JP2005298732A - 生分解性樹脂組成物 - Google Patents

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和子 板橋
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Abstract

【課題】 糸や不織布またはシート等の薄物の成形に適するとともに、成形性・加工性・物性に優れ、従来の生分解性合成樹脂よりも優れた生分解性を有する生分解性樹脂組成物を安価に提供する。
【解決手段】 粒径が1〜100μmの微細な米粉から成る生分解性天然物と生分解性合成樹脂(脂肪族ポリエステル樹脂)とを混合することにより調製される生分解性樹脂組成物において、生分解性天然物と生分解性合成樹脂との混合比を、生分解性天然物:生分解性合成樹脂=2〜40:98〜60とした。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生分解性樹脂組成物、殊に生分解性天然素材と生分解性合成樹脂とを混合した生分解性樹脂組成物に関するものである。
従来、石油から得られる化学物質を化学的に高分子化し、得られた高分子物質を変性・加工・成形することにより、各種の合成樹脂製品が製造されている。更に、品質や形状を一定に保つため、これらの合成樹脂製品には耐久性や耐熱性などが付与されている。
しかしながら、これらの合成樹脂製品にも変質や破損が生じ、やがては製品寿命に至り、使用者にとって不要となると廃棄されてしまう。そして、これらの廃棄物は地中への埋め立てあるいは焼却等により処理されることとなる。
ここで、合成樹脂製品には前述の性能が付与されているため、自然環境下において容易に分解されることはなく、長期間にわたり原形を留め続ける。また、合成樹脂製品を焼却させると、その焼却過程においてダイオキシン等の有害物質が発生するため、合成樹脂製品の廃棄による環境汚染が深刻な問題となっている。そこで、斯かる問題の解決を図るため、自然環境下で分解される生分解性合成樹脂の開発が積極的に進められている。
このような生分解性合成樹脂として、例えば、ポリ乳酸が従来から知られているが、分解されるまでに長期間を要するという問題点がある。そこで、脂肪族ポリエステルのようにより分解性に優れたものが研究されているが、汎用合成樹脂よりも高価であるという問題点があり、生分解性合成樹脂製品が広く普及するに至っていないのが現状である。
そこで、生分解性合成樹脂製品の生分解性の向上と経済性とを目的として、従来より自然界に存在し安価に入手することができる天然の生分解性素材を利用し、前記生分解性天然素材と生分解性合成樹脂とを所定の重量比で均一になるまで混合し生分解性樹脂組成物を調製する技術が特開2003−192928号公報に記載されている。
前記公報に記載された発明は、生分解性天然素材:生分解性合成樹脂=60〜90:40〜10の重量比で混練機内で均一に混練して得られた混練物を造粒しペレット状の生分解性樹脂組成物を調製し、次に、所定量の前記ペレット状の生分解性樹脂組成物を射出成形あるいは押圧成形することにより、生分解性樹脂組成物から成る成形物の製造を可能としたものである。
従って、前記成形物に含有される生分解性合成樹脂の割合が10〜40重量%となり、前述の生分解性合成樹脂から成る成形物よりも製造コストが安価になるばかりか生分解性の向上を図ることができるという大きな利点がある。
しかしながら、生分解性樹脂組成物に含有される生分解性天然素材の割合が高いことから、澱粉(米粉)等の粒子のあるものについては成形性及び物理的強度などの面で充分でない場合があり、例えば糸や不織布またはシート等のような薄物についての成形物の加工原材料として用いるには適当でない場合が生じる。
特開2003−192928号公報
従って、本発明は、前記生分解性樹脂組成物を薄物の成形物の加工原材料として用いた場合、二次加工において各種の性能・機能を付与させることは困難である、という課題を解決するために為されたものであり、糸や不織布等の繊維状の細さを要求されるもの、またはシート等の薄物で用途が多岐にわたるものの加工に適した生分解性樹脂組成物を提供することを課題とするものである。
