JP2005296138A - 生分解性人工血管とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】できるだけ迅速に形成でき、且つ、生体親和性の高い生分解人工血管とその製造方法を提供する。
【解決手段】 生分解性材料40を紫外線照射により架橋反応させることにより生分解性人工血管1を作製する。多孔性基材20の孔30には、生体内埋設時に含水ゲルとなる生分解性材料40が充填されている。生分解性材料40は顆粒状の薬剤41を内包しており、体内に埋設された後に当該生分解性材料40の分解性がコントロールされることで当該薬剤41が徐々に放出される、いわゆる「徐放性」機能が発揮され、薬剤41が一定期間にわたり所定の濃度で患者の体内に投与されるようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、人工血管に関し、特に生分解性人工血管とその製造方法に関する。
従来から、例えば特許文献1に記載されているように、ePTFE(延伸テトラフルオロエチレン)チューブやポリエステル繊維等からなる人工血管が知られている。また、一方で、乳酸-カプロラクトン共重合体(LA/CL)等の高分子材料を多孔質基材とする生分解性人工血管も研究されている。このような人工血管は、手術により体内に埋設されたのち、多孔質基材の孔中において体内組織の細胞を増殖させ、本来の血管組織を再構成して定着させるための足場(scaffold)となるものである。
特に生分解性人工血管は、体内に埋設した後は一定期間後に分解され、その間に再生した血管と置き換わるので、埋設した人工血管を再び手術により除去する必要がないという特徴を持つ。このため、当該生分解性人工血管の使用に伴う患者への負担が比較的小さく、先天性疾患を持つ小児の冠動脈や、体力に乏しい患者に対する治療に適用されている。
なお、生分解性人工血管を構成する上記多孔性基材には、予め抗血栓剤等の薬剤を架橋ゼラチンやコラーゲン等の生分解性物質で内包したものが充填されることがある。このような構成を持つ生分解性人工血管では、体内において架橋ゼラチンが徐々に分解し、当該架橋ゼラチンに包まれた薬剤が少しずつ拡散して溶け出す。そして薬剤がなくなる間での一定期間、埋設した人工血管において血液凝固が発生するのを阻止できるようになっている。
特開平9-327509号公報 特開2003-126125号公報
しかしながら、特許文献2に記載されているような生分解性人工血管は、特許文献1に記載されているePTFE(延伸テトラフルオロエチレン)チューブやポリエステル繊維等からなる人工血管に比べて作製時間が掛かり、また作製工程も複雑であるという問題がある。
例えば特許文献2には、多孔質基材のポリ-L-乳酸(PLLA)を高温溶液(50℃)中で24時間加熱して作製し、さらに得られた多孔質基材にコラーゲンを架橋して充填するために37℃の溶液中で60分反応させることが開示されている。
このように現在では、長時間加熱により生分解性基材の安定性を損ない、迅速に生分解性人工血管を得られるとは言い難い現状にあり、その製造時間の短縮が望まれている。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、できるだけ迅速に形成でき、且つ、生体親和性の高い生分解人工血管とその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、薬剤を内包する生分解性材料が生分解性の多孔性基材に充填されてなる生分解性人工血管であって、前記生分解性材料は、前記多孔性基材よりも分解時間が速いものであるとした。
ここで前記多孔性基材は、柔軟性の観点から乳酸-カプロラクトン共重合体から構成し、前記薬剤を内包する生分解性材料は、同様に柔軟性を発揮できるよう、生体内埋設湿潤時に含水ゲルとなる材料を選択することもでき、例えば分解時間から紫外線照射により架橋したゼラチンとすることもできる。
さらに、前記生分解性人工血管には、ポリ乳酸樹脂を添加することもできる。
また、前記薬剤は抗血栓剤とすることもできる。
また本発明は、生分解性の筒状多孔性基材に、薬剤を内包するゼラチンを充填する充填ステップと、充填したゼラチンを架橋する架橋ステップとを備える生分解性人工血管の製造方法であって、前記架橋ステップでは、ゼラチンを紫外線照射により架橋させるものとした。
