JP2005293930A - 誘電体磁器組成物の製造方法および製造された誘電体磁器組成物を用いたセラミックコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【目的】チタン酸バリウム粉体に添加物をむら無く被覆することにより、誘電体層での成分の局在を防止することのできる誘電体磁器組成物を得る。
【構成】2価の水溶性マンガン塩と水溶性臭素酸塩または水溶性塩素酸塩を溶解した水溶液に、チタン酸バリウム粉体を投入してチタン酸バリウム懸濁液とし、このチタン酸バリウム懸濁液を60℃以上に加熱することにより、二酸化マンガンがチタン酸バリウム粉体の表面に付着するように沈殿させて、二酸化マンガンで被覆したチタン酸バリウム粉体を誘電体磁器粉末として得る。
【選択図】 無し
【構成】2価の水溶性マンガン塩と水溶性臭素酸塩または水溶性塩素酸塩を溶解した水溶液に、チタン酸バリウム粉体を投入してチタン酸バリウム懸濁液とし、このチタン酸バリウム懸濁液を60℃以上に加熱することにより、二酸化マンガンがチタン酸バリウム粉体の表面に付着するように沈殿させて、二酸化マンガンで被覆したチタン酸バリウム粉体を誘電体磁器粉末として得る。
【選択図】 無し
Description
この発明はセラミックコンデンサ等に用いる誘電体磁器組成物の製造方法およびセラミックコンデンサに関する。
チタン酸バリウム(BaTiO3)系の誘電体材料は優れた誘電特性を有していることから、積層コンデンサなどの種々の用途に広く用いられている。しかし、従来のチタン酸バリウム系の誘電体磁器材料は、中性または還元性の雰囲気下で焼成すると、還元され、半導体化するという問題点がある。したがって、焼成は酸化性の高酸素分圧下で行うことが必要になるが、その場合、例えば、積層コンデンサにおいてニッケル(Ni)などの卑金属材料を内部電極として用いると、焼成工程で内部電極(ニッケル)が酸化されてしまう。したがって、電極材料としては、高温の焼成温度で溶融せず、かつ、酸化性雰囲気下で焼成しても酸化されない、例えば、パラジウム(Pd)や白金(Pt)などの貴金属を用いなければならず、積層コンデンサのコストを増大させる大きな要因となっている。
そのため、焼成工程においてニッケルなどの卑金属電極材料が酸化されることのない、酸素分圧の低い中性または還元性の雰囲気下で焼成しても還元されて半導体化することがなく、コンデンサ用の誘電体材料として使用するのに十分な比抵抗と優れた誘電特性を有する非還元性誘電体磁器材料に対する必要性が強く認識されるに至っている。
そして、これらの条件を満たすものとして、例えば、特公昭61−14611号公報に開示されたBaTiO3−(Mg,Zn,Sr,Ca)O−B2O3−SiO2系の材料などが提案されている。また、MnOを添加したチタン酸バリウム粉体を使用することによっても、同様の効果が得られることが知られている。
このような材料を作製するには、一般的にはチタン酸バリウムの粉末に所定の添加物成分の粉末を加えて、ボールミル等で粉砕混合した後に、バインダーを加えてスラリー化し、さらに所定の厚さのグリーンシートとして焼成することにより製造されている。
これらの誘電体磁器組成物を形成する原料粉体の工業的混合方法としては、上記のように主成分であるチタン酸バリウム粉体に、添加元素を構成する金属元素の酸化物あるいは炭酸塩(粉体)を添加混合して分散させる方法が用いられているが、この方法では添加した粉体をチタン酸バリウム粉体の表面に均一に付着させ固定することができず、安定した特性を有する誘電体磁器組成物粉体を得ることが困難であるという問題点がある。
そのため、チタン酸バリウム粉体と添加物を混合した誘電体磁器組成物を用いてセラミックコンデンサを作製した際、誘電体層での添加物成分が局在化し、誘電体層の特性を均一なものとすることが困難であった。
