JP2005295057A - 電力増幅器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 出力特性を劣化させることなく、熱暴走対策と温度特性補償とを行える電力増幅器を提供する。
【解決手段】 並列接続されたヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)Q1〜Q3のベース端子にバイアス電圧を供給するために、抵抗RB1〜RB3と、ベース端子とコレクタ端子とが接続されたヘテロ接合バイポーラトランジスタQB1〜QB3とを設け、増幅用トランジスタQ1〜Q3の温度特性とバイアス発生用トランジスタQB1〜QB3の温度特性とを一致させる。このバイアス回路により、増幅用トランジスタQ1〜Q3の温度特性を補償することができる。また、抵抗RB1〜RB3の抵抗値を小さくできるので、出力電力の低下を抑え、コラプス現象の発生を抑えることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 並列接続されたヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)Q1〜Q3のベース端子にバイアス電圧を供給するために、抵抗RB1〜RB3と、ベース端子とコレクタ端子とが接続されたヘテロ接合バイポーラトランジスタQB1〜QB3とを設け、増幅用トランジスタQ1〜Q3の温度特性とバイアス発生用トランジスタQB1〜QB3の温度特性とを一致させる。このバイアス回路により、増幅用トランジスタQ1〜Q3の温度特性を補償することができる。また、抵抗RB1〜RB3の抵抗値を小さくできるので、出力電力の低下を抑え、コラプス現象の発生を抑えることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電力増幅器に関し、より特定的には、並列接続された複数のヘテロ接合バイポーラトランジスタによって構成される増幅回路を備えた電力増幅器に関する。
通信機器の発達に伴い、高周波高出力デバイスの需要が大幅に伸びている。特に、携帯電話では、電池駆動で高出力動作と長時間通話とを実現するために、高効率で動作する高出力デバイスが必要とされている。すなわち、内部での電力損失を極力抑え、印加された直流電力を効率良く高周波電力に変換する高出力デバイスが必要とされている。
このような需要に応える高出力デバイスには、GaAs半導体を用いた電界効果トランジスタが広く用いられている。また、近年、高出力デバイスにヘテロ接合バイポーラトランジスタ(Heterojunction Bipolar Transistor :以下、HBTともいう)を用いることが注目されている。HBTは、化合物半導体のヘテロ接合を利用したバイポーラトランジスタであり、優れた高周波特性と高電流駆動能力とを有する。
高周波高出力デバイスは、高周波の大電力を出力するために、半導体基板上に、並列接続された複数のトランジスタを備えている。図7は、特許文献1に記載された、複数のHBTを備えた電力増幅器の構成を示す回路図である。図7に示す電力増幅器9では、3個の増幅用トランジスタQ1〜Q3は、いずれも、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)である。これら増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子は、それぞれ、コンデンサCB1〜CB3を介して入力端子PINに接続される。
増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子には、所定のバイアス電圧が供給される。このバイアス電圧は、バイアス電源端子VBに印加された電圧を、抵抗RB0とバイアス発生用トランジスタQB0とで抵抗分割することにより生成される。バイアス発生用トランジスタQB0は、増幅用トランジスタQ1〜Q3と同じく、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)である。バイアス発生用トランジスタQB0のコレクタ端子とベース端子とは接続される。このため、バイアス発生用トランジスタQB0はダイオードとして機能する。
電力増幅器では、電源として与えられた直流電力の一部、あるいは、信号として出力される高周波電力の一部が、電力損失として熱に変換される。このため、複数のHBTを備えた電力増幅器では、各HBTで発生した熱が相互に干渉して、特定のHBTに熱が集中するために、熱が集中したHBTではコレクタ電流が増大する現象(以下、コラスプ現象という)が発生することがある。このようなコラプス現象が発生すると、すべてのHBTが均一に動作しなくなるので、利得の低下や電力効率の低下が生じ、場合によっては、素子の劣化や破壊などの原因にもなる。
