JP2005300349A - 動体捕捉装置および、動体捕捉方法 - Google Patents

動体捕捉装置および、動体捕捉方法 Download PDF

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久良 田村
Hiroshi Nashimoto
寛 梨本
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中宣 森谷
Yasutoshi Miki
康俊 三樹
Masuki Ashizawa
増樹 芦沢
Hideki Tanaka
秀樹 田中
Yosuke Umeshima
洋介 梅島
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Abstract

【課題】 簡易な構成で適切に動体を捕捉することのできる動体捕捉装置等を提供する。
【解決手段】 記憶部15は、初期設定時に距離測定部14により測定された各測距エリアの静物との距離情報を記憶する。動体検出部16は、距離測定部14により新たに各測距エリアの距離が測定されると、記憶部15に記憶される各距離情報と比較して、何れかの測距エリアにて距離に変化が生じているか否かを判別する(動体の有無を判別する)。雲台駆動部17は、動体の存在が検出されると、防犯カメラCAMの撮影方向が、動体が存在する測距エリアを向くように、雲台18を回動させる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、簡易な構成で適切に動体を捕捉することのできる動体捕捉装置および、動体捕捉方法に関する。
近年、安全に対する社会的要請の高まりから、防犯カメラ等を適宜配置して、侵入者や不審者等を発見し、犯罪の発生を監視(予防)する試みがなされている。例えば、警備員等は、防犯カメラが撮像した映像を逐次監視し、侵入者等をいち早く発見することに努めている。
最近では、人の目によらずに、侵入者等を自動的に検出できる監視装置も知られている。このような監視装置は、監視カメラで撮影した画像データに、画像処理(二次元画像処理等)を施し、画像データ中に出現した動体(侵入者等)を検出するのが一般的である。
そして、侵入者に監視カメラ等を破壊されたり、外部からの電源供給が絶たれた場合でも、撮影した画像データを警備会社等に送信し、侵入者の検出等を通報することのできる技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−317172号公報 (第3−4頁、第1図)
上述したような監視装置は、侵入者等を検出するために、画像データに複雑な二次元画像処理を施す必要がある。この二次元画像処理に、大量のデータを高速に処理する性能の高さも要求され、監視装置は、比較的大がかりな回路構成(装置構成)となってしまい、その上、高額なものとなっていた。
しかも、この二次元画像処理を用いる監視装置は、光による撮像の変化や陰の動き等も適切に考慮しなければ、侵入者等の検出が正しく行えないという問題もあった。
この他にも、赤外線センサを用いて、人体を検出する技術も知られている。例えば、赤外線センサが組み込まれた監視装置は、煩雑な画像処理等を行わずに、赤外線センサにより人体等の体温を検出し、簡易に侵入者等を検出しようとするものである。
しかしながら、赤外線センサを用いた監視装置は、天候等による急激な温度変化が生じると、その温度変化を人体(体温)として誤動作(誤検出)してしまうという問題があった。
そのため、簡易な構成で、しかも、誤動作なく侵入者等(動体)を検出(捕捉)することのできる技術が研究されていた。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、簡易な構成で適切に動体を捕捉することのできる動体捕捉装置および、動体捕捉方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る動体捕捉装置は、
測距エリアからの光を一対のラインセンサに受光させて得られるデータに基づいて、測距エリアに位置する測距対象物との距離を計測する距離計測手段と、
前記距離計測手段により予め計測された測距エリアに位置する静物との基準距離を記憶する基準距離記憶手段と、
前記距離計測手段が新たに計測した測距対象物との距離と前記基準距離記憶手段に記憶された基準距離との関係に基づいて、測距エリアに位置する動体を検出する動体検出手段と、
を備えることを特徴とする。
