JP2005296826A - ポリエステルの連続的水素化分解方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリエステルを連続的に水素化分解する方法の提供。
【解決手段】ルテニウム錯体触媒及び反応溶媒の存在下に、ポリエステルを水素化分解してアルコール類を生成させた反応液からの反応溶媒及びルテニウム錯体触媒の分離回収方法であって、反応液を蒸留し反応溶媒を分離回収する工程、及び、蒸留残留物に有機溶媒を加えてルテニウム錯体触媒を抽出分離回収する工程を含む。
【効果】反応溶媒及び触媒を回収し再使用することによって、効率よくアルコール化合物を得ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】ルテニウム錯体触媒及び反応溶媒の存在下に、ポリエステルを水素化分解してアルコール類を生成させた反応液からの反応溶媒及びルテニウム錯体触媒の分離回収方法であって、反応液を蒸留し反応溶媒を分離回収する工程、及び、蒸留残留物に有機溶媒を加えてルテニウム錯体触媒を抽出分離回収する工程を含む。
【効果】反応溶媒及び触媒を回収し再使用することによって、効率よくアルコール化合物を得ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ポリエステルを水素存在下で還元的に水素化してアルコール類を工業的に製造する方法に関し、特に、生成物であるアルコール類の分離回収方法、反応溶媒およびルテニウム錯体触媒の分離回収方法および再使用方法に関する。さらに詳しくは、例えばアルキレンフタレート単位を有するポリエステルを解重合し、同時にエステルの還元を行い、1段階工程でアルキレングリコール並びに1,4−ベンゼンジメタノール(パラキシリレングリコール)及び/又は1,3−ベンゼンジメタノール(メタキシリレングリコール)及び/又は1,2−ベンゼンジメタノール(オルソキシリレングリコール)を製造するにあたっての、生成物の分離回収方法および反応溶媒、ルテニウム錯体触媒の分離回収方法、再使用方法に関する。
近年、遷移金属錯体を用いた均一系触媒反応について盛んに研究が行われており、新規の有効な有機合成反応が見出されている。しかし均一系触媒反応においては、触媒を生成物から分離しにくいという欠点を有している。さらに、反応液から錯体触媒を失活させないで分離回収して触媒を再使用することは困難である場合が多い。このため、実用プロセスとするために様々な検討がなされている(特許文献1)。しかし、ポリエステルを基質とする均一系水素化分解反応における触媒に関する記述はない。
特開2004−33798号公報
本発明は、有機リン化合物を配位子として有するルテニウム錯体を触媒として含むポリエステルの水素化分解反応液から、反応液中に含まれる生成物、反応溶媒、ルテニウム錯体触媒を分離回収する方法を提供することを課題とする。
また、本発明の課題は、ポリエステル、例えばポリエチレンフタレートを原料として、ポリエステル樹脂や塗料の原料として有用なアルコール類を、短縮化された工程で、比較的温和な条件で効率よく生産する技術を提供することであり、さらに、生成物を分離し、触媒を再使用することで効率的な反応プロセスを構築することである。触媒、溶媒を反応に再使用することができれば、経済的にも触媒費、溶媒費を大幅に減ずることができる。
また、本発明の課題は、ポリエステル、例えばポリエチレンフタレートを原料として、ポリエステル樹脂や塗料の原料として有用なアルコール類を、短縮化された工程で、比較的温和な条件で効率よく生産する技術を提供することであり、さらに、生成物を分離し、触媒を再使用することで効率的な反応プロセスを構築することである。触媒、溶媒を反応に再使用することができれば、経済的にも触媒費、溶媒費を大幅に減ずることができる。
本発明者は、上記の事情に鑑み鋭意検討を行った結果、ポリエステル、例えばポリアルキレンフタレートを解重合し、水素化してアルコール類を得るにあたり、反応が終了した後に生成した均一液体を蒸留操作、濾過操作、抽出操作を適切に組み合わせることによって触媒、生成物を分離回収し、再使用するプロセスを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明の要旨は、下記(1)から(12)に存する。
(1)ルテニウム錯体触媒及び反応溶媒の存在下に、ポリエステルを水素化分解してアルコール類を生成させた反応液からの反応溶媒及びルテニウム錯体触媒の分離回収方法であって、反応液を蒸留し反応溶媒を分離回収する工程、及び、蒸留残留物に有機溶媒を加えてルテニウム錯体触媒を抽出分離回収する工程からなる反応溶媒及びルテニウム錯体触媒の分離回収方法。
(2)水素化分解反応の溶媒が1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オールである(1)に記載の方法。
(3)水素化分解反応の溶媒が1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オールとアミンの混合物である(1)に記載の方法。
(4)ルテニウム錯体触媒が一般式[1][式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19は、各独立に、水素、炭素数1〜12個のアルキル基またはアリール基である。]で表されるルテニウム錯体である(1)に記載の方法。
(1)ルテニウム錯体触媒及び反応溶媒の存在下に、ポリエステルを水素化分解してアルコール類を生成させた反応液からの反応溶媒及びルテニウム錯体触媒の分離回収方法であって、反応液を蒸留し反応溶媒を分離回収する工程、及び、蒸留残留物に有機溶媒を加えてルテニウム錯体触媒を抽出分離回収する工程からなる反応溶媒及びルテニウム錯体触媒の分離回収方法。