そこで、添加元素の塩を溶解させた水溶液にチタン酸バリウム粉体を分散させ、これに沈殿剤を含む水溶液を供給して、添加元素の酸化物や炭酸塩の沈殿粒子を析出させ、チタン酸バリウム粉体との混合を図る方法も知られているが、この方法では、添加元素を含む沈殿物の生成が瞬時にして完了するため、必ずしもチタン酸バリウム粉体の表面を被覆しながら、沈殿が析出するとは限らない。このため、チタン酸バリウム粉体の表面を添加物によってむら無く被覆することは困難である。
そこでこの発明では、チタン酸バリウム粉体に添加物をむら無く被覆することにより、誘電体層での成分の局在を防止することのできる誘電体磁器組成物を提供する。
また、上記の誘電体磁器組成物を用いて、特性の良いセラミックコンデンサを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明として、2価の水溶性マンガン塩と水溶性臭素酸塩または水溶性塩素酸塩を溶解した水溶液に、チタン酸バリウム粉体を投入してチタン酸バリウム懸濁液を得る工程と、
該チタン酸バリウム懸濁液を60℃以上に加熱することにより、前記チタン酸バリウム粉体の表面に付着するように二酸化マンガンを沈殿させる工程により、
二酸化マンガンで被覆したチタン酸バリウム粉体を誘電体磁器粉末として得ることを特徴とする。
該チタン酸バリウム懸濁液を60℃以上に加熱することにより、前記チタン酸バリウム粉体の表面に付着するように二酸化マンガンを沈殿させる工程により、
二酸化マンガンで被覆したチタン酸バリウム粉体を誘電体磁器粉末として得ることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明として、前記水溶性マンガン塩と水溶性臭素酸塩または水溶性塩素酸塩を溶解した水溶液における水溶性臭素酸塩または水溶性塩素酸塩の量をマンガンイオンに対して1倍以上10倍以下とすることを特徴とする。
さらに、請求項3に係る発明として、請求項1から請求項2に記載した製造方法によって得られた誘電体磁器組成物を用いてセラミックコンデンサとしたことを特徴とする。
チタン酸バリウム粉体の表面に、酸化マンガンを均一に被覆することができるため、この粉体をスラリー化した際に、チタン酸バリウム成分と酸化マンガン成分を均一に分散させることができる。
このため、このスラリーよりグリーンシートを作成し、さらにセラミックコンデンサとした時に、誘電体層の中で添加物成分の局在化がなくなり、安定した特性のセラミックコンデンサを得ることができる。
次にこの発明の実施の形態について説明する。
まず、請求項1および請求項2の発明について説明する。
この発明は、誘電体磁器組成物として、次の工程によりチタン酸バリウム粉末を二酸化マンガンで被覆させる方法である。
1.2価の水溶性マンガン塩と水溶性臭素酸塩または水溶性塩素酸塩を溶解した水溶液に、チタン酸バリウム粉体を投入してチタン酸バリウム懸濁液を得る工程
2.チタン酸バリウム懸濁液を60℃以上に加熱することにより、前記チタン酸バリウム粉体の表面に付着するように二酸化マンガンを沈殿させる工程
この発明は、誘電体磁器組成物として、次の工程によりチタン酸バリウム粉末を二酸化マンガンで被覆させる方法である。
1.2価の水溶性マンガン塩と水溶性臭素酸塩または水溶性塩素酸塩を溶解した水溶液に、チタン酸バリウム粉体を投入してチタン酸バリウム懸濁液を得る工程
2.チタン酸バリウム懸濁液を60℃以上に加熱することにより、前記チタン酸バリウム粉体の表面に付着するように二酸化マンガンを沈殿させる工程
以下では、各工程での詳細について説明する。
2価の水溶性マンガン塩と水溶性臭素酸塩または水溶性塩素酸塩を溶解した水溶液に、チタン酸バリウム粉体を投入して懸濁液を得る。水溶性マンガン塩と尿素はともに水に溶解するため、水溶液となるが、チタン酸バリウム粉体は水に不溶であり、水溶液は懸濁液となる。
