JP2005292057A - 銅箔粗化面の接着強度の評価方法 - Google Patents

銅箔粗化面の接着強度の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
銅箔粗化面の接着強度を実測しなくても、銅箔粗化面の粗度等のパラメータから銅箔粗化面の接着強度を精度良く推定することができる銅箔粗化面の接着強度の評価方法を提供すること。
【解決手段】
銅箔試料Sの粗化面の表面積をレーザー顕微鏡で3次元的に測定して得られる3次元的表面積A(S)及び該3次元的表面積A(S)の測定区域の面積である測定区域面積B(S)よりA(S)/B(S)で規定される面積係数C(S)を求め、該面積係数C(S)を前記銅箔試料Sと同種の銅箔の粗化面について予め求められている面積係数Cと接着強度Pとの関係を示す検量線Rに当てはめて算出接着強度P(R)を求め、該算出接着強度P(R)を前記銅箔試料Sの粗化面の実測した接着強度である実測接着強度P(S)に代えて前記銅箔試料Sの粗化面の接着強度として評価する銅箔粗化面の接着強度の評価方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、銅箔粗化面の接着強度の評価方法に関するものである。
銅箔はプリント配線板の形成材料等として広く用いられている。プリント配線板は、銅箔とプリプレグ等の他種材料とを接着させることにより得られるものであるため、銅箔とプリプレグ等との接着強度の高いことが好ましい。
銅箔とプリプレグ等との接着強度を高くする方法としては、未処理銅箔における粗面及び/又は光沢面に、例えば、触針式粗度計で測定した粗度Rが数μm程度のコブを形成する等の粗化処理を施して粗化面を形成することにより、未処理銅箔から表面処理銅箔を作製し、該粗化面のコブのプリプレグ等へのアンカー効果を利用する方法が用いられてきた。該アンカー効果はプリプレグ等へのコブの食いつきに基づいて発生するものであるから、銅箔粗化面とプリプレグ等との接着強度は、一般的に、コブの大きさひいては銅箔粗化面の上記粗度Rの増加に伴って大きくなると考えられてきた。このため、銅箔粗化面とプリプレグ等との接着強度を評価するには、従来、IPC TM650 Section2.2.17A等のように、触針式粗度計で測定した粗度R等により粗化処理の程度を評価し、該粗度R等によって銅箔粗化面とプリプレグ等との接着強度を評価する方法が行われていた。
しかし、銅箔粗化面に施されるコブ処理の形状等によっては、上記触針式粗度計で測定した粗度Rの増加と上記銅箔粗化面の接着強度の増加とが一致しない場合がある。すなわち、銅箔粗化面における触針式粗度計で測定した粗度Rが同程度の表面処理銅箔であっても、コブの形状等が異なる場合は、接着強度が同程度にならず接着強度にバラツキの生じる場合があった。このため、上記のような触針式粗度計で測定した粗度Rでは、銅箔粗化面の接着強度の評価及び管理を精度良く行えないという問題があった。すなわち、触針式粗度計で測定した粗度Rの値に基づいて銅箔粗化面の接着強度を精度良く推測することは不可能であるため、該接着強度を厳密に管理するためには、実際に銅箔をプリプレグ等と接着してテストサンプルを作製し、該サンプルの接着強度を実測することが必要不可欠であった。このため、表面処理銅箔を作製した場合、銅箔粗化面の接着強度の管理に人手と時間が非常にかかってしまっており、表面処理銅箔の生産コストの面で大きな負担となっているという問題があった。
これに対し、特許文献1(特開平10−265991号公報)には、金属板の表面にCu等のめっき皮膜を形成しためっき材において、電子線3次元粗さ解析装置により表面を3000倍に拡大して得られためっき材表面に基づいて、算術平均粗さ(Ra)が0.03〜0.5μmであり、かつ(測定から得られた試料の表面積)/(測定範囲の縦×横)として定義される表面積代替値が1.01〜1.1である樹脂密着性に優れためっき材が、開示されている。該発明は、算術平均粗さ(Ra)及び表面積代替値を適正な範囲とすることにより樹脂との密着性を備える金属材料を提供することを課題とするものである。
