JP2005291462A - 自動変速機 - Google Patents

Abstract

【課題】自動変速機において、オイルポンプケースに開口部を閉塞するカバーとしての機能を有さしめ、従来の組付用穴のカバー等を別途に不要とし、各構成部品の一体化を図り、組付工数を削減するとともに、部品点数を低減することにある。
【解決手段】変速機ケースには、ケーブルを介してセレクタに連絡されるパーキング機構を設けるとともに、このパーキング機構の組み付け用の開口部を設け、この開口部を閉塞するようにオイルポンプのオイルポンプケースを取り付けている。
【選択図】図１

Description

この発明は、自動変速機に係り、特に手動変速機を自動化してパーキング機構を追加する構造において構成部品の一体化により組付工数の削減等を図る自動変速機に関するものである。

車両の変速機においては、手動変速機をベースに、変速機構と自動で制御可能なクラッチ機構とを追加し、自動的に変速を行う自動変速機がある。このため、自動変速機にあっては、従来の自動変速機と同様の操作感覚にするように、パーキング機構を追加する場合に、パーキングギヤ、パーキング操作部のリンク等の構成部品を新しく追加している。

即ち、図８に示す如く、車両に搭載された横置きエンジン（図示せず）に連結する自動変速機１０２は、手動変速機をベースに自動で制御可能なクラッチ機構（図示せず）と変速機構（図示せず）とを追加し、自動で変速を行うものである。

この自動変速機１０２において、図９に示す如く、変速機ケース１０４は、車両右方に配置されたエンジンに取付具（図示せず）で連設したエンジン側ケース（ライトケース）１０６とこのエンジン側ケース１０６に複数の取付具１０８で連設した中間側ケース（レフトケース）１１０とこの中間側ケース１１０に取付具（図示せず）で連設した車両左方のサイドケース１１２とにより構成されている。この変速機ケース１０４には、図示しないが、変速用ギヤと変速機構とクラッチ機構とデフ機構とが、所定に配設されている。そして、自動変速機１０２は、変速機ケース１０４に取り付けたオイルポンプ（図示せず）から吐出されたオイルによりクラッチ機構を動作させてクラッチの断続及び変速機構を動作させて変速用ギヤの選択を行っている。

また、変速機ケース１０４の中間側ケース１１０には、ケーブル１１４を介して車室内のセレクタ（図示せず）に連絡したパーキング機構１１６を追加している。

このパーキング機構１１６においては、図８、図９に示す如く、上下方向に指向し且つ中間側ケース１１０の上下の上側、下側シャフト保持部１１０Ａ、１１０Ｂに回動可能に保持されたパーキングシャフト１１８と、このパーキングシャフト１１８の下端部に固定されたディテントプレート１２０と、このディテントプレート１２０は、中間シャフト１２４に搖動可能に設けられたパーキングレバー１２６に装着された連結ピン１２２でパーキングレバー１２６と連結され、このパーキングレバー１２６に連結して中間側ケース１１０の外側に配設されたパーキングロッド１２８と、このパーキングロッド１２８の先端側に取り付けたパーキングカム１３０と、このパーキングカム１３０によって揺動されるようにパーキングポールシャフト１３２に揺動可能に支持され且つスプリング１３３で付設されたパーキングポール１３４と、パーキングギヤシャフト１３６に支持されてパーキングポール１３４のポール係合部１３４Ａが係合可能なギヤ係合部１３８Ａを有するパーキングギヤ１３８とが備えられている。

パーキングシャフト１１８の上端部は、インヒビタスイッチ１４０にスプライン係合するとともに、このインヒビタスイッチ１４０よりも上方に突出している。このパーキングシャフト１１８の突出部位には、セレクトレバー１４２が固設されている。このセレクトレバー１４２には、ケーブル１１４の端部を取り付けたケーブル接続ピン１４４が設けられている。

また、中間側ケース１１０の下部位には、図８、図９に示す如く、下面となるケース取付面１４６に、パーキング機構１１６の組み付け用の組付用穴１４８を形成しているとともに、この組付用穴１４８の周りで例えば４つのカバー取付ボス部１５０が所定に配設されている。

この中間側ケース１１０の下部位のカバー取付ボス部１５０には、組付用穴１４８を閉塞するようにカバー（蓋部）１５２がカバー取付ボルト１５４によって固設されている。

また、従来、車両の自動変速機には、縦置きエンジンに連結されるもので、エンジンの回転駆動によって駆動される機械式オイルポンプと、エンジンの回転駆動とは独立してエクステンションハウジングに設けられた電動オイルポンプとを備えたものがある。
特開２００３−２４０１０４号公報

