ステップB4以降は、図11に示すようにステップB5、B6、B7の順に進み、ステップB7における制御部70の判断結果から、ステップB8又はB9へ進む。図11のステップB5は、図8のステップA4(即ち、図9に示したサブルーチン)とその処理の内容が同じである。また、ステップB6は図8のステップA5と、ステップB7は図8のステップA6と、ステップB8は図8のステップA7と、ステップB9は図8のステップA8と、それぞれ処理の内容が同じである。従って、ステップB5、B6、B7、B8、B9については、その詳細説明は省略する。
一方、図11のステップB2で、制御部70が「過去48時間に地震が発生していない。」と判断してステップB11へ進んだ場合には、ステップB11で、制御部70は15個の揺れ検知センサ60のうち、何個の揺れ検知センサ60が揺れを検知しているのかを確認する。
ここで、揺れを検知した揺れ検知センサ60の個数が、全個数の例えば80パーセント以上に達する場合には、図11のステップB12へ進む。ステップB12では、制御部70は、全個数の80パーセントが揺れを検知したという結果に基づいて、「震度3以上の地震が発生した。」と判断する。そして、ステップB12からステップB5へと進む。また、ステップB11で、制御部70による確認の結果、揺れを検知した揺れ検知センサ60の個数が、全個数の80パーセント未満である場合には、図11のステップB13へ進み、制御部70は「地震は発生していない。」と判断して、図11のフローチャートを終了する。
このような構成であれば、初震後に引き続いて起こる可能性がある余震、又は本震に備えて、地震検出装置の検出感度を高めておくことができ、余震、又は本震発生時にプローブ針の変形をより防ぐことができる。
上述した第2、第3及び第4実施形態では、プローバ本体50が本発明のプローブ検査装置本体に対応し、地震検出装置80´が本発明の地震検出装置に対応し、プローブ検査装置200が本発明のプローブ検査装置に対応している。また、揺れ検知センサ60が本発明の揺れ検知手段に対応し、制御部70が本発明の地震発生判断手段と地震収束判断手段とに対応している。さらに、送受信部72が本発明の退避信号送信手段と復帰信号送信手段とに対応し、送受信部42が本発明の退避信号受信手段と復帰信号受信手段とに対応している。また、ステージ昇降機構5が本発明の離間手段と復帰手段とに対応し、テストヘッド35が本発明の導通検査手段に対応している。
なお、地震による地面の揺れには、縦揺れ(P波)と横揺れ(S波)とがあり、P波はS波よりも速く伝わることが知られている。従って、本発明の第1から第4実施形態において、揺れ検知センサ60を特にP波(縦揺れ)に対して敏感となるよう設定しておくことで、S波の到達前にプローブ針22をウエーハWから離し遠ざけておくことが可能である。これにより、地震発生時のプローブ針22の変形防止効果をより高めることが可能である。この効果は、P波とS波の到達時間の差が大きいほど(即ち、震源からの距離が大きいほど)顕著である。
また、上述した第1から第4実施形態では、プローバ本体50の送受信部42は、地震検出装置80の送受信部72とデータを転送するための信号線又は無線を介して接続されており、例えば震度3以上の揺れを伴う地震が発生した際に、プローバ本体50の送受信部42は、地震検出装置80の送受信部72から揺れ検知信号を受信することについて説明した。
しかしながら、プローバ本体50の送受信部42は、上述した地震検出装置80の送受信部72だけではなく、例えば工場の敷地外にあるような地震検出装置と有線又は無線で接続されており、このような地震検出装置から地震の発生情報を受信するような構成でも良い。このような構成であれば、工場から遠く離れた位置にある地震検出装置や、このような地震検出装置を複数備えた地震検出用のネットワークサーバから地震の発生情報をいち早く受け取ることが可能であり、地震による揺れがプローバ本体50に伝わる前に、ステージ10の下降を開始できる可能性がある。
第1実施形態に係るプローバ100の構成例を示すブロック図。 プローバ本体50の構成例を示す概念図。 ウエーハWに作り込まれたICチップCの配置の一例と、ICチップCとプローブ針22とのコンタクト例を示す平面図。 クリーンルーム99内におけるプローバ100の配置例を示す概念図。 プローバ100によるプローブ針22の保護動作例を示すフローチャート。 第2、第3及び第4実施形態に係るプローブ検査装置200の構成例を示す概念図。 クリーンルーム99内におけるプローブ検査装置200の配置例を示す概念図。 プローブ検査装置200によるプローブ針22の保護動作例(その1)を示すフローチャート(メインルーチン)。 退避及び復帰動作例を示すサブルーチン。 プローブ検査装置200によるプローブ針22の保護動作例(その2)を示すフローチャート(メインルーチン)。 プローブ検査装置200によるプローブ針22の保護動作例(その3)を示すフローチャート(メインルーチン)。 地震による揺れの持続時間と、プローブカードの破損発生率との関係を示す図。
符号の説明