この発明によれば、距離計測手段は、測距エリアからの光を一対のラインセンサに受光させて得られるデータ(例えば、パッシブセンサ等から得られるデータ)に基づいて、測距エリアに位置する測距対象物との距離を計測する。基準距離記憶手段は、距離計測手段により予め計測された測距エリアに位置する静物(例えば、壁や家具等)との基準距離を記憶する。動体検出手段は、距離計測手段が新たに計測した測距対象物との距離と基準距離記憶手段に記憶された基準距離との関係に基づいて、測距エリアに位置する動体を検出する。例えば、距離計測手段により新たに計測された距離が、基準距離記憶手段に記憶された基準距離(距離データ)と異なる場合に、動体検出手段は、動体(侵入者等)を検出する。
この結果、簡易な構成で適切に動体を捕捉することができる。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る動体捕捉装置は、
複数の測距エリアからの光を一対のラインセンサに受光させて得られるデータに基づいて、各測距エリアに位置する測距対象物との距離をそれぞれ計測する距離計測手段と、
前記距離計測手段により予め計測された各測距エリアに位置する静物との基準距離をそれぞれ記憶する基準距離記憶手段と、
前記距離計測手段が新たに計測した各測距エリアにおける測距対象物との距離と前記基準距離記憶手段に記憶された各基準距離との関係に基づいて、何れかの測距エリアに位置する動体を検出する動体検出手段と、
を備えることを特徴とする。
この発明によれば、距離計測手段は、複数の測距エリアからの光を一対のラインセンサに受光させて得られるデータ(例えば、パッシブセンサ等から得られるデータ)に基づいて、各測距エリアに位置する測距対象物との距離をそれぞれ計測する。基準距離記憶手段は、距離計測手段により予め計測された各測距エリアに位置する静物(例えば、壁や家具等)との基準距離をそれぞれ記憶する。動体検出手段は、距離計測手段が新たに計測した各測距エリアにおける測距対象物との距離と基準距離記憶手段に記憶された各基準距離との関係に基づいて、何れかの測距エリアに位置する動体を検出する。例えば、距離計測手段により新たに計測された何れかの測距エリアの距離が、基準距離記憶手段に記憶された対象の基準距離(同一距離エリアの距離データ)と異なる場合に、動体検出手段は、その測距エリア(複数の距離エリアの場合もあり得る)における動体(侵入者等)を検出する。
この結果、簡易な構成で適切に動体を捕捉することができる。
前記距離計測手段は、
基線長を隔てて配置された一対のラインセンサと、
前記各ラインセンサの前面に焦点距離を隔てて配置され、測距エリアからの光を前記各ラインセンサにそれぞれ集光させる一対のレンズと、
前記各ラインセンサが受光して得られたデータを相関演算し、測距対象物との距離を計測する演算部と、を備えてもよい。
上記動体捕捉装置は、測距エリアを撮像するための撮像手段と、
前記撮像手段の撮像方向を回動制御する回動制御手段と、を更に備え、
前記回動制御手段は、前記動体検出手段が検出した動体に向けて、前記撮像手段を回動制御してもよい。
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る動体捕捉方法は、
測距エリアからの光を一対のラインセンサに受光させて得られるデータに基づいて、測距エリアに位置する測距対象物との距離を計測する距離計測ステップと、
前記距離計測ステップにて予め計測された測距エリアに位置する静物との基準距離を、所定の記憶部に格納する基準距離格納ステップと、
前記距離計測ステップにて新たに計測された測距対象物との距離と前記基準距離格納ステップにて格納された基準距離との関係に基づいて、測距エリアに位置する動体を検出する動体検出ステップと、
を備えることを特徴とする。
この発明によれば、距離計測ステップは、測距エリアからの光を一対のラインセンサに受光させて得られるデータ(例えば、パッシブセンサ等から得られるデータ)に基づいて、測距エリアに位置する測距対象物との距離を計測する。基準距離格納ステップは、距離計測ステップにて予め計測された測距エリアに位置する静物(例えば、壁や家具等)との基準距離を、所定の記憶部に格納する。動体検出ステップは、距離計測ステップにて新たに計測された測距対象物との距離と基準距離格納ステップにて格納された基準距離との関係に基づいて、測距エリアに位置する動体を検出する。例えば、距離計測ステップにて新たに計測された距離が、基準距離格納ステップにて格納された基準距離(距離データ)と異なる場合に、動体検出ステップは、動体(侵入者等)を検出する。
この結果、簡易な構成で適切に動体を捕捉することができる。
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係る動体捕捉方法は、
