JP2005294568A - 熱電変換モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、高温においても長期間安定に動作する熱電変換モジュールを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の熱電変換モジュールは、複数のp型半導体熱電変換素子と、各々のp型半導体熱電変換素子に隣接するように配置される複数のn型半導体熱電変換素子と、p型半導体熱電変換素子とn型半導体熱電変換素子とを交互に直列に接続するよう上下面に配置される電極と、互いに隣接するp型半導体熱電変換素子及びn型半導体熱電変換素子の側面に配置される酸化防止層とを具備し、酸化防止層は非結晶型の無水ホウ酸を主成分とする低融点ガラスであることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱電変換モジュールに関する。
近未来における資源の枯渇が予想される今日、如何にエネルギーを有効に利用するかは極めて重要な課題となっており、種々のシステムが考案されている。その中でも、温度差が取れるシステムとして、ゼーベック効果と呼ばれる熱起電力を発生する熱電変換素子は、これまで排熱として無駄に環境中に捨てられていたエネルギーを回収する手段として期待されている。そのような熱電変換素子は、一般にp型半導体熱電変換素子とn型半導体熱電変換素子を交互に直列に接続したモジュールとして使用されている。
この熱電変換モジュールの発電量Wは次式(1)に示されるように、熱電変換効率αと温度差ΔTの積に比例する。
W ∝ α×ΔT (1)
これまで高い熱電変換効率を達成すべく、多くの半導体熱電変換材料について研究がなされてきた。しかしながら、現在実用に供されている高効率の素子はビスマス(Bi)−テルル(Te)系(第3元素としてSb、セレン(Se)を入れたものも含む)である。この材料は、熱電変換効率は高いものの、250℃を超える温度での使用は不可であり、エネルギー回収の観点からは力不足であることを否めない。つまり、高温での使用が出来ない材料はΔTを大きく取ることが出来ないためである。たとえ変換効率が50%低くてもΔTが3倍取れる材料の方がはるかに有利であることは式(1)から明らかである。
ところで、熱電変換素子の動作温度を高める上での開発課題には、素子が所期の性能を発揮できるかどうかの本質的なものと、実用上における付随的なものとの二つに分けられる。後者の課題の中でも、素子の酸化の問題は現在、深刻な要素となっている。
高温で動作可能な熱電変換材料としては、フィルドスクッテルダイト系、ハーフホイッスラー系半導体熱電変換材料が有望である。しかしながら、これらの素子材料は熱電特性を上げるためにセリウム(Ce)、イットリウム(Y)、エルビウム(Er)等の希土類あるいはハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)等の活性金属と呼ばれるいずれも酸素との親和性が極めて高い材料を用いるために、高温酸化雰囲気での使用が制限されているのである。
これに対し、素子の酸化を防ぐためにPbOやTeO2を主成分としたガラスで被覆することが報告されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述の材料で熱電変換素子を被覆した場合、被覆材料と熱電変換素子との熱膨張の違いによる亀裂の発生、初めから存在する空孔等の要因により長時間の使用には耐えず、未処理材に比べて数倍程度の延命措置に過ぎなかった。特に、熱電変換素子においては素材の中に大きな温度差を与えて使用するため熱膨張係数の違いは致命的な欠陥であった。
特開平11−251647号公報(第2−4頁、第2図)
上述したように、従来は、高温で長期間動作可能な熱電材料が無かった。
本発明はこの問題に鑑み、高温においても長期間安定に動作する熱電変換モジュールを提供することを目的とする。
そこで本発明は、複数のp型半導体熱電変換素子と、各々のp型半導体熱電変換素子に隣接するように配置される複数のn型半導体熱電変換素子と、p型半導体熱電変換素子とn型半導体熱電変換素子とを交互に直列に接続するよう上下面に配置される電極と、互いに隣接するp型半導体熱電変換素子及びn型半導体熱電変換素子の側面に配置される酸化防止層とを具備し、酸化防止層は非結晶型の無水ホウ酸を主成分とする低融点ガラスであることを特徴とする熱電変換モジュールを提供する。
本発明においては、低融点ガラスの歪点が250℃以下であっても良い。
また本発明においては、p型半導体熱電変換素子及びn型半導体熱電変換素子は、隣接する各素子間の距離が2mm以下であっても良い。
