JP2005290201A - 作動液組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 吸湿時に使用条件下で沸騰(ベーパーロック現象)が起りにくい環境配慮型の作動液組成物を提供する。
【解決手段】 分子内に少なくとも1つのアセタール基を有する化合物であって、加水分解時に沸点が145℃以上のアルデヒド基を有する化合物またはケトン基を有する化合物と沸点が145℃以上の水酸基を有する化合物を生成する化合物を5〜99.99重量%、加水分解用酸触媒を0.005〜2重量%含有し、沸点が145℃以上の有機アミンをpH調整剤としてpHを5〜10に調整してなる作動液組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は作動液組成物に関し、詳しくは、吸湿時にベーパーロック現象を起こしにくい環境配慮型の作動液組成物に関する。
従来、ベーパーロック現象を避けるため、吸湿時に系内の水の沸騰(蒸発)が起こりにくい作動液として、ホウ酸エステルを含有する組成物が知られ、該作動液はブレーキフルードとして広く用いられている。しかしながら、近年、環境問題への配慮からホウ素を含まない吸水性作動液が切望されている。
下記特許文献1〜3のように、従来からアセタールを用いた作動液が提案されている。しかし、それらはいずれも、吸湿による水の沸騰防止の対策については十分に検討されておらず、ベーパーロック現象を生じやすい。
一般に、アセタール加水分解によってアルコールと、アルデヒド又はケトンを生成すること、また、アセタールの加水分解反応は通常酸性域で起こることが知られている。
特許文献1に記載された作動液は、合成時に用いた酸触媒を中和により結晶化させて、その結晶を濾過除去し、さらに蒸留することによって完全に除去している。したがって、作動液が使用時に吸湿した場合、酸触媒は十分に存在しないため、アセタールの加水分解反応は生じ難く、作動液中の水は消費されないため、ベーパーロック現象を起しやすい。
また、特許文献2には、作動液としてアセタールを用いることが記載されているが、作動液は水を用いた乳化物の形態であるため、使用時に加水分解が起こらないようにアルカリ性で用いている。また、実施例では合成触媒としてパラトルエンスルホン酸が用いられているものの、ナトリウムメトキシドで中和していることから、作動液中でパラトルエンスルホン酸(酸触媒)はアセタールの加水分解用触媒として有効に働かず、吸湿によって作動液中に混入した水は消費されない。したがって、ベーパーロック現象を起しやすい。
また、特許文献3に記載されたアセタールを原料とする作動液組成物(自動車用ブレーキ液)は、アセタールが加水分解によってホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等の沸点が低い化合物(ホルムアルデヒド(−19.1℃)アセトアルデヒド(20.8℃)、プロピオンアルデヒド(49℃))を生成するものであるため、作動液が吸湿してアセタールの加水分解が起こっても、生成するホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等が気化しやすいため、ベーパーロック現象を起しやすい。
特開平8−283760号公報
特開平5−156272号公報
特開昭60−179498号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、その解決しようとする課題は、吸湿時に使用条件下で沸騰(ベーパーロック現象)が起りにくい環境配慮型の作動液組成物、特に、ホウ素等の環境に悪影響を与える懸念のある元素を含まず、かつ、吸湿しても沸騰(ベーパーロック現象)が起り難い、中性から弱アルカリ性で使用できる作動液組成物を提供することである。
本発明者等は、加水分解によって比較的高い沸点のアルコールと、比較的高い沸点のアルデヒド又はケトンを生成するアセタールを用い、作動液が吸湿した際に、その吸湿した水によって該アセタールが加水分解するように作動液を調製すれば、作動液が吸湿しても、吸湿した水はアセタールの加水分解反応によって消費され、また、該加水分解反応で生成するアルコールと、アルデヒド又はケトンが比較的高い沸点を有することから、吸湿時の作動液組成物の沸点低下を抑制できるのではないかと考え、かかる着想に基づき鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)分子内に少なくとも1つのアセタール基を有する化合物であって、加水分解時に沸点が145℃以上のアルデヒド基を有する化合物またはケトン基を有する化合物と沸点が145℃以上の水酸基を有する化合物を生成する化合物を5〜99.99重量%、加水分解用酸触媒を0.005〜2重量%含有し、沸点が145℃以上の有機アミンをpH調整剤としてpHを5〜10に調整してなる作動液組成物、
(2)加水分解用酸触媒が、ルイス酸、無機酸、または有機酸から選ばれる上記(1)記載の作動液組成物、
(3)加水分解用酸触媒が、リン酸、リン酸エステル、硫酸、またはパラトルエンスルホン酸である上記(1)記載の作動液組成物、
(4)有機アミンの有機基が水酸基で置換されていてもよいアルキル基またはフェニル基である上記(1)記載の作動液組成物、
(5)有機アミンが、ジシクロヘキシルアミン、ジブチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、N,N−ビス(ヒドロキシポリ(1〜30)オキシエチレン)ステアリルアミン、およびジフェニルアミンのいずれか1種である上記(1)記載の作動液組成物、
(6)下記一般式(I)〜(III)で表されるアセタール基を有する化合物の少なくとも1種を5〜99.99重量%、
一般式(I)
(1)分子内に少なくとも1つのアセタール基を有する化合物であって、加水分解時に沸点が145℃以上のアルデヒド基を有する化合物またはケトン基を有する化合物と沸点が145℃以上の水酸基を有する化合物を生成する化合物を5〜99.99重量%、加水分解用酸触媒を0.005〜2重量%含有し、沸点が145℃以上の有機アミンをpH調整剤としてpHを5〜10に調整してなる作動液組成物、
(2)加水分解用酸触媒が、ルイス酸、無機酸、または有機酸から選ばれる上記(1)記載の作動液組成物、
