JP2005298842A - 黒鉛球状化処理設備 - Google Patents

黒鉛球状化処理設備 Download PDF

Info

Publication number
JP2005298842A
JP2005298842A JP2004112434A JP2004112434A JP2005298842A JP 2005298842 A JP2005298842 A JP 2005298842A JP 2004112434 A JP2004112434 A JP 2004112434A JP 2004112434 A JP2004112434 A JP 2004112434A JP 2005298842 A JP2005298842 A JP 2005298842A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
guide pipe
supply path
iron
pinch roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004112434A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3939306B2 (ja
Inventor
Shunichi Kawanami
俊一 川波
Hideichiro Nagai
秀一郎 長井
Takahiro Horii
隆宏 堀井
Kunio Kiyono
邦夫 清野
Masaru Ishikawa
勝 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Chutetsukan KK
Original Assignee
Nippon Chutetsukan KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Chutetsukan KK filed Critical Nippon Chutetsukan KK
Priority to JP2004112434A priority Critical patent/JP3939306B2/ja
Publication of JP2005298842A publication Critical patent/JP2005298842A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3939306B2 publication Critical patent/JP3939306B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

【課題】 処理容器と同等レベルの鉛直方向高さ位置に設置したコイル状の鉄被覆Mgワイヤーを摩擦抵抗により発生するトラブルを防止し、安定して供給する設備を提供する。
【解決手段】 上記課題は、処理容器15内の溶融鋳鉄17に対して鉛直方向にワイヤーを供給するガイドパイプ8と、ガイドパイプの内部にワイヤーを送り込むピンチロール9と、所定の半径の円周に沿って配置された、半円状のワイヤー供給経路10を形成するための複数のガイドロール11と、ワイヤー保持台13と、を備えた処理設備1であって、ガイドパイプの上端位置は前記ワイヤー供給経路の接線方向と合致し、且つ、ピンチロールは前記ワイヤー供給経路の頂点よりもガイドパイプ側に位置する該ワイヤー供給経路に配置されており、ワイヤー保持台に置かれた鉄被覆Mgワイヤー14aをピンチロールで巻き戻しながらガイドパイプを介して処理容器内に供給する処理設備により解決される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、溶解炉などで溶解された溶融鋳鉄に、金属MgやMg合金を添加してダクタイル鋳物用溶融鋳鉄を溶製する黒鉛球状化処理設備に関し、詳しくは、金属MgやMg合金を鋼板或いは鋼管などで被覆した鉄被覆ワイヤーを、溶融鋳鉄に添加して黒鉛を球状化する処理設備に関するものである。
ダクタイル鋳鉄管などのダクタイル鋳物は、鋼材と同等の引張強度を有し、その伸び及び靱性などの機械試験値は普通鋳鉄の十数倍に達し、更に、普通鋳鉄と同等の優れた耐食性を有しており、そのため、これらの特性が要求される地中埋設管などの、より厳しい環境下での各種配管材などに広く採用されている。
このダクタイル鋳物は、鉄スクラップを主たる鉄源原料としてキュポラ或いは電気炉によって溶解された溶融鋳鉄に、黒鉛球状化剤として金属MgやFe−Si−Mg合金などのMg合金を添加し、C:3〜4質量%(以下「%」と記す)、Si:2〜3%、Mn:0.2〜0.5%、Mg:0.01〜0.06%を含有するダクタイル鋳物用溶融鋳鉄を溶製し、これを遠心鋳造機などの鋳造設備によって鋳造することで製造されている(例えば、特許文献1参照)。