本発明は、生分解性天然素材と生分解性合成樹脂とを混合することにより調製される生分解性樹脂組成物において、生分解性天然素材と生分解性合成樹脂との混合比を、生分解性天然素材:生分解性合成樹脂=2〜40:98〜60とすることを特徴とする。また、生分解性天然素材として微細な米粉を用いた。その理由として、米粉を使用した場合、生分解性樹脂組成物の調製過程における加工・成形作業が容易となり生産効率が高くなるとともに、米粉は安価且つ生分解性に優れているので、従来の生分解性合成樹脂よりも生分解性に優れた生分解性樹脂組成物を安価に提供することが可能となるからである。また、粒径が1〜100μmの微細な米粉を使用すると、得られる生分解性樹脂組成物の物理的性質が良好なものとなる。
生分解性樹脂組成物に含有される生分解性天然素材の割合を2〜40重量%としたことにより成形が容易となり、糸や不織布等の繊維状の細さを要求されるもの、またはシート等の用途が多岐にわたるものの成形が可能になるとともに、成形を短時間で行うことにより作業効率ならびに生産性が向上し、これらの製品を従来よりも安価に提供することが可能であるばかりか、実用的に充分な生分解性を有するものとすることが可能となる。
次に、本発明の実施の形態について説明する。
本発明において使用する生分解性天然素材は、米粉、澱粉、変性澱粉、澱粉誘導、セルロース、セルロース誘導体等を用いることが可能であり、例えば米粉を使用した場合、その粒径は1〜100μm程度の微細な大きさが適宣であり、好ましくは38μm(400メッシュ)である。
また、本発明において使用する生分解性合成樹脂としては、脂肪族ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリラクチド酸、ポリグリコール酸、アセチルセルロース、ポリビニルアルコール等、従来知られている各種の生分解性合成樹脂を用いることができる。
本発明では、生成する生分解性樹脂組成物を100重量部としたときに生分解性天然素材と生分解性合成樹脂との混合比が、生分解性天然素材:生分解性合成樹脂=2〜40:98〜60になるような成分の配合が好ましい。
そして、例えばペレット状の樹脂組成物を製造するには、前記生分解性合成樹脂の所定量をその融点以上の温度で押出機中で溶融混練し、この混練物の中に、前記生分解性天然素材(米粉)の所定量を混入して分散・混合させ、これをノズルから紐状に押し出すとペレット状に造粒される。
尚、生分解性合成樹脂と生分解性天然素材(米粉)とを混練する際に、タルクの微粉末を、生成する生分解性樹脂組成物、即ち、生分解性天然素材と生分解性合成樹脂とを合わせた重量に対して0.1〜0.5%程度添加すると、微細な生分解性天然素材(米粉)の生分解性樹脂組成物の中での凝固を防止して生分解性合成樹脂中に分散させるので均質な物が製造可能であるとともに結晶化が促進される。
得られたペレット状樹脂組成物は、従来の合成樹脂ペレット状組成物と同様に射出成形、押出成形(インフレーションやTダイ成形用)、ブロー成形、シート成形、真空成形により、糸、不織布、ネット、発泡体等への成形が可能である。殊に、シート成形、真空成形またはプレス成形などにより成形された生分解性樹脂組成物は、各種容器をはじめとする従来の用途と同様に利用可能であるとともに、加工性・成形性・物性に優れ、更には充分な生分解性をも兼ね備えている。
粒径が1〜100μmの微細米粉から成る生分解性天然素材と生分解性合成樹脂(脂肪族ポリエステル樹脂(商品名「エンポール」)とを、生分解性天然素材:生分解性合成樹脂=30:70(試料A)、生分解性天然素材:生分解性合成樹脂=2:98(試料B)の重量比で挿出機で均一に混練し、得られた混練物を水冷造粒し試料AよりペレットAを、試料BよりペレットB調製した。
次に、ペレットA,Bを押出成形機に投入しシートA,Bをそれぞれ調製した。そして、得られたシートA,Bについて、JIS K 7210に準拠してメルトマスフローレイト(MFR)および示差走査熱測定により融点を測定した。融点測定には、セイコーインスツルメンツ株式会社製の示差走査熱測定装置を使用した。尚、測定条件は、測定温度範囲:20〜250℃、昇温速度:10℃/minである。
