JP2005290524A - マスク、マスクの製造方法、電気光学装置の製造方法および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シリコンからなるマスクであって、繰り返し使用しても破損し難いマスク、マスクの製造方法、電気光学装置の製造方法および電子機器を提供する。
【解決手段】 シリコン基板1からなるマスク50であって、シリコン基板1における、被成膜部材54に薄膜をパターニングするときの被成膜部材54側の面について、算術平均粗さを所定の範囲としたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 シリコン基板1からなるマスク50であって、シリコン基板1における、被成膜部材54に薄膜をパターニングするときの被成膜部材54側の面について、算術平均粗さを所定の範囲としたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、マスク、マスクの製造方法、電気光学装置の製造方法および電子機器に関するものである。
電気光学装置の一つである有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルは、薄膜を積層した構造を持つ自発光型で高速応答性の表示素子からなる。このため有機ELパネルは軽く動画対応に優れた表示装置を構成でき、近年フラットパネルディスプレイ(FPD)テレビなどの表示パネルとして非常に注目されている。有機ELパネルの代表的な製造方法としては、Appl,Phys,Lett,Vol,51,No.12,p.p.913-914,(1987)に示されている。すなわち、ITO(インジウム−スズ酸化物)などの透明陽極をフォトリソグラフィ技術を用いて所望形状にパターニングし、さらにそのパターンの上に真空蒸着装置で有機材料を成膜して積層し、その上に陰極となるMgAgなどの低い仕事関数の金属陽極膜を蒸着する。最後に、このようにして出来た発光素子が湿度又は酸素などに接触しないように、その発光素子を不活性ガス雰囲気中で密閉封止する。
また、有機ELパネルは、発光材料を変えることにより、発光色を様々に変えることができる。例えば、薄く高精細なメタルマスクを用いて、画素毎に赤、緑、青の発光素子を形成する手法が提案されている。この手法は、磁石でメタルマスクとガラス基板とを密着させて、マスク越しに蒸着することにより、鮮明なフルカラー有機ELパネルを製造しようとするものである(例えば、特許文献1参照)。
また、マスクを用いた蒸着手法としては、シリコン基板を用いて蒸着マスクを製造する手法が提案されている。この手法ではフォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術などの半導体製造技術を用いて、シリコン基板自体をマスクにするというものである。シリコンは熱膨張係数がガラスとほぼ同じであるので、シリコンのマスクと被成膜基板のガラス基板とは熱膨張によるずれが生じない。また、シリコンは加工精度を高くすることができる(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−273976号公報
特開2001−185350号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されているメタルマスクでは、有機ELパネルの大画面化に対応すべくパネルサイズを大きくすると、そのパネル用のメタルマスクも大きく形成しなければならないが、大きく(大面積)且つ薄いメタルマスクを高精度に作ることは非常に難しいという問題点がある。また、メタルマスクの熱膨張係数が有機ELパネル用のガラス基板に比べて非常に大きい。したがって、蒸着時の熱輻射でメタルマスクがガラス基板に比べて大きく伸びる。これにより、メタルマスクを用いて大型の有機ELパネルを製造しようとすると、熱膨張による誤差の累積値が大きくなり、メタルマスクではせいぜい20インチの中小型パネルサイズを製造することが限界とされていた。
また、上記特許文献2に記載されているシリコン基板を用いた蒸着マスクでは、マスクをなすシリコン基板の研磨面は非常に平滑である。そして、そのシリコン基板を被成膜基板(例えばガラス)に密着させると、シリコン基板が被成膜基板に固着してしまう。そこで、上記特許文献2の蒸着マスクでは、シリコン基板を被成膜基板から取り外そうとすると、シリコン基板を破壊剥離してしまうことがしばしば生じるという問題点がある。
また、上記特許文献2に記載されているシリコン基板を用いた蒸着マスクでは、シリコン・インゴットを長手方向に対して垂直に薄切りしたウエハを用いている。そして、シリコン・インゴットの直径は通常300mmである。