JP2005294657A - 回路パターンの形成方法及びこの方法で形成された回路基板並びにこの回路パターンの形成方法に用いられるペースト - Google Patents

回路パターンの形成方法及びこの方法で形成された回路基板並びにこの回路パターンの形成方法に用いられるペースト Download PDF

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Abstract

【課題】 回路パターンの形成工数を低減するとともに、回路パターンをファインラインでしかもファインピッチに形成する。
【解決手段】 非導電性基板11上に回路パターン12を形成するには、先ず平均粒径200nm以下の金属粒子0.001〜80重量%を分散した水系ペースト又は有機溶媒系ペーストをマスクレス印刷法により非導電性基板11に塗布して所定のパターンのコーティング膜を形成する。次いでコーティング膜を乾燥した後に金属粒子の活性化処理を行って金属粒子からなる薄膜13を形成する。次に薄膜13を形成する金属粒子を核として無電解めっき法により薄膜の表面に無電解めっき層14を析出させる。更に無電解めっき層14上に電解めっき法により電解めっき層16を析出させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回路基板を製造する際の基板に回路パターンを形成する方法と、この方法で形成された回路基板と、この回路パターンの形成方法に用いられるペーストに関するものである。
従来、回路パターンの形成方法として、先ず大気中100〜1200℃の温度で加熱することにより金属に還元される金属酸化物を均一に分散してなるペーストを非導電性基板に塗布してコーティング膜を形成し、次にこのコーティング膜中に含まれる上記金属酸化物を大気中上記温度で熱処理することにより金属に還元し、更にこの還元された金属を核として無電解めっきを析出させる回路パターンの形成方法(例えば、特許文献1参照。)が開示されている。この回路パターンの形成方法では、基板に所定のパターンでコーティング膜を形成するために、フルアディティブ法、セミアディティブ法或いはサブトラクト法が用いられる。フルアディティブ法は、スクリーン印刷法などにより基板に直接パターンを描き熱処理後に無電解めっきを行う方法である。またセミアディティブ法は、スピンコーターやディッピングなどにより基板全面にペーストを塗布、熱処理後、エッチングによりパターンを形成し、無電解めっきを行う方法である。更にサブトラクト法は、スピンコーターやディッピングなどにより基板全面にペーストを塗布、熱処理後、無電解めっき、必要に応じて更に電気めっきを行い、エッチングによりパターンを形成する方法である。
このように構成された回路パターンの形成方法では、大気中で加熱することにより金属に還元される金属酸化物微粉末を均一に分散させたペーストで形成したコーティング膜を熱処理した後に無電解めっきを行うことにより、ペースト切れ、ペースト垂れを起こすことなく、回路パターンをファインラインでしかもファインピッチに形成できるようになっている。
特開平8−167768号公報(請求項1、段落[0027])
しかし、上記従来の特許文献1に示された回路パターンの形成方法では、フルアディティブ法、セミアディティブ法或いはサブトラクト法を用いており、いずれも露光用のマスクを必要とするため、回路パターンの形成工数が増大する不具合があった。
また、上記従来の特許文献1に示された回路パターンの形成方法では、無電解めっき法により厚さ数十μmの回路パターンを形成しようとすると、長時間を要する問題点があった。
更に、上記従来の特許文献1に示された回路パターンの形成方法では、コーティング中に含まれる金属酸化物として、酸化Pd(II)(PdO)を用いると、熱処理温度を700℃以上の高温にしなければならず、有機プラスチック系材料の基板には使用できない問題点があるとともに、還元時に金属粒子の非導電性基板への密着性が低下する問題点もあった。
本発明の第1の目的は、回路パターンの形成工数を低減できるとともに、回路パターンをファインラインでしかもファインピッチに形成できる、回路パターンの形成方法及びこの方法で形成された回路基板並びにこの回路パターンの形成方法に用いられるペーストを提供することにある。
