JP2005289682A - レーザー照射で異質相が形成された強化ガラス及び当該強化法に適したガラス組成物 - Google Patents

レーザー照射で異質相が形成された強化ガラス及び当該強化法に適したガラス組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】薄い板ガラスであっても機械的強度が向上された強化ガラスを提供することを課題とする。
【解決手段】超短パルスレーザー光の集光照射によって板ガラスの内部に異質相が、ガラスの平面視において、点状、線状、又は網目状に形成された強化ガラスであり、レーザーが照射される板ガラスの歪点を560℃以上、室温から300℃における線膨張係数を84〜88(×10−7/℃)の性状を有するものとすること。好ましくは、超短パルスレーザー光をピコ秒からフェムト秒のパルスレーザー光とすること。
【選択図】図2

Description

本発明は、強化ガラス、特にレーザー照射で異質相が形成されてなる強化ガラスに関する。
板ガラスの機械的強度を大きくする強化ガラスの製造方法として、風冷強化法、化学強化法等が実施されており、当該方法で得られた強化ガラスは、各種製品でガラス部材として使用されている。
風冷強化法は、板ガラスを、ガラス軟化点温度付近の高温で加熱する必要があるため、板ガラスの形状制御が問題となる場合があり寸法精度の厳しい用途にはコストが高くなる、軟化点温度の高いガラス組成の場合、加熱温度を相当に高くする必要があり設備等にコストがかかる、さらに薄い厚み(例えば、2mm以下)のガラスの強度化が難しい等の問題があった。
化学強化法は、イオン交換処理が必要なため、板ガラスの組成が限定される、イオン交換を行うための薬液の管理にコストがかかる、部分的な強化が難しい等の問題があった。
最近、ガラス組成、ガラス厚み等に依存せず、ガラスを強化できる可能性のある手法が特許文献1によって提案された。当該手法は、超短パルスレーザー光の集光照射によって板ガラスの内部に異質相が点状、線状、又は網目状に形成するものである。特許文献1では、ソーダ石灰珪酸塩ガラスをレーザー処理することで、機械的強度が最高で1.5倍向上することが確認されている。
特開2003−286048号公報
近年、各種製品は、軽量化の傾向にあり、当然ガラス部材も軽量化が必要となる。特にプラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のガラス部材が大部分を占める表示装置では、軽量化達成のためには、ガラス部材の軽量化は不可避である。ガラス部材の軽量化のためには、機械的強度を保持しつつガラス厚を薄くすることを満足させる必要がある。本発明は、薄い板ガラスであっても機械的強度が向上され、且つ表示装置等の製造時における加熱処理後も機械的強度が保持されうる強化ガラスを提供することを課題とする。
本発明者は、超短パルスレーザー光の集光照射によって板ガラスの内部に、板ガラスの平面視において異質相が点状、線状、又は網目状に形成された強化ガラスにおいて、機械的強度向上の効果の大きいガラス系を見出した。
本発明の強化ガラスは、超短パルスレーザー光の集光照射によって板ガラスの内部に異質相が、板ガラスの平面視において、点状、線状、又は網目状に形成された強化ガラス(以後、超短パルスレーザー光の集光照射によって板ガラスを強化する方法を「レーザー強化」、該方法で強化された板ガラスを「レーザー強化ガラス」とする)であり、レーザーが照射される板ガラスが、歪点が560℃以上、室温から300℃における線膨張係数が84〜88 (×10−7/℃)以上の性状を有することを特徴とする。又、前記超短パルスレーザー光は、ピコ秒からフェムト秒のパルスレーザー光であることが好ましい。
上記性状を有する板ガラスは、いわゆる高歪点ガラスといわれるものである。当該性状を有する板ガラスが、レーザー強化による強度向上に効果を呈するかの要因は不明であるが、レーザー照射によってガラス内部に高密度化された異質相が形成される際の当該局部で熱収縮が小さいからだと推測される。
板ガラスが上記性状を有するために、板ガラスの組成が重量%表示で、SiO52〜54%、Al7〜11%、ZrO 0〜5%、MgO 1〜5%、CaO 5〜9%、SrO 0〜5%、BaO 8〜14%、MgO+CaO+SrO+BaO 20〜25%、TiO 0〜1%、LiO 0〜5%、NaO 2〜6%、KO 7〜11%、及びLiO+NaO+KO 13〜15%の組成を有することが好ましい。