ここで前記充填ステップでは、前記薬剤として抗血栓剤を内包するゼラチンを筒状多孔性基材に充填することができる。
以上のように本発明の生分解性人工血管では、紫外線照射により生分解性材料を架橋させた構成であるので、従来技術(例えば特開2003-126125号公報に開示されている技術)において、一定温度に加熱した溶液中で架橋させる溶液処理や、アルギン酸等の無機塩により架橋させるイオン架橋反応に比べて、非常に短時間で生分解性材料を架橋することが可能である。このため本発明では、生分解性材料の架橋反応が迅速に行える分、生分解性人工血管を迅速に形成することが可能となる。
また、本発明の生分解性人工血管では、生分解性材料の架橋反応に架橋剤を用いる必要がないので、当該架橋剤の人体に与える影響問題の発生を根本的に回避できるといったメリットもある。
さらに、本発明の生分解性人工血管では、紫外線照射により生分解性材料を架橋させることによって、化学的架橋反応を行う場合に比べて当該生分解性材料の含水率を高め、優れた生体親和性を発揮できるようになっている。これにより本発明の生分解性人工血管を用いれば、生分解性材料が内包する薬剤を生体内で長時間、安定して徐放できるといった効果が奏されることとなる。
(実施の形態1)
1.生分解性人工血管の構成
図1は本発明の実施の形態1における生分解性人工血管の構成を示す図である。図1(a)は人工血管の全体図、図1(b)は人工血管の断面図をそれぞれ示す。
当図1(a)に示す生分解性人工血管1は、別名「生分解性極細繊維」とも称されるものであって、その構成は筒状の多孔性基材20と、当該多孔性基材20と混合するように配設された補強ファイバー10とに大別される。
多孔性基材20は比較的生分解速度の遅い脂肪族ポリエステル高分子材料、ここでは組成比50:50のP(LA/CL)(乳酸-カプロラクトン共重合体)からなり、例えば500μm程度の厚みを持つ。そして当図1(b)に示すように、その表面および内部において互いに連通する孔30が無数に形成されており、空隙率が75%程度になるよう設定されている。多孔性基材20では組成にP(LA/CL)を用いることによって、体内埋設後に徐々に生分解されるようになっている。
なお、多孔性基材はこれ以外の生分解性材料、例えばポリ乳酸や乳酸-グリコール酸共重合体、乳酸-テトラメチレンカーボネート共重合体等で構成してもよい。その他、ヒアルロン酸やムコ多糖、アルブミン等で構成することも可能であるが、分解速度の点から、前記脂肪族ポリエステルが好ましい。
一方、補強ファイバー10も多孔性基材20と同様に比較的生分解速度の遅い高分子材料、例えばPLA(ポリ乳酸)繊維からなり、例えば20dtex程度の繊維径を持つ。補強ファイバー10は機械的強度が強い性質を持ち、多孔性基材20と混合するように配設することで、人工血管の強度を向上させるために用いられる。特に、体内埋設直後において、血圧(拍動)による人工血管のバーストが発生するのを防止する役割を持っている。
当該補強ファイバー10は複数の繊維束が密に絡み合った構造を持っているが、その繊維束同士には若干の間隙が存在する。
多孔性基材20の孔30には、図1(b)のように、生体内埋設時に含水ゲルとなる生分解性材料40が充填されている。生分解性材料40は顆粒状の薬剤41(ここでは抗血栓剤のメシル酸ナファモスタット)を内包しており、体内に埋設された後に当該生分解性材料40の分解性がコントロールされることで当該薬剤41が徐々に放出される、いわゆる「徐放性」機能が発揮され、薬剤41が一定期間にわたり所定の濃度で患者の体内に投与されるようになっている。ここで多孔性基材20の孔30に対する生分解性材料40の充填率は、50%以上になるよう設定するのが望ましい。
なお、上記薬剤41に抗血栓剤を用いる目的は、生分解性人工血管1を埋設した後に、当該人工血管1を足場として体内組織が定着するまでの一定期間、人工血管1周辺で血液凝固による血栓が生じるのを防止するためである。
当該生分解性人工血管1のサイズは適宜設定してよいが、一例としては、腹大動脈など大口径人工血管として用いる場合は内径5mm〜50mm程度、冠動脈や末梢血管など小口径人工血管として用いる場合は内径0.5mm〜5mm程度に設定することができる。
