JP2005296113A - 生体組織補填体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 細胞の付着性を損なうことなく、生体組織欠損部等に任意に充填されたときに、周囲の隙間を均一に形成することができる生体組織補填体を効率よく製造する。
【解決手段】 ブロック状または顆粒状のリン酸カルシウム多孔体2を容器6内に収容し、該容器6を所定の軸線回りに偏心回転運動させるステップと、容器6内に細胞懸濁液7を供給し、容器6を、再度所定の軸線回りに偏心回転運動させるステップとを備える生体組織補填体1の製造方法を提供する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、生体組織補填体の製造方法に関するものである。
近年、骨腫瘍摘出や外傷等により生じた骨の欠損部に、骨補填材を補填することにより、骨を再生させて欠損部を修復することが可能になってきている。骨補填材としては、ハイドロキシアパタイト(HAP)やリン酸三カルシウム(TCP)が知られているが、体内に異物を残さないとする考え方から、例えば、β−TCPのようなリン酸カルシウム多孔体からなる足場材が使用される。β−TCPを骨欠損部の骨細胞に接触させておくと、破骨細胞がβ−TCPを吸収し、骨芽細胞が新しい骨を形成する、いわゆるリモデリングが行われる。すなわち、骨欠損部に補填された骨補填材は、経時的に自家骨に置換されていくことになる(例えば、非特許文献1参照)。
骨補填材の形態としては、一般に、立方体ブロック状、顆粒状等の形態が知られており、骨欠損部の形態に合わせて、適宜選択されるようになっている。比較的広範囲にわたる骨欠損部の場合には、大きめの立方体ブロック状の骨補填材によって大部分の容積を埋めるとともに、それよりも小さい立方体ブロック状の骨補填材によって隙間を埋め、さらに小さな隙間には顆粒状の骨補填材を充填することが行われる。
植村他2名,「生分解性β−TCP多孔材料を用いた骨におけるティッシュエンジニアリング−生体内で強度を増す新しい材料オスフェリオン−」,メディカル朝日,朝日新聞社,2001年10月1日,第30巻,第10号,p.46−49
骨補填材が粉体である場合には、種々の骨欠損部に固有の複雑な形態に合わせるようにして内容積全体を隙間なく高い密度で充填することができる。しかしながら、粉体では、完全に隙間が塞がれるため、細胞が成長する際の経路や、細胞への栄養分の補給、細胞からの老廃物の排出用の経路を確保することができない。このため、立方体ブロック状または顆粒状のリン酸カルシウム多孔体が使用されるが、立方体ブロック状の骨補填体は角部を有しているために、整然と補填されない限り、その周囲に不均一な隙間が形成されてしまう不都合がある。また、顆粒状の骨補填材は、立方体ブロック状の骨補填体ほどではないが、各顆粒体は不規則な形態を有しているために、やはり顆粒体相互間の隙間は、不均一なものとなり易い。立方体ブロック状の骨補填体どうしの隙間を顆粒状の骨補填材で埋める方法によっても同様に、大きな隙間と小さな隙間が生ずることになる。
このように、骨補填材を始めとする生体組織補填材の周囲に不均一な隙間が形成されてしまう場合には、以下の不都合が考えられる。
第1に、上記のように生体組織補填材の周囲に不均一な隙間が形成されてしまう場合、生体組織の欠損部に補填された状態においては、周囲に流れる体液の流れが不均一となる。その結果、生体組織補填材を足場として成長する細胞の密度が不均一となり、生体組織が均一に再生されないという不都合がある。
第2に、人工肝臓等のバイオリアクタの内部空間に充填された生体組織補填材の周囲に不均一な隙間が形成されてしまう場合には、内部空間全体にわたってバイオリアクタとしての機能を実現することができず、高い性能を得ることができないという不都合がある。