(2)水素化分解反応の溶媒が1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オールである(1)に記載の方法。
(3)水素化分解反応の溶媒が1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オールとアミンの混合物である(1)に記載の方法。
(4)ルテニウム錯体触媒が一般式[1][式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19は、各独立に、水素、炭素数1〜12個のアルキル基またはアリール基である。]で表されるルテニウム錯体である(1)に記載の方法。
(5)ルテニウム錯体触媒がルテニウム(III)アセチルアセトナトである(1)に記載の方法。
(6)ルテニウム錯体触媒が配位子として1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタンを有する(1)に記載の方法。
(7)ルテニウム錯体触媒及び反応溶媒の存在下にポリアルキレンフタレートを水素化分解してベンゼンジメタノールと脂肪族ジオールを生成させる反応工程、反応液を蒸留し反応溶媒を留出分離する反応溶媒回収工程、反応溶媒回収工程後の蒸留残留物に有機溶媒を加え濾過してルテニウム錯体触媒を有機溶媒に抽出する触媒抽出工程、触媒抽出工程後の有機溶媒相を水洗する水洗工程、水洗工程後の有機溶媒相を蒸留して有機溶媒を留去分離する抽出溶媒回収工程、抽出溶媒回収工程の蒸留残留物からルテニウム錯体触媒を回収する触媒回収工程、水洗工程後の水相から水を留去する濃縮工程、濃縮工程後の残留物を蒸留して脂肪族ジオールを留出分離する脂肪族ジオール回収工程、並びに、前記触媒抽出工程後の濾別固体及び前記脂肪族ジオール回収工程の蒸留残留物からベンゼンジメタノールを回収するベンゼンジメタノール回収工程からなり、かつ、前記触媒回収工程により回収されたルテニウム錯体触媒及び前記反応溶媒回収工程により留出分離された反応溶媒を反応工程に、前記抽出溶媒回収工程により留出分離された有機溶媒を触媒抽出工程に、それぞれ再使用するポリアルキレンフタレートの水素化分解方法。
(8)触媒抽出工程後の不溶分に水を加え、得られた水相を水洗工程後の水相に加えて濃縮工程にて水を留去する(7)に記載の方法。
(9)ルテニウム錯体触媒及び反応溶媒の存在下にポリアルキレンフタレートを水素化分解してベンゼンジメタノールと脂肪族ジオールを生成させる反応工程、反応液を蒸留し反応溶媒を留出分離する反応溶媒回収工程、反応溶媒回収工程後の蒸留残留物に有機溶媒及び水を加えて混合し分液する触媒抽出工程、触媒抽出工程後の有機溶媒相を水洗する水洗工程、水洗工程後の有機溶媒相を蒸留して有機溶媒を留去分離する抽出溶媒回収工程、抽出溶媒回収工程の蒸留残留物からルテニウム錯体触媒を回収する触媒回収工程、水洗工程後の水相から水を留去する濃縮工程、濃縮工程後の蒸留残留物を蒸留して脂肪族ジオールを留出分離する脂肪族ジオール回収工程、並びに、前記脂肪族ジオール回収工程の蒸留残留物からベンゼンジメタノールを回収するベンゼンジメタノール回収工程からなり、かつ、前記触媒回収工程により回収されたルテニウム錯体触媒及び前記反応溶媒回収工程により留出分離された反応溶媒を反応工程に、前記抽出溶媒回収工程により留出分離された有機溶媒を触媒抽出工程に、それぞれ再使用するポリアルキレンフタレートの水素化分解方法。
(10)反応溶媒が1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オールである(7)又は(9)に記載の方法。
(11)反応溶媒が1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オールとアミンの混合物である(7)又は(9)に記載の方法。
(12)ルテニウム錯体触媒が一般式[1][式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19は、各独立に、水素、炭素数1〜12個のアルキル基またはアリール基である。]で表されるルテニウム錯体である(7)又は(9)に記載の方法。
本発明は、ポリエステルの水素化分解反応において、生成物の分離方法及び触媒、反応溶媒の分離回収、再使用方法を提供する。
本発明の方法によれば、ポリエステルの水素化分解反応において反応溶媒及びルテニウム錯体触媒を分離回収し再使用することによって、連続的に効率よくアルコール化合物を得ることができるので、工業的な実施が可能である。
本発明の方法によれば、ポリエステルの水素化分解反応において反応溶媒及びルテニウム錯体触媒を分離回収し再使用することによって、連続的に効率よくアルコール化合物を得ることができるので、工業的な実施が可能である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明における水素化分解に供する基質は、ポリエステルである。使用されるポリエステルは、特にポリアルキレンフタレートであり、一般式[2]で示される。
−[COC6H4COO−R−O]n− [2]
(Rは炭素数1から12のアルキレン鎖を示す。nは限定しないが、通常10〜10万、特に100〜1万の数である。)
ポリエステルでは、例えばポリエチレンフタレート、ポリブチレンフタレートなどのポリアルキレンフタレートが対象となる。すなわち、ポリアルキレンフタレートのジカルボン酸成分はテレフタル酸及び/又はイソテレフタル酸及び/又はフタル酸であり、グリコール成分はエチレングリコール、ブチレングリコールなどである。上記のポリエステルの形状は特に問わないが、ペレット状及び又はフレーク状であるほうが好ましい。また粉状に細かく粉砕する必要はないが粉砕されたものでもかまわない。本発明におけるポリエステルの水素化とは、ポリマー中のエステル基のアルコール基への還元を伴う解重合反応であり、一般式[3]で示される反応により1段階で解重合及び水素化反応させ、脂肪族ジオール及びベンゼンジメタノールとなす反応である。