(3)加水分解用酸触媒が、リン酸、リン酸エステル、硫酸、またはパラトルエンスルホン酸である上記(1)記載の作動液組成物、
(4)有機アミンの有機基が水酸基で置換されていてもよいアルキル基またはフェニル基である上記(1)記載の作動液組成物、
(5)有機アミンが、ジシクロヘキシルアミン、ジブチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、N,N−ビス(ヒドロキシポリ(1〜30)オキシエチレン)ステアリルアミン、およびジフェニルアミンのいずれか1種である上記(1)記載の作動液組成物、
(6)下記一般式(I)〜(III)で表されるアセタール基を有する化合物の少なくとも1種を5〜99.99重量%、
一般式(I)
[式中、R1およびR2は同一又は異なり水素原子または炭素数1〜30の有機基を示し、R1およびR2の炭素数の和は6以上であり、R3およびR4は同一又は異なり炭素数2〜4の単一種類または異なる複数種類のアルキレン基を示し、R5およびR6は水素原子または炭素数1〜30の有機基を示し、kおよびlは2〜25を示す。]、
一般式(II)
一般式(II)
[式中、R7およびR8は同一又は異なり水素原子または炭素数1〜30の有機基を示し、R7およびR8の炭素数の和は6以上であり、R9は炭素数2〜4の単一種類または異なる複数種類のアルキレン基を示し、R10は水素原子または炭素数1〜30の有機基を示し、mは0〜25を示す。]
一般式(III)
一般式(III)
[式中、R11およびR12は同一又は異なり水素原子または炭素数1〜30の有機基を示し、R11およびR12の炭素数の和は6以上であり、R13は炭素数2〜4の単一種類または異なる複数種類のアルキレン基を示し、R14は水素原子または炭素数1〜30の有機基を示し、nは0〜25を示す。]、および
加水分解用酸触媒を0.005〜2重量%含有し、有機アミンをpH調整剤としてpHを5〜10に調整してなる作動液組成物、
(7)加水分解用酸触媒が、ルイス酸、無機酸、または有機酸から選ばれる上記(6)記載の作動液組成物、
(8)加水分解用酸触媒が、リン酸、リン酸エステル、硫酸、またはパラトルエンスルホン酸である上記(6)記載の作動液組成物、
(9)有機アミンの有機基が水酸基で置換されていてもよいアルキル基またはフェニル基である上記(6)記載の作動液組成物、及び
(10)有機アミンが、ジシクロヘキシルアミン、ジブチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、N,N−ビス(ヒドロキシポリ(1〜30)オキシエチレン)ステアリルアミン、およびジフェニルアミンのいずれか1種である上記(6)記載の作動液組成物、に関する。
加水分解用酸触媒を0.005〜2重量%含有し、有機アミンをpH調整剤としてpHを5〜10に調整してなる作動液組成物、
(7)加水分解用酸触媒が、ルイス酸、無機酸、または有機酸から選ばれる上記(6)記載の作動液組成物、
(8)加水分解用酸触媒が、リン酸、リン酸エステル、硫酸、またはパラトルエンスルホン酸である上記(6)記載の作動液組成物、
(9)有機アミンの有機基が水酸基で置換されていてもよいアルキル基またはフェニル基である上記(6)記載の作動液組成物、及び
(10)有機アミンが、ジシクロヘキシルアミン、ジブチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、N,N−ビス(ヒドロキシポリ(1〜30)オキシエチレン)ステアリルアミン、およびジフェニルアミンのいずれか1種である上記(6)記載の作動液組成物、に関する。
本発明の作動液組成物によれば、組成物中にアセタール基を有する化合物の加水分解用酸触媒を配合しているため、作動液(組成物)が吸湿すると、該吸湿によって組成物中に混入した水によってアセタール基を有する化合物が加水分解することから、混入した水は消費される(系内から実質的に除去される)一方、アセタール基を有する化合物が加水分解して生成するアルデヒド基を有する化合物又はケトン基を有する化合物と水酸基を有する化合物は沸点が145℃以上で、気化(蒸発)しにくいため、吸湿した際の作動液の沸点低下を抑制でき、ベーパーロック現象の発生を抑制することができる。また、加水分解用酸触媒とともに沸点が145℃以上の有機アミン(pH調整剤)を配合して作動液(組成物)のpHを5〜10にしていることから、加水分解用酸触媒の配合によって作動液が酸性になることによる、作動液が使用される機器類の劣化(例えば、作動液をブレーキフルードに使用したときにブレーキ液のパイプの劣化等)をも防止でき、さらにホウ素等の環境への悪影響の懸念がある元素まないため、環境への悪影響のない作動液が得られる。
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明の作動液組成物は、分子内に少なくとも1つのアセタール基を有する化合物であって、加水分解時に沸点が145℃以上のアルデヒド基を有する化合物またはケトン基を有する化合物と沸点が145℃以上の水酸基を有する化合物を生成する化合物を含む。
本発明の作動液組成物は、分子内に少なくとも1つのアセタール基を有する化合物であって、加水分解時に沸点が145℃以上のアルデヒド基を有する化合物またはケトン基を有する化合物と沸点が145℃以上の水酸基を有する化合物を生成する化合物を含む。
本発明の作動液組成物は、分子内に少なくとも1つのアセタール基を有する化合物を含有し、作動液組成物が吸湿して、当該化学物質が加水分解すると、主たる分解生成物として、アルデヒド基を有する化合物またはケトン基を有する化合物、および水酸基を有する化合物が生成する。
当該アルデヒド基を有する化合物またはケトン基を有する化合物、および水酸基を有する化合物の少なくとも一つの沸点が145℃未満の化合物である場合、作動液組成物が吸湿して、加水分解すると、主たる分解生成物として、145℃未満の化合物を生成するため、例えば、作動液組成物を自動車のブレーキフルードに使用した場合に、ブレーキパッドの周辺などの加熱箇所で作動液組成物が沸騰し、ベーパーロック現象が起こりやすくなる。