第3に、このように不均一な隙間が形成された状態で生体組織補填材が細胞とともに培地内に投入されて培養される場合には、細胞の分布が不均一になり、出荷検査等において正確な判定ができないという不都合がある。すなわち、出荷検査において採取したサンプルに比較的多くの細胞が存在していたため出荷許可判定を行ったら、実際には、他の部位には全く細胞が存在していなかったり、その逆に、サンプルに全く細胞が存在していないために培養を続行したら、実際には他の場所では十分に細胞の増殖が行われていたりする事態も考えられる。これを回避するためには、2カ所以上からサンプルを採取して検査を行う必要があり、作業工数が増えてしまう不都合がある。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、細胞の付着性を損なうことなく、生体組織欠損部等に任意に充填されたときに、周囲の隙間を均一に形成することができる生体組織補填体を効率よく製造する製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、ブロック状または顆粒状のリン酸カルシウム多孔体を容器内に収容し、該容器を所定の軸線回りに偏心回転運動させるステップと、容器内に細胞懸濁液を供給し、容器を、再度所定の軸線回りに偏心回転運動させるステップとを備える生体組織補填体の製造方法を提供する。
本発明によれば、偏心回転させられた容器内において、ブロック状または立方体状のリン酸カルシウム多孔体が、容器の内壁と衝突してその角部を削られる。その結果、リン酸カルシウム多孔体はその角部を削られて球体に近づくので、どのような姿勢で相互に組み合わせられても、他のリン酸カルシウム多孔体との間に均一な隙間を形成することができる。また、過剰な隙間を空けて充填されることがなく、充填効率も高めることができる。
さらに、本発明によれば、ブロック状または顆粒状のリン酸カルシウム多孔体の角部を削るので、その体積の全体にわたって均等な気孔率を有するという利点がある。
そして、このようにして球体状に構成されたリン酸カルシウム多孔体を収容した容器内に細胞懸濁液を供給して再度偏心回転運動させることにより、細胞懸濁液内の細胞が、リン酸カルシウム多孔体の内部に浸透するように播種されることになる。その結果、容器を入れ替えることなく、内部まで細胞が浸透した生体組織補填体を効率的に製造することができる。
上記発明においては、リン酸カルシウム多孔体が、40〜90%の気孔率を有することが好ましい。球状のリン酸カルシウム多孔体を製造する場合、気孔率が小さい場合には、容器内において偏心回転運動させただけでは、角部はある程度までしか削れないので球体状の生体組織補填材を得ることができず、気孔率が大きすぎると、偏心回転させられる間に破砕されてしまうことになる。また、上記範囲の気孔率を有する場合には、内部への細胞の成長や、内部の細胞への栄養分の補給や、細胞からの老廃物の排出を容易に行うことができ、迅速かつ健全な生体組織の再生を図ることができる。
また、上記発明においては、容器が円筒状の内面と、その下部に下方に向かって径寸法が漸次小さくなるテーパ内面とを有することが好ましい。
このような容器の偏心回転運動を開始すると、底部に配置されていたリン酸カルシウム多孔体が、テーパ内面を転がりながら上昇し、テーパ内面と円筒状内面との境界付近に留まって容器の内面を転がり続けることになる。このとき、リン酸カルシウム多孔体は、容器のテーパ内面と、円筒状の内面の両方に衝突して不規則に回転させられる結果、その角部を効率よく削られて、迅速に球体状のリン酸カルシウム多孔体が製造され、また、細胞の播種により迅速に生体組織補填体が製造されることになる。
また、上記発明においては、容器が円筒状の内面に、突起を有することが好ましい。容器内においてリン酸カルシウム多孔体が転がる際に、突起との衝突によって、効率よく角部を削られる。その結果、さらに効率的に球体状の生体組織補填体を製造することができる。