そこで、従来では、シリコン基板からなる蒸着マスクは直径300mmまでの大きさのものしか存在せず、これ以上大きな画面サイズに対応するシリコン性蒸着マスクを製造することができないという問題点がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、シリコンからなるマスクであって、繰り返し使用しても破損し難いマスク、マスクの製造方法、電気光学装置の製造方法および電子機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、シリコンからなるマスクであって、そのマスクを被成膜基板に密着させるように使用しても、固着又は破損などが生じることを回避できるマスク、マスクの製造方法、電気光学装置の製造方法および電子機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、被成膜領域の大型化に対応することができ、高精度の寸法に薄膜パターンを形成でき、繰り返し使用されても容易に破損しないマスク、マスクの製造方法、電気光学装置の製造方法および電子機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、シリコンからなるマスクであって、そのマスクを被成膜基板に密着させるように使用しても、固着又は破損などが生じることを回避できるマスク、マスクの製造方法、電気光学装置の製造方法および電子機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、被成膜領域の大型化に対応することができ、高精度の寸法に薄膜パターンを形成でき、繰り返し使用されても容易に破損しないマスク、マスクの製造方法、電気光学装置の製造方法および電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のマスクは、シリコン基板からなるマスクであって前記シリコン基板における、被成膜部材に薄膜をパターニングするときの該被成膜部材側の面について、算術平均粗さ(Ra)を所定の範囲としたことを特徴とする。
本発明によれば、シリコン基板における被成膜部材側の面を所定範囲の算術平均粗さ(Ra)としたので、その被成膜部材側の面を被成膜部材に密着させても、シリコン基板が被成膜部材に固着することを回避することができる。したがって、本発明は、例えば被成膜基板としてガラス基板を適用しても、マスクをなすシリコン基板がガラス基板に固着して破損することを回避でき、多数回の繰り返し使用に耐えられ、高精度の寸法に薄膜パターンを形成できるマスクを提供することができる。
本発明によれば、シリコン基板における被成膜部材側の面を所定範囲の算術平均粗さ(Ra)としたので、その被成膜部材側の面を被成膜部材に密着させても、シリコン基板が被成膜部材に固着することを回避することができる。したがって、本発明は、例えば被成膜基板としてガラス基板を適用しても、マスクをなすシリコン基板がガラス基板に固着して破損することを回避でき、多数回の繰り返し使用に耐えられ、高精度の寸法に薄膜パターンを形成できるマスクを提供することができる。
また、本発明のマスクは、前記シリコン基板における前記被成膜部材側の面が被成膜部材の平面に密着されて用いられるものであることが好ましい。
本発明によれば、マスクをなすシリコン基板を被成膜部材の平面に密着させることで、高精度の寸法に薄膜パターンを形成できる。
本発明によれば、マスクをなすシリコン基板を被成膜部材の平面に密着させることで、高精度の寸法に薄膜パターンを形成できる。
また、本発明のマスクは、前記算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上であって3μm以下であることが好ましい。
本発明によれば、マスクをなすシリコン基板における被成膜部材側の面を算術平均粗さ(Ra)0.5μm以上とすることで、そのシリコン基板が被成膜部材に固着して破損することを回避できる。これは、各種の算術平均粗さ(Ra)をもつシリコン基板について、被成膜部材に密着および剥離を繰り返し行い、そのシリコン基板の破損状態を見るという実験結果から導き出されたものである。ただし、上記算術平均粗さ(Ra)を3μmよりも大きくすると、マスクと被成膜部材との間隔が大きくなり、十分な寸法精度をもった薄膜パターンを形成することが困難となる。そこで、本発明のマスクは、薄膜パターンの寸法精度を維持しながらマスクの破損を回避することができる。
本発明によれば、マスクをなすシリコン基板における被成膜部材側の面を算術平均粗さ(Ra)0.5μm以上とすることで、そのシリコン基板が被成膜部材に固着して破損することを回避できる。これは、各種の算術平均粗さ(Ra)をもつシリコン基板について、被成膜部材に密着および剥離を繰り返し行い、そのシリコン基板の破損状態を見るという実験結果から導き出されたものである。ただし、上記算術平均粗さ(Ra)を3μmよりも大きくすると、マスクと被成膜部材との間隔が大きくなり、十分な寸法精度をもった薄膜パターンを形成することが困難となる。そこで、本発明のマスクは、薄膜パターンの寸法精度を維持しながらマスクの破損を回避することができる。
また、本発明のマスクは、前記シリコン基板が面方位(100)を有することが好ましい。
本発明によれば、面方位(100)を有するシリコン基板について、例えば結晶異方性エッチングをすることで、マスクの開口部を高精度に形成することができる。
本発明によれば、面方位(100)を有するシリコン基板について、例えば結晶異方性エッチングをすることで、マスクの開口部を高精度に形成することができる。
また、本発明のマスクは、前記シリコン基板が複数取り付けられている支持基板を有することが好ましい。
本発明によれば、1つの支持基板に複数のシリコン基板を取り付けることで、シリコン基板からなる従来よりも大きなマスクを簡便に構成することができる。したがって、本発明は、例えば大画面の電気光学装置の製造に対応でき、高精度にパターニングできるマスクを提供することができる。
本発明によれば、1つの支持基板に複数のシリコン基板を取り付けることで、シリコン基板からなる従来よりも大きなマスクを簡便に構成することができる。したがって、本発明は、例えば大画面の電気光学装置の製造に対応でき、高精度にパターニングできるマスクを提供することができる。