また本発明においては、p型半導体熱電変換素子及びn型半導体熱電変換素子は、隣接する各素子間に無機材料からなるスペーサーが設けられ、スペーサーと素子との間の距離が夫々2mm以下であっても良い。
また本発明においては、p型半導体熱電変換素子及びn型半導体熱電変換素子の少なくとも一方は、フィルドスクッテルダイト系材料からなっても良い。
また本発明においては、p型半導体熱電変換素子及びn型半導体熱電変換素子の少なくとも一方は、ハーフホイッスラー系材料からなっても良い。
本発明によれば、高温においても長期間安定に動作する熱電変換モジュールを提供することが出来る。
本発明者等は、上述の問題を解決するために多くの実験を費やし、高温かつ大きな温度差が僅かな距離の間に生じる熱電変換モジュールにおいて極めて有効な耐酸化表面処理方法を見出した。
従来から一般的に用いられてきた耐酸化表面処理材は、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)を主成分にした粉末と粉末の粒界につなぎの役割を果たす材料で焼結したものである。このような無機材料を溶媒に混ぜ、塗布した後に高温で焼成して耐酸化を行う方法では、酸素の進入を完全に断ち切ることは不可能である。これは、このような粉末を原料とした場合、密度が100%に達することは無く、空孔が数%以上存在するためである。
また、これらの材料は酸化物であるため本質的に熱膨張率が小さい(3〜8×10-6/℃程度)。これに対して、先進熱電変換素子であるスクッテルダイト系あるいはハーフホイッスラー系は金属であり、酸化物に比べて5割から数倍(12〜18×10-6/℃程度)程度熱膨張係数が大きい。このような熱膨張係数に大きな違いがあると熱電変換モジュールのように大きな温度差の環境で使用することが必須の部材では、局部的に大きな熱応力が発生して酸化物に亀裂が生じてしまう。極端な場合には酸化物の剥離が生じて保護皮膜の役割を果たさなくなる。PbOやTeO2を主成分としたガラスを用いた場合も同様な熱膨張率の問題が残る。本発明者等はこれらの問題に対して、従来の固体被覆では解決し得ないとの結論に至り、柔軟性が高く連続皮膜の形成をなしうる粘性体を酸化防止材に用いる方法を発案した。
即ち、従来の耐酸化表面処理の欠点である皮膜の連続性欠如の問題を、酸化防止材に非結晶型の無水ホウ酸を主成分とした低融点ガラスを用い粘性を付与させることで、解決できることを見出したのである。低温ではこのような低融点ガラスは固体であるが、高温では粘性が高くなり熱応力を発生しない。さらに、素子間を塞ぐよう充填された低融点ガラスは、高温でも表面張力によって流出を防止できる。
ガラスは、金属とは異なり厳密な溶融温度を持たず、ある温度から粘性を帯びてくる。その中でも無水ホウ酸を主成分とした低融点ガラスは、歪点が低く(約250℃)、被覆した際の空孔の有無や、熱膨張係数の大きさの違いによる熱履歴後の亀裂等を考慮する必要が無いことから、柔軟性が高く連続皮膜と出来るものである。ここで、歪点とは、ガラスの粘度が非常に高くなって、粘性的に動き得ない温度を指し、粘度が4×1014poiseになる点とされている。B23の歪点は250℃程度であり、歪点が低いことにより、熱応力に耐えることができる。低融点ガラスとしてはPbO系等があるが約400℃以上と歪点が高いために、熱応力に耐えることができない。また、無水ホウ酸を主成分とした低融点ガラスは、結晶型ではなく、非結晶型のものとする。結晶型の低融点ガラスは一度溶融すると性状が変化して歪点が高いものとなってしまい、繰り返し昇温と降温を繰り返す熱電変換モジュールでは不向きなためである。
非結晶型の無水ホウ酸を主成分とした低融点ガラスには、PbO、SiO2、CaO、NaO、及びZnOから選ばれる少なくとも1種を10wt%以下含んでも良い。10wt%を超えると歪点が上昇して、熱応力に耐えることが出来なくなるおそれがある。
また、無水ホウ酸は作製時にはホウ酸(H3BO3)として使用する際に無水ホウ酸に変性させても良い。
非結晶型の無水ホウ酸を主成分とした低融点ガラスは、歪点が250℃以下であることが好ましい。250℃以下とすることにより、熱膨張係数の大きさの違いによる熱履歴後の亀裂等を防ぐことが可能となる。
