JP2005292716A - 光導波路素子の形成方法及びそれにより得られた光導波路素子 - Google Patents

光導波路素子の形成方法及びそれにより得られた光導波路素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱処理によるコアの軟化、変形のおそれがない光導波路素子の形成方法及びそれにより得られた光導波路素子を提供するものである。
【解決手段】 本発明に係る光導波路素子10の形成方法は、ガラス基板11の表面に溝15を形成し、そのガラス基板11の溝形成面を、ガラス基材にドーパント材を添加して屈折率を高めた高屈折率ガラス膜16で覆って、溝15内に高屈折率ガラスを充填し、その後、研磨処理を施してガラス基板11の表面の高屈折率ガラス膜16を除去して、溝15内に充填された高屈折率ガラスをコア18に形成し、そのガラス基板11の研磨面19に他のガラス基板20を重ね合わせた後、熱処理を施して重ね合わせ面21,22を部分溶融させ、両者を一体化するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、石英ガラスを基板とする光導波路素子の形成方法及びそれにより得られた光導波路素子に関するものである。
導波路型光部品(以下、光導波路素子と表す)は、バッファ層(下部クラッド)と呼ばれる低屈折率のSi基板や石英基板上に、屈折率の高いコアと呼ばれる光の伝搬領域を形成し、このコアをさらに低屈折率のクラッド膜(上部クラッド)で覆った構造が一般的である。
一般的な光導波路素子の製造方法としては、次のものが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、図6(a)に示すように、石英基板61上に高屈折率のコアガラス膜62を成膜した後、図6(b)に示すように、コアガラス膜62上に金属マスク(WSi膜、Cr膜)63を成膜し、その後、金属マスク63上にフォトレジストを塗布し、図6(c)に示すように、フォトリソグラフィーを用いて光回路のレジストパターン64を形成する。その後、RIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)法を用い、図6(d)に示すように、レジストパターン64をマスクにして金属マスクパターン65を形成する。
次に、再びRIE法を用い、図6(e)に示すように、金属マスクパターン65をマスクにしてコアガラス膜62を光回路パターン66(コア)に形成する。その後、図6(f)に示すように、金属マスクパターン65を除去し、更にコア66の屈折率を安定、均一化させるため、アニール(焼鈍処理)を行う。
次に、図6(g)に示すように、コア66及び石英基板61をクラッド膜(上部クラッド)67で覆設する。その後、図6(h)に示すように、安定化、透明化のための熱処理を行うことで、石英基板61及びクラッド膜67の界面が部分溶融して両者が一体化し、光導波路素子60が得られる。
この光導波路素子60は、通常、図7に示すウェハ71を、図8に示すように、ダイシングしてチップ状に切り出すことで得られる。その後、図9に示すように、光導波路素子60の両端面91,92を研磨し、図10に示すように、各端面91,92に光ファイバアレイ101,102を接続することで、光導波路モジュールが得られる。チップ状に切り出した各光導波路素子60は、図6(h)に示したように、熱処理によってコア66の周りに熱拡散領域68が形成されており、この熱拡散領域68も含めてコア部69を形成している。
コアガラス膜62は、SiO2に、屈折率を高める効果があるドーパント材を添加したもので構成され、FHD(Flame Hydrolysis Deposition(火炎堆積))法、スパッタ法、又はCVD法などによって成膜される。また、クラッド膜67は、FHD法又はCVD法などによって成膜される。
特開平9−5551号公報
近年、光導波路素子60の集積度を高める集積化が図られている。光導波路素子60の集積化を図るには、隣接する複数のコア66を近接して配置する必要がある。そのためには、光の閉じ込め効果を高める必要があり、コア66とクラッド膜67との屈折率差をより大きくする必要がある。屈折率差をより大きくするには、コア66の屈折率をより高くすればよい。しかしながら、コア66の屈折率をより高くするには、ドーパント材の添加量をより多くする必要があり、その結果、コア66の融点の低下を招いてしまう。よって、コア66にアニールを施した際に、コア66が軟化、変形して、光導波路素子60の損失が大きくなるおそれがあった。