本発明のレーザー強化ガラスは、加熱によって異質相が緩和する等の影響を受けにくいので(例えば、異質相が形成された板ガラスを550℃で加熱しても異質相は板ガラス中に残存する)、表示装置を作製する際の加熱工程を経ても機械的強度が保持されやすい利点を有する。
本発明のレーザー照射よって得られた強化ガラスは、薄い厚みの板ガラスであっても、機械的強度が向上されているので、ガラス部品の軽量化に貢献し、例えば、表示装置等の軽量化に奏功する。
本発明の強化ガラスは、超短パルスレーザー光の集光照射によって板ガラスの内部に異質相が点状、線状、又は網目状に形成されたレーザー強化ガラスである。当該レーザー強化ガラスは、表面から目的とする深さに、レーザー光を集光させることで得られる。
レーザー光は例えばNd−YAGレーザー励起のTiサファイアレーザーによる、ピコ秒からフェムト秒の超短パルスレーザー光であることが好ましい。パルスレーザー光のパルス幅は、好ましくは数百フェムト秒以下である。
レーザー光の波長は可視から近赤外の範囲で、板ガラスの吸収が少ない波長を用いることが望ましい。好ましくは400nmから1000nmの範囲である。 また、パルスレーザー光のエネルギーは、数nJ〜1mJであることが好ましく、板ガラスにアブレーションを生じさせない程度のエネルギーで、できるだけ高エネルギーにすることが望ましい。
レーザー光は、レンズ等により板ガラスの内部へ集光させる。レ−ザ−光の単位面積当たりのエネルギ−にもよるが、異質相を形成するためには、集光は直径100μm以下のスポット状とすることが好ましい。レーザー光の集光点を板ガラスの内部で移動させることにより、板ガラスに異質相を連続的に形成する。又は、レーザー光の集光点を固定し、板ガラスを移動させて、板ガラスに異質相を形成する。
レーザー光を集光させる位置は、板ガラスの入射面から裏面の間で、任意の位置で選択でき、好ましくは、ガラス表面から垂直方向に250μm〜500μmの位置にする。本発明のガラス組成系においては、レーザー照射により形成される異質相のガラス厚み方向の中心位置が、板ガラス表面から垂直方向に250μm〜500μmの位置に形成されると機械的強度向上に特に効果が高いことを見出した。機械的強度向上を考慮すると、この位置は260〜330μmの範囲、さらには270μm〜310μmの範囲に設定することが好ましい。
板ガラスの断面視において、最近接の異質相間の平均距離を50μm以下の距離とすることにより板ガラスの機械的強度が向上する。この平均距離を50μm以下とすることにより、板ガラス破壊時のクラック伝播方向を異質相によって変化させる効果が高くなり、板ガラスの機械的強度が向上するものと推察される。この平均距離を短くしていくと、機械的強度の向上に奏するが、強化ガラスの製造コストが高くなるので、この平均距離は、0.1μm以上とすることが好ましい。
尚、上記平均距離は次ぎの測定で得られたものとして定義される。板ガラスの断面を顕微鏡によって、100〜500倍で拡大して観察したときに像内の現れた異質相について、それぞれの最近接の異質相との距離を測定し得られた値を平均する。他の断面位置についても同様の測定を行い、少なくとも10箇所の断面位置で得られたそれぞれの平均値を、さらに平均して得られたものを板ガラスの断面視における最近接の異質相間の平均距離とする。そして上記断面は、板ガラスを平面視したときの異質相が点状のパターンの場合は、隣接する異質相が含まれるように切断された面であり、線状及び網目状のパターンの場合は、線に対して垂直に切断された面である。
さらに、レーザー照射により形成される異質相のガラス厚み方向の長さを、50μm〜500μmとすると機械的強度向上に特に効果が高いことが見出された。異質相の長さが50μm未満では、機械的強度の向上に効果が少なく、他方、500μm超では、焦点深度のさらに長い集光レンズを用いて異質相を形成するため、ガラスを変質する高いエネルギー密度をもったレーザー光が表面を照射する場合があり、この場合にはガラス表面が粗く研削されるなど大きなダメージを受けるため機械的が低下する。そして、機械的強度向上を考慮すると、異質相のガラス厚み方向の長さを60〜330μmとすることが好ましい。
異質相は、板ガラスの平面視において、点状、線状、又は網目状の形に、板ガラスの内部に形成されることが好ましい。又、3次元的に形成されてもよい。
本発明のレーザー強化で使用されるガラスは、その性状において、歪点が560℃以上、室温から 300℃における線膨張係数が84〜88 (×10−7/℃)であり 、表示装置での応用を考慮すると、250℃における体積抵抗率が10Ω・cm以上であることが好ましい。
