JP2005291751A - 格子像投影型形状測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被測定体までの距離を変えて行なわれる各測定において被測定体上の2つの観察点の間に観測される縞本数に基づき、一方の観察点を、縞深さを算定する起算位置とする所定の計算を行なうことによって、測距装置を用いることなく被測定体までの距離を求めて、縞深さを算定することができるようにする。
【解決手段】2回目の測定は、測定ヘッド12から被測定体2までの距離を所定距離ΔLだけ変えて行なわれる。被測定体2上の2つの観察点Q,Rの間に観測されるモアレ縞の縞本数が各測定において検出され、この縞本数と所定距離ΔLとに基づき、投影レンズ系42から一方の観察点Qまでの距離Lが算定される。この算定に際しては、モアレ縞の縞深さの起算位置が一方の観察点Qの位置とされる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、所定の格子像を被測定体に投影して形成される変形格子像を、所定位置に結像させることにより得られた所定の縞パターンに基づき、被測定体の形状を測定する格子像投影型形状測定装置に関するものである。
従来、この種の格子像投影型形状測定装置として、格子投影型モアレトポグラフィ手法を利用した格子投影型モアレ装置が知られている。この格子投影型モアレ装置は、投影用基準格子の格子像を投影光学系によって被測定体上に投影し、この格子像が被測定体の形状に応じた変形を受けることにより生じる変形格子像を観測光学系によって観測用基準格子上に結像させ、これにより得られる等高線モアレ縞の画像を撮像手段によって取り込むように構成されている(下記特許文献1参照)。
また、その他の格子像投影型形状測定装置として、変形格子像の縞パターンから直接的に被測定体の形状を解析するもの(下記特許文献2参照)や、複数枚の格子を互いの格子線の方向を傾けて重ね合わせることにより生じるモアレ縞のパターンを被測定体上に投影し、このモアレ縞パターンの変形に基づき被測定体の形状を解析するもの(下記特許文献3参照)などが知られている。
実開昭55−97408号公報 特開平11−83454号公報 特開2002−81923号公報
このような格子像投影型形状測定装置を用いて被測定体の形状解析を行なう際には、観測される縞パターンの縞間隔と被測定体形状の高低差との対応関係を示す縞深さ(縞感度)を算定することが重要となる。
従来この縞深さは、投影された格子像のピントが合う位置(合焦面位置)を起算位置として、観測される各縞が合焦面位置からどれだけ離れた位置に形成されたものなのかに基づき算定されている。合焦面位置は、投影倍率や結像倍率、両光学系の光軸間距離等の既知のデータに基づき算定することが可能であるが、観測される各縞の正確な形成位置を知るためには、装置本体から被測定体までの距離を求める必要がある。
従来の格子像投影型形状測定装置においては、装置本体とは別の測距装置や装置本体に組み込まれた測距用の光学系を用いて被測定体までの距離を実測し、その結果に基づき縞深さを算定しているが、被測定体までの距離や縞深さを高精度に算定することが難しい、装置構成が複雑化するなどの問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、測距装置等を用いることなく、装置本体から被測定体までの距離および縞深さを容易かつ高精度に求めることが可能な格子像投影型形状測定装置を提供することを目的とする。
本発明に係る格子像投影型形状測定装置は、投影用基準格子の格子像を被測定体に投影する投影光学系と、投影された前記格子像が前記被測定体の形状に応じた変形を受けることにより生じる変形格子像を所定位置に結像させ、前記被測定体の形状情報を担持した縞パターンを得る観測光学系とを備えた格子像投影型形状測定装置において、
前記投影光学系の光軸方向における該投影光学系と前記被測定体との相対的位置を、前記変形格子像の観測可能距離範囲内において調整する位置調整機構と、
前記相対的位置を所定距離だけ変える位置調整の前後に行なわれる各測定において、前記被測定体上に設定された2つの観察点の間に観測される前記縞パターンの縞本数を検出する縞本数検出手段と、