この生分解性人工血管1の構成は、例えばSEMなどで実際に確認することができる。
2.生分解性人工血管による効果
以上の構成を持つ生分解性人工血管1によれば、患者への体内埋設直後にはまず、当該生分解性人工血管1自体が本来の血管と同様の生体機能を代替する。そして、その後には主に多孔性基材20を増殖の足場として、患者の身体の自己組織再生力により、多孔性基材20の孔30の内部に体内組織細胞が徐々に進入し、定着していく。生分解性人工血管1では当初、多孔性基材20の孔に薬剤41を内包する生分解性材料40が充填されているが、当該生分解性材料40は体液と接触することで含水ゲルとなって分解し、薬剤41を徐々に体内に溶出する。
このように多孔性基材20の孔30の中には、生分解性材料40に代わって体内組織細胞がさらに増殖し、内皮細胞や平滑筋細胞が形成されるようになる。一方で、多孔性基材20および補強ファイバー10は経時的に生分解されていき、最終的に完全に分解される。そして生分解性人工血管1は、これが分解するまでの間に増殖した各種細胞で再構成された生体組織(血管)と置き換わる。
ここにおいて本実施の形態1の生分解性人工血管1は、生分解性材料40にゼラチンを用い、紫外線照射により架橋反応することによって、従来のゼラチンの架橋反応よりも短時間でゼラチンを架橋させて生分解性材料40を得るので、これにより製法に比べて短時間で作製したものであるという特徴を持つ。
さらに、化学架橋反応で製造した生分解性材料は、含水率が高くないため生体親和性がそれほど優れない性質があるのに対し、本発明の生分解性人工血管1では、紫外線照射で生分解性材料を架橋反応させることによって、生分解性材料の含水率を従来より高め、飛躍的に優れた生体親和性を発揮できるようになっている。
以下、本実施の形態1の生分解性人工血管の特徴について、その製造方法とともに説明する。
3.生分解性人工血管の製造方法
図2は、生分解性人工血管の製造ステップ(多孔質基材の完成まで)を示す図である。また図3は、生分解性人工血管の製造ステップ(人工血管の完成まで)を示す図である。
これらの図2、3では便宜上、実際より短い血管を製造するように図示している。
3-1.作製の準備
まず、多孔性基材を形成するための準備を行う。具体的には図2(a)に示すように、人工血管の型となる筒体200と、PLAからなる補強ファイバー10を巻き付けたシリコーンロッド100を用意する。
筒体200は一例としてポリプロピレン(PP)製から構成される。筒の内径は作製する人工血管の外径に合わせて設定しておく。筒体200の片端部には底部202が形成されており、その中央にシリコーンロッド100の直径より小なる穿孔部203が設けられている。
シリコーンロッド100は、作製する人工血管の内径寸法より僅かに大なる直径を持つ。ロッド材料にシリコーンを用いることで、後に補強ファイバー10から脱離し易くしている。さらに、溶媒の蒸発を防ぐため、シリコーンロッド100より小なる穿孔部205を有する上部204で蓋をする。シリコーンロッド100は弾性体であることから、シリコーンロッド100の外径より小なる穿孔部203に容易に挿入でき、且つ、後述の溶液注入の際にも、溶液の洩れを防ぐことができる。
筒体200に対し、その側面201の長手方向に沿って、補強ファイバー10を巻き付けたシリコーンロッド100を挿入する。そしてロッド先端を筒体200の穿孔部203に差し込む。
3-2.多孔性基材の固化
次に、図2(b)(c)に示すように、シリコーンロッド100に巻き付けた補強ファイバー10と筒体200の側面201の間に、4〜8%ジオキサン溶媒に溶かしたLA/CL溶液を流し込む。当該溶液を充分量流し込んだ後、予め設定しておいた長さにシリコーンロッド100を延伸し、規定の外径に収縮させ、これを-30度で静置する。これによりLA/CLの補強ファイバー10がLA/CL溶液に浸透し、凍結固化される。なお、上記LA/CL溶液はそのままでも多孔性基材を形成できるが、多孔剤を添加して用いてもよい。
3-3.多孔性基材の完成