ところが、従来、手動変速機を自動化した自動変速機においては、パーキング機構を追加する場合、これらの部品の組み付けのために、変速機ケースに組付用穴が必要であって、この組付用穴をカバー（蓋部）等で別途塞ぐことが必要となり、また、オイルポンプを別途に変速機ケースに取り付けていたので、各構成部品が別体に設けられてしまい、組付工数が増加するとともに、部品点数が増加するという不都合があった。

この発明は、変速機ケースに自動で制御可能なクラッチ機構と変速機構とを設け、オイルポンプから吐出されたオイルにより前記クラッチ機構を動作させてクラッチの断続及び前記変速機構を動作させて変速用ギヤの選択を行う自動変速機において、前記変速機ケースには、ケーブルを介してセレクタに連絡されるパーキング機構を設けるとともに、このパーキング機構の組み付け用の開口部を設け、この開口部を閉塞するように前記オイルポンプのオイルポンプケースを取り付けたことを特徴とする。

この発明の自動変速機は、変速機ケースに設けられた、ケーブルを介してセレクタに連絡されるパーキング機構の組み付け用の開口部を設け、この開口部を閉塞するようにオイルポンプのオイルポンプケースを取り付けることから、オイルポンプケースに開口部を閉塞するカバーとしての機能を有さしめ、従来の組付用穴のカバー等を別途に不要とし、各構成部品の一体化を図り、組付工数を削減するとともに、部品点数を低減することができる。

この発明は、手動変速機を自動化した自動変速機において組付工数の削減等の目的を、オイルポンプケースにより変速機ケースの開口部を閉塞して実現するものである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。

図１〜図７は、この発明の実施例を示すものである。

図１、図２において、２は車両に搭載された横置きエンジン（図示せず）に連結する自動変速機である。この自動変速機２は、手動変速機をベースにクラッチ機構（図示せず）と変速機構（図示せず）とを追加し、後述するオイルポンプ５６から吐出されたオイルによりクラッチ機構を動作させてクラッチの断続及び変速機構を動作させて変速用ギヤの選択を行うものである。

この自動変速機２において、図２に示す如く、変速機ケース４は、車両右方に配置されたエンジンに取付具（図示せず）で連設したエンジン側ケース（ライトケース）６とこのエンジン側ケース６に複数の取付具８で連設した中間側ケース（レフトケース）１０とこの中間側ケース１０の接合面１０Ｆに取付具（図示せず）で連設した車両左方のサイドケース１２とにより構成されている。この変速機ケース４には、図示しないが、変速用ギヤと変速機構とクラッチ機構とデフ機構とが、所定に配設されている。

変速機ケース４の中間側ケース１０には、ケーブル１４を介して車室内のセレクタ（図示せず）に連絡されたパーキング機構１６が追加して取り付けられる。このパーキング機構１６は、セレクタの動きにより、ケーブル１４を介して作動されるものである。

パーキング機構１６においては、図１〜図３に示す如く、上下方向に指向し且つ中間側ケース１０の上下の上側、下側シャフト保持部１０Ａ、１０Ｂに回動可能に保持されたパーキングシャフト１８と、このパーキングシャフト１８の下端部に固定されたディテントプレート２０と、このディテントプレート２０は、中間シャフト２４に搖動可能に設けられたパーキングレバー２６に装着された連結ピン２２でこのパーキングレバー２６と連結され、このパーキングレバー２６の端部位に連結して中間側ケース１０の端部位の外側で且つ車両後方に指向して配設されたパーキングロッド２８と、このパーキングロッド２８の先端側に取り付けたパーキングカム３０と、このパーキングカム３０によって揺動されるようにパーキングポールシャフト３２に揺動可能に支持され且つスプリング３３で付勢されたパーキングポール３４と、パーキングギヤシャフト３６に支持されてパーキングポール３４のポール係合部３４Ａが係合するギヤ係合部３８Ａを有するパーキングギヤ３８とが備えられている。このパーキングギヤ３８は、中間側ケース１０の左側面でパーキングロッド２８の上方に配設されている。

ディテントプレート２０は、中間側ケース１０の下部側に配設され、扇形状の外周部位にプレート係合溝２０Ａを備え、一定の位置でパーキングシャフト１８の回動を抑えて節度感を出すものである。このディテントプレート２０のプレート係合溝２０Ａには、中間側ケース１０にスプリング取付具４０で固定されたディテントスプリング４２の先端側のスプリング係合部４２Ａが係合して設けられる。