従って、ベーパーロック現象の発生をより確実に抑制する観点からは、分子内に少なくとも1つのアセタール基を有する化合物が加水分解した時に生成する主たる分解生成物の沸点は145℃以上であるのが好ましく、沸点が150℃以上であるのが更に好ましい。
なお、分子内に少なくとも1つのアセタール基を有する化合物が加水分解した時に生成する主たる分解生成物の少なくとも一方の沸点が350℃を越える場合、低温粘度が高くなるとともに、作動液の一定重量当たりの水処理能力が減少してしまうため、好ましくなく、当該沸点が320℃以下であるのがより好ましい。
当該アルデヒド基を有する化合物またはケトン基を有する化合物、および水酸基を有する化合物の少なくとも一つの沸点が145℃未満の化合物である場合、作動液組成物が吸湿して、加水分解すると、主たる分解生成物として、145℃未満の化合物を生成するため、例えば、作動液組成物を自動車のブレーキフルードに使用した場合に、ブレーキパッドの周辺などの加熱箇所で作動液組成物が沸騰し、ベーパーロック現象が起こりやすくなる。
従って、ベーパーロック現象の発生をより確実に抑制する観点からは、分子内に少なくとも1つのアセタール基を有する化合物が加水分解した時に生成する主たる分解生成物の沸点は145℃以上であるのが好ましく、沸点が150℃以上であるのが更に好ましい。
なお、分子内に少なくとも1つのアセタール基を有する化合物が加水分解した時に生成する主たる分解生成物の少なくとも一方の沸点が350℃を越える場合、低温粘度が高くなるとともに、作動液の一定重量当たりの水処理能力が減少してしまうため、好ましくなく、当該沸点が320℃以下であるのがより好ましい。
本発明で使用する、分子内に少なくとも1つのアセタール基を有する化合物の好適な具体例としては、前記の一般式(I)〜(III)で表されるアセタール基を有する化合物が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記一般式(I)で表されるアセタール基を有する化合物において、式中、R1及びR2は同一又は異なり、水素原子又は炭素数1〜30の有機基を示し、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基、フェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、ニトロフェニル基、3−ヒドロキシプロピル基、ビス(メトキシ)メチル基等が挙げられる。好ましくは、R1及びR2のいずれか一方が水素原子またはメチル基で、いずれか他方がフェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、又はニトロフェニル基である。
式中のR1及びR2の少なくとも一方が炭素数31以上の有機基である場合、そのような化合物は、作動用液体としての実績が乏しいばかりでなく、分子量が大きくなるために、一定重量当たりの水処理能力が低くなり、また、低温での粘度が高くなるために低温で流動性が減少して、作動液としての機能が低下してしまう。また、原料入手の困難性もあり、好ましくない。
また、式中、R1及びR2の炭素数の和は6以上であり、5以下である場合、そのような化合物は、その加水分解時に生成するアルデヒド基を有する化合物またはケトン基を有する化合物の沸点が145℃未満になるおそれがあり、ベーパーロック現象が起き易く危険となるため、好ましくない。ただし、R1及びR2の少なくとも一つが分岐アルキル基を有する有機基である場合、R1及びR2の炭素数の和は7以上であるのが好ましい。R1及びR2の炭素数の和は7以上が好ましい。なお、R1及びR2の炭素数の和の上限は30以下が好ましく、18以下がより好ましい。
また、式中、R3及びR4は同一又は異なり、炭素数2〜4の単一種類又は異なる複数種類のアルキレン基を示す。具体的には、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等を挙げることができ、好ましくはエチル基、イソプロピル基である。R3及びR4の少なくとも一方が炭素数が4を超えるアルキレン基である場合、そのような化合物は原料入手の点で問題があり、好ましくない。
また、式中、R5及びR6は水素原子又は炭素数1〜30の有機基を示し、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基等を挙げることができ、好ましくは水素原子又はメチル基である。R5及びR6の少なくとも一方が炭素数31以上の有機基である場合、そのような化合物は作動用液体としての実績が乏しいばかりでなく、低温粘度が上昇し、また、原料入手性の問題もあり、好ましくない。
また、式中、k及びlは2〜25を示し、k及びlが25を越えると、そのような化合物は、分子量が大きくなるために、一定重量当たりの水処理能力が減少し、また、低温での粘度が高くなるために低温で流動性が減少し、好ましくない。また、k及びlが1以下になると、そのような化合物は、加水分解時に生成し得る水酸基を有する化合物の沸点が145℃未満になるおそれがあり、ベーパーロック現象が起き易く、危険となるため、好ましくない。
前記一般式(II)で表されるアセタール基を有する化合物において、R7及びR8は同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜30の有機基を示し、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基、フェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、ニトロフェニル基、3−ヒドロキシプロピル基、ビス(メトキシ)メチル基等を挙げることができる。好ましくは、R7及びR8のいずれか一方が水素原子またはメチル基で、いずれか他方がフェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、又はニトロフェニル基である。
R7及びR8の少なくとも一方が炭素数31以上の有機基である場合、そのような化合物は作動用液体としての実績が乏しいばかりでなく、分子量が大きくなるために一定重量当たりの水処理能力が減少し、また、低温での粘度が高くなるために低温での流動性が減少し、さらにまた、原料入手性の問題もあり、好ましくない。
