JP2005295397A - Y/c分離回路及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コンポジットビデオ信号から輝度信号とクロマ信号とを分離する回路において、輝度信号の中高域成分のレベルが低く且つクロマ信号のレベルが徐々に変化する場合のドット妨害を抑制する。
【解決手段】 コンポジットビデオ信号(Y+C)を所定水平期間ずつ順次遅延させる遅延手段2,3を含んだコムフィルタと、信号(Y+C)からサブキャリア周波数の帯域成分を取出すBPF25と、コムフィルタの出力X,Y,WとBPF25の出力Zとを切換えて出力する切換手段26と、信号(Y+C)の垂直相関性の検出結果に基づいて切換手段26を制御する演算手段43とを有するY/C分離回路に、切換手段26の出力と信号Zとを混合する混合手段71,72及び73と、信号(Y+C),遅延手段23の出力に基づいて輝度信号の中高域成分のレベルを検出し、中高域成分のレベルが低いほど信号Zの混合比が高くなるようにこの混合手段を制御するレベル検出手段80とを備え、遅延手段2の出力とこの混合手段の出力との差分を輝度信号Yとする。
【選択図】 図1
【解決手段】 コンポジットビデオ信号(Y+C)を所定水平期間ずつ順次遅延させる遅延手段2,3を含んだコムフィルタと、信号(Y+C)からサブキャリア周波数の帯域成分を取出すBPF25と、コムフィルタの出力X,Y,WとBPF25の出力Zとを切換えて出力する切換手段26と、信号(Y+C)の垂直相関性の検出結果に基づいて切換手段26を制御する演算手段43とを有するY/C分離回路に、切換手段26の出力と信号Zとを混合する混合手段71,72及び73と、信号(Y+C),遅延手段23の出力に基づいて輝度信号の中高域成分のレベルを検出し、中高域成分のレベルが低いほど信号Zの混合比が高くなるようにこの混合手段を制御するレベル検出手段80とを備え、遅延手段2の出力とこの混合手段の出力との差分を輝度信号Yとする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えばテレビジョン受信機のような画像表示装置等に設けられるY/C分離回路に関する。
コンポジットビデオ信号から輝度信号とクロマ信号とを分離する方法としては、従来から、バンドパスフィルタを用いる方法と、コムフィルタを用いる方法が存在している。
バンドパスフィルタを用いる方法は、輝度信号にクロマ信号を重畳させているカラーサブキャリア周波数(例えばNTSC方式では3.58MHz±500kHz)の帯域の成分をバンドパスフィルタで取り出すことによってクロマ信号を分離するものである。しかし、この方法では、輝度信号にもカラーサブキャリア周波数と同じ周波数の高域成分が含まれている場合、分離されるクロマ信号にこの輝度信号の高域成分が漏れ込むので、クロスカラー(ストライプ状の絵柄等に虹のような色のちらつきが現れる現象)が発生して画質が低下してしまう。
他方、コムフィルタは、カラーサブキャリアの位相関係(例えばNTSC方式では、カラーサブキャリアの位相が1水平期間毎に180°ずれること)と、垂直相関性(隣り合う走査線同士で信号の波形が近似すること)とを利用して、隣り合う2本または3本の走査線の信号から輝度信号を相殺することによってクロマ信号を分離するものである。
図8は、隣り合う2本の走査線の信号からクロマ信号を分離するコムフィルタ(2ラインコムフィルタ)の構成を示す。入力端子201に入力したコンポジットビデオ信号(Y+C)が、遅延線(1HDL)202によって1水平期間遅延される。そして、減算器203で、入力コンポジットビデオ信号(Y+C)から、遅延線(1HDL)202の出力信号が減算される。これにより、隣り合う2本の走査線の信号同士の差分が取られる。
減算器203の出力信号は、図示しないゲインコントローラでゲインを2分の1に調整され、バンドパスフィルタ204によってカラーサブキャリア周波数の近傍以外の周波数帯域の成分を除去された後、クロマ信号Cとして出力端子205から出力される。
また、減算器207で、バンドパスフィルタ204等の信号遅延に相当する時間だけ遅延線(DL)206によって遅延された入力コンポジットビデオ信号(Y+C)から、バンドパスフィルタ204の出力信号が減算される。そして、この減算器207の出力信号が、輝度信号Yとして出力端子205から出力される。
しかし、コムフィルタは、垂直相関性を利用するものなので、垂直相関性がない場合には輝度信号とクロマ信号とを良好に分離することはできない。
例えば、輝度信号のレベルが一定で、途中の走査線からクロマ信号の位相が反転(補色に変化)するような場合には、その走査線においてクロマ信号の垂直相関性がなくなる。このとき、図8の減算器203で隣り合う2本の走査線の信号同士の差分をとってもクロマ信号が十分に取り出されないので、クロマ信号Cのレベルが低下してしまう。また、図8の減算器207から出力される輝度信号Yのほうにクロマ信号成分が漏れ込むので、ドット妨害(色の変わり目に点状のノイズが現れる現象)が発生して画質が低下してしまう。
あるいはまた、途中の走査線から輝度信号の垂直相関性がなくなった場合には、図8の減算器203で隣り合う2本の走査線の信号同士の差分をとっても輝度信号が相殺されずに残ってしまう。そして、その輝度信号にカラーサブキャリア周波数の近傍の高域成分が含まれていた場合には、図8のバンドパスフィルタ204によってもこの輝度信号の高域成分が除去されず、クロマ信号Cにこの輝度信号の高域成分が漏れ込むので、クロスカラーが発生して画質が低下してしまう。
このように、バンドパスフィルタを用いる方法,コムフィルタを用いる方法のいずれにも、輝度信号とクロマ信号とを良好に分離できない場合がある。これに対し、垂直相関性やさらには水平相関性を検出し、その検出結果に応じてコムフィルタとバンドパスフィルタとを使い分けることにより、輝度信号とクロマ信号とを良好に分離しようとするY/C分離回路も提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
図9は、そうしたY/C分離回路の構成例を示す。入力端子1に入力したコンポジットビデオ信号(Y+C)が、遅延線(1HDL)2によって1水平期間遅延された後、遅延線3によってさらに1水平期間遅延される。また、入力コンポジットビデオ信号(Y+C)信号,遅延線2の出力信号,遅延線3の出力信号から、バンドパスフィルタ(BPF)6,8,10によってそれぞれカラーサブキャリア周波数の近傍以外の周波数帯域の成分が除去される。
そして、減算器4でバンドパスフィルタ8の出力信号bからバンドパスフィルタ6の出力信号aが減算され、減算器4の出力信号がゲインコントローラ75でゲインを2分の1に調整される。このゲインコントローラ75の出力信号Xは、隣り合う3本の走査線のうちの下側の2本の走査線の信号からクロマ信号を分離したもの(図8のクロマ信号Cと同様な信号)となる。
また、減算器5でバンドパスフィルタ8の出力信号bからバンドパスフィルタ10の出力信号cが減算され、減算器5の出力信号がゲインコントローラ76でゲインを2分の1に調整される。このゲインコントローラ76の出力信号Yは、隣り合う3本の走査線のうちの上側の2本の走査線の信号からクロマ信号を分離したものとなる。
また、ゲインコントローラ75の出力信号とゲインコントローラ76の出力信号とが加算器31で加算され、加算器31の出力信号がゲインコントローラ77でゲインを2分の1に調整される。このゲインコントローラ77の出力信号Wは、隣り合う3本の走査線の信号からクロマ信号を分離したものとなる。
これらの遅延線2,3,バンドパスフィルタ6,8,10,減算器4,5,加算器31,ゲインコントローラ75〜77で、隣り合う3本の走査線の信号からクロマ信号を分離するコムフィルタ(3ラインコムフィルタ)が構成されている。
