JP2005296926A - 下水処理用浄化材およびこれを用いた下水浄化方法並びに下水処理設備 - Google Patents

下水処理用浄化材およびこれを用いた下水浄化方法並びに下水処理設備 Download PDF

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Abstract

【課題】 安価で環境に優しく陰イオン吸着性に優れた下水処理用浄化材およびこれを用いた下水浄化方法並びに下水処理設備を提供すること。
【解決手段】 原料植物5を炭化処理して得られる炭化物9を酸溶液12に接触させることにより陰イオン吸着特性を持たせた炭素材料からなるか、または前記炭素材料を含む。
【選択図】 図1

Description

この発明は、硝酸イオンやフッ化物イオン等の陰イオンを吸着する下水処理用浄化材およびこれを用いた下水浄化方法並びに下水処理設備に関する。
重金属、農薬、有機塩素化合物による水質や土壌の汚染は、環境を破壊するものとして問題になっている。これらの有害物質は活性炭やゼオライト等の吸着材で吸着除去することができるが、陰イオンの形態で存在する硝酸性窒素または亜硝酸性窒素、フッ素、ヒ素、シアン等は吸着材による処理が難しいのが現状である。
例えば、硝酸性窒素や亜硝酸性窒素は、茶畑やゴルフ場芝地等において施肥により地下水汚染が深刻な問題となっており、その対策が必要であるが、有効な方法が見出されていない。そして、硝酸イオンや亜硝酸性イオンは、マイナス電荷を持ち、他の化学物質と結合して難溶性の塩にならないため、マイナスに荷電している土壌から最も溶脱しやすく、現在、地下水等の水質汚染が大きな問題となっている上、最近では環境ホルモンである疑いが出てきている。
さらに、フッ素は、半導体、ガラス、メッキ工場などの排水に含まれており、工場排水中のフッ素はカルシウム化合物を添加しフッ化カルシウムとして除去する方法がとられているが、活性アルミナやフッ素用の陰イオン交換樹脂による吸着塔の設置が必要で大きなコストがかかっている。また、環境基準0.8mg/L以下にしようとすると、高価な専用の陰イオン交換樹脂が必要となる。その他、ヒ素やシアンなども工場排水や、地下水汚染の処理には高価な陰イオン交換樹脂が必要である。
そして、都市における人口の増加や、産業と工業の発展および農地における過剰の施肥は、公共水域の水質の汚濁を引き起し、自然環境および生活環境を悪化させている。例えば、下水処理法として主に採用されている活性汚泥法では、被処理水中のBOD(生物化学的酸素要求量)、SS(懸濁物質)の除去を主目的としており、富栄養化の要因である窒素および燐を含む塩類は除去されないままに公共水域に放流され、当該公共水域に富栄養化などの問題を生じさせている。特に、下水処理水に存在する亜硝酸イオンおよび/または硝酸イオンなどの硝酸性窒素成分については、そのほとんどが無処理のまま放出されているのが現状である。
特に、下水については、脱窒菌による硝酸性窒素の除去が回転円板法、活性汚泥法、流動床法などによって一部行われている(特許文献1参照)。この場合、前記脱窒菌としては、有機物を水素供与体とする脱窒菌、水素ガスを水素供与体とする脱窒菌、並びに、硫化物を水素供与体とする脱窒菌などがあり、水素供与体としては、メタノール、酢酸、エタノール、アセトン、グルコース、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコールなどがあるが、資化性、取扱性、経済性などの点からメタノールが最も使用されている。
しかし、上記脱窒菌による硝酸性窒素の除去は、水素供与体であるメタノール等の有機物の存在下で硝酸性窒素を還元しながら脱窒菌を増殖させて脱窒を行うものであり、上記いずれの処理方法においても、基質の移動量を大きくする必要があるとともに、運転操作が煩雑であり、維持管理費も嵩むといった問題がある。さらに、上記脱窒菌等を利用した微生物処理は、嫌気条件が必要である等の制限がある。
上述のように、硝酸イオンをはじめとする上記陰イオンを吸着する安価な材料は、現在のところなく、このため、これらの陰イオンによる汚染は広まる傾向にあり、前記陰イオンに一度汚染されると、その修復には多大なコストが必要となる。
特開2000−260493号公報 特開平10−165824号公報
そこで安価で環境にやさしい陰イオン吸着素材が求められている。活性炭とともに代表的な多孔質炭素材料である木炭は、調湿材、河川浄化材、土壌改良材などとして広く用いられており、例えば、排ガス中の塩素系ガスや硫黄酸化物などの除去にも利用されている。これは、活性炭と同様に、多孔質炭素材料の内部の微細孔による吸着特性を利用しているに過ぎず、陰イオンの形態で存在する硝酸性窒素または亜硝酸性窒素あるいはフッ素、ヒ素、シアンなどはほとんど吸着しない。
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、安価で環境に優しく陰イオン吸着性に優れた下水処理用浄化材およびこれを用いた下水浄化方法並びに下水処理設備を提供することである。
本発明者らは、木炭に酸を添加して得られた材料について陰イオンの吸着性能を検討した結果、天然繊維、木質材料等の原料植物(植物からなる原料)に対する炭化処理温度、酸の濃度にも依るが、得られた材料が優れた陰イオンの吸着性能を有することを知見するに至った。
すなわち、例えば、原料植物としての木材を炭化して得られる木炭を、塩酸(HCl)、硫酸(H2 SO4 )等の酸で処理するだけで、陰イオンの吸着能が発現されるのを本発明者らは見出した。しかも、木炭をHCl、H2 SO4 等の酸で処理すれば、酸を中和するのみでよく、環境にやさしい。
さらに、前記木材を炭化する前に、当該木材にカルシウムイオンを含む溶液(陽イオンとして主にカルシウムイオンが含まれるのが望ましい)、例えば、水酸化カルシウム(Ca(OH)2 )の飽和水溶液(石灰水)または懸濁液(石灰乳)に接触させて、木材にCaを導入しておき、その後、このCa導入木材を炭化し、得られたCa導入炭をHCl、H2 SO4 等の酸で処理すると、より優れた陰イオン吸着特性が得られることを本発明者らは見出した。
カルシウムイオンを含む溶液としては、石灰水、石灰乳の他、酢酸カルシウム溶液や塩化カルシウム溶液等が挙げられ、カルシウムとして0.03〜30重量%、より好ましくは0.1〜7.0重量%含まれるものが好適である。
したがって、第1発明の下水処理用浄化材は、原料植物を炭化処理して得られる炭化物を酸溶液に接触させることにより陰イオン吸着特性を持たせた炭素材料からなるか、または前記炭素材料を含むことを特徴としている(請求項1)。
また、第2発明の下水処理用浄化材は、カルシウム導入処理した原料植物を炭化処理して得られる炭化物を酸溶液に接触させることにより陰イオン吸着特性を持たせた炭素材料からなるか、または前記炭素材料を含むことを特徴としている(請求項2)。原料植物にカルシウムイオンを含む溶液を接触させることにより前記カルシウム導入処理がなされていることが好ましい(請求項3)。
そして、上記いずれの発明においても、酸溶液の濃度は0.01mol/L以上であることが好ましい(請求項4)。
また、本発明者らは、鋭意研究の結果、植物からなる原料を炭化する前に、当該原料に予め金属塩化物を含む溶液、例えばCaCl2 を含む溶液を接触させて原料内にCaCl2 を導入しておき、その後、このCaCl2 を導入した原料を炭化すれば、これにより得られる炭化材料が優れた陰イオンの吸着性能を有することを知見するに至った。
したがって、第3発明の下水処理用浄化材は、金属塩化物を導入処理した原料植物を炭化処理することによりその炭化物に陰イオン吸着特性を持たせた炭素材料からなるか、または前記炭素材料を含むことを特徴としている(請求項5)。炭化物内に含有する金属塩化物の塩化物イオンが陰イオン交換能を発現するため、炭化物は下水処理用浄化材として機能するのである。なお、原料植物への金属塩化物の導入処理は、金属塩化物を含む溶液を前記原料植物に接触させることによって行え、この接触方法としては、前記溶液の滴下、塗布、吹付け、噴霧等が可能であるが、前記原料植物を前記溶液に浸漬させることが最も効率的である。
上記第3発明の下水処理用浄化材において、原料植物を、金属塩化物としてCaCl2 を含む溶液に浸漬して、原料にCaイオンとClイオンとを導入処理し、その後、このCaCl2 導入材を炭化して得られるCaCl2 導入炭には、優れた陰イオン吸着性能が認められる。