特開平10−265991号公報(第2頁第1欄)
しかしながら、特許文献1の方法では、段落番号[0020]記載の表1より明らかなように、算術平均粗さ(Ra)の増加に伴って樹脂密着性が増加する関係にないため、銅箔表面の算術平均粗さ(Ra)を測定しただけでは樹脂密着性の値を精度良く推測することはできない。また、該表1には、表面積代替値の増加に伴って必ず樹脂密着性も増加するという傾向にはなく、銅箔表面の表面積代替値を測定しただけでは樹脂密着性の値を精度良く推測することはできない。このため、特許文献1の方法のように、銅箔表面の算術平均粗さ(Ra)及び表面積代替値を測定しただけでは銅箔表面の接着強度を精度良く推測することはできず、銅箔粗化面の粗度等の物性から銅箔粗化面の接着強度を精度良く評価、管理することができないという問題があった。
従って、本発明の目的は、銅箔粗化面の接着強度を実測しなくても、銅箔粗化面の粗度等のパラメータから銅箔粗化面の接着強度を精度良く推定することができる銅箔粗化面の接着強度の評価方法を提供することにある。
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、銅箔試料Sの粗化面の表面積をレーザー顕微鏡で3次元的に測定して得られる3次元的表面積A(S)と、該3次元的表面積A(S)の測定区域の面積である測定区域面積B(S)とから、A(S)/B(S)で算出される面積係数C(S)を用いると、面積係数C(S)から求めた銅箔試料Sの粗化面の算出接着強度P(R)と、銅箔試料Sの粗化面の接着強度の実測値である実測接着強度P(S)とがよく近似するため、前記実測接着強度P(S)を実測しなくても、算出接着強度P(R)から銅箔試料Sの粗化面の接着強度を精度良く推定することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明(1)は、銅箔試料Sの粗化面の表面積をレーザー顕微鏡で3次元的に測定して得られる3次元的表面積A(S)及び該3次元的表面積A(S)の測定区域の面積である測定区域面積B(S)よりA(S)/B(S)で規定される面積係数C(S)を求め、該面積係数C(S)を前記銅箔試料Sと同種の銅箔の粗化面について予め求められている面積係数Cと接着強度Pとの関係を示す検量線Rに当てはめて算出接着強度P(R)を求め、該算出接着強度P(R)を前記銅箔試料Sの粗化面の実測した接着強度である実測接着強度P(S)に代えて前記銅箔試料Sの粗化面の接着強度として評価することを特徴とする銅箔粗化面の接着強度の評価方法を提供するものである。
また、本発明(2)は、本発明(1)において、前記レーザー顕微鏡で用いられるレーザーが、可視光限界波長405nm〜410nmのバイオレットレーザーであることを特徴とする銅箔粗化面の接着強度の評価方法を提供するものである。
また、本発明(3)は、本発明(1)又は本発明(2)において、前記銅箔試料Sは、触針式粗度計を用いて測定される前記粗化面の粗度R(S)が1.0μm〜5.0μmの銅箔であることを特徴とする銅箔粗化面の接着強度の評価方法を提供するものである。
また、本発明(4)は、本発明(1)〜本発明(3)のいずれかにおいて、前記銅箔試料Sは、厚みが70μm以下の銅箔であることを特徴とする銅箔粗化面の接着強度の評価方法を提供するものである。
本発明に係る銅箔粗化面の接着強度の評価方法は、レーザー顕微鏡を用いて測定される面積係数C(S)から求めた銅箔試料Sの粗化面の算出接着強度P(R)と、銅箔試料Sの粗化面の接着強度の実測値である実測接着強度P(S)とがよく近似するため、前記実測接着強度P(S)を実測しなくても、精度良く銅箔試料Sの接着強度を推定することができる。
(本発明に係る銅箔粗化面の接着強度の評価方法)
本発明で銅箔試料Sに用いられる銅箔は、未処理銅箔の粗面及び/又は光沢面に粗化処理を行って粗化面を形成した表面処理銅箔である。該表面処理銅箔は、粗化処理を行う前の未処理銅箔において電解銅箔又は圧延銅箔のいずれであってもよい。このうち、本発明では、銅箔が未処理電解銅箔の粗面及び/又は光沢面にコブ処理等の粗化処理を施した表面処理銅箔であると、面積係数C(S)から求めた銅箔試料Sの粗化面の算出接着強度P(R)と、銅箔試料Sの粗化面の接着強度の実測値である実測接着強度P(S)との近似が高精度になり易いため好ましい。