複数の測距エリアからの光を一対のラインセンサに受光させて得られるデータに基づいて、各測距エリアに位置する測距対象物との距離をそれぞれ計測する距離計測ステップと、
前記距離計測ステップにて予め計測された各測距エリアに位置する静物との基準距離を、所定の記憶部にそれぞれ格納する基準距離格納ステップと、
前記距離計測ステップにて新たに計測された各測距エリアにおける測距対象物との距離と前記基準距離格納ステップにて格納された各基準距離との関係に基づいて、何れかの測距エリアに位置する動体を検出する動体検出ステップと、
を備えることを特徴とする。
この発明によれば、距離計測ステップは、複数の測距エリアからの光を一対のラインセンサに受光させて得られるデータ(例えば、パッシブセンサ等から得られるデータ)に基づいて、各測距エリアに位置する測距対象物との距離をそれぞれ計測する。基準距離格納ステップは、距離計測ステップにて予め計測された各測距エリアに位置する静物(例えば、壁や家具等)との基準距離を、所定の記憶部にそれぞれ格納する。動体検出ステップは、距離計測ステップにて新たに計測された各測距エリアにおける測距対象物との距離と基準距離格納ステップにて格納された各基準距離との関係に基づいて、何れかの測距エリアに位置する動体を検出する。例えば、距離計測ステップにて新たに計測された何れかの測距エリアの距離が、基準距離格納ステップにて格納された対象の基準距離(同一距離エリアの距離データ)と異なる場合に、動体検出手段は、その測距エリア(複数の距離エリアの場合もあり得る)における動体(侵入者等)を検出する。
この結果、簡易な構成で適切に動体を捕捉することができる。
前記距離計測ステップは、基線長を隔てて配置された一対のラインセンサが、当該各ラインセンサの前面に焦点距離を隔てて配置された一対のレンズにより集光された測距エリアからの光を受光して得たデータを相関演算することにより、測距対象物との距離を計測してもよい。
上記動体捕捉方法は、測距エリアを撮像するための撮像機器を、前記動体検出ステップにて検出された動体に向けて回動制御する制御ステップを更に備えてもよい。
本発明によれば、簡易な構成で適切に動体を捕捉することができる。
本発明の実施の形態にかかる動体捕捉装置について、以下図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1は、この発明の実施の形態に適用される動体捕捉装置1の構成の一例を示す模式図である。図示するように、動体捕捉装置1は、パッシブセンサ11と、I/Oユニット12と、演算処理部13と、距離測定手段としての距離測定部14と、基準距離記憶手段としての記憶部15と、動体検出手段としての動体検出部16と、回動制御手段としての雲台駆動部17と、雲台18とを含んで構成される。
パッシブセンサ11は、例えば、複数の電荷結合素子(セル)が一列に配列されたCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサを用いた外光式位相差検出センサ等からなる。
具体的に、パッシブセンサ11は、図2(a)に示すように、基線長Bを隔てて配置されたラインセンサ111,112と、ラインセンサ111,112の前面に焦点距離fを隔てて配置されたレンズ113,114と、を含んで構成される。
レンズ113,114は、被写界(後述する各測距エリア)からの光をそれぞれ集光し、ラインセンサ111,112上に結像させる。ラインセンサ111,112は、各セルにて受光した光を電圧に変換して出力する。
このようなパッシブセンサ11を用いて、三角測量により、対象物との距離を計測可能である。
例えば、図2(b)に示すように、距離Lだけ離れた位置に対象物Objが存在する場合に、レンズ113,114は、対象物Objからの光を集光して、ラインセンサ111,112上にそれぞれ結像することになる。その際、各結像には、距離Lに応じて相対的なずれが生じる。つまり、焦点距離fに対するずれ量△Xの割合は、距離Lに対する基線長Bの割合に等しくなる。
このずれ量△X及び焦点距離fと、基線長B及び距離Lとの関係から、距離Lは、以下の数式1にて求めることができる。
Figure 2005300349
L :距離
B :基線長
f :焦点距離
△X:ずれ量
具体的には、図3(a)に示すラインセンサ111からの出力電圧と、図3(b)に示すラインセンサ112からの出力電圧とを、A/D(Analog/Digital)変換して比較する。そして、図3(c)に示すように、各ラインセンサ111,112の値(セル毎のセンサデータ)のシフト量(ずれ量△X)を、相関演算により求める。なお、相関演算の詳細については、後述する。
このようにずれ量△Xを求めて、上述の数式1に、求めたずれ量△Xと、基線長Bと、焦点距離fとを代入して計算することで、対象物Objとの距離Lを求めることができる。