LA/CLを凍結固化させたら、次に図2(d)に示すように、筒体200を取り外すとともに、シリコーンロッド100を引き抜く。そして、固化したLA/CLを凍結乾燥し、樹脂中に残存する溶媒を昇華させて除去する。これにより図2(e)に示すように、中空の補強ファイバー10を軸として周囲にP(LA/CL)の多孔性基材20が形成される。なお、多孔剤を用いた場合は、適宜多孔剤を除去する。
多孔性基材の製造法は、上記凍結乾燥法以外にも、溶媒の蒸発乾固後の造孔剤抽出によっても得ることが可能であるが、製法の容易さから、凍結乾燥法が好ましい。
3-4.孔内への生分解性材料の充填
このように多孔性基材20を作製したら、次に薬剤として顆粒状の抗血栓剤を内包する生分解性材料の充填工程に移る。孔に充填するための生分解性材料には、例えば生体内埋設時に含水ゲルとなり柔軟性が得られるものとして、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、アルギン酸、ヒアルロン酸等が効果的である。簡単な処理でその生分解性時間を制御できることから、特に好ましいのはゼラチンである。
ゼラチン原料には、具体的には哺乳類動物の骨・肉・皮膚等を材料として工業的に抽出し、医療用ゼラチンとしてさらに精製したものを用いることができるほか、市販のコラーゲンを熱的に変性させてゼラチンとしたものを用いることもできる。また、ゼラチンとコラーゲンとを混合して用いることもできる。
例えばこのようなゼラチンに顆粒状の抗血栓剤を分散させた水溶液(以下、単に「ゼラチン」という)を充填チューブ300に貯留させておく。
そして図3(a)に示すように、多孔性基材20の内径に嵌合可能な突起部401を持つ蓋400を用意し、これを一端側(紙面では血管の下方端部側)に嵌合させる。この状態で次に、他端側(紙面では血管の上方端部側)から充填チューブ300のノズル301を多孔性基材20の中に挿入し、充填チューブ300に一定以上の圧力を掛けてノズル301側からゼラチンを押し出す。
このような充填工程によって、図3(b)に示すように、ゼラチンは多孔性基材20の孔30(図1を参照)に充填される。
なお、このとき多孔性基材20の外周側面を筒体等で覆っておくと、ゼラチンが多孔性基材20の外周から多量にはみ出るのを防止できる。
以上の要領で補強ファイバー10および多孔性基材20にゼラチンを充填したら、次に蒸発乾固によって、余分な溶媒を除去することで、孔に薬剤内包ゼラチン膜を形成させる。
ここで、ゼラチンの濃度はその分子量によって適宜選択できるが、抗血栓剤が沈降せず均一に分散可能な溶液粘度に調整するため、5〜20wt%が好ましい。濃度が5%より低い場合は粘度が低すぎ、抗血栓剤が沈降するばかりでなく、孔内に十分なゼラチン量が得られず、上記乾燥により貫通した孔が残存し、埋設時に血液がリークする。また濃度が20wt%より高い場合は、粘度が高過ぎ、抗血栓剤の分散が妨げられるばかりか、孔への充填が困難である。
3-5.ゼラチンの架橋反応(本発明の特徴について)
上記乾燥処理が済んだら、ゼラチンの架橋反応を行う。多孔性基材20に充填した直後のゼラチンは、そのままでは水分や体液に触れることですぐ分解してしまうので、生分解性を持たせ、且つ、完全分解されるまでの一定期間強度を持たせる目的で、ゼラチンを架橋反応させる。
ここにおいて実施の形態1では、紫外線照射処理をによってゼラチンの架橋反応を行うことで、従来の架橋反応処理よりも迅速に生分解性人工血管を製造できる点が主たる特徴部分となっている。
具体的には、図3(c)に示すように、凍結乾燥処理を施した多孔性基材の側面から、一例として主波長254nmの紫外線を照射する。このときの照射線量は、ゼラチンを担持する多孔性基材の厚みに比例して増すように調整する必要がある。本実施の形態1の生分解性人工血管1の場合、500μm程度の厚みの多孔性基材を用いているので、3mW/cm2程度の強度で15分間紫外線照射することで、ゼラチンの架橋反応を行い、生分解性材料40を得ることが可能である。効果的に架橋反応を施すため、光ファイバーを用いて、多孔性基材の内腔に主波長254nmの紫外線を照射させてもよい。
このように本発明では、ゼラチンの架橋反応を十数分間程度の時間で完了することができる。従来(例えば特開2003-126125号公報に開示された技術)では、ゼラチンに所定の架橋剤を添加したのち、37℃のインキュベーターで60分加熱させ、架橋反応を促進させる等の加熱処理が必要であったが、本発明ではこのような加熱処理に伴う設備コストおよび処理時間を大幅に短縮でき、その分、迅速に生分解性人工血管を作製することができる。