(−[COC6H4COO−R−O]n−)→n(C6H4(CH2OH)2+ HO−R−OH) [3]
(Rは炭素数1から12のアルキレン鎖を示す。nは限定しないが、通常10〜10万、特に100〜1万の数である。)
本発明における水素化分解に供する基質は、ポリエステルである。使用されるポリエステルは、特にポリアルキレンフタレートであり、一般式[2]で示される。
−[COC6H4COO−R−O]n− [2]
(Rは炭素数1から12のアルキレン鎖を示す。nは限定しないが、通常10〜10万、特に100〜1万の数である。)
ポリエステルでは、例えばポリエチレンフタレート、ポリブチレンフタレートなどのポリアルキレンフタレートが対象となる。すなわち、ポリアルキレンフタレートのジカルボン酸成分はテレフタル酸及び/又はイソテレフタル酸及び/又はフタル酸であり、グリコール成分はエチレングリコール、ブチレングリコールなどである。上記のポリエステルの形状は特に問わないが、ペレット状及び又はフレーク状であるほうが好ましい。また粉状に細かく粉砕する必要はないが粉砕されたものでもかまわない。本発明におけるポリエステルの水素化とは、ポリマー中のエステル基のアルコール基への還元を伴う解重合反応であり、一般式[3]で示される反応により1段階で解重合及び水素化反応させ、脂肪族ジオール及びベンゼンジメタノールとなす反応である。
(−[COC6H4COO−R−O]n−)→n(C6H4(CH2OH)2+ HO−R−OH) [3]
(Rは炭素数1から12のアルキレン鎖を示す。nは限定しないが、通常10〜10万、特に100〜1万の数である。)
本発明において、水素化反応に使用する触媒は、ポリエステルをアルコールに還元するのに有効な機能を有するルテニウム錯体触媒を用いる。好ましくは、ルテニウム(III)アセチルアセトナトと1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン(Triphos)を混合させて得られた化合物を用いる。この化合物はルテニウム(III)アセチルアセトナトとTriphosとをTHF等の有機溶媒中水素加圧下で反応させて得られた黄色固体である。この金属錯体は式[4]で表されるルテニウム錯体である。
これに対して、あらかじめ金属錯体を製造せずに、ルテニウム(III)アセチルアセトナトと1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン(Triphos)をそれぞれ反応系中に加えて、触媒として用いることもできる。触媒の使用量は、出発物質であるポリエステル100重量部に対して1.0から5.0重量部あれば充分である。多すぎると触媒費用が高くなるばかりで合理的ではない。
本発明において、水素化分解反応を行う際の反応温度は、80から200℃の範囲が好適であるが、100から150℃の範囲がさらに好適であり実用的である。また、本反応における水素分圧は3から15MPaが好適であるが、5から10MPaがさらに好適で実用的である。
本発明において、水素化分解反応を行う際の溶媒分圧および水素分圧の上限は反応面での規制はないが、必要以上に高圧になると特殊な耐圧設備が必要となって経済的ではなく、反応系の全圧が15MPa以下となるようにすることが実用的である。反応系内の圧力は、基本的には、上記水素圧力に加えて、溶媒及び生成物の蒸気圧の合計となる。また反応時間は1時間から24時間程度で十分に高い原料転化率を得ることができる。
本発明において、水素化分解反応を行う際、反応を迅速に完結させるためには系内を十分に混合することが好ましく、反応原料以外の反応溶媒を使用する。ポリエステルの水素化分解反応の反応溶媒として好ましく用いられるのはフッ素原子を含んだ炭化水素であり、特に好ましくは1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール(HFIP)である。
さらに、反応活性をあげるために反応溶媒に添加物として塩基を加えてもよい。塩基であれば有機塩基、無機塩基のいずれからも広範に選択することができる。塩基の使用量は、出発物質であるポリエステル100重量部に対して5〜20重量部が好ましい。塩基は存在しなくても反応は進行するが、添加することによって反応効率が上がり反応時間を短くできる場合が多い。反応活性をあげる添加物としては、好ましくは有機塩基であり、特に好ましくはトリエチルアミンである。反応溶媒として、HFIPなどのフッ素原子を含んだ炭化水素にトリエチルアミンなどの有機塩基を加えた混合溶媒を使用することが特に好ましい。
溶媒の量は、通常、反応原料となるポリエステル1重量部に対して、3から45重量部、好ましくは5から30重量部が望ましい。溶媒量が3重量部を下回ると、原料のポリエステルや生成物であるアルコール類の溶解量が制限されるため、反応が低いレベルで律速され効率的に問題となる。一方、30重量部を上回った場合は、単に余剰となるだけで生産性の面で不利となる。
原料ポリエステルと反応溶媒を混合する手段に特に制限はないが、振とう機や攪拌機などの往復動作や回転動作をするものによる強制的混合手段を用いることが好ましい。
原料ポリエステルと反応溶媒を混合する手段に特に制限はないが、振とう機や攪拌機などの往復動作や回転動作をするものによる強制的混合手段を用いることが好ましい。