前記水溶性マンガン塩と水溶性臭素酸塩または水溶性塩素酸塩を溶解した水溶液における水溶性臭素酸塩または水溶性塩素酸塩の量は、マンガンイオンに対して1倍以上10倍以下とする。なお、ここでの量はモル比を表す。水溶性臭素酸塩または塩素酸塩の量が1倍未満であると、後に説明する沈殿工程の際に、沈殿が完了しない。一方、それらの量が10倍を超えると、不経済であるばかりでなく、混合の均一性も低下してしまう。
そして、チタン酸バリウム懸濁液を60℃以上に加熱する。加熱することにより、下記式1にしたがって臭素酸イオンまたは塩素酸イオンが2価のマンガンイオンを4価に酸化し、二酸化マンガンが沈殿する。式には臭素酸イオンを用いたときの例を示すが、塩素酸イオンを用いた場合でも同じである。
(式1)
3Mn2+ + BrO3 - + 3H2O → 3MnO2 + 6H+ + Br- (1)
(式1)
3Mn2+ + BrO3 - + 3H2O → 3MnO2 + 6H+ + Br- (1)
沈殿の生成反応の速度は、出発溶液の組成、特にマンガンイオンと尿素の比率および加熱温度によって変化するが、チタン酸バリウム粉体の表面に二酸化マンガンが付着するように沈殿させるためには、沈殿生成の速度がある程度遅いことが好ましい。
沈殿剤を外部から添加することなく、溶液から自発的に沈殿を生成させる方法を均一沈殿法と呼ぶが、この均一沈殿法を用いると、沈殿の生成速度を遅くすることができる。本願発明ではこの均一沈殿法を用いることにより、生成する炭酸マンガンはチタン酸バリウム粉体の表面に付着しながら沈殿するようになる。そのため、二酸化マンガンとチタン酸バリウムの均一な混合が達成される。
このような条件としては、懸濁液の温度を60℃以上に加熱することが必要である。60℃未満の温度では、上記(1)式の反応の進行速度が遅いために、二酸化マンガンの沈殿反応が起こらない。
中でも、懸濁液の温度は、70℃以上に加熱することが好ましい。60℃程度以下の温度ではきわめてゆっくりとしか沈殿生成が進まないため、工業的には実用的ではない。一方、70℃以上の温度に加熱すると、沈殿反応の速度はある程度速くなるとともに、チタン酸バリウム粉体の表面を被覆するように二酸化マンガンが沈殿する。そのため、温度は70℃以上が好ましい。
以上のプロセスにより、二酸化マンガンで被覆したチタン酸バリウム粉体を誘電体磁器組成物粉末として得ることができる。
次にこの発明をより詳細な実施例とともに説明する。
[実施例1]
実施例1では、請求項1および2に記す方法による誘電体磁器組成物の製造方法について説明する。
1.チタン酸バリウム1モルに対して0.002モルの酸化マンガン(MnO換算)を被覆した粉体を作ることを意図して、300mlの水にチタン酸バリウム粉体30g、酢酸マンガン(II)4水和物0.063gと臭素酸ナトリウム0.194gを投入し、酢酸マンガン(II)と臭素酸ナトリウムを溶解させた。なお、チタン酸バリウム粉体は水に不溶であるため、水溶液はチタン酸バリウムの懸濁液となった。
実施例1では、請求項1および2に記す方法による誘電体磁器組成物の製造方法について説明する。
1.チタン酸バリウム1モルに対して0.002モルの酸化マンガン(MnO換算)を被覆した粉体を作ることを意図して、300mlの水にチタン酸バリウム粉体30g、酢酸マンガン(II)4水和物0.063gと臭素酸ナトリウム0.194gを投入し、酢酸マンガン(II)と臭素酸ナトリウムを溶解させた。なお、チタン酸バリウム粉体は水に不溶であるため、水溶液はチタン酸バリウムの懸濁液となった。
2.この懸濁液を加熱し、約100℃の温度を維持したまま5時間以上放置したところ、二酸化マンガンの沈殿が起こった。
この加熱工程において、途中1時間おきに溶液を採取し、上澄みに溶解しているマンガンイオンの濃度を誘導結合プラズマ発光分光法で定量を行った。