本発明の第2の目的は、無電解めっき法に加えて電解めっき法を用いることにより、比較的短時間で回路パターンを形成できる、回路パターンの形成方法及びこの方法で形成された回路基板を提供することにある。
本発明の第3の目的は、金属粒子がPd、Pt、Au、Ag又はNiのどれであっても、有機プラスチック系材料の非導電性基板に回路パターンを形成できる、回路パターンの形成方法及びこの方法で形成された回路基板を提供することにある。
本発明の第4の目的は、薄膜の非導電性基板への密着強度を増大できる、回路パターンの形成方法及びこの方法で形成された回路基板を提供することにある。
請求項1に係る発明は、図1に示すように、平均粒径200nm以下の金属粒子0.001〜80重量%を分散した水系ペースト又は有機溶媒系ペーストをマスクレス印刷法により非導電性基板11に塗布して所定のパターンのコーティング膜を形成する工程と、コーティング膜中の金属粒子の活性化処理を行うことにより金属粒子からなる薄膜13を形成する工程と、この薄膜13を形成する金属粒子を核として無電解めっき法により薄膜13の表面に無電解めっき層14を析出させる工程とを含む回路パターンの形成方法である。
この請求項1に記載された回路パターンの形成方法では、露光用のマスクを用いないため、露光のための多くの工数を省略でき、回路パターン12の形成工数を低減できる。またコーティング膜をインクジェット印刷法等のマスクレス印刷法により塗布したので、回路パターン12をファインラインでしかもファインピッチに形成できる。更に金属粒子として貴金属を用いてもその使用量が極めて少ないため、製造コストを低減できる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、更に金属粒子の活性化処理が、大気中で100〜300℃に0.5〜30分間保持する処理、pH0〜4の酸性水溶液に0.2〜10分間浸漬した後に乾燥する処理、或いは有機溶媒に0.2〜10分間浸漬した後に乾燥する処理のいずれかであることを特徴とする。
この請求項2に記載された回路パターンの形成方法では、金属粒子の活性処理が加熱する処理である場合、その加熱処理の温度が100〜300℃以下であるので、有機プラスチック系材料の非導電性基板が溶けることなく基板に回路パターンを形成できる。また金属粒子の活性処理が酸洗い後乾燥する処理である場合、有機プラスチック系材料の非導電性基板として酸に溶けない材質のものを用いることにより、基板が溶けることなく基板に回路パターンを形成できる。更に金属粒子の活性処理が有機溶媒で洗浄後乾燥処理である場合、有機プラスチック系材料の非導電性基板として有機溶媒に溶けない材質のものを用いることにより、基板が溶けることなく基板に回路パターンを形成できる。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、更に図1に示すように、無電解めっき層14上に電解めっき法により電解めっき層16を析出させる工程を更に含むことを特徴とする。
この請求項3に記載された回路パターンの形成方法では、無電解めっき法により導通を確保できる程度の比較的薄い無電解めっき層14を析出させた後に、無電解めっき法より単位時間当りの析出量の多い電解めっき法により比較的厚い電解めっき層16を析出させたので、比較的短時間で厚い回路パターン12を形成できる。
また金属粒子はPd、Pt、Au、Ag及びNiからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素であることが好ましい。
更に無電解めっき層はNi−P、Ni−B又はCuの析出により形成されることが好ましく、電解めっき層はCu、Ni、Ag又はAuの析出により形成されることが好ましい。
請求項7に係る発明は、請求項1に係る発明であって、更に図1に示すように、非導電性基板11のうち少なくとも水系ペースト又は有機溶媒系ペーストを塗布する部位が粗面化されたことを特徴とする。
この請求項7に記載された回路パターンの形成方法では、非導電性基板11の粗面化する、即ち非導電性基板11の表面粗さを大きくしたので、水系ペースト又は有機溶媒系ペーストが基板11表面の凹凸内に入り込んでコーティング膜が基板11表面の凹凸に食い込む。
請求項8に係る発明は、図1に示すように、請求項1ないし7いずれか1項に記載の方法により形成された回路パターン12を有する回路基板である。