本発明において、水素化分解反応を行う際、原料のポリエステルは最初、反応溶媒に溶けずに浮遊しているが、反応終了後にはこの白色浮遊物は存在せず、薄い黄色あるいは原料のポリエステルの量、触媒量、反応時間によっては茶色等の透明均一液体となっている。水素化分解反応により得られる反応生成物は、原料がポリエチレンフタレートである場合、エチレングリコール、1,4−ベンゼンジメタノール及び/又は1,3−ベンゼンジメタノール及び/又は1,2−ベンゼンジメタノールで構成されている。その他、反応液中には反応溶媒(フッ素原子を含んだ炭化水素の他、有機塩基化合物を含み得る)、水素化分解触媒が存在しており、微量の不純物が含まれることもある。
本発明の方法において、水素化分解反応より得られる反応生成物は、原料がポリエチレンフタレートである場合、エチレングリコール、1,4−ベンゼンジメタノール及び/又は1,3−ベンゼンジメタノール及び/又は1,2−ベンゼンジメタノールで構成される。その他、反応液中には反応溶媒であるHFIP、トリエチルアミンなどの塩基、ルテニウム錯体触媒が存在しており、微量の不純物(エチレングリコールが2量化したジエチレングリコール等エーテル化合物と考えられる)が含まれることもある。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)の水素化分解反応で得られる生成物は、エチレングリコール及び1,4−ベンゼンジメタノールで構成される。原料がポリブチレンテレフタレート(PBT)である場合は、生成物はブチレングリコール、1,4−ベンゼンジメタノールで構成される。その他、原料がPETG(テレフタル酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールとエチレングリコールとを共重合させたポリエステル)である場合は、生成物は1,4−ベンゼンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコールで構成される。
本発明において、反応溶媒回収工程とは、上記反応液を蒸留し反応溶媒を留出分離する反応溶媒を分離回収する工程である。この工程で有機塩基及びフッ素原子を含んだ炭化水素を分離回収することができる。
前記反応溶媒回収工程後、触媒抽出工程において、反応溶媒回収後の蒸留残留物に有機溶媒を加え濾過してルテニウム錯体触媒を有機溶媒に抽出する。前記反応溶媒回収工程における蒸留操作後、得られた蒸留残留物に有機溶媒を加えて混合する。このとき加える有機溶媒はベンゼンジメタノールを溶かしにくいが、ルテニウム錯体触媒を溶解させることができるもので常圧での沸点が30〜230℃で、常温で液体であるものが好ましい。具体的には、トルエン、キシレンなど芳香族炭化水素化合物、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどエーテル類、THF、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸メチル、クロロホルム等が好適である。この操作により、蒸留残留物のうち、ルテニウム錯体は溶解するがベンゼンジメタノールの大部分は溶けずにけん濁液となる。上記けん濁液から、濾過操作などによりベンゼンジメタノールを分離することができる。
前記工程後、水洗工程において触媒抽出工程後の有機溶媒相を水洗する。触媒抽出工程後に得られた有機溶媒相に水を加え、抽出操作により有機溶媒相にルテニウム錯体を、水相に先の工程で分離できなかったベンゼンジメタノールおよび脂肪族ジオールを移動させ、分離する。溶媒相を分取する方法としては、通常の2液相分離方法、例えば静置分離による方法が挙げられる。
水洗工程の処理温度としては制限はないが、30℃から60℃の温水であれば、ベンゼンジメタノールを良好に溶解させて抽出することができるので、好適である。水洗工程において、抽出効率をあげるために、攪拌を行うことが好ましい。
水洗工程後、有機溶媒相は、抽出溶媒回収工程に移り、蒸留されて有機溶媒が留去分離される。その後、触媒回収工程で、抽出溶媒回収工程の蒸留残留物からルテニウム錯体触媒を回収する。
水洗工程後、水相は、濃縮工程に移り、水が留去される。その後、脂肪族ジオール回収工程で濃縮工程後の残留物を蒸留して脂肪族ジオールを留出分離する。
ベンゼンジメタノールは、前記触媒抽出工程後の濾別固体及び前記脂肪族ジオール回収工程の蒸留残留物からベンゼンジメタノールを回収するベンゼンジメタノール回収工程において回収する。
前記触媒回収工程で回収された固体物質であるルテニウム錯体触媒、及び前記反応溶媒回収工程により留出分離された反応溶媒は反応工程に移され、ポリエステル水素化分解反応に再使用される。また、前記抽出溶媒回収工程により回収された有機溶媒は、触媒抽出工程に移され、反応溶媒回収工程後の蒸留残留物からの触媒回収工程に再使用される。以上の実施態様は図1に示され、請求項7記載の発明に対応する。
また、別の実施態様は図2に示され、請求項9記載の発明に対応する。すなわち、図2は、前記図1に示した工程のうち、触媒抽出工程における濾別操作を行わないで、ベンゼンジメタノールを回収する方法を示す。前記図1と同様に、反応溶媒回収工程における蒸留操作後、触媒抽出工程・水洗工程において、反応溶媒回収後の蒸留残留物に有機溶媒及び水を加え、ルテニウム錯体触媒を有機溶媒に抽出する。前記反応溶媒回収工程における蒸留操作後、得られた蒸留残留物に有機溶媒及び水を加えて混合する。このとき加える有機溶媒はベンゼンジメタノールを溶かしにくいが、ルテニウム錯体触媒を溶解させることができるもので常圧での沸点が30〜230℃で、常温で液体であるものが好ましい。具体的には、トルエン、キシレンなど芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどエーテル類、THF、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸メチル、クロロホルム等が好適である。