以上のプロセスにおいては、加熱前のマンガンイオンの濃度は45ppmであったが、加熱時間とともに徐々に低下し、3時間後には0.1ppm以下にまで低下した。
従って、3時間程度の加熱により、水溶液中のすべてのマンガンイオンが二酸化マンガンとして沈殿したことを確認した。これは、チタン酸バリウム1モルに対して0.002モルの酸化マンガンが被覆されることを意味する。
この加熱工程において、途中1時間おきに溶液を採取し、上澄みに溶解しているマンガンイオンの濃度を誘導結合プラズマ発光分光法で定量を行った。
以上のプロセスにおいては、加熱前のマンガンイオンの濃度は45ppmであったが、加熱時間とともに徐々に低下し、3時間後には0.1ppm以下にまで低下した。
従って、3時間程度の加熱により、水溶液中のすべてのマンガンイオンが二酸化マンガンとして沈殿したことを確認した。これは、チタン酸バリウム1モルに対して0.002モルの酸化マンガンが被覆されることを意味する。
3.加熱を終了した後、沈殿した粉末を濾過し、沈殿物を取り出した。この沈殿物がチタン酸バリウムをMnO前駆体で被覆したものである。
4.MnO前駆体を二酸化マンガンとするために600℃で1時間焼成を行い、誘電体磁器組成物粉末を得た。
5.この焼成後に、EDX分析により、誘電体磁器粉末の組成とその粉末中のマンガンの分布を分析したところ、マンガンは粉末中に均一に分布していることが確認された。
以上のようなプロセスを経て、二酸化マンガンで被覆したチタン酸バリウム粉体からなる誘電体磁器粉末を得ることができた。
[実施例2]
次に、上記の方法で作成した誘電体磁器組成物を用いたセラミックコンデンサの実施例を説明する。
次に、上記の方法で作成した誘電体磁器組成物を用いたセラミックコンデンサの実施例を説明する。
[1.製造工程]
[1−1.誘電体スラリーの調製]
誘電体ベース材料として、平均粒径が0.7μmのBaTiO3に二酸化マンガンを前述の方法で被覆した物を用いた。なお、このBaTiO3はシュウ酸塩共沈法で得られたものを使用した。また、主添加物(MgO+Y2O3)及び第二副添加物(WO3、MoO3)の酸化物は、それぞれ、表1に示した組成に従って所定の量を秤量した。
[1−1.誘電体スラリーの調製]
誘電体ベース材料として、平均粒径が0.7μmのBaTiO3に二酸化マンガンを前述の方法で被覆した物を用いた。なお、このBaTiO3はシュウ酸塩共沈法で得られたものを使用した。また、主添加物(MgO+Y2O3)及び第二副添加物(WO3、MoO3)の酸化物は、それぞれ、表1に示した組成に従って所定の量を秤量した。
BaSiO3で表される酸化物ガラスは、BaCO3、SiO2をボールミルにより24時間湿式混合し、乾燥後、1150℃で空気中で焼成し、ジェットミル、アトライタミルなどの微粉砕機を用いて粉砕することにより、製造した。
以上のようにして得られた誘電体ベース材料と酸化物粉末及び酸化物ガラスから、誘電体原料を作製した。すなわち、各誘電体原料1200gに対して、水とエチルアルコール及び分散剤を80:19:1で混合した溶剤を850g入れ、ホモジナイザーを用いて分散させた。この混合物を、通常の良く知られている分散方法であるボールミルを用いて10時間分散させた後、さらにブチラール樹脂と可塑剤を含む溶液を入れて、誘電体スラリーを作製した。なお、これらのスラリーの粘性はいずれも約200cpsに調整した。
[1−2.グリーンチップの作製]
上記のようにして得られた誘電体スラリーを用いて、ダイコーターにより、PETフィルム上に10μmの厚さを持つグリーンシートを成形し、このグリーンシート上に、内部電極用ペーストを2μmの厚みで印刷した。なお、内部電極用ペーストとしては、平均粒径0.5μmのNi粒子100重量部と、有機ビヒクル(エチルセルロース樹脂8重量部をブチルカルビトール92重量部に溶解したもの)40重量部、及びブチルカルビトール10重量部とを、3本ロールにより混練し、ペースト化したものを使用した。