パーキングシャフト１８の上端部は、中間側ケース１０の上部位に固定されたインヒビタスイッチ４４に二面幅係合するとともに、このインヒビタスイッチ４４よりも上方に突出している。このパーキングシャフト１８のインヒビタスイッチ４４よりも上方の突出部位には、セレクトレバー４６が固設されている。このセレクトレバー４６には、ケーブル１４の端部を取り付けたケーブル接続ピン４８が設けられている。ケーブル１４は、中間側ケース１０の上部位に固定されたケーブルガイド５０のガイド溝５０Ａで案内されている。

中間側ケース１０の下部位には、図２に示す如く、パーキング機構１６の組み付け用の開口部５２が形成されているとともに、この開口部５２の周りで例えば４つのポンプ取付ボス部５４が所定に配設されている。この開口部５２内には、下方からのパーキング機構１６のパーキングシャフト１８とディテントプレート２０とが重ねて配設される。

この中間側ケース１０の下部位のポンプ取付ボス部５４には、開口部５２を閉塞するようにオイルポンプ５６のオイルポンプケース５８が取り付けられる。オイルポンプ５６は、吐出したオイルによりクラッチ機構を動作させてクラッチの断続及び変速機構を動作させて変速用ギヤの選択を行うものである。

オイルポンプケース５８は、開口部５２が形成された中間側ケース１０の下側のケース取付面６０に、ポンプ取付ボルト６２をポンプ取付ボス部５４のねじ穴５４Ａに螺着するにより接合して取り付けられる。

このオイルポンプケース５８は、図５〜図７に示す如く、長手方向で、前記開口部５２を閉塞するように各ポンプ取付ボス部５４に対応した４つのボルト取付孔６４を形成したカバー部６６とポンプ本体６８とシャフト支持部７０とが連設して構成されている。また、このシャフト支持部７０には、長手方向で、ポンプ本体６８を駆動するポンプモータ７２が取り付けられている。このポンプモータ７２には、ハーネス（電線）７４が接続している。

また、オイルポンプケース５８には、図７に示す如く、車両右方側で、オイルタンク（図示せず）に連絡する配管（図示せず）を接続するオイル供給パイプ７６と、変速機構に連絡する配管（図示せず）を接続するオイル吐出口７８と、オイルの流量を調整するリニアソレノイドバルブ８０を取り付けるバルブ取付穴８２とが設けられている。また、オイルポンプケース５８には、図示しないが、車両後方側で、クラッチ機構を作動するクラッチアクチュエータが一体的に付設される。

オイルポンプケース５８のカバー部６６には、パーキング機構１６を構成するパーキングシャフト１８の下端部を支持するパーキングシャフト押え部８４が設けられるとともに、中間シャフト２４の下端部を支持する中間シャフト押え部８６が設けられている。このパーキングシャフト押え部８４及び中間シャフト押え部８６は、各シャフトを所定高さ位置で支持するように、オイルポンプケース５８のカバー部６６の接合面６６Ａよりも高さＨだけ上方に突設されている。中間シャフト押え部８６には、穴８６Ａが形成されている。

また、オイルポンプケース５８のカバー部６６に対応する部位には、図５に示す如く、ポンプ本体６８に連通する油路８８Ａ、８８Ｂ等が形成されている。

次に、この実施例の作用を説明する。

車室内のセレクタの操作により、ケーブル１４を介してセレクトレバー４６の回動と共にパーキングシャフト１８が回動され、このパーキングシャフト１８の回動により、ディテントプレート２０が節度感を出して回動され、パーキングレバー２６が揺動することにより、パーキングロッド２８が押し引きされ、パーキングポール３４の揺動により、このパーキングポール３４のポール係合部３４Ａがパーキングギヤ３８の所定のギヤ係合部３８Ａに係合する。

そして、この実施例においては、変速機ケース４の中間側ケース１０に設けられた、ケーブル１４を介してセレクタに連絡されるパーキング機構１６の組み付け用の開口部５２を設け、この開口部５２を閉塞するようにオイルポンプ５６のオイルポンプケース５８を取り付けたことにより、オイルポンプケース５８に開口部５２を閉塞するカバーとしての機能を有さしめ、従来の組付用穴のカバー等を別途に不要とし、各構成部品の一体化を図り、組付工数を削減するとともに、部品点数を低減することができる。