さらに、上記発明においては、容器が円筒状の内面を備え、リン酸カルシウム多孔体が、容器の内面に沿う円筒ブロック状に形成されていることとしてもよい。
このようにすることで、細胞懸濁液とともに偏心回転運動させることにより、細胞が容器の内面に沿って旋回させられる旋回流が形成される際、遠心力によって半径方向外方に移動させられるので、円筒ブロック状のリン酸カルシウム多孔体の中央貫通孔からも効率よく播種され、内部まで細胞が浸透した生体組織補填体を効率的に製造することができる。
本発明によれば、ブロック状または顆粒状のリン酸カルシウム多孔体の角部を削って、簡易に、球体状の生体組織補填材を製造し、製造された生体組織補填材に対し、容器を入れ替えることなく、細胞を効率的に播種する。その結果、内部まで細胞が浸透した生体組織補填体を効率的に製造することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る生体組織補填体の製造方法について、図1および図2を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填体1を製造するには、図1に示されるように、まず、立方体ブロック状のリン酸カルシウム多孔体2を製造する。立方体ブロック状のリン酸カルシウム多孔体2の材料としては、例えば、βーTCPを用いる。リン酸カルシウム多孔体2は、例えば、図1(a)に示されるように、浅底の箱状容器3内に、βーTCPを所定の媒体に混合してなるスラリー4を所定の深さになるまで注入し、これを焼結することにより、同図(b)に示されるように、平板状のリン酸カルシウム多孔体5を製造する。次いで、これを賽の目に切断することにより同図(c)に示されるように立方体ブロック状のリン酸カルシウム多孔体2が得られる。
このようにして得られた各立方体ブロック状のリン酸カルシウム多孔体2は、平板状のリン酸カルシウム多孔体5の一部を切り出したものであり、その内部から表面に至るまでの体積の全域において均質な気孔率を有するように構成されている。
次に、このように構成された立方体ブロック状のリン酸カルシウム多孔体2を、図2に示されるように、例えば、(a)円筒状の容器6内に投入して、(b)容器6ごと振動させることにより、(c)角部の削れた図3に示されるようなリン酸カルシウム多孔体2′が得られる。このように構成されたリン酸カルシウム多孔体2′は、均一な気孔率を有する立方体ブロック状のリン酸カルシウム多孔体2の角部を丸めただけであるので、同様に、内部から表面まで均一な気孔率を有する略球体状に形成される。なお、製造時にリン酸カルシウム多孔体2の粉体が外表面に付着することになるが、洗浄により簡易に除去することができる。
この場合において、振動の形態としては、任意の振動方式によっても、ある程度角部を削る効果を得ることができるが、図4に示されるように、容器6の姿勢および方向を保持したまま、該容器6の軸線から水平方向に離れた軸線A回りに、容器6を回転運動させる、いわゆる偏心回転振動を行うことにより、効果的に角部を丸めることができる。このような振動を与えることにより、内部の立方体ブロック状のリン酸カルシウム多孔体2は、容器6の内面を転がるように移動させられる結果、角部を容器6の内面に衝突させて略球体状に形成されることになる。
次に、図2(c)に示されるように、略球体状のリン酸カルシウム多孔体2′が形成された状態で、同図(d)に示されるように、容器6内に、細胞懸濁液7を供給する。細胞懸濁液7は、例えば、提供者から取り出した骨髄細胞8と、所定の培養液とを混合したものである。培養液は、例えば、MEM(Minimal Essential Medium:最小必須培地)、抗生剤を任意の配合比率で混合したものである。
このようにして容器内に細胞懸濁液7と略球体状のリン酸カルシウム多孔体2′とが収容された状態で、図2(e)に示されるように、容器6を振動させる。振動の形態は任意でよいが、図2(b)において説明したのと同様に、容器6の姿勢および方向を保持したまま、該容器6の軸線から水平方向に離れた軸線A回りに、容器6を回転運動させる、いわゆる偏心回転振動を行うことが好ましい。