また、表面処理銅箔のうちでも、触針式粗度計で測定した粗度Rが、通常1.0μm〜5.0μm、好ましくは1.5μm〜3.5μm、さらに好ましくは2.0μm〜2.8μmの表面処理銅箔であると、面積係数C(S)から求めた銅箔試料Sの粗化面の算出接着強度P(R)と、銅箔試料Sの粗化面の接着強度の実測値である実測接着強度P(S)との近似が高精度になり易いため好ましい。本明細書において触針式粗度計で測定した粗度Rとは、先端がφ2μmのダイヤモンドボールである触針を用いた触針式粗度計で測定した値をいう。
また、本発明で銅箔試料Sに用いられる銅箔は、厚みが通常70μm以下、好ましくは35μm以下、さらに好ましくは12μm〜18μmの表面処理銅箔である。銅箔の厚さが該範囲内にあると、銅箔粗化面の接着剤層に対する追従性が適正範囲内になるため、面積係数C(S)から求めた銅箔試料Sの粗化面の算出接着強度P(R)と、銅箔試料Sの粗化面の接着強度の実測値である実測接着強度P(S)との近似が高精度になり易いため好ましい。
本発明で用いられるレーザー顕微鏡としては、3D解析可能なレーザー顕微鏡であって、後述の3次元的表面積A(S)及び測定区域面積B(S)を測定可能なものであればよく、特に限定されない。該レーザー顕微鏡に用いられるレーザーは、可視光限界波長405nm〜410nmのバイオレットレーザーであると、面積係数C(S)から求めた銅箔試料Sの粗化面の算出接着強度P(R)と、銅箔試料Sの粗化面の接着強度の実測値である実測接着強度P(S)との近似が特に高精度になり易いため好ましい。
本発明に係る銅箔粗化面の接着強度の評価方法は、まず、銅箔試料Sの粗化面の表面積をレーザー顕微鏡で3次元的に測定して得られる3次元的表面積A(S)と、該3次元的表面積A(S)の測定区域の面積である測定区域面積B(S)とから、A(S)/B(S)で規定される面積係数C(S)を求める。
本発明において3次元的表面積A(S)とは、銅箔試料Sのうち測定区域にある粗化面をレーザー顕微鏡で3次元的に測定して得られる表面積であり、具体的には、レーザー顕微鏡のレンズをZ軸方向に移動させて焦点を移動させることにより得られる、銅箔試料Sの粗化面の凹凸を含めた表面積である。なお、本発明において3次元的表面積A(S)とは、銅箔試料Sについて求めた3次元的表面積Aであることを示す。上記測定区域の形状は特に限定されないが、例えば、正方形、長方形等が挙げられる。
本発明において測定区域面積B(S)とは、該3次元的表面積A(S)の上記測定区域の面積であり、測定区域面積B(S)とは銅箔試料Sについて求めた測定区域面積Bであることを示す。
本発明では、3次元的表面積A(S)を測定区域面積B(S)で除することにより(A(S)/B(S))、面積係数C(S)を求める。なお、3次元的表面積A(S)は測定区域面積B(S)よりも小さくなることはないから、面積係数C(S)は1以上の数値を採る。本発明において面積係数C(S)とは、銅箔試料Sについて求めた面積係数Cであることを示す。
本発明に係る銅箔粗化面の接着強度の評価方法は、次に、面積係数C(S)を検量線Rに当てはめて算出接着強度P(R)を求めることにより、前記銅箔試料Sの粗化面の接着強度の実測値である実測接着強度P(S)を測定することなく、該実測接着強度P(S)に代えて算出接着強度P(R)を前記銅箔試料Sの粗化面の接着強度として評価する。
ここで、検量線Rとは、銅箔試料Sと同種の銅箔について予め求められている、面積係数Cと接着強度Pとの関係を示すデータの集合体である。検量線Rは、横軸を面積係数C、縦軸を接着強度Pとした座標において、例えば、上に凸で且つ単調増加する形状の曲線からなるグラフとして得られる。
本発明では、銅箔試料Sの面積係数C(S)を該検量線Rに当てはめることにより、面積係数C(S)から算出接着強度P(R)を求め、銅箔試料Sの粗化面の接着強度の実測値である実測接着強度P(S)を測定することなく、該実測接着強度P(S)に代えて算出接着強度P(R)を前記銅箔試料Sの粗化面の接着強度として評価する。ここで実測接着強度P(S)とは、銅箔試料Sの粗化面の接着強度を実測した場合に得られる値である。本発明では、算出接着強度P(R)を算出し、該算出接着強度P(R)を実測接着強度P(S)として評価するため、銅箔試料Sについて実測接着強度P(S)を実測する必要はない。