R7及びR8の炭素原子の和は6以上であり、5以下であると、その加水分解時に生成するアルデヒド基を有する化合物またはケトン基を有する化合物の沸点が145℃未満になるおそれがあり、ベーパーロック現象が起き易く危険であり、好ましくない。ただし、R7及びR8の少なくとも一つが分岐アルキル基を有する有機基である場合、R7及びR8の炭素数の和は7以上であるのが好ましい。R7及びR8の炭素数の和は7以上が好ましい。なお、R7及びR8の炭素数の和の上限は、30以下が好ましく、18以下がより好ましい。
また、式中、R9は炭素数2〜4の単一種類又は異なる複数種類のアルキル基を示し、具体的には、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等を挙げることができ、好ましくはエチル基、イソプロピル基である。R9が炭素数が5以上のアルキル基であると、そのような化合物は原料入手の問題があり、好ましくない。
また、式中、R10は水素原子又は炭素数1〜30の有機基を示し、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基等を挙げることができ、好ましくは水素原子又はメチル基である。R10が炭素数31以上の有機基である場合、そのような化合物は作動用液体としての実績が乏しいばかりでなく、分子量が大きくなるために、一定重量当たりの水処理能力が減少し、また原料入手性の問題もあり好ましくない。
また、式中、mは0〜25を示し、mが25を越えると、そのような化合物は、分子量が大きくなるために、一定重量当たりの水処理能力が減少し、また、低温での粘度が高くなるために低温での流動性が減少し、また、原料入手の問題もあり、好ましくない。
前記一般式(III)で表されるアセタール基を有する化合物において、式中、R11及びR12は水素原子又は炭素数1〜30の有機基を示し、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基、フェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、ニトロフェニル基、3−ヒドロキシプロピル基、ビス(メトキシ)メチル基等が挙げられる。好ましくは、R11及びR12のいずれか一方が水素原子またはメチル基で、いずれか他方がフェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、又はニトロフェニル基である。
R11及びR12の少なくとも一方が炭素数31以上の有機基である場合、そのような化合物は、作動用液体としての実績が乏しいばかりでなく、分子量が大きくなるために、一定重量当たりの水処理能力が減少し、また、低温での粘度が高くなるために低温での流動性が減少し、また、原料入手性の問題もあり、好ましくない。
R11及びR12の炭素原子の和は6以上であり、5以下である場合、そのような化合物は、その加水分解時に生成するアルデヒド基又はケトン基を有する化合物の沸点が145℃未満になるおそれがあり、ベーパーロック現象が起き易く危険となるため、好ましくない。ただし、R11及びR12の少なくとも一つが分岐アルキル基を有する有機基である場合、R11及びR12の炭素数の和は7以上であるのが好ましい。R11及びR12の炭素数の和は7以上が好ましい。なお、R11及びR12の炭素数の和の上限は、30以下が好ましく、18以下がより好ましい。
また、式中、R13は炭素数2〜4の単一種類又は異なる複数種類のアルキル基を示し、具体的には、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等を挙げることができ、好ましくはエチル基、イソプロピル基である。R13が炭素数が5以上のアルキル基であると、原料入手性の問題があり、好ましくない。
また、式中、R14は水素原子又は炭素数1〜30の有機基を示し、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基等を挙げることができ、好ましくは水素原子又はメチル基である。R14が炭素数31以上の有機基である場合、そのような化合物は作動用液体としての実績が乏しいばかりでなく、分子量が大きくなるために、一定重量当たりの水処理能力が減少し、また、原料入手性の問題もあり、好ましくない。
また、式中、nは0〜25を示し、nが25を越えると、そのような化合物は、分子量が大きくなるために、一重量当たりの水処理能力が減少し、また、低温での粘度が高くなるために低温で流動性が減少し、好ましくない。
なお、前記の「低温での粘度」及び「低温での流動性」における「低温」とは、0℃以下、さらに具体的には0〜−40℃のことである。
前記一般式(I)〜(III)で表されるアセタール基を有する化合物は、公知のアセタールの合成方法を用いて合成することができる。一例を挙げると、ベンズアルデヒドジメチルアセタールに2倍モルのα−アルキル−ω−ヒドロキシポリオキシアルキレンを加え、パラトルエンスルホン酸等の触媒を少量加え、室温〜150℃で、20分〜10時間減圧にすることで、目的物を得ることができる。また、アセトフェノンに当モルのグリセリンを加え、パラトルエンスルホン酸等の触媒を少量加え、0〜500重量%のトルエンなどの溶媒を加えて脱水し、必要に応じて常温〜120℃で減圧にして溶媒を除去することで、目的物を得ることができる。また、こうして得た目的物は、公知の方法で、さらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等を付加させることで、別の目的物とすることができ、また、さらに末端にある遊離の水酸基を反応させることで(例えば、アルキルエーテルにすることで)、別の目的物にすることもできる。なお、塩化スズなどの触媒存在下、ベンズアルデヒドに直接アルキレンオキサイドを反応させ、目的物を得ることもできる。
本発明において、分子内に少なくとも1つのアセタール基を有する化合物は、組成物(作動液)全体当たり5.00〜99.99重量%の範囲で用いることができ、好ましくは6〜80重量%、より好ましくは7〜60重量%の範囲で用いるのが好ましい。5.00重量%以下では吸水時の水処理能力が低いために好ましくなく、99.99重量%を超える場合は、酸触媒や中和剤等の他の必須成分の濃度が低くなるために好ましくない。