すなわち、例えば、図25(A)に示すように、原料としての木質チップ5をCaCl2 溶液70に浸漬してCaCl2 溶液70に接触させると、CaCl2 溶液70中のCaイオンとClイオンが木質チップ5に導入され、同図(C)に示すように、CaCl2 導入チップ71が得られる。これは、同図(B)に示すように、木質チップ5中の組織、特に通道組織にCaCl2 溶液70が染み込むからである。なお、原料の前処理(接触処理)に用いる前記CaCl2 溶液70の濃度としては、CaCl2 0.1重量%〜50重量%が好ましく、1重量%〜20重量%がコスト的により好ましい。0.1重量%を下回ると高い陰イオン吸着能は発現されず、50重量%を越えても陰イオン吸着能は向上しない。
続いて、前記CaCl2 導入チップ71を、図26(A)に示すように炭化すると、同図(C)に示すように浄化材1が得られる。この炭化の過程では、CaCl2 導入チップ71中の有機物が熱で分解するのと同時に、ClイオンおよびCaイオンがCaCl2 導入チップ71の微細孔壁表面に析出する。このとき、同図(B)に示すように、ClイオンおよびCaイオンはCaCl2 導入チップ71の微細孔壁表面に微細で高分散状態に析出し、多くの官能基を微細孔壁の隅々から引き出す。その結果、同図(C)に示すように、Clイオンが、微細孔壁表面に引き出された多数の官能基に金属イオン(この場合Caイオン)を介してまたは直接結合された状態になると考えられる。
なお、前記金属塩化物の含有量としては、前記炭化物内に結合される金属塩化物を灰分として2%〜25%含有させてあることが好ましい(請求項6)。炭化物内に結合される金属塩化物とは、炭化物内に単に付着している金属塩化物を除く金属塩化物であり、炭化物内に結合しているため、水や酸で洗い流した後に溶解せずに残留する金属塩化物をいう。2%を下回ると陰イオン吸着能が劣り、25%を上回っても陰イオン吸着能は向上しない傾向がある。
さらに、請求項5および6に係る発明において、前記炭化物を水および/または酸に接触させてあることが好ましい(請求項7)。なお、水および/または酸を前記炭化物に接触させる方法としては、水および/または酸の滴下、塗布、吹付け、噴霧などが可能であるが、前記炭化物を水および/または酸に浸漬させることが最も効率的である。
ここで、前記炭化物に水および/または酸を接触させることが好ましいことの理由は以下のように考えられる。すなわち、図25および図26に示したようにして得られた浄化材(CaCl2 炭)1を、図27(A)に示すように、例えば塩酸72や硫酸等の酸に浸漬(接触)させると、浄化材1に付着していた余分な金属塩化物の結晶が除去される。しかも、酸として塩酸72を用いた場合は、前記浄化材1の官能基と結合するClイオンが新たに増加し、同図(B)から同図(C)に示す状態に変わり、これらのことから、製造した陰イオン吸着能が高まって好ましい。なお、前記炭化物に塩酸72等の酸ではなく水を接触させた場合にも、浄化材1に付着していた余分な金属塩化物の結晶が除去され、陰イオン吸着能を高めることができる。
具体的には、前記金属塩化物としてCaCl2 またはBaCl2 が挙げられる(請求項8)。
そして、上記いずれの発明においても、原料植物の炭化処理温度は、400℃〜1000℃であることが好ましい(請求項9)。
上記下水処理用浄化材における原料植物としては、植物体であれば何でもよいが、天然繊維や木質材料の1種以上からなり、かつ炭化物が微細孔を有するものが好ましく、例えば、間伐材、伐採木、廃木材等全ての木質材料や麻等の天然繊維を挙げることができる。具体的には、吸水性の高い檜や杉等の針葉樹を例えば50mm以下(好適には10mm以下)のサイズにチップ化した木質チップを用いるのが好ましい。竹、おが屑、籾殻、椰子、ビンロウジュ、ジュート、藁、ミカンやリンゴの皮、ミカンやリンゴの搾りかす等を用いてもよい。また、植物体の中で特に通道組織(道管,仮道管,または師管)を有する部分が望ましい。
この原料を接触させる溶液として吸着対象陰イオンとイオン交換可能な陰イオン(例えば塩化物イオン等)をほとんど含まずカルシウムイオンを含む溶液(例えば石灰水や石灰乳等)を用いる場合、前記原料としては、カルシウムを導入した後炭化すると、その炭化物の微細孔に100nm以下の粒径のCa化合物が無数に形成されるようなものが好ましい。
また、吸着対象陰イオンとイオン交換可能な陰イオン(例えば塩化物イオン等)とカルシウムイオンを共に含む溶液(例えば塩化カルシウム溶液等)を用いる場合は、前記原料として、溶液に浸漬する際、溶液が染み込み易いようなものが望ましい。
また、第2発明の下水処理用浄化材においては、例えば、原料植物を炭化処理を行う前に、当該原料植物にカルシウムイオンを含む溶液、例えば、石灰水または石灰乳等を接触させて、原料植物にカルシウムを導入するようにしている。前記原料をカルシウムイオンを含む溶液に浸漬させると、溶液が原料に染み込むことでCa導入チップを得ることができる。特に、カルシウムイオンを含む溶液としてアルカリ性の溶液(例えば石灰水など)を用いる場合、図12(A)に示すように、例えば、木質チップ5を石灰水18に浸漬して石灰水18に接触させると、石灰水18中のCaが木質チップ5に導入され、同図(C)に示すように、Ca導入チップ16が得られる。これは、同図(B)に示すように、アルカリによって木質チップ5中の有機物が溶け出し、Caイオンが木質チップ5の成分と反応するからであると考えられる。なお、カルシウムイオンを含む溶液を原料植物に接触させる方法としては、前記溶液の滴下、塗布、吹き付け、噴霧などが可能であるが、原料植物を前記溶液に浸漬させることが最も効率的である。また、酸溶液を炭化物に接触させる方法としては、酸溶液の滴下、塗布、吹き付け、噴霧などが可能であるが、炭化物を酸溶液に浸漬させることが最も効率的である。
前記Ca導入チップ16を、図13(A)に示すように炭化すると、同図(C)に示すようなCa導入炭化チップ(Ca導入炭)21が得られるが、この炭化時に、Ca導入チップ16(同図(B)参照)中の有機物が熱によって分解するのと同時に、CaイオンがCa導入チップ16の微細孔壁表面に析出する〔同図(C)参照〕と考えられる。この場合、カルシウムイオンがCa導入チップ16の微細孔壁表面に析出してくるので〔同図(B)参照〕、微細で高分散状態となることにより、多くの官能基を微細孔壁の隅々から引き出すものと考えられる。
そして、いずれの発明においても、原料植物の炭化処理は、400℃〜1000℃の温度範囲で行われる。これは、炭化処理温度が400℃を下回ると、細孔が発達せず吸着材としての性能が劣り、前記温度が1000℃を超えると、炭素化が進みすぎることにより吸着特性が得られないからである。なお、炭化処理温度としてより好ましくは500℃〜900℃であり、最も好ましいのは650℃〜750℃である。
ここで、第1発明では、原料植物を炭化処理した後、その炭化物を酸溶液に接触させることによって原料植物がもつ官能基に、また、第2発明では、カルシウムイオンを含む溶液に接触させてカルシウム導入処理した原料植物を炭化処理した後、その炭化物を酸溶液に接触させることによって、炭化物の微細孔壁から引出した官能基に、吸着対象の陰イオンとイオン交換が可能な陰イオンをカルシウムイオンを介してまたは直接結合させている。本発明者らは、鋭意研究の結果、炭化処理過程で、温度および時間を制御することにより炭化物の官能基をより多く生成させることができることを見出した。
つまり、第1発明のように、原料植物にCaを導入しない場合は、炭化処理の際の加熱温度による炭化物の官能基の生成量の差は少ない。一方、第2発明のように、原料植物に予めCaを導入してある場合は、650℃〜750℃の炭化処理温度を例えば1時間持続させた後、自然冷却させる場合の方が、約600℃および約800℃の炭化処理温度を1時間持続させた後、自然冷却させる場合に比べて、より多くの官能基が形成できることを本発明者らは確認した。特に、Caを導入した場合、電子顕微鏡で観察すると、650℃〜750℃の炭化処理温度で炭化させた炭化物では、Ca化合物の微粒子が炭化物の微細孔壁面に半ば析出して均一に分散している様子が観察された。一方、約600℃の炭化処理温度では、Ca化合物の微粒子の微細孔壁への析出が十分行われていない様子が観察された。また、約800℃の炭化処理温度では、Ca化合物の微粒子の微細孔壁への析出は見られるものの、欠落が多くなっている様子が観察された。このように、Caが炭化物の微細孔壁から官能基をできるだけ多く引出すために必要な炭化処理温度として650°〜750℃を挙げることができる。
また、炭化処理後の原料植物に接触させる酸溶液は、HCl、H2 SO4 といった、下水処理用浄化材の製造時において排水処理に支障のない酸溶液を用いるのが好ましい。そして、この酸溶液の濃度は、0.01mol/L以上(請求項4)が好ましい。これは、酸溶液濃度が0.01mol/Lを下回ると、十分な吸着特性が得られないからである。なお、より詳しくは、前記酸溶液濃度は0.01mol/L〜20mol/Lであり、好ましくは0.1mol/L〜10mol/Lである。また、酸溶液としては、吸着対象陰イオンとイオン交換可能な陰イオンを含むものが望ましいが、炭化前に植物からなる材料を接触させる溶液中に、吸着対象陰イオンとイオン交換が可能な陰イオンを含む場合はこの限りではない。