面積係数C(S)と検量線Rとから算出接着強度P(R)を求める方法としては、例えば、検量線Rが、横軸を面積係数C、縦軸を接着強度Pとした座標において、上に凸で且つ単調増加する形状の曲線からなるグラフである場合は、該検量線R上において、横軸の数値が面積係数C(S)を示す点の縦軸の数値を求めてこれを算出接着強度P(R)とし、該算出接着強度P(R)を前記銅箔試料Sの粗化面の接着強度として評価する方法が挙げられる。
ここで、検量線Rを作成した銅箔と銅箔試料Sと銅箔が同種であるとは、検量線Rを作成した銅箔と銅箔試料Sとが、銅箔試料Sの未処理銅箔における電解銅箔又は圧延銅箔の種類の別が同一であること、未処理銅箔の常態抗張力、常態伸び、180℃熱間抗張力及び180℃熱間伸びにおける差異がそれぞれ±30%以内であること、未処理銅箔における厚さの差異が±30%以内であること、並びに、表面処理銅箔とした場合における表面処理の種類が同様であること、を満たすことを意味する。
例えば、銅箔試料Sが、未処理銅箔がIPC−MF−150Fに規定するクラス3に対応するHTE箔(熱間伸び20%以上)で厚さ18μmの電解銅箔であり、且つ、該未処理銅箔に対して行った表面処理が銅のコブを形成する物である場合は、検量線Rを作成した銅箔も、同様に、未処理銅箔が上記HTE箔で厚さ18μmの電解銅箔であり、該箔の常態抗張力、常態伸び、180℃熱間抗張力及び180℃熱間伸びにおける差異がそれぞれ±30%以内であり、且つ、該未処理銅箔に対して行った表面処理が銅のコブを形成する物である必要がある。ただし、本発明において未処理銅箔の粗度又は表面処理銅箔における粗化面の粗度は同様である必要はない。ここで粗度とは、触針式粗度計で測定したRを意味する。
また、上記のように算出接着強度P(R)を用いて推定される銅箔試料Sの接着強度は、検量線Rの作成の際に用いた接着層と同種の接着層について銅箔試料Sを用いた場合に限り推定される接着強度である。ここで、銅箔試料Sの接着層が検量線Rの作成の際に用いた接着層と同種であるとは、検量線Rの作成に用いた接着層(以下、「接着層R」ともいう。)と、銅箔試料Sが接着されるべき接着層(以下、以下、「接着層S」ともいう。)とが、接着層を構成する基材及び樹脂の種類においてそれぞれ同一性を有すること、接着層中の基材の配合比率における接着層Rと接着層Sとの差異が±30%以内であること、接着層中の樹脂の配合比率における接着層Rと接着層Sとの差異が±30%以内であること、並びに、銅箔とプリプレグ等とから加熱加圧成形してプリプレグ等から接着層を形成する際のプレス条件において、温度、昇温速度、時間、圧力等の各条件の接着層Rと接着層Sとの差異が±30%以内であること、を満たすことを意味する。
なお、本発明において基材の種類が同一性を有するとは、ガラス繊維、紙又は基材なし等のように分類される接着層の基材のうちのいずれに該当するか否かで判断する。例えば、接着層Rの基材の種類がガラス繊維である場合、接着層Sの基材の種類がガラス繊維であれば同一性を有すると判断し、接着層Sの基材の種類が紙であれば同一性を有しないと判断する。このため、基材がガラス繊維である場合は、ガラス繊維の組成、繊維径、繊維長、繊維形状に差異があっても、基材の種類が同一性を有すると判断する。
また、本発明において樹脂の種類が同一性を有するとは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)、アリル化ポリフェニレンオキサイド樹脂(PPE樹脂)等のように分類される接着層の樹脂のうちのいずれに該当するか否かで判断する。例えば、接着層Rの樹脂の種類がエポキシ樹脂である場合、接着層Sの樹脂の種類がエポキシ樹脂であれば同一性を有すると判断し、接着層Sの樹脂の種類がフェノール樹脂であれば同一性を有しないと判断する。このように本発明では樹脂の種類の同一性を樹脂の系統で判断するため、例えば、樹脂がエポキシ樹脂である場合には、接着層Rの樹脂と接着層Sの樹脂との間に、エポキシ樹脂中におけるビスフェノールA型、ノボラック型等の基本骨格の差異、硬化剤の差異や、エポキシ樹脂の物性等に差異があっても、樹脂の種類が同一性を有すると判断する。