水洗工程において触媒抽出工程後の有機溶媒相を水洗する。触媒抽出工程後に得られた有機溶媒相に水を加え、抽出操作により有機溶媒相にルテニウム錯体を、水相にベンゼンジメタノールおよび脂肪族ジオールを移動させ、分離する。溶媒相を分取する方法としては、通常の2液相分離方法、例えば静置分離による方法が挙げられる。
水洗工程の処理温度としては制限はないが、30℃から60℃の温水であれば、ベンゼンジメタノールを良好に溶解させて抽出することができるので、好適である。水洗工程において、抽出効率をあげるために、攪拌を行うことが好ましい。
水洗工程後、有機溶媒相は、抽出溶媒回収工程に移り、蒸留されて有機溶媒が留去分離される。その後、触媒回収工程で、抽出溶媒回収工程の蒸留残留物からルテニウム錯体触媒を回収する。
水洗工程後、水相は、濃縮工程に移り、水が留去される。その後、脂肪族ジオール回収工程で濃縮工程後の残留物を蒸留して脂肪族ジオールを留出分離する。
ベンゼンメタノールは、前記脂肪族ジオール回収工程の蒸留残留物からベンゼンジメタノールを回収するベンゼンジメタノール回収工程において回収する。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によりその範囲を限定されるものではない。
触媒合成法(ルテニウム錯体触媒の製造)
内部に攪拌子が加えられている外径20mm・内容積20mLのガラス製筒状容器で内張りされた、高圧用圧力計が取り付けられた外径28mm、高さ90mmのSUS製高圧反応容器に、ルテニウム(III)アセチルアセトナト401.7mg、1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン626.3mg、THF3mLを加えた後、反応器を密閉した。反応器内を水素置換し、水素で6.0MPaまで加圧した。金属浴に反応器を入れ回転数200r.p.m.で攪拌機を回転させながら昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が120℃に到達した時、オートクレーブ内の圧力は7.3MPaまで上がった。その後、120℃に保持すると圧力は徐々に減少し、6.8MPaまで低下した。17時間反応させた後、ヒーターを切り反応器を室温まで冷やし、反応を停止させた。室温まで冷却し、その後、落圧、開放した。オレンジ色均一透明液体が得られた。反応液をナスフラスコに移し、溶媒を留去するとオレンジ色固体が得られた。THFとヘキサンを用いて再結晶操作をした。661.2mgの黄色固体が得られた。
触媒合成法(ルテニウム錯体触媒の製造)
内部に攪拌子が加えられている外径20mm・内容積20mLのガラス製筒状容器で内張りされた、高圧用圧力計が取り付けられた外径28mm、高さ90mmのSUS製高圧反応容器に、ルテニウム(III)アセチルアセトナト401.7mg、1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン626.3mg、THF3mLを加えた後、反応器を密閉した。反応器内を水素置換し、水素で6.0MPaまで加圧した。金属浴に反応器を入れ回転数200r.p.m.で攪拌機を回転させながら昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が120℃に到達した時、オートクレーブ内の圧力は7.3MPaまで上がった。その後、120℃に保持すると圧力は徐々に減少し、6.8MPaまで低下した。17時間反応させた後、ヒーターを切り反応器を室温まで冷やし、反応を停止させた。室温まで冷却し、その後、落圧、開放した。オレンジ色均一透明液体が得られた。反応液をナスフラスコに移し、溶媒を留去するとオレンジ色固体が得られた。THFとヘキサンを用いて再結晶操作をした。661.2mgの黄色固体が得られた。
この得られた固体物の質量分析とNMRによる構造解析を実施した。得られた黄色固体の主成分は、ルテニウム1原子に、1分子の1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタンの2個のリン原子と2分子のアセチルアセトナトの2個の酸素原子が結合した構造を持つ錯体、Ru1C51H53O4P3[4]であると推定された。
実施例1
内部に攪拌子が加えられている外径20mm・内容積20mLのガラス製筒状容器で内張りされた、高圧用圧力計が取り付けられた外径28mm、高さ90mmのSUS製高圧反応容器に、空気雰囲気下で、ルテニウム錯体[4]20.4mg、HFIP2mL、トリエチルアミン28μLを加えて攪拌した。さらに、平均直径4mmに粉砕したフレーク状ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET.(株)日本ユニペット社製、商品名RT553)194.9mgを加えた後、反応器を密閉した。反応器内を水素置換し、水素で4.0MPaまで加圧した。金属浴に反応器を入れ回転数200r.p.m.で攪拌機を回転させながら昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が120℃に到達した時、オートクレーブ内の圧力は4.7MPaまで上がった。その後、120℃に保持すると圧力は徐々に減少し、9.5MPaまで低下した。3時間反応させた後、ヒーターを切り反応器を室温まで冷やし、反応を停止させた。その後、落圧、開放した。原料のポリエステル樹脂は最初、溶媒であるHFIPに溶けずに浮遊していたが、反応終了後にはこの白色浮遊物は存在せず、オレンジ色均一透明液体が得られた。反応液をガスクロマトグラフ分析にかけた。その結果、テレフタル酸の還元生成物である1,4−ベンゼンジメタノール及びエチレングリコールがそれぞれ、原料であるPET樹脂の各モノマー単位に対して、100mol%の収率で得られた。収率は原料のPETのモノマー単位-(OCH2CH2O2CC6H4-4-CO-)を構成するテレフタル酸及びエチレングリコールを1単位として計算した。