Mgは、沸点(1110℃)が低く、溶融鋳鉄の温度域では蒸気圧が高いため、溶融鋳鉄には本来溶解しにくい。このような性質の金属MgやMg合金を、高い添加歩留まりで溶融鋳鉄に添加する方法として、置注ぎ法、蓋付取鍋添加法、プランジャ法、圧力添加法、ワイヤーフィーダー法などの種々の添加方法が実施されている(例えば、非特許文献1参照)。これらは何れも、金属MgやMg合金の溶解する雰囲気の圧力を高め、Mgガスとなってロスする分を少なくした添加方法である。
このなかで、金属MgやMg合金を鋼板或いは鋼管などで被覆した鉄被覆Mgワイヤーを、溶融鋳鉄中に高速度で供給するワイヤーフィーダー法では、供給したMgワイヤーの長さを管理することによって金属MgやMg合金の添加量を制御することができ、しかも、供給したMgワイヤーの長さは、Mgワイヤーを供給するピンチロールなどによって自動的に計測されるため、前述した他の添加法に比べて大幅に作業負荷が削減されるというメリットがある。換言すれば、ワイヤーフィーダー法を適用することにより、黒鉛球状化処理作業を極めて簡単に無人化することが可能となる。
しかしながら、従来、ダクタイル鋳物用溶融鋳鉄を溶製する際に、ワイヤーフィーダー法を用いた事例(例えば特許文献2参照)はあるものの、Mgワイヤー供給時のMgワイヤーとガイドロールなどとの摩擦抵抗に起因して発生するMgワイヤーの断線などのトラブルを未然に防止することを目的として、コイル状に巻かれたMgワイヤーの設置位置と処理容器のMgワイヤー投入位置との位置関係、或いは、処理容器の投入位置へのMgワイヤーの供給方向などについて、最適な形態に配慮された黒鉛球状化処理設備は未だ提案されていない。
特開平6-246415号公報 日本鋳物協会編「改訂4版鋳物便覧」昭和61年1月20日、p.560-565 特開昭56-150111号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、金属MgやMg合金を鋼板或いは鋼管などで被覆した鉄被覆Mgワイヤーを、ワイヤーフィーダー法によって溶融鋳鉄に添加してダクタイル鋳物用溶融鋳鉄を溶製する黒鉛球状化処理設備において、特に、溶融鋳鉄を収容した処理容器の設置位置と同等レベルの鉛直方向高さ位置に配置されたコイル状の鉄被覆Mgワイヤーを、ガイドロールやガイドパイプなどとの摩擦抵抗に起因して発生する断線などのトラブルを防止して、安定して供給することのできる黒鉛球状化処理設備を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る黒鉛球状化処理設備は、処理容器に収容された溶融鋳鉄の浴面に対して鉛直方向にワイヤーを導入するためのガイドパイプと、対抗するロールとの間でワイヤーを挟み、前記ガイドパイプの内部にワイヤーを送り込むための一対のピンチロールと、所定の半径の円周に沿って並んで配置された、ワイヤーの送られる円弧状のワイヤー供給経路を形成するための複数個のガイドロールと、コイル状に巻かれたワイヤーを置くためのワイヤー保持台と、を備えた黒鉛球状化処理設備であって、前記ガイドパイプは直線状であると共に、ガイドパイプの上端位置は前記円弧状のワイヤー供給経路の接線方向と合致し、且つ、前記ピンチロールは、円弧状のワイヤー供給経路の頂点よりもガイドパイプ側である当該ワイヤー供給経路に配置されており、ワイヤー保持台に置かれた、金属MgまたはMg合金を鉄で被覆したコイル状の鉄被覆Mgワイヤーを、ピンチロールで巻き戻しながら円弧状のワイヤー供給経路及びガイドパイプを経由して処理容器内の溶融鋳鉄に供給することを特徴とするものである。
第2の発明に係る黒鉛球状化処理設備は、第1の発明において、前記ピンチロールは、円弧状のワイヤー供給経路におけるガイドパイプ上端位置からピンチロール設置位置までの範囲の円周のなす中心角が30°〜50°の範囲内となる位置に設置されていることを特徴とするものである。
第3の発明に係る黒鉛球状化処理設備は、処理容器に収容された溶融鋳鉄の浴面に対して鉛直方向にワイヤーを導入するためのガイドパイプと、対抗するロールとの間でワイヤーを挟み、前記ガイドパイプの内部にワイヤーを送り込むための一対のピンチロールと、所定の半径の円周に沿って並んで配置された、ワイヤーの送られる円弧状のワイヤー供給経路を形成するための複数個のガイドロールと、コイル状に巻かれたワイヤーを置くためのワイヤー保持台と、を備えた黒鉛球状化処理設備であって、前記ガイドパイプは、その上部を円弧状とし、その下部を直線状とし、上部の円弧状の部位は、前記円弧状のワイヤー供給経路と同一の半径の円弧であると共に、ガイドパイプの上端は前記ピンチロールと接続しており、且つ、前記ピンチロールは、円弧状のワイヤー供給経路の頂点よりもガイドパイプ側である当該ワイヤー供給経路に配置されており、ワイヤー保持台に置かれた、金属MgまたはMg合金を鉄で被覆したコイル状の鉄被覆Mgワイヤーを、ピンチロールで巻き戻しながら円弧状のワイヤー供給経路及びガイドパイプを経由して処理容器内の溶融鋳鉄に供給することを特徴とするものである。