この請求項8に記載された回路基板では、回路パターン12の形成工数を低減できるとともに、回路パターン12をファインラインでしかもファインピッチに形成できる。また無電解めっき法に加えて電解めっき法を用いることにより、比較的短時間で回路パターン12を形成できるとともに、金属粒子がPd、Pt、Au、Ag又はNiのどれかであっても、有機プラスチック系材料の非導電性基板11に回路パターン12を形成でき、更に薄膜13の非導電性基板11への密着強度を増大できる。
請求項9に係る発明は、図1に示すように、請求項1ないし7いずれか1項に記載の回路パターン12の形成方法に用いられる水系ペーストである。
請求項10に係る発明は、図1に示すように、請求項1ないし7いずれか1項に記載の回路パターン12の形成方法に用いられる有機溶媒系ペーストである。
この請求項9又は10に記載された水系ペースト又は有機溶媒系ペーストは、露光用のマスクを用いないインクジェット印刷法等のマスクレス印刷法に使用できるので、回路パターン12の形成工数を低減できるとともに、回路パターン12をファインラインでしかもファインピッチに形成できる。
以上述べたように、本発明によれば、平均粒径200nm以下の金属粒子0.001〜80重量%を分散した水系ペースト又は有機溶媒系ペーストをマスクレス印刷法により非導電性基板に塗布して所定のパターンのコーティング膜を形成し、コーティング膜中の金属粒子の活性化処理を行うことにより金属粒子からなる薄膜を形成し、更に薄膜を形成する金属粒子を核として無電解めっき法により薄膜の表面に無電解めっき層を析出させるので、多くの工数を要する露光用のマスクを用いずに回路パターンを形成できる。この結果、回路パターンの形成工数を低減できる。またコーティング膜をマスクレス印刷法により塗布したので、回路パターンをファインラインでしかもファインピッチに形成できるとともに、金属粒子として貴金属を用いてもその使用量が極めて少ないため、製造コストを低減できる。
また金属粒子の活性化処理が100〜300℃の加熱処理であれば、金属粒子としてPd、Pt、Au、Ag又はNiのどれかを用いても、有機プラスチック系材料の非導電性基板が溶けることなく基板に回路パターンを形成でき、金属粒子の活性化処理が酸洗い後乾燥する処理又は有機溶媒で洗浄後乾燥する処理であれば、有機プラスチック系材料の非導電性基板として酸又は有機溶媒に溶けない材質のものを用いることにより、基板が溶けることなく基板に回路パターンを形成できる。
また無電解めっき層上に電解めっき法により電解めっき層を析出させれば、比較的薄い無電解めっき層を析出させた後に、無電解めっき法より単位時間当りの析出量の多い電解めっき法により比較的厚い電解めっき層を析出させることができるので、比較的短時間で厚い回路パターンを形成できる。
また非導電性基板のうち少なくとも水系ペースト又は有機溶媒系ペーストを塗布する部位を粗面化すれば、即ち基板の表面粗さを大きくすれば、水系ペースト又は有機溶媒系ペーストが基板の凹凸内に入り込んでコーティング膜が基板の凹凸に食い込む。この結果、薄膜の非導電性基板への密着強度を増大できる。
また上記方法により形成された回路パターンを有する回路基板では、回路パターンの形成工数を低減でき、回路パターンをファインラインでしかもファインピッチに形成できるとともに、比較的短時間で回路パターンを形成でき、有機プラスチック系材料の非導電性基板に回路パターンを形成でき、薄膜の非導電性基板への密着強度を増大できるという効果を奏する。
更に上記回路パターンの形成方法に用いられる水系ペースト又は有機溶媒系ペーストは、露光用のマスクを用いないインクジェット印刷法等のマスクレス印刷法に使用できる。この結果、回路パターンの形成工数を低減できるとともに、回路パターンをファインラインでしかもファインピッチに形成できる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、非導電性基板11に回路パターン12を形成するには、先ず平均粒径200nm以下、好ましくは1〜10nmの金属粒子0.001〜80重量%、好ましくは1〜40重量%、更に好ましくは20〜30重量%を分散した水系ペーストを用意する。非導電性基板11としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等の有機プラスチック系板や、アルミナ、窒化アルミ、窒化ケイ素等のセラミック板や、ガラス板などが挙げられる。