例えば、検量線Rの作成に用いた接着層(接着層R)が、所定の配合比率でガラス基材とエポキシ樹脂とを含むプリプレグであり、検量線Rの作成に用いた銅箔とプリプレグとのプレス条件が所定条件で行われた場合、本発明では、配合比率が上記所定の配合比率の±30%以内のものであるガラス基材とエポキシ樹脂とを含むプリプレグについて、プレス条件の温度、昇温速度、時間、圧力等の各条件が上記条件の±30%以内のものである場合に、面積係数C(S)から求めた銅箔試料Sの粗化面の算出接着強度P(R)と、銅箔試料Sの粗化面の接着強度の実測値である実測接着強度P(S)との近似が高精度になり、実測接着強度P(S)を実測しなくても、算出接着強度P(R)を銅箔試料Sの粗化面の接着強度として評価することができる。
上記方法により、銅箔試料Sの面積係数C(S)を用いると、算出接着強度P(R)から銅箔試料Sの粗化面の接着強度を精度良く推定することができる。
上記本発明に係る銅箔粗化面の接着強度の評価方法は、例えば、プリント配線板等を作製する場合等においてプリプレグ等の他種材料と接着させる表面処理銅箔の粗化面の接着強度の評価等に使用することができる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されて解釈されるものではない。
製造例1
(表面処理に供した原料の銅箔)
表面処理を行って粗化面を形成する前の原料の銅箔として、電解銅箔の未処理銅箔(三井金属鉱業株式会社製スーパーHTE、厚さ18μm)のロール品を用いた。
(表面処理に用いた表面処理装置)
表面処理装置として、酸洗処理槽、1段粗化処理槽、水洗槽、2段粗化処理槽、水洗槽及び熱風乾燥機を備え、上記未処理銅箔を一定速度で表面処理して表面処理銅箔を連続的に製造することができる装置を用いた。
なお、該装置の1段粗化処理槽には、銅箔の粗面側と対抗する位置に該銅箔と一定の距離をおいて陽極を配置した。ここで、該陽極は銅箔の流れ方向に離間して2枚配置し、該2枚の陽極のうち、銅箔の巻き出し側の陽極を1段前段粗化処理陽極とし、銅箔の巻き取り側の陽極を1段後段粗化処理陽極とした。
また、該装置の2段粗化処理槽にも、1段粗化処理槽と同様に、銅箔の粗面側と対抗する位置に該銅箔と一定の距離をおいて陽極を配置した。ここで、該陽極は銅箔の流れ方向に離間して2枚配置し、該2枚の陽極のうち、銅箔の巻き出し側の陽極を2段前段粗化処理陽極とし、銅箔の巻き取り側の陽極を2段後段粗化処理陽極とした。
上記表面処理装置の酸洗処理槽、1段粗化処理槽及び2段粗化処理槽に、それぞれ、以下の組成の酸洗処理液、1段粗化処理液(1段粗化処理液A)及び2段粗化処理液(2段粗化処理液A)を満たし、2槽の水洗槽には共に純水を満たした。
(酸洗処理液の調製)
純水に硫酸を添加して、希硫酸を調製した。
(1段粗化処理液の調製)
純水に、硫酸銅5水和物、濃硫酸、9−フェニルアクリジン及び塩酸を添加、溶解して、下記組成の1段粗化処理液(1段粗化処理液A)を調製した。
・Cu(II)イオン濃度 :8g/l
・フリーSO 2−イオン濃度
:50g/l
・9−フェニルアクリジン濃度:150mg/l
・Clイオン濃度 :50mg/l
(2段粗化処理液の調製)
純水に、硫酸銅5水和物及び濃硫酸を添加、溶解して、下記組成の2段粗化処理液(2段粗化処理液A)を調製した。
・Cu(II)イオン濃度 :65g/l
・フリーSO 2−イオン濃度
:90g/l
上記表面処理装置を用い、上記未処理銅箔を一定速度で連続的に巻き出して、該未処理銅箔につき、以下の条件で酸洗処理、1段粗化処理、水洗、2段粗化処理、水洗及び乾燥処理を行って、表面処理銅箔を得た。
(酸洗処理)
未処理銅箔を酸洗処理液に5秒間浸漬した。
(1段粗化処理)