また、バンドパスフィルタ8の出力信号bから、カラーサブキャリア周波数の帯域の成分がバンドパスフィルタ25で取り出される。このバンドパスフィルタ25が、従来から輝度信号とクロマ信号とを分離するために用いられているバンドパスフィルタに該当する。ゲインコントローラ75,76,77の出力信号X,Y,Wと、バンドパスフィルタ25の出力信号Zとは、4入力1出力の切換スイッチ26に入力する。
他方、加算器11で、バンドパスフィルタ6の出力信号aとバンドパスフィルタ8の出力信号bとが加算される。加算器11の出力信号(a+b)は、絶対値回路(ABS)13で絶対値化された後、ローパスフィルタ(LPF)41で平滑化される。そして、ローパスフィルタ41の出力信号xが、演算部43に供給される。
また、加算器12で、バンドパスフィルタ8の出力信号bとバンドパスフィルタ10の出力信号cとが加算される。加算器12の出力信号(b+c)は、絶対値回路16で絶対値化された後、ローパスフィルタ42で平滑化される。そして、ローパスフィルタ42の出力信号yが、演算部43に供給される。
また、バンドパスフィルタ6,8,10の出力信号a,b,cが、それぞれ絶対値回路44,45,46で絶対値化される。そして、絶対値回路44,45,46の出力信号|a|,|b|,|c|が、演算部43に供給される。
これらの加算器11,12,絶対値回路13,16,44〜46,バンドパスフィルタ6,8,10,減算器4,5,加算器31,ローパスフィルタ41,42で、垂直相関性を検出する論理回路が構成されている。
さらに、加算器11,12の出力信号が、イクスクルーシブ・オア回路51に入力する。イクスクルーシブ・オア回路51の出力信号は、オア回路53にそのまま入力するとともに、遅延回路(D)52で1サンプル周期遅延されてオア回路53に入力する。オア回路53の出力信号は、3入力1出力のナンド回路56にそのまま入力するとともに、遅延回路54で1サンプル周期遅延されてナンド回路56に入力し、遅延回路55でさらに1サンプル周期遅延されてナンド回路56に入力する。ナンド回路56の出力信号は、アンド回路62に入力する。
また、イクスクルーシブ・オア回路51の出力信号がイクスクルーシブ・オア回路58に入力するとともに、遅延回路52の出力信号が遅延回路57で1サンプル周期遅延されてこのイクスクルーシブ・オア回路58に入力する。イクスクルーシブ・オア回路58の出力信号は、3入力1出力のノア回路61にそのまま入力するとともに、遅延回路59で1サンプル周期遅延されてノア回路61に入力し、遅延回路60でさらに1サンプル周期遅延されてノア回路61に入力する。ノア回路61の出力信号は、アンド回路62に入力する。そして、アンド回路62の出力信号αが演算部43に供給される。
これらのイクスクルーシブ・オア回路51〜アンド回路62で、水平相関性を検出する論理回路が構成されている。輝度信号に一定レベル以上の中高域成分が含まれている場合には、オア回路53の出力信号が「1」になることによってナンド回路56の出力信号が「0」になるか、あるいはノア回路61の出力信号が「0」になるので、アンド回路62の出力信号α=「0」になる。他方、輝度信号に一定レベル以上の中高域成分が含まれていない場合には、アンド回路62の出力信号α=「1」になる。
演算部43では、ローパスフィルタ41,42の出力信号x,yと、絶対値回路44,45,46の出力信号|a|,|b|,|c|と、アンド回路62の出力信号αとに基づき、次の表1に示す条件が満たされているか否かを判別するための演算が行われ、この演算結果に応じて切換スイッチ26の制御が行われる。
y>2x のときは、隣り合う3本の走査線のうち、上側の2本の走査線の信号(遅延線2の出力信号と遅延線3の出力信号)のほうに垂直相関性がないといえるので、下側の2本の走査線の信号(入力コンポジットビデオ信号(Y+C)と遅延線2の出力信号)から分離した信号Xを切換スイッチ26に選択させる。
y <x/2 のときは、下側の2本の走査線の信号(入力コンポジットビデオ信号(Y+C)と遅延線2の出力信号)のほうに垂直相関性がないといえるので、上側の2本の走査線の信号(遅延線2の出力信号と遅延線3の出力信号)から分離した信号Yを切換スイッチ26に選択させる。
これに対し、y/2 ≦ x ≦ 2yとなるのは、隣り合う3本の走査線の信号の全てに垂直相関性があるか、あるいは逆にこれらのいずれの信号にも垂直相関性がない場合である。ここで、隣接する3本の走査線のうちの中央の1走査線だけにクロマ信号が存在して上下の走査線にクロマ信号が存在しないような場合には|a|+|c|<|b| /2となるが、この場合には入力コンポジットビデオ信号(Y+C),遅延線2の出力信号,遅延線3の出力信号のいずれにも垂直相関性がないといえる。そこで、|a|+|c|<|b| /2であり、且つ、α=1である(輝度信号の中高域成分が一定レベル以下である)ときは、バンドパスフィルタ25の出力信号Zを切換スイッチ26に選択させる。それ以外のときは、隣り合う3本の走査線の信号の全てに垂直相関性があると判断して、信号Wを切換スイッチ26に選択させる。
切換スイッチ26の出力信号は、クロマ信号Cとして出力端子27から出力される。また、減算器29で、バンドパスフィルタ6,25等の信号遅延に相当する時間だけ遅延線(DL)28によって遅延された遅延線(1HDL)2の出力信号から、切換スイッチ26の出力信号が減算される。そして、この減算器29の出力信号が、輝度信号Yとして出力端子30から出力される。
特開平3−79114号公報(第5〜6頁、第1図)
特開2002−325264号公報(段落番号0002〜0010、図2)
ところで、図9に示した従来のY/C分離回路では、輝度信号のレベルが一定で、途中の走査線からクロマ信号の位相が反転(補色に変化)したりあるいはクロマ信号のレベルが大きく変化するような場合には、演算部43での判別結果に応じて切換スイッチ26を制御することにより、輝度信号とクロマ信号とを良好に分離することが可能である。
図10,図11は、それぞれ、このように途中の走査線からクロマ信号の位相が反転する場,途中の走査線からクロマ信号のレベルが大きく変化する場合のクロマ信号の分離の様子を例示している。これらの図において、左端のa〜Cは図9を用いて説明したのと同じ信号であり、横方向にこれらの信号の1走査線毎の変化を描いている。また、信号X,Y,W,Z には互いに異なる模様(Xは縦縞、Yは斜め縞、Wは無地、Zはドット模様)を付しており、各走査線においてどの信号が図9の切換スイッチ26で選択されてクロマ信号Cとして出力されるかを、この模様で表している。
この図10,図11に示したいずれの走査線でも、クロマ信号Cの振幅は、本来の入力コンポジットビデオ信号中のクロマ信号(信号b)の振幅と一致している。したがって、輝度信号とクロマ信号とが良好に分離されている。
しかし、図9に示したY/C分離回路では、例えば、輝度信号の中高域のレベルが低く、途中の走査線からクロマ信号の位相が変化し、且つクロマ信号のレベルが徐々に変化する(換言すればクロマ信号の垂直方向の周波数帯域が狭い)ような場合には、このクロマ信号の変化した走査線において信号劣化を生じてしまう。
図12,図13は、それぞれこのようにクロマ信号のレベルが徐々に変化する場合のクロマ信号の分離の様子を例示している。なお、ここでは、輝度信号は、中高域成分がなく直流成分のみとし、レベルの変化もないものとしている。左端のa〜Cは図9を用いて説明したのと同じ信号であり、左端の最下部のYcは輝度信号Yへのクロマ信号Cの漏れ込み量を示している。横方向には、これらの信号の1走査線毎の変化を描いている。波形の上部に付した数値は、本来のクロマ信号の振幅値(最大値を1としたもの)を表している。また、信号X,Y,W,Z には互いに異なる模様(Xは縦縞、Yは斜め縞、Wは無地、Zはドット模様)を付しており、各走査線においてどの信号が図9の切換スイッチ26で選択されてクロマ信号Cとして出力されるかを、この模様で表している。