このようにすることで、容器6内には容器6内面に沿って流れる旋回流Cが発生するので、細胞懸濁液7およびリン酸カルシウム多孔体2′は、旋回流Cによって容器6内面に沿って同一の流路を流れるようになる。この場合において、細胞懸濁液7とリン酸カルシウム多孔体2′との比重が異なるために、両者間に相対速度が生じ、この相対速度によって、細胞懸濁液7内の骨髄細胞8とリン酸カルシウム多孔体2′とが接触させられることになる。
リン酸カルシウム多孔体2′は、上述したように、内部から表面に至るまで均一な気孔率を有する略球体状に形成されているので、細胞懸濁液7内に浮遊する骨髄細胞8は、リン酸カルシウム多孔体2′の表面に接触するとこれに容易に付着することができる。そして、リン酸カルシウム多孔体2′の表面に付着した骨髄細胞8は、リン酸カルシウム多孔体2′の周囲に発生している旋回流Cによってリン酸カルシウム多孔体2′の内部に浸透させられることになる。その結果、図2(f)に示されるように、内部にまで骨髄細胞8が浸透した生体組織補填体1が製造される。
本実施形態に係る生体組織補填体1の製造方法によれば、略球体状のリン酸カルシウム多孔体2′の内部にまで骨髄細胞8が播種された状態の生体組織補填体1が製造されるので、生体組織補填体1自体には方向性がなく、任意に生体組織の欠損部やバイオリアクタの内部空間内に充填しても、図5に示されるように、生体組織補填体1どうしの間に形成される隙間Sを均一にすることができる。その結果、各生体組織補填体1の周囲に体液や作動流体の均一な流れを形成することができ、細胞の増殖やバイオリアクタとしての機能を各部において均一に達成することができる。
また、本実施形態に係る生体組織補填体1の製造方法によれば、略球体状のリン酸カルシウム多孔体2′を製造する容器6およびその製造の際に使用する偏心回転運動を生じさせる装置をそのまま利用して骨髄細胞8の播種を行うことができるので、製造装置および製造工程を簡易にすることができる。
また、本実施形態に係る生体組織補填体1を、さらに培養して骨髄細胞8を成長させることとしてもよい。この場合には、培養容器(図示略)内に貯留した培地内に収容し、静置あるいは還流しながら、所定の培養条件、例えば、温度37℃±0.5℃、湿度100%、CO濃度5%の条件下において培養する。本実施形態に係る生体組織補填体1によれば、各生体組織補填体1自体が略球体状に形成されているので、隣接する他の生体組織補填体1との間に形成される隙間Sが、培養容器内の各場所においてほぼ均一に形成される。したがって、骨髄細胞8は、全ての生体組織補填体1において同様に増殖することができる。
この場合において、生体組織補填体1の出荷検査等の検査は、製造された生体組織補填体の一部をサンプルとして採取して細胞数を測定することにより行われるが、培養された生体組織補填体1は、各所において細胞が均一に成長しているため、どの場所から採取しても同等の細胞が成長しており、正確な出荷判定を行うことができるという効果がある。特に、複数のサンプルを採取して平均をとるような作業を行わなくて済み、出荷検査に要する工数を削減することができる。
なお、本実施形態においてはリン酸カルシウム多孔体2′を、角部が削れて略球体状に形成される程度に偏心回転運動させることとしたが、これに限定されるものではなく、さらに偏心回転運動を続けることにより、ほぼ球体に形成することにしてもよい。
また、リン酸カルシウム多孔体2′の例としてβ−TCPを例に挙げたが、これに代えて、HAP他のリン酸カルシウム多孔体を採用してもよい。