前記2つの観察点のうちの一方の前記光軸方向の位置を前記縞パターンの縞深さを算定する起算位置とするとともに、前記各測定において検出された前記縞本数と前記所定距離とに基づいて、前記一方の観察点と前記投影光学系との前記光軸方向の離間距離を算定する距離算定手段とを備えてなることを特徴とするものである。
本発明において、前記距離算定手段は、下式(1)で表される方程式に基づき、前記離間距離を算定するように構成することができる。
Figure 2005291751
ここで、N,N´は前記各測定においてそれぞれ検出された前記縞本数、Pは前記投影用基準格子の格子ピッチ、Lは前記離間距離、ΔLは前記所定距離、a,a´は前記各測定における前記投影光学系と前記結像光学系との光軸間距離、m,m´は前記各測定における前記投影用基準格子の投影倍率を表す。
また本発明の格子像投影型形状測定装置は、前記所定位置に配置された観測用基準格子上に前記変形格子像を結像させることにより、前記縞パターンとして等高線モアレ縞を得る、格子投影型モアレ装置の構成を備えたものとすることができる。
本発明に係る格子像投影型形状測定装置によれば、測距装置を用いることなく、2回の測定結果に基づき、装置本体から被測定体までの距離を容易に算定することができる。また、この算定結果に基づき、観測される縞パターンの縞深さを高精度に算定することができるので、被測定体の形状測定を高精度に行なうことが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る格子像投影型形状測定装置の全体構成を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態に係る格子像投影型形状測定装置(以下、単に「測定装置」と称することがある)10は、測定ヘッド12,電源機器駆動部14,制御部16,およびモニタ18を備えてなり、測定ヘッド12において被測定体2の立体形状情報およびテクスチャ情報を取り込み、これら立体形状情報およびテクスチャ情報を電源機器駆動部14を介して制御部16へ出力し、制御部16において立体形状情報とテクスチャ情報とを合成処理して被測定体2の3次元イメージを生成し、これをモニタ18に表示するようになっている。制御部16にはキーボード20およびマウス22が接続されており、これらを操作することにより、モニタ18における3次元イメージの表示角度の変更等その表示内容の切換え操作を行なうことができるようになっている。
上記測定ヘッド12は、格子投影型モアレ装置の構成を備えており、この測定ヘッド12における立体形状情報の取り込みは、格子投影型モアレトポグラフィ手法を利用して行なわれるようになっている。図1において、測定ヘッド12の前方に1点鎖線で示すのが、格子投影型モアレトポグラフィ手法における仮想基準格子面Pgである。この測定ヘッド12および上記制御部16の基本構成および測定ヘッド12による格子投影型モアレトポグラフィ手法の基本的作用を、図2および図3を用いて説明する。図2は測定ヘッド12および制御部16の基本構成を示す平面図、図3は測定ヘッド12による格子投影型モアレトポグラフィ手法の基本的作用を示す図である。
図2に示すように測定ヘッド12は、投影光学系26および観測光学系28を備えてなる。投影光学系26は、照明ランプ32,熱線カットフィルタ(図示略)およびコンデンサレンズ36からなる格子照明系38と、投影用基準格子(投影格子)40と、投影レンズ系42とを備えてなり、一方、観測光学系28は、結像レンズ系44と、観測用基準格子(撮影格子)46と、フィールドレンズ48,折り返しミラー50およびCCDカメラ52からなるテレビ光学系54とを備えてなる。
上記投影レンズ系42および結像レンズ系44は、その各光軸Ax1およびAx2が互いに平行になるようにして取り付けられている。また上記格子照明系38は、照明ランプ32の光源34から出た光を図中左斜め上方から投影用基準格子40に照射して、投影レンズ系42の略入射瞳位置に光源34の像を形成するとともに、投影レンズ系42を介して被測定体2を照明するようになっている。