図1に戻って、I/O(Input/Output)ユニット12は、A/D変換インタフェース等を備え、パッシブセンサ11(各ラインセンサ111,112)から出力される出力電圧(アナログデータ)を、センサデータ(デジタルデータ)に変換して入力し、演算処理部13(距離測定部14)に供給する。
また、I/Oユニット12は、所定の制御信号を雲台18に供給する。
演算処理部13は、CPU(Central Processing Unit)等からなり、距離測定部14及び、動体検出部16等と共に、動体捕捉装置1全体を制御する。
距離測定部14は、パッシブセンサ11から供給されるセンサデータに基づいて、複数に区分けされた測距エリアにおける対象物との距離を測定する。
例えば、図4に示すように、パッシブセンサ11の被写界において、区分けされた各測距エリアの距離を測定する場合に、距離測定部14は、パッシブセンサ11(ラインセンサ111,112)から供給されるセンサデータを、各測距エリアに対応して分割する。そして、分割したセンサデータ毎に、各測距エリアにおける対象物との距離を求めることになる。
つまり、上述したように、ラインセンサ111,112のセンサデータ(各測距エリア毎のセンサデータ)に対して、相関演算を行ってずれ量△Xを求め、このずれ量△X等から距離Lを求めることになる。
この相関演算について、以下、図5等を参照して詳細に説明する。
まず、距離測定部14は、図5(a)に示すように、各ラインセンサ111,112のセンサデータに、それぞれ相関演算を行うための演算領域を設定する。
そして、距離測定部14は、設定した演算領域(この場合、シフト量0)において、セル毎に差分の絶対値を求め、その総和(相関値)を算出する。例えば、図5(b)に示すように、各ラインセンサ111,112のセンサデータに演算領域(5つのセル領域)がそれぞれ設定された場合、距離測定部14は、相関値(差分の総和)として、「350」を算出する。
以降、距離測定部14は、一方(一例として、ラインセンサ112側)の演算領域を1セル分ずつシフトさせながら、それぞれ相関値を算出する。
つまり、距離測定部14は、図5(c)に示すように、ラインセンサ112の演算領域を1セル分ずつシフトさせながら、固定したラインセンサ111の演算領域との相関値を算出する。
そして、図5(d)に示すような各シフト量に対応する相関値(差分の総和)が算出されると、算出された相関値の内、最も値の小さい最小相関値を求める。
なお、シフト量がセル単位であるため、最小相関値(シフト量)の精度が十分でないことも考えられる。このため、実際には、補間演算を行い、精度の高い測距結果(距離の測定)を得るのに十分となる真の最小相関値(補間演算後のシフト量)を算出することになる。
具体的に距離測定部14は、図6に示すように、最小相関値aを基準とした前後の相関値b,cと、最小相関値aの傾きとから、真の最小相関値rを求める。そして、この真の最小相関値rから、補間演算後のシフト量(ずれ量△X)を求める。
このようにして、相関演算等によってシフト量(ずれ量△X)を求めると、距離測定部14は、上述した数式1にずれ量△X、基線長B及び、焦点距離fを代入して、対象物との距離Lを求める。
つまり、距離測定部14は、各測距エリアにおける対象物との距離をそれぞれ測定する。
図1に戻って、記憶部15は、RAM(Random Access Memory)等からなり、各測距エリアの距離情報を記憶する。
この距離情報は、動体捕捉装置1の初期設定時に、各測距エリアに動体(侵入者等)が存在しない状態で、距離測定部14により、静物(一例として、壁や家具等)との距離が測定された基準距離である。
つまり、この距離情報が、動体(侵入者等)の存在の有無を判別するための基準距離となる。
動体検出部16は、上述の記憶部15に、距離情報が記憶された状態で、新たに距離測定部14が測定した距離と、記憶部15に記憶される距離情報(基準距離)とを比較して、距離に変化が生じている場合に、動体の存在を検出(判別)する。
つまり、記憶部15に記憶される各距離情報(各測距エリアの基準距離)を基準として、距離測定部14が測定した何れかの測距エリアの距離に所定以上の差が生じている場合に、動体検出部16は、その測距エリア(複数の測距エリアの場合もある)に、動体(侵入者等)が存在していることを検出する。
雲台駆動部17は、雲台18を回動させるためのモータや回動機構等からなる。雲台駆動部17は、雲台18を例えば、水平方向に沿って回動させ、雲台18に載置される防犯カメラCAMの撮影方向を適宜変化させる。