また非導電性基板11のうちコーティング膜を形成する面の表面粗さは算術平均高さ(Ra)で0.05〜5μm、好ましくは0.1〜0.5μmの範囲であることが好ましい。ここで、非導電性基板11のうちコーティング膜を形成する面の表面粗さを算術平均高さ(Ra)で0.05〜5μmの範囲に限定したのは、0.05μm未満ではコーティング膜が基板表面の凹凸に食い込まず、5μmを越えると断線し易いからである。上記金属粒子は、Pd、Pt、Au、Ag及びNiからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素であることが好ましい。また金属粒子の平均粒径を200nm以下に限定したのは、200nmを越えると非導電性基板11への密着力が低下するからである。更に上記水系ペースト100重量%中の金属粒子の割合を0.001〜80重量%の範囲に限定したのは、0.001重量%未満では金属粒子が少なく過ぎて金属粒子からなる薄膜13を形成できず、80重量%を越えると粘度が高すぎてインクジェット印刷法で所定のパターンにコーティングできないからである。
次いで上記水系ペーストをマスクレス印刷法であるインクジェット印刷法により非導電性基板11に塗布して、所定のパターンのコーティング膜を形成する。水系ペーストは、N−ビニル−2−ピロリドン、クエン酸ナトリウム等の分散媒に、上記金属粒子を分散したコロイド溶液であることが好ましい。またインクジェット法とは、市販のインクジェットプリンタのインクカートリッジに上記水系ペーストを印刷用インクとして充填し、非導電性基板11上にインクジェット印刷する方法である。このように水系ペーストをインクジェット法により印刷することにより、露光用のマスクを用いないため、露光のための多くの工数を省略でき、回路パターン12の形成工数を低減できるとともに、回路パターン12をファインラインでしかもファインピッチに形成できる。なお、この実施の形態では、マスクレス印刷法としてインクジェット印刷法を挙げたが、直接描画印刷装置(ダイレクトイメージング装置)である米国NanoInk社のディップペン・ナノリソグラフィ・システムを用いて、分子インクによりナノスケールパターンを非導電性基板11上に直接描画する方法(直接描画法)でもよい。また、この実施の形態では、金属粒子を分散させるために水系ペーストを用いたが、ペーストの乾燥速度を速くしたい場合には、n−ブタノール、α−テルピネオールなどの有機溶媒を用いてもよい。
次に上記コーティング膜中の金属粒子の活性化処理を行うことにより金属粒子からなる薄膜13を形成する(図1(a))。金属粒子の活性化処理は、この実施の形態では、大気中で100〜300℃、好ましくは120〜250℃に0.5〜30分間、好ましくは1〜15分間保持する加熱処理である。ここで、加熱温度を100〜300℃の範囲に限定したのは、100℃未満では上記分散媒が完全に揮発せず、300℃を越えると有機プラスチック系の非導電性基板11を用いた場合この基板11が溶けてしまうからである。また加熱時間を0.5〜30分間の範囲に限定したのは、0.5分間未満では分散媒が完全に揮発せず、30分間を越えると生産効率が低下するからである。上記薄膜13の厚さは30〜200nmと極めて薄いため、金属粒子として貴金属を用いてもその使用量が極めて少なく、製造コストを低減できる。
更に上記薄膜13を形成する金属粒子を核として無電解めっき法により薄膜13の表面に、厚さ0.1〜2μmの無電解めっき層14を析出させた後に(図1(b))、無電解めっき層14上に電解めっき法により厚さ10〜80μmの電解めっき層16を析出させる(図1(c))。上記無電解めっき層14は、ニッケルイオン又は銅イオンを含む水溶液に、還元剤として次亜リン酸ナトリウム又はホウ水素化ナトリウムを加え、この水溶液中に非導電性基板11を浸漬して90〜100℃に加熱して、非導電性基板11の薄膜13上にNi−P、Ni−B又はCuを析出させることにより形成される。ここで、薄膜13が分散媒の除去された金属粒子のみからなるため、薄膜13と無電解めっき層14との導電性を良好にすることができるとともに、薄膜13への無電解めっき層14の密着強度を向上できる。一方、上記電解めっき層16は、銅イオン、ニッケルイオン、銀イオン又は金イオンを含む水溶液中に、カソードとして非導電性基板11を浸漬し、アノードとして適当な可溶性又は不溶性の導電板を浸漬し、これらに直流電流を流して、非導電性基板11の無電解めっき層14上にCu、Ni、Ag又はAuを析出させることにより形成される。上記無電解めっき法にて導通を確保できる程度の比較的薄い(0.1〜2μm)無電解めっき層14を析出させた後に、無電解めっき法より単位時間当りの析出量の多い電解めっき法にて比較的厚い(10〜80μm)電解めっき層16を析出させることにより、比較的短時間で厚さ数十μmと厚い回路パターン12を形成できる。