また、パーキング機構１６のパーキングシャフト１８を中間側ケース１０に回動可能に保持して設け、このパーキングシャフト１８の下端部にディテントプレート２０を固定して設け、パーキングシャフト１８とディテントプレート２０とを開口部５２内に重ねて配設したことにより、パーキングシャフト１８とディテントプレート２０とを開口部５２から簡単に挿入することができ、パーキング機構１６の組付作業を簡便に行わせることができる。

更に、ディテントプレート２０を中間側ケース１０の下部側に配設し、オイルポンプケース５８を開口部５２が設けられた中間側ケース１０の下面に取り付けたことにより、ディテントプレート２０と開口部５２とを近接して配設し、パーキング機構１６の組付性を向上することができる。

更にまた、オイルポンプケース５８は、長手方向で開口部５２を閉塞するカバー部６６とポンプ本体６８とシャフト支持部７０とが連設して構成され、このシャフト支持部７０には、長手方向でポンプ本体６８を駆動するポンプモータ７２を取り付けたことから、オイルポンプ５６をコンパクトに配設することができる。

また、カバー部６６には、パーキング機構１６のパーキングシャフト１８を支持するパーキングシャフト押え部８４及び中間シャフト押え部８６を設けたことにより、パーキングシャフト押え部８４によってパーキングシャフト１８を所定高さ位置で支持するとともに、中間シャフト押え部８６によって中間シャフト２４を所定高さ位置で支持することから、各シャフトを安定して保持することができる。

更に、オイルポンプケース５８のカバー部６６に対応する部位には、ポンプ本体６８に連通される油路８８を形成したことにより、該油路８８の形成を簡易にすることができ、その組付性等を向上することができ、更に、オイル供給パイプ７６とオイル吐出口７８の自由度を向上させることができる。

オイルポンプケースにより変速機ケースの開口部を閉塞する構成を、他の変速機にも適用することが可能である。

自動変速機の左側面図である。 図１の矢印ＩＩにおいてオイルポンプを取り外した状態の自動変速機の底面図である。 図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線による断面図である。 オイルポンプケースのカバー部の断面図である。 オイルポンプの平面図である。 図５の矢印ＶＩによるオイルポンプの右側面図である。 図５の矢印ＶＩＩによるオイルポンプの左側面図である。 従来において自動変速機の左側面図である。 図８の矢印ＩＸによる自動変速機の底面図である。

符号の説明

２ 自動変速機
４ 変速機ケース
６ エンジン側ケース
１０ 中間側ケース
１２ サイドケース
１４ ケーブル
１６ パーキング機構
１８ パーキングシャフト
２０ ディテントプレート
４６ セレクトレバー
５２ 開口部
５４ オイルポンプ取付ボス部
５６ オイルポンプ
５８ オイルポンプケース
６６ カバー部
６８ ポンプ本体
７２ ポンプモータ
８４ パーキングシャフト押え部
８６ 中間シャフト押え部
８８ 油路

Claims (6)

1. 変速機ケースに自動で制御可能なクラッチ機構と変速機構とを設け、オイルポンプから吐出されたオイルにより前記クラッチ機構を動作させてクラッチの断続及び前記変速機構を動作させて変速用ギヤの選択を行う自動変速機において、前記変速機ケースには、ケーブルを介してセレクタに連絡されるパーキング機構を設けるとともに、このパーキング機構の組み付け用の開口部を設け、この開口部を閉塞するように前記オイルポンプのオイルポンプケースを取り付けたことを特徴とする自動変速機。
2. 前記パーキング機構のパーキングシャフトを前記変速機ケースに回動可能に保持して設け、このパーキングシャフトの下端部にディテントプレートを固定して設け、前記パーキングシャフトと前記ディテントプレートとを前記開口部内に重ねて配設したことを特徴とする請求項１に記載の自動変速機。
3. 前記ディテントプレートを前記変速機ケースの下部側に配設し、前記オイルポンプケースを前記開口部が設けられた前記変速機ケースの下面に取り付けたことを特徴とする請求項２に記載の自動変速機。
4. 前記オイルポンプケースは、長手方向で前記開口部を閉塞するカバー部とポンプ本体とシャフト支持部とが連設して構成され、このシャフト支持部には、長手方向で前記ポンプ本体を駆動するポンプモータを取り付けたことを特徴とする請求項１に記載の自動変速機。
5. 前記カバー部には、前記パーキング機構の前記パーキングシャフトを支持する押え部を設けたことを特徴とする請求項４に記載の自動変速機。
6. 前記オイルポンプケースの前記カバー部に対応する部位には、前記ポンプ本体に連通する油路を形成したことを特徴とする請求項４に記載の自動変速機。

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