電力増幅器9では、抵抗RB0およびバイアス発生用トランジスタQB0からなるバイアス回路と、増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子との間に、熱暴走を防止するための手段として、抵抗RB1〜RB3が挿入されている。また、バイアス発生用トランジスタQB0には、増幅用トランジスタQ1〜Q3と同じ温度特性を有するHBTが使用される。これにより、増幅用トランジスタQ1〜Q3の特性が温度によって変化しても、その変化分をバイアス回路の特性変化によって相殺することができる。したがって、電力増幅器9によれば、すべてのHBTを均一に動作させ、コラスプ現象の発生を抑えることができる。
米国特許第5608353号明細書
しかしながら、上記従来の電力増幅器では、各HBTのベース端子に直列に抵抗が挿入されている。このため、高出力動作時においてベース電流が増大したときに、この抵抗によってベース電位が低下し、出力電力が低下するという問題がある。
それ故に、本発明は、出力特性を劣化させることなく、熱暴走対策と温度特性補償とを行える電力増幅器を提供することを目的とする。
本発明の電力増幅器は、エミッタ端子が接地されており、ベース端子から入力された信号を増幅してコレクタ端子から出力する、並列接続された複数の増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタと、各増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタのベース端子にバイアス電圧を供給するバイアス回路とを備えている。バイアス回路は、各増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタのベース端子を電源端子に接続する電源側回路と、各増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタのベース端子と接地との間に設けられ、所定の方向に電流を通過させる複数の一方向性素子とを含んでいる。
一方向性素子としては、ベース端子とコレクタ端子とが接続されたヘテロ接合バイポーラトランジスタを使用することができる。このヘテロ接合バイポーラトランジスタは、増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタと同じ構造あるいは同じ温度特性を有することが好ましい。あるいは、一方向性素子として、ダイオードを使用することもできる。このダイオードは、増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタと同じ温度特性を有することが好ましい。
電源側回路としては、一端が電源端子に共通して接続され、他端が各増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタのベース端子に接続された複数の抵抗素子を含む回路を使用することができる。あるいは、電源側回路として、一端が電源端子に接続され、他端が各増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタのベース端子に接続された抵抗素子を含む回路や、各増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタのベース端子を、抵抗素子を介することなく電源端子に接続する回路を使用してもよい。
また、電力増幅器は、各増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタのベース端子に、入力信号の直流成分を除去する複数のコンデンサをさらに備えていてもよい。
本発明の電力増幅器によれば、電源側回路と各一方向性素子とで抵抗分割を行うことにより、各増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタのベース端子に供給されるバイアス電圧を個別に生成することができる。また、このバイアス回路により、増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタの温度特性補償を行うことができる。
また、バイアス電圧が印加されたときの一方向性素子の抵抗値は小さいので、これに応じて、電源側回路に含まれる抵抗の抵抗値を小さくすることができる。これにより、バイアス回路に含まれる抵抗によるベース電位の低下を抑え、出力電力の低下を抑えることができる。また、バイアス回路における熱の発生を抑え、コラスプ現象の発生を抑えることができる。
このように、本発明の電力増幅器によれば、出力特性を変化させることなく、熱暴走対策と温度特性補償とを行うことができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力増幅器の構成を示す回路図である。図1に示す電力増幅器1は、増幅用トランジスタQ1〜Q3と、コンデンサCB1〜CB3と、抵抗RB1〜RB3と、バイアス発生用トランジスタQB1〜QB3と、入力端子PINと、出力端子POUTと、バイアス電源端子VBとを備えている。このうち、抵抗RB1〜RB3とバイアス発生用トランジスタQB1〜QB3とはバイアス回路を構成し、増幅用トランジスタQ1〜Q3は増幅回路を構成する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力増幅器の構成を示す回路図である。図1に示す電力増幅器1は、増幅用トランジスタQ1〜Q3と、コンデンサCB1〜CB3と、抵抗RB1〜RB3と、バイアス発生用トランジスタQB1〜QB3と、入力端子PINと、出力端子POUTと、バイアス電源端子VBとを備えている。このうち、抵抗RB1〜RB3とバイアス発生用トランジスタQB1〜QB3とはバイアス回路を構成し、増幅用トランジスタQ1〜Q3は増幅回路を構成する。
