JP2005293933A - 発電装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の発電装置は、複数の固体酸化物型燃料電池セルスタックを利用して発電する。この発電装置は、燃料ガス通路に並列に接続されて各々に燃料ガスを受入れて改質する複数の改質器と、各々の改質器で改質された改質ガスを共通に受入れる改質ガス受入れ室と、改質ガス受入れ室に受入れられた改質ガスを複数のセルスタックに分配する分配路とを備えている。
【選択図】 図1
Description
燃料ガスの改質には、改質効率が高い水蒸気改質方式が採用される。水蒸気改質方式では、燃料ガスに水蒸気を混合し、水蒸気が混合した燃料ガスを改質触媒が充填された高温の改質器に通過させることによって、燃料ガスを水素や一酸化炭素に改質する。
燃料電池セルは、セルに送込まれた改質ガスの全量を酸素と反応させて発電に利用することができず、一部の改質ガスは酸素と反応しないで燃料電池セルを通過する。通常は、燃料電池セルを通過した改質ガスを再度燃料電池セルに送込む。特許文献1の技術では、燃料電池セルを通過した改質ガスを再度燃料電池セルに送込むのに代えて、燃料電池セルを通過した改質ガスを燃焼させて高温の燃焼ガスを得る。得られた高温の燃焼ガスを利用して改質器を加熱する。
特許文献1の技術は熱効率が高く、燃料電池セルに送込むことが必要な改質ガスを送込むことによって、発電装置が熱的に自立できるものと期待されている。即ち、発電に必要な改質ガスとは別に、改質器を高温に維持して改質反応を持続させるのに必要な加熱用のガスを必要としないシステムが実現できるものと期待されている。
特許文献1の技術では、燃料電池セルを通過した改質ガスを燃焼させ、それによって得られる高温の燃焼ガスを利用して改質器を加熱する。熱効率を高く維持するために、改質器は、燃料電池セルスタック群に隣接して配置されている。
発電効率を高く保つためには、燃料電池セルスタック群を収容する室を高温に維持する必要がある。セルスタック群収容室内の温度差が大きい場合、室内の低温部を発電効率が高い温度にすると、高温部が熱くなりすぎてしまう。そこで、セルスタック群収容室内の温度差を小さく抑えるのが有利である。温度差を小さく抑えるには、吸熱反応を実行する改質器を2以上に分割して分散配置するのが有利である。改質器を2以上に分割して分散配置することによって発電装置の小型化が促進される利点も得られる。また大型の改質器を1台利用するよりも、2以上に分割された小型の改質器を利用すると、改質触媒の温度ムラを抑えて改質触媒を均一温度に維持するのにも有利である。これらの理由から、改質器を2以上に分割して配置する方が有利であることがわかってきた。
改質器によって圧力損失が相違すると、燃料電池セルスタックに送られる改質ガスの量が、燃料電池セルスタックによって異なることになる。圧力損失が小さな改質器から改質ガスが送込まれる燃料電池セルスタックには多量の改質ガスが送込まれ、圧力損失が大きい改質器から改質ガスが送込まれる燃料電池セルスタックには少量の改質ガスが送込まれる。改質ガス量が過剰な燃料電池セルスタックでは、発電に利用されないまま排出される残余燃料が増加して発電効率の低下を招いてしまう。改質ガス量が不足する燃料電池セルスタックでは、発電量が少なくなってしまう。発電装置の発電効率を向上するためには、各燃料電池セルスタックに改質ガスを均等に送込む技術が必要とされる。
上記の発電装置によると、複数の改質器の各々で改質された改質ガスは、共通の改質ガス受入れ室に受入れられる。その結果、改質ガスの圧力は、改質された改質器によらないで均等化される。複数のセルスタックには、圧力が均等化された改質ガスが分配される。複数の改質器を並列に配置して使用するにも係わらず、各燃料電池セルスタックに均等量の改質ガスを送込むことができる。
燃料電池セルスタックは、同一仕様で製造したとしても、製造公差等によって、セルスタック毎に圧力損失がばらつく場合がある。燃料電池セルスタックの圧力損失は通常小さいため、分岐路にオリフィスが設けられていると、分岐路よりも下流の圧力損失は実質上オリフィスの圧力損失で決定される。そのオリフィスの配管抵抗が、互いに略同等であれば、各々の分岐路に分配されて各々の燃料電池セルスタックに送込まれる改質ガスの流量は略均等になる。