図12には、バンドパスフィルタ6の出力信号a(入力コンポジットビデオ信号から取り出されたクロマ信号)の振幅が、1走査線毎に1,5/6,1/3,1/3,5/6, 1 というように変化していることを表している。また、図13には、このクロマ信号の振幅が、1走査線毎に1,2/3,0,2/3,1 というように変化していることを表している。さらに、図12,図13には、このクロマ信号が振幅だけでなく位相も変化していることを表しており、図12では振幅1/3と1/3との間で位相が反転し、また、図13では振幅0を境にして位相が反転している。
ここで、図12について説明する。前述のとおり、信号(a+b)は図9の加算器11の出力信号であり、信号xはこの出力信号(a+b)が絶対値回路13及びローパスフィルタ41を通過したものである。絶対値回路及びローパスフィルタは信号の振幅を検出するためのものであるが、ここでは、動作を簡単に説明するために、絶対値回路及びローパスフィルタによる影響を考慮せずに、信号xをx=(a+b)/2として求める(すなわち、信号xを、クロマ信号の振幅の最大値を1として正規化した値として表す)ものとする。同様に、信号yをy=(b+c)/2 として求めるものとする。
例えば図12の左から3列目の水平周期では、a=1/3,b=5/6,c=1なので、クロマ信号の位相を考慮して、x=(−1/3+5/6)/2=1/4 となる。同様に、y=1/12 となる。
前述の通り、X =(b−a)/2 ,Y =(b−c)/2 である。したがって、図12の左から3列目の走査線では、a=1/3, b=5/6 ,c=1なので、クロマ信号の位相を考慮して、X=(5/6+1/3)/2=7/12 ,Y =(1+5/6)/2=11/12 となる。
また、前述の通り、W={(b−a)/2 +(b−c)/2}/2=(−a+2×b−c)/4 なので、この3列目の走査線では、クロマ信号の位相を考慮して、W=(1/3+(5/6)×2+1)/4=3/4 となる。また、 Z については、信号bの位相と振幅がそのまま出力となる。
この3列目の走査線では、斜め線の模様で識別しているように、信号Yが切換スイッチ26で選択されてクロマ信号Cとして出力されている。しかし、本来の入力コンポジットビデオ信号中のクロマ信号(信号b)の振幅が5/6であるのに対し、このクロマ信号Cの振幅は11/12なので、1/12だけ大きくなっている。その結果、Ycとして表しているように、このクロマ信号Cとは位相が反対の振幅1/12のクロマ信号成分が輝度信号に漏れ込むことによるドット妨害が発生する。
この図12の例では、左から3列目〜6列目の走査線で、Yc=1/12,1/24,1/24,1/12となっているのでドット妨害が発生する。同様に、この図13の例でも、左から3列目及び5列目の走査線で、Yc=1/12となっているのでドット妨害が発生する。
以上のように、図9に示した従来のY/C分離回路では、輝度信号の中高域のレベルが低く、途中の走査線からクロマ信号の位相が変化し、且つクロマ信号のレベルが徐々に変化する場合には、このクロマ信号の変化した走査線でドット妨害が発生してしまう。
また、図12,図13の例では途中の走査線からクロマ信号の位相が変化しているが、クロマ信号の位相が変化せずにクロマ信号のレベルのみが徐々に変化する場合にも、同様にドット妨害が発生してしまう。
本発明は、上述の点に鑑み、輝度信号の中高域成分のレベルが低く且つクロマ信号のレベルが徐々に変化するようなコンポジットビデオ信号から輝度信号とクロマ信号とを分離する場合のドット妨害を抑制することを課題としてなされたものである。
この課題を解決するために、本発明によるY/C分離回路は、入力コンポジットビデオ信号を所定水平期間ずつ順次遅延させる第1,第2の遅延手段を含んだコムフィルタと、この入力コンポジットビデオ信号からカラーサブキャリア周波数の帯域の成分を取り出すバンドパスフィルタと、このコムフィルタの出力信号とこのバンドパスフィルタの出力信号とを切り換えて出力する切換手段と、この入力コンポジットビデオ信号の垂直相関性を検出する垂直相関検出手段と、この垂直相関検出手段の検出結果に基づいてこの切換手段を制御する演算手段とを有するY/C分離回路において、この切換手段の出力信号とこのバンドパスフィルタの出力信号とを混合する混合手段と、この入力コンポジットビデオ信号,第1の遅延手段の出力信号,第2の遅延手段の出力信号に基づき、輝度信号の中高域成分のレベルを検出し、この中高域成分のレベルが低いほどこのバンドパスフィルタの出力信号の混合比が高くなるようにこの混合手段を制御するレベル検出手段とを備え、この第1の遅延手段の出力信号とこの混合手段の出力信号との差分を輝度信号として出力するようにしたことを特徴とする。
このY/C分離回路では、単に、従来のY/C分離回路のように、垂直相関検出手段によって垂直相関性が検出され、その検出結果に応じて演算手段が切換手段を制御することによってコムフィルタとバンドパスフィルタとが使い分けられるのではなく、切換手段の出力信号とバンドパスフィルタの出力信号とが混合手段で混合される。また、入力コンポジットビデオ信号及びコムフィルタ中の第1,第2の遅延手段の出力信号に基づいてレベル検出手段によって輝度信号の中高域成分のレベルが検出され、この中高域成分のレベルが低いほど混合手段でのバンドパスフィルタの出力信号の混合比が高くされる。そして、コムフィルタ中の第1の遅延手段の出力信号とこの混合手段の出力信号との差分が、輝度信号として出力される。
このように、輝度信号の中高域成分のレベルが低いほど、混合手段でのバンドパスフィルタの出力信号の混合比が高くなるので、混合手段の出力信号はクロマ信号をより多く取り出したものになる。これにより、輝度信号のほうに漏れ込むクロマ信号成分が減少するので、輝度信号の中高域成分のレベルが低く且つクロマ信号のレベルが徐々に変化する場合のドット妨害が抑制される。
また、逆に、輝度信号の中高域成分のレベルが高い場合には、混合手段でのバンドパスフィルタの出力信号の混合比が低くなるので、輝度信号の中高域成分が混合手段の出力信号に漏れ込むことによる画質の低下が抑制される。
なお、このY/C分離回路において、一例として、レベル検出手段は、カラーサブキャリアの中心周波数以外の周波数成分のレベルを中高域成分のレベルとして検出するとともに、クロマ信号のレベルと輝度信号のレベルとの差分を検出し、この差分が小さい場合には、中高域成分のレベルが低くても、バンドパスフィルタの出力信号の混合比が低くなるように混合手段を制御することが好適である。
輝度信号の中高域成分のレベルを検出するためにはコンポジットビデオ信号からカラーサブキャリアの中心周波数fscの信号を除去する必要があるが、その際、輝度信号に中心周波数fscと同じ周波数の高域成分が含まれていてもその高域成分のレベルは検出されなくなる。そのため、混合手段でのバンドパスフィルタの出力信号の混合比を高くすると、混合手段の出力信号に輝度信号のこの高域成分が漏れ込んでしまって画質が低下することがある。
そこで、このようにクロマ信号のレベルと輝度信号のレベルとの差分を検出し、この差分が小さい場合には、輝度信号に中心周波数fscと同じ周波数の高域成分が含まれていると判断して混合手段でのバンドパスフィルタの出力信号の混合比を低くすることにより、輝度信号に含まれている中心周波数fscと同じ周波数の高域成分が混合手段の出力信号に漏れ込むことによる画質の低下を抑制することができる。
また、このY/C分離回路において、一例として、レベル検出手段は、さらに、入力コンポジットビデオ信号及びコムフィルタ中の第1の遅延手段の出力信号の加算結果と、コムフィルタ中の第1,第2の遅延手段の出力信号の加算結果とに基づいて、クロマ信号の垂直方向の非相関性を検出し、この非相関性が一定以下である場合には、バンドパスフィルタの出力信号の混合比がゼロになるように混合手段を制御することが好適である。
輝度信号の中高域成分のレベルが低くても、単色のクロマ信号中にレベルが低く細かな輝度信号が存在するような画像の場合には、混合手段でバンドパスフィルタの出力信号を混合すると、細かな輝度信号が減衰してしまうので、ディテール感が損なわれて画質が低下する。
そこで、このようにクロマ信号の垂直方向の非相関性を検出し、この非相関性が一定以下場合には混合手段でのバンドパスフィルタの出力信号の混合比をゼロにすることにより、こうした細かな輝度信号の減衰を防止することができる。