具体的に雲台駆動部17は、動体検出部16が、動体の存在を検出すると、防犯カメラCAMの撮影方向が、動体の存在が検出された測距エリアを向くように、雲台18を回動させる。
雲台18は、一例として、防犯カメラCAMを載置可能であり、雲台駆動部17に制御され、防犯カメラCAMを載置したまま、水平方向に沿って回動自在である。
なお、防犯カメラCAMは、動体(侵入者等)を撮影するための撮影装置であり、撮影した映像情報(画像情報)を、所定のモニタや映像記録装置等に供給する。
以下、上述した構成の動体捕捉装置1の動作について、図面を参照して説明する。なお、動体捕捉装置1は、一例として、図7に示すような室内に設置され、4つに区分けされた測距エリア(測距エリアA〜D)の距離を測定しつつ、動体(侵入者等)の捕捉を行うものとする。
最初に、各測距エリアの基準距離を測定して記憶するための初期設定処理について、図8を参照して説明する。この初期設定処理は、図7に示す各測距エリアに、動体(侵入者等)が存在しない状態で、行われる。
まず、パッシブセンサ11は、各ラインセンサ111,112にて受光した各測距エリアからの光を、電圧(電圧信号)に変換してI/Oユニット12に出力する(ステップS11)。そして、I/Oユニット12は、各測距エリア毎の電圧信号をA/D変換し、センサデータとして、距離測定部14に供給する。
距離測定部14は、各測距エリアに静置される静物(一例として、壁や家具等)との距離を測定する(ステップS12(距離計測ステップ))。
すなわち、距離測定部14は、パッシブセンサ11から供給されるラインセンサ111,112のセンサデータ(各測距エリア毎のセンサデータ)に対して、相関演算を行ってずれ量△Xを求める。そして、上述した数式1に求めたずれ量△X、基線長B及び、焦点距離fを代入して、静物との距離Lを求める。
距離測定部14は、求めた静物との距離を示す距離情報を、エリア別に記憶部15に格納する(ステップS13(基準距離格納ステップ))。
すなわち、記憶部15には、各測距エリアに動体(侵入者等)が存在しない状態で距離測定部14により測定された、基準距離となる距離情報が各測距エリアに対応して記憶される。
例えば、図9(a)に示すような各測距エリアの距離情報が、記憶部15に格納される。なお、図9(a)は、説明の理解を容易にするために、距離情報を視覚化して表しているが、実際には、数値データが記憶部15に格納される。なお、後述する図9(b)も同様に視覚化して表している。
このような初期設定処理により、動体(侵入者等)の存在の有無を判別するための基準距離(距離情報)が測定され、そして、記憶部15に格納される。
次に、動体(侵入者等)を検出し、追跡するための動体捕捉処理について、図10を参照して説明する。この動体捕捉処理は、上述の初期設定処理によって、静物との距離が測定され、その距離情報(基準距離)が記憶部15に格納された状態で、行われる。
まず、パッシブセンサ11は、各ラインセンサ111,112にて受光した各測距エリアからの光を、電圧(電圧信号)に変換してI/Oユニット12に出力する(ステップS21)。そして、I/Oユニット12は、各測距エリア毎の電圧信号をA/D変換し、センサデータとして、距離測定部14に供給する。
距離測定部14は、各測距エリア毎に対象物との距離を測定する(ステップS22)。
すなわち、距離測定部14は、パッシブセンサ11から供給されるラインセンサ111,112のセンサデータ(各測距エリア毎のセンサデータ)に対して、相関演算を行ってずれ量△Xを求める。そして、上述した数式1に求めたずれ量△X、基線長B及び、焦点距離fを代入して、静物との距離Lを求める。
各測距エリアの距離が測定されると、動体検出部16は、記憶部15に格納された基準距離(距離情報)と、測定された距離とを比較する(ステップS23)。
すなわち、動体検出部16は、記憶部15に記憶される各距離情報(各測距エリアの基準距離)と、距離測定部14が新たに測定した各測距エリアの距離とを比較する。
動体検出部16は、比較により距離に変化が生じているか否かを判別する(ステップS24(動体検出ステップ))。
つまり、記憶部15に記憶される各距離情報(各測距エリアの基準距離)を基準として、距離測定部14が測定した各測距エリアの距離に所定以上の差が生じているか否かを判別する。
例えば、今回図9(b)に示すような各測距エリアの距離が測定され、記憶部15に記憶される上述の図9(a)に示す各距離情報(各測距エリアの基準距離)と比較する場合、動体検出部16は、測距エリアCにおいて距離に変化が生じていることを検出する。
動体捕捉装置1は、距離に変化が生じていないと判別すると、ステップS21に処理を戻し、上述のステップS21〜S24の処理を繰り返し実行する。つまり、動体(侵入者等)の存在を検出しないため、そのままステップS21に処理を戻す。