また、熱電変換モジュールは、多数の熱電変換素子が碁盤の目のように配列され、林立している状態であるのが一般であり、本発明においては、熱電変換素子を被覆した低融点ガラスは、熱電変換素子間を塞ぐように充填されている。そして、低融点ガラスで被覆された熱電変換素子の場合、その間隔を適正に取れば、その間に充填された低融点ガラスの粘度が液体に近い状態になっても、表面張力によってその間隙に保持できることが実験によって見出された。この熱電変換素子の間隔は2mm以下で表面張力の効果が現れてくるが、望ましくは0.5mm以下が良い。ここで、この間隔を適正にする方法としては、熱電変換素子のみの間隔を設定するのではなく、必要に応じて熱電変換素子の間に無機材料のスペーサーを配置することでも補える。また、適正な間隔がとりえない場合には、被覆の流出を避けるために高温側を囲うように容器をつけることでこの問題を回避できる。この容器は密閉容器である必要は無く、低温側は固体のままであるので開放状態で構わない。
また、熱電変換素子としては、フィルドスクッテルダイト系材料、若しくはハーフホイッスラー系材料を用いても良い。これらの熱電変換材料は、非結晶型の無水ホウ酸を主成分とした低融点ガラスが軟化して好ましく用いられる温度で機能する。上述したように、この温度域は、亀裂等のおそれがあることから通常の被覆材料を用いることは好ましくない。また、フィルドスクッテルダイト系材料、若しくはハーフホイッスラー系材料は、耐酸化性が低いことから、被覆することが重要となる材料でもある。フィルドスクッテルダイト系材料としては、CeCoFe3Sb12、Ce(Co0.97Pd0.034Sb12等を用いることが出来る。また、ハーフホイッスラー系材料としては、(Ti0.3Zr0.35HF0.35)NiSn0.94Sb0.06、(Y0.5Er0.5)NiSb0.99Sn0.01等を用いることが出来る。
さらに、隣接する熱電変換素子の間、もしくは熱電変換素子とスペーサーとの間に、非結晶型の無水ホウ酸を主成分とした低融点ガラスを配置する方法としては、非結晶型の無水ホウ酸を主成分とした低融点ガラスの粉末を水あるいは有機媒体に溶かし塗布した後に加熱して溶融する方法や、溶融した該低融点ガラスをモジュールの隙間に流し込む方法等がある。
次に、本実施形態の熱電変換モジュールの一例を、図1を用いて説明する。図1(a)は斜視図であり、図1(b)はその拡大図である。
図1に示される熱電変換モジュール10は、p型熱電変換素子2とn型熱電変換素子3とを、電極1により交互に直列に接続したものである。この熱電変換モジュール10をペルチェ素子として用いる場合には、第1端子6と第2端子7の間に電圧を印加することにより、電極1の形成された面のうち一方の面が高温側、他方の面が低温側となり、低温側の面を発熱体に接触させて冷却することが出来る。また、この熱電変換モジュール10をゼーベック素子として用いる場合には、電極1の形成された面のうち一方の面を高温な物質などに接するようにし、他方の面を低温な物質などに接するようにすることで、第1端子6と第2端子7の間から電力を取り出すことが出来る。
そして、本実施形態では、隣接するp型熱電変換素子2とn型熱電変換素子3との間に酸化防止材5が配置されている。つまり、電極1により覆われた上面及び下面を除いた側面に、酸化防止材5が素子2,3を被覆するよう充填されているのである。この酸化防止材5はp型熱電変換素子2やn型熱電変換素子3の表面を覆って酸素を遮断しており、使用時には低融点ガラスの粘度が液体に近い状態であっても、表面張力によってその間隙に保持される。
また、隣接するp型熱電変換素子2とn型熱電変換素子3との距離が大きい場合には、図2に示すように、隣接するp型熱電変換素子2とn型熱電変換素子3との間にスペーサー4を設け、p型熱電変換素子2とスペーサー4、若しくはn型熱電変換素子3とスペーサー4との間に酸化防止材5を配置すればよい。図2も図1と同様に、図2(a)が斜視図であり、図2(b)がその拡大図である。
また、本実施形態にかかる熱電変換モジュールを用いた熱交換器を製造することも出来る。このような熱交換器の概略断面図を図3に、熱交換器中の熱電変換モジュール部分の概略断面図を図4に示す。
図3の熱交換器20は、後述するように高温度側と低温度側とを有し、熱電変換モジュール10を、この高温度側と低温度側とに接するように組み込んだ構成とする。
この熱交換器20は、中央にガス通路21を有し、その周りに多数の熱交換フィン22が設置されている。この熱交換フィン22に接して熱電変換モジュール10が設けられる。熱電変換モジュール10は熱交換フィン22とともに外囲器23により囲まれ、外囲器23と熱電変換モジュール10との間は、導入管25から排出管26に至る、たとえば水等の、冷却用の物質の流路24となる。