測定結果を表1に示す。
Figure 2005298732
表1によれば、シートA,BのMFR値と融点とには差異があり、シートA,Bの特性は異なると言える。従って、生分解性天然素材と生分解性合成樹脂とを適宣に混合することにより、用途に応じた製品を短時間で製造することが可能となり、生産性が向上するととも製造コストが安価になるという利点を有していると言える。
金型を用いた単発真空成形法により、前記実施例1に示したペレットA,Bを用いて成形したシートA、Bをトレイ型に成形し、それらの成形物(成形物A,B)の成形収縮率を測定した。尚、本実施例で使用した金型は横幅140mm、縦幅100mmのトレイ型であり、成形物A,Bの厚さは0.5mmである。
測定結果を表2に示す。
Figure 2005298732
表2によれば、成形物Bは垂直方向は膨張しているが流れ方向は全く変化していない。従って、成形物Bは寸法安定性に優れており、商品として充分に耐えうる寸法安定性を有していると言える。また、成形物Aは流れ方向と垂直方向とが収縮してはいるが、用途によっては実用に耐えうる収縮率であると言える。
先端部に網目状のアタッチメントを装着した射出成形機に前記実施例1に示したペレットBを投入しネットを調製した。そして、前記ネットを適宣の寸法に裁断するとともに一方の開放端を閉端し袋状として家庭用水切りネットを試作し、前記水切りネットの耐荷重性および耐水性を測定した。
その結果、前記水切りネットは2000gの荷重を加えても破損しなかった。また、前記水切りネット内に野菜屑等の生ゴミを含ませた状態で水中に30日間浸しても前記水切りネットは破損しなかった。従って、前記水切りネットは優れた耐荷重性および耐水性を有しており、家庭用の水切りネットとして使用しても何らの問題はないと言える。
次に、前記水切りネット内に野菜屑等の生ゴミを含ませ、これを家庭用生ゴミ処理機に投入し、投入時から前記水切りネットが分解されるまでの形態観察を2時間毎に行い生分解性能を測定した。
その結果、前記水切りネットはわずか26時間で完全に分解されており、極めて優れた生分解性能を有しているとともに、従来の生分解性合成樹脂よりも分解性に優れていると言える。しかも、前記水切りネットに含まれている生分解性天然素材の含有量はわずか2%であることより、さらに含有量が高くなればより短時間で分解されることは言うまでもない。
以上の実施例1〜3によれば、生分解性樹脂組成物に含有される生分解性天然樹脂の割合を2〜30重量%としたことにより成形が容易となり、糸や不織布またはシート等の薄物の成形物の製造が可能になるとともに、短時間での成形が可能となり作業効率ならびに生産性が向上し、これらの製品を従来よりも安価に提供することが可能であるばかりか、実用的に充分な生分解性を有する製品を提供することが可能となる。尚、実施例により調製される生分解性樹脂組成物の用途は糸や不織布またはシート等に限らることはなく、繊維、フィルム、発泡体等の成形にも適しており、これらの製品も実用的に充分な生分解性を有するとともに安価に製品可能であるのは当然のことである。

Claims (3)

  1. 生分解性天然素材と生分解性合成樹脂とを混合することにより調製される生分解性樹脂組成物において、前記生分解性天然素材と前記生分解性合成樹脂との混合比が、生分解性天然素材:生分解性合成樹脂=2〜40:98〜60であることを特徴とする生分解性樹脂組成物。
  2. 前記生分解性天然素材が微細な米粉である請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
  3. 前記生分解性天然素材の粒径が1〜100μmである請求項1または2記載の生分解性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009078236A1 (ja) 2007-12-17 2009-06-25 Tokuyama Corporation 記録紙

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