また、図6に示されるように、容器6の形態を、底部にテーパ面6aを有し、その上方に円筒面6bが接続された形状に形成することにより、角部が削れる効果が高いという知見が得られた。静止状態において底部のテーパ面6a上に配置された立方体ブロック状のリン酸カルシウム多孔体2は、容器6が偏心回転運動させられると、テーパ面6aを転がりながら、遠心力によってテーパ面6aを上方に移動し、テーパ面6aと円筒面6bとの境界位置近傍で上下方向の移動を停止して容器6内部を周方向に転がるようになる。このとき、立方体ブロック状のリン酸カルシウム多孔体2は、円筒面6bのみならずテーパ面6aにも接触して不規則に回転しながら容器6の内面を転がるので、角部が効率的に削られて略球体状に形成されることになる。
また、図7に示されるように、容器6の内面に、立方体ブロック状のリン酸カルシウム多孔体2を衝突させる衝突板9を設けたり、図8に示されるように、フィン状の突起10を設けたりしてもよい。また、容器6の内面を粗面化するだけでも効果的である。
また、容器6内に、立方体ブロック状のリン酸カルシウム多孔体2のみを収容して振動させる場合について説明したが、これに代えて、リン酸カルシウム多孔体2とともに、該リン酸カルシウム多孔体2よりも比重が重くかつ硬質の材質からなる研磨剤、例えば、ステンレス、チタン等の細胞毒性を示さない金属材料や、ジルコニア等の生体適合性セラミックスからなる粒を混合して振動させることにすれば効果的である。
さらに、上記の研磨剤の代わりに、水、培養液等の液体を立方体ブロック状のリン酸カルシウム多孔体2に加えて振動させてもよい。
また、立方体ブロック状のリン酸カルシウム多孔体2について例を挙げて説明したが、これに代えて、顆粒状、あるいは他の形態のブロック状のリン酸カルシウム多孔体2を容器6内に収容して振動させることにしても、同様の効果が得られる。
さらに、単一の大きさの立方体ブロック状のリン酸カルシウム多孔体2のみを容器6に収容して振動させることにしたが、これに代えて、異なるサイズのリン酸カルシウム多孔体2を同時に収容して振動させることにしてもよい。
また、本実施形態に係る生体組織補填体1の製造方法は、リン酸カルシウム多孔体2の角部を削る工程を含むが、図9に示されるように、立方体ブロック状のリン酸カルシウム多孔体2を細胞懸濁液7とともに容器6内に投入して、容器6を偏心回転運動させることとしても、骨髄細胞8をリン酸カルシウム多孔体2内に浸透させることができるという効果はある。したがって、各生体組織補填体1間の隙間を均一にする必要がない用途に利用される場合には、この細胞播種方法を用いることにより、内部まで骨髄細胞8を浸透させた生体組織補填体1を得ることで済む。
この場合には、図10に示されるように、容器6の内部にリン酸カルシウム多孔体2を保持する突起11を設けておくことが好ましい。このようにすると、偏心回転運動させられる際に、リン酸カルシウム多孔体2が容器6に固定され、その周囲に細胞懸濁液7の旋回流Cが形成されるので、骨髄細胞8とリン酸カルシウム多孔体2との相対速度を増大させて、リン酸カルシウム多孔体2内部への骨髄細胞8の浸透速度を高めることができる。
また、立方体ブロック状のリン酸カルシウム多孔体2に代えて、図11に示されるように、容器6の内面に沿う円筒ブロック状のリン酸カルシウム多孔体12を採用してもよい。細胞懸濁液7およびリン酸カルシウム多孔体12を投入した容器6を偏心回転運動させると、細胞懸濁液7の旋回流Cが形成されるが、その際に、骨髄細胞8は容器6の中央部から半径方向外方に向かって移動させられる。その結果、円筒ブロック状のリン酸カルシウム多孔体12の中央貫通孔12aの内側に配されていた骨髄細胞8が半径方向外方に配されているリン酸カルシウム多孔体12に向けて流れるので、リン酸カルシウム多孔体12の中央貫通孔12a内面側から骨髄細胞8が播種されることになる。
(実施例)
次に、上記実施形態に係る生体組織補填体1の製造方法の一実施例について説明する。