また、本発明のマスクは、前記支持基板に取り付けられていて隣り合うシリコン基板同士が、該シリコン基板に設けられている開口部の幅と同一値の隙間をもって配置されていることが好ましい。
本発明によれば、シリコン基板とシリコン基板との隙間を、薄膜パターンを形成するための開口部として機能させることができる。したがって、本発明のマスクは、簡便に大型化でき、かつ一定間隔のストライプパターンなどを、高品位にかつ低コストで製造することができる。
本発明によれば、シリコン基板とシリコン基板との隙間を、薄膜パターンを形成するための開口部として機能させることができる。したがって、本発明のマスクは、簡便に大型化でき、かつ一定間隔のストライプパターンなどを、高品位にかつ低コストで製造することができる。
また、本発明のマスクは、前記開口部の幅が、前記被成膜部材を有してなる電気光学装置における画素を構成する薄膜パターンの幅と同一であることが好ましい。
本発明によれば、例えば、大画面の電気光学装置の画素を構成する薄膜パターンについて製造できるマスクを、簡便に提供することができる。
本発明によれば、例えば、大画面の電気光学装置の画素を構成する薄膜パターンについて製造できるマスクを、簡便に提供することができる。
上記目的を達成するために、本発明のマスクの製造方法は、シリコン・インゴットについて切断することにより板形状にシリコン基板(ウエハ)を切り出し、切り出された前記シリコン基板について切断することにより該シリコン基板の外形を整え、前記切断によって前記シリコン基板に生じた加工変質層をエッチングにより除去し、前記エッチングが少なくともなされたシリコン基板がマスクの構成部材として用いられることを特徴とする。
本発明によれば、シリコン・インゴットについて切断することのみにより、マスクの構成部材とするシリコン基板の外形を整える。そして、切断によって生じた加工変質層をエッチングにより除去する。これらにより、本発明は、シリコン基板について表面研磨することなく、シリコン基板からなるマスクを形成できる。したがって、本発明は、シリコン基板からなるマスクの該被成膜部材側の面について算術平均粗さ(Ra)を所定の範囲にすることができる。そこで、多数回の繰り返し使用に耐えられ、高精度の寸法に薄膜パターンを形成できるマスクを簡便に製造できる。
本発明によれば、シリコン・インゴットについて切断することのみにより、マスクの構成部材とするシリコン基板の外形を整える。そして、切断によって生じた加工変質層をエッチングにより除去する。これらにより、本発明は、シリコン基板について表面研磨することなく、シリコン基板からなるマスクを形成できる。したがって、本発明は、シリコン基板からなるマスクの該被成膜部材側の面について算術平均粗さ(Ra)を所定の範囲にすることができる。そこで、多数回の繰り返し使用に耐えられ、高精度の寸法に薄膜パターンを形成できるマスクを簡便に製造できる。
また、本発明のマスクの製造方法は、前記シリコン基板における被成膜部材側の面について、算術平均粗さ(Ra)を0.5μm以上から3μm以下にすることが好ましい。
本発明によれば、前記算術平均粗さ(Ra)0.5μm以上とすることで、そのシリコン基板が被成膜部材に固着して破損することを回避できる。さらに、前記算術平均粗さ(Ra)を3μm以下とすることにより、十分な寸法精度をもった薄膜パターンを形成できる。そこで、本発明は、薄膜パターンの寸法精度を維持しながら、繰り返し使用できるマスクを製造することができる。
本発明によれば、前記算術平均粗さ(Ra)0.5μm以上とすることで、そのシリコン基板が被成膜部材に固着して破損することを回避できる。さらに、前記算術平均粗さ(Ra)を3μm以下とすることにより、十分な寸法精度をもった薄膜パターンを形成できる。そこで、本発明は、薄膜パターンの寸法精度を維持しながら、繰り返し使用できるマスクを製造することができる。
また、本発明のマスクの製造方法は、前記シリコン・インゴットについての切断において、該シリコン・インゴットの長手方向に沿っての切断(縦切り)を有し、前記長手方向に沿っての切断で形成された面のうちの1つを、前記被成膜部材側の面とすることが好ましい。
本発明によれば、シリコン・インゴットを長手方向に沿って切断して、長方形のシリコン基板を得ることができる。従来では、シリコン・インゴットを長手方向に対して垂直に切断し、その後、研磨して円板状のシリコン基板を得ていた。したがって、本発明によれば、従来よりも大面積の1枚のシリコン基板によるマスクを製造することができる。
すなわち、従来においては、シリコン・インゴットを円板状にスライスし、次いで、所定の厚みに削り出し、次いで、加工変質層をウエットエッチングにより除去する。さらに従来においては、前記ウエットエッチングの後に、メカロケミカルポリッシュにより鏡面研磨してマスクの構成要素としている。ところが、メカロケミカルポリッシュ工程では、非常に精密な研磨が行われるため、処理対象のシリコン基板に角があると、その角部分がチッピングを起こし、そのチッピングした欠片がシリコン基板の表面全体を傷つけてしまう。そこで、従来においては、シリコン・インゴットから四角のシリコン基板を製造できず、シリコン・インゴットを本発明のように「縦切り」して長方形の大きなシリコン基板を作れなかった。
一方、本発明では、研磨工程を用いずに、マスク用のシリコン基板を製造する。これにより、本発明は、シリコン・インゴットを縦にスライス(縦切り)して長方形の大きなマスク用のシリコン基板を製造することができる。