入力端子PINからは、高周波信号(RF信号)が入力される。入力されたRF信号は、増幅用トランジスタQ1〜Q3によって構成される増幅回路で増幅され、増幅された信号が、出力端子POUTから出力される。バイアス回路は、バイアス電源端子VBに印加された電圧に基づき、増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子にバイアス電圧を供給する。
増幅用トランジスタQ1〜Q3は、いずれも、導電型がNPN型のヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)である。増幅用トランジスタQ1〜Q3は、並列接続された状態で、入力端子PINから出力端子POUTに至る経路上に設けられる。より詳細には、増幅用トランジスタQ1〜Q3のエミッタ端子は、いずれも接地される。また、増幅用トランジスタQ1〜Q3のコレクタ端子は、いずれも出力端子POUTに接続される。さらに、増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子は、それぞれ、コンデンサCB1〜CB3を介して、入力端子PINに接続される。コンデンサCB1〜CB3は、入力されたRF信号の直流成分を除去し、増幅用トランジスタQ1〜Q3は、ベース端子から入力された信号(より詳細には、ベース端子から入力された信号から直流成分を除去した信号)を増幅してコレクタ端子から出力する。なお、増幅用トランジスタQ1〜Q3はHBTであるために、温度が上昇すると、増幅用トランジスタQ1〜Q3の出力電流は増加する。
抵抗RB1〜RB3とバイアス発生用トランジスタQB1〜QB3とによって構成されるバイアス回路は、増幅用トランジスタQ1〜Q3の1つ1つに対して個別にバイアス電圧を生成する。バイアス発生用トランジスタQB1〜QB3は、増幅用トランジスタQ1〜Q3と同じく、いずれも、導電型がNPN型のヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)である。本実施形態では、バイアス発生用トランジスタQB1〜QB3として、増幅用トランジスタQ1〜Q3と同じ構造を有するHBTを使用する。同じ構造を有するHBTを使用した場合、バイアス発生用トランジスタQB1〜QB3の温度特性は、増幅用トランジスタQ1〜Q3の温度特性と一致する。
増幅用トランジスタQ1のベース端子に供給されるバイアス電圧は、バイアス電源端子VBに印加された電圧を、抵抗RB1とバイアス発生用トランジスタQB1とで抵抗分割することにより生成される。より詳細には、バイアス電源端子VBと増幅用トランジスタQ1のベース端子との間には、抵抗RB1が設けられ、増幅用トランジスタQ1のベース端子と接地との間には、バイアス発生用トランジスタQB1が設けられる。バイアス発生用トランジスタQB1のエミッタ端子は接地され、ベース端子とコレクタ端子とは、いずれも増幅用トランジスタQ1のベース端子に接続される。ベース端子とコレクタ端子とが接続されたバイアス発生用トランジスタQB1は、ダイオードとして機能する。
同様に、増幅用トランジスタQ2のベース端子に供給されるバイアス電圧は、抵抗RB2とバイアス発生用トランジスタQB2との抵抗分割により生成され、増幅用トランジスタQ3のベース端子に供給されるバイアス電圧は、抵抗RB3とバイアス発生用トランジスタQB3との抵抗分割により生成される。このように、増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子に供給されるバイアス電圧は、一端がバイアス電源端子VBに共通して接続され、他端が増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子のそれぞれに接続された抵抗RB1〜RB3を含む電源側回路と、増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子と接地との間に設けられ、ダイオードとして機能するバイアス発生用トランジスタQB1〜QB3とによって生成される。
図2は、ダイオードとして機能するバイアス発生用トランジスタQB1〜QB3の電圧−抵抗特性を示す図である。図2において、横軸は電圧、縦軸は抵抗を表す。図2に示すように、バイアス発生用トランジスタQB1〜QB3の抵抗は、電圧がある値(図2では、約1.25V;以下、境界値という)よりも小さい間は電圧に比例して増大するが、電圧が境界値を超えると急激に低下する。通常のA級またはAB級の電力増幅器では、増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子には、境界値よりも高いバイアス電圧(図2に示すバイアス電圧Vb)が供給される。