複数の改質器の燃料ガス受入れ部を連通する第1連通部と、複数の改質器の改質ガス送出し部を連通する第2連通部を備えていることが好ましい。その場合、各々の改質器の改質ガス送出し部から対応するセルスタックに改質ガスを供給する供給路を設ければよい。
第1連通部によって燃料ガス受入れ部が接続されるために、複数の改質器が燃料ガス通路に対して並列に接続された接続関係が実現される。第2連通部によって各々の改質器の改質ガス送出し部が接続されるために、各々の改質器から送出される改質ガスの圧力が均等化される。従って、複数の固体酸化物型燃料電池セルスタックに均等圧力の改質ガスが送込まれる。
セルスタックの数と改質器の数は一致してもよいし、異なっていてもよい。セルスタックの数と改質器の数が一致していれば、セルスタックと改質器が1対1に対応する。セルスタックの数よりも改質器の数が少なければ、一つの改質器に複数のセルスタックが対応する。セルスタックの数よりも改質器の数が多ければ、複数の改質器に一つのセルスタックが対応する。いずれの場合も、複数の固体酸化物型燃料電池セルスタックに均等圧力の改質ガスが送込まれ、セルスタックに送込まれる改質ガスの量が均等化される。
(形態1)固体酸化物型の燃料電池セルスタックを用いる発電装置であり、各々の燃料電池セルスタックは水平面内を伸びる。複数のセルスタックが垂直方向に多段に積重ねられている。多段に積重ねられているセルスタック群の両サイドに一対の改質器が配置されている。一対の改質器の燃料ガス受入れ部同士は第1配管で接続され、一対の改質器が燃料ガス通路に対して並列に接続された接続関係が実現される。一対の改質器の各々は改質触媒を収容しており、各々に送込まれた燃料ガスを改質する。一対の改質器の改質ガス送出し部同士は第2配管で接続され、一対の改質器が送出す改質ガスの圧力が等しくされている。一対の改質器の改質ガス送出し部とそれを接続する第2配管は、一対の改質器で改質された改質ガスを共通に受入れる改質ガス受入れ室ということができる。
(形態2)一対の改質器の一方から、積重ねられたセルスタックの偶数段のセルスタック群に改質ガスを送る。他方の改質器から、奇数段のセルスタック群に改質ガスを送る。
(形態3)一方の改質器には、偶数段のセルスタック群に改質ガスを分配するマニホールドが取付けられており、他方の改質器には、奇数段のセルスタック群に改質ガスを分配するマニホールドが取付けられている。
(形態4)一方の改質器は、奇数段のセルスタック群を通過したオフガスを燃焼する燃焼部に隣接して配置され、他方の改質器は、偶数段のセルスタック群を通過したオフガスを燃焼する燃焼部に隣接して配置されている。
本発明の発電装置の第1実施例を、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施例に係る発電装置10の縦断面図であり、図2は図1のII−II線断面図であり、図3は図1のIII−III線断面図であり、図4は図2の部分断面拡大図である。
図1から図3に示すように、発電装置10は、内側から外側に向かって第1室44、第2室46、第3室48からなる3重構造となっており、中心部の第1室44とその外側の第2室46を仕切る内仕切壁36と、第2室46とその外側の第3室48を仕切る外仕切壁38と、第3室48と外部を仕切る外壁40を有している。外壁40は断熱部材42で覆われている。
発電装置10の中心部の第1室44内には、燃料電池セル12の複数個が配列されて構成されているセルスタック14と、酸素を含む空気をセルスタック14に供給する空気供給部材16と、予備改質ガス内に含まれるメタンを燃料となる水素や一酸化炭素等に改質する改質器18と、改質された燃料ガスをセルスタック14に供給するマニホールド24等が配設されている。予備改質ガスは、発電装置10の外部で炭素数2以上のエタン、プロパン等のガスを主にメタンや水素や一酸化炭素等に予備改質したガスである。
図4は、図2に示すセルスタック14の断面の拡大図である。図4に示すように、燃料極12aは楕円柱形状に形成され、その周面の半分強が固体電解質層12bで覆われ、固体電解質層12bの更に外側を酸素極12cが覆っている。燃料極12aの周面の酸素極12cと反対側はインターコネクタ12dで覆われている。燃料極12aの内部には長手方向に貫通する5本の燃料ガス通路20が並列に形成されている。