本発明の作動液組成物において、分子内に少なくとも1つのアセタール基を有する化合物に配合される加水分解用酸触媒は、アセタール基を有する化合物を加水分解させる能力が有れば特に制限されないが、具体的には、例えば、BF3、AlCl3、SnCl4、ZnCl2、TiCl4、2-エチルヘキサン酸スズ等のルイス酸、塩酸、HBr、硫酸、リン酸、ホスフィン酸、クロム酸等の無機酸、炭酸、コハク酸、アジピン酸、オクタン酸、アルキルリン酸エステル、アルキルチオリン酸エステル、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸を挙げることができる。これらの中でも、リン酸、リン酸エステル、硫酸、またはパラトルエンスルホン酸が好ましい。かかる加水分解用酸触媒は組成物(作動液)全体当たり0.005〜2重量%の範囲で用いることができ、0.007〜1.8重量%の範囲で用いるのが好ましく、0.01〜1.7重量%の範囲で用いるのがより好ましい。加水分解用酸触媒が組成物(作動液)全体当たり0.005重量%未満であると十分な加水分解速度が得られないために好ましくなく、2重量%より多いと、中和塩が析出しやすくなり、好ましくない。
また、本発明の作動液組成物において、pH調整剤として使用される有機アミンは、沸点が145℃以上の化合物であれば特に制限なく使用できる。沸点が145℃未満の有機アミンを使用した場合、当該有機アミンの気化(沸騰)によって、作動液がベーパーロック現象を起こし易くなるので、好ましくない。該有機アミンは沸点が150℃以上のものが好ましい。また、使用時に析出しないことが重要である。当該有機アミンは、その有機基が水酸基で置換されていてもよいアルキル基またはフェニル基からなる有機アミンが好ましく、特に好ましくは、ジシクロヘキシルアミン、ジブチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、N,N−ビス(ヒドロキシポリ(1〜30)オキシエチレン)ステアリルアミン、ジフェニルアミン等が挙げられる。当該有機アミンは一種の化合物を使用しても、2種以上の化合物を併用してもよい。
本発明の作動液組成物は、上記の沸点が145℃以上の有機アミンをpH調整剤に用いてpHが5〜10に調整されることが好ましく、pHが6.5〜9に調製されることがより好ましい。組成物のpHが5未満の場合、酸性度が強過ぎるため、例えば、ブレーキフルード用に使用した場合に配管腐食を起こす等の不具合が生じやすくなるため、好ましくなく、pHが10を超える場合、漏洩時の毒性が問題となり、好ましくない。
また、本発明の作動液組成物には、吸湿時における該組成物の沸点が実用上問題のない範囲内であれば他の材料を更に配合してもよい。例えば、粘度や潤滑性向上等の点から、公知のポリオキシアルキレン系化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリ−α−オレフィンやエチレン−α−オレフィンオリゴマー等の合成炭化水素油類;パラフィン系やナフテン系の鉱油類又はそれらを精製した精製鉱油類;ジオクチルアジペート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)、ジオクチルアゼレート(DOZ)、ジブチルセバケート(DBS)、ジオクチルセバケート(DOS)、メチル・アセチルリシノレート(MAR−N)等のジエステル油;炭素数が4〜18のアルキル鎖が誘導されたペンタエリスリトールエステル油、ジペンタエリスリトールエステル油、トリペンタエリスリトールエステル油、ネオペンチル型ジオールエステル油、トリメチロールプロパンエステル油、コンプレックスエステル油等のポリオールエステル油;トリオクチルトリメリテート(TOTM)、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル油、ジフェニル、トリフェニル、テトラフェニルに、炭素数が12〜14の(ジ)アルキル鎖が導入されたフェニルエーテル油等の油状材料を配合することができ、これらは、組成物全体に対して0〜95重量%の範囲で用いるのが好ましく、より好ましくは0〜20重量%の範囲で用いるのがよい。
また、低温粘度改善、水混和性改善の点から、α−メチル−ω−ヒドロキシトリオキシエチレン、α−メチル−ω−ヒドロキシジオキシエチレン、α−メチル−ω−ヒドロキシテトラオキシエチレン、α−メチル−ω−ヒドロキシトリオキシエチレンオキシプロピレン等の沸点が145℃以上のオキシエチレン化合物を配合することができ、これは、組成物全体に対して0〜90重量%の範囲で用いるのが好ましく、より好ましくは0〜80重量%の範囲で用いるのがよい。
また、本発明の作動液組成物には、必要に応じて、この種の組成物において従来から使用されている抗酸化剤、極圧剤、腐食防止剤、耐候剤及び耐摩耗剤等の添加剤をさらに加えることができ、その場合、組成物全体に対して0〜5重量%の範囲で用いるのが好ましい。
合成例1
ベンズアルデヒドジメチルアセタール116重量部にα−メチル−ω−ヒドロキシトリオキシエチレン249重量部を加え、パラトルエンスルホン酸0.007重量部を溶解し、常圧、70℃で2時間窒素をバブリングした後、140℃で15mmHgの条件で1時間減圧にすることで室温液状の生成物を得た。
得られた生成物を1H−NMRにて同定したところ、(CDCl3)δ:3.37(s; CH3),3.52-3.68(t; CH2),5.66(s, CH),7.28-7.38(complexed, phenyl),7.47(t; phenyl).Intensity ratio: 6:24:1:3:2であり、ベンズアルデヒドビス(ω−メチルトリオキシエチレン)アセタールであることが確認された。
ベンズアルデヒドジメチルアセタール116重量部にα−メチル−ω−ヒドロキシトリオキシエチレン249重量部を加え、パラトルエンスルホン酸0.007重量部を溶解し、常圧、70℃で2時間窒素をバブリングした後、140℃で15mmHgの条件で1時間減圧にすることで室温液状の生成物を得た。