上記投影レンズ系42は、投影用基準格子40の像を図2に1点鎖線で示す仮想基準格子面Pg上に結ぶように構成されている。一方、上記結像レンズ系44は、被測定体2上に形成された変形格子像を観測用基準格子46上に結像するように構成されている。すなわち、投影レンズ系42について投影用基準格子40は仮想基準格子面Pgと共役の位置関係で配置されており、一方、結像レンズ系44について観測用基準格子46は仮想基準格子面Pgと共役の位置関係で配置されている。
なお、本実施形態において、上記投影レンズ系42および結像レンズ系44は、焦点距離等のレンズ特性が互いに略同一に構成されており、投影用基準格子40および観測用基準格子46は、各光軸Ax1,Ax2上における投影レンズ系42および結像レンズ系44までの距離が互いに略同一となるように配置されている。また、投影用基準格子40および観測用基準格子46は、いずれも互いに等しいピッチで上下方向(紙面に垂直な方向)に延びる直線状の格子線を有しており、光軸Ax1およびAx2と直交する同一平面内に設けられている。
また、上記投影用基準格子40および観測用基準格子46は、フリンジスキャンステージ60および格子退避ステージ64上にそれぞれ配置されている。フリンジスキャンステージ60は、フリンジスキャンモータ62によって駆動され、フリンジスキャン測定を実施することができるように投影用基準格子40を図中左右方向に微動させて、これにより投影用基準格子40と観測用基準格子46との位相差を変えてモアレ縞を走査させるように構成されている。一方、格子退避ステージ64は、観測用基準格子46が結像レンズ系44の光路上に位置するモアレ縞観測位置と、光路上から外れた退避位置(図示略)とを選択的に採り得るように、観測用基準格子46を支持している。なお、この観測用基準格子46の移動は、測定ヘッド12の筐体側面から突出する格子退避ノブ(図示略)を手動により出し入れすることによってなされる。
一方、上記テレビ光学系54のフィールドレンズ48および折り返しミラー50は、共に結像レンズ系44の光軸Ax2上に配置されており、上記CCDカメラ52は、光軸Ax2に対して折り返しミラー50により直角に折り返された光軸上に配置されている。そしてテレビ光学系54は、フィールドレンズ48および折り返しミラー50を経由した観測用基準格子46の像をCCDカメラ52において撮影レンズ56によりCCDイメージセンサ58上に結像させて、これをTV画像として取り込むようになっている。これにより、変形格子像が観測用基準格子46上に結像されることにより生じるモアレ縞の像が取り込まれる。
図3において1点鎖線で示す仮想基準格子面Pgおよびこの仮想基準格子面Pgと平行な実線で示す複数の面が次数の異なる等次数モアレ面(以下、「モアレ面」と称する)を形成しており、これら各モアレ面と被測定体2が交差する曲線に沿ってモアレ縞が形成されることとなる。図3には、仮想基準格子面Pgの手前側(図中下側)にのみ実線でモアレ面を示しているが、仮想基準格子面Pgの奥側(図中上側)にも複数のモアレ面が形成される。したがって、被測定体2が仮想基準格子面Pgを前後にまたがるように配置された場合においてもモアレ縞は形成される。
観測されるモアレ縞に基づき被測定体2の形状解析を行なうためには、各モアレ縞の間隔と被測定体2の形状の高低差との対応関係を示す縞深さを算定する必要がある。従来この縞深さは、仮想基準格子面Pgの形成位置を起算位置として、各モアレ縞が仮想基準格子面Pgから何番目(何次)のモアレ面上に形成されているものなのかに基づき算定されている。仮想基準格子面Pgの形成位置は、投影用基準格子40から投影レンズ系40までの距離や上記両光軸Ax1,Ax2間の距離等の既知のデータに基づき算定することが可能である。しかし、各モアレ縞が何次のモアレ面上に形成されたものなのかを知るためには、投影レンズ系40から被測定体2までの距離を実測する必要があり、このために、装置本体とは別の測距装置等が用いられていた。
これに対し上記測定装置10は、測距装置等を用いることなく投影レンズ系40から被測定体2までの距離を算定し、観測される各モアレ縞の縞深さを高精度に求めることができるように構成されている。以下、その構成について説明する。