燃料極12aは多孔質であり、ニッケル(Ni)を主成分とするニッケル/YSZサーメット(混合焼結体)からなる。固体電解質層12bは緻密質であり、ジルコニア(ZrO2)にイットリア(Y2O3)を加えた混合物からなる。酸素極12cは多孔質であり、ペロブスカイト型酸化物であるLSM(La1−xSrxMnO3)からなる。インターコネクタ12dは導電性セラミックからなる。
隣り合う燃料電池セル12の一方の酸素極12cと他方の燃料電池セル12のインターコネクタ12dとの間に、集電部材22が介装されている。集電部材22は、蛇腹状に折畳まれた導電性金属部材である。一方の燃料電池セル12の酸素極12cは、集電部材22とインターコネクタ12dを介して、他方の燃料電池セル12の燃料極12aに電気的に接続されている。多数本の燃料電池セル12が直列に接続されてセルスタック14が形成されている。蛇腹状の集電部材22は、図4における上下方向および紙面の垂直方向に空気が通過することを禁止しない。
セルスタック14a、14c、14eの燃料ガス通路20には、改質器18aで改質された燃料ガスが送り込まれる。セルスタック14a、14c、14eの改質器18aから遠い方の端部では燃料ガス通路20が開放されており、発電のために消費されなかった燃料ガスが放出される。セルスタック14b、14dの燃料ガス通路20には、改質器18bで改質された燃料ガスが送り込まれる。セルスタック14b、14dの改質器18bから遠い方の端部では燃料ガス通路20が開放されており、発電のために消費されなかった燃料ガスが放出される。セルスタック14a、14c、14eは、マニホールド24a、24c、24eによって片持ち状に支持され、セルスタック14b、14dは、マニホールド24b、24dによって片持ち状に支持されている。
セルスタック14a、14c、14eと、セルスタック14b、14dは、反対方向に伸びている。上下方向に多段に配列されているセルスタック14a、14b、14c、14d、14eは、上下方向において、交互に反対向きに配列されている。
渡り配管28bは、2つの改質器18a、18bの出口圧力の均衡を調整するために配設されており、改質器18aの改質ガス送出し部と改質器18bの改質ガス送出し部とを接続している。配管30a、30c、30e(供給路に相当する)は、改質器18aの改質ガス送出し部を介して連通し、配管30b、30d(供給路に相当する)は、改質器18bの改質ガス送出し部を介して連通している。改質器18aの改質ガス送出し部と、改質器18bの改質ガス送出し部と、渡り配管28bによって、改質ガス受入れ室が形成される。該改質ガス受入れ室には改質器18aで改質された燃料ガスと、改質器18bで改質された燃料ガスが流入し、混合され、略均等な圧力となって配管30a、30b、30c、30d、30e(分配路に相当する)へ送出される。
以下添字を略して共通に説明する。配管30(分岐路に相当する)のオリフィス32の配管抵抗は、マニホールド24とセルスタック14の配管抵抗を無視できる程度に大きい。改質された燃料ガスが、配管30、マニホールド24およびセルスタック14を通過する際の圧力損失は、改質された燃料ガスが配管30のみを通過する際の圧力損失とほぼ同程度である。上記は配管30a、30b、30c、30d、30eに共通している。
配管30a、30b、30c、30d、30eの入口圧力は、改質器18a、18bおよび渡り配管28bによって、略均等化されている。配管30a、30b、30c、30d、30eへ流入した燃料ガスが、対応するセルスタック14a、14b、14c、14d、14eの端部から放出されるまでの圧力損失は、略均等である。さらにセルスタック14a、14b、14c、14d、14eの端部は、第1室44内で開放されており、その出口圧力は略均等である。
上記の構成とすることにより、改質器18a、18bで改質された燃料ガスは、配管30a、30b、30c、30d、30eへ略均等な流量で分配される。
上下5段の空気供給部材16a、16b、16c、16d、16eは、両端が空気供給管50によって支持されており、強度が高い。
図3に示すように、セルスタック14の燃料ガス通路20は紙面の左右方向に伸びており、空気供給部材16は紙面の上下方向に伸びている。両持ち状の空気供給部材16と、片持ち状のセルスタック14が交差する位置関係におかれている。