また、このY/C分離回路において、一例として、切換手段の出力信号をクロマ信号として出力することが好適である。あるいは、コムフィルタの出力信号のみを切り換えて出力する第2の切換手段をさらに備え、演算手段で垂直相関検出手段の検出結果に基づいてこの第2の切換手段をも制御し、この第2の切換手段の出力信号をクロマ信号として出力することが一層好適である。
輝度信号にクロマ信号成分が漏れ込むことによるドット妨害を抑制するためには、前述のように混合手段でのバンドパスフィルタの出力信号の混合比を高くして、コムフィルタ中の第1の遅延手段の出力信号とこの混合手段の出力信号との差分を輝度信号として出力することが望ましい。しかし、クロマ信号に輝度信号成分が漏れ込むことによるクロスカラーを抑制するためには、逆にバンドパスフィルタよりもコムフィルタのほうが好ましい。
そこで、このように、クロマ信号のほうは、混合手段でバンドパスフィルタの出力信号を混合する前の切換手段の出力信号を用いるか、さらにはコムフィルタの出力信号のみを切り換えて出力する第2の切換手段の出力信号を用いることにより、ドット妨害を抑制することに加えて、クロスカラーを抑制することもできるようになる。
次に、本発明による画像表示装置は、入力コンポジットビデオ信号から輝度信号とクロマ信号とを分離し、この輝度信号及びクロマ信号を信号処理して画像を表示する画像表示装置において、この輝度信号とクロマ信号とを分離する分離回路は、入力コンポジットビデオ信号を所定水平期間ずつ順次遅延させる第1,第2の遅延手段を含んだコムフィルタと、この入力コンポジットビデオ信号からカラーサブキャリア周波数の帯域の成分を取り出すバンドパスフィルタと、このコムフィルタの出力信号とこのバンドパスフィルタの出力信号とを切り換えて出力する切換手段と、この入力コンポジットビデオ信号の垂直相関性を検出する垂直相関検出手段と、この垂直相関検出手段の検出結果に基づいてこの切換手段を制御する演算手段とを有するY/C分離回路において、この切換手段の出力信号とこのバンドパスフィルタの出力信号とを混合する混合手段と、この入力コンポジットビデオ信号,第1の遅延手段の出力信号,第2の遅延手段の出力信号に基づき、輝度信号の中高域成分のレベルを検出し、その中高域成分のレベルが低いほどこのバンドパスフィルタの出力信号の混合比が高くなるようにこの混合手段を制御するレベル検出手段とを備え、この第1の遅延手段の出力信号とこの混合手段の出力信号との差分を輝度信号として出力するようにしたことを特徴とする。
この画像表示装置に設けられたY/C分離回路では、単に、従来のY/C分離回路のように、垂直相関検出手段によって垂直相関性が検出され、その検出結果に応じて演算手段が切換手段を制御することによってコムフィルタとバンドパスフィルタとが使い分けられるのではなく、切換手段の出力信号とバンドパスフィルタの出力信号とが混合手段で混合される。また、入力コンポジットビデオ信号及びコムフィルタ中の第1,第2の遅延手段の出力信号に基づいてレベル検出手段によって輝度信号の中高域成分のレベルが検出され、この中高域成分のレベルが低いほど混合手段でのバンドパスフィルタの出力信号の混合比が高くされる。そして、コムフィルタ中の第1の遅延手段の出力信号とこの混合手段の出力信号との差分が、輝度信号として出力される。
このように、輝度信号の中高域成分のレベルが低いほど、混合手段でのバンドパスフィルタの出力信号の混合比が高くなるので、混合手段の出力信号はクロマ信号をより多く取り出したものになる。これにより、輝度信号のほうに漏れ込むクロマ信号成分が減少するので、輝度信号の中高域成分のレベルが低く且つクロマ信号のレベルが徐々に変化する場合のドット妨害が抑制される。
また、逆に、輝度信号の中高域成分のレベルが高い場合には、混合手段でのバンドパスフィルタの出力信号の混合比が低くなるので、輝度信号の中高域成分が混合手段の出力信号に漏れ込むことによる画質の低下が抑制される。
以上のように、本発明によれば、コムフィルタの出力信号とバンドパスフィルタの出力信号とを切り換えて出力する切換手段の出力信号とこのバンドパスフィルタの出力信号とを混合手段で混合するとともに、入力コンポジットビデオ信号及びコムフィルタ中の第1,第2の遅延手段の出力信号に基づいて輝度信号の中高域成分のレベルを検出し、この中高域成分のレベルが低いほどこの混合手段でのバンドパスフィルタの出力信号の混合比を高くし、コムフィルタ中の第1の遅延手段の出力信号とこの混合手段の出力信号との差分を輝度信号として出力するようにしたので、輝度信号の中高域成分のレベルが低く且つクロマ信号のレベルが徐々に変化するようなコンポジットビデオ信号から輝度信号とクロマ信号とを分離する場合のドット妨害を抑制することができ、且つ、逆に輝度信号の中高域成分のレベルが高い場合には輝度信号の中高域成分が混合手段の出力信号に漏れ込むことによる画質の低下を抑制することができるという効果が得られる。
また、輝度信号にカラーサブキャリアの中心周波数fscと同じ周波数の高域成分が含まれていても、輝度信号のこの高域成分が混合手段の出力信号に漏れ込むことによる画質の低下を抑制することができるという効果が得られる。
また、単色のクロマ信号中にレベルが低く細かな輝度信号が存在するような画像の場合にも、この細かな輝度信号が減衰することによる画質の低下を防止することができるという効果が得られる。
また、ドット妨害を抑制することに加えて、クロスカラーを抑制することもできるという効果が得られる。
以下、本発明を図面を用いて具体的に説明する。
図1は、本発明を適用したY/C分離回路(NTSC方式のコンポジットビデオ信号から輝度信号とクロマ信号とを分離するもの)の構成例を示すブロック図である。このY/C分離回路は、例えばテレビジョン受信機内に設けられたものであり、図示しないフロントエンド部で復調・選局されたコンポジットビデオ信号がこのY/C分離回路に入力する。そして、このY/C分離回路で分離された輝度信号,クロマ信号が、それぞれ所定の映像信号処理を施された後、RGB信号にマトリクス変換されて、ディスプレイを駆動する駆動回路に供給される。なお、Y/C分離回路において、図9に示した従来のY/C分離システムと共通する部分には同一の符号を付している。
入力端子1に入力したコンポジットビデオ信号(Y+C)が、遅延線(1HDL)2によって1水平期間遅延された後、遅延線3によってさらに1水平期間遅延される。また、入力コンポジットビデオ信号(Y+C)信号,遅延線2の出力信号,遅延線3の出力信号から、バンドパスフィルタ(BPF)6,8,10によってそれぞれカラーサブキャリア周波数の近傍以外の周波数帯域の成分が除去される。
そして、減算器4でバンドパスフィルタ8の出力信号bからバンドパスフィルタ6の出力信号aが減算され、減算器4の出力信号がゲインコントローラ75でゲインを2分の1に調整される。このゲインコントローラ75の出力信号Xは、隣り合う3本の走査線のうちの下側の2本の走査線の信号からクロマ信号を分離したもの(図8のクロマ信号Cと同様な信号)となる。
また、減算器5でバンドパスフィルタ8の出力信号bからバンドパスフィルタ10の出力信号cが減算され、減算器5の出力信号がゲインコントローラ76でゲインを2分の1に調整される。このゲインコントローラ76の出力信号Yは、隣り合う3本の走査線のうちの上側の2本の走査線の信号からクロマ信号を分離したものとなる。
また、ゲインコントローラ75の出力信号とゲインコントローラ76の出力信号とが加算器31で加算され、加算器31の出力信号がゲインコントローラ77でゲインを2分の1に調整される。このゲインコントローラ77の出力信号Wは、隣り合う3本の走査線の信号からクロマ信号を分離したものとなる。
これらの遅延線2,3,バンドパスフィルタ6,8,10,減算器4,5,加算器31,ゲインコントローラ75〜77で、隣り合う3本の走査線の信号からクロマ信号を分離するコムフィルタ(3ラインコムフィルタ)が構成されている。