また、コア部69は、光導波路素子60の上面側(図6(h)中では上側)に偏って位置しているため、光導波路素子60の両端面91,92をそのまま研磨すると、両端面91,92に位置するコア部69がダレてしまう。このダレを防ぐため、図9に示したように、光導波路素子60の上面側における両端面91,92近傍に、有機物系接着剤を用いて研磨ヤトイとなるダミー板(ダレ防止板)93,94を貼り付けている。これによって、光導波路素子60の両端面91,92を均一に研磨している。しかしながら、光導波路素子60に、有機物系接着剤を用いてダミー板93,94を貼り付けたとしても、接着強度不足により、研磨中に、光導波路素子60からダミー板93,94が脱落するおそれがある。
一方において、クラッド膜67の膜厚を厚くすれば、コア部69を光導波路素子60の中央に位置させることができ、ダミー板93,94は不要となる。しかしながら、FHD法を用いて厚膜のクラッド膜67を形成する場合、短時間で厚膜のクラッド膜67を形成可能であるが、屈折率を積層方向に一定とすることは困難である。また、CVD法を用いて厚膜のクラッド膜67を形成する場合、屈折率を積層方向に一定とすることができるが、成膜レート(成膜速度)が遅いと共に、成膜レートを上げることは困難であるため、生産性が低く、コスト上昇を招いてしまう。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、熱処理によるコアの軟化、変形のおそれがない光導波路素子の形成方法及びそれにより得られた光導波路素子を提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明に係る光導波路素子の形成方法は、ガラス基板上に、光を伝搬するコアと、そのコアを覆うクラッドとを有する光導波路素子の形成方法において、上記ガラス基板の表面に溝を形成し、そのガラス基板の溝形成面を、ガラス基材にドーパント材を添加して屈折率を高めた高屈折率ガラス膜で覆って、溝内に高屈折率ガラスを充填し、その後、研磨処理を施してガラス基板の表面の高屈折率ガラス膜を除去して、溝内に充填された高屈折率ガラスをコアに形成し、そのガラス基板の研磨面に他のガラス基板を重ね合わせた後、熱処理を施して重ね合わせ面を部分溶融させ、両者を一体化するものである。
ここで、ドーパント材は、B、P、S、Ge、又はTiであることが好ましい。 また、各ガラス基板が、無水合成石英基板であることが好ましい。
さらに、溝の側壁の傾斜角度が90°以下であることが好ましい。
また、研磨処理により、各ガラス基板の重ね合わせ面の最大高さRmaxを100nmに調整することが好ましい。
さらに、研磨処理後、各ガラス基板の重ね合わせ面に表面活性処理を施すことが好ましい。
また、熱処理を、常圧状態下、少なくとも800℃の温度で、1時間以上行うことが好ましい。
一方、本発明に係る光導波路素子は、前述した光導波路素子の形成方法を用いて作製し、得られたものである。
本発明によれば、集積度に左右されることなく、低損失な光導波路素子を得ることができるという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の好適一実施の形態に係る光導波路素子の形成方法を説明するための断面図を、図1(a)〜図1(h)に示す。
本発明の好適一実施の形態に係る光導波路素子の形成方法は、先ず、図1(a)に示すように、無水合成石英基板からなる下部基板(下部クラッド)11上に、金属マスク(WSi膜、Cr膜)12が成膜される。
次に、図1(b)に示すように、金属マスク12上に、フォトマスクに描画されたコアパターンをフォトレジストにより転写することで、金属マスク12上にレジストパターン13が形成される。次に、RIE法を用い、図1(c)に示すように、レジストパターン13をマスクにし、金属マスクパターン14が形成される。
次に、再びRIE法を用い、図1(d)に示すように、金属マスクパターン14をマスクにし、下部基板11に溝15が形成される。その後、エッチング処理を施すことで、下部基板11上から金属マスクパターン14が除去される。ここで、溝15の側壁15aの傾斜角度(下部基板11の水平面に対する傾斜勾配)は、後述する高屈折率ガラスの充填効率を良好とすべく、90°以下に形成することが好ましい。溝15の断面形状は、例えば、逆台形状、逆三角形状、U字状、半円形状などが挙げられ、特に限定するものではない。
次に、図1(e)に示すように、下部基板11の表面に、十分な膜厚の高屈折率ガラス膜16を形成することで、溝15全体に高屈折率ガラスが充填される。高屈折率ガラス膜16の形成は、FHD法又はCVD法により行われる。高屈折率ガラス膜16は、石英を主体としたガラス基材に、B、P、S、Ge、又はTi等のドーパント材を添加して屈折率を高めたものである。