片持ち状のセルスタック14は、両持ち状の空気供給部材16に対してパッキン62を介して載置されており、片持ち状のセルスタック14は水平に伸びる姿勢で安定的に支持されている。片持ち状のセルスタック14が不用意に傾くことはない。
図1から図3に示すように、外仕切壁38の4つの内周面にも、フィン54と同様にフィン56が取付けられている。フィン56の形状もフィン54と同様である。このようにフィン56が取付けられているため、外仕切壁38とフィン56と内仕切壁36によって、外仕切壁38の4つの内周面と内仕切壁36の外面との間の全体に亘って、上下方向に伸びる細い角柱形状の通路が複数本形成される。フィン54は第3室48のサイズを規定し、フィン56は第2室46のサイズを規定する。
外壁40の底板と外仕切壁38の底板の間は、第3室48の一部であり、そこに空気導入管34が連通している。外仕切壁38の底板と内仕切壁36の底板の間は、第2室46の一部であり、そこに燃焼ガス導出管58が連通している。
第3室48は、外部から取り込まれた空気が通過する。第2室46は、第1室44で生成された燃焼ガスが通過する。第1室44は燃料電池セル群収容室として利用される。
空気は第3室48を下方から上方に移動する。燃焼ガスは第2室46を上方から下方に通過する。通過方向が逆であり、両者の間で活発な熱交換が行われる。
第1室44の外形はほぼ立方体である。第2室46の外形もほぼ立方体である。第3室48の外形もほぼ立方体である。発電装置10は、最小表面積で最大容積を収容する6面体であり、放熱量が少ない。
後記するように、第1室44は最も高温であり、第2室46は2番目に高温であり、第3室48が3番目に高温である。最も高温な第1室44を、2番目に高温な第2室46で取り囲み、その外側を3番目に高温な第3室48で取り囲む構造となっている。最も高温に維持する必要がある第1室44を最も内側に配置することによって、燃料電池セルを収納する第1室44を最も高温に維持しやすい最適な構造となっている。
燃料ガス導入管26から改質器18a、18bに送られた予備改質ガスは、改質器18a、18b内で、水素と一酸化炭素を含む燃料ガスに改質され、配管30a、30b、30c、30d、30eに均等な流量で分配される。改質された燃料ガスは、配管30a、30b、30c、30d、30eから各マニホールド24を経由して各燃料電池セル12へ送られ、各燃料電池セル12内の燃料ガス通路20に流入する。
空気導入管34から第3室48に送られた空気は、フィン54の間をすり抜けて上部に達し、外壁40の上面に沿って流れ、第3室48に開口している空気供給管50内に流入する。空気は、空気供給管50を下方に移動しながら、5つの空気供給部材16に流入し、全ての空気供給口16fから流出する。流出する空気は、上方向、若しくは斜め上方向に上昇し、すぐ上のセルスタック14の下側全体に分散される。
酸素は、イオン化して固体電解質層12bを通過して燃料極12aに至り、水素または一酸化炭素と反応し、酸素極12cと燃料極12aの間に電位差を発生させる。すなわち、発電する。
本実施例の燃料電池では、燃料電池セル12が水平方向に伸びているのに対し、空気が上方に移動する関係が得られ、燃料電池セル12の温度勾配に交差する有酸素ガスの流れが生み出される。燃料電池セル12を冷却する空気に燃料電池を冷却した熱が累積していくことが抑制され、第1室44内の温度差が減少する。
本実施例では、加熱されやすいセルスタック14の下流側に多量の空気が供給され、加熱されにくいセルスタック14の上流側に少量の空気が供給されるように、空気供給口16fの密度と開口面積が調整されている。
熱伝導性の空気供給部材16とセルスタック14の間には、パッキン62が介在しており、直接には接触していない。それでも、熱伝導性の空気供給部材16は、セルスタック14の上流側と下流側の温度差を小さく抑える。加熱されやすいセルスタック14の下流流側では、輻射が活発に起こって熱伝導性の空気供給部材16に熱を伝える。セルスタック14の下流側の温度は低下する。輻射によって加熱された熱伝導性の空気供給部材16は、熱伝導によって低温部を加熱する。加熱された空気供給部材16は、相対的に低温なセルスタック14の上流側に向けて輻射し、セルスタック14の上流部を加熱する。熱伝導性の空気供給部材16がセルスタック14に直接には接触していなくても、近接して位置しているために、熱伝導性の空気供給部材16は、セルスタック14の高温部から低温部に伝えられる熱エネルギーの移動を促進する。