特に、第2発明では、炭化処理対象の原料植物として、カルシウムイオンを含む溶液を用いてCaを導入したものを用い、これを炭化処理してCa導入炭21としている。例えば、図14(A)に示すように、Ca導入炭21をHCl溶液12に接触させると、同図(B)および(C)に示すように、Ca導入炭21の表面の官能基に結合したカルシウムイオンおよび前記官能基に塩化物イオンCl- が結合して、同図(D)に示すように、前記官能基にCl- がカルシウムイオンを介してまたは直接結合している酸処理Ca導入炭21Sが得られると考えられる。なお、上記酸処理は、Ca導入炭21を酸溶液12に接触させるのみでよいが、減圧下で行うのが好ましく、1330Pa〜13.3Paの圧力範囲で行うのが好ましい。
上記構成よりなる下水処理用浄化材は、優れた陰イオンの吸着性能を有する。そして、この下水処理用浄化材は、その製造時の排水処理などになんらの問題を生ずることはなく、極めて環境に優しく、また、安価に製造することができる。なお、この発明の下水処理用浄化材で吸着可能な陰イオンは、炭化物の微細孔壁表面の官能基に直接またはカルシウムイオンを介して予め結合させてある陰イオンとイオン交換が可能な陰イオンであり、当然、前記炭化物の微細孔壁表面の官能基に直接またはカルシウムイオンを介して予め結合させてある陰イオン以外の陰イオンである。
また、この発明の下水処理用浄化材が、吸着対象の陰イオンを吸着した請求項1〜9のいずれかに記載の下水処理用浄化材から、吸着した陰イオンが除去されるとともに、次の吸着対象の陰イオンとイオン交換が可能な陰イオンを前記陰イオンが除去した陰イオンに代えて結合させてなっていてもよい(請求項10)。ここで、この発明の下水処理用浄化材が吸着可能な陰イオンは、下水処理用浄化材の微細孔壁表面の官能基に直接または間接的に予め結合させてある陰イオンとイオン交換が可能な陰イオンであり、当然、下水処理用浄化材の微細孔壁表面の官能基に直接または間接的に予め結合させてある前記陰イオン以外の陰イオンである。
そして、第4発明の下水浄化方法は、請求項1〜10のいずれかに記載の下水処理用浄化材を用いて被処理水を浄化することを特徴とする(請求項11)。前記下水処理用浄化材は、粒体状または粉体状に加工することができる。したがって、例えば、粒体状の下水処理用浄化材を、適宜のメッシュを有する網籠やメッシュ状袋体に収納して下水処理用浄化体とし、この下水処理用浄化体を被処理水としての下水と十二分に接触しうる状態に設置することにより、前記下水中に含まれる陰イオンが確実に吸着される。また、粉体状にした場合は、これを不織布に付着させるなどして下水処理用浄化体としてもよい。
第5発明は、第4発明のより具体的構成を示すもので、この発明の下水処理設備は、処理槽を通過させて被処理水に対して所定の処理を行う下水処理設備において、前記被処理水を請求項1〜10のいずれかに記載の下水処理用浄化材を用いて浄化するように構成したことを特徴としている(請求項12)。この下水処理設備においては、処理槽が複数ある場合、その少なくともいずれかに、例えば、前記第4発明の下水浄化方法において用いる下水処理用浄化材を設置することによって、被処理水中の陰イオンを確実に吸着させることができ、河川や湖沼あるいは海などの一般水域に対して所定の浄化処理済みの下水を放流することができる。
この発明の請求項1〜9に係る下水処理用浄化材は、原料植物を炭化処理して得られる炭化物に陰イオン吸着特性を持たせた炭素材料からなるか、または前記炭素材料を含むので、環境にやさしいものとなっているとともに、安価に製造することができる。
そして、上記下水処理用浄化材において、原料植物をカルシウム導入処理した後炭化する場合には、炭化処理温度を適宜に設定すると、陰イオン交換樹脂と同等あるいは陰イオン交換樹脂よりも優れた陰イオン吸着特性を持つ陰イオン吸着炭素材料を得ることができる。また、この発明は、吸着対象の陰イオンを吸着した下水処理用浄化材から、吸着した陰イオンを除去するとともに、次の吸着対象の陰イオンとイオン交換が可能な陰イオンを前記陰イオンが除去した陰イオンに代えて結合させる(請求項10)ことにより、下水処理用浄化材を繰り返し再生使用することができる。
また、上記下水処理用浄化材を用いる下水浄化方法および下水処理設備は、前記下水処理用浄化材を粒体状に加工してこれを多数適宜の網籠などの容器に収容したり、あるいは、下水処理用浄化材を粉体状に加工してこれを不織布に付着させるなどして、下水処理用浄化体とし、この下水処理用浄化体を被処理水と十二分に接触するように設置することにより、被処理水中の陰イオンが確実に吸着される。また、下水処理用浄化材には、単なる木炭等、従来から使用されている浄化材を併用してもよい。
図1〜図4は、この発明の第1実施例を示す。まず、図1(A)は、この発明の下水処理用浄化材(以下、単に浄化材という)1の一例を示すもので、この実施例では、長さが10mm程度のチップ状に形成されている。また、図1(B)は、前記チップ状の浄化材1を適宜径の粒体(ペレット)1aに形成した例を示し、図2は、前記チップ状の浄化材1を適宜径の粒体(ペレット)1aに形成したものを、例えば、外観視直方体形状の網籠2に収容して下水処理用浄化体3とした例を示している。ここで、網籠2は、容易に化学物質に侵されたり、容易に溶出しないプラスチックやステンレス鋼など化学的に安定な素材よりなり、粒体状の浄化材1aが網目から外部に簡単に抜け出たりしない程度の細かい目合いを有している。なお、図中、4は補強用線材である。また、詳細には、図示していないが、網籠2には開閉・ロック自在の扉を備えた開口が形成されており、浄化材1aを交換または補充することができるように構成されている。
前記浄化材1を製造する装置および方法について、図3および図4を参照しながら説明する。図3は、浄化材1を製造する装置の一例を概略的に示すもので、この図において、5は原料植物で、この実施例では木質チップである。この木質チップ5は、例えば、吸水性の高い檜や杉等の針葉樹を50mm以下(好適には10mm以下)の適宜のサイズにチップ化したものである。6は木質チップ5を炭化処理する炭化処理炉で、その内部には適宜の熱源7によって加熱される炭化炉本体8が収容されている。この炭化炉本体8の導入部8aから供給された木質チップ5は、適宜の温度(後述する)、適宜の時間(後述する)加熱することにより炭化され、炭化チップ(炭化物)9として排出部8bから排出される。
そして、図3において、10は前記炭化チップ9を酸処理する装置で、例えば、処理槽11内に適宜濃度のHClが酸溶液12として収容されている。なお、13は処理槽11内に設けられる攪拌用羽根13で、モータ(図示していない)によって回転駆動され、処理槽11内の酸溶液12の濃度を均一になるように攪拌するものである。
また、図3において、14は前記酸処理、中和処理、中和後水洗い処理(以下、酸処理等という)後の炭化チップ(酸処理炭化チップ)9Sを乾燥させる乾燥機で、この乾燥機14には炭化処理炉6から排出される排熱が供給されるようにしてある。
上記装置を用いて、原料植物5から浄化材1を得る手順の一例を、図4をも参照しながら説明すると、まず、檜や杉等の針葉樹を10mm以下の適宜のサイズにチップ化した木質チップ5を用意する(ステップS11)。
前記木質チップ5は、炭化処理炉6の炭化炉本体8に供給され、400℃〜1000℃の温度範囲で1時間程度加熱され炭化処理される(ステップS12)。これによって、炭化チップ9Sが得られる。
前記炭化チップ9は、酸処理装置10に供給され、処理槽11内の0.01mol/L〜20mol/Lに調整された酸溶液12に浸漬され、酸処理される(ステップS13)。この酸処理後の酸処理炭化チップ9Sは、一般的には乾燥機14において乾燥処理される(ステップS14)。この場合、酸処理炭化チップ9Sをそのまま乾燥機14に送るようにしてもよいが、適宜のアルカリ溶液に浸漬するなどして中和処理したり、さらには、中和処理後に水洗いしてもよい。なお、酸処理炭化チップ9Sを湿潤状態で使用するときは、乾燥処理をしないこともある。
そして、前記乾燥処理後の酸処理炭化チップ9Sは、加工を施さずそのままの形状で使用することもできるが、適宜の加工機を用いて適宜径の粒体(ペレット)1aやより細かな粉体1bに形成される(ステップS15)。そして、例えば、金網よりなる網籠2内に前記ペレット状の浄化材1aを多数収容することにより、図2に示すような下水処理用浄化体3が得られる(ステップS16)。
上述の第1実施例では、原料植物(例えば、木質チップ)5を炭化処理し、この炭化処理によって得られる炭化物(例えば、炭化チップ)9を酸溶液12に浸漬処理して前記炭化物9に陰イオン吸着特性を持たせるようにしていたが、原料植物5として、カルシウム導入処理したものを用いるようにしてもよい。以下、これを第2実施例として、図5および図6を参照しながら説明する。