また、バンドパスフィルタ8の出力信号bから、カラーサブキャリア周波数の帯域の成分がバンドパスフィルタ25で取り出される。このバンドパスフィルタ25が、従来から輝度信号とクロマ信号とを分離するために用いられているバンドパスフィルタに該当する。ゲインコントローラ75,76,77の出力信号X,Y,Wと、バンドパスフィルタ25の出力信号Zとは、4入力1出力の切換スイッチ26に入力する。
他方、加算器11で、バンドパスフィルタ6の出力信号aとバンドパスフィルタ8の出力信号bとが加算される。加算器11の出力信号(a+b)は、絶対値回路(ABS)13で絶対値化された後、ローパスフィルタ(LPF)41で平滑化される。そして、ローパスフィルタ41の出力信号xが、演算部43に供給される。
また、加算器12で、バンドパスフィルタ8の出力信号bとバンドパスフィルタ10の出力信号cとが加算される。加算器12の出力信号(b+c)は、絶対値回路16で絶対値化された後、ローパスフィルタ42で平滑化される。そして、ローパスフィルタ42の出力信号yが、演算部43に供給される。
また、バンドパスフィルタ6,8,10の出力信号a,b,cが、それぞれ絶対値回路44,45,46で絶対値化される。そして、絶対値回路44,45,46の出力信号|a|,|b|,|c|が、演算部43に供給される。
これらの加算器11,12,絶対値回路13,16,44〜46,バンドパスフィルタ6,8,10,減算器4,5,加算器31,ローパスフィルタ41,42で、垂直相関性を検出する論理回路が構成されている。
さらに、加算器11,12の出力信号が、イクスクルーシブ・オア回路51に入力する。イクスクルーシブ・オア回路51の出力信号は、オア回路53にそのまま入力するとともに、遅延回路(D)52で1サンプル周期遅延されてオア回路53に入力する。オア回路53の出力信号は、3入力1出力のナンド回路56にそのまま入力するとともに、遅延回路54で1サンプル周期遅延されてナンド回路56に入力し、遅延回路55でさらに1サンプル周期遅延されてナンド回路56に入力する。ナンド回路56の出力信号は、アンド回路62に入力する。
また、イクスクルーシブ・オア回路51の出力信号がイクスクルーシブ・オア回路58に入力するとともに、遅延回路52の出力信号が遅延回路57で1サンプル周期遅延されてこのイクスクルーシブ・オア回路58に入力する。イクスクルーシブ・オア回路58の出力信号は、3入力1出力のノア回路61にそのまま入力するとともに、遅延回路59で1サンプル周期遅延されてノア回路61に入力し、遅延回路60でさらに1サンプル周期遅延されてノア回路61に入力する。ノア回路61の出力信号は、アンド回路62に入力する。そして、アンド回路62の出力信号αが演算部43に供給される。
これらのイクスクルーシブ・オア回路51〜アンド回路62で、水平相関性を検出する論理回路が構成されている。輝度信号に一定レベル以上の中高域成分が含まれている場合には、オア回路53の出力信号が「1」になることによってナンド回路56の出力信号が「0」になるか、あるいはノア回路61の出力信号が「0」になるので、アンド回路62の出力信号α=0になる。他方、輝度信号に一定レベル以上の中高域成分が含まれていない場合には、アンド回路62の出力信号α=1になる。
演算部43では、ローパスフィルタ41,42の出力信号x,yと、絶対値回路44,45,46の出力信号|a|,|b|,|c|と、アンド回路62の出力信号αとに基づき、次の表2に示す条件が満たされているか否かを判別するための演算が行われ、この演算結果に応じて切換スイッチ26の制御が行われる。
y>2x のときは、隣り合う3本の走査線のうち、上側の2本の走査線の信号(遅延線2の出力信号と遅延線3の出力信号)のほうに垂直相関性がないといえるので、下側の2本の走査線の信号(入力コンポジットビデオ信号(Y+C)と遅延線2の出力信号)から分離した信号Xを切換スイッチ26に選択させる。
y <x/2 のときは、下側の2本の走査線の信号(入力コンポジットビデオ信号(Y+C)と遅延線2の出力信号)のほうに垂直相関性がないといえるので、上側の2本の走査線の信号(遅延線2の出力信号と遅延線3の出力信号)から分離した信号Yを切換スイッチ26に選択させる。
これに対し、y/2y ≦ x ≦ 2となるのは、隣り合う3本の走査線の信号の全てに垂直相関性があるか、あるいは逆にこれらのいずれの信号にも垂直相関性がない場合である。ここで、隣接する3本の走査線のうちの中央の1走査線だけにクロマ信号が存在して上下の走査線にクロマ信号が存在しないような場合には|a|+|c|<|b| /2となるが、この場合には入力コンポジットビデオ信号(Y+C),遅延線2の出力信号,遅延線3の出力信号のいずれにも垂直相関性がないといえる。そこで、|a|+|c|<|b| /2であり、且つ、α=1である(輝度信号の中高域成分が一定レベル以下である)ときは、バンドパスフィルタ25の出力信号Zを切換スイッチ26に選択させる。それ以外のときは、隣り合う3本の走査線の信号の全てに垂直相関性があると判断して、信号Wを切換スイッチ26に選択させる。
さらに、バンドパスフィルタ6,8,10の出力信号a,b,cとローパスフィルタ41,42の出力信号x,yとが、レベル検出部80に入力する。そして、切換スイッチ26の出力信号がゲインコントローラ71に入力するとともに、バンドパスフィルタ25の出力信号Zはゲインコントローラ72にも入力し、これらのゲインコントローラ71,72の係数(1−k),k(但し0≦k≦1)がそれぞれレベル検出部80によって制御される。
図2は、このレベル検出部80の構成例を示すブロック図である。入力端子81に入力した図1のバンドパスフィルタ6の出力信号aが、トラップフィルタ86に送られる。また、入力端子82に入力した図1のバンドパスフィルタ10の出力信号cが、トラップフィルタ89に送られる。トラップフィルタ86,89は、例えば(1 + Z−2)/2 (但しZはサンプル周期)で表されるフィルタであり、カラーサブキャリアの中心周波数fsc(NTSC方式では3.579545MHz)の帯域の信号を通過させないように働く。
トラップフィルタ86,89の出力信号は、それぞれ絶対値回路87,90で絶対値化された後、例えば(1 + 2 Z−1 + Z−2)/4 で表されるような高域周波数成分を減衰させるローパスフィルタ(LPF)88,91で平滑化されて、加算器100で互いに加算される。
加算器100の出力信号は、ゲインコントローラ101で所定の係数gを掛けることによってレベルを0以上1以下に調整される。そして、減算器105で固定値出力回路104の出力信号「1」からこのゲインコントローラ101の出力信号Yg(0≦Yg≦1)が減算され、減算器105の出力信号(1−Yg)が最小値選択回路106に供給される。
これらのトラップフィルタ86,89,絶対値回路87,90,ローパスフィルタ88,91,加算器100,ゲインコントローラ101,減算器105で、入力コンポジットビデオ信号(Y+C)に含まれる輝度信号の中高域成分(図1のバンドパスフィルタ6,10を通過したカラーサブキャリア周波数の近傍の周波数帯域の成分のうち、カラーサブキャリアの中心周波数fsc以外の帯域の成分)を検出するレベル検出回路が構成されている。
この輝度信号の中高域成分が低い(すなわち輝度信号が平坦である)場合には、信号Ygが0に近くなるので信号(1−Yg)は1に近くなる。逆に、この輝度信号の中高域成分が高い場合には、信号Ygが1に近くなるので信号(1−Yg)は0に近くなる。
他方、入力端子81に入力したバンドパスフィルタ6の出力信号aと、入力端子82に入力したバンドパスフィルタ10の出力信号cとが加算器92で加算され、加算器92の出力信号がゲインコントローラ121でゲインを2分の1に調整される。
そして、入力端子83に入力した図1のバンドパスフィルタ8の出力信号bと、ゲインコントローラ121の出力信号とが加算器93で加算される。また、減算器96で、入力端子83に入力したバンドパスフィルタ8の出力信号bからゲインコントローラ121の出力信号が減算される。