当該性状を有する板ガラスのガラス組成物としては、重量%表示で、SiO52〜54%、Al7〜11%、ZrO 0〜5%、MgO 1〜5%、CaO 5〜9%、SrO 0〜5%、BaO 8〜14%、MgO+CaO+SrO+BaO 20〜25%、TiO 0〜1%、LiO 0〜5%、NaO 2〜6%、KO 7〜11%、及びLiO+NaO+KO 13〜15%の組成を有することが好ましい。
上記ガラス組成物において、SiOはガラスの主成分であり、重量%において52%未満ではガラスの歪点が低下し、化学的耐久性が悪化する傾向がある。他方54%を越えるとガラス融液の高温粘度が高くなり、フロート法成形が難しくなる。従って、52〜54%、好ましくは、53〜54%の範囲とすることがよい。
Al7%未満であるとガラスの歪点が低下する傾向がある。他方11%を超えるとガラス融液の高温粘度が高くなり、失透傾向が増大し、フロート法成形が難しくなる。従って7〜11%、好ましくは、8〜11%の範囲とすることがよい。
ZrOは必須成分ではないが、ガラスの歪点を上昇させ、失透の発生を抑える作用を有するので5%以下の範囲で含有させることが好ましい。該成分は、5%を超えると、失透傾向が増大するので、ガラスの溶融やフロート法成形が難しくなる。
MgOは他の二価成分酸化物に比べ歪点を上昇させる作用を有するが、1%未満ではその作用が不充分である。他方5%を超えると失透傾向が大きくなる。従って1〜5%、好ましくは2〜4%の範囲とすることがよい。
CaOは、BaOとの共存下でガラス融液の高温粘度を下げる作用を有するが、5%未満ではその作用が不充分であり、他方9%を超えると失透傾向が大きくなる傾向がある。従って、5〜9%、好ましくは6〜8%の範囲とすることがよい。
BaOは前記のごとくCaOとの共存下でガラス融液の高温粘度を下げ失透の発生を抑制する作用を有するが、8%未満では失透を抑制する作用が不充分であり、他方14%を超えるとガラスの歪点が低下し過ぎる傾向がある。従って、8〜14%、好ましくは9〜13%の範囲とすることがよい。
SrOは必須成分ではないが、CaO及びBaOとの共存下でガラス融液の高温粘度を下げる作用を有する。尚、SrOの含有量は、5%以下の範囲とすることが好ましく、5%を超えると歪点が低下し過ぎ、又線膨張係数を過大とする傾向がある。
さらに、上記組成範囲内において、アルカリ土類金属酸化物(CaO、MgO、BaO、SrO)の合計を20〜25%の範囲とすることによって、ガラスの溶融性を良好な範囲に維持しつつ、粘度−温度勾配を適度として成形性を良好とし、耐熱性、化学的耐久性等に優れ、適切な範囲の線膨張係数を有するガラスを得ることができる。アルカリ土類金属酸化物の合計が25%を越えると、特に線膨張係数が上昇するとともに失透傾向が増大し、化学的耐久性が低下する傾向がある。20%未満では、高温粘度が上昇して溶融および成形を困難とし、線膨張係数が低下する傾向がある。
TiOは必須成分ではないが、ガラスの化学的耐久性を向上させ、又ガラス溶融に際して失透傾向を低減させるために1%以下導入することが好ましい。ただし1%を越えて導入するとガラスが着色する傾向があるので好ましくない。 NaOはKOとともにガラス溶融剤として作用し、又ガラスの線膨張係数を適度な大きさに維持するために不可欠である。NaOが2%未満であると線膨張係数が低くなり過ぎる傾向があり、6%を超えると歪点が低下し過ぎる傾向がある。従って、2〜6%、好ましくは、3〜5%の範囲とするとよい。
Oは、上記理由及びNaOとの混合アルカリ効果によりアルカリイオンの移動を抑制し、ガラスの体積抵抗率を高める。7%未満であるとそれら作用が不充分であり、11%を超えると線膨張係数が過大となり、又歪点も低下し過ぎる傾向があるため、7〜11%、好ましくは、8〜10%の範囲とするとよい。
LiOは必須成分ではないが、ガラスの高温粘度を下げ、ガラス原料の溶融を促進する。但し、5%を越えて含有させるとガラスの歪点が低下し過ぎる傾向があるので、5%以下の範囲で導入するのが望ましい。
前記アルカリ成分(NaO、KO、LiO)の量に関し、その合計量を13〜15%にすることにより、歪点、線膨張係数、高温粘度および失透温度を適切な範囲に維持することができる。アルカリ成分の合計量が13%未満では線膨張係数が低下し、失透傾向が増大する傾向にある。15%を越えると歪点が低下し過ぎるうえに、体積抵抗率が低下する。従って、13〜15%の範囲とするとよい。
又、前記アルカリ成分において、KO/NaO重量比を2.0以上とすると、ガラス中でのアルカリイオンの移動が抑制され、体積抵抗率を上昇させる作用を有するようになり好ましい。