本発明によれば、シリコン・インゴットを長手方向に沿って切断して、長方形のシリコン基板を得ることができる。従来では、シリコン・インゴットを長手方向に対して垂直に切断し、その後、研磨して円板状のシリコン基板を得ていた。したがって、本発明によれば、従来よりも大面積の1枚のシリコン基板によるマスクを製造することができる。
すなわち、従来においては、シリコン・インゴットを円板状にスライスし、次いで、所定の厚みに削り出し、次いで、加工変質層をウエットエッチングにより除去する。さらに従来においては、前記ウエットエッチングの後に、メカロケミカルポリッシュにより鏡面研磨してマスクの構成要素としている。ところが、メカロケミカルポリッシュ工程では、非常に精密な研磨が行われるため、処理対象のシリコン基板に角があると、その角部分がチッピングを起こし、そのチッピングした欠片がシリコン基板の表面全体を傷つけてしまう。そこで、従来においては、シリコン・インゴットから四角のシリコン基板を製造できず、シリコン・インゴットを本発明のように「縦切り」して長方形の大きなシリコン基板を作れなかった。
一方、本発明では、研磨工程を用いずに、マスク用のシリコン基板を製造する。これにより、本発明は、シリコン・インゴットを縦にスライス(縦切り)して長方形の大きなマスク用のシリコン基板を製造することができる。
また、本発明のマスクの製造方法は、前記シリコン基板について熱酸化処理する熱酸化工程と、前記熱酸化工程が施された前記シリコン基板について、(両面側から)フォトリソグラフィ法を用いてパターニングするパターニング工程と、前記パターニング工程が施された前記シリコン基板について、結晶異方性エッチングを施すことにより、貫通孔からなる開口部を形成するエッチング工程とをことが好ましい。ここで、前記熱酸化工程を実施する前に、前記シリコン基板について洗浄する洗浄工程を施すことが好ましい。
本発明によれば、例えばシリコン・インゴットを縦にスライスして形成された前記シリコン基板について、熱酸化工程、パターニング工程およびエッチング工程を施す。これにより、シリコン基板に対して、簡便に且つ精密に所望形状の開口部を形成でき、精密に薄膜パターンを形成できるマスクを製造することができる。
本発明によれば、例えばシリコン・インゴットを縦にスライスして形成された前記シリコン基板について、熱酸化工程、パターニング工程およびエッチング工程を施す。これにより、シリコン基板に対して、簡便に且つ精密に所望形状の開口部を形成でき、精密に薄膜パターンを形成できるマスクを製造することができる。
上記目的を達成するために、本発明の電気光学装置の製造方法は、電気光学装置の構成層をなす薄膜パターンを形成するときに、前記マスクを用いることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、大画面であって各画素の膜厚分布が非常に良く、ムラのない高品位な画像を表示できる電気光学装置を低コストで製造することができる。
本発明によれば、例えば、大画面であって各画素の膜厚分布が非常に良く、ムラのない高品位な画像を表示できる電気光学装置を低コストで製造することができる。
上記目的を達成するために、本発明の電子機器は、前記マスクを用いて製造されたことを特徴とする。
本発明によれば、例えば、大画面で表示でき、鮮やかでムラがなく大きな画像を表示できる電子機器を低コストで提供することができる。また、本発明によれば、大面積の基板全体に高精細に精密にパターニングされた薄膜からなる電子回路などを備えた電子機器を低コストで提供することができる。
本発明によれば、例えば、大画面で表示でき、鮮やかでムラがなく大きな画像を表示できる電子機器を低コストで提供することができる。また、本発明によれば、大面積の基板全体に高精細に精密にパターニングされた薄膜からなる電子回路などを備えた電子機器を低コストで提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係るマスクについて図面を参照して説明する。
(第1実施形態のマスクの構造)
図1は、本発明の第1実施形態に係るマスクの一例を示す断面図である。本実施形態のマスク50は、例えば蒸着マスクとして用いることができる。したがって、マスク50は、被成膜部材に薄膜をパターニングする時、すなわち蒸着時に、蒸着源と被成膜部材54との間に配置される。
(第1実施形態のマスクの構造)
図1は、本発明の第1実施形態に係るマスクの一例を示す断面図である。本実施形態のマスク50は、例えば蒸着マスクとして用いることができる。したがって、マスク50は、被成膜部材に薄膜をパターニングする時、すなわち蒸着時に、蒸着源と被成膜部材54との間に配置される。
本実施形態のマスク50は、シリコン基板1で構成されている。シリコン基板1は、例えば面方位(100)を有することとする。そして、シリコン基板1には貫通孔をなす開口部12が設けられる。開口部12は、蒸着時に、蒸着源から出射された蒸着物質が通り抜ける貫通孔をなすものである。したがって、開口部12は、被成膜部材である被成膜部材54にパターニングする薄膜の形状とほぼ同一形状となっている。被成膜部材54としては、例えばガラス基板を適用することができる。
