JP2005298374A - 抗ウイルス抗菌組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 抗菌処理などの施されていない市販のマスク等や不織布マスク等に優れた抗ウイルス抗菌性を付与でき、かつ安全性の高い抗菌抗ウイルス衛生用品等を提供する。
【解決手段】 ポリ酸、及び水のみには溶解し難く自重の50〜1000%の水分を吸収する高分子化合物を含有することを特徴とする抗ウイルス抗菌組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリ酸、及び水のみには溶解し難く自重の50〜1000%の水分を吸収する高分子化合物を含有することを特徴とする抗ウイルス抗菌組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、例えば、マスクなどの衛生用品等に塗布又は噴射することにより、抗ウイルス性や抗菌性を付与し得る組成物に関する。
マスクを例にして従来の技術を説明すれば、従来の抗菌マスクのほとんどは、マスク内部のフィルターに抗菌剤を担持したものである。この種のマスクにおいて、抗菌剤がマスク表面(ガーゼや不織布)の細菌やウイルスに接触するのは難しいため、効果が充分に発揮されなかった。また、抗菌剤としては、有機性抗菌剤は洗濯によって洗浄除去されやすいため、銀、亜鉛、銅などの金属性の抗菌剤が主として用いられている。しかしながら、金属性の抗菌剤は、装用者の皮膚に接触した場合に、金属アレルギーの原因になるという問題があった。
S.Ikeda, S.Nishiya, A.Yamamoto, T.Yamase, C.Nishimura and E.De Clercq, Antiviral Cemistry & Chemotherapy (1994) 5(1), 47-50
本発明は、前記背景技術の問題点を解消し、抗菌処理などの施されていない市販のマスク等や不織布マスク等に優れた抗ウイルス抗菌性を付与でき、かつ安全性の高い抗ウイルス抗菌衛生用品等を提供することを目的とする。
本発明者は、ポリ酸について以前から研究を行ってきた。ポリ酸とは、一般に、式(1):〔MmOy〕p−(MはV、Mo、W、Nb、Ta又はこれらの混合物を表し、m、y、pは整数を表す。)で表されるイソポリ酸イオン、又は式(2):〔XxMmOy〕q−(Mは前記と同じ元素を表し、XはM以外の元素を表し、x、m、y、qは整数を表す。但し、x≦mの関係にある。)で表されるヘテロポリ酸イオンを有する化合物と定義されている(山瀬利博、有機合成化学、第43巻第3号(1985))。ポリ酸は、抗ウイルス性(S.Ikeda etal., Antiviral Cemistry & Chemotherapy (1994) 5(1), 47-50、山瀬利博、化学工業、1990年10月号)及び抗菌性(山瀬利博、有機合成化学、第43巻第3号(1985))といった性質を持つ。ポリ酸の抗ウイルス性は、ポリ酸がウイルス粒子を包み込み、その機能を失わせることから生じるものであり、また、抗菌性は、ポリ酸の光触媒機能、即ち、水の存在下で光によりOHラジカルを発生させる機能によって生じるものである。また、ポリ酸は、安全性の高い物質でもある(S.Ikeda etal., Antiviral Cemistry & Chemotherapy (1994) 5(1), 47-50)。
以上のようなポリ酸の性質を利用し、抗ウイルス抗菌機能をもった衛生用品を作製できると考えられるが、そのような衛生用品作製のためには、衛生用品等の基体にポリ酸を担持させなければならない。しかし、ポリ酸は一般に水に溶解性が非常に高い化合物である。そして、ポリ酸が抗ウイルス機能や光触媒機能を発揮するためには、ポリ酸イオンとして遊離している方が効率的である。従って、ポリ酸を少なくともある期間、通常の使用環境下で、使用基体に担持させておくことが必要である。
そのためには、バインダー中にポリ酸を内添することが考えられるが、水親和性のないような高分子バインダー中に内添した場合にはポリ酸イオンが表面に移動することができず、抗ウイルス機能や光触媒機能を充分に発揮できない。一方、水溶性の高い高分子バインダー中に分子分散させたような場合には、体から発散される水分や環境中の水分によってべとついたり、場合により除去されてしまうことになる。
これらの問題点を解決するため鋭意検討を重ねた結果、水のみには溶解し難く自重の50〜1000%の水分を吸収する高分子化合物とポリ酸を含有する組成物を含む水性液で、衛生用品等を処理することにより、その衛生用品等に優れた抗ウイルス性と光触媒性とを発現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(4)を提供するものである。
(1)ポリ酸、及び水のみには溶解し難く自重の50〜1000%の水分を吸収する高分子化合物を含有することを特徴とする抗ウイルス抗菌組成物。
(2)(1)記載の抗ウイルス抗菌組成物を含む抗ウイルス抗菌水性液。
(3)(1)記載の抗ウイルス抗菌組成物を含むスプレー剤。
(4)(1)記載の抗ウイルス抗菌組成物が表面に担持されていることを特徴とする衛生用品。
(1)ポリ酸、及び水のみには溶解し難く自重の50〜1000%の水分を吸収する高分子化合物を含有することを特徴とする抗ウイルス抗菌組成物。
(2)(1)記載の抗ウイルス抗菌組成物を含む抗ウイルス抗菌水性液。
(3)(1)記載の抗ウイルス抗菌組成物を含むスプレー剤。
(4)(1)記載の抗ウイルス抗菌組成物が表面に担持されていることを特徴とする衛生用品。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の抗ウイルス抗菌組成物は、ポリ酸、及び水のみには溶解し難く自重の50〜1000%の水分を吸収する高分子化合物を含有することを特徴とするものである。