まず、図5は、浄化材1を製造する装置の他の例を概略的に示すもので、この図において、図3に示した符号と同一符号は同一物である。この実施例における装置が図3に示した第1実施例の装置と大きく異なる点を説明すると、15は木質チップ5にCaを導入処理し、Ca導入チップ16とするための装置で、例えば、処理槽17内にカルシウムイオンを含む溶液18を収容してなるものであり、この実施形態では、前記カルシウムイオンを含む溶液18は適宜濃度の石灰水(または石灰乳)である。なお、19は処理槽17内に設けられる攪拌用羽根で、モータ(図示していない)によって回転駆動され、処理槽17内のカルシウムイオンを含む溶液18を濃度が均一になるように攪拌するものである。
また、図5において、20は前記Ca導入処理装置15において得られるCa導入チップ16を乾燥させる乾燥機で、この乾燥機20には炭化処理炉6から排出される排熱が供給されるようにしてある。
上記装置を用いて、原料植物5から浄化材1を得る手順の一例を、図6をも参照しながら説明すると、まず、檜や杉等の針葉樹を10mm以下の適宜のサイズにチップ化した木質チップ5を用意する(ステップS21)。
前記木質チップ5をCa導入処理装置15の処理槽17内の5重量%に調整されたカルシウムイオンを含む溶液18内に例えば、3時間以上浸漬する。この場合、溶液18を木質チップ5へ充分染み込ませるため、或いはカルシウムイオンを木質チップ5の成分と充分反応させるために、木質チップ5の浸漬中に、攪拌羽根19を回転させることが好ましい。これによって、Caイオンが木質チップ5の成分と充分反応することができ、木質チップ5にCaが導入されたCa導入チップ16が得られる(ステップS22)。なお、前記Ca導入処理は、石灰乳を用いた方が処理効率がよい。また、石灰水や石灰乳に代えて、塩化カルシウム溶液や酢酸カルシウム溶液を用いることもできる。
前記Ca導入処理酸処理後のCa導入チップ16は、乾燥機20に送られて乾燥処理される(ステップS23)。
前記乾燥処理後のCa導入チップ16は、炭化処理炉6の炭化炉本体8に供給され、700℃の処理温度で、1時間程度加熱して炭化処理される(ステップS24)。これによって、Ca導入炭化チップ(Ca導入炭)21が得られる。
前記Ca導入チップ21は、酸処理装置10に供給され、処理槽11内の例えば5mol/Lに調整された酸溶液12に浸漬され、酸処理される(ステップS25)。この場合、攪拌羽根13を回転させるのが好ましく、これによって、Ca導入チップ21の表面のCaCO3 が酸によって溶解するのを促進させるとともに、塩化物イオンおよびカルシウムイオンをCa導入チップ21の表面の官能基と充分反応させることができ、所望のCa導入酸処理炭化チップ21Sが得られる。
前記酸処理後のCa導入炭化チップ21Sは、一般的には乾燥機14において乾燥処理される(ステップS26)。この場合、Ca導入酸処理炭化チップ21Sをそのまま乾燥機14に送るようにしてもよいが、適宜のアルカリ溶液に浸漬するなどして中和処理したり、さらには、中和処理後に水洗いしてもよいことはいうまでもない。
そして、前記乾燥処理後のCa導入炭化チップ21Sは、加工を施さずそのままの形状で使用することもできるが、適宜の加工機を用いて適宜径の粒体(ペレット)1aやより細かな粉体1bに形成される(ステップS27)。そして、例えば、金網よりなる網籠2内に前記ペレット状の浄化材1aを多数収容することにより、図2に示すような下水処理用浄化体3が得られる(ステップS28)。
上記下水処理用浄化体3は、図2に例示したものに限られるものではなく、例えば、図7に示すように、例えば、ポリエチレンなどのような耐腐食性素材からなる網袋22内に図1に示したチップ状の浄化材1や図3または図5に示したペレット状の浄化材1aを多数収容してマット状の下水処理用浄化体23を構成してもよい。この場合、網袋22の開口(図示していない)を開閉自在できるようにして、浄化材1または1aの充填・取り出しを容易に行えるようにしておくことが望ましい。
また、図8および図9は、下水処理用浄化体のさらに他の例を概略的に示すもので、図8に示すものにおいては、透水性のある不織布シート24の一方の面全体に、図9(A)に示すように、ペレット状の浄化材1aを適宜の接着剤を用いて固着してシート状の下水処理用浄化体25としたものである。また、このシート状の下水処理用浄化体25において、図9(B)に示すように、不織布シート24の両面に浄化材1aを固着するようにしてもよい。
また、図示は省略するが、粉体状の浄化材1bを多孔質状のシートとなる原料に混入するようにして下水処理用浄化体を構成してもよい。
ここで、前記浄化材1の硝酸性窒素、亜硝酸性窒素およびフッ素の吸着性能について説明する。まず、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素の吸着性能の試験方法および試験結果について説明すると、以下の通りである。
〔硝酸性窒素および亜硝酸性窒素の吸着性能について〕
〔試験方法〕
硝酸性窒素および亜硝酸性窒素の濃度が50mg/L(50ppm)の硝酸溶液および亜硝酸溶液50mL(標準液)をそれぞれ5つ用意し、
(1)木質チップ5を700℃で炭化させた比較例に用いる木炭9を200mg、
(2)木質チップ5を700℃で炭化させた木炭を1mol/LのFeCl3 溶液に浸漬させた後、水洗いした比較例に用いる塩化鉄木炭200mg、
(3)木質チップ5を700℃で炭化させた木炭を5mol/LのHCl溶液に浸漬させた後、水洗いした酸処理木炭9Sを200mg、
(4)木質チップ5を5重量%の石灰水18に浸漬した後700℃で炭化させた木炭を5mol/LのHCl溶液に浸漬させたCa導入酸処理木炭21Sを200mg、
(5)比較例に用いる陰イオン交換樹脂200mgの5つのサンプルを、それぞれ対応する標準液に入れ、例えば200rpm、20℃の条件下で、10時間振とう後、硝酸溶液および亜硝酸溶液中の硝酸性窒素の濃度および亜硝酸性窒素の濃度をそれぞれ測定し、吸着量を計算した。
〔結果〕
図10は、上記各サンプルの硝酸性窒素および亜硝酸性窒素吸着能の比較を表す。
(1)の700℃炭化の木炭9は、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素をほとんど吸着しないのに対して、(2)の塩化鉄木炭は、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素をそれぞれ2.75mg/gおよび2.35mg/g吸着した。また、(3)の酸処理木炭9Sは、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素をそれぞれ2.50mg/gおよび2.20mg/g吸着した。(5)の陰イオン交換樹脂は、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素をそれぞれ10.80mg/gおよび10.00mg/g吸着した。一方、木質チップ5を石灰水18に浸漬した後炭化し、続いて、HCl溶液に浸漬させてなる(4)のCa導入酸処理木炭21Sは、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素をそれぞれ10.75mg/gおよび9.80mg/g吸着し、(5)の陰イオン交換樹脂と同等以上の吸着能力を示した。
そして、前記Ca導入酸処理木炭21Sが例えば硝酸イオンを吸着するメカニズムは、以下のように考えられる。図15(A)に示すように、Ca導入酸処理木炭21Sを硝酸溶液26に漬けると、Ca導入酸処理木炭21Sの表面にカルシウムイオンを介してまたは直接官能基に結合した塩化物イオン(同図(B)参照)と硝酸溶液26中の硝酸イオンが交換され(同図(C)参照)、硝酸イオンがCa導入酸処理木炭21Sに吸着される(同図(D)参照)。そして、同図(E)は、同図(D)に示すCa導入酸処理木炭21SをKCl(またはNaCl)溶液に漬けたときの変化を示す。すなわち、吸着された硝酸イオンはKCl(またはNaCl)溶液で再度、塩化物イオンと硝酸イオンを交換させて再生可能となる。以下、この再生について説明する。
《再生試験》
〔試験方法〕
前記硝酸性窒素吸着試験を行った後の酸処理木炭9SまたはCa導入酸処理木炭21Sの試料を1mol/LのKCl(またはNaCl)溶液で洗浄し、さらに水洗いした。続いて、標準液を交換して硝酸性窒素濃度が50mg/Lの硝酸溶液50mLを用意し、水洗いした200mgの前記試料の1回目の再生試験を行った。すなわち、前記試料を硝酸溶液に入れ、例えば200rpm、20℃の条件下で、10時間振とう後、前記硝酸溶液中の硝酸性窒素濃度を測定し、吸着量を計算する1回目の再生試験を前記試料を用いて行った。