次に、図1(f)に示すように、下部基板11の表面に設けた高屈折率ガラス膜16に対してCMP(Chemical Mechanical Polishing)などにより研磨処理を施すことで、下部基板11上から高屈折率ガラス膜16が除去され、表面が平坦化される。これによって、溝15に充填された高屈折率ガラスのみが残り、この溝15内に残った高屈折率ガラスがコア18となる。ここで、下部基板11の研磨面19は、その最大高さRmaxが100nmとなるように、表面粗さの調整がなされる。その後、研磨面19には、表面処理(活性処理)が施され、表面が活性化される。
次に、図1(g)に示すように、表面を活性化した下部基板11の研磨面19に、同じく無水合成石英基板からなる上部基板(上部クラッド)20を重ね合わせる。その後、図1(h)に示すように、安定化、透明化のための熱処理を施し、基板11,20の重ね合わせ面21,22同士を部分溶融させ、両者を一体化させる。これによって、光導波路素子10が得られる。光導波路素子10は、熱処理によってコア18の周りに熱拡散領域23が形成されており、コア18及び熱拡散領域23がコア部25となる。また、熱処理は、常圧状態下、少なくとも800℃の温度で、1時間以上行うことが好ましい。尚、上部基板20の重ね合わせ面22も、下部基板11の重ね合わせ面21(研磨面19)と同様に、表面粗さの調整及び表面活性処理が施される。
この光導波路素子10は、通常、図2に示すウェハ31を、図3に示すように、ダイシングしてチップ状に切り出すことで得られる。その後、図4に示すように、光導波路素子10の両端面41,42を研磨し、図5に示すように、各端面41,42に光ファイバアレイ51,52を接続することで、光導波路モジュールが得られる。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
光導波路素子10を構成する下部基板11及び上部基板20として、水分を含有する石英基板を用いた場合、基板11,20を重ね合わせた後に熱処理を施した際に、内部に発生する応力によって界面(重ね合わせ面21,22)が剥離したり、偏光特性を劣化させるおそれがある。本実施の形態に係る光導波路素子10の形成方法においては、下部基板11及び上部基板20として、石英を合成する際に塩素を添加し、水分の含有を抑制した無水合成石英基板を用いることで、界面の剥離や、偏光特性の劣化を防ぐことができる。
この無水合成石英基板で構成される各基板11,20を重ね合わせると、有機物系接着剤などを用いなくても、重ね合わせ面21,22のガラス分子同士の分子間力により、各基板11,20の接合、一体化がなされる。この時、各基板11,20の重ね合わせ面21,22に段差があると、分子間力がうまく作用せず、各基板11,20の接合、一体化が十分になされなくなる。その結果、後工程の熱処理時において発泡が生じたり、重ね合わせ面21,22が剥離する原因となる。本実施の形態に係る光導波路素子10の形成方法においては、表面粗さの調整を行うことで、各基板11,20の表面粗さにおける最大高さRmaxを100nmとしている。これによって、各基板11,20の接合、一体化を、十分に行うことができる。
また、本実施の形態に係る光導波路素子10の形成方法においては、各基板11,20の重ね合わせ面21,22に、予め、硫酸、硝酸+水、又はフッ酸+水などにより表面処理(活性処理)を施すことで、これらの酸がSiO2に作用し、各重ね合わせ面21,22にOH基が形成される。このOH基が、各基板11,20の接合のきっかけとなり、接合、一体化を更に良好とすることができる。
さらに、各基板11,20の重ね合わせ面21,22を重ね合わせただけの状態では、依然として、エッチング面(活性化処理面)の荒れが残存している。このため、コア長手方向において屈折率の変化量(揺らぎ)が大きく、導波路内部での伝搬損失が増加してしまう。本実施の形態に係る光導波路素子10の形成方法においては、各基板11,20を重ね合わせた後、常圧状態下、少なくとも800℃の温度で、1時間以上の熱処理を施すことで、コアに含まれるドーパント材(添加物)が拡散し、コア長手方向において屈折率の揺らぎが滑らかになる。その結果、光導波路素子10の低損失化を図ることができる。
また、集積度の高い光導波路素子を得るべく、コアの、クラッドに対する屈折率差を高くするには、ドーパント材の添加量をより多くする必要があるが、コアの融点が低下してしまう。このため、通常、コアに熱処理を施すと、コアが軟化して、変形するおそれがある。しかしながら、本実施の形態に係る光導波路素子10の形成方法によれば、コア18に熱処理を施した際に、コア18の両側面(図1(f)中では左右両面)が、下部基板11によって拘束されていることから、コア18が軟化しても、変形するおそれはない。よって、コア18の形状乱れを抑止することができ、集積度の高低に左右されることなく、低損失な光導波路素子10を得ることができる。