第4の発明に係る黒鉛球状化処理設備は、第3の発明において、前記ピンチロールは、円弧状のワイヤー供給経路におけるガイドパイプの直線部位の上端位置からピンチロール設置位置までの範囲の円周のなす中心角が30°〜50°の範囲内となる位置に設置されていることを特徴とするものである。
第5の発明に係る黒鉛球状化処理設備は、第1ないし第4の発明の何れかにおいて、前記円弧状のワイヤー供給経路の半径は1.4m以上であることを特徴とするものである。
本発明によれば、溶融鋳鉄を収容する処理容器の内部に向かって鉛直方向に延びるガイドパイプの斜め上方にピンチロールを配置し、このピンチロールの駆動力により、円弧状のワイヤー供給経路に沿って鉄被覆Mgワイヤーをガイドパイプ内に供給するので、処理容器の設置位置と同等レベルの鉛直方向高さ位置に配置したコイル状の鉄被覆Mgワイヤーを、矯正用ロールなどの矯正手段を用いて矯正することなく、単に巻き戻すだけで、ガイドパイプやガイドロールとの摩擦抵抗を減少させ、鉄被覆Mgワイヤーの断線などを防止して、処理容器内の溶融鋳鉄に安定して供給することができる。その結果、ダクタイル鋳物用溶融鋳鉄の溶製過程における黒鉛球状化処理工程を無人化することが可能となり、製造コストを大幅に削減することが達成されるなど、工業上有益な効果がもたらされる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。先ず、第1の実施の形態について、図1に基づき説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態例を示す図であって、本発明に係る黒鉛球状化処理設備の全体構成を示す側面概略図である。
図1に示すように、黒鉛球状化処理設備1は、やぐら状に組まれた鋼製の架台2で骨組みが構成され、架台2で四隅を囲まれた中に処理容器である取鍋15を搬入・搬出するための搬送手段として、ローラーテーブル3が設置されている。このローラーテーブル3には、ローラーテーブル3に取り付けられたローラー駆動電動機(図示せず)によって回転可能な複数個のローラー4が設置されている。ローラー4の表面には凹状の溝(図示せず)が設けられており、取鍋15は、取鍋15の底面に設置した一対のレール16をローラー4の凹状の溝に乗せた状態でローラーテーブル3によって支持され、ローラー4が回転することでローラー4の上を移動するようになっている。ローラーテーブル3には、取鍋15が黒鉛球状化処理中に移動しないように固定するためのストッパー(図示せず)が設置されていると共に、取鍋15の位置を検出するためのリミットスイッチ(図示せず)が複数設置されている。
ローラーテーブル3によって黒鉛球状化処理設備1の内部の所定位置まで搬入された取鍋15の直上には、取鍋15の上部開口部を覆うための蓋5が配置されている。蓋5は、その他端を蓋昇降装置6と接続するチェーン7と接続しており、蓋昇降装置6によって巻き上げ或いは巻き下げられるチェーン7を介して蓋5は昇降し、取鍋15の上部開口部を覆うようになっている。チェーン7は複数配置されており、それぞれのチェーン7がそれぞれ独立して蓋昇降装置6に接続されている。蓋昇降装置6は、電動機(図示せず)によって駆動される。
取鍋15の上方には、取鍋15に収容された溶融鋳鉄17の浴面に対して鉛直方向に向いた直線状のガイドパイプ8が架台2に取り付けられている。ガイドパイプ8は蓋5を貫通しており、蓋5とガイドパイプ8との間には、蓋5が十分に昇降可能なように、間隙が設けられている。このガイドパイプ8の斜め上方には、対向するロールとの間でワイヤーを挟み、回転してワイヤーを供給する機能を備えた一対のピンチロール9が対向して設置されている。また、複数個(図1では4個)のガイドロール11が取付冶具12によって架台2に取り付けられている。この場合、ピンチロール9と複数個のガイドロール11とは、或る一点(図1ではP)を中心とする所定の半径の円周に沿って並んで配置されており、ガイドパイプ8の上端とピンチロール9と複数個のガイドロール11とによって、円弧状(この場合、実質半円状)のワイヤー供給経路10が形成されている。ガイドパイプ8の軸心方向は、この円弧状のワイヤー供給経路10の接線方向と合致するように配置されている。また、取鍋15から離れた位置には、取鍋15の設置位置と同等レベルの鉛直方向高さ位置に、コイル状に巻かれたワイヤーを置くためのワイヤー保持台13が設けられている。
即ち、ワイヤー保持台13に置かれたコイル状の鉄被覆Mgワイヤー14aは、対向するピンチロール9の間に挟まれて巻き戻され、線状の鉄被覆Mgワイヤー14となって、円弧状のワイヤー供給経路10及びガイドパイプ8を経由して取鍋15に収容された溶融鋳鉄17に供給されるようになっている。