実施例1
板ガラスには、板ガラスには、室温から300℃における線膨張係数が85.4(×10−7/℃)、歪点が603℃、体積抵抗率が109.9Ω・cmの性状を有し、重量%で、SiOが54%、Alが9%、ZrOが3.7%、MgOが3.0%、CaOが7.7%、BaOが9.6%、NaOが4.2%、KOが8.8%の組成を有し、10mm×50mm角で、2.3mm厚サイズのものを準備した。
超短パルスレーザー光は、Nd−YAGレーザー励起のTiサファイアレーザーから発振されたパルス幅100フェムト秒、繰返し周期1kHz、中心波長800nmのフェムト秒レーザー光を利用し、NDフィルターを用いて焦点付近での出力を約100mWに調節した。
フェムト秒レーザー光の集光する位置をガラス表面から垂直方向に300μm内部に固定し、超短パルスレーザー光を集光レンズ(オリンパス製対物レンズ、倍率10倍、開口数0.25)で約5μmφのスポット状に集光させた。
フェムト秒レーザー光の集光する位置をガラス表面から300μm内部に固定し、板ガラスを、自動ステージを用いて25mm/secの速度で移動させることで、点状の異質相を25μm間隔で形成した。そして、点状の異質相を形成する作業を繰り返し、異質相が、板ガラスの断面視において、平均25μmの間隔で形成されたレーザー強化ガラスを得た。
実施例2
板ガラスを、室温から300℃における線膨張係数が87.6(×10−7/℃)、歪点が602℃、体積抵抗率が109.4Ω・cmの性状を有し、重量%で、SiOが53.8%、Alが9.6%、ZrOが2.3%、MgOが2.4%、CaOが7.8%、BaOが10.0%、NaOが4.6%、KOが9.5%の組成を有するものを用いた以外は、実施例1と同様の手順にて、板ガラスの断面視において、間隔が平均25μmで、点状の異質相が形成されたレーザー強化ガラスを得た。
実施例3
板ガラスを、室温から300℃における線膨張係数が86.7(×10−7/℃)、歪点が610℃、体積抵抗率が109.7Ω・cmの性状を有し、重量%で、SiOが53.2%、Alが9.3%、ZrOが3.9%、MgOが3.4%、CaOが6.8%、BaOが9.8%、NaOが4.5%、KOが9.1%の組成を有するものを用いた以外は、実施例1と同様の手順にて、板ガラスの断面視において、間隔が平均25μmで、点状の異質相が形成されたレーザー強化ガラスを得た。
実施例4
板ガラスを、室温から300℃における線膨張係数が87.3(×10−7/℃)、歪点が595℃、体積抵抗率が109.8Ω・cmの性状を有し、重量%で、SiOが53.6%、Alが10.4%、MgOが3.6%、CaOが8.0%、BaOが11.2%、NaOが4.2%、KOが8.8%の組成を有するものを用いた以外は、実施例1と同様の手順にて、板ガラスの断面視において、間隔が平均25μmで、点状の異質相が形成されたレーザー強化ガラスを得た。
実施例5
板ガラスを、室温から300℃における線膨張係数が86.2(×10−7/℃)、歪点が600℃、体積抵抗率が109.2Ω・cmの性状を有し、重量%で、SiOが53.9%、Alが10.5%、ZrOが1.0%、MgOが3.0%、CaOが7.9%、BaOが9.1%、NaOが4.8%、KOが9.8%の組成を有するものを用いた以外は、実施例1と同様の手順にて、板ガラスの断面視において、間隔が平均25μmで、線状の異質相が形成されたレーザー強化ガラスを得た。
比較例1
板ガラスには、室温から 300℃における熱膨張係数が88.0(×10−7/℃)、歪点が520℃、体積抵抗率が107.1Ω・cmの性状を有し、重量%で、SiOが70.6%、Alが2.0%、MgOが3.6%、CaOが9.5%、NaO+KOが14.3%の組成を有するものを用いた。
超短パルスレーザー光は、Nd−YAGレーザー励起のTiサファイアレーザーから発振されたパルス幅100フェムト秒、繰返し周期1kHz、中心波長800nmのフェムト秒レーザー光を利用し、NDフィルターを用いて焦点付近での出力を約9mWに調節した。
フェムト秒レーザー光の集光する位置をガラス表面から垂直方向に200μm内部に固定し、超短パルスレーザー光を集光レンズ(オリンパス製対物レンズ、倍率40倍、開口数0.55)で約5μmφのスポット状に集光させた。
フェムト秒レーザー光の集光する位置をガラス表面から200μm内部に固定し、板ガラスを、自動ステージを用いて25mm/secの速度で移動させることで、点状の異質相を、25μm間隔で形成した。そして、点状の異質相を形成する作業を繰り返し、、板ガラスの断面視において、点状の異質相が平均25μmの間隔で形成されたレーザー強化ガラスを得た。