この熱交換器20において、ガス通路21内には例えばごみ焼却炉からの高温の排ガスが導入され、他方、流路24内には導入管25を介して冷却水が導入される。高温ガスの熱は、熱交換フィン22により奪われて流路24内を流れる水を加熱し、その結果、水は排出管26から温水となって取り出される。このとき、熱電変換モジュール10の流路24側の面は、流路24内を流れる水により低温度側となり、ガス流路21側の面は、ガス通路21内を流れる高温排ガスにより高温度側となる。従って、ゼーベック効果により、熱電変換モジュール10から温度差に対応した電力が取り出される。
図3に示される熱交換器中の熱電変換モジュール10は、図4に示すように、複数のp型熱電変換素子11と、複数のn型熱電変換素子12とが交互に並べて配列され、隣接するp型素子11とn型素子12は全てが直列に配列するよう、第1電極13と第2電極14によって接続される。具体的には、第1電極13は図中上側の面で隣接するp型素子11とn型素子12とを接続し、第2電極14は図中下側の面で隣接するp型素子11とn型素子12とを接続しており、第1電極13と第2電極14とは、互い違いとなるよう配される。p型素子11及びn型素子12の表面は酸化防止材5で覆われている。また、第1電極13が形成された図中上側の面、第2電極14が形成された図中下側の面の夫々には第1絶縁性導熱板15、第2絶縁性導熱板16が設けられる。
図4の熱電変換モジュール10においては、第1絶縁性導熱板15側を図3の低温度側(L)とし、第2絶縁性導熱板16を図3の高温度側(H)となるよう温度差を与えると、第1電極13と第2電極14との間に電位差が生じる。そして、これらの電極13、14や複数のp型素子11、n型素子12の配列の終端(図示せず)に負荷を接続すると、電力を取り出すことが出来る。
以下、具体例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
2mm角・3mm長さのp型、n型のフィルドスクッテルダイト系熱電変換素子、各50個計100個用意した。p型熱電変換素子としてはCeCoFe3Sb12を用い、n型熱電変換素子としてはCe(Co0.97Pd0.034Sb12を用いた。これらのp型熱電変換素子、n型熱電変換素子を交互に並べ、図1に示すように縦横10列の市松状に配列した。この時、各素子2,3の間隔は前後左右いずれも0.5mmとした。電極板1および絶縁板(図示せず)を接合した後、無水ホウ酸(B23)を水に混ぜ、泥水状にしてから該モジュールをその中に浸漬し各素子の表面に付着させた。十分に乾燥した後、不活性雰囲気中において450℃×30分の加熱処理を行なった。この処理により各素子にはガラス状の皮膜が形成されており、また、各素子の間には一部該ガラス状物質5が毛細管現象で濡れあがる形態で固化しているのが観察された。
このようにして得た熱電変換モジュールを大きな温度差を与えることのできる熱電性能評価装置に設置し、加熱側を600℃、冷却側を20℃にして加熱側を昇温20分、高温保持5時間、降温40分のサイクルを繰り返す熱負荷試験を実施した。モジュールと負荷抵抗を電気的に結び、この熱サイクルをかけながら性能を記録したところ、200サイクルを超えても性能の低下は見られなかった。
(比較例1)
被覆処理を施さない(ガラス状物質5を設けない)以外は実施例1と同様にしたフィルドスクッテルダイト系熱電変換モジュールについて同様の熱負荷試験を実施したところ、1回目のサイクルから性能は下がり始め、2回目のサイクルでは殆ど性能を示さないところまで劣化した。熱電変換モジュールを観察したところ、激しく酸化しており素子の形状を保っていなかった。
(実施例2)
0.5mm厚さで開口幅3.5mmのコーディエライトの直角格子の中に3mm角・5mm長さのp型、n型のハーフホイッスラー系熱電素子、各50個計100個を、p型、n型交互になるよう並べ、図2に示すように縦横10列の市松状に配列した。コーディエライトの直角格子が図2のスペーサー4となっている。p型熱電変換素子としては(Y0.5Er0.5)NiSb0.99Sn0.01を用い、n型熱電変換素子としては(Ti0.3Zr0.35HF0.35)NiSn0.94Sb0.06を用いた。電極板1および絶縁板(図示せず)を接合した後、実施例1と同様、無水ホウ酸(B23)を水に混ぜ、泥水状にしてから該モジュールをその中に浸漬し各素子の表面に付着させた。十分に乾燥した後、不活性雰囲気中において450℃×30分の加熱処理を行なった。この処理により各素子2、3とコーディエライト製格子4表面にはガラス状の皮膜5が形成されており、また、各素子とコーディエライト製格子4との間には一部該ガラス状物質5が毛細管現象で濡れあがる形態で固化しているのが観察された。