コイル状の鉄被覆Mgワイヤー14aは矯正機などを用いて矯正されずに取鍋15に供給されるため、ガイドロール11及びガイドパイプ8との摩擦抵抗により、鉄被覆Mgワイヤー14の断線やピンチロール9の空回りなどを起こし易いが、これを防止するために、本発明では、ピンチロール9を、円弧状のワイヤー供給経路10の頂点(最高高さ位置)よりもガイドパイプ8に向いた側に配置する。この範囲にピンチロール9を設置することで、円弧状のワイヤー供給経路10における摩擦抵抗を少なくして鉄被覆Mgワイヤー14を巻き上げることができると同時に、鉄被覆Mgワイヤー14をガイドパイプ8内に円滑に導入することができる。
ピンチロール9を円弧状のワイヤー供給経路10の頂点よりもワイヤー保持台13に向いた側に設置すると、コイル状の鉄被覆Mgワイヤー14aの巻き上げには全く問題がないが、ピンチロール9による鉄被覆Mgワイヤー14の駆動方向がガイドパイプ8の軸心方向と大幅に異なるため、ガイドパイプ8への供給が困難になる。一方、ガイドパイプ8の軸心方向と同一になるようにガイドパイプ8の延長線上にピンチロール9を設置すると、鉄被覆Mgワイヤー14はピンチロール9に噛み込む直前に矯正されるようになるため、この矯正による摩擦抵抗が大きくなって円滑にコイル状の鉄被覆Mgワイヤー14aを巻き上げることができない。
この場合、特に、コイル状の鉄被覆Mgワイヤー14aの巻き上げ並びにガイドパイプ8への供給を円滑にすることから、円弧状のワイヤー供給経路10におけるガイドパイプ8の上端位置からピンチロール9の設置位置までの範囲の円周のなす中心角θが30°〜50°の範囲内となる位置に、ピンチロール9を設置することが好ましい。また、円弧状のワイヤー供給経路10の半径が小さくなると鉄被覆Mgワイヤー14とガイドロール11及びガイドパイプ8との摩擦抵抗が大きくなるので、摩擦抵抗を少なくする観点から、円弧状のワイヤー供給経路10の半径は1.4m以上とすることが好ましい。
この黒鉛球状化処理設備1では、2本の鉄被覆Mgワイヤー14を同時に供給することが可能であり、従って、ガイドパイプ8、一対のピンチロール9、円弧状のワイヤー供給経路10、及びワイヤー保持台13がそれぞれ独立して一基ずつ配置されているが、図1では、片方のみを図示している。鉄被覆Mgワイヤー14の供給量は、ピンチロール9によって自動的に計測され、その計測結果が制御盤(図示せず)に出力されるようになっている。鉄被覆Mgワイヤー14は、金属MgやFe−Si−Mg合金などのMg合金を心材とし、この心材を薄鋼鈑或いは薄鋼管で覆ったクラッド線材である。コイル状の鉄被覆Mgワイヤー14aはドラムなどに巻く必要はなく、図1に示すように、ワイヤー保持台13の上に置くだけでよい。
このような構成の黒鉛球状化処理設備1を用いたダクタイル鋳物用溶融鋳鉄の黒鉛球状化処理方法を以下に説明する。
鉄スクラップなどの鉄源とコークスなどの炭材とを原料として、キュポラ或いは電気炉などの溶解炉で溶解され、更に必要に応じて脱硫処理して得られた溶融鋳鉄17を取鍋15に注湯する。そして、溶融鋳鉄17を収容した取鍋15をクレーン、搬送台車などの適宜の搬送手段によって黒鉛球状化処理設備1に搬送し、取鍋15をローラーテーブル3の上に載せる。図1に示す本実施の形態例では、搬送台車を用いて取鍋15を黒鉛球状化処理設備1に搬送した例であり、図1ではローラーテーブル3に対面する搬送台車を省略している。
取鍋15がローラーテーブル3の上を黒鉛球状化処理設備1の所定位置まで搬入されたなら、蓋昇降装置6が駆動して蓋5を下降させ、蓋5によって取鍋15の上部開口部が覆われる。次いで、ピンチロール9が駆動し、鉄被覆Mgワイヤー14の供給量を測定しながら、鉄被覆Mgワイヤー14が取鍋15内に供給される。取鍋15内の溶融鋳鉄17は、添加されるMgによって黒鉛球状化処理が施され、溶融鋳鉄17は、例えば、C:3〜4%、Si:2〜3%、Mn:0.2〜0.5%、Mg:0.01〜0.06%を含有するダクタイル鋳物用溶融鋳鉄に溶製される。
所定量の鉄被覆Mgワイヤー14が取鍋15の内部に供給され、Mgによる黒鉛球状化処理が終了したならば、ピンチロール9が停止し、次いで、蓋昇降装置6が駆動して、蓋5は所定位置まで上昇する。一方、蓋5と取鍋15とが分離されたならば、ローラーテーブル3のローラー4が駆動し、取鍋15は黒鉛球状化処理設備1から搬出される。次いで、ダクタイル鋳物用溶融鋳鉄を収容した取鍋15を次工程の遠心鋳造機などの鋳造設備に、クレーンや搬送台車などの適宜の搬送手段を用いて搬送する。