次に、1回目の再生試験で用いた前記試料を1mol/LのKCl(またはNaCl)溶液で洗浄し、さらに水洗いした。続いて、標準液を交換して硝酸性窒素濃度が50mg/Lの硝酸溶液50mLを用意し、前記水洗いした200mgの前記試料の再生試験を行った。すなわち、前記試料を、硝酸溶液50mLに入れ、例えば200rpm、20℃の条件下で、10時間振とう後、前記硝酸溶液中の硝酸性窒素濃度を測定し、吸着量を計算する2回目の再生試験を前記試料を用いて行った。この処理をあと2回繰り返した。
〔結果〕
酸処理木炭9Sによる硝酸性窒素の吸着量
初回…2.5mg/g
再生1回目…2.5mg/g
再生2回目…2.4mg/g
再生3回目…2.5mg/g
Ca導入酸処理木炭21Sによる硝酸性窒素の吸着量
初回…10.8mg/g
再生1回目…10.6mg/g
再生2回目…10.9mg/g
再生3回目…10.7mg/g
以上のことから、使用した酸処理木炭9SおよびCa導入酸処理木炭21Sをそれぞれ濃いKCl(またはNaCl)溶液で洗浄し、さらに水洗いすることにより、再生することが分かった。すなわち、硝酸性窒素吸着試験で硝酸性窒素(陰イオン)を吸着した酸処理木炭9SおよびCa導入酸処理木炭21Sをそれぞれ、KCl(またはNaCl)溶液で洗浄し、さらに水洗いすることにより、硝酸性窒素吸着試験で吸着した硝酸性窒素(陰イオン)が除去されて、除去された硝酸性窒素(陰イオン)に替えてCl- を結合させることにより、酸処理木炭9SおよびCa導入酸処理木炭21Sがそれぞれ再生されることが分かった。つまり、一度使用した酸処理木炭9SおよびCa導入酸処理木炭21Sをそれぞれ使用後にその都度洗浄と水洗いを行うことにより、複数回使用できることが確認された。なお、亜硝酸性窒素を吸着した場合でも、陰イオン吸着炭素材料として酸処理木炭9SおよびCa導入酸処理木炭21Sをそれぞれ使用しても、再生する原理は同じである。
〔フッ素吸着性能について〕
〔試験方法〕
フッ化物イオン濃度が50mg/Lの溶液50mL(標準液)を用意し、
(1)木質チップ5を700℃で炭化させた比較例に用いる木炭9Sを100mg、
(2)木質チップ5を700℃で炭化させた木炭を1mol/LのFeCl3 溶液に浸漬させた後、水洗いした比較例に用いる塩化鉄木炭100mg、
(3)木質チップ5を700℃で炭化させた木炭を5mol/LのHCl溶液に浸漬させた後、水洗いした酸処理木炭9Sを100mg、
(4)木質チップ5を5重量%の石灰水に浸漬した後700℃で炭化させた木炭を5mol/LのHCl溶液に浸漬させたCa導入酸処理木炭21Sを100mg、
(5)比較例に用いる陰イオン交換樹脂100mgの5つのサンプルを、それぞれ対応する標準液に入れ、例えば200rpm、20℃の条件下で、10時間振とう後、前記溶液中のフッ化物イオン濃度をそれぞれ測定し、吸着量を計算した。
〔結果〕
図11は、上記各サンプルのフッ化物イオン吸着能の比較を表す。
(1)の700℃炭化の木炭は、フッ化物イオンをほとんど吸着しないのに対して、(2)の塩化鉄木炭は、7.50mg/gのフッ化物イオンを吸着した。また、(3)の酸処理木炭9Sは、5.00mg/gのフッ化物イオンを吸着した。(5)の陰イオン交換樹脂は、8.50mg/gのフッ化物イオンを吸着した。一方、木質チップ5を石灰水に浸漬した後炭化し、続いて、HCl溶液に浸漬させてなる(4)のCa導入酸処理木炭21Sは、19.00mg/gのフッ化物イオンを吸着し、(5)の陰イオン交換樹脂を大きく超える吸着能力を示した。
《再生試験》
〔試験方法〕
次に、前記フッ素吸着試験を行った後の酸処理木炭9SまたはCa導入酸処理木炭21Sの試料を1mol/Lの塩酸(または硫酸)で洗浄し、さらに水洗いした。続いて、標準液を交換してフッ化物イオン濃度が50mg/Lの溶液50mLを用意し、前記水洗いした200mgの前記試料の1回目の再生試験を行った。すなわち、前記試料を前記溶液に入れ、例えば200rpm、20℃の条件下で、10時間振とう後、前記溶液中のフッ化物イオン濃度を測定し、吸着量を計算する1回目の再生試験を前記試料を用いて行った。
次に、1回目の再生試験で用いた前記試料を1mol/Lの塩酸(または硫酸)で洗浄し、さらに水洗いした。続いて、標準液を交換してフッ化物イオン濃度が50mg/Lの前記溶液50mLを用意し、前記水洗いした200mgの前記試料の再生試験を行った。すなわち、前記試料を、前記溶液50mLに入れ、例えば200rpm、20℃の条件下で、10時間振とう後、前記溶液中のフッ化物イオン濃度を測定し、吸着量を計算する2回目の再生試験を前記試料を用いて行った。この処理をあと2回繰り返した。
〔結果〕
酸処理木炭9Sによるフッ化物イオンの吸着量
初回…2.5mg/g
再生1回目…2.5mg/g
再生2回目…2.4mg/g
再生3回目…2.5mg/g
Ca導入酸処理木炭21Sによるフッ化物イオンの吸着量
初回…18.7mg/g
再生1回目…18.2mg/g
再生2回目…18.9mg/g
再生3回目…18.6mg/g
以上のことから、使用した酸処理木炭9SおよびCa導入酸処理木炭21Sをそれぞれ濃い塩酸(または硫酸)で洗浄し、さらに水洗いすることにより、再生することが分かった。すなわち、フッ素吸着試験でフッ化物イオン(陰イオン)を吸着した酸処理木炭9SおよびCa導入酸処理木炭21Sをそれぞれ、塩酸(または硫酸)で洗浄し、さらに水洗いすることにより、フッ素吸着試験で吸着したフッ化物イオン(陰イオン)が除去されて、除去されたフッ化物イオン(陰イオン)に替えてCl- (またはSO4 2- )を結合させることにより、酸処理木炭9SおよびCa導入酸処理木炭21S(陰イオン吸着炭素材料)がそれぞれ再生することが分かった。つまり、一度使用した酸処理木炭9SおよびCa導入酸処理木炭21Sをそれぞれ使用後にその都度洗浄と水洗いを行うことにより、複数回使用できることが確認された。
上述のように、この発明の浄化材1は、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素およびフッ素等の陰イオンの吸着性能に優れるが、このような浄化材1をたとえば下水処理場など実際の下水処理設備に適用した例について、以下に説明する。
図16および図17は、この発明の第3実施例を示す。そして、図16は下水処理設備30の一例を概略的に示すもので、この下水処理設備30は、沈砂池31、最初沈殿池32、エアレーションタンク33、最終沈殿池34および塩素混和池35の5つの処理槽か主として構成され、被処理水36を処理するように構成されている。なお、37は被処理水としての下水を沈砂池31に導入する下水導入路、38〜41は隣接する処理槽31〜35を接続する流路、42は塩素混和池35の出口側に接続される処理水排出路である。
沈砂池31は、下水導入路37を経て流入する下水(以下、被処理水という)に含まれる大きなゴミ、小石、砂などを除去するもので、ポンプ43で被処理水を汲み上げて最初沈殿池32に送出するものである。
最初沈殿池32は、沈砂池31から流入する被処理水を緩やかに流して、さらに細かいゴミや浮遊物を沈殿させるものである。
エアレーションタンク33は、その内部に、酸素を取り入れて働く微生物が含まれている活性汚泥(図示していない)が加えられるとともに、コンプッサー44からの空気(酸素)45を空気吹き出し管46から吹き出すようにしてある。前記空気45が最初沈殿池32から流入する被処理水に混じることにより、前記微生物によって被処理水中の汚れ(有機物)が除去されるとともに、微生物に被処理水中の他の汚れが吸着され、沈殿しやすい固まり(活性汚泥)になる。
最終沈殿池34は、前記エアレーションタンク33において大きな固まりとなった活性汚泥を沈殿させ、被処理水をきれいな上澄み水にするものである。
塩素混和池35は、最終沈殿池34から流入する上澄み水を塩素消毒するもので、最終沈殿池34との間の流路41に塩素タンク47が設けられている。そして、この塩素混和池35で塩素消毒された上澄み水36Aは、処理水排出路42を経て一般水路(例えば、河川等)に放流される。
上述までの構成は、従来の下水処理設備と変わるところはない。この実施例における下水処理設備30が、従来の下水処理設備と変わるところは、前記処理槽31〜35または流路37〜42の少なくともいずれかに、例えば、図1に示すように構成された下水処理用浄化体3を、被処理水36に十二分に接触するように設けたことである。
すなわち、図16に示した例においては、最終沈殿池34内の下流側に、図17に図示するように、下水処理用浄化体3を設けている。この場合、下水処理用浄化体3には、適宜のフロート48を付設し、網籠2内の浄化材1aの全部が被処理水36の水面よりも下位に位置しこれと接するようにしてある。このように構成した場合、図17中において矢印Aで示す水流によって、網籠2内の浄化材1aが被処理水36内を泳動し、被処理水36が浄化材1aに十二分に接触することにより、被処理水36中の硝酸性窒素、亜硝酸性窒素およびフッ素等の陰イオンが浄化材1aに吸着される。