また、マスク50をなすシリコン基板1における被成膜部材側面51は、算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上から3μm以下までの範囲内にされている。ここで、被成膜部材側面51は、被成膜部材54に薄膜をパターニングするときのシリコン基板1における被成膜部材54側の面である。そして、マスク50は、図1に示すように、蒸着時に、被成膜部材側面51が被成膜部材54の平面に密着するように用いられることが好ましい。
従来の蒸着マスク用のシリコン基板(シリコン基板マスク)は、表面が鏡面研磨されている。このため、従来のシリコン基板マスクの表面は、算術平均粗さ(Ra)が0.05μm以下となっている。したがって、かかる従来のシリコン基板マスクを清浄な状態にしておいて、ガラスからなる被成膜部材に密着させると、両表面は非常に活性なため貼り付いて固着し、とれなくなってしまう。ガラス基板から従来のシリコン基板マスクを剥離しようとすると、そのマスクが破損してしまうことが多々あった。
本実施形態のマスク50は、図1に示すように、被成膜部材側面51が従来の蒸着マスク用シリコン基板の表面と比べて、凸凹している。これにより、被成膜部材側面51と被成膜部材54との接触面積は、従来の蒸着マスク用のシリコン基板と被成膜部材との接触面積と比べて、非常に小さくなる。したがって、本実施形態のマスク50の被成膜部材側面51を、清浄な表面をもつガラス基板からなる被成膜部材54に密着させても、マスク50と被成膜部材54とが固着することはない。そこで、本実施形態のマスク50は、マスクをなすシリコン基板1が被成膜部材54に固着して破損(固着破損)することを回避でき、多数回の繰り返し使用に耐えられ、高精度の寸法に薄膜パターンを形成できる。
図2は、シリコン基板1の被成膜部材側面51の算術平均粗さ(Ra)と固着破壊との関係を示す図である。図2においては、被成膜部材側面51の算術平均粗さ(Ra)が0.05μmから5.0μmまで段階的に異なる8種類のマスク50を試作し、上記固着破壊について試験を行った結果を示している。すなわち、シリコン基板の表面をウエットエッチングにより各種の算術平均粗さ(Ra)にして、各種のマスク50を製造する。次いで、各種のマスク50について、被成膜部材54への密着および剥離を繰り返して、マスク50に破損がないかを試験したものである。
図2に示す試験結果では、算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上であれば、マスク50が破損(破壊)しないことがわかった。しかしながら、算術平均粗さ(Ra)が3.0μm以上であると、蒸着によるパターニング時の膜厚に影響を及ぼし、パターニング精度が低下してしまうことも、実験的にわかった。したがって、本実施形態のマスク50は、シリコン基板1の被成膜部材側面51の算術平均粗さ(Ra)を0.5μm以上から3μm以下までの範囲内とするので、蒸着パターニング精度を維持しつつ固着によるマスク破壊を回避することができる。
また、本実施形態のマスク50は、シリコン基板1の被成膜部材側面51の算術平均粗さ(Ra)を0.5μm以上から3μm以下までの範囲内とするので、シリコン基板1について鏡面研磨処理をする必要がない。これにより、本実施形態のマスク50は、従来のシリコン基板マスクよりも大幅に原料コストおよび加工コストを低減することができる。
(マスクの製造方法)
次に、図3から図5を参照して本実施形態に係るマスクの製造方法について説明する。図3は、マスク50の構成材料となるシリコン基板1aを示す斜視図である。このシリコン基板1aは、シリコン・インゴットについて切断することにより長方形の板状にシリコン基板を切り出し、そのシリコン基板について切断することにより外形を整え、さらに加工変質層をエッチングにより除去したものである。シリコン基板1aは、面方位(100)を有することが好ましい。
次に、図3から図5を参照して本実施形態に係るマスクの製造方法について説明する。図3は、マスク50の構成材料となるシリコン基板1aを示す斜視図である。このシリコン基板1aは、シリコン・インゴットについて切断することにより長方形の板状にシリコン基板を切り出し、そのシリコン基板について切断することにより外形を整え、さらに加工変質層をエッチングにより除去したものである。シリコン基板1aは、面方位(100)を有することが好ましい。
また、図3に示すシリコン基板1aは、シリコン・インゴットを長手方向に沿っての切断(縦切り)して、その切断面を図1に示す被成膜部材側面51とすることが好ましい。本実施形態の製造方法では、シリコン基板について研磨しないので、シリコン・インゴットを縦切りして長方形の従来よりも大きなシリコン基板を製造することができる。
すなわち、従来のシリコン基板の製造方法では、メカロケミカルポリッシュにより鏡面研磨するが、処理対象のシリコン基板に角があると、その角部分がチッピングを起こし、そのチッピングした欠片がシリコン基板の表面全体を傷つけてしまう。そこで、従来においては、シリコン・インゴットから四角のシリコン基板を製造できず、シリコン・インゴットを本実施形態のシリコン基板1aのように「縦切り」して長方形の大きなシリコン基板を作れなかった。
シリコン基板1aは、例えば幅dXが300mm、長さdYが800mm、厚さdZが0.8mmの板形状とする。このようなシリコン基板1aは、1つのインゴットから30枚取り出すことが可能である。なお、シリコン基板1aの形状は、正方形、三角形、5角形、6角形などの多角形でもよく、円板形状としてもよい。
図4は、図3に示すシリコン基板1aを原材料として、本実施形態のマスク50を製造するプロセスを示す模式断面図である。本製造プロセスは、熱酸化工程(図4(a))と、パターニング工程(図4(b))と、エッチング工程(図4(c))とを有している。