この場合に、ローラーテーブル3、蓋昇降装置6、ピンチロール9は、リミットスイッチ及びシーケンサーなどの信号によって一連の作業を全て自動的に運転するようになっている。但し、未使用のコイル状の鉄被覆Mgワイヤー14aを新たにワイヤー保持台13に設置した場合には、人手によって、コイル状の鉄被覆Mgワイヤー14aの先端部分を巻き戻し、ピンチロール9に噛み込ませ、ガイドパイプ8に導入する必要がある。
このような構成の黒鉛球状化処理設備1を用いることにより、取鍋15の設置位置と同等レベルの鉛直方向高さ位置に置いたコイル状の鉄被覆Mgワイヤー14aを、矯正用ロールなどを用いて矯正することなく、単に巻き戻すだけで、ガイドパイプ8やガイドロール11との摩擦抵抗を減少させ、鉄被覆Mgワイヤー14の断線などを防止して、取鍋15に収容された溶融鋳鉄17に安定して供給することができる。その結果、ダクタイル鋳物用溶融鋳鉄の溶製過程における黒鉛球状化処理工程を無人化することが可能となり、製造コストを大幅に削減することが可能となる。また、コイル状の鉄被覆Mgワイヤー14aは、取鍋15と鉛直方向の高さ位置を同等レベルに置くことができるので、例えば、架台2の上部にワイヤー保持台を設置した場合に比べて、設備を簡素化できると同時に、コイル状の鉄被覆Mgワイヤー14aの入れ替え作業が大幅に容易になり、作業負荷を削減することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について、図2に基づき説明する。図2は、本発明の第2の実施の形態例を示す図であって、本発明に係る黒鉛球状化処理設備の全体構成を示す側面概略図である。
図2に示すように、第2の実施の形態における黒鉛球状化処理設備1Aでは、ガイドパイプ8Aは、その下部は鉛直方向を向いた直線上であるが、その上部は円弧状になっており、円弧状の上端部はピンチロール9に接続されている。ガイドパイプ8Aの円弧状の部位は、複数個のガイドロール11で形成される円弧状のワイヤー供給経路10の半径と同じ半径であり、また、ピンチロール9は、前述した第1の実施の形態と同様にガイドロール11で形成される円弧状のワイヤー供給経路10に配置されており、従って、ガイドパイプ8Aの上部の円弧状の部位と、ピンチロール9と、複数個のガイドロール11とによって、円弧状のワイヤー供給経路10が形成されている。
黒鉛球状化処理設備1Aは、その他の構造は図1に示す第1の実施の形態の黒鉛球状化処理設備1と同一構造となっており、同一の部分は同一符号により示し、その説明は省略する。また、この黒鉛球状化処理設備1Aを用いたダクタイル鋳物用溶融鋳鉄の黒鉛球状化処理方法も、前述した第1の実施の形態の処理方法と全く同様に実施すればよく、その説明は省略する。
このように黒鉛球状化処理設備1Aでは、ガイドパイプ8Aとピンチロール9とが連結されているので、前述した第1の実施の形態の黒鉛球状化処理設備1に比べて更に安定して、取鍋15の設置位置と同等レベルの鉛直方向高さ位置に置いたコイル状の鉄被覆Mgワイヤー14aを、矯正用ロールなどを用いて矯正することなく、単に巻き戻すだけで、ガイドパイプ8Aやガイドロール11との摩擦抵抗を減少させ、鉄被覆Mgワイヤー14の断線などを防止して、取鍋15に収容された溶融鋳鉄17に安定して供給することが可能となる。その結果、ダクタイル鋳物用溶融鋳鉄の溶製過程における黒鉛球状化処理工程を無人化することが可能となり、製造コストを大幅に削減することが可能となる。また、コイル状の鉄被覆Mgワイヤー14aは、取鍋15と鉛直方向の高さ位置を同等レベルに置くことができるので、例えば、架台2の上部にワイヤー保持台を設置した場合に比べて、設備を簡素化できると同時に、コイル状の鉄被覆Mgワイヤー14aの入れ替え作業が大幅に容易になり、作業負荷を削減することができる。
尚、本発明は上記実施の形態例に限るものではなく、種々の変更が可能である。例えば、ガイドロール11は4箇所に設置されているが、円弧状のワイヤー供給経路10を形成できるならば、3箇所以下であっても構わない。当然ながらガイドロール11を5箇所以上としてもよい。また、取鍋15の搬送手段はローラーテーブル3に限るものではなく、台車方式などの他の搬送手段であってもよい。更に、蓋昇降装置6などは、その機能が同一であるならば、どのような構成としてもよい。
本発明の第1の実施の形態例を示す図であって、本発明に係る黒鉛球状化処理設備の全体構成を示す側面概略図である。 本発明の第2の実施の形態例を示す図であって、本発明に係る黒鉛球状化処理設備の全体構成を示す側面概略図である。
符号の説明
1 黒鉛球状化処理設備
1A 黒鉛球状化処理設備
2 架台
3 ローラーテーブル
4 ローラー
5 蓋
6 蓋昇降装置
7 チェーン
8 ガイドパイプ
8A ガイドパイプ
9 ピンチロール
10 ワイヤー供給経路
11 ガイドロール
12 取付冶具
13 ワイヤー保持台
14 鉄被覆Mgワイヤー
15 取鍋
16 レール
17 溶融鋳鉄