図1に示すように上記測定装置10は、上記両光軸Ax1,Ax2方向における測定ヘッド12と被測定体2との相対的位置を調整する位置調整機構80を備えている。この位置調整機構80は、スタンド24上に固定されたステージ台81と、上記光軸Ax1の方向に互いに平行に延びるようにステージ台81に配置された2つの移動軸82と、この2つの移動軸82に沿って移動する測定ヘッド12の移動量を微調整するマイクロメータ83とを備えている。
この位置調整機構80のより詳細な構成を、図4および図5に示す。図4および図5は図1に示す位置調整機構80の詳細構成を示す部分断面図で、図4はマイクロメータ83の位置での断面を、図5は一方の移動軸82の位置での断面をそれぞれ示している。
図5に示すように上記ステージ台81は、底板部81aと、この底板部81aの前後方向(図中左右方向)の各端部においてそれぞれ直角に立ち上がる前壁部81bおよび後壁部81cとを備えており、上記2つの移動軸82は、これら前壁部81bと後壁部81cとの間に設置されている(図5では一方のみ示す)。また、測定ヘッド12の下面には、上記2つの移動軸83とそれぞれ摺動する2つのランナ84(図5では一方のみ示す)が設けられている。
一方、図4に示すようにマイクロメータ83は、上記前壁部81bから上記後壁部81cに向けて突出する軸部83aと、この軸部83aの一端部に設けられたダイヤル部83bとからなり、ダイヤル部83bを回転させることにより軸部83aの突出長を微調整可能に構成されている。また、上記後壁部81cにおいて、このマイクロメータ83と対向する位置には、ストッパ部材85が設けられており、測定ヘッド12の下面において、これらマイクロメータ83およびストッパ部材85に挟まれる位置には、測定ヘッド12の移動量を規制するストッパ86が設けられている。このストッパ86には、上記マイクロメータ83の軸部83aと当接する第1ストッパ86aと、上記ストッパ部材85と当接する第2ストッパ86bとが設けられており、上記測定ヘッド12は、上記第1ストッパ86aが上記軸部83aと当接する第1の停止位置と、上記第2ストッパ86bが上記ストッパ部材85と当接する第2の停止位置との間に設定された所定距離ΔL(マイクロメータ83により微調整可能)だけ上記光軸Ax1の方向に移動できるようになっている。
また、図2に示すように上記制御部16は、該制御部16内に装備されたCPUやプログラムが格納されてなるメインメモリ等からなる、画像処理解析部70,格子移動制御部72,距離算定部74および縞本数検出部76を備えている。
上記縞本数検出部76は、後述する測定手順において設定される被測定体上の2つの観察点間に観測されるモアレ縞の縞本数を検出する、本発明における縞本数検出手段を構成するものであり、また上記距離算定部74は、検出された縞本数と上記所定距離ΔL(図4参照)とに基づいて、測定ヘッド12と被測定体2との離間距離および縞深さを算定する、本発明における距離算定手段を構成するものである。
上記格子移動制御部72は、フリンジスキャン計測を実施する際に、ドライバ78および上記フリンジスキャンモータ62を介して上記フリンジスキャンステージ60を駆動させるものであり、投影用基準格子40を図中左右方向に移動させることによって、投影用基準格子40および観測用基準格子46間の位相差を変えてモアレ縞を走査させるように構成されている。
上記画像処理解析部70は、CPU,プログラムが格納されてなるメインメモリの他に、フレームメモリ,画像ボードおよびグラフィックスボード等からなり、CCDカメラ52により撮像された画像と上記距離算定部74において算定された上記離間距離および上記縞深さとに基づき、被測定体2の立体形状情報およびテクスチャ情報を算定するとともに、これら立体形状情報およびテクスチャ情報に基づき被測定体2の3次元イメージを生成し、これをモニタ18に表示するように構成されている。
以下、本実施形態における測定手順および上記離間距離の算定方法について、図6を参照しながら説明する。図6は本実施形態に係る測定手順および離間距離の算定方法を示す模式図で、同図(a)は1回目の測定時、同図(b)は2回目の測定時における測定ヘッド12と被測定体2との位置関係を示している。