具体的には、先ず、シリコン基板1aについて湿式熱酸化工程を施し、シリコン基板1aの露出面全体に緻密なSiO2膜2を形成する熱酸化工程を施す(図4(a))。
この熱酸化工程を施す前に、シリコン基板1aについて洗浄する洗浄工程を施すことが好ましい。
熱酸化工程の後に、SiO2膜2について、図1の開口部12となる領域12aを、フォトリソグラフィ法と緩衝ふっ酸とを用いて選択的にエッチングするパターニング工程を施す(図4(b))。
この熱酸化工程を施す前に、シリコン基板1aについて洗浄する洗浄工程を施すことが好ましい。
熱酸化工程の後に、SiO2膜2について、図1の開口部12となる領域12aを、フォトリソグラフィ法と緩衝ふっ酸とを用いて選択的にエッチングするパターニング工程を施す(図4(b))。
次いで、KOH又はテトラメチル水酸化アンモニウムなどの水溶液を80℃に加熱し、その水溶液を用いてシリコン基板1aを侵漬エッチングするエッチング工程を施す。この侵漬エッチングは、結晶異方性エッチングとなる。これらにより、シリコン基板1aにはテーパー形状の貫通孔12bを所望数だけ精密に形成される(図4(c))。
最後に、シリコン基板1aを緩衝ふっ酸溶液に侵漬することにより、SiO2膜2を除去して、所望形状の開口部12を有するシリコン基板1からなるマスク50が完成する(図4(d))。
最後に、シリコン基板1aを緩衝ふっ酸溶液に侵漬することにより、SiO2膜2を除去して、所望形状の開口部12を有するシリコン基板1からなるマスク50が完成する(図4(d))。
これらにより、本実施形態の製造方法によれば、シリコン基板1aに対して、簡便に且つ精密に所望形状の開口部12を形成でき、精密に薄膜パターンを形成できるマスク50を製造することができる。また、本実施形態の製造方法では、面方位(100)を有するシリコン基板1aについて、結晶異方性エッチングをするので、マスク50の開口部12をより高精度に形成することができる。また、本実施形態の製造方法では、シリコン基板1aについて研磨せずにマスク50に加工するので、被成膜部材側面51の算術平均粗さ(Ra)を0.5μm以上、3μm以下にすることができる。したがって、本実施形態の製造方法は、被成膜部材54に固着して破損することを回避できるマスク50を製造することができる。
(第2実施形態のマスクの構造)
図5は本発明の第2実施形態に係るマスクを示す図であり、図5(a)は斜視図であり、図5(b)は図5(a)の部位AA’の断面図である。本実施形態のマスク100は、より大きなマスクを構成できるものであり、例えば大画面の電気光学装置の製造に用いることができる。
図5は本発明の第2実施形態に係るマスクを示す図であり、図5(a)は斜視図であり、図5(b)は図5(a)の部位AA’の断面図である。本実施形態のマスク100は、より大きなマスクを構成できるものであり、例えば大画面の電気光学装置の製造に用いることができる。
マスク100は、第1実施形態に係るマスク50を複数枚有して構成されている。すなわち、マスク100は、第1実施形態に係る複数のマスク50であるマスク50a,50b,50cと、その複数のマスク50a,50b,50cが取り付けられている支持基板10とを有している。支持基板10は、四角いリング形状をしている。また、支持基板10には、アライメントマーク14が形成されている。そして、各マスク50a,50b,50cは、アライメントマーク14を基準にアライメントされて支持基板10に接着されている。
各マスク50a,50b,50cには、図5に示すように、長孔形状の開口部12が複数もうけられている。そして、各開口部12は縦横に一定間隔で行列に配置されている。したがって、各マスク50a,50b,50cの開口部12は、図6に示す「縦ストライプ」の画素配置をなす薄膜パターンに対応する形状である。したがって、マスク100は縦ストライプの画素を形成するために用いられる。
また、各マスク50a,50b,50cは、それぞれの長手方向が平行となるように、支持基板10上に配置されている。そして、マスク50aとマスク50bとの間、およびマスク50bとマスク50cとの間には、幅d1の隙間がある。この幅d1は、各マスク50a,50b,50cの開口部12の幅d1と同一である。
これらにより、本実施形態のマスク100は、シリコン基板からなるマスク50a,50b,50c相互間の隙間を、薄膜パターンを形成するための開口部12として機能させることができる。したがって、マスク100は、簡便に大型化でき、例えば大画面の電気光学装置(例えば有機ELパネル)の画素を構成する一定間隔のストライプパターンなどを、高品位にかつ低コストで製造することができる。
支持基板10の構成材料は、マスク50a,50b,50cの構成材料の熱膨張係数と同一又は近い熱膨張係数を有するものが好ましい。マスク50a,50b,50cはシリコンであるので、シリコンの熱膨張係数と同一又は近い熱膨張係数をもつ材料で支持基板10を構成する。このようにすることにより、支持基板10とマスク50a,50b,50cとの熱膨張量の違いによる「歪み」又は「橈み」の発生を抑えることができる。例えば、シリコンの熱膨張係数(30×10E-7/℃)に対して、コーニング社製のパイレックス(登録商標)ガラスの熱膨張係数(30×10E-7/℃)はほぼ同一値である。無アルカリガラスである日本電気ガラス社製のOA−10の熱膨張係数(38×10E-7/℃)、金属材料では42アロイの熱膨張係数(50×10E-7/℃)およびインバー材の熱膨張係数(12×10E-7/℃)などもシリコンの熱膨張係数に近い。したがって、支持基板10の構成材料としては、パイレックス(登録商標)ガラス、無アルカリガラスであるOA−10および42アロイなどが適用できる。