<第2の実施の形態>
図2は本発明の第2の実施の形態を示す。図2において図1と同一符号は同一部品を示す。
この実施の形態では、金属粒子53a同士が接触したり或いは金属粒子53a同士が僅かに離れた状態で非導電性基板11上にほぼ均一に並ぶことにより、金属粒子53aからなる薄膜53が形成される(図2(a))。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
このように形成された回路パターン52では、薄膜53を形成するための金属粒子53aの量が第1の実施の形態より更に少なくすることができるため、金属粒子53aとして貴金属を用いた場合、製造コストを第1の実施の形態より低減できる。上記以外の作用及び効果は第1の実施の形態の作用及び効果と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
なお、上記第1及び第2の実施の形態では、金属粒子の活性化処理として、大気中で100〜300℃に0.5〜30分間保持する加熱処理を挙げたが、pH0〜4、好ましくはpH1〜2の塩酸、硫酸、硝酸等の酸性水溶液に0.2〜10分間、好ましくは2〜5分間浸漬してペースト中の分散媒を酸性水溶液に溶解した後に乾燥して蒸発させる処理でもよく、或いはアセトン、エタノールなどの有機溶媒に0.2〜10分間、好ましくは2〜5分間浸漬してペースト中の分散媒を有機溶媒に溶解した後に乾燥して蒸発させる処理でもよい。これらの酸洗い後乾燥する処理や有機溶媒で洗浄後乾燥する処理の場合、エポキシ、ポリイミド等の酸や有機溶媒に溶けない有機プラスチック系材料により形成された非導電性基板を用いれば、基板が溶けることなく基板に回路パターンを形成できる。また薄膜が分散媒の除去された金属粒子のみからなるため、薄膜と無電解めっき層との導電性を良好にすることができるとともに、薄膜への無電解めっき層の密着強度を向上できる。ここで、酸性水溶液のpHを0〜4の範囲に限定したのは、pH4を越えると分散媒を速やかに除去できないからである。また非導電性基板の酸性水溶液又は有機溶媒への浸漬時間を0.5〜30分間の範囲に限定したのは、0.5分未満では分散媒を完全に除去できず、30分を越えると生産効率が低下するからである。
次に本発明の実施例を詳しく説明する。
<実施例1>
先ず原料としてH2PdCl4を用い、湿式法により平均粒径2nmのPdの金属粒子を作製した後、この金属粒子を5重量%分散したコロイド溶液(分散媒:N−ビニル−2−ピロリドン)を調製した。このコロイド溶液を印刷用インクとして、市販のインクジェットプリンタのインクカートリッジに上記印刷用インクを充填し、縦×横×厚さが50mm×50mm×50mmであるアルミナ基板にインクジェット印刷を行った。次いで図1(a)に示すように、このアルミナ基板11を大気中で200℃に30分間保持して金属粒子の活性化処理を行うことにより、アルミナ基板11上に厚さ50nmの金属粒子からなる薄膜13を形成した。次にこの薄膜13を形成する金属粒子を核として無電解めっき法により薄膜13の表面に厚さ0.3μmのNi−Bからなる無電解めっき層14を析出させた(図1(b))。具体的には、硫酸ニッケルを主成分とする水溶液(ニッケルイオンを含む。)に、還元剤として次亜リン酸ナトリウムを加え、この水溶液中にアルミナ基板11を浸漬して90℃に加熱することにより、アルミナ基板11の薄膜13上にNi−Pからなる無電解めっき層14を析出させた。更に無電解めっき層14上に電解めっき法により厚さ15μmのCuからなる電解めっき層16を析出させた(図1(c))。具体的には、硫酸銅を主成分とする水溶液(銅イオンを含む。)中に、カソードとして上記アルミナ基板11を浸漬し、アノードとして含リン銅板を浸漬し、これらに直流電流を流して、アルミナ基板11の無電解めっき層14上にCuからなる電解めっき層16を析出させた。このようにしてアルミナ基板11に長さ×幅が30mm×100μmである回路パターン12を作製した。このアルミナ基板11を実施例1とした。