上記1段粗化処理液Aを用いて、1段粗化処理を行った。電解条件を表1に示す。なお、上記表面処理装置の1段前段粗化処理陽極を用いて行う粗化処理を1段前段粗化処理とし、1段後段粗化処理陽極を用いて行う粗化処理を1段後段粗化処理とした。
(1段粗化処理後の水洗処理)
1段粗化処理後の銅箔を純水に5秒間浸漬した。
(2段粗化処理)
上記2段粗化処理液Aを用いて、2段粗化処理を行った。電解条件を表2に示す。なお、上記表面処理装置の2段前段粗化処理陽極を用いて行う粗化処理を2段前段粗化処理とし、2段後段粗化処理陽極を用いて行う粗化処理を2段後段粗化処理とした。
(2段粗化処理後の水洗処理)
2段粗化処理後の銅箔を純水に5秒間浸漬した。
(乾燥処理)
2段粗化処理後の銅箔を、熱風乾燥機を用いて乾燥させた。
得られた表面処理銅箔の粗化面について、下記方法により、粗度R、3次元的表面積及び実測接着強度を測定した。また、該3次元的表面積と該3次元的表面積の測定の際の測定区域面積とから面積係数を算出し、該面積係数を下記の検量線Rに当てはめて算出接着強度を算出した。結果を表3に示す。
(粗度Rの測定方法)
先端がφ2μmのダイヤモンドボールである接触式の表面粗度計(小坂株式会社製、商品名:SEF−30D)を用いて、得られた表面処理銅箔(銅箔試料S)の粗化面の表面粗度R(R(S))を測定した。測定長さは0.8mmとした。RはJISB0601に準拠して測定したものであり、具体的には、Rは十点平均値粗さを示す。
(3次元的表面積の測定方法)
株式会社キーエンス製超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500(使用レーザー:可視光限界波長408nmのバイオレットレーザー)を用いて、表面処理銅箔(銅箔試料S)の粗化面のうち、50μm×50μmの正方形の測定エリア(測定区域面積B(S):2500μm)について、表面処理銅箔の粗化面の凹凸まで含めた表面積(3次元的表面積A(S))を測定した。
(面積係数の算出方法)
表面処理銅箔(銅箔試料S)の粗化面の3次元的表面積A(S)を測定区域面積B(S)の値2500μmで除して(A(S)/B(S))、銅箔試料Sの粗化面の面積係数C(S)を求めた。
(検量線の算出方法)
製造例1〜製造例6の6点の面積係数C(S)と実測接着強度P(S)とから、対数近似により面積係数C(S)と実測接着強度P(S)との関係を示す検量線Rを作成した。検量線Rは、下記式(1)で表されるものであった。また、検量線Rを図3に示す。
[数1]
P(S) = 0.5269ln(C(S))
+ 0.8112 (1)
(算出接着強度の算出方法)
銅箔試料Sの面積係数C(S)を上記検量線Rに当てはめて、算出接着強度P(R)を算出した。
(実測接着強度の測定方法)
まず、得られた表面処理銅箔(銅箔試料S)から縦100mm×横100mmの正方形状の正方形状試料に切り出した。
次に、FR−4規格プリプレグ(ガラスクロス基材にエポキシ樹脂を含浸したもの、厚さ0.18mm)を5枚重ねた上に、上記正方形状試料をその粗化面側が上記プリプレグ側に接するようにして重ねた後、これらを30kgf/cm、180℃で60分間加熱加圧成形して、正方形状試料(銅箔試料S)の粗化面側とプリプレグの樹脂層とが接着してなる片面銅張積層板を作製した。
次に、該片面銅張積層板の銅箔側の全面にドライフィルムレジストを貼り付けた後、該片面銅張積層板のドライフィルムレジスト側に、幅0.8mm×長さ100mmの細長い矩形状のスリットを複数有するマスクフィルムを載せ、紫外線を露光することにより露光されたドライフィルムレジスト部分に潜像を形成した後、該片面銅張積層板にKOH水溶液を噴霧して現像することにより潜像を硬化させると共に露光されていない部分のドライフィルムレジストを除去した。
次に、該片面銅張積層板に塩化第二銅を噴霧することによりドライフィルムレジストが除去されて露出した銅箔部分をエッチングした後、硬化したドライフィルムレジスト部分にNaOH水溶液を噴霧することにより該部分を剥離して、ガラスクロス基材エポキシ樹脂板上に線幅0.8mm×長さ100mmの長方形状回路を複数形成した。
次に、該片面銅張積層板を1回路分ずつ別個になるように切断して、線幅0.8mm×長さ100mmの長方形状回路が1本形成された接着強度測定用試料を複数作製した。