内部に攪拌子が加えられている外径20mm・内容積20mLのガラス製筒状容器で内張りされた、高圧用圧力計が取り付けられた外径28mm、高さ90mmのSUS製高圧反応容器に、空気雰囲気下で、ルテニウム錯体[4]20.4mg、HFIP2mL、トリエチルアミン28μLを加えて攪拌した。さらに、平均直径4mmに粉砕したフレーク状ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET.(株)日本ユニペット社製、商品名RT553)194.9mgを加えた後、反応器を密閉した。反応器内を水素置換し、水素で4.0MPaまで加圧した。金属浴に反応器を入れ回転数200r.p.m.で攪拌機を回転させながら昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が120℃に到達した時、オートクレーブ内の圧力は4.7MPaまで上がった。その後、120℃に保持すると圧力は徐々に減少し、9.5MPaまで低下した。3時間反応させた後、ヒーターを切り反応器を室温まで冷やし、反応を停止させた。その後、落圧、開放した。原料のポリエステル樹脂は最初、溶媒であるHFIPに溶けずに浮遊していたが、反応終了後にはこの白色浮遊物は存在せず、オレンジ色均一透明液体が得られた。反応液をガスクロマトグラフ分析にかけた。その結果、テレフタル酸の還元生成物である1,4−ベンゼンジメタノール及びエチレングリコールがそれぞれ、原料であるPET樹脂の各モノマー単位に対して、100mol%の収率で得られた。収率は原料のPETのモノマー単位-(OCH2CH2O2CC6H4-4-CO-)を構成するテレフタル酸及びエチレングリコールを1単位として計算した。
前記ルテニウム錯体触媒の存在下にポリエステルを水素化分解してアルコール化合物を生成させた反応液を50mmHg,50℃で減圧蒸留し、反応液からHFIPを分離回収した。減圧蒸留後蒸留塔底から得られた固体物質に酢酸エチル(5mL)を加えた。酢酸エチルに溶解しにくい白色物質(1,4−ベンゼンジメタノール)を濾過操作(濾紙を使用)により分離した。分離して得られた1,4−ベンゼンジメタノールは109.8mgであった。濾液に水(5mL)を加え、分液ろうとを用いて抽出処理を行った。酢酸エチル相を取り出し、減圧蒸留により酢酸エチルを留去して、ルテニウム錯体触媒を含む茶色固体物質を得た(73.1mg)。水相を取り出し、水相から水を蒸留除去して、さらに減圧蒸留して、塔頂からエチレングリコール、塔底から1,4−ベンゼンジメタノールを得た。次のポリエステル水素化分解反応に、上記回収した茶色固体物質を触媒として上記回収したHFIPを反応溶媒として再使用した。上記回収した酢酸エチルは触媒抽出用有機溶媒として再使用した。
(水素化分解反応、2回目)内部に攪拌子が加えられている外径20mm・内容積20mLのガラス製筒状容器で内張りされた、高圧用圧力計が取り付けられた外径28mm、高さ90mmのSUS製高圧反応容器に、上記分離操作で得られたルテニウム錯体触媒を含む茶色固体225.8mg、HFIP2mL、トリエチルアミン28μLを加えて攪拌した。さらに、平均直径4mmに粉砕したフレーク状ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET.(株)日本ユニペット社製、商品名RT553)379.8mgを加えた後、反応器を密閉した。反応器内を水素置換し、水素で4.0MPaまで加圧した。金属浴に反応器を入れ回転数200r.p.m.で攪拌機を回転させながら昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が120℃に到達した時、オートクレーブ内の圧力は5.1MPaまで上がった。その後、120℃に保持すると圧力は徐々に減少し、4.3MPaまで低下した。5時間反応させた後、ヒーターを切り反応器を室温まで冷やし、反応を停止させた。その後、落圧、開放した。原料のポリエステル樹脂は最初、溶媒であるHFIPに溶けずに浮遊していたが、反応終了後にはこの白色浮遊物は存在せず、オレンジ色均一透明液体が得られた。反応液をガスクロマトグラフ分析にかけた。その結果、テレフタル酸の還元生成物である1,4−ベンゼンジメタノールが原料であるPET樹脂に対して70mol%の収率で得られ、またエチレングリコールが63mol%の収率で得られた。収率は原料のPETのモノマー単位-(OCH2CH2O2CC6H4-4-CO-)を構成するテレフタル酸及びエチレングリコールを1単位として計算した。
(分離操作)
上記分離操作と同様の操作を行い、触媒、反応溶媒及び触媒抽出用有機溶媒を回収し、エチレングリコール及び1,4−ベンゼンジメタノールを生成物として得た。上記回収した茶色固体物質を触媒として上記回収したHFIPを反応溶媒として、次のポリエステル水素化分解反応に再使用した。上記回収した酢酸エチルは触媒抽出用有機溶媒として再使用した。
上記分離操作と同様の操作を行い、触媒、反応溶媒及び触媒抽出用有機溶媒を回収し、エチレングリコール及び1,4−ベンゼンジメタノールを生成物として得た。上記回収した茶色固体物質を触媒として上記回収したHFIPを反応溶媒として、次のポリエステル水素化分解反応に再使用した。上記回収した酢酸エチルは触媒抽出用有機溶媒として再使用した。