Claims (5)

  1. 処理容器に収容された溶融鋳鉄の浴面に対して鉛直方向にワイヤーを導入するためのガイドパイプと、対抗するロールとの間でワイヤーを挟み、前記ガイドパイプの内部にワイヤーを送り込むための一対のピンチロールと、所定の半径の円周に沿って並んで配置された、ワイヤーの送られる円弧状のワイヤー供給経路を形成するための複数個のガイドロールと、コイル状に巻かれたワイヤーを置くためのワイヤー保持台と、を備えた黒鉛球状化処理設備であって、前記ガイドパイプは直線状であると共に、ガイドパイプの上端位置は前記円弧状のワイヤー供給経路の接線方向と合致し、且つ、前記ピンチロールは、円弧状のワイヤー供給経路の頂点よりもガイドパイプ側である当該ワイヤー供給経路に配置されており、ワイヤー保持台に置かれた、金属MgまたはMg合金を鉄で被覆したコイル状の鉄被覆Mgワイヤーを、ピンチロールで巻き戻しながら円弧状のワイヤー供給経路及びガイドパイプを経由して処理容器内の溶融鋳鉄に供給することを特徴とする黒鉛球状化処理設備。
  2. 前記ピンチロールは、円弧状のワイヤー供給経路におけるガイドパイプ上端位置からピンチロール設置位置までの範囲の円周のなす中心角が30°〜50°の範囲内となる位置に設置されていることを特徴とする、請求項1に記載の黒鉛球状化処理設備。
  3. 処理容器に収容された溶融鋳鉄の浴面に対して鉛直方向にワイヤーを導入するためのガイドパイプと、対抗するロールとの間でワイヤーを挟み、前記ガイドパイプの内部にワイヤーを送り込むための一対のピンチロールと、所定の半径の円周に沿って並んで配置された、ワイヤーの送られる円弧状のワイヤー供給経路を形成するための複数個のガイドロールと、コイル状に巻かれたワイヤーを置くためのワイヤー保持台と、を備えた黒鉛球状化処理設備であって、前記ガイドパイプは、その上部を円弧状とし、その下部を直線状とし、上部の円弧状の部位は、前記円弧状のワイヤー供給経路と同一の半径の円弧であると共に、ガイドパイプの上端は前記ピンチロールと接続しており、且つ、前記ピンチロールは、円弧状のワイヤー供給経路の頂点よりもガイドパイプ側である当該ワイヤー供給経路に配置されており、ワイヤー保持台に置かれた、金属MgまたはMg合金を鉄で被覆したコイル状の鉄被覆Mgワイヤーを、ピンチロールで巻き戻しながら円弧状のワイヤー供給経路及びガイドパイプを経由して処理容器内の溶融鋳鉄に供給することを特徴とする黒鉛球状化処理設備。
  4. 前記ピンチロールは、円弧状のワイヤー供給経路におけるガイドパイプの直線部位の上端位置からピンチロール設置位置までの範囲の円周のなす中心角が30°〜50°の範囲内となる位置に設置されていることを特徴とする、請求項3に記載の黒鉛球状化処理設備。
  5. 前記円弧状のワイヤー供給経路の半径は1.4m以上であることを特徴とする、請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載の黒鉛球状化処理設備。
JP2004112434A 2004-04-06 2004-04-06 黒鉛球状化処理設備 Expired - Lifetime JP3939306B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004112434A JP3939306B2 (ja) 2004-04-06 2004-04-06 黒鉛球状化処理設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004112434A JP3939306B2 (ja) 2004-04-06 2004-04-06 黒鉛球状化処理設備