上記接着強度測定用試料のその長さ方向の一端から数mm程度内側の部分を、該長方形状回路の長さ方向に対しほぼ垂直方向で且つ該長方形状回路が内側になるようにして折り曲げて基材部分のみを切断し、該長方形状回路がつながった状態で且つ基材部分が切断された状態の接着強度測定用試料を作製した。
次に、ピール強度測定機に、長方形状回路が上方を向くようにして該接着強度測定用試料を載置しこれを固定した後、上記基材部分が切断された部分を上記ピール強度測定機のチャックに挟んだ。次に、該チャックを一定速度で上方に引き上げて長方形状回路を該接着強度測定用試料の基材から引き剥がして引き剥がし強度を測定し、そのときの最大値を表面処理銅箔(銅箔試料S)の粗化面の実測接着強度とした。
製造例2
1段粗化処理及び2段粗化処理の電解条件を表1及び表2に示すように変えた以外は、製造例1と同様にして表面処理銅箔を得た。得られた表面処理銅箔の粗化面について、製造例1と同様にして、粗度R、3次元的表面積及び実測接着強度を測定し、面積係数及び算出接着強度を算出した。結果を表3に示す。
製造例3
1段粗化処理及び2段粗化処理の電解条件を表1及び表2に示すように変えた以外は、製造例1と同様にして表面処理銅箔を得た。得られた表面処理銅箔の粗化面について、製造例1と同様にして、粗度R、3次元的表面積及び実測接着強度を測定し、面積係数及び算出接着強度を算出した。結果を表3に示す。
製造例4
1段粗化処理及び2段粗化処理の電解条件を表1及び表2に示すように変えた以外は、製造例1と同様にして表面処理銅箔を得た。得られた表面処理銅箔の粗化面について、製造例1と同様にして、粗度R、3次元的表面積及び実測接着強度を測定し、面積係数及び算出接着強度を算出した。結果を表3に示す。
製造例5
1段粗化処理及び2段粗化処理の電解条件を表1及び表2に示すように変えた以外は、製造例1と同様にして表面処理銅箔を得た。得られた表面処理銅箔の粗化面について、製造例1と同様にして、粗度R、3次元的表面積及び実測接着強度を測定し、面積係数及び算出接着強度を算出した。結果を表3に示す。
製造例6
1段粗化処理及び2段粗化処理の電解条件を表1及び表2に示すように変えた以外は、製造例1と同様にして表面処理銅箔を得た。得られた表面処理銅箔の粗化面について、製造例1と同様にして、粗度R、3次元的表面積及び実測接着強度を測定し、面積係数及び算出接着強度を算出した。結果を表3に示す。
製造例7
1段粗化処理液として、以下の組成の1段粗化処理液(1段粗化処理液B)を調製し、1段粗化処理液Aに代えて1段粗化処理液Bを用い、さらに1段粗化処理及び2段粗化処理の電解条件を表1及び表2に示すように変えた以外は、製造例1と同様にして表面処理銅箔を得た。得られた表面処理銅箔の粗化面について、製造例1と同様にして、粗度R、3次元的表面積及び実測接着強度を測定し、面積係数及び算出接着強度を算出した。結果を表3に示す。
(1段粗化処理液の調製)
純水に、硫酸銅5水和物及び濃硫酸を添加、溶解して、下記組成の1段粗化処理液(1段粗化処理液B)を調製した。
・Cu(II)イオン濃度 :14g/l
・フリーSO 2−イオン濃度
:95g/l
製造例8
1段粗化処理液として、上記1段粗化処理液Bを用い、さらに1段粗化処理及び2段粗化処理の電解条件を表1及び表2に示すように変えた以外は、製造例1と同様にして表面処理銅箔を得た。得られた表面処理銅箔の粗化面について、製造例1と同様にして、粗度R、3次元的表面積及び実測接着強度を測定し、面積係数及び算出接着強度を算出した。結果を表3に示す。
製造例9
1段粗化処理液として、上記1段粗化処理液Bを用い、さらに1段粗化処理及び2段粗化処理の電解条件を表1及び表2に示すように変えた以外は、製造例1と同様にして表面処理銅箔を得た。得られた表面処理銅箔の粗化面について、製造例1と同様にして、粗度R、3次元的表面積及び実測接着強度を測定し、面積係数及び算出接着強度を算出した。結果を表3に示す。
製造例10