各燃料電池セル12の先端近傍には夫々スパーク電極60が配設されている。スパーク電極60が火花放電することによって、燃料電池セル12の先端から流出する燃料ガスのオフガスと、燃料電池セル12の下流側へ誘導される空気のオフガスが燃焼する。改質器18は燃料電池セル12の先端に近接していることから、燃料ガスのオフガスと空気のオフガスとの燃焼によって発生する燃焼熱を改質反応の吸熱反応に効率よく利用することができる。
燃焼ガスは極めて高温であり、そのままでは熱交換器に投入しがたい。それほどの高温に耐えられる熱交換器は材質が限られ、高価である。本実施例では、燃焼熱でまず改質器18を加熱する。改質反応は吸熱反応であり、燃焼ガスの熱は吸熱され改質に利用される。燃焼熱でまず改質器18を加熱するために、燃焼ガスの温度は低下する。このために、第2室46を流れる燃焼ガスの温度は適度に冷却されており、仕切り壁36、38に特別の材料を使わなくてもすむ。
上昇した燃焼ガスは、第1室44の上面に沿って第2室46に流入する。第2室46内に流入した燃焼ガスは、上下方向に伸びる複数の細い角柱形状の通路を下方向に通過して第2室46の下部に流入し、燃焼ガス導出管58から発電装置10の外部に導出される。
このとき、空気導入管34から導入された予加熱された空気(約200℃)は第3室48内に流入し、上下方向に伸びる複数の細い角柱形状の通路を上方向に通過している。従って、第2室46を通過する燃焼ガスと、第3室48を通過する空気との間で熱交換が行われる。外仕切板38の両面に取付けられたフィン54、56によって、熱交換率は更に高められる。この熱交換によって、空気を約650℃まで予加熱しておくことができる。なお、約500℃まで温度低下した燃焼ガスは、発電ユニット10の外部で実施する燃料ガスの予備改質(吸熱反応)の加熱源として利用することができ、さらには空気の予熱に利用することもできる。
本発明の第2実施例を図5に示す。発電装置100の下部に燃料電池セル群収容室118が配置され、中間高さに燃焼室122が配置され、上部に熱交換室124が配置されている。
図示されない燃料ガス供給路から受入れられた燃料ガスは、改質器108a、108b、108c、108dに分配される。
改質器108a、108b、108c、108dは、内部に改質触媒が充填された筒状部材であり、その内部を通過する燃料ガスを改質する。
改質器108a、108b、108c、108dは、図示されない燃料ガス配管によってタンク112(改質ガス受入れ室)へ連通しており、改質された燃料ガスを、タンク112へ送出する。
タンク112は、改質器108a、108b、108c、108dから流入する燃料ガスを受け入れ、燃料ガスの圧力を均等化する。タンク112で圧力を均等化された燃料ガスは、配管126a、126b、126c、126d(分配路に相当する)に分配される。
以下添字を略して共通に説明する。配管126(分岐路に相当する)のオリフィス128の配管抵抗は、燃料ガス通路114の配管抵抗を無視できる程度に大きい。改質された燃料ガスが、配管126、燃料ガス通路114を通過する際の圧力損失は、改質された燃料ガスが配管126のみを通過する際の圧力損失と略同程度である。上記は配管126a、126b、126c、126dに共通している。
配管126a、126b、126c、126dの入口圧力は、タンク112によって、均等化されている。配管126a、126b、126c、126dへ流入した燃料ガスが、対応する燃料ガス通路114a、114b、114c、114dの端部から放出されるまでの圧力損失は、略均等である。さらに燃料ガス通路114a、114b、114c、114dの端部は、燃焼室122内で開放されており、その出口圧力は略均等である。
上記の構成とすることにより、改質器108a、108b、108c、108dで改質された燃料ガスは、配管126a、126b、126c、126dを経由して、燃料ガス通路114a、114b、114c、114dに略均等な流量で分配される。