[レーザー強化ガラスの機械的強度の評価]
実施例1乃至5、及び比較例1で得られたレーザー強化ガラスについて、支点間距離30mm、荷重点間距離10mm、荷重速度0.5mm/minの条件で4点曲げ強度試験を行い、破壊時の負荷荷重を測定し、レーザー強化前の板ガラスとそれと比較し、レーザー強化による機械的強度の増加率を求めた。結果を表1に示す。
実施例1乃至5、及び比較例1のそれぞれにおいて、レーザー強化によって、機械的強度の向上が確認された。そして、実施例1乃至5のレーザー強化ガラスは、比較例1より機械的強度が向上することが確認された。
[レーザー強化ガラスの加熱処理]
実施例1及び比較例1で得られたレーザー強化ガラスを加熱炉にて550℃に加熱、30分間の保持後、室温まで冷却した。図1乃至4に、異質相部を反射微分干渉顕微鏡で拡大観察したときの図面代用写真を示す。図1は、実施例1で得られた強化ガラスの加熱処理前、図2は、実施例1で得られた強化ガラスの加熱処理後、図3は、比較例1で得られた強化ガラスの加熱処理前、図4は比較例1で得られた強化ガラスの加熱処理後のものである。
実施例1で得られたレーザー強化ガラスは、加熱処理後も点状の異質相は消滅せず、その形状は熱処理前とほぼ同様であったのに対し、比較例1で得られたレーザー強化ガラスは、点状の異質相は熱処理後にほぼ消滅した。本発明のレーザー強化ガラスは、PDP等の加熱工程を伴う表示装置の基板として好適であることが確認された。
本実施例1のレーザー強化ガラスの表面を反射微分干渉顕微鏡で200倍に拡大して観察したときの図面代用の写真である。 本実施例1のレーザー強化ガラスを550℃で加熱処理した後のその表面を反射微分干渉顕微鏡で200倍に拡大して観察したときの図面代用の写真である。 本比較例1のレーザー強化ガラスの表面を反射微分干渉顕微鏡で200倍に拡大して観察したときの図面代用の写真である。 本比較例1のレーザー強化ガラスを550℃で加熱処理した後のその表面を反射微分干渉顕微鏡で200倍に拡大して観察したときの図面代用の写真である。

Claims (6)

  1. 超短パルスレーザー光の集光照射によって板ガラスの内部に異質相が、板ガラスの平面視において、点状、線状、又は網目状に形成された強化ガラスであり、レーザーが照射される板ガラスが、歪点が560℃以上、室温から300℃における線膨張係数が84〜88 (×10−7/℃)の性状を有することを特徴とする強化ガラス。
  2. 板ガラスの組成が、重量%表示で、SiO52〜54%、Al7〜11%、ZrO 0〜5%、MgO 1〜5%、CaO 5〜9%、SrO 0〜5%、BaO 8〜14%、MgO+CaO+SrO+BaO 20〜25%、TiO 0〜1%、LiO 0〜5%、NaO 2〜6%、KO 7〜11%、及びLiO+NaO+KO 13〜15%の組成を有することを特徴とする請求項1に記載の強化ガラス。
  3. 超短パルスレーザー光がピコ秒からフェムト秒のパルスレーザー光であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の強化ガラス。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の強化ガラスを用いてなる表示装置。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の強化ガラスを基板ガラスとして用いる表示装置の製法であり、該基板ガラスを550℃以上で加熱する工程を有することを特徴とする表示装置の製法。
  6. 重量%表示で、SiO52〜54%、Al7〜11%、ZrO 0〜5%、MgO 1〜5%、CaO 5〜9%、SrO 0〜5%、BaO 8〜14%、MgO+CaO+SrO+BaO 20〜25%、TiO 0〜1%、LiO 0〜5%、NaO 2〜6%、KO 7〜11%、及びLiO+NaO+KO 13〜15%の組成を有することを特徴とする超短パルスレーザー光の集光照射でガラスを強化することに適したガラス組成物。
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JP2011056099A (ja) * 2009-09-11 2011-03-24 Sakae Nishiyama ゴルフクラブ

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