この実施例においては、容器6としてポリプロピレン製の50mlの容積を有する円筒状の容器6を用いて実施した。また、偏心回転運動の偏心量は4mm、回転数は500rpmとした。各容器6には一辺が5mmの立方体ブロック状のリン酸カルシウム多孔体2を1個入れ、2×10個の細胞を2mlの培養液に含有させた細胞懸濁液7を投入した。偏心回転運動の時間は約5分間である。
実験結果を図12に示す。これによれば、偏心回転運動をさせた場合は、偏心回転運動を行わなかった場合と比較して3〜4倍の数の骨髄細胞8がリン酸カルシウム多孔体2の内部に浸透していることがわかった。
また、同様の実験を偏心回転運動の回転数を0〜500rpmに変化させた場合、および、回転数500rpmに固定して振動処理時間を0〜10分間まで変化させた場合について行った結果を図13および図14に示す。これらの図において、細胞数比は、細胞数比=(振動させた場合の細胞数)/(振動させなかった場合の細胞数)として計算した。これによれば、回転数、振動処理時間ともに、その値が大きければ大きいほど多くの細胞を播種できるが、その値は一定の回転数および振動処理時間において収束することがわかった。
なお、上記実施例はあくまでも一例であって、容器6の大きさは、10ml〜500mlが好ましく、50ml〜200mlであることがさらに好ましい。また、偏心回転運動の偏心量および回転速度も任意に設定してよい。また、容器6の材質としては、ポリプロピレンに限られず、ポリエチレン等の生体適合性のある高分子材料やステンレス、チタン等の細胞毒性を有しない金属材料を用いてもよい。
本発明の一実施形態に係る生体組織補填体の製造方法の一部を示す説明図である。 図1の生体組織補填体の製造方法における振動工程および播種工程を示す説明図である。 図1の振動工程において製造される略球体状のリン酸カルシウム多孔体を示す斜視図である。 図2の振動工程における容器の動きを説明する平面図である。 図1の製造方法により製造された生体組織補填体が充填された状態を示す図である。 図2の振動工程において使用される容器の第1の変形例を示す部分的な縦断面図である。 図2の振動工程において使用される容器の第2の変形例を示す縦断面図である。 図2の振動工程において使用される容器の第3の変形例を示す縦断面図である。 図1の生体組織補填体の製造方法の変形例を示す説明図である。 図9の製造方法に用いる容器の一例を示す平面図である。 図1の生体組織補填体の製造方法の他の変形例を示す図である。 図1の製造方法による実験結果を示すグラフである。 偏心回転運動の回転数に対する細胞数比のグラフである。 偏心回転運動の振動処理時間に対する細胞数比のグラフである。
符号の説明
1 生体組織補填体
2,2′,12 リン酸カルシウム多孔体
6 容器
6a テーパ内面
6b 円筒面(内面)
7 細胞懸濁液
8 骨髄細胞(細胞)
9 衝突板(突起)
10 突起

Claims (5)

  1. ブロック状または顆粒状のリン酸カルシウム多孔体を容器内に収容し、該容器を所定の軸線回りに偏心回転運動させるステップと、
    容器内に細胞懸濁液を供給し、容器を、再度所定の軸線回りに偏心回転運動させるステップとを備える生体組織補填体の製造方法。
  2. リン酸カルシウム多孔体が、40〜90%の気孔率を有する請求項1に記載の生体組織補填体の製造方法。
  3. 容器が円筒状の内面と、その下部に下方に向かって径寸法が漸次小さくなるテーパ内面とを有する請求項1または請求項2に記載の生体組織補填体の製造方法。
  4. 容器が円筒状の内面に、突起を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の生体組織補填体の製造方法。
  5. 容器が円筒状の内面を備え、
    リン酸カルシウム多孔体が、容器の内面に沿う円筒ブロック状に形成されている請求項1または請求項2に記載の生体組織補填体の製造方法。
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