一方、距離に変化が生じていることを検出した場合に、雲台駆動部17は、変化のあった測距エリアに向けて雲台18を回動させる(ステップS25(制御ステップ))。
例えば、図9(b)の測距エリアCにて動体(侵入者等)の存在が検出された場合、雲台駆動部17は、図7の測距エリアCに防犯カメラCAMの撮影方向が向くように、雲台18を回動させる。
防犯カメラCAMは、測距エリアCに存在する動体(侵入者等)の映像を撮影し、所定のモニタや映像記録装置等に供給する。
また、演算処理部13は、記憶部15に記憶される距離情報を更新する(ステップS26)。
すなわち、演算処理部13は、記憶部15に記憶される距離情報を、距離測定部14により今回測定された各測距エリアの距離(距離情報)に更新する。なお、演算処理部13は、距離に変化が生じた測距エリアの距離情報だけを更新するようにしてもよい。
記憶部15の距離情報が更新されると、動体捕捉装置1は、ステップS21に処理を戻す。つまり、動体捕捉装置1は、ステップS21以降の処理を繰り返し実行する。
このような動体捕捉処理により、動体(侵入者等)の有無が繰り返し判別され、動体の存在が検出されると、動体に向けて自動的に雲台18を回動させる(防犯カメラCAMを向ける)ことができる。
つまり、動体捕捉装置1は、侵入者等に反応して、雲台18等が回動するため、侵入者等に危機感を与えることができる。
また、雲台18に防犯カメラCAMを載置することで、防犯カメラCAMが動体(侵入者等)を捕捉し続けるため、簡易に追跡機能が実現できる。
また、パッシブセンサ11が比較的安価であるため、動体捕捉装置1全体の価格を抑えることができる。
また、記憶部15に記憶するデータが距離情報であり、画像データ等と比較してデータ量が少なくてすむため、メモリ容量の比較的小さなRAM等で記憶部15を構成することができる。
更に、測定した距離に基づいて、動体(侵入者等)を検出するため、温度や湿度等に影響されない。
上記の実施の形態では、1つのパッシブセンサ11を使用する場合について説明したが、複数のパッシブセンサ11を使用して、動体(侵入者等)を捕捉する範囲を拡大してもよい。
例えば、複数のパッシブセンサ11を各パッシブセンサ11の被写界が連続するように一列に配置する。この場合、動体を捕捉する範囲を無駄なく拡大することができる。
上記の実施の形態では、各測距エリア全てにおいて、動体(侵入者等)を検出する場合について説明したが、一部の測距エリアを動体の検出対象から除外することができるようにしてもよい。
例えば、測距エリア内に動きを生じることが予想されるもの(例えば、風になびくカーテン等)がある場合、その測距エリアを指定して検出対象から除外する。つまり、動体捕捉装置1は、指定された測距エリアの比較を行わない、若しくは、比較結果を使用しないことにより、指定された測距エリアでの誤検出を防止する。
上記の実施の形態では、雲台18に防犯カメラCAMを載置する場合について説明したが、雲台18に載置するのは、防犯カメラCAMに限られず任意である。
例えば、撮影機能を有していないダミーカメラ等を雲台18に載置し、侵入者等への威嚇だけに用いることができるようにしてもよい。
上記の実施の形態では、動体(侵入者等)を検出した際に雲台18を回動させる場合について説明したが、雲台18の他に他の制御を行うようにしてもよい。
例えば、動体(侵入者等)を検出するまでは、モニタや映像記録装置等の電源を切っておき、動体を検出すると、赤外線リモコン等を制御して、自動的にモニタや映像記録装置等に電源を投入するようにする。そして、雲台18と共に防犯カメラCAMを動体に向けて回動させる。
この場合、侵入者等を検出した場合にだけモニタに侵入者等の映像を表示したり、また、映像記録装置に侵入者等の映像を記録することができる。
以上説明したように、本発明によれば、簡易な構成で適切に動体を捕捉することができる。
本発明の実施の形態に係る動体捕捉装置の構成の一例を示す模式図である。 (a),(b)共に、パッシブセンサの構成等を説明するための模式図である。 (a)〜(c)共に、パッシブセンサ(ラインセンサ)から得られるセンサデータ等を説明するための模式図である。 パッシブセンサの被写界において区分けされた複数の測距エリアを説明するための模式図である。 (a)〜(d)共に、相関演算を説明するための模式図である。 補間演算を説明するための模式図である。 動体捕捉装置が室内に配置された様子を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態に係る初期設定処理を説明するためのフローチャートである。 (a),(b)共に、測定した距離を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態に係る動体捕捉処理を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 動体捕捉装置