得られた生成物を1H−NMRにて同定したところ、(CDCl3)δ:3.37(s; CH3),3.52-3.68(t; CH2),5.66(s, CH),7.28-7.38(complexed, phenyl),7.47(t; phenyl).Intensity ratio: 6:24:1:3:2であり、ベンズアルデヒドビス(ω−メチルトリオキシエチレン)アセタールであることが確認された。
合成例2
アセトフェノン8.41重量部に、グリセリン7.09重量部、α−メチル−ω−ヒドロキシトリオキシエチレン15.51重量部、パラトルエンスルホン酸0.0066重量部、トルエン28重量部を加え、126℃で18時間環流し、油水分離管を用いて脱水した。次に20重量%の水酸化ナトリウム水溶液4.5重量部で2回洗浄後、20重量%の食塩水10重量部で3回、10重量%の食塩水10重量部で3回洗浄した。次に、126℃でトルエンを取り除き、粗生成物を得た。この粗生成物を104℃、1.5mmHgの条件で蒸留し、精製物を得た。
得られた生成物の沸点は278.5℃であり、1H−NMRにて同定したところ、(Acetonitrile-d6)δ:異性体A:1.59(s; CH3), 2.92(t; OH), 3.56(multiple, OH-CH 2 -), 3.70(dd; OH-CH2-CH(O-)-CH 2-), 3.78(dd; OH-CH2-CH(O-)-CH 2-), 3.96(qd; OH-CH2-CH(O-)-CH2-), 7.27-7.52(complexed; phenyl).Intensity ratio: 3:1:2:1:1:1:5、異性体B:1.57(s; CH3), 2.80(t; OH), 3.40(multiple; OH-CH 2 -), 3.51(dd; OH-CH2-CH(O-)-CH 2-), 4.14(dd; OH-CH2-CH(O-)-CH 2-), 4.27(quint; OH-CH2-CH(O-)-CH2-), 7.27-7.52(complexed; phenyl).Intensity ratio: 3:1:2:1:1:1:5、異性体比率A:B=69:31であり、4−ヒドロキシメチル−2−メチル−2−フェニル−1,3−ジオキソランであることが確認された。
アセトフェノン8.41重量部に、グリセリン7.09重量部、α−メチル−ω−ヒドロキシトリオキシエチレン15.51重量部、パラトルエンスルホン酸0.0066重量部、トルエン28重量部を加え、126℃で18時間環流し、油水分離管を用いて脱水した。次に20重量%の水酸化ナトリウム水溶液4.5重量部で2回洗浄後、20重量%の食塩水10重量部で3回、10重量%の食塩水10重量部で3回洗浄した。次に、126℃でトルエンを取り除き、粗生成物を得た。この粗生成物を104℃、1.5mmHgの条件で蒸留し、精製物を得た。
得られた生成物の沸点は278.5℃であり、1H−NMRにて同定したところ、(Acetonitrile-d6)δ:異性体A:1.59(s; CH3), 2.92(t; OH), 3.56(multiple, OH-CH 2 -), 3.70(dd; OH-CH2-CH(O-)-CH 2-), 3.78(dd; OH-CH2-CH(O-)-CH 2-), 3.96(qd; OH-CH2-CH(O-)-CH2-), 7.27-7.52(complexed; phenyl).Intensity ratio: 3:1:2:1:1:1:5、異性体B:1.57(s; CH3), 2.80(t; OH), 3.40(multiple; OH-CH 2 -), 3.51(dd; OH-CH2-CH(O-)-CH 2-), 4.14(dd; OH-CH2-CH(O-)-CH 2-), 4.27(quint; OH-CH2-CH(O-)-CH2-), 7.27-7.52(complexed; phenyl).Intensity ratio: 3:1:2:1:1:1:5、異性体比率A:B=69:31であり、4−ヒドロキシメチル−2−メチル−2−フェニル−1,3−ジオキソランであることが確認された。
合成例3
合成例2にて得られた化合物194重量部に、水酸化カリウム0.23重量部を加え、120℃、0.5MPaでエチレンオキサイド139重量部を反応した。次にキョーワード700を3.3重量部加え、110℃、30mmHgにて1時間処理後、濾過する事で、精製物を得た。
得られた精製物を1H−NMRにて同定したところ、(DMSO-d6)δ:異性体A:1.59(s; CH 3 ), 2.68-2.90(complexed; OH), 3.28-3.63(complexed; -(O-CH 2 CH 2 )2.5-, -O-CH2-CH(O-)-CH 2 -), 3.74(d; -O-CH 2 -CH(O-)-CH2-), 4.06(quint; -O-CH2-CH(O-)-CH2-), 7.27-7.52(complexed; phenyl).Intensity ratio: 3:1:12:2:1:5、異性体B:1.57(s; CH 3 ), 2.68-2.90(complexed; OH), 3.28-3.63(complexed; -(O-CH 2 CH 2 )2.5-, -O-CH 2 -CH(O-)-CH2-, -O-CH2-CH(O-)-CH 2-), 4.16(dd; OH-CH2-CH(O-)-CH 2-), 4.36(quint; OH-CH2-CH(O-)-CH2-), 7.27-7.52(complexed; phenyl).Intensity ratio: 3:1:13:1:1:5、異性体比率A:B=69:31であり、4−(ポリオキシエチレンオキシメチル)−2−メチル−2−フェニル−1,3−ジオキソランであることが確認された。
合成例2にて得られた化合物194重量部に、水酸化カリウム0.23重量部を加え、120℃、0.5MPaでエチレンオキサイド139重量部を反応した。次にキョーワード700を3.3重量部加え、110℃、30mmHgにて1時間処理後、濾過する事で、精製物を得た。