(電気光学装置の製造方法)
図7は、本発明の実施形態に係る電気光学装置の製造方法を示す模式断面図である。本実施形態では、電気光学装置の一つとして有機EL装置を挙げて説明する。図7において上記実施形態と同一の構成要素には、同一符号を付している。したがって、図7に示す製造方法では上記実施形態のマスク100を用いている。
図7は、本発明の実施形態に係る電気光学装置の製造方法を示す模式断面図である。本実施形態では、電気光学装置の一つとして有機EL装置を挙げて説明する。図7において上記実施形態と同一の構成要素には、同一符号を付している。したがって、図7に示す製造方法では上記実施形態のマスク100を用いている。
本実施形態では、マスク100を使用して被成膜部材54に発光材料を成膜する。被成膜部材54は、複数の有機EL装置を形成するためのもので、ガラス基板等の透明基板である。被成膜部材54には、図8(A)に示すように、電極(例えばITO等からなる透明電極)56および正孔輸送層58が形成されている。なお、電子輸送層を形成してもよい。
図7及び図1に示すように、マスク100におけるシリコン基板1の被成膜部材側面51が被成膜部材54の被製膜面に密着するように、マスク100は配置される。本実施形態では、被成膜部材54の背後には磁石48が配置されている。この磁石48がマスク100に形成された磁性体膜(図示せず)を引き寄せ、マスク100と被成膜部材54とを密着させている。
図8(A)〜図8(C)は、有機EL装置の製造過程で用いられる発光材料の成膜方法を説明する模式断面図である。発光材料は、例えば有機材料であり、低分子の有機材料としてアルミキノリノール錯体(Alq3)があり、高分子の有機材料としてポリパラフェニレンビニレン(PPV)がある。発光材料の成膜は、蒸着によって行うことができる。例えば図8(A)に示すように、マスク100(マスク50)を介して赤色の発光材料をパターニングしながら成膜し、赤色の発光層60を形成する。
そして、図8(B)に示すように、マスク100をずらして、緑色の発光材料をパターニングしながら成膜し、緑色の発光層62を形成する。そして、図8(C)に示すようにマスク100を再びずらして、青色の発光材料をパターニングしながら成膜し、青色の発光層64を形成する。
本実施形態に係る電気光学装置の製造方法では、マスク100と被成膜部材54とが固着することを回避できるので、同一のマスク100を複数回の蒸着処理に繰り返し使用することができる。また、マスク100は、複数のシリコン基板からなるマスク50で構成され、簡易に大型することができる。したがって、本実施形態の製造方法によれば、大画面であって各画素の膜厚分布が非常に良く、ムラのない高品位な画像を表示できる有機EL装置を低コストで製造することができる。
図9は、上述した電気光学装置の製造方法を経て製造された有機EL装置の概略構成を示す模式断面図である。有機EL装置は、被成膜部材54、電極56、正孔輸送層58、発光層60,62,64などを有する。発光層60,62,64上には、電極66が形成されている。電極66は、例えば陰極電極である。本実施形態の有機EL装置は、表示装置(ディスプレイ)として好適であり、発光層60,62,64においてパターンずれが少なく膜厚分布が非常に均一化され、ムラの無い鮮やかな大画面の表示装置となることができる。また、本実施形態によれば、大画面で高性能の有機EL装置を低コストで提供することができる。
(電子機器)
次に上記実施形態のマスクを用いて製造された電子機器について説明する。
図10(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図10(a)において、符号600は携帯電話本体を示し、符号601は上記実施形態のマスクを用いて形成された電気光学装置からなる表示部を示している。図10(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図10(b)において、符号700は情報処理装置、符号701はキーボードなどの入力部、符号702は上記実施形態のマスクを用いて形成された電気光学装置からなる表示部、符号703は情報処理装置本体を示している。図10(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図10(c)において、符号800は時計本体を示し、符号801は上記実施形態のマスクを用いて形成された電気光学装置からなる表示部を示している。
次に上記実施形態のマスクを用いて製造された電子機器について説明する。
図10(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図10(a)において、符号600は携帯電話本体を示し、符号601は上記実施形態のマスクを用いて形成された電気光学装置からなる表示部を示している。図10(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図10(b)において、符号700は情報処理装置、符号701はキーボードなどの入力部、符号702は上記実施形態のマスクを用いて形成された電気光学装置からなる表示部、符号703は情報処理装置本体を示している。図10(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図10(c)において、符号800は時計本体を示し、符号801は上記実施形態のマスクを用いて形成された電気光学装置からなる表示部を示している。