筒状の燃料電池セル116a、116b、116c、116dの外側に酸素極が配置されており、その酸素極に有酸素ガス(この場合は空気)を供給する有酸素ガス通路120a、120b、120cが、燃料電池セル116a、116b、116c、116dの間隙に挿入されている。有酸素ガス通路120a、120b、120cはパイプ状であり、垂直方向に伸びており、下端から有酸素ガスを噴出す。有酸素ガスを噴出す様子が矢印110で図示されている。有酸素ガス受け入れ口104から、加圧された有酸素ガスが受け入れられる。
筒状の燃料電池セル116a、116b、116c、116dの外側に形成されている酸素極に送り込まれた酸素は、イオン化した状態で、筒状の燃料電池セル116a、116b、116c、116dの中間に形成されている固体電解質を通過し、筒状の燃料電池セル116a、116b、116c、116dの内側に形成されている燃料極に移動し、そこで燃料ガスと反応して、酸素極と燃料極の間に電位差を発生させる。
筒状の燃料電池セル116a、116b、116c、116dの内側に送り込まれた燃料ガスの一部は、酸素と反応することなく筒状の燃料電池セル116a、116b、116c、116dを通過する。有酸素ガス通路120a、120b、120cから送り込まれた有酸素ガスの一部も消費されないで、燃料電池セル群収容室118から上方に戻っていく。発電に利用されなかった燃料ガスと有酸素ガスは燃焼室122で燃焼し、高温の燃焼ガスを生成する。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
12・・・燃料電池セル
12a・・・燃料極
12b・・・固体電解質層
12c・・・酸素極
12d・・・インターコネクタ
14・・・セルスタック
14a、14b、14c、14d、14e・・・セルスタック
16・・・空気供給部材
16f・・・空気供給口
18・・・改質器
18a、18b・・・改質器
20・・・燃料ガス通路
22・・・集電部材
24・・・マニホールド
24a、24b、24c、24d、14e・・・マニホールド
26・・・燃料ガス導入管
28a、28b・・・渡り配管
30・・・配管
30a、30b、30c、30d、30e・・・配管
32a、32b、32c、32d、32e・・・オリフィス
34・・・空気導入管
36・・・内仕切壁
36a・・・固定用壁
36b・・・穴
38・・・外仕切壁
38a・・・固定用壁
38b・・・穴
40・・・外壁
42・・・断熱部材
44・・・第1室
46・・・第2室
48・・・第3室
50・・・空気供給管
52a、52b・・・邪魔板
54、56・・・フィン
58・・・燃焼ガス導出管
60・・・スパーク電極
62・・・パッキン
100・・・発電装置
102・・・排気口
104・・・有酸素ガス受け入れ口
106・・・断熱材
108a、108b、108c、108d・・・改質器
110・・・矢印
112・・・タンク
114a、114b、114c、114d・・・燃料ガス通路
116・・・燃料電池セル
116a、116b、116c、116d・・・燃料電池セル
118・・・燃料電池セル群収容室
120a、120b、120c・・・有酸素ガス通路
122・・・燃焼室
124・・・熱交換室
126a、126b、126c、126d・・・配管
128a、128b、128c、128d・・・オリフィス
Claims (3)
- 複数の固体酸化物型燃料電池セルスタックを利用する発電装置であって、
燃料ガス通路に並列に接続されて各々に燃料ガスを受入れて改質する複数の改質器と、
各々の改質器で改質された改質ガスを共通に受入れる改質ガス受入れ室と、
改質ガス受入れ室に受入れられた改質ガスを前記複数のセルスタックに分配する分配路と、
を備えている発電装置。 - 前記分配路の各々の分岐路に、配管抵抗が互いに略同等なオリフィスが配置されていることを特徴とする請求項1の発電装置。
- 複数の固体酸化物型燃料電池セルスタックを利用する発電装置であって、
燃料ガスを受入れて改質する複数の改質器と、
複数の改質器の燃料ガス受入れ部を連通する第1連通部と、
複数の改質器の改質ガス送出し部を連通する第2連通部と、
各々の改質器の改質ガス送出し部から対応するセルスタックに改質ガスを供給する供給路と、
を備えている発電装置。
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