また本発明では、紫外線照射によってゼラチン架橋反応を行うため、架橋剤が不要になるというメリットがある。ゼラチンの架橋剤としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(ジイソシアネート類)、グルタルアルデヒド(アルデヒド類)、エチレングリコールジエチルエーテル(ポリエポキシ化合物類)、アルギン酸塩(無機塩類)等、各種様々なものが知られているが、架橋剤の中には人体細胞に良くない影響を及ぼすものがある。しかしながら本発明ではこのような架橋剤が不要であって、架橋剤による人体への影響を考える必要が無く、高い安全性が発揮される。さらに本発明では、前記架橋剤を使用しないことから、ゼラチンの架橋反応後に架橋剤を除去する工程も不要となり、その分製造時間を短縮することができる。
このようにゼラチンの架橋反応が完了すると、本発明の生分解性人工血管が完成する(図3(d))。
本発明の生分解性人工血管は、生分解性のscaffold上で各種体細胞を増殖させ、欠損組織の再生を行う、いわゆる再生療法に利用することができる。より詳しくは、冠動脈や末梢血管等の血管機能を代替する生分解性人工血管として利用することが可能である。
実施の形態1の生分解性人工血管の構成を示す図である。 生分解性人工血管の製造ステップ(多孔質基材の完成まで)を示す図である。 生分解性人工血管の製造ステップ(人工血管の完成まで)を示す図である。
符号の説明
1 生分解性人工血管
2 中空部分
10 補強ファイバー(PLA)
20 多孔性基材(P(LA/CL))
30 孔
40 生分解性材料
41 抗血栓剤
100 シリコーンロッド
200 PP筒体(型)
300 充填チューブ
301 ノズル
401 嵌合突起
400 蓋

Claims (10)

  1. 生分解性の筒状多孔性基材に、当該多孔性基材よりも分解速度が速く、且つ、薬剤を内包する生分解性材料が充填されてなる生分解性人工血管。
  2. 生分解性の筒状多孔性基材に、当該多孔性基材よりも分解速度が速く、且つ、薬剤を内包する生分解性材料が充填されており、当該生分解性材料が紫外線照射により架橋された構成を備えることを特徴とする生分解性人工血管。
  3. 前記多孔性基材は、生分解性脂肪族ポリエステルからなることを特徴とする請求項1または2に記載の生分解性人工血管。
  4. 前記多孔性基材は、乳酸-カプロラクトン共重合体からなることを特徴とする請求項3に記載の生分解性人工血管。
  5. 前記多孔性基材の内部には、さらにポリ乳酸を含んでなる繊維が添加されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の生分解性人工血管。
  6. 前記薬剤は抗血栓剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の生分解性人工血管。
  7. 前記薬剤を内包する生分解性材料は、生体埋設時において、含水ゲルとなる材料であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の生分解性人工血管。
  8. 前記薬剤を内包する生分解性材料がゼラチンであることを特徴とする請求項7に記載の生分解性人工血管。
  9. 生分解性の筒状多孔性基材に、薬剤を内包するゼラチンを充填する充填ステップと、
    充填したゼラチンを架橋する架橋ステップとを備える生分解性人工血管の製造方法であって、
    前記架橋ステップでは、ゼラチンを紫外線照射により架橋させることを特徴とする生分解性人工血管の製造方法。
  10. 前記充填ステップでは、前記薬剤として抗血栓剤を内包するゼラチンを筒状多孔性基材に充填することを特徴とする請求項9に記載の生分解性人工血管の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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