(水素化分解反応、3回目)内部に攪拌子が加えられている外径20mm・内容積20mLのガラス製筒状容器で内張りされた、高圧用圧力計が取り付けられた外径28mm、高さ90mmのSUS製高圧反応容器に、上記分離操作で得られたルテニウム錯体触媒を含む茶色固体73.1mg、HFIP2mL、トリエチルアミン42μLを加えて攪拌した。さらに、平均直径4mmに粉砕したフレーク状ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET.(株)日本ユニペット社製、商品名RT553)373.7mgを加えた後、反応器を密閉した。反応器内を水素置換し、水素で5.4MPaまで加圧した。金属浴に反応器を入れ回転数200r.p.m.で攪拌機を回転させながら昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が120℃に到達した時、オートクレーブ内の圧力は6.1MPaまで上がった。その後、120℃に保持すると圧力は徐々に減少し、5.4MPaまで低下した。21時間反応させた後、ヒーターを切り反応器を室温まで冷やし、反応を停止させた。その後、落圧、開放した。原料のポリエステル樹脂は最初、溶媒であるHFIPに溶けずに浮遊していたが、反応終了後にはこの白色浮遊物は存在せず、オレンジ色均一透明液体が得られた。反応液をガスクロマトグラフ分析にかけた。その結果、テレフタル酸の還元生成物である1,4−ベンゼンジメタノールが原料であるPET樹脂に対してほぼ100mol%の収率で得られ、またエチレングリコールが83mol%の収率で得られた。収率は原料のPETのモノマー単位-(OCH2CH2O2CC6H4-4-CO-)を構成するテレフタル酸及びエチレングリコールを1単位として計算した。
実施例2
内部に攪拌子が加えられている外径20mm・内容積20mLのガラス製筒状容器で内張りされた、高圧用圧力計が取り付けられた外径28mm、高さ90mmのSUS製高圧反応容器に、ルテニウム(III)アセチルアセトナト7.4mg、1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン12.7mg、HFIP2mL、トリエチルアミン14μLを加えて攪拌した。さらに、平均直径4mmに粉砕したフレーク状ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET.(株)日本ユニペット社製、商品名RT553)194.9mgを加えた後、反応器を密閉した。反応器内を水素置換し、水素で8.2MPaまで加圧した。金属浴に反応器を入れ回転数200r.p.m.で攪拌機を回転させながら昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が120℃に到達した時、オートクレーブ内の圧力は10.3MPaまで上がった。その後、120℃に保持すると圧力は徐々に減少し、9.7MPaまで低下した。21時間反応させた後、ヒーターを切り反応器を室温まで冷やし、反応を停止させた。その後、落圧、開放した。反応液をガスクロマトグラフ分析にかけた。原料のポリエステル樹脂は最初、溶媒であるHFIPに溶けずに浮遊していたが、反応終了後にはこの白色浮遊物は存在せず、オレンジ色均一透明液体が得られた。その結果、テレフタル酸の還元生成物である1,4−ベンゼンジメタノールが原料であるPET樹脂に対してほぼ100mol%の収率で得られ、またエチレングリコールも生成した。収率は原料のPETのモノマー単位-(OCH2CH2O2CC6H4-4-CO-)を構成するテレフタル酸及びエチレングリコールを1単位として計算した。
内部に攪拌子が加えられている外径20mm・内容積20mLのガラス製筒状容器で内張りされた、高圧用圧力計が取り付けられた外径28mm、高さ90mmのSUS製高圧反応容器に、ルテニウム(III)アセチルアセトナト7.4mg、1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン12.7mg、HFIP2mL、トリエチルアミン14μLを加えて攪拌した。さらに、平均直径4mmに粉砕したフレーク状ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET.(株)日本ユニペット社製、商品名RT553)194.9mgを加えた後、反応器を密閉した。反応器内を水素置換し、水素で8.2MPaまで加圧した。金属浴に反応器を入れ回転数200r.p.m.で攪拌機を回転させながら昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が120℃に到達した時、オートクレーブ内の圧力は10.3MPaまで上がった。その後、120℃に保持すると圧力は徐々に減少し、9.7MPaまで低下した。21時間反応させた後、ヒーターを切り反応器を室温まで冷やし、反応を停止させた。その後、落圧、開放した。反応液をガスクロマトグラフ分析にかけた。原料のポリエステル樹脂は最初、溶媒であるHFIPに溶けずに浮遊していたが、反応終了後にはこの白色浮遊物は存在せず、オレンジ色均一透明液体が得られた。その結果、テレフタル酸の還元生成物である1,4−ベンゼンジメタノールが原料であるPET樹脂に対してほぼ100mol%の収率で得られ、またエチレングリコールも生成した。収率は原料のPETのモノマー単位-(OCH2CH2O2CC6H4-4-CO-)を構成するテレフタル酸及びエチレングリコールを1単位として計算した。
前記ルテニウム錯体触媒の存在下にポリエステルを水素化分解してアルコール化合物を生成させた反応液を50mmHg,50℃で減圧蒸留し、反応液からHFIPを分離回収した。減圧蒸留後得られた固体物質に酢酸エチル及び水を加え、抽出処理を行った。分液して酢酸エチル相を取り出し、酢酸エチルを留去して、茶色固体物質を得た。水相を取り出し、水を蒸留除去し、さらに減圧蒸留して、塔頂からエチレングリコール、塔底から1,4−ベンゼンジメタノールを得た。上記分離操作と同様の操作を行い、触媒、反応溶媒及び触媒抽出用有機溶媒を回収し、エチレングリコール及び1,4−ベンゼンジメタノールを生成物として得た。上記回収した茶色固体物質を触媒として上記回収したHFIPを反応溶媒として、次のポリエステル水素化分解反応に再使用した。上記回収した酢酸エチルは触媒抽出用有機溶媒として再使用した。