この加算器93,減算器96の出力信号が、それぞれ絶対値回路94,97で絶対値化された後、ローパスフィルタ95,98で平滑化されることにより、入力コンポジットビデオ信号中の輝度信号,クロマ信号のレベルを示す信号 |Y’|, |C’|が求められる。
そして、減算器102でこの信号 |C’|から信号 |Y’|が減算され、減算器102の出力信号 |C’|− |Y’|がゲインコントローラ103で所定の係数hを乗算することによってレベルを0以上1以下に調整され、このゲインコントローラ103の出力信号Ch(0≦Ch≦1)が最小値選択回路106に供給される。
これらの加算器92,93,減算器96,102,絶対値回路94,97,ローパスフィルタ95,98,ゲインコントローラ103,121で、クロマ信号のレベルと輝度信号のレベルとの差分を検出する回路が構成されている。
最小値選択回路106では、入力した信号(1−Yg),Chのうちの値の小さいほうの信号が選択して出力される。この最小値選択回路106の出力信号は、2入力1出力の切換スイッチ108の一方の入力端子に入力する。切換スイッチ108のもう一方の入力端子には、固定値出力回路107の出力信号「0」が入力する。
他方、入力端子84,85に入力した図1のローパスフィルタ41,42の出力信号x,yのレベルが、それぞれ比較器109,110で閾値出力回路111からの所定の閾値Thと比較される。比較器109,110は、それぞれこの信号x,yのレベルが閾値Thよりも大きいときに出力信号が「1」になる。
比較器109,110の出力信号は、オア回路112に入力する。切換スイッチ108は、このオア回路112の出力信号が「1」であるときには最小値選択回路106の出力信号を選択し、このオア回路112の出力信号が「0」であるときには固定値出力回路107の出力信号「0」を選択するように制御される。
これらの比較器109,110,閾値出力回路111,オア回路112で、クロマ信号の垂直方向の非相関性を検出する回路が構成されている。図1のローパスフィルタ41,42の出力信号x,yのうちのいずれかのレベルが閾値Thよりも大きい場合には、クロマ信号に一定以上の垂直方向の非相関性があるといえるが、この場合にはオア回路112の出力信号が「1」になるので切換スイッチ108で最小値選択回路106の出力信号が選択される。これに対し、この信号x,yのいずれのレベルも閾値Th以下である場合には、クロマ信号に一定以上の垂直方向の非相関性がないといえるが、この場合にはオア回路112の出力信号が「0」になるので切換スイッチ108で信号「0」が選択される。
切換スイッチ108の出力信号は、図1のゲインコントローラ71,72の係数(1−k),kにおけるkの値を決定する信号として、レベル検出部80の出力端子113から出力して、これらのゲインコントローラ71,72に与えられる。
図1に示すように、ゲインコントローラ71,72の出力信号は、加算器73で加算される。そして、この加算器73の出力信号が、クロマ信号CとしてこのY/C分離回路の出力端子27から出力される。
また、減算器29で、バンドパスフィルタ6,25等の信号遅延に相当する時間だけ遅延線(DL)28によって遅延された遅延線2の出力信号から、加算器73の出力信号が減算される。そして、この減算器29の出力信号が、輝度信号Yとして出力端子30から出力される。
次に、このY/C分離回路での輝度信号とクロマ信号との分離の様子を、クロマ信号のレベルが従来例として図12,図13に示したように徐々に変化する場合について説明する。
図3,図4は、それぞれクロマ信号のレベルが図12,図13に示したように変化する場合のクロマ信号の分離の様子を示している。左端のa〜Cは図1,図2を用いて説明したのと同じ信号であり、左端の最下部のYcは輝度信号Yへのクロマ信号Cの漏れ込み量を示している。横方向には、これらの信号の1走査線毎の変化を描いている。波形の上部に付した数値は、本来のクロマ信号の振幅値(最大値を1としたもの)を表している。また、信号X,Y,W,Z には互いに異なる模様(Xは縦縞、Yは斜め縞、Wは無地、Zはドット模様)を付しており、各走査線においてどの信号が図9の切換スイッチ26で選択されてクロマ信号Cとして出力されるかを、この模様で表している。
なお、図12,図13の例では輝度信号は中高域成分がなく直流成分のみであるものとしているので、信号(1−Yg)(図2の減算器105の出力信号)は常に1になる。また、ここでは、信号Ch(図2のゲインコントローラ103の出力信号)の値は、図2の減算器102の出力信号 |C’|− |Y’|を |W|− |b−W|とするとともに図2のゲインコントローラ103の係数hを1として計算している。また、ここでは、図2の閾値出力回路111からの閾値Thの値を1/8としている。
例えば図3の左から3列目の走査線では、 |W|=3/4なので |b−W|=5/6−3/4=1/12となり、したがってCh=3/4−1/12=2/3となる。(1−Yg)=1なので、図2の最小値選択回路106ではこのCh=2/3が選択される。
また、この3列目の走査線では、閾値Th=1/8であることからX>Thとなるので、図2の比較器109の出力信号が「1」になり、図2のオア回路112の出力信号が「1」になるので、図2の切換スイッチ108で最小値選択回路106の出力信号が選択される。
したがって、切換スイッチ108でCh=2/3が選択されてレベル検出部80から係数kとして出力されるので、図1のゲインコントローラ71,72では、切換スイッチ26で選択された信号Y=11/12,バンドパスフィルタ25の出力信号Z=5/6にそれぞれ係数(1−2/3),2/3が掛けられる。このとき、加算器73の出力信号は11/12×1/3+5/6×2/3=31/36となるので、このY/C分離回路から出力されるクロマ信号Cの振幅は31/36になる。
本来の入力コンポジットビデオ信号中のクロマ信号(信号b)の振幅は5/6なので、このクロマ信号Cの振幅はそれよりも31/36−5/6=1/36だけ大きくなっている。その結果、Ycとして表しているように、このクロマ信号Cとは位相が反対の振幅1/36のクロマ信号成分が輝度信号に漏れ込んでいる。
しかし、図12に示したように、従来のY/C分離回路ではこの3列目の走査線では振幅1/12のクロマ信号成分が輝度信号に漏れ込んでいるので、このクロマ信号成分の漏れ込み量が3分の1に(すなわち約−10dB)改善されている。
同様に、左から4列目,5列目,6列目の走査線でも、クロマ信号成分の漏れ込み量がそれぞれ2分の1(約−10dB),2分の1,3分の1に改善されている。また、図4の例でも、図13に示したようにクロマ信号成分が輝度信号に漏れ込んでいた左から3列目,5列目の走査線で、クロマ信号成分の漏れ込み量が2分の1に改善されている。
このように、このY/C分離回路では、クロマ信号のレベルが図12,図13に示したように徐々に変化する場合に、輝度信号へのクロマ信号成分の漏れ込み量が約−6〜−10dB改善されるので、クロマ信号成分が輝度信号に漏れ込むことによるドット妨害が抑制される。そして、この漏れ込み量の改善の度合いは、図2のゲインコントローラ101,103の係数g,hや閾値出力回路111からの閾値Thの値を調整することによって変化させることが可能である。
なお、図12,図13の例では、途中の走査線からクロマ信号の位相が変化しているが、クロマ信号の位相が変化せずにクロマ信号のレベルのみが徐々に変化する場合にも、同様にしてドット妨害が抑制される。
また、図12,図13の例では輝度信号は中高域成分がなく直流成分のみであるものとしているので、信号(1−Yg)は常に1になる。これに対し、輝度信号の中高域成分が存在する場合には(1−Yg)<1 となるが、その場合にも、この中高域成分のレベルが低いときには、Ch<(1−Yg )となってやはり最小値選択回路106で信号Chのほうが選択される。