本実施形態において測定は、以下のように2回実施される。また、この測定に先立って、被測定体2上に2つの観察点Q,Rが設定される。この2つの観察点Q,Rは、被測定体2上においてそれぞれの高さ位置(光軸Ax1の方向の位置)が互いに異なり、また上記CCDイメージセンサ58(図2参照)上での結像位置が互いに異なる2点が選択される。なお、選択された2つの観察点Q,Rには、CCDイメージセンサ58上での結像位置が確認できるような目印が付される。
1回目の測定は測定ヘッド12が上記第1の停止位置にある状態でなされ、2回目の測定は測定ヘッド12が上記第2の停止位置にある状態でなされる。すなわち、1回目の測定時に対して2回目の測定時には、被測定体2に対する測定ヘッド12の位置が光軸Ax1の方向に上記所定距離ΔLだけ遠ざかる。
なお、本実施形態では、1回目の測定と2回目の測定において、投影用基準格子40から投影レンズ系42(の入射瞳位置または主点位置)までの距離(図中bで表示)と、2つの光軸Ax1,Ax2の間の距離(図中aで表示)は不変とされる。このため被測定体2に対する各モアレ面(図6において上記仮想基準格子面Pgを1点鎖線で表示し、この仮想基準格子面Pgを挟んで形成される各モアレ面を実線で表示する)の位置は、1回目と2回目の測定時において上記所定距離ΔLだけ光軸Ax1の方向に移動する。したがって、1回目と2回目の測定時において上記2つの観察点Q,Rの間に形成されるモアレ面も移動し、この2点間に観察されるモアレ縞の縞本数(位相)も互いに異なる(1回目と2回目の各測定において2つの観察点Q,Rの間に観測されるモアレ縞の縞本数をN,N´とするとN≠N´)。
1回目と2回目の各測定において、投影レンズ系42から被測定体2までの離間距離は共に未知(1回目の測定時の離間距離をL、2回目の測定時の離間距離をL+ΔLとする)であり、このため一般には被測定体2上に観察されるモアレ縞の縞深さを求めることができない。しかし、図6に示すように、上記2つの観察点Q,Rの間の高さの差をHとし、縞深さの起算位置を仮想基準格子面Pgの位置にとりそこに2つの観察点の一方の観察点Qがあるとすれば、1回目の測定においては下式(2)で規定される関係が成立し、2回目の測定においては下式(3)で規定される関係が成立する。
Figure 2005291751
ここで、m,m´は1回目と2回目の測定における投影用基準格子40の投影倍率を表す。
m=L/b,m´=(L+ΔL)/bの関係があるので、これを上式(2),(3)に代入し、またa,b,ΔL,N,N´,Pは既知であるとすれば、上式(2),(3)は、未知数H,Lに関する連立方程式となる。2つの観察点Q,Rの間の高さの差Hは、2回の測定において不変であるので、上式(2),(3)からHを消去すれば下式(4)で規定されるLに関する2次方程式が得られる。
Figure 2005291751
この方程式(4)は、課題を解決するための手段の欄に記載した方程式(1)において、a=a´である場合に相当するものであり、これを解くことにより1回目の測定時における投影レンズ系42から被測定体2までの離間距離Lを下式(5)の如く求めることができる。求められた結果に基づき、上式(2)から観測される各モアレ縞の縞深さを算定することができるので、被測定体2の形状解析を行なうことが可能となる。
Figure 2005291751
なお、上式(5)において、a,b,Pは本実施形態の格子像投影型形状測定装置固有のものであり、2回の測定において変動要素とはならない。一方、ΔL,N,N´は測定時に誤差を含みうる成分である。特にN,N´においては、被測定体の表面状態に起因するモアレ縞のビジビリティの違いによる誤差や2つの観察点Q,Rでの光軸Ax2に対する傾きに起因する2回の測定間の同一点の同定誤差等が含まれることとなる。
これらの誤差が2つの観察点の高さの差(H)の測定にどの程度の影響を与えるかは上式(5)から求めることができる。例えば、a=200mm,b=80mm,P=0.1mmの格子像投影型形状測定装置を用いて、L(設計値のL)=1000mmの位置に高さH=100mmの被測定体を置き、移動距離ΔL=50mmで測定した場合は、N,N´の読み取りに誤差が含まれず真値である場合に、ΔLを0.01mmの精度で移動できればHを0.2mmの精度で測定できると見積もれる。