1段粗化処理液として、上記1段粗化処理液Bを用い、さらに1段粗化処理及び2段粗化処理の電解条件を表1及び表2に示すように変えた以外は、製造例1と同様にして表面処理銅箔を得た。得られた表面処理銅箔の粗化面について、製造例1と同様にして、粗度R、3次元的表面積及び実測接着強度を測定し、面積係数及び算出接着強度を算出した。結果を表3に示す。
製造例11
1段粗化処理液として、上記1段粗化処理液Bを用い、さらに1段粗化処理及び2段粗化処理の電解条件を表1及び表2に示すように変えた以外は、製造例1と同様にして表面処理銅箔を得た。得られた表面処理銅箔の粗化面について、製造例1と同様にして、粗度R、3次元的表面積及び実測接着強度を測定し、面積係数及び算出接着強度を算出した。結果を表3に示す。
図1に、製造例1〜製造例11における実測接着強度と面積係数との関係を示す。図1は、製造例1〜製造例11における実測接着強度と面積係数との関係について、縦軸を実測接着強度(kgf/cm)、横軸を面積係数として表したグラフである。
比較例1
図2に、製造例1〜製造例11における実測接着強度とRとの関係を示す。図2は、製造例1〜製造例11における実測接着強度とRとの関係について、縦軸を実測接着強度(kgf/cm)、横軸をR(μm)として表したグラフである。
<本発明に係る銅箔粗化面の接着強度の評価方法における発明の効果の確認>
図2より、実施例1では、製造例1〜製造例11のプロット全部がほぼ同一曲線上にあり、実測接着強度と面積係数との間に強い相関関係のあることが判る。すなわち、製造例1〜製造例6のグループ(以下、「グループA」ともいう。)のプロット群と製造例7〜製造例11のグループ(以下、「グループB」ともいう。)のプロット群とは、グループAとグループBとで1段粗化処理に違いがあるにも関わらず、両者ともほぼ同一曲線上にあることが判る。
一方、図3より、比較例1では、製造例1〜製造例11のプロット全部が、同一曲線上になく、実測接着強度とRとの間には相関関係がないことが判る。すなわち、グループAのプロット群は、グループBのプロット群に基づいて描いた曲線上から明らかに外れていることが判る。
本発明に係る銅箔粗化面の接着強度の評価方法は、プリント配線板の製造原料等として用いられる表面処理銅箔の粗化面の接着強度の評価に用いることができる。
図1は、製造例1〜製造例11における実測接着強度と面積係数との関係について、縦軸を実測接着強度(kgf/cm)、横軸を面積係数として表したグラフである。 図2は、製造例1〜製造例11における実測接着強度とRとの関係について、縦軸を実測接着強度(kgf/cm)、横軸をR(μm)として表したグラフである。 図3は、検量線Rを示すグラフである。

Claims (4)

  1. 銅箔試料Sの粗化面の表面積をレーザー顕微鏡で3次元的に測定して得られる3次元的表面積A(S)及び該3次元的表面積A(S)の測定区域の面積である測定区域面積B(S)よりA(S)/B(S)で規定される面積係数C(S)を求め、該面積係数C(S)を前記銅箔試料Sと同種の銅箔の粗化面について予め求められている面積係数Cと接着強度Pとの関係を示す検量線Rに当てはめて算出接着強度P(R)を求め、該算出接着強度P(R)を前記銅箔試料Sの粗化面の実測した接着強度である実測接着強度P(S)に代えて前記銅箔試料Sの粗化面の接着強度として評価することを特徴とする銅箔粗化面の接着強度の評価方法。
  2. 前記レーザー顕微鏡で用いられるレーザーが、可視光限界波長405nm〜410nmのバイオレットレーザーであることを特徴とする請求項1記載の銅箔粗化面の接着強度の評価方法。
  3. 前記銅箔試料Sは、触針式粗度計を用いて測定される前記粗化面の粗度R(S)が1.0μm〜5.0μmの銅箔であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の銅箔粗化面の接着強度の評価方法。
  4. 前記銅箔試料Sは、厚みが70μm以下の銅箔であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の銅箔粗化面の接着強度の評価方法。

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