本発明において「抗ウイルス抗菌組成物」とは、抗ウイルス性、抗菌性のいずれか一方の性質、又は両方の性質を持つ組成物のことをいう。
本発明において使用するポリ酸は、前述の定義に従うものであればどのようなものでもよいが、特に、〔Mo3O10〕2−、〔Mo6O10〕4−、〔Mo7O24〕6−、〔Mo8O26〕4−、〔Mo10O34〕8−、〔W7O24〕6−、〔W10O32〕4−からなる群より選ばれたイオンを陰イオンとし、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンからなる群より選ばれたイオンを陽イオンとするポリ酸が好ましい。
水のみには溶解し難く自重の50〜1000%の水分を吸収する高分子化合物(以下、単に「高吸水性高分子化合物」という場合がある。)としては、例えば、インクジェット用のインク受容層として用いられている水吸収性高分子化合物などから選択することができる。具体例として、例えば、水とアルコールの混合液にのみ良好に溶解するタイプのポリビニルブチラール(例えば積水化学株式会社から市販されているエスレックKX)、特開2000‐247020、特開平11‐029738、同10‐330601、同10‐195375、同10‐120976、同10‐095952、号明細書等に記載されている、水性ポリエステルや水性ポリウレタン(これらの樹脂は、例えば、高松油脂株式会社などから購入することができる。)、(メタ)アクリル酸共重合樹脂、ビニルピロリドン共重合化合物、架橋されたゼラチンや(変性)ポリビニルアルコール(架橋剤としては、例えばホウ酸等)などを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
高吸水性高分子化合物の吸水率が自重の50%未満だと、ポリ酸イオンが自由に移動できず、抗ウイルス機能等が十分発揮されない場合がある。また、高吸水性高分子化合物の吸水率は、機能上は高い分にはかまわないが、1000%以上では、表面のサラサラ感がなくなってくるので好ましくない。
本発明の抗ウイルス抗菌組成物を水などの適当な溶媒と混合することにより、抗ウイルス抗菌水性液を調製することができる。
本発明の水性液には、例えば、シリカ等の粒子を充填剤として添加してもよい。水性液をマスク等に利用する場合、塗膜の通気性改善、ベトツキ感の改善のためには特に好ましい。
本発明の水性液には、メントール、はっか油、スペアミント、ペパーミント等の清涼香味剤を配合することもできる。清涼香味剤を配合すると、例えば、鼻炎などの際に鼻の不快感を除き、さわやかな気分を与えることができる。
本発明の水性液には、高吸水性高分子化合物の溶解・分散を補助するとともに噴霧後の乾燥性を向上させるため、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコールを配合することができる。アルコールの配合量は、使用する高吸水高分子化合物の種類や使用量に応じて適宜選定することができる。また、必要に応じて界面活性剤を添加することもできる。
本発明の水性液はスプレー剤として使用することができる。この場合、水性液をそのままスプレー容器に入れて使用することもできるが、さらに微細な霧状で噴霧するために、噴射剤を水性液に配合することもできる。噴射剤としては、LPガス又はLPガスとジメチルエーテルの混合物を使用することができる。
水性液中の各成分の比率は、使用目的により適宜選択されるが、一般的にいって、ポリ酸は0.1〜20重量%、高吸水性高分子化合物は0.1〜10重量%の範囲で使用するのが好ましい。
本発明の水性液を衛生用品に塗布又は噴霧等することにより、本発明の組成物を衛生用品の表面に担持させることができる。ここで、衛生用品としては、マスク、包帯、手術用ガウン、又はこれらを作製するための布などを例示することができる。
本発明の水性液の塗布又は噴霧対象とする物は、衛生用品に限定されず、例えば、流し周りのステンレス板なども噴霧等の対象とすることができる。
本発明により新規な抗ウイルス抗菌組成物が提供される。この組成物を利用することにより、安全性の高い抗ウイルス抗菌衛生用品の作製が可能になる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
下記のような処方で作製した水性液をスプレー容器に詰めた。
まず、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックKX、積水化学工業社製)2g、シリカ(平均粒径2μm)0.5g、精製水60g、イソプロパノール40gよりなる溶液を作製後、シリカを分散した後、該液に〔Mo6O10〕4−とアルキルアンモニウムイオンよりなるポリ酸を1g溶解させた。
上記液を用いて、市販の不織布マスク及び流し周りのステンレス板に噴霧した。乾燥後はベトツキも感じられず、また、マスクに関しても、通気性は良好であった。なお、ステンレスに吹き付けた膜の厚みは3μmで水分吸収量は当該膜の重量の150%以上であった。
Claims (4)
- ポリ酸、及び水のみには溶解し難く自重の50〜1000%の水分を吸収する高分子化合物を含有することを特徴とする抗ウイルス抗菌組成物。
- 請求項1記載の抗ウイルス抗菌組成物を含む抗ウイルス抗菌水性液。
- 請求項1記載の抗ウイルス抗菌組成物を含むスプレー剤。
- 請求項1記載の抗ウイルス抗菌組成物が表面に担持されていることを特徴とする衛生用品。
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JP2011063523A (ja) * | 2009-09-15 | 2011-03-31 | Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd | マスク用除菌/殺菌組成物 |
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