上記のようにして得られた誘電体スラリーを用いて、ダイコーターにより、PETフィルム上に10μmの厚さを持つグリーンシートを成形し、このグリーンシート上に、内部電極用ペーストを2μmの厚みで印刷した。なお、内部電極用ペーストとしては、平均粒径0.5μmのNi粒子100重量部と、有機ビヒクル(エチルセルロース樹脂8重量部をブチルカルビトール92重量部に溶解したもの)40重量部、及びブチルカルビトール10重量部とを、3本ロールにより混練し、ペースト化したものを使用した。
次いで、PETフィルムからシートを剥離して積層し、80℃で1トン/cm2の静水圧を用いて加圧接着してグリーンチップを得た。有効積層数は200層とした。次に、このグリーンチップを所定サイズに切断し、金属板セッターに搭載し、脱バインダー処理、焼成及びアニールを、下記の条件で連続的に行ない、コンデンサ素子を作製した。なお、脱バインダー処理、焼成及びアニールの条件は、以下の通りである。また、それぞれの雰囲気ガスの加湿にはウェッターを用いた。
(脱バインダー処理)
昇温速度:20℃/時間
保持温度:300℃
温度保持時間:12時間
雰囲気ガス:空気中
(焼成)
昇温速度:200℃/時間
保持温度:1200℃〜1300℃
温度保持時間:4時間
冷却速度:200℃/時間
雰囲気ガス:加湿したN2とH2との混合ガス
酸素分圧:1×10-10atm
(アニール)
保持温度:950℃
温度保持時間:8時間
昇温、降温速度:200℃/時間
雰囲気ガス:N2ガス
酸素分圧:2×10-5atm
昇温速度:20℃/時間
保持温度:300℃
温度保持時間:12時間
雰囲気ガス:空気中
(焼成)
昇温速度:200℃/時間
保持温度:1200℃〜1300℃
温度保持時間:4時間
冷却速度:200℃/時間
雰囲気ガス:加湿したN2とH2との混合ガス
酸素分圧:1×10-10atm
(アニール)
保持温度:950℃
温度保持時間:8時間
昇温、降温速度:200℃/時間
雰囲気ガス:N2ガス
酸素分圧:2×10-5atm
[1−3.バレル処理・外部電極の形成]
得られたコンデンサ素子の端面をバレル処理により研磨した後、平均粒径0.5μmのCu粒子100重量部と、有機ビヒクル(エチルセルロース樹脂8重量部をブチルカルビトール92重量部に溶解したもの)35重量部、硼硅酸亜鉛ガラス粉末3重量部、及びブチルカルビトール7重量部とを混練し、ペースト化した外部電極用ペーストを前記端面に転写し、N2雰囲気中で850℃にて10分間焼成して外部電極を形成し、図1に示すような構成を有する積層セラミックコンデンサを得た。なお、図において、1は誘電体層、2は内部電極、3は外部電極である。上記のようにして製造したサンプルのサイズは、3.2×2.5×2.0mmであり、有効誘電体層の厚さは7μm×200層、内部電極層の厚さは約1.5μmであった。
得られたコンデンサ素子の端面をバレル処理により研磨した後、平均粒径0.5μmのCu粒子100重量部と、有機ビヒクル(エチルセルロース樹脂8重量部をブチルカルビトール92重量部に溶解したもの)35重量部、硼硅酸亜鉛ガラス粉末3重量部、及びブチルカルビトール7重量部とを混練し、ペースト化した外部電極用ペーストを前記端面に転写し、N2雰囲気中で850℃にて10分間焼成して外部電極を形成し、図1に示すような構成を有する積層セラミックコンデンサを得た。なお、図において、1は誘電体層、2は内部電極、3は外部電極である。上記のようにして製造したサンプルのサイズは、3.2×2.5×2.0mmであり、有効誘電体層の厚さは7μm×200層、内部電極層の厚さは約1.5μmであった。
(従来例1)
従来例として、MnOの分散方法として、酸化物粉の混合によるものを従来例1とした