<実施例2>
基板としてエポキシ樹脂製のプリント基板を用い、金属粒子の活性化処理が大気中で150℃に3分間保持する加熱処理であることを除き、プリント基板上に実施例1と同様にして回路パターンを作製した。このプリント基板を実施例2とした。
<実施例3>
コーティング膜を形成する前に予めプリント基板を80℃の強アルカリ溶液(過マンガン酸カリウム溶液、55g/リットル)に10分間浸漬することにより、プリント基板表面を粗面化したことを除き、プリント基板上に実施例2と同様にして回路パターンを形成した。このプリント基板を実施例3とした。なお、上記プリント基板の表面粗さは算術平均高さ(Ra)で2μmであった。
<比較試験1及び評価>
実施例1〜3の基板の導電性及び回路パターンの密着強度を測定した。導電性は、回路パターンの両端の抵抗値をテスターにて測定することにより評価した。また実施例1〜3の回路パターンの密着強度は引き剥がし法により測定した。なお、この引き剥がし法による回路パターンの密着強度は2mm×2mmの正方形状のパッドを用いて測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2005294657
表1から明らかなように、実施例1〜3の回路パターンの抵抗値は0.35〜0.37Ωと極めて低く導電性を示すことが判った。また実施例1〜3の回路パターンの密着強度は0.60〜0.70kg/mm2と大きいことが判った。
本発明第1実施形態の回路パターンの形成方法を示す工程図である。 本発明第2実施形態の回路パターンの形成方法を示す工程図である。
符号の説明
11 非導電性基板
12,52 回路パターン
13,53 金属粒子からなる薄膜
53a 金属粒子
14 無電解めっき層
16 電解めっき層

Claims (10)

  1. 平均粒径200nm以下の金属粒子0.001〜80重量%を分散した水系ペースト又は有機溶媒系ペーストをマスクレス印刷法により非導電性基板(11)に塗布して所定のパターンのコーティング膜を形成する工程と、
    前記コーティング膜中の金属粒子の活性化処理を行うことにより前記金属粒子(53a)からなる薄膜(13,53)を形成する工程と、
    前記薄膜(13,53)を形成する金属粒子(53a)を核として無電解めっき法により前記薄膜(13,53)の表面に無電解めっき層(14)を析出させる工程と
    を含む回路パターンの形成方法。
  2. 金属粒子(53a)の活性化処理が、大気中で100〜300℃に0.5〜30分間保持する処理、pH0〜4の酸性水溶液に0.2〜10分間浸漬した後に乾燥する処理、或いは有機溶媒に0.2〜10分間浸漬した後に乾燥する処理のいずれかである請求項1記載の回路パターンの形成方法。
  3. 無電解めっき層(14)上に電解めっき法により電解めっき層(16)を析出させる工程を更に含む請求項1記載の回路パターンの形成方法。
  4. 金属粒子(53a)がPd、Pt、Au、Ag及びNiからなる群より選ばれた1種又は2種以上の元素である請求項1記載の回路パターンの形成方法。
  5. 無電解めっき層(14)がNi−P、Ni−B又はCuの析出により形成された請求項1記載の回路パターンの形成方法。
  6. 電解めっき層(16)がCu、Ni、Ag又はAuの析出により形成された請求項3記載の回路パターンの形成方法。
  7. 非導電性基板(11)のうち少なくとも水系ペースト又は有機溶媒系ペーストを塗布する部位が粗面化された請求項1記載の回路パターンの形成方法。
  8. 請求項1ないし7いずれか1項に記載の方法により形成された回路パターン(12,52)を有する回路基板。
  9. 請求項1に記載の回路パターン(12,52)の形成方法に用いられる水系ペースト。
  10. 請求項1に記載の回路パターン(12,52)の形成方法に用いられる有機溶媒系ペースト。
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JP2010500476A (ja) * 2006-08-07 2010-01-07 インクテック カンパニー リミテッド 金属積層板の製造方法

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