得られた精製物を1H−NMRにて同定したところ、(DMSO-d6)δ:異性体A:1.59(s; CH 3 ), 2.68-2.90(complexed; OH), 3.28-3.63(complexed; -(O-CH 2 CH 2 )2.5-, -O-CH2-CH(O-)-CH 2 -), 3.74(d; -O-CH 2 -CH(O-)-CH2-), 4.06(quint; -O-CH2-CH(O-)-CH2-), 7.27-7.52(complexed; phenyl).Intensity ratio: 3:1:12:2:1:5、異性体B:1.57(s; CH 3 ), 2.68-2.90(complexed; OH), 3.28-3.63(complexed; -(O-CH 2 CH 2 )2.5-, -O-CH 2 -CH(O-)-CH2-, -O-CH2-CH(O-)-CH 2-), 4.16(dd; OH-CH2-CH(O-)-CH 2-), 4.36(quint; OH-CH2-CH(O-)-CH2-), 7.27-7.52(complexed; phenyl).Intensity ratio: 3:1:13:1:1:5、異性体比率A:B=69:31であり、4−(ポリオキシエチレンオキシメチル)−2−メチル−2−フェニル−1,3−ジオキソランであることが確認された。
実施例1〜14、比較例1〜5
下記表1、2に示す、アセタール基を有する化合物に、加水分解用触媒及びその他の配合成分を加えた後、pH調整剤を加えて、表中に示す組成比率,pH値を有する作動液組成物を作製した。
下記表1、2に示す、アセタール基を有する化合物に、加水分解用触媒及びその他の配合成分を加えた後、pH調整剤を加えて、表中に示す組成比率,pH値を有する作動液組成物を作製した。
なお、表1、2中の略号の意味は以下の通りである。
MIX:4−ヒドロキシメチル−2−メチル−2−フェニル−1,3−ジオキソランが94重量%で、5−ヒドロキシ−2−メチル−2−フェニル−1,3−ジオキサンが6重量%の混合物
HMNDO:4−ヒドロキシメチル−2,2−ジイソブチル−1,3−ジオキソラン
HMDDO:4−ヒドロキシメチル−2−デシル−1,3−ジオキソラン
HMBDO:4−ヒドロキシメチル−2−(4’−ヒドロキシ−3’−メトキシフェニル)−1,3−ジオキソラン
HMHDO:2−ヒドロキシメチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン
PTS:パラトルエンスルホン酸1水和物
MOP:モノオクチルリン酸エステル
MDTP:モノテトラコサリン酸エステルとジテトラコサリン酸エステルの混合物
MDOP:モノオクチルリン酸エステルとジオクチルリン酸エステルの混合物
DPA:N,N−ジフェニルアミン
DCHA:N,N−ジシクロヘキシルアミン
POESA:N,N−ビス(ペンタオキシエチレン)ステアリルアミン
TEA:トリエタノ−ルアミン
DBA:N,N−ジブチルアミノエタノ−ル
ME3:α−メチル−ω−ヒドロキシトリオキシエチレン
ME3P1:α−メチル−ω−ヒドロキシトリオキシエチレンオキシプロピレン
MIX:4−ヒドロキシメチル−2−メチル−2−フェニル−1,3−ジオキソランが94重量%で、5−ヒドロキシ−2−メチル−2−フェニル−1,3−ジオキサンが6重量%の混合物
HMNDO:4−ヒドロキシメチル−2,2−ジイソブチル−1,3−ジオキソラン
HMDDO:4−ヒドロキシメチル−2−デシル−1,3−ジオキソラン
HMBDO:4−ヒドロキシメチル−2−(4’−ヒドロキシ−3’−メトキシフェニル)−1,3−ジオキソラン
HMHDO:2−ヒドロキシメチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン
PTS:パラトルエンスルホン酸1水和物
MOP:モノオクチルリン酸エステル
MDTP:モノテトラコサリン酸エステルとジテトラコサリン酸エステルの混合物
MDOP:モノオクチルリン酸エステルとジオクチルリン酸エステルの混合物
DPA:N,N−ジフェニルアミン
DCHA:N,N−ジシクロヘキシルアミン
POESA:N,N−ビス(ペンタオキシエチレン)ステアリルアミン
TEA:トリエタノ−ルアミン
DBA:N,N−ジブチルアミノエタノ−ル
ME3:α−メチル−ω−ヒドロキシトリオキシエチレン
ME3P1:α−メチル−ω−ヒドロキシトリオキシエチレンオキシプロピレン
評価試験1
実施例1〜14、比較例1〜5の各組成物について、JIS K 2233の7.1の平衡環流沸点測定法に準じて沸点を測定した。すなわち、直径60mmの枝付きフラスコに温度計及び冷却管を取り付け、実施例1〜実施例14及び比較例1〜5の組成物を60mL投入し、沸騰石を入れ、熱源をフラスコ下部に設置した。この熱源を調節して昇温し、毎秒1,2滴の平衡環流速度を保持できるように調節し、このときの温度を測定した。その結果を表3、4(乾燥沸点)に示す。
実施例1〜14、比較例1〜5の各組成物について、JIS K 2233の7.1の平衡環流沸点測定法に準じて沸点を測定した。すなわち、直径60mmの枝付きフラスコに温度計及び冷却管を取り付け、実施例1〜実施例14及び比較例1〜5の組成物を60mL投入し、沸騰石を入れ、熱源をフラスコ下部に設置した。この熱源を調節して昇温し、毎秒1,2滴の平衡環流速度を保持できるように調節し、このときの温度を測定した。その結果を表3、4(乾燥沸点)に示す。
評価試験2
実施例1〜実施例14及び比較例1〜比較例5の組成物に3.5重量%の水を加え、前記のJIS K 2233の7.1の平衡環流沸点測定法に準じて沸点を測定した。その結果を表3、4(加水時沸点)に示す。
実施例1〜実施例14及び比較例1〜比較例5の組成物に3.5重量%の水を加え、前記のJIS K 2233の7.1の平衡環流沸点測定法に準じて沸点を測定した。その結果を表3、4(加水時沸点)に示す。
また、表3、4に、アセタール基を有する化合物の加水分解物であるアルデヒド基を有する化合物又はケトン基を有する化合物と水酸基を有する化合物、及びそれらの沸点を示す。なお、該沸点は下記の文献1〜3より引用した文献値である。
1.化学大辞典、共立出版株式会社、2001年発行
2.THE MERCK INDEX TWELFTH EDITION, Published by Merck Research
Laboratories Division of Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, NJ(1996)
3.有機化合物辞典、有機合成化学協会編、講談社 1985年発行
1.化学大辞典、共立出版株式会社、2001年発行