図3は、図2に示す電圧−抵抗特性が温度によって変動する様子を示す図である。図3に示すように、温度が上昇すると、電圧−抵抗間の関係を示す特性曲線は左側に移動し、これに伴い、バイアス電圧Vbを印加したときの抵抗値は減少する。例えば、低温時、中温時および高温時の抵抗値をそれぞれRL、RMおよびRHとしたときに、これら3つの抵抗値は、RL、RM、RHの順に小さくなる。
このように、電力増幅器1では、温度が上昇すると、バイアス発生用トランジスタQB1〜QB3の抵抗は減少する。また、増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子に供給されるバイアス電圧は、それぞれ、抵抗RB1〜RB3とバイアス発生用トランジスタQB1〜QB3との抵抗分割によって生成され、バイアス発生用トランジスタQB1〜QB3は、各抵抗分割回路の接地側に設けられている。したがって、温度が上昇すると、増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子に供給されるバイアス電圧は低下する。このように、バイアス回路は、温度が上昇したときに出力電流を減少させる作用を有する。よって、このバイアス回路により、増幅用トランジスタQ1〜Q3の温度特性を補償することができる。
また、バイアス電源Vbが印加されたときのバイアス発生用トランジスタQB1〜QB3の抵抗値は、比較的小さな値となる。このため、バイアス発生用トランジスタQB1〜QB3と共に抵抗分割回路を構成する抵抗RB1〜RB3の抵抗値を、従来の電力増幅器(図7)よりも小さくすることができる。したがって、抵抗RB1〜RB3によるベース電位の低下を抑え、出力電力の低下を抑えることができる。また、抵抗RB1〜RB3における熱の発生を抑え、コラプス現象の発生を抑えることができる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る電力増幅器の構成を示す回路図である。図4に示す電力増幅器2は、増幅用トランジスタQ1〜Q3と、コンデンサCB1〜CB3と、抵抗RB0と、バイアス発生用トランジスタQB1〜QB3と、入力端子PINと、出力端子POUTと、バイアス電源端子VBとを備えている。本実施形態の構成要素のうち、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る電力増幅器の構成を示す回路図である。図4に示す電力増幅器2は、増幅用トランジスタQ1〜Q3と、コンデンサCB1〜CB3と、抵抗RB0と、バイアス発生用トランジスタQB1〜QB3と、入力端子PINと、出力端子POUTと、バイアス電源端子VBとを備えている。本実施形態の構成要素のうち、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
電力増幅器2では、抵抗RB0とバイアス発生用トランジスタQB1〜QB3とが、バイアス回路を構成する。抵抗RB0の一端は、バイアス電源端子VBに接続され、抵抗RB0の他端は、抵抗を介することなく、増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子に接続される。
電力増幅器2では、増幅用トランジスタQ1のベース端子に供給されるバイアス電圧は、バイアス電源端子VBに印加された電圧を、抵抗RB0とバイアス発生用トランジスタQB1とで抵抗分割することにより生成される。同様に、増幅用トランジスタQ2のベース端子に供給されるバイアス電圧は、抵抗RB0とバイアス発生用トランジスタQB2との抵抗分割により生成され、増幅用トランジスタQ3のベース端子に供給されるバイアス電圧は、抵抗RB0とバイアス発生用トランジスタQB3との抵抗分割により生成される。このように、増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子に供給されるバイアス電圧は、一端がバイアス電源端子VBに接続され、他端が増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子に接続された抵抗RB0を含む電源側回路と、増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子と接地との間に設けられ、ダイオードとして機能するバイアス発生用トランジスタQB1〜QB3とによって生成される。
このように電力増幅器2は、第1の実施形態に係る電力増幅器1において抵抗RB1〜RB3を抵抗RB0に置換したものであり、第1の実施形態に係る電力増幅器1と同様に動作する。したがって、電力増幅器2に含まれるバイアス回路により、増幅用トランジスタQ1〜Q3の温度特性を補償することができる。また、抵抗RB0の抵抗値を小さくすることにより、出力電力の低下を抑え、コラプス現象の発生を抑えることができる。