なお、上述した測定手順では、仮想基準格子面Pgの位置にある一方の観察点Qの位置を縞深さの起算位置としているが、この観察点Qの位置にモアレ面が形成されるとは限らない(図6参照)。この場合、2つの観察点Q、Rの間に観測されるモアレ縞の縞本数は、仮想基準格子面Pgあるいは2つの観察点Q、Rの間に形成される所定のモアレ面を起算位置として算定される。すなわち、縞深さの起算位置と縞本数の起算位置とが異なることが起こる場合もあるが、このような場合でも観察点Rの縞本数と観察点Qの縞本数の差を縞深さとすることで算定結果に支障はない。
また、上述した測定手順では、投影レンズ系42、結像レンズ系44のフォーカス調整は行なわれない。このため、仮想基準格子面Pgが被測定体2上に形成されるとは限らない(図6参照)。仮想基準格子面Pgの形成位置が被測定体2から離れるほど、観測されるモアレ縞の像にボケが生じることになる。ただし、モアレ縞の像にボケが生じている場合でも、ある程度までであれば、主光線の位置(コントラストピーク縞)を特定することによりモアレ縞の解析を行なうことが可能となる。すなわち、上記2回の測定においては、被測定体2の設置位置を厳密に特定する必要はないが、モアレ縞の解析が可能な距離範囲(観測可能距離範囲)内に被測定体2を設置することは必要となる。この観測可能距離範囲は、使用する光学系の特性や投影用基準格子の格子ピッチ等により変化するため、それらに応じて個別的に求める必要がある。
図7に投影レンズ系の特性により観測可能距離範囲が変化する例を示す。投影レンズ系の明るさ(Fナンバー)がF=22(同図(a)),F=11(同図(b)),F=5.6(同図(c))の3種類を用いて、格子ピッチP=0.1mmの投影格子を傾けた平板上に投影したときに、解析可能なコントラストを持つ縞本数がそれぞれ何本になるかを計数し、その本数と平板の傾き角度を基に観察可能距離範囲を求めている。F=22の投影レンズ系を使用した場合は解析可能なコントラストを持つ縞本数が50本以上となり観測可能距離範囲が300mm以上あるのに対し、F=11では40本程度で観測可能距離範囲は250mm程度、F=5.6では35本程度で観測可能距離範囲は200mm程度となってしまっているのがわかる。
この観察可能距離範囲は解析可能なコントラストをどこまで許容するかで変わってくるが、コントラストや明るさレベルが低いと、解析式の中でそれぞれのデータの位相確定精度が悪くなり、解析結果の初期位相の不確かさも大きくなるので、なるべく観察可能距離範囲限界に対して余裕を持つ範囲で測定することが望ましい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を行なうことが可能である。
例えば、上記実施形態においては、測定ヘッドから被測定体までの距離の調整は、投影レンズ系と結像レンズ系との光軸間距離および投影用基準格子から投影レンズ系までの距離を変えずに行なわれるように構成されているが、1回目と2回目の測定において、これらを変えるようにしてもよい。その場合、縞深さの算定には、上式(1)を用いることができる。
また、上記実施形態では、被測定体上に目印を付けて2つの観察点を特定しているが、目印の付与が行なえないような被測定体である場合は、撮像面上の座標に基づき画像処理的手段により2回の測定における観察点Q,Rの同一点を同定することも可能である。この場合、1回目と2回目の測定において撮像倍率が異なるときには、撮像倍率に応じた座標変換の処理が必要となる。
また、上記実施形態で用いられる投影用基準格子および観測用基準格子は、格子線が直線となる直線格子であるが、各格子線が平行な状態に並ぶもの(いわゆる平行格子)であれば、格子線が曲線となる曲線格子であってもよい。