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005298842A true JP2005298842A (ja) 2005-10-27
JP3939306B2 JP3939306B2 (ja) 2007-07-04

Family

ID=35330756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004112434A Expired - Lifetime JP3939306B2 (ja) 2004-04-06 2004-04-06 黒鉛球状化処理設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3939306B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010506042A (ja) * 2006-10-03 2010-02-25 アフィヴァル コアードワイヤーを溶融金属浴中に導入する方法及び装置
WO2010119777A1 (ja) * 2009-04-15 2010-10-21 新東工業株式会社 溶湯処理設備と溶湯処理方法およびそれを用いた溶湯搬送ライン
CN104152622A (zh) * 2014-08-06 2014-11-19 泰州市创源阀业有限公司 炉前球化处理系统
JP2014237875A (ja) * 2013-06-07 2014-12-18 株式会社木村鋳造所 ワイヤー供給装置
CN105624542A (zh) * 2014-11-07 2016-06-01 兴化市雅兰机械制造有限公司 一种球墨铸铁的球化系统
CN106312005A (zh) * 2016-10-27 2017-01-11 西南铝业(集团)有限责任公司 一种喂丝机
JP2019063848A (ja) * 2017-10-05 2019-04-25 東洋電化工業株式会社 ワイヤー処理装置
JP2021055171A (ja) * 2019-10-02 2021-04-08 日本製鉄株式会社 Zn−Alワイヤー供給装置及びZn−Alワイヤー供給方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101330281B1 (ko) * 2011-11-02 2013-11-15 주식회사 포스코 금속 와이어 투입장치