従来例として、MnOの分散方法として、酸化物粉の混合によるものを従来例1とした
各サンプルについて下記に示す特性の評価を行った。
(容量の温度特性)
容量の温度特性は、EIAのX7Rを満足するか否かを調べた。具体的には、LCRメータにより、−55〜125℃について測定電圧1Vで容量を測定し、容量変化率が±15%以内(基準温度25℃)を満足するか否かを調べた。
容量の温度特性は、EIAのX7Rを満足するか否かを調べた。具体的には、LCRメータにより、−55〜125℃について測定電圧1Vで容量を測定し、容量変化率が±15%以内(基準温度25℃)を満足するか否かを調べた。
(比誘電率ε)
20℃における静電容量を測定し、電極面積と誘電体の厚みから比誘電率を測定した。なお、誘電率と誘電損失は1vrms、1.0kHzでの値を用いた。
20℃における静電容量を測定し、電極面積と誘電体の厚みから比誘電率を測定した。なお、誘電率と誘電損失は1vrms、1.0kHzでの値を用いた。
(容量抵抗積)
素子を25℃の恒温槽に放置し、10分後に容量と25V印加した時の絶縁抵抗の1分値を測定し、その値と容量の積をCR積とした。
素子を25℃の恒温槽に放置し、10分後に容量と25V印加した時の絶縁抵抗の1分値を測定し、その値と容量の積をCR積とした。
(加速寿命試験)
加速寿命試験として、温度150℃にて直流電圧を100V印加して、その絶縁抵抗の経時変化を測定した。なお、加速寿命試験では、各試料の絶縁抵抗値が105以下になったときの時間をIR寿命時間とし、複数の試料についての平均寿命時間を求めた。
加速寿命試験として、温度150℃にて直流電圧を100V印加して、その絶縁抵抗の経時変化を測定した。なお、加速寿命試験では、各試料の絶縁抵抗値が105以下になったときの時間をIR寿命時間とし、複数の試料についての平均寿命時間を求めた。
この結果を次の表2に示す。
[試験結果]
表2に示した、従来例1のMnO粉の混合による分散では加速寿命時間が短くなっている。また、温度特性も−55℃の変化が大きく、CRも低い値を示している。これは、混合による分散では、MnO粉末が局在化してしまい均一な分散が困難な為と考えられる。
表2に示した、従来例1のMnO粉の混合による分散では加速寿命時間が短くなっている。また、温度特性も−55℃の変化が大きく、CRも低い値を示している。これは、混合による分散では、MnO粉末が局在化してしまい均一な分散が困難な為と考えられる。
表2に示した、本発明の実施例ではCRも大きく、加速寿命試験結果も良好な事より、信頼性を十分確保できることが確認できた。
表2から明らかなように、本発明によるBaTiO3の表面に酸化マンガンをコーテングする技術用いた場合には、耐圧に優れたMLCを製造することができ、信頼性も高い。
1 誘電体層
2 内部電極
3 外部電極
2 内部電極
3 外部電極
Claims (3)
- 2価の水溶性マンガン塩と水溶性臭素酸塩または水溶性塩素酸塩を溶解した水溶液に、チタン酸バリウム粉体を投入してチタン酸バリウム懸濁液を得る工程と、
該チタン酸バリウム懸濁液を60℃以上に加熱することにより、前記チタン酸バリウム粉体の表面に付着するように二酸化マンガンを沈殿させる工程により、
二酸化マンガンで被覆したチタン酸バリウム粉体を誘電体磁器組成物粉末として得ることを特徴とする誘電体磁器組成物の製造方法。 - 前記水溶性マンガン塩と水溶性臭素酸塩または水溶性塩素酸塩を溶解した水溶液における水溶性臭素酸塩または水溶性塩素酸塩の量をマンガンイオンに対して1倍以上10倍以下とすることを特徴とする請求項1記載の誘電体磁器組成物の製造方法。
- 請求項1ないし請求項2記載の誘電体磁器組成物の製造方法によって得られた誘電体磁器組成物を用いて製造したセラミックコンデンサ。
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