2.THE MERCK INDEX TWELFTH EDITION, Published by Merck Research
Laboratories Division of Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, NJ(1996)
3.有機化合物辞典、有機合成化学協会編、講談社 1985年発行
表3、4中の略号の意味は以下の通りである。
BA:ベンズアルデヒド
AP:アセトフェノン
GL:グリセリン
PEGGL:1−(ω−ヒドロキシポリオキシエチレン)グリセリルエーテル
DIBK:ジイソブチルケトン
DA:デシルアルデヒド
BAN:バニリン
CHN:シクロヘキサノン
BA:ベンズアルデヒド
AP:アセトフェノン
GL:グリセリン
PEGGL:1−(ω−ヒドロキシポリオキシエチレン)グリセリルエーテル
DIBK:ジイソブチルケトン
DA:デシルアルデヒド
BAN:バニリン
CHN:シクロヘキサノン
表1〜4より、分子内に少なくとも1つのアセタール基を有する化合物に、当該化合物の加水分解用の酸触媒を配合した作動液組成物(実施例1〜14)は、加水分解用の酸触媒を配合していない作動液組成物(比較例1、2)に比べて、加水した組成物の沸点が著しく上昇することが確認された。また、無機の塩基性化合物によってpHを中性から弱アルカリ性にした作動液組成物(比較例4、5)では、加水分解用の酸触媒の効果が実質的に消失したのに対し、有機アミンを加えてpHを中性から弱アルカリ性に調整した作動液組成物(実施例1〜14)は、組成物が中性から弱アルカリ性になっても、加水分解用の酸触媒の効果が保たれることが確認され、本発明の作動液組成物の有用性が示された。
Claims (10)
- 分子内に少なくとも1つのアセタール基を有する化合物であって、加水分解時に沸点が145℃以上のアルデヒド基を有する化合物またはケトン基を有する化合物と沸点が145℃以上の水酸基を有する化合物を生成する化合物を5〜99.99重量%、加水分解用酸触媒を0.005〜2重量%含有し、沸点が145℃以上の有機アミンをpH調整剤としてpHを5〜10に調整してなる作動液組成物。
- 加水分解用酸触媒が、ルイス酸、無機酸、または有機酸から選ばれる請求項1記載の作動液組成物。
- 加水分解用酸触媒が、リン酸、リン酸エステル、硫酸、またはパラトルエンスルホン酸である請求項1記載の作動液組成物。
- 有機アミンの有機基が水酸基で置換されていてもよいアルキル基またはフェニル基である請求項1記載の作動液組成物。
- 有機アミンが、ジシクロヘキシルアミン、ジブチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、N,N−ビス(ヒドロキシポリ(1〜30)オキシエチレン)ステアリルアミン、およびジフェニルアミンのいずれか1種である請求項1記載の作動液組成物。
- 下記一般式(I)〜(III)で表されるアセタール基を有する化合物の少なくとも1種を5〜99.99重量%、
一般式(I)
一般式(II)
一般式(III)
加水分解用酸触媒を0.005〜2重量%含有し、有機アミンをpH調整剤としてpHを5〜10に調整してなる作動液組成物。 - 加水分解用酸触媒が、ルイス酸、無機酸、または有機酸から選ばれる請求項6記載の作動液組成物。
- 加水分解用酸触媒が、リン酸、リン酸エステル、硫酸、またはパラトルエンスルホン酸である請求項6記載の作動液組成物。
- 有機アミンの有機基が水酸基で置換されていてもよいアルキル基またはフェニル基である請求項6記載の作動液組成物。
- 有機アミンが、ジシクロヘキシルアミン、ジブチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、N,N−ビス(ヒドロキシポリ(1〜30)オキシエチレン)ステアリルアミン、およびジフェニルアミンのいずれか1種である請求項6記載の作動液組成物。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013543047A (ja) * | 2010-11-22 | 2013-11-28 | シェブロン・オロナイト・カンパニー・エルエルシー | 摩耗防止添加剤として1,3−ジオキソラン−4−メタノール化合物を含有する潤滑組成物 |
EP3929174A1 (en) * | 2017-06-16 | 2021-12-29 | Rhodia Operations | Process for the catalytic decarboxylative cross-ketonization of aryl and aliphatic carboxylic acids |
-
2004
- 2004-03-31 JP JP2004107082A patent/JP2005290201A/ja active Pending
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JP2013543047A (ja) * | 2010-11-22 | 2013-11-28 | シェブロン・オロナイト・カンパニー・エルエルシー | 摩耗防止添加剤として1,3−ジオキソラン−4−メタノール化合物を含有する潤滑組成物 |
JP2016128585A (ja) * | 2010-11-22 | 2016-07-14 | シェブロン・オロナイト・カンパニー・エルエルシー | 摩耗防止添加剤として1,3−ジオキソラン−4−メタノール化合物を含有する潤滑組成物 |
EP3929174A1 (en) * | 2017-06-16 | 2021-12-29 | Rhodia Operations | Process for the catalytic decarboxylative cross-ketonization of aryl and aliphatic carboxylic acids |
CN115925668A (zh) * | 2017-06-16 | 2023-04-07 | 罗地亚经营管理公司 | 用于芳基羧酸和脂族羧酸的催化脱羧交叉酮化的方法 |
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