前記下水処理用浄化体3は、種々の形態で設置することがができる。例えば、図18に示すように、最終沈殿池34内に支持部材49を立設し、この支持部材49に下水処理用浄化体3を水平に固定してもよい。
また、図19に示すように、最終沈殿池34と塩素混和池35との間の流路41内に下水処理用浄化体3を挿入設置してもよい。この場合、下水処理用浄化体3が流路41内を容易に移動しないように固定するのが好ましい。
上記図17〜図19に示した下水処理用浄化体3は、処理槽31〜35または流路37〜42の少なくともいずれかに設けてあればよく、また、その設置個数も任意である。唯、陰イオンの吸着効率やランニングコストを考慮した場合、下水処理用浄化体3は、下水処理設備30内における下流側に設けるのが好ましく、最終沈殿池34や流路41内に設けるのが好適である。
さらに、上記下水処理用浄化体3の変形例を説明すると、図1に示したチップ状の浄化材1を多数、図20に示すように、例えば、エアレーションタンク44内に投入し、これを水流によって泳動させてもよい。この場合、エアレーションタンク44の下流側の流路40への出口に浄化材1の流出を防止する網体50を設ける必要がある。
また、図3または図5に示したペレット状の浄化材1aを、図21に示すように、被処理水36を通過させることのできる多孔性の不織布よりなる袋体51内に複数収容して比較的小さい下水処理用浄化体52とし、図20に示したのと同様に、エアレーションタンク44内に投入してもよい、なお、図21において、53は下水処理用浄化体52の流出を防止するため、エアレーションタンク44の下流側の流路40への出口に設けられる網体である。
そして、図22に示すように、図8に示したシート状の下水処理用浄化体24を、適宜のケース54内に積層して下水処理用浄化体55とし、これを、例えば、最終沈殿池34内の下流側の流路41への出口に設けるようにしてもよい。
上述の第2実施例では、原料植物5としてカルシウム導入処理したものを用いているが、原料植物5として、金属塩化物導入処理したものを用いるようにしてもよい。以下、これを第4実施例として、図23および図24を参照しながら説明する。
まず、図23は、浄化材1を製造する装置の他の例を概略的に示すもので、この図において、図5に示した符号と同一符号は同一物である。そして、図23に示すように、前記木質チップ5は、適宜濃度の金属塩化物溶液(この実施の形態ではCaCl2 溶液)61を収容した処理槽62に送られ、この処理槽62内において木質チップ5に対する金属塩化物(この実施の形態ではCaCl2 )の導入処理が行われ、金属塩化物導入チップ63が形成される。なお、64は処理槽62内に設けられる攪拌用羽根で、モータ(図示していない)によって回転駆動され、処理槽62内の液等を攪拌する際に用いられる。なおここで、金属塩化物溶液に対して、Ca(OH)2 を僅かに加えておくことが、陰イオン吸着能を向上させる上で好ましい。
上記のようにして得られた金属塩化物導入チップ63は、乾燥機20によって乾燥処理された後、炭化処理炉6に送られ、炭化処理される。なお、前記乾燥機20は、炭化処理炉6から排出される排熱を前記乾燥処理に利用するように構成されている。
そして、金属塩化物導入チップ63は、導入部8aを経て前記炭化炉本体8内に供給され、適宜の温度(後述する)および適宜の時間(後述する)の加熱により炭化され、浄化材1として排出部8bから炭化炉本体8外に排出される。
その後、前記浄化材1は、水またはHCl溶液(塩酸)66を収容した処理槽67に送られ、この処理槽67内において浄化材1の水またはHCl溶液66に対する接触(浸漬)処理が行われる。なお、68は処理槽67内に設けられる攪拌用羽根で、モータ(図示していない)によって回転駆動され、処理槽67内の液等を攪拌する際に用いられる。酸への接触処理を行った後に水への接触処理を行うこともあり、またその逆の手順で行ってもよい。
続いて、前記浄化材1は、乾燥機14に送られ、乾燥処理された後、適宜径の粒体(ペレット)1aやより細かな粉体1bに形成される。なお、前記乾燥機14は、炭化処理炉6から排出される排熱を前記乾燥処理に利用するように構成されている。
次に、図23に示した装置を用いて、原料植物5から浄化材1を得る手順の一例を、図23および図24を参照しながら詳細に説明する。まず、檜や杉等の針葉樹を10mm以下の適宜のサイズにチップ化した木質チップ5を用意する(ステップT1)。
続いて、前記木質チップ5を処理槽62内の1〜20重量%に調整されたCaCl2 溶液61内に例えば、3時間以上浸漬する。この木質チップ5の浸漬中に、攪拌羽根64を回転させることが好ましい。これによって、CaCl2 溶液61が木質チップ5に染み込むことができ、木質チップ5にCaイオンおよびClイオンが導入された金属塩化物導入チップ63が得られる(ステップT2)。
そして、前記金属塩化物導入チップ63は、乾燥機20に送られて乾燥処理される(ステップT3)。
その後、前記金属塩化物導入チップ63は、炭化処理炉6の炭化炉本体8に供給され、400℃〜1000℃の温度範囲(この実施の形態では700℃)で1時間程度加熱され炭化処理される(ステップT4)。これによって、浄化材1が得られる。
前記浄化材1は、処理槽67に供給され、処理槽67内の0.01mol/L〜11mol/L(例えば5mol/L)に調整されたHCl溶液66に浸漬処理される(ステップT5)。この場合、攪拌羽根68を回転させるのが好ましく、これによって、浄化材1内に残留する余分な金属塩化物(CaCl2 )の結晶を除去することができるとともに、塩化物イオンをさらに付加させることができ、所望の浄化材1が得られる。
そして、前記浸漬処理後の浄化材1は、一般的には乾燥機14において乾燥処理される(ステップT6)。この場合、浄化材1をそのまま乾燥機14に送るようにしてもよいが、適宜のアルカリ溶液に浸漬するなどして中和処理したり、さらには、中和処理後に水洗いしてもよい。なお、浄化材1を湿潤状態で使用するときは、乾燥処理をしないこともある。
そして、前記乾燥処理後の浄化材1は、チップ状のまま使用することもできるが、この実施例では適宜の加工機を用いて適宜径の粒体(ペレット)1aやより細かな粉体1bに形成してある(ステップT7)。
なお、前記浄化材1は、上記ステップT1からステップT7までが全て同一工場内で行われて製造されるものに限られない。例えば、他の工場等にて上記ステップT1〜T7のうちのあるステップまで製造されている場合、途中のステップから始めて浄化材1を製造すればよい。
なお、上記第4実施例では、金属塩化物として、最も高性能な陰イオン吸着炭素材料が得られるCaCl2 を挙げているが、BaCl2 やMnCl2 等でもよい。
また、上記第4実施例では、処理槽67内において浄化材1のHCl溶液66に対する接触処理を行っているが、HCl溶液66に代えて水を用いてもよい。この場合、塩化物イオンの付加は行われず、浄化材1内に残留する余分な金属塩化物の結晶を除去するのみとなる。
さらに、上記実施の形態では、金属塩化物導入チップ63を炭化処理炉6にて炭化処理して浄化材1を得た後、処理槽67へと送っているが、処理槽67へと送らなくてもよい。この場合、前記浄化材1を乾燥機16に送る必要がないので、浄化材1の製造方法は、上記ステップT5,T6が省かれたものとなる。また、この場合、浄化材1の製造方法としては、ステップT1〜T4で終了してもよいし、その後ステップT7を行ってもよい。
次に、第4実施例の浄化材1の硝酸性窒素および亜硝酸性窒素の吸着性能を調べるために行った試験について説明する。硝酸性窒素および亜硝酸性窒素の吸着性能の試験方法および試験結果について説明すると、以下の通りである。
まず、以下に示す計七つのサンプル(1)〜(7)をそれぞれ200mgずつ2組用意した。すなわち、
(1)木質チップ5を700℃で1時間加熱し炭化させて得られた木炭
(2)木質チップ5を700℃で1時間加熱し炭化させ、その後、1mol/LのFeCl3 溶液に浸漬し水洗いして得られた塩化鉄木炭
(3)陰イオン交換樹脂
(4)木質チップ5を10重量%のBaCl2 溶液に浸漬した後700℃で1時間加熱し炭化させて得られたBaCl2
(5)木質チップ5を10重量%のBaCl2 溶液に浸漬した後700℃で1時間加熱し炭化させ、その後、5mol/LのHCl溶液に浸漬処理して得られたHCl処理BaCl2
(6)木質チップ5を10重量%のCaCl2 溶液に浸漬した後700℃で1時間加熱し炭化させて得られたCaCl2
(7)木質チップ5を10重量%のCaCl2 溶液に浸漬した後700℃で1時間加熱し炭化させ、その後、5mol/LのHCl溶液に浸漬処理して得られたHCl処理CaCl2