また、輝度信号の中高域成分のレベルが高い場合にはCh>(1−Yg )となって最小値選択回路106で信号(1−Yg)のほうが選択されるようになるが、この場合には、レベル検出部80によって決定されるk=(1−Yg )の値が小さくなることにより、ゲインコントローラ72の係数kの値が小さくなるので、ゲインコントローラ71,72及び加算器73から成る混合手段での切換スイッチ26の出力信号に対するバンドパスフィルタ25の出力信号の混合比が低くなる。
このように、このY/C分離回路では、輝度信号の中高域成分のレベルが低いほど、ゲインコントローラ71,72及び加算器73から成る混合回路での切換スイッチ26の出力信号に対するバンドパスフィルタ25の出力信号の混合比が高くなるので、この混合回路71,72及び73の出力信号はクロマ信号をより多く取り出したものになる。これにより、減算器29から出力される輝度信号Yのほうに漏れ込むクロマ信号成分が減少するので、輝度信号の中高域成分のレベルが低く且つクロマ信号のレベルが徐々に変化する場合のドット妨害が抑制される。
また、逆に、輝度信号の中高域成分のレベルが高い場合には、この混合回路71,72及び73でのバンドパスフィルタ25の出力信号の混合比が低くなるので、輝度信号の中高域成分がこの混合回路の出力信号に漏れ込むことによる画質の低下(図1の減算器29から出力される輝度信号Yの高域成分が減衰してる画像がぼける現象)が抑制される。
また、輝度信号の中高域成分のレベルを検出するためにはコンポジットビデオ信号からカラーサブキャリアの中心周波数fscの信号を除去する必要があるため、レベル検出部80のうちの図2のトラップフィルタ86,89,絶対値回路87,90,ローパスフィルタ88,91,加算器100,ゲインコントローラ101,減算器105で構成されるレベル検出回路では、中心周波数fsc以外の周波数成分のレベルを中高域成分のレベルとして検出している。したがって、例えば縦縞模様の画像のように、輝度信号に中心周波数fscと同じ周波数の高域成分が含まれていても、このレベル検出回路ではその高域成分のレベルが検出されずに減算器105の出力信号(1−Yg)が1に近くなることがある。
そのため、信号(1−Yg)だけを値kを示す信号として用いて混合回路71,72及び73でのバンドパスフィルタ25の出力信号の混合比を高くすると、混合回路71,72及び73の出力信号にこの輝度信号の高域成分が漏れ込んでしまって画質が低下することがある。
しかし、レベル検出部80では、図2の加算器92,93,減算器96,102,絶対値回路94,97,ローパスフィルタ95,98,ゲインコントローラ103,121でクロマ信号のレベルと輝度信号のレベルとの差分を検出している。そして、この差分が小さい場合には、ゲインコントローラ103の出力信号Chの値が1よりも十分に小さくなり、最小値選択回路106でこの信号Chのほうが選択されることにより、混合回路71,72及び73でのバンドパスフィルタ25の出力信号の混合比が低くなる。
このように、クロマ信号のレベルと輝度信号のレベルとの差分を検出し、その差分が小さい場合には、輝度信号に中心周波数fscと同じ周波数の高域成分が含まれていると判断して混合回路71,72及び73でのバンドパスフィルタ25の出力信号の混合比を低くすることにより、輝度信号に含まれている中心周波数fscと同じ周波数の高域成分が混合回路71,72及び73の出力信号に漏れ込むことによる画質の低下が抑制される。
また、輝度信号の中高域成分のレベルが低くても、単色のクロマ信号中にレベルが低く細かな輝度信号が存在するような画像(例えば人の肌や細かなざらつきのある壁の画像等)の場合には、混合回路71,72及び73でバンドパスフィルタ25の出力信号を混合すると、細かな輝度信号が減衰してしまうので、ディテール感が損なわれて画質が低下する。
これに対し、レベル検出部80では、図2の比較器109,110,閾値出力回路111,オア回路112で、クロマ信号の垂直方向の非相関性を検出している。そして、この非相関性が一定以下である場合には、切換スイッチ108で信号「0」が選択されることにより、kの値が0になるので、混合回路71,72及び73でのバンドパスフィルタ25の出力信号の混合比がゼロになる。
このように、クロマ信号の垂直方向の非相関性を検出し、この非相関性が一定以下である場合には混合回路71,72及び73でのバンドパスフィルタ25の出力信号の混合比をゼロにすることにより、単色のクロマ信号中にレベルが低く細かな輝度信号が存在するような画像の場合にも、この細かな輝度信号が減衰することによる画質の低下が防止される。
次に、図5は、本発明を適用したY/C分離回路の別の構成例を示すブロック図であり、図1に示したY/C分離システムと共通する部分には同一の符号を付している。
このY/C分離回路では、加算器73の出力信号ではなく、切換スイッチ26の出力信号がクロマ信号Cとして出力端子27から出力される。それ以外の部分の構成は、図1に示したY/C分離システムと同じであるので、重複説明を省略する。
輝度信号にクロマ信号成分が漏れ込むことによるドット妨害を抑制するためには、〔実施例1〕で説明したように、混合手段71,72及び73でのバンドパスフィルタ25の出力信号の混合比を高くして、コムフィルタ中の遅延線(1HDL)2の出力信号と混合手段71,72及び73の出力信号との差分を輝度信号Yとして出力することが望ましい。しかし、クロマ信号に輝度信号成分が漏れ込むことによるクロスカラーを抑制するためには、逆にバンドパスフィルタよりもコムフィルタのほうが好ましい。
そこで、このように、クロマ信号Cのほうは、混合手段71,72及び73でバンドパスフィルタ25の出力信号を混合する前の切換スイッチ26のの出力信号を用いることにより、ドット妨害が抑制されることに加えて、クロスカラーも抑制されるようになる。
次に、図6は、本発明を適用したY/C分離回路のさらに別の構成例を示すブロック図であり、図1に示したY/C分離システムと共通する部分には同一の符号を付している。
このY/C分離回路では、切換スイッチ26の他に、ゲインコントローラ75,76,77の出力信号X,Y,Wのみが入力する3入力1出力の切換スイッチ74が設けられている。この切換スイッチ74も演算部43によって制御されるが、演算部43は、切換スイッチ74に対しては、前出の表2に示したy/2 ≦ x ≦ 2 y の条件が満たされた場合には常に信号Wを選択させる。
そして、この切換スイッチ74の出力信号が、クロマ信号Cとして出力端子27から出力される。それ以外の部分の構成は、図1に示したY/C分離システムと同じであるので、重複説明を省略する。
〔実施例2〕で説明したように、クロマ信号に輝度信号成分が漏れ込むことによるクロスカラーを抑制するためには、バンドパスフィルタよりもコムフィルタのほうが好ましい。そこで、このように、クロマ信号Cのほうは全くバンドパスフィルタ25を用いずにコムフィルタのみを用いて分離することにより、クロスカラーが一層抑制されるようになる。
次に、図7は、本発明を適用したY/C分離回路のさらに別の構成例を示すブロック図であり、図1に示したY/C分離システムと共通する部分には同一の符号を付している。
このY/C分離回路は、PAL方式のコンポジットビデオ信号から輝度信号とクロマ信号とを分離するものであり、PAL方式ではカラーサブキャリアの位相が2水平期間毎に180°ずれることから、図1の遅延線2に代えて、入力コンポジットビデオ信号(Y+C)を順次1水平期間ずつ遅延させる遅延線(1HDL)2a及び2bが設けられるとともに、図1の遅延線3に代えて、遅延線2bの出力信号を順次1水平期間ずつ遅延させる遅延線3a及び3bが設けられている。それ以外の部分の構成は、図1に示したY/C分離システムと同じであるので、重複説明を省略する。
このY/C分離回路でも、〔実施例1〕で説明したのと全く同様にして、輝度信号の中高域成分のレベルが低く且つクロマ信号のレベルが徐々に変化する場合のドット妨害が抑制される。