5 ステージ昇降機構、10 ステージ、20 プローブカード、22 プローブ針、25 中間配線基板、30 パフォーマンスボード、35 テストヘッド、40 筐体、42,72 送受信部、50 プローバ本体、60 揺れ検知センサ、70 制御部、80,80´ 地震検出装置、99 クリーンルーム、100 プローバ、200 プローブ検査装置、C ICチップ、P パッド電極、W ウエーハ

Claims (8)

  1. プローブ検査装置本体と、地震検出装置とを含むプローブ検査装置であって、
    前記地震検出装置は、
    所定の大きさ以上の振れを検知する揺れ検知手段と、
    前記揺れ検知手段による前記揺れの検知結果に基づいて地震が発生したか否かを判断する地震発生判断手段と、
    前記地震が発生したと前記地震発生判断手段が判断した場合に、前記プローブ検査装置本体に退避信号を送信する退避信号送信手段とを備え、
    前記プローブ検査装置本体は、
    ウエーハを載置するためのステージと、
    前記ステージのウエーハ載置面に対して鉛直方向に離れた位置に設けられ、当該ウエーハ載置面にそのプローブ針を向けたプローブカードと、
    前記地震検出装置から送信される前記退避信号を受信する退避信号受信手段と、
    前記退避信号受信手段が前記退避信号を受信した場合に、前記プローブカード又は、前記ウエーハを載せた前記ステージの少なくともどちらか一方を移動させて、前記プローブカードと前記ステージとの間を離す離間手段と、を備えたことを特徴とするプローブ検査装置。
  2. 前記地震検出装置は、
    前記地震が発生したと前記地震発生判断手段が判断した後の前記揺れ検知手段による前記揺れの検知結果に基づいて、当該地震が収束したか否かを判断する地震収束判断手段と、
    前記地震が収束したと前記地震収束判断手段が判断した場合に、前記プローブ検査装置本体に復帰信号を送信する復帰信号送信手段とを備え、
    前記プローブ検査装置本体は、
    前記地震検出装置から送信される前記復帰信号を受信する復帰信号受信手段と、
    前記復帰信号受信手段が前記復帰信号を受信した場合に、前記プローブカード又は、前記ウエーハを載せた前記ステージの少なくともどちらか一方を移動させて、前記プローブカードと前記ステージとの位置関係を前記地震が発生する前の状態に戻す復帰手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のプローブ検査装置。
  3. 前記プローブ検査装置本体は、
    前記プローブカードと前記ステージとの位置関係が前記退避信号を受信する前の状態に戻された後で、前記プローブ針と前記ウエーハとの導通検査を行う導通検査手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプローブ検査装置。
  4. 前記プローブ検査装置本体を複数台含むことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のプローブ検査装置。
  5. 前記地震検出装置は複数の前記揺れ検知手段を備え、
    前記地震発生判断手段は、
    所定の数以上の前記揺れ検知手段が前記揺れを検知した場合に、前記地震が発生したと判断することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載のプローブ検査装置。
  6. 前記プローブ検査装置本体を複数台含み、
    前記所定の大きさ以上の揺れを検知した前記揺れ検知手段の数が前記所定の数に満たない場合には、
    前記退避信号送信手段は、
    前記複数台のプローブ検査装置本体の中から、前記揺れを検知した前記揺れ検知手段が対応する前記プローブ検査装置本体だけに前記退避信号を送信することを特徴とする請求項5に記載のプローブ検査装置。
  7. 前記地震発生判断手段によってその発生が判断され、その後、前記地震収束判断手段によってその収束が判断された前記地震を初震としたとき、
    前記地震発生判断手段の地震発生の判断基準である前記所定の数は、前記初震の収束を判断した後で所定時間が経過するまでの間は、前記初震の発生を判断したときよりも少ない値に設定されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のプローブ検査装置。
  8. ウエーハを載置するためのステージと、
    前記ステージのウエーハ載置面に対して鉛直方向に離れた位置に設けられ、当該ウエーハ載置面にそのプローブ針を向けたプローブカードと、
    所定の大きさ以上の揺れを伴う地震が発生した際に地震検出装置から送信される退避信号を受信する退避信号受信手段と、
    前記退避信号受信手段が前記退避信号を受信した場合に、前記プローブカード又は、前記ウエーハを載せた前記ステージの少なくともどちらか一方を移動させて、前記プローブカードと前記ステージとの間を離す離間手段と、を備えたことを特徴とするプローブ検査装置本体。
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