の計七つのサンプルを2組用意した。なお、(4)〜(7)のサンプルは上記浄化材1に相当するものであり、(1)〜(3)のサンプルは浄化材1と比較するためのものである。
そして、一方の組の各サンプルを、硝酸性窒素の濃度が50mg/L(50ppm)の硝酸性窒素溶液50mL(第1標準液)に個別に投入し、また、他方の組の各サンプルを、亜硝酸性窒素の濃度が50mg/L(50ppm)の亜硝酸性窒素溶液50mL(第2標準液)に個別に投入した。その後、200rpm、20℃の条件下で、10時間振とう後、第1標準液中の硝酸性窒素の濃度および第2標準液中の亜硝酸性窒素の濃度をそれぞれ測定し、各サンプルによる硝酸性窒素および亜硝酸性窒素の吸着量を計算した。
図29は、上記試験によって得られた各サンプルの硝酸性窒素吸着能および亜硝酸性窒素吸着能の比較結果を表す。なお、この図では、各サンプルの硝酸性窒素・亜硝酸性窒素吸着量を一対の棒グラフで示しており、左側の棒グラフが硝酸性窒素吸着量、右側の棒グラフが亜硝酸性窒素吸着量を示している。この図に示す結果から、本発明のサンプルはいずれも高い硝酸性窒素吸着能および亜硝酸性窒素吸着能を持つことがわかる。さらに、(4)のBaCl2 炭と(5)のHCl処理BaCl2 炭の硝酸性窒素および亜硝酸性窒素の吸着量を比較し、また、(6)のCaCl2 炭と(7)のHCl処理CaCl2 炭の硝酸性窒素および亜硝酸性窒素の吸着量を比較することにより、浄化材1の硝酸性窒素・亜硝酸性窒素吸着能をより高めるためには、浄化材1をHCl溶液に浸漬する処理(HCl処理)を行ったほうがよいことがわかる。しかし、HCl処理を行わなくても十分に高い硝酸性窒素・亜硝酸性窒素吸着能を持った浄化材1が得られ、この場合には、HCl溶液の接触処理を行わない分だけ低いコストで浄化材1を製造することができる。
ここで、前記浄化材1が例えば硝酸イオンを吸着するのは、図28(A)に示すように、浄化材(CaCl2 炭)1を硝酸溶液69に浸漬すると、浄化材1の表面の官能基にCaイオンを介してまたは直接結合されたClイオン(同図(B)参照)と硝酸溶液69中のNO3 イオンが交換され(同図(C)参照)、NO3 イオンが浄化材1に吸着される(同図(D)参照)からであると考えられる。
また、図28(E)は、NO3 イオンを吸着して図28(D)に示す状態となった浄化材1を、高濃度の塩化物溶液(例えばKClやNaClの金属塩化物溶液、またはHCl溶液)に浸漬した後の状態を示す。すなわち、浄化材1に吸着されたNO3 イオンは、塩化物溶液によってClイオンと交換され、これにより浄化材1が再生され、NO3 イオンなどの陰イオンを吸着可能な状態となる。すなわち、第4実施例の浄化材1は、上記製造方法により常に新たに得られるものに限られず、前記製造方法により得られ、陰イオン(例えばNO3 イオン)を吸着した浄化材1から、吸着した陰イオン(NO3 イオン)が除去されるとともに、次の吸着対象の陰イオン(例えばNO3 イオン)とイオン交換が可能な陰イオン(この実施の形態ではClイオン)を前記除去した陰イオン(NO3 イオン)に替えて結合させることによって得られたもの(すなわち再生されたもの)でもよい。また、上記塩化物溶液に代えて硫酸を用いた場合は、NO3 イオンは、上記Clイオンに代えてSO4 イオンとイオン交換されることとなる。
次に、上記ステップT2において木質チップ5を浸漬する金属塩化物溶液(CaCl2 溶液)61の濃度が、製造後の浄化材1の陰イオン吸着能に与える影響を調べるために行った試験について述べる。上記試験は、木質チップ5をCaCl2 溶液61に浸漬した後、700℃で1時間の加熱により炭化し、水洗いして得た浄化材1を、硝酸性窒素の濃度が50mg/L(50ppm)の硝酸性窒素溶液50mL(標準液)に投入し、前記浄化材1の硝酸性窒素の吸着能を調べたもので、前記CaCl2 溶液61として、濃度が1重量%、3重量%、5重量%、7重量%、10重量%、12重量%、14重量%、17重量%、20重量%のものが用いられた。また、比較のために、木質チップ5を10重量%のCaCl2 溶液61に浸漬した後、700℃で1時間の加熱により炭化し、HCl処理して得た浄化材1の硝酸性窒素の吸着能についても調べた。上記試験の結果を図30に示す。
図30に示す結果から明らかなように、浄化材1の陰イオン吸着能はCaCl2 溶液の濃度に比例して高くなるわけではなく、コスト面等から考えれば、10重量%程度とすることが最も好ましいといえる。また、この図30に示す結果からも、浄化材1の陰イオン吸着能をより高めるためには、浄化材1をHCl処理したほうがよいことがわかる。
次に、硝酸性窒素の吸着に使用された第4実施例の浄化材1をKCl(またはNaCl)溶液によって再生し、再生された浄化材1の硝酸性窒素吸着能を調べるために行った再生試験について説明する。
まず、浄化材1として、木質チップ5を10重量%のCaCl2 溶液に浸漬した後700℃で1時間加熱し炭化させて得られたCaCl2 炭を200mg用意した。そして、このCaCl2 炭を、硝酸性窒素の濃度が50mg/L(50ppm)の硝酸性窒素溶液50mL(標準液)に投入し、200rpm、20℃の条件下で、10時間振とう後、前記標準液中の硝酸性窒素の濃度を測定し、前記CaCl2 炭による硝酸性窒素の吸着量を計算した(初回)。
続いて、前記CaCl2 炭を1mol/LのKCl(またはNaCl)溶液で洗浄し、さらに水洗いして再生した。その後、新たに用意した標準液(すなわち、硝酸性窒素の濃度が50mg/Lの硝酸性窒素溶液50mL)に再生したCaCl2 炭を投入し、200rpm、20℃の条件下で、10時間振とう後、前記標準液中の硝酸性窒素の濃度を測定し、前記CaCl2 炭による硝酸性窒素の吸着量を計算した。そして、このCaCl2 炭の再生から硝酸性窒素の吸着量の計算までの処理を計3回行った(再生一回目〜三回目)。
上記再生試験の結果、すなわち、CaCl2 炭による硝酸性窒素の吸着量は、
初回 …9.5mg/g
再生一回目…9.0mg/g
再生二回目…9.1mg/g
再生三回目…8.8mg/g
であった。以上のことから、硝酸性窒素の吸着に使用した浄化材1(CaCl2 炭)は、濃いKCl(またはNaCl)溶液で洗浄しさらに水洗いすれば再生することが確認された。これは、硝酸性窒素を吸着したCaCl2 炭をKCl(またはNaCl)溶液で洗浄し、さらに水洗いすることにより、CaCl2 炭から硝酸性窒素が除去され、この除去された硝酸性窒素に代わってCl- が官能基に結合されるためであると考えられる。また、上記再生試験の結果から、浄化材1(CaCl2 炭)は、KCl(またはNaCl)溶液を用いた洗浄と水洗いとを行うことにより再生させれば、硝酸性窒素の吸着に複数回使用することができることも確認された。なお、前記浄化材1(CaCl2 炭)を亜硝酸性窒素の吸着に使用した場合でも、再生する原理は同じである。
次に、第4実施例の浄化材1として、木質チップ5を10重量%のCaCl2 溶液に浸漬した後700℃で1時間加熱し炭化させ、その後、5mol/LのHCl溶液に浸漬処理して得られたHCl処理CaCl2 炭を用い、このHCl処理CaCl2 炭について上記と同様に再生試験を行った結果を示す。
上記再生試験の結果、すなわち、HCl処理CaCl2 炭による硝酸性窒素の吸着量は、
初回 …11.0mg/g
再生一回目…11.0mg/g
再生二回目…10.8mg/g
再生三回目…10.8mg/g
であった。以上のことから、炭化後にHCl溶液に浸漬処理して得られる浄化材1(HCl処理CaCl2 炭)についても、硝酸性窒素の吸着に使用後、濃いKCl(またはNaCl)溶液で洗浄し、さらに水洗いすることにより、再生することが確認された。また、HCl溶液への浸漬処理によって向上したHCl処理CaCl2 炭の硝酸性窒素吸着能は、KCl(またはNaCl)溶液を用いた洗浄と水洗いとを行ってHCl処理CaCl2 炭を繰り返し再生させても持続すること(向上したままであること)が確認された。
次に、第4実施例の浄化材1のフッ化物イオンの吸着性能を調べるために行った試験について説明する。まず、この試験を行うために、上述した硝酸性窒素および亜硝酸性窒素の吸着性能の試験で用いた計七つのサンプル(1)〜(7)をそれぞれ50mgずつ1組用意した。そして、各サンプルを、フッ化物イオン濃度が50mg/L(50ppm)の溶液50mL(標準液)に個別に投入し、200rpm、20℃の条件下で、10時間振とう後、標準液中のフッ化物イオンの濃度をそれぞれ測定し、各サンプルによるフッ化物イオンの吸着量を計算した。
