JP2005289257A - 膝保護用エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】展開膨張途中のエアバッグの膝保護膨張部内でのガス圧を、左右方向に沿う各部位で略均等にすることができて、接近している乗員の膝付近を、的確に保護可能な膝保護用エアバッグ装置を提供すること。
【解決手段】膝保護用エアバッグ装置のエアバッグ39は、乗員側・車体側壁部41・42を有するエアバッグ本体40と、エアバッグ本体の膨張完了時の厚さを規制するテザー56・57と、を備える。テザーは、膨張完了時のエアバッグ本体の収納部位から離脱した位置とした膝保護膨張部47の下方で、左右方向に沿ってエアバッグ本体の内周面40eの全域に連結されるとともに、複数のガス流通孔58を有して、配設される。複数のガス流通孔58は、膝保護膨張部47内での膨張用ガスのガス圧を左右方向に沿う各部位で略均等とするように、開口面積を調整され、かつ、エアバッグ本体の内周面40eから離れて、配設されている。
【選択図】図7

Description

本発明は、膨張用ガスを流入させて展開膨張するエアバッグが、運転者や助手席搭乗者等の乗員の膝を保護可能な膝保護用エアバッグ装置に関する。
従来、運転者等の乗員の膝を保護する膝保護用エアバッグ装置では、着座した乗員の膝の前方側に展開膨張可能に折り畳まれたエアバッグと、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、折り畳まれたエアバッグとインフレーターとを収納して保持するケースと、を備えて構成されていた。インフレーターは、エアバッグ内に収納される円柱状のシリンダタイプとして、インフレーターから吐出される膨張用ガスを整流するディフューザーを、周囲に配設させていた(例えば、特許文献1参照)。
また、インフレーターは、膨張用ガスを吐出させるガス吐出口を、一方の端部に配設させ、さらに、軸方向を左右方向に沿わせて、車両に搭載されていた。
そして、ディフューザーは、折り畳まれて収納されたエアバッグが左右均等に展開膨張するように、左右方向の端部に配置されているインフレーターのガス吐出口からの膨張用ガスを、ケースの左右方向の中央付近を基準として、左右均等に、エアバッグ内で流れるように、ガス吐出口からの膨張用ガスを流出させる開口を、左右方向に沿って複数設け、そして、それらの開口面積を、ガス吐出口に近い側を小さく、ガス吐出口から離れる側を大きくするように、調整していた。
特開2003−170800公報
しかし、従来の膝保護用エアバッグ装置では、エアバッグ内におけるインフレーターに近い部位、すなわち、ケース内の位置で膨張用ガスを整流していたことから、エアバッグの膝を保護する膨張部位が、ケースから突出したエアバッグの上縁側に配置されている場合、ケースの内周面側と衝突して膨張用ガスの流れが変化してしまえば、ケースから離れた膝保護膨張部での膨張用ガスの圧力が、左右方向に沿う各部位で、略均等とならない虞れが生ずる。さらに、エアバッグ内に、膨張完了時の厚さを規制するテザーが配設されていれば、折りの解消と協働して、テザーが、膨張用ガスの流れを変化させ、膝保護膨張部でのガス圧の不均等を助長する虞れもある。
そして、膝保護膨張部内でのガス圧の不均等が生じている場合に、エアバッグの膨張完了直前時点で乗員が接近して、膝保護膨張部におけるガス圧の高い部位に、膝が干渉すれば、膝を車両後方側へ押す事態を招くことから、膝保護膨張部が、車両衝突時の膝付近の保護を図れるものの、膝付近のより一層の的確な保護を図る上で、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、展開膨張途中のエアバッグの膝保護膨張部内でのガス圧を、左右方向に沿う各部位で略均等にすることができて、接近している乗員の膝付近を、的確に保護可能な膝保護用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る膝保護用エアバッグ装置は、乗員の膝を保護可能に、膨張用ガスを流入させて、収納部位から車両後方側へ突出するとともに上方へ展開膨張する構成として、
膨張完了時の乗員側に位置する乗員側壁部と、車体側に位置する車体側壁部と、を有するエアバッグ本体と、
乗員側壁部と車体側壁部とを連結してエアバッグ本体の膨張完了時の厚さを規制するテザーと、
を備えてなるエアバッグ、
を具備して構成される膝保護用エアバッグ装置であって、
エアバッグ本体が、膨張完了時の上縁側に、膝保護膨張部を配設させるように構成され、
テザーが、膨張完了時のエアバッグ本体における収納部位から離脱した位置とした膝保護膨張部の下方で、エアバッグ本体内を上下に区画するように、左右方向に沿ってエアバッグ本体の内周面の全域に連結されるとともに、複数のガス流通孔を有して、配設され、
複数のガス流通孔が、膝保護膨張部内での膨張用ガスのガス圧を左右方向に沿う各部位で略均等とするように、開口面積を調整され、かつ、エアバッグ本体の内周面から離れて、配設されていることを特徴とする。
本発明に係る膝保護用エアバッグ装置では、膝保護膨張部の下方位置のテザーが、複数のガス流通孔の開口面積を調整されており、エアバッグ本体の展開膨張時、複数のガス流通孔を経て膝保護膨張部内に流入する膨張用ガスの圧力が、左右方向に沿う各部