11 パッシブセンサ
12 I/Oユニット
13 演算処理部
14 距離測定部
15 記憶部
16 動体検出部
17 雲台駆動部
18 雲台

Claims (8)

  1. 測距エリアからの光を一対のラインセンサに受光させて得られるデータに基づいて、測距エリアに位置する測距対象物との距離を計測する距離計測手段と、
    前記距離計測手段により予め計測された測距エリアに位置する静物との基準距離を記憶する基準距離記憶手段と、
    前記距離計測手段が新たに計測した測距対象物との距離と前記基準距離記憶手段に記憶された基準距離との関係に基づいて、測距エリアに位置する動体を検出する動体検出手段と、
    を備えることを特徴とする動体捕捉装置。
  2. 複数の測距エリアからの光を一対のラインセンサに受光させて得られるデータに基づいて、各測距エリアに位置する測距対象物との距離をそれぞれ計測する距離計測手段と、
    前記距離計測手段により予め計測された各測距エリアに位置する静物との基準距離をそれぞれ記憶する基準距離記憶手段と、
    前記距離計測手段が新たに計測した各測距エリアにおける測距対象物との距離と前記基準距離記憶手段に記憶された各基準距離との関係に基づいて、何れかの測距エリアに位置する動体を検出する動体検出手段と、
    を備えることを特徴とする動体捕捉装置。
  3. 前記距離計測手段は、
    基線長を隔てて配置された一対のラインセンサと、
    前記各ラインセンサの前面に焦点距離を隔てて配置され、測距エリアからの光を前記各ラインセンサにそれぞれ集光させる一対のレンズと、
    前記各ラインセンサが受光して得られたデータを相関演算し、測距対象物との距離を計測する演算部と、を備える、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の動体捕捉装置。
  4. 測距エリアを撮像するための撮像手段と、
    前記撮像手段の撮像方向を回動制御する回動制御手段と、を更に備え、
    前記回動制御手段は、前記動体検出手段が検出した動体に向けて、前記撮像手段を回動制御する、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の動体捕捉装置。
  5. 測距エリアからの光を一対のラインセンサに受光させて得られるデータに基づいて、測距エリアに位置する測距対象物との距離を計測する距離計測ステップと、
    前記距離計測ステップにて予め計測された測距エリアに位置する静物との基準距離を、所定の記憶部に格納する基準距離格納ステップと、
    前記距離計測ステップにて新たに計測された測距対象物との距離と前記基準距離格納ステップにて格納された基準距離との関係に基づいて、測距エリアに位置する動体を検出する動体検出ステップと、
    を備えることを特徴とする動体捕捉方法。
  6. 複数の測距エリアからの光を一対のラインセンサに受光させて得られるデータに基づいて、各測距エリアに位置する測距対象物との距離をそれぞれ計測する距離計測ステップと、
    前記距離計測ステップにて予め計測された各測距エリアに位置する静物との基準距離を、所定の記憶部にそれぞれ格納する基準距離格納ステップと、
    前記距離計測ステップにて新たに計測された各測距エリアにおける測距対象物との距離と前記基準距離格納ステップにて格納された各基準距離との関係に基づいて、何れかの測距エリアに位置する動体を検出する動体検出ステップと、
    を備えることを特徴とする動体捕捉方法。
  7. 前記距離計測ステップは、基線長を隔てて配置された一対のラインセンサが、当該各ラインセンサの前面に焦点距離を隔てて配置された一対のレンズにより集光された測距エリアからの光を受光して得たデータを相関演算することにより、測距対象物との距離を計測する、
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の動体捕捉方法。
  8. 測距エリアを撮像するための撮像機器を、前記動体検出ステップにて検出された動体に向けて回動制御する制御ステップを更に備える、
    ことを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の動体捕捉方法。
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