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010506042A (ja) * 2006-10-03 2010-02-25 アフィヴァル コアードワイヤーを溶融金属浴中に導入する方法及び装置
WO2010119777A1 (ja) * 2009-04-15 2010-10-21 新東工業株式会社 溶湯処理設備と溶湯処理方法およびそれを用いた溶湯搬送ライン
CN102271838A (zh) * 2009-04-15 2011-12-07 新东工业株式会社 熔融金属处理设备与熔融金属处理方法以及使用该设备的熔融金属输送线
JP5406918B2 (ja) * 2009-04-15 2014-02-05 新東工業株式会社 溶湯処理設備と溶湯処理方法およびそれを用いた溶湯搬送ライン
JP2014237875A (ja) * 2013-06-07 2014-12-18 株式会社木村鋳造所 ワイヤー供給装置
CN104152622A (zh) * 2014-08-06 2014-11-19 泰州市创源阀业有限公司 炉前球化处理系统
CN105624542A (zh) * 2014-11-07 2016-06-01 兴化市雅兰机械制造有限公司 一种球墨铸铁的球化系统
CN106312005A (zh) * 2016-10-27 2017-01-11 西南铝业(集团)有限责任公司 一种喂丝机
JP2019063848A (ja) * 2017-10-05 2019-04-25 東洋電化工業株式会社 ワイヤー処理装置
JP2021055171A (ja) * 2019-10-02 2021-04-08 日本製鉄株式会社 Zn−Alワイヤー供給装置及びZn−Alワイヤー供給方法
JP7311774B2 (ja) 2019-10-02 2023-07-20 日本製鉄株式会社 Zn-Alワイヤー供給装置及びZn-Alワイヤー供給方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3939306B2 (ja) 2007-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3939306B2 (ja) 黒鉛球状化処理設備
JP5793112B2 (ja) 鋼製品を製造するためのフレキシブルな最小エネルギー利用アーク炉システムおよび方法
CN101748325A (zh) 一种高强度耐磨球铁卷筒及其制造方法
JP2006316331A (ja) 黒鉛球状化処理方法
JP3685781B2 (ja) ダクタイル鋳物用溶融鋳鉄の溶製設備
JP5122842B2 (ja) 精錬用上蓋の地金付着防止方法
JP3503938B2 (ja) 転炉間の溶銑鍋搬送装置及びその装置に用いる溶銑鍋セット装置
KR101175470B1 (ko) 레들 이송 장치
JP4230479B2 (ja) 取鍋搬送台車の停止位置決め方法および装置
CN208516680U (zh) 一种螺旋线带入式吊具电缆卷盘
JP3975187B2 (ja) 溶鋼処理ライン
JP3696857B2 (ja) 黒鉛球状化処理設備
JP4697103B2 (ja) 転炉製鋼工場
JP2796272B2 (ja) 溶融金属搬送方式および溶融金属搬送設備
JP3666750B2 (ja) 黒鉛球状化処理設備
CN112725562A (zh) 喂线站
JP4150693B2 (ja) ダクタイル鋳物用溶融鋳鉄の溶製設備
CN212551718U (zh) 一种用于转炉与氩站之间的钢包转运系统
KR102605727B1 (ko) 하이브리드 래들 및 그 하이브리드 래들을 이용한 용탕 자동 주입시스템 및 하이브리드 래들을 이용한 용탕 자동 주입시스템의 용탕 주입방법
JP7063635B2 (ja) 製鋼方法および製鋼システムにおけるワイヤ投入ステーション
JPH09164456A (ja) 取鍋ターレット兼鋳型アセンブリ交換装置および鋳型アセンブリ交換方法
CN214141313U (zh) 一种冷钢加入装置
US276384A (en) Metallurgical plant
JP2005298843A (ja) 黒鉛球状化処理方法
CN114749647A (zh) 铁水包加盖装置及铁水包加盖方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070319

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070327

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070327

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100406

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140406

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250