なお、以上の例では、レベル検出部80で、クロマ信号のレベルと輝度信号のレベルとの差分が検出し、この差分が小さい場合には、図2のゲインコントローラ103の出力信号Chの値が1よりも十分に小さくなり、減算器105の出力信号(1−Yg)ではなくこの信号Chのほうが図2の最小値選択回路106で選択されて切換スイッチ108に入力するようになっている。しかし、輝度信号にカラーサブキャリアの中心周波数fscと同じ周波数の高域成分が含まれる可能性がないような場合(例えばVTRから出力されるコンポジットビデオ信号の場合等)には、このようにクロマ信号のレベルと輝度信号のレベルとの差分を検出することなく、信号(1−Yg)をそのまま図2の切換スイッチ108に入力させるようにしてもよい。
また、以上の例では、Y/C分離回路に、入力コンポジットビデオ信号の垂直相関性,水平相関性をそれぞれ検出する論理回路が設けられ、これらの論理回路の検出結果に基づいて演算部43で切換スイッチ26を制御するようになっている。しかし、これに限らず、水平相関性を検出する論理回路を設けず、垂直相関性を検出する論理回路の検出結果のみに基づいて演算部43で切換スイッチ26を制御するようにしてもよい。また、垂直相関性を検出する論理回路の構成や、演算部43での判別内容は、以上の各実施例に示したのとは異なるものであってもよい。
また、以上の例では、本発明によるY/C分離回路をテレビジョン受信機内に設けるものとして説明を行った。しかし、本発明によるY/C分離回路は、テレビジョン受信機以外の画像表示装置内や、DVDレコーダのような映像記録装置内に設けてもよいことはもちろんである。
1 入力端子、 2 遅延線、 3 遅延線、 4 減算器、 5 減算器、 6 バンドパスフィルタ、 8 バンドパスフィルタ、 10 バンドパスフィルタ、 11 加算器、 12 加算器、 25 バンドパスフィルタ、 26 切換スイッチ、 27 出力端子、 29 減算器、 30 出力端子、 43 演算部、 71 ゲインコントローラ、 72 ゲインコントローラ、 73 加算器、 74 切換スイッチ、 80 レベル検出部、 86 トラップフィルタ、 89 トラップフィルタ、 92 加算器、 93 加算器、 96 減算器、 100 加算器、 102 減算器、 105 減算器、 106 最小値選択回路、 108 切換スイッチ、 109 比較器、 110 比較器、 112 オア回路
Claims (7)
- 入力コンポジットビデオ信号を所定水平期間ずつ順次遅延させる第1,第2の遅延手段を含んだコムフィルタと、
前記入力コンポジットビデオ信号からカラーサブキャリア周波数の帯域の成分を取り出すバンドパスフィルタと、
前記コムフィルタの出力信号と前記バンドパスフィルタの出力信号とを切り換えて出力する切換手段と、
前記入力コンポジットビデオ信号の垂直相関性を検出する垂直相関検出手段と、
前記垂直相関検出手段の検出結果に基づいて前記切換手段を制御する演算手段と
を有するY/C分離回路において、
前記切換手段の出力信号と前記バンドパスフィルタの出力信号とを混合する混合手段と、
前記入力コンポジットビデオ信号,前記第1の遅延手段の出力信号,前記第2の遅延手段の出力信号に基づき、輝度信号の中高域成分のレベルを検出し、該中高域成分のレベルが低いほど前記バンドパスフィルタの出力信号の混合比が高くなるように前記混合手段を制御するレベル検出手段と
を備え、前記第1の遅延手段の出力信号と前記混合手段の出力信号との差分を輝度信号として出力するようにしたことを特徴とするY/C分離回路。 - 請求項1に記載のY/C分離回路において、
前記レベル検出手段は、カラーサブキャリア周波数以外の周波数成分のレベルを前記中高域成分のレベルとして検出するとともに、クロマ信号のレベルと輝度信号のレベルとの差分を検出し、該差分が小さい場合には、前記中高域成分のレベルが低くても、前記バンドパスフィルタの出力信号の混合比が低くなるように前記混合手段を制御することを特徴とするY/C分離回路。 - 請求項1に記載のY/C分離回路において、
前記レベル検出手段は、さらに、前記入力コンポジットビデオ信号及び前記第1の遅延手段の出力信号の加算結果と、前記第1の遅延手段の出力信号及び前記第2の遅延手段の出力信号の加算結果とに基づいて、クロマ信号の垂直方向の非相関性を検出し、該非相関性が一定以下である場合には、前記バンドパスフィルタの出力信号の混合比がゼロになるように前記混合手段を制御することを特徴とするY/C分離回路。 - 請求項1に記載のY/C分離回路において、
前記切換手段の出力信号をクロマ信号として出力することを特徴とするY/C分離回路。 - 請求項1に記載のY/C分離回路において、
前記コムフィルタの出力信号のみを切り換えて出力する第2の切換手段
をさらに備え、
前記演算手段は、前記垂直相関検出手段の検出結果に基づいて前記第2の切換手段をも制御し、
前記第2の切換手段の出力信号をクロマ信号として出力することを特徴とするY/C分離回路。 - 請求項1に記載のY/C分離回路において、
前記入力コンポジットビデオ信号の水平相関性を検出する水平相関検出手段
をさらに備え、
前記演算手段は、前記垂直相関検出手段及び前記水平相関検出手段の検出結果に基づいて前記切換手段を制御することを特徴とするY/C分離回路。 - 入力コンポジットビデオ信号から輝度信号とクロマ信号とを分離し、前記輝度信号及び前記クロマ信号を信号処理して画像を表示する画像表示装置において、
前記輝度信号とクロマ信号とを分離するY/C分離回路は、
入力コンポジットビデオ信号を所定水平期間ずつ順次遅延させる第1,第2の遅延手段を含んだコムフィルタと、
前記入力コンポジットビデオ信号からカラーサブキャリア周波数の帯域の成分を取り出すバンドパスフィルタと、
前記コムフィルタの出力信号と前記バンドパスフィルタの出力信号とを切り換えて出力する切換手段と、
前記入力コンポジットビデオ信号の垂直相関性を検出する垂直相関検出手段と、
前記垂直相関検出手段の検出結果に基づいて前記切換手段を制御する演算手段と、
前記切換手段の出力信号とバンドパスフィルタの出力信号とを混合する混合手段と、
前記入力コンポジットビデオ信号,前記第1の遅延手段の出力信号,前記第2の遅延手段の出力信号に基づいて輝度信号の中高域成分のレベルを検出し、該中高域成分のレベルが低いほど前記バンドパスフィルタの出力信号の混合比が高くなるように前記混合手段を制御するレベル検出手段と
を備え、前記第1の遅延手段の出力信号と前記混合手段の出力信号との差分を輝度信号として出力するようにしたことを特徴とする画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004110307A JP2005295397A (ja) | 2004-04-02 | 2004-04-02 | Y/c分離回路及び画像表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004110307A JP2005295397A (ja) | 2004-04-02 | 2004-04-02 | Y/c分離回路及び画像表示装置 |
Publications (1)
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JP2005295397A true JP2005295397A (ja) | 2005-10-20 |
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ID=35327810
Family Applications (1)
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JP2004110307A Pending JP2005295397A (ja) | 2004-04-02 | 2004-04-02 | Y/c分離回路及び画像表示装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005295397A (ja) |
-
2004
- 2004-04-02 JP JP2004110307A patent/JP2005295397A/ja active Pending
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