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係る電力増幅器の構成を示す回路図である。図5に示す電力増幅器3は、増幅用トランジスタQ1〜Q3と、コンデンサCB1〜CB3と、バイアス発生用トランジスタQB1〜QB3と、入力端子PINと、出力端子POUTと、バイアス電源端子VBとを備えている。本実施形態の構成要素のうち、第2の実施形態と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る電力増幅器の構成を示す回路図である。図5に示す電力増幅器3は、増幅用トランジスタQ1〜Q3と、コンデンサCB1〜CB3と、バイアス発生用トランジスタQB1〜QB3と、入力端子PINと、出力端子POUTと、バイアス電源端子VBとを備えている。本実施形態の構成要素のうち、第2の実施形態と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
電力増幅器3では、配線Wとバイアス発生用トランジスタQB1〜QB3とが、バイアス回路として機能する。増幅用トランジスタQ1〜Q3のゲート端子は、抵抗を介することなく、配線Wによってバイアス電源端子VBに接続される。このため、バイアス電源端子VBに印加された電圧が、そのままバイアス電圧として増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子に供給される。
このように電力増幅器3は、第2の実施形態に係る電力増幅器2から抵抗RB0を除去したものであり、バイアス電源端子VBに印加された電圧がそのままバイアス電圧となる点を除き、第2の実施形態に係る電力増幅器2と同様に動作する。したがって、電力増幅器3に含まれるバイアス回路により、増幅用トランジスタQ1〜Q3の温度特性を補償することができる。また、バイアス回路に含まれる抵抗を除去することにより、出力電力の低下を抑え、コラプス現象の発生を抑えることができる。
以上に示すように、第1〜第3の実施形態に係る電力増幅器によれば、出力特性を劣化させることなく、熱暴走対策と温度特性補償とを行うことができる。
上記各実施形態に係る電力増幅器は、半導体基板上に形成される。図6は、第2の実施形態に係る電力増幅器2を、半導体基板上にレイアウトした結果を示す図である。図6には、電力増幅器2の構成要素(増幅用トランジスタQ1〜Q3と、コンデンサCB1〜CB3と、抵抗RB0と、バイアス発生用トランジスタQB1〜QB3と、入力端子PINと、出力端子POUTと、バイアス電源端子VB)に加えて、ビアホールVHと、配線W11〜W14、W21、W22、W3と、コンタクトCNとが描かれている。なお、図6では、図面の理解を容易にするため、配線W13の一部(増幅用トランジスタQ1のベース電極を覆う部分)と、配線W14の一部(増幅用トランジスタQ1のコレクタ電極を覆う部分)と、配線W22の一部(バイアス発生用トランジスタQB1、QB2を覆う部分)と、W3の一部(増幅トランジスタQ1のエミッタ電極を覆う部分)とが省略されている。
図6において、配線W11〜W14は第1配線層の配線であり、配線W21、W22は第2配線層の配線である。異なる配線層の配線を接続する箇所には、コンタクトCNが設けられる。増幅用トランジスタQ1〜Q3およびバイアス発生用トランジスタQB1〜QB3は、それぞれ、ベース電極を1個、エミッタ電極を2個、コレクタ電極を2個備えている。増幅用トランジスタQ1とバイアス発生用トランジスタQB1とは、近接して配置される。同様に、増幅用トランジスタQ2、Q3とバイアス発生用トランジスタQB2、QB3も、それぞれ、近接して配置される。
バイアス発生用トランジスタQB1〜QB3のコレクタ端子およびベース端子と、増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子とは、配線W13に接続される。配線W13は、コンデンサCB1〜CB3を介して、入力端子PINに接続されるとともに、抵抗RB0を介して、バイアス電源端子VBに接続される。また、増幅用トランジスタQ1〜Q3のコレクタ端子は配線W14に接続され、配線W14は出力端子POUTに接続される。さらに、バイアス発生用トランジスタQB1〜QB3のエミッタ端子と、増幅用トランジスタQ1〜Q3のエミッタ端子とは、配線W3に接続され、バイアス発生用トランジスタQB1〜QB3のエミッタ端子は、配線W22にも接続される。配線W22は、ビアホールVHに接続され、ビアホールVHを経由して、半導体基板の裏面に設けられた接地(グランド)に接続される。
これにより、入力端子PINから入力されたRF信号は、コンデンサCB1〜CB3を経由して、増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子に入力され、増幅用トランジスタQ1〜Q3で増幅された信号が、出力端子POUTから出力される。また、抵抗RB0とバイアス発生用トランジスタQB1〜QB3とによって構成されるバイアス回路により、増幅用トランジスタQ1〜Q3のベース端子に所定のバイアス電圧が供給される。このようにして、第2の実施形態に係る電力増幅器2を得ることができる。また、図6に示すレイアウト結果から、抵抗RB0を除去することにより、第3の実施形態に係る電力増幅器3を得ることができ、抵抗RB0を除去し、配線W21上に抵抗RB1〜RB3を設けることにより、第1の実施形態に係る電力増幅器1を得ることができる。