図10に示す電子機器は、大画面で表示でき、鮮やかでムラがなく大きな画像を高品位に表示でき、さらに、低コストで製造することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、実施形態で挙げた具体的な材料や層構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。例えば、上記実施形態ではマスク50,100を蒸着マスクとして用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、スパッター法又はCVD法などにおけるマスクとしてマスク50,100を用いることができる。
1,1a…シリコン基板、2…SiO2膜、10…支持基板、12…開口部、12a…領域、12b…貫通孔、14…アライメントマーク、50,50a,50b,50c,100…マスク、51…被成膜部材側面、54…被成膜部材
Claims (14)
- シリコン基板からなるマスクであって、
前記シリコン基板は、被成膜部材に薄膜をパターニングするときの該被成膜部材側の面について、算術平均粗さを所定の範囲としたことを特徴とするマスク。 - 前記シリコン基板における前記被成膜部材側の面は、被成膜部材の平面に密着されて用いられるものであることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
- 前記算術平均粗さは、0.5μm以上であって3μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスク。
- 前記シリコン基板は、面方位(100)を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のマスク。
- 前記シリコン基板が複数取り付けられている支持基板を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のマスク。
- 前記支持基板に取り付けられていて隣り合うシリコン基板同士は、該シリコン基板に設けられている開口部の幅と同一値の隙間をもって配置されていることを特徴とする請求項5に記載のマスク。
- 前記開口部の幅は、前記被成膜部材を有してなる電気光学装置における画素を構成する薄膜パターンの幅と同一であることを特徴とする請求項6に記載のマスク。
- シリコン・インゴットについて切断することにより板形状にシリコン基板を切り出し、
切り出された前記シリコン基板について切断することにより該シリコン基板の外形を整え、
前記切断によって前記シリコン基板に生じた加工変質層をエッチングにより除去し、
前記エッチングが少なくともなされたシリコン基板がマスクの構成部材として用いられることを特徴とするマスクの製造方法。 - 前記シリコン基板における被成膜部材側の面について、算術平均粗さを0.5μm以上から3μm以下にすることを特徴とする請求項8に記載のマスクの製造方法。
- 前記シリコン・インゴットについての切断では、該シリコン・インゴットの長手方向に沿っての切断を有し、
前記長手方向に沿っての切断で形成された面のうちの1つを、前記被成膜部材側の面とすることを特徴とする請求項8又は9に記載のマスクの製造方法。 - 前記シリコン基板について熱酸化処理する熱酸化工程と、
前記熱酸化工程が施された前記シリコン基板について、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングするパターニング工程と、
前記パターニング工程が施された前記シリコン基板について、結晶異方性エッチングを施すことにより、貫通孔からなる開口部を形成するエッチング工程とを有することを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載のマスクの製造方法。 - 前記熱酸化工程を実施する前に、前記シリコン基板について洗浄する洗浄工程を施すことを特徴とする請求項11に記載のマスクの製造方法。
- 電気光学装置の構成層をなす薄膜パターンを形成するときに、請求項1から7のいずれか一項に記載のマスク、又は、請求項8から12のいずれか一項に記載のマスクの製造方法で製造されたマスク、を用いることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
- 請求項1から7のいずれか一項に記載のマスク、又は、請求項8から12のいずれか一項に記載のマスクの製造方法で製造されたマスク、を用いて製造されたことを特徴とする電子機器。
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JP2017150038A (ja) * | 2016-02-25 | 2017-08-31 | 株式会社ジャパンディスプレイ | シャドーマスク及び表示装置の製造方法 |
-
2004
- 2004-04-05 JP JP2004111084A patent/JP2005290524A/ja not_active Withdrawn
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