また、上記実施形態では、本発明を格子投影型モアレ装置に適用した例について説明しているが、本発明は上述した特許文献2や特許文献3に記載されているような他の格子像投影型形状測定装置に対しても適用することが可能である。なお、特許文献2,3に記載されたものは、投影系の光軸と観測系の光軸が平行ではないため、形状解析を行なうのに際して座標変換の処理を施している。投影系および観測系の両光軸が互いに平行となるように設定すれば、このような座標変換処理は不要となり、また縞深さの算定に際し、上式(1)〜(5)を同様な形で適用することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る格子像投影型形状測定装置の全体構成図 図1に示す測定ヘッドおよび制御部の基本構成を示す図 格子投影型モアレトポグラフィ手法の基本的作用を示す図 図1に示す位置調整機構のマイクロメータ位置における部分断面図 図1に示す位置調整機構の移動軸位置における部分断面図 一実施形態に係る測定手順および離間距離の算定方法を示す模式図 投影レンズ系の特性により観測可能距離範囲が変わることを示す図
符号の説明
2 被測定体
10 格子像投影型形状測定装置(測定装置)
12 測定ヘッド
14 電源機器駆動部
16 制御部
18 モニタ
20 キーボード
22 マウス
24 スタンド
26 投影光学系
28 観測光学系
32 照明ランプ
34 光源
36 コンデンサレンズ
38 格子照明系
40 投影用基準格子(投影格子)
42 投影レンズ系
44 結像レンズ系
46 観測用基準格子(撮影格子)
48 フィールドレンズ
50 折り返しミラー
52 CCDカメラ
54 テレビ光学系
56 撮影レンズ
58 CCDイメージセンサ
60 フリンジスキャンステージ
62 フリンジスキャンモータ
64 格子退避ステージ
70 画像処理解析部
72 格子移動制御部
74 距離算定部
76 縞本数検出部
78 ドライバ
80 位置調整機構
81 ステージ台
81a 底板部
81b 前壁部
81c 後壁部
82 移動軸
83 マイクロメータ
83a 軸部
83b ダイヤル部
84 ランナ
85 ストッパ部材
86 ストッパ
86a 第1ストッパ
86b 第2ストッパ
Ax1,Ax2 光軸
Pg 仮想基準格子面
Q,R (2つの)観察点
H 2つの観察点の高さの差
L 1回目の測定時における投影レンズ系から観察点Qまでの距離(離間距離)
ΔL 測定ヘッドの移動距離(所定距離)
a 投影レンズ系と結像レンズ系の各光軸間距離
b 投影用基準格子から投影レンズ系までの距離

Claims (3)

  1. 投影用基準格子の格子像を被測定体に投影する投影光学系と、投影された前記格子像が前記被測定体の形状に応じた変形を受けることにより生じる変形格子像を所定位置に結像させ、前記被測定体の形状情報を担持した縞パターンを得る観測光学系とを備えた格子像投影型形状測定装置において、
    前記投影光学系の光軸方向における該投影光学系と前記被測定体との相対的位置を、前記変形格子像の観測可能距離範囲内において調整する位置調整機構と、
    前記相対的位置を所定距離だけ変える位置調整の前後に行なわれる各測定において、前記被測定体上に設定された2つの観察点の間に観測される前記縞パターンの縞本数を検出する縞本数検出手段と、
    前記2つの観察点のうちの一方の前記光軸方向の位置を前記縞パターンの縞深さを算定する起算位置とするとともに、前記各測定において検出された前記縞本数と前記所定距離とに基づいて、前記一方の観察点と前記投影光学系との前記光軸方向の離間距離を算定する距離算定手段とを備えてなることを特徴とする格子像投影型形状測定装置。
  2. 前記距離算定手段は、下式(1)で表される方程式に基づき、前記離間距離を算定するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の格子像投影型形状測定装置。
    Figure 2005291751
    ここで、N,N´は前記各測定においてそれぞれ検出された前記縞本数、Pは前記投影用基準格子の格子ピッチ、Lは前記離間距離、ΔLは前記所定距離、a,a´は前記各測定における前記投影光学系と前記結像光学系との光軸間距離、m,m´は前記各測定における前記投影用基準格子の投影倍率を表す。
  3. 前記所定位置に観測用基準格子を配置し、該観測用基準格子上に前記変形格子像を結像させることにより、前記縞パターンとして等高線モアレ縞を得るように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の格子像投影型形状測定装置。

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