このようにして得た熱電変換モジュールを大きな温度差を与えることのできる熱電性能評価装置に設置し、加熱側を800℃、冷却側を20℃にして加熱側を昇温30分、高温保持5時間、降温60分のサイクルを繰り返した。モジュールと負荷抵抗を電気的に結び、この熱サイクルをかけながら性能を記録したところ、200サイクルを超えても性能の低下は見られなかった。
(比較例2)
被覆処理を施さない(ガラス状物質5を設けない)以外は実施例2と同様にしたハーフホイッスラー系熱電変換モジュールについて同様の熱負荷試験を実施したところ、1回目のサイクルで殆ど性能を示さないところまで劣化した。熱電変換モジュールを観察したところ、激しく酸化しており素子の形状を保っていなかった。
(実施例3)
素子の間隔を2.5mmにした以外は実施例1と同様にしたフィルドスクッテルダイト系熱電変換モジュールについて同様の熱負荷試験を実施したところ、素子の高温側の周囲からガラス状皮膜が流出し一部素子の地肌が露出した。そのまま発電を継続したところ素子の高温側の一部で酸化が始まり、熱サイクルをかけていくにつれ性能が多少低下したが、形状を保つことは出来た。本実施形態では、素子間隔が広いことにより、他の実施例に比べ効果は低下するが、比較例より酸化し難いことが分かった。
本発明の実施形態に係る熱電変換モジュールの構造を表す図であり、図1(a)は斜視図、図1(b)はその拡大図である。 本発明の実施形態に係る別の熱電変換モジュールを示し、図2(a)は斜視図、図2(b)はその拡大図である。 本発明の実施形態に係る熱電変換モジュールを用いた熱交換器を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係る熱電変換モジュールを示す概略断面図である。
符号の説明
1…電極
2、11…p型熱電変換素子
3、12…n型熱電変換素子
4…スペーサー
5…酸化防止材
6…第1端子
7…第2端子
13…第1電極
14…第2電極
15…第1絶縁性導熱板
16…第2絶縁性導熱板
10…熱電変換モジュール
20…熱交換器
21…ガス通路
22…熱交換フィン
23…外囲器
24…流路
25…導入管
26…排出管

Claims (6)

  1. 複数のp型半導体熱電変換素子と、
    各々の前記p型半導体熱電変換素子に隣接するように配置される複数のn型半導体熱電変換素子と、
    前記p型半導体熱電変換素子と前記n型半導体熱電変換素子とを交互に直列に接続するよう上下面に配置される電極と、
    互いに隣接する前記p型半導体熱電変換素子及び前記n型半導体熱電変換素子の側面に配置される酸化防止層とを具備し、
    前記酸化防止層は非結晶型の無水ホウ酸を主成分とする低融点ガラスであることを特徴とする熱電変換モジュール。
  2. 前記低融点ガラスの歪点が250℃以下であることを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュール。
  3. 前記p型半導体熱電変換素子及び前記n型半導体熱電変換素子は、隣接する各素子間の距離が2mm以下であることを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュール。
  4. 前記p型半導体熱電変換素子及び前記n型半導体熱電変換素子は、隣接する各素子間に無機材料からなるスペーサーが設けられ、前記スペーサーと前記素子との間の距離が夫々2mm以下であることを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュール。
  5. 前記p型半導体熱電変換素子及び前記n型半導体熱電変換素子の少なくとも一方は、フィルドスクッテルダイト系材料からなることを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュール。
  6. 前記p型半導体熱電変換素子及び前記n型半導体熱電変換素子の少なくとも一方は、ハーフホイッスラー系材料からなることを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010082540A1 (ja) * 2009-01-15 2010-07-22 住友化学株式会社 熱電変換モジュールの製造方法及び熱電変換モジュール
JP2017050418A (ja) * 2015-09-02 2017-03-09 日立造船株式会社 熱回収装置
JP2017050417A (ja) * 2015-09-02 2017-03-09 日立造船株式会社 熱環流装置および加熱方法

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