なお、上記各実施形態では、増幅用トランジスタQ1〜Q3およびバイアス発生用トランジスタQB1〜QB3として、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)を使用することとしたが、これに代えて、HBT以外の任意の種類のバイポーラトランジスタを使用してもよい。また、上記各実施形態では、バイアス回路の接地側に、ベース端子とエミッタ端子とが接続されたバイアス発生用トランジスタQB1〜QB3を設けることとしたが、これに代えて、バイアス回路の接地側に、増幅用トランジスタQ1〜Q3と同じ温度特性を有するダイオードを設けてもよい。また、上記各実施形態では、電力増幅器は3個のHBTを備えることとしたが、これに代えて、2個あるいは4個以上のHBTを備えていてもよい。このような各種の変形例に係る電力増幅器が、上記各実施形態に係る電力増幅器と同じ効果を奏することは言うまでもない。
本発明の電力増幅器は、出力特性を劣化させることなく、熱暴走対策と温度特性補償とを行うことができるという特徴を有するので、無線通信機器に含まれる高周波高出力デバイスなどに利用することができる。
1、2、3…電力増幅器
Q1〜Q3…増幅用トランジスタ
QB1〜QB3…バイアス発生用トランジスタ
RB0〜RB3…抵抗
CB1〜CB3…コンデンサ
VB…バイアス電源端子
PIN…入力端子
POUT…出力端子
W11〜W14、W21、W22、W3…配線
VH…ビアホール
Q1〜Q3…増幅用トランジスタ
QB1〜QB3…バイアス発生用トランジスタ
RB0〜RB3…抵抗
CB1〜CB3…コンデンサ
VB…バイアス電源端子
PIN…入力端子
POUT…出力端子
W11〜W14、W21、W22、W3…配線
VH…ビアホール
Claims (10)
- 複数のヘテロ接合バイポーラトランジスタを備えた電力増幅器であって、
エミッタ端子が接地されており、ベース端子から入力された信号を増幅してコレクタ端子から出力する、並列接続された複数の増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタと、
各前記増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタのベース端子にバイアス電圧を供給するバイアス回路とを備え、
前記バイアス回路は、
各前記増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタのベース端子を電源端子に接続する電源側回路と、
各前記増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタのベース端子と接地との間に設けられ、所定の方向に電流を通過させる複数の一方向性素子とを含むことを特徴とする、電力増幅器。 - 前記一方向性素子が、ベース端子とコレクタ端子とが接続されたヘテロ接合バイポーラトランジスタであることを特徴とする、請求項1に記載の電力増幅器。
- 前記一方向性素子を構成するヘテロ接合バイポーラトランジスタが、前記増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタと同じ構造を有することを特徴とする、請求項2に記載の電力増幅器。
- 前記一方向性素子を構成するヘテロ接合バイポーラトランジスタが、前記増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタと同じ温度特性を有することを特徴とする、請求項2に記載の電力増幅器。
- 前記一方向性素子が、ダイオードであることを特徴とする、請求項1に記載の電力増幅器。
- 前記一方向性素子を構成するダイオードが、前記増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタと同じ温度特性を有することを特徴とする、請求項5に記載の電力増幅器。
- 前記電源側回路は、一端が前記電源端子に共通して接続され、他端が各前記増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタのベース端子に接続された複数の抵抗素子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の電力増幅器。
- 前記電源側回路は、一端が前記電源端子に接続され、他端が各前記増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタのベース端子に接続された抵抗素子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の電力増幅器。
- 前記電源側回路は、各前記増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタのベース端子を、抵抗素子を介することなく前記電源端子に接続することを特徴とする、請求項1に記載の電力増幅器。
- 各前記増幅用ヘテロ接合バイポーラトランジスタのベース端子に、入力信号の直流成分を除去する複数のコンデンサをさらに備えた、請求項1に記載の電力増幅器。
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