Claims (12)
- ルテニウム錯体触媒及び反応溶媒の存在下に、ポリエステルを水素化分解してアルコール類を生成させた反応液からの反応溶媒及びルテニウム錯体触媒の分離回収方法であって、反応液を蒸留し反応溶媒を分離回収する工程、及び、蒸留残留物に有機溶媒を加えてルテニウム錯体触媒を抽出分離回収する工程からなる反応溶媒及びルテニウム錯体触媒の分離回収方法。
- 水素化分解反応の溶媒が1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オールである請求項1に記載の方法。
- 水素化分解反応の溶媒が1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オールとアミンの混合物である請求項1に記載の方法。
- ルテニウム錯体触媒がルテニウム(III)アセチルアセトナトである請求項1に記載の方法。
- ルテニウム錯体触媒が配位子として1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタンを有する請求項1に記載の方法。
- ルテニウム錯体触媒及び反応溶媒の存在下にポリアルキレンフタレートを水素化分解してベンゼンジメタノールと脂肪族ジオールを生成させる反応工程、反応液を蒸留し反応溶媒を留出分離する反応溶媒回収工程、反応溶媒回収工程後の蒸留残留物に有機溶媒を加え濾過してルテニウム錯体触媒を有機溶媒に抽出する触媒抽出工程、触媒抽出工程後の有機溶媒相を水洗する水洗工程、水洗工程後の有機溶媒相を蒸留して有機溶媒を留去分離する抽出溶媒回収工程、抽出溶媒回収工程の蒸留残留物からルテニウム錯体触媒を回収する触媒回収工程、水洗工程後の水相から水を留去する濃縮工程、濃縮工程後の残留物を蒸留して脂肪族ジオールを留出分離する脂肪族ジオール回収工程、並びに、前記触媒抽出工程後の濾別固体及び前記脂肪族ジオール回収工程の蒸留残留物からベンゼンジメタノールを回収するベンゼンジメタノール回収工程からなり、かつ、前記触媒回収工程により回収されたルテニウム錯体触媒及び前記反応溶媒回収工程により留出分離された反応溶媒を反応工程に、前記抽出溶媒回収工程により留出分離された有機溶媒を触媒抽出工程に、それぞれ再使用するポリアルキレンフタレートの水素化分解方法。
- 触媒抽出工程後の不溶分に水を加え、得られた水相を水洗工程後の水相に加えて濃縮工程にて水を留去する請求項7に記載の方法。
- ルテニウム錯体触媒及び反応溶媒の存在下にポリアルキレンフタレートを水素化分解してベンゼンジメタノールと脂肪族ジオールを生成させる反応工程、反応液を蒸留し反応溶媒を留出分離する反応溶媒回収工程、反応溶媒回収工程後の蒸留残留物に有機溶媒及び水を加えて混合し分液する触媒抽出工程、触媒抽出工程後の有機溶媒相を水洗する水洗工程、水洗工程後の有機溶媒相を蒸留して有機溶媒を留去分離する抽出溶媒回収工程、抽出溶媒回収工程の蒸留残留物からルテニウム錯体触媒を回収する触媒回収工程、水洗工程後の水相から水を留去する濃縮工程、濃縮工程後の蒸留残留物を蒸留して脂肪族ジオールを留出分離する脂肪族ジオール回収工程、並びに、前記脂肪族ジオール回収工程の蒸留残留物からベンゼンジメタノールを回収するベンゼンジメタノール回収工程からなり、かつ、前記触媒回収工程により回収されたルテニウム錯体触媒及び前記反応溶媒回収工程により留出分離された反応溶媒を反応工程に、前記抽出溶媒回収工程により留出分離された有機溶媒を触媒抽出工程に、それぞれ再使用するポリアルキレンフタレートの水素化分解方法。
- 反応溶媒が1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オールである請求項7又は9に記載の方法。
- 反応溶媒が1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オールとアミンの混合物である請求項7又は9に記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004117449A JP2005296826A (ja) | 2004-04-13 | 2004-04-13 | ポリエステルの連続的水素化分解方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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|---|---|
| JP2005296826A true JP2005296826A (ja) | 2005-10-27 |
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Family Applications (1)
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| JP2004117449A Pending JP2005296826A (ja) | 2004-04-13 | 2004-04-13 | ポリエステルの連続的水素化分解方法 |
Country Status (1)
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-
2004
- 2004-04-13 JP JP2004117449A patent/JP2005296826A/ja active Pending
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