さらに、本実施の形態に係る光導波路素子10の形成方法においては、下部基板11に、上部基板20を重ね合わせることで、上部クラッドを形成することができるため、従来のように、FHD法やCVD法を用いて上部クラッドを成膜する必要がない。このため、従来、上部クラッドの成膜工程が完全に不要となり、生産工程の簡略化及び生産に要する時間の短縮を図ることができる。よって、本実施の形態に係る形成方法により得られた光導波路素子10は、従来の光導波路素子と比較して生産性が著しく高く、製造コストの低減を図ることができる。
また、本実施の形態に係る形成方法により得られた光導波路素子10は、上部基板20が、図9に示したようなダミー板93,94としての機能を兼ねている。このため、光導波路素子10の両端面41,42をそのまま研磨しても、両端面41,42に位置するコア部25がダレることはなく、両端面41,42を均一に研磨することができる。ここで、上部基板20は、図2に示したウェハ31単位で下部基板11に接合、一体化されているものであって、従来の、図9に示したダミー板93,94のように、各光導波路素子毎に接合、一体化する必要はない。このため、光導波路モジュールの製造工程の簡略化及び製造時間の短縮を図ることができ、その結果、光導波路モジュールの製造コストの低減を図ることができる。また、上部基板20は、熱処理によって下部基板11と一体化しているため、研磨中に、光導波路素子10から上部基板20が脱落するおそれはない。
さらに、本実施の形態に係る光導波路素子10の形成方法においては、コア部25を、光導波路素子10の板厚方向(図1(h)中では上下方向)の中央部に位置させるには、上部基板20の板厚を調整することで容易に調整可能である。この上部基板20の製造は、板厚の厚さに左右されるものではなく、板厚の厚い上部基板20であっても容易に製造することができる。よって、従来のように、FHD法やCVD法を用いて上部クラッドとなる膜を成膜する場合に比べて、短時間で、かつ、容易に上部クラッドを形成することができる。
また、本実施の形態に係る形成方法により得られた光導波路素子10は、下部基板11及び上部基板20の屈折率が全体に亘って均一であることから、コア18(コア部25)を屈折率の再現性よく(屈折率分布を均一に)形成することが容易であり、光回路特性の再現性が良好である。
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
本発明の好適一実施の形態に係る光導波路素子の形成方法を説明するための断面図である。 本発明の好適一実施の形態に係る光導波路素子を切り出す前のウェハの斜視図である。 図2のウェハをダイシングした状態を示す図である。 本発明の好適一実施の形態に係る光導波路素子の斜視図である。 図4の光導波路素子を用いた光導波路モジュールの斜視図である。 従来の光導波路素子の形成方法を説明するための断面図である。 従来の光導波路素子を切り出す前のウェハの斜視図である。 図7のウェハをダイシングした状態を示す図である。 従来の光導波路素子にダミー板を貼り付けた状態を示す図である。 従来の光導波路モジュールの斜視図である。
符号の説明
10 光導波路素子
11 下部基板(ガラス基板)
15 溝
16 高屈折率ガラス膜
18 コア
19 研磨面
20 上部基板(他のガラス基板)
21,22 重ね合わせ面

Claims (8)

  1. ガラス基板上に、光を伝搬するコアと、そのコアを覆うクラッドとを有する光導波路素子の形成方法において、上記ガラス基板の表面に溝を形成し、そのガラス基板の溝形成面を、ガラス基材にドーパント材を添加して屈折率を高めた高屈折率ガラス膜で覆って、溝内に高屈折率ガラスを充填し、その後、研磨処理を施してガラス基板の表面の高屈折率ガラス膜を除去して、溝内に充填された高屈折率ガラスをコアに形成し、そのガラス基板の研磨面に他のガラス基板を重ね合わせた後、熱処理を施して重ね合わせ面を部分溶融させ、両者を一体化することを特徴とする光導波路素子の形成方法。
  2. 上記ドーパント材が、B、P、S、Ge、又はTiである請求項1記載の光導波路素子の形成方法。
  3. 上記各ガラス基板が、無水合成石英基板である請求項1又は2記載の光導波路素子の形成方法。
  4. 上記溝の側壁の傾斜角度が90°以下である請求項1から3いずれかに記載の光導波路素子の形成方法。
  5. 上記研磨処理により、各ガラス基板の重ね合わせ面の最大高さRmaxを100nmに調整する請求項1から4いずれかに記載の光導波路素子の形成方法。
  6. 上記研磨処理後、各ガラス基板の重ね合わせ面に表面活性処理を施す請求項1から5いずれかに記載の光導波路素子の形成方法。
  7. 上記熱処理を、常圧状態下、少なくとも800℃の温度で、1時間以上行う請求項1から6いずれかに記載の光導波路素子の形成方法。
  8. 請求項1から7いずれかに記載の光導波路素子の形成方法を用いて作製したことを特徴とする光導波路素子。
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