図31は、上記試験によって得られた各サンプルのフッ化物イオン吸着能の比較結果を表す。この図に示す結果から、本発明のサンプルはいずれも高いフッ化物イオン吸着能を持つことがわかる。さらに、(4)のBaCl2 炭と(5)のHCl処理BaCl2 炭のフッ化物イオンの吸着量を比較し、また、(6)のCaCl2 炭と(7)のHCl処理CaCl2 炭のフッ化物イオンの吸着量を比較することにより、浄化材1のフッ化物イオン吸着能をより高めるためには、浄化材1をHCl溶液に浸漬する処理(HCl処理)を行ったほうがよいことがわかる。しかし、HCl処理を行わなくても十分に高いフッ化物イオン吸着能を持った浄化材1が得られ、この場合には、HCl溶液の接触処理を行わない分だけ低いコストで浄化材1を製造することができる。
次に、フッ化物イオンの吸着に使用された上記浄化材1を塩酸(または硫酸)によって再生し、再生された浄化材1のフッ化物イオン吸着能を調べるために行った再生試験について説明する。
まず、浄化材1として、木質チップ5を10重量%のCaCl2 溶液に浸漬した後700℃で1時間加熱し炭化させて得られたCaCl2 炭を200mg用意した。そして、このCaCl2 炭を、フッ化物イオンの濃度が50mg/L(50ppm)の溶液50mL(標準液)に投入し、200rpm、20℃の条件下で、10時間振とう後、前記標準液中のフッ化物イオンの濃度を測定し、前記CaCl2 炭によるフッ化物イオンの吸着量を計算した(初回)。
続いて、前記CaCl2 炭を1mol/Lの塩酸(または硫酸)で洗浄し、さらに水洗いして再生した。その後、新たに用意した標準液(すなわち、フッ化物イオンの濃度が50mg/Lの溶液50mL)に再生したCaCl2 炭を投入し、200rpm、20℃の条件下で、10時間振とう後、前記標準液中のフッ化物イオンの濃度を測定し、前記CaCl2 炭によるフッ化物イオンの吸着量を計算した。そして、このCaCl2 炭の再生からフッ化物イオンの吸着量の計算までの処理を計3回行った(再生一回目〜三回目)。
上記再生試験の結果、すなわち、CaCl2 炭によるフッ化物イオンの吸着量は、
初回 …22.5mg/g
再生一回目…22.4mg/g
再生二回目…21.7mg/g
再生三回目…21.9mg/g
であった。以上のことから、フッ化物イオンの吸着に使用した浄化材1(CaCl2 炭)は、濃い塩酸(または硫酸)で洗浄しさらに水洗いすれば再生することが確認された。これは、フッ化物イオンを吸着したCaCl2 炭を塩酸(または硫酸)で洗浄し、さらに水洗いすることにより、CaCl2 炭からフッ化物イオンが除去され、この除去されたフッ化物イオンに代わってCl- (またはSO4 2- )が官能基に結合されるためであると考えられる。また、上記再生試験の結果から、浄化材1(CaCl2 炭)は、塩酸(または硫酸)を用いた洗浄と水洗いとを行うことにより再生させれば、フッ化物イオンの吸着に複数回使用することができることも確認された。
次に、第4実施例の浄化材1として、木質チップ5を10重量%のCaCl2 溶液に浸漬した後700℃で1時間加熱し炭化させ、その後、5mol/LのHCl溶液に浸漬処理して得られたHCl処理CaCl2 炭を用い、このHCl処理CaCl2 炭について上記と同様に再生試験を行った結果を示す。
上記再生試験の結果、すなわち、HCl処理CaCl2 炭によるフッ化物イオンの吸着量は、
初回 …32.0mg/g
再生一回目…31.5mg/g
再生二回目…31.4mg/g
再生三回目…31.2mg/g
であった。以上のことから、炭化後にHCl溶液に浸漬処理して得られる浄化材1(HCl処理CaCl2 炭)についても、フッ化物イオンの吸着に使用後、塩酸(または硫酸)溶液で洗浄し、さらに水洗いすることにより、再生することが確認された。また、HCl溶液への浸漬処理によって向上したHCl処理CaCl2 炭のフッ化物イオン吸着能は、塩酸(または硫酸)を用いた洗浄と水洗いとを行ってHCl処理CaCl2 炭を繰り返し再生させても持続すること(向上したままであること)が確認された。
(A)は、この発明の下水処理用浄化材の一例を示す図、(B)は、下水処理用浄化材の加工例を示す図である。 前記下水処理用浄化材を用いた下水処理用浄化体の一例を示す図である。 前記下水処理用浄化材を製造する装置の一例を概略的に示す図である。 前記製造装置を用いて下水処理用浄化材を製造する工程の一例を示す図である。 前記下水処理用浄化材を製造する装置の他の例を概略的に示す図である。 前記製造装置を用いて下水処理用浄化材を製造する工程の一例を示す図で 下水処理用浄化体の他の例を示す図である。 下水処理用浄化体のさらに他の例を示す図である。 図8に示した下水処理用浄化体の要部を示す図である。 この発明の下水処理用浄化材の硝酸性窒素および亜硝酸性窒素の吸着試験における各吸着量を示す図である。 前記下水処理用浄化材のフッ化物イオンの吸着試験における各吸着量を示す図である。 石灰水浸漬工程を説明するための図である。 上記石灰水浸漬工程後の炭化工程を説明するための図である。 炭化工程後の酸溶液浸漬工程を示す図である。 硝酸イオン吸着のメカニズムを説明するための図である。 この発明の下水処理設備の一例を概略的に示す図である。 処理下水処理用浄化体の設置形態を説明するための図である。 処理下水処理用浄化体の設置形態を説明するための図である。 処理下水処理用浄化体の設置形態を説明するための図である。 処理下水処理用浄化体の設置形態を説明するための図である。 処理下水処理用浄化体の設置形態を説明するための図である。 処理下水処理用浄化体の設置形態を説明するための図である。 この発明の第4実施例に係る下水処理用浄化材を製造する装置の構成を概略的に示す説明図である。 前記製造装置を用いて前記炭素材料を製造する工程の一例を示す図である。 (A)〜(C)は、図24におけるステップT2の工程の詳細を示す図である。 (A)〜(C)は、図24におけるステップT4の工程の詳細を示す図である。 (A)〜(C)は、図24におけるステップT5の工程の詳細を示す図である。 (A)〜(D)は、第4実施例における硝酸イオン吸着の詳細を示す図、(E)は、再生後の炭素材料を示す図である。 第4実施例の浄化材および比較材料の硝酸性窒素・亜硝酸性窒素の吸着量の比較結果を示すグラフである。 ステップT2におけるCaCl2 溶液の濃度を変えて作成された炭素材料およびHCl処理して得られた炭素材料の硝酸性窒素の各吸着量を示すグラフである。 第4実施例の浄化材および比較材料のフッ化物イオンの吸着量の比較結果を示すグラフである。
符号の説明
1 下水処理用浄化材
5 原料植物
9 炭化物
12 酸溶液
30 下水処理設備
31〜35 処理槽
36 被処理水

Claims (12)

  1. 原料植物を炭化処理して得られる炭化物を酸溶液に接触させることにより陰イオン吸着特性を持たせた炭素材料からなるか、または前記炭素材料を含むことを特徴とする下水処理用浄化材。
  2. カルシウム導入処理した原料植物を炭化処理して得られる炭化物を酸溶液に接触させることにより陰イオン吸着特性を持たせた炭素材料からなるか、または前記炭素材料を含むことを特徴とする下水処理用浄化材。
  3. 原料植物にカルシウムイオンを含む溶液を接触させることによりカルシウム導入処理がなされている請求項2に記載の下水処理用浄化材。
  4. 酸溶液の濃度が0.01mol/L以上である請求項1〜3のいずれかに記載の下水処理用浄化材。
  5. 金属塩化物を導入処理した原料植物を炭化処理することによりその炭化物に陰イオン吸着特性を持たせた炭素材料からなるか、または前記炭素材料を含むことを特徴とする下水処理用浄化材。
  6. 前記炭化物内に結合される金属塩化物を灰分として2%〜25%含有させてある請求項5に記載の下水処理用浄化材。
  7. 前記炭化物を水および/または酸に接触させてある請求項5または6に記載の下水処理用浄化材。
  8. 前記金属塩化物がCaCl2 またはBaCl2 である請求項5〜7のいずれかに記載の下水処理用浄化材。
  9. 原料植物の炭化処理温度が400℃〜1000℃である請求項1〜8のいずれかに記載の下水処理用浄化材。
  10. 吸着対象の陰イオンを吸着した請求項1〜9のいずれかに記載の下水処理用浄化材から、吸着した陰イオンが除去されるとともに、次の吸着対象の陰イオンとイオン交換が可能な陰イオンを前記陰イオンが除去した陰イオンに代えて結合させてある下水処理用浄化材。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の下水処理用浄化材を用いて被処理水を浄化することを特徴とする下水浄化方法。
  12. 処理槽を通過させて被処理水に対して所定の処理を行う下水処理設備において、前記被処理水を請求項1〜10のいずれかに記載の下水処理用浄化材を用いて浄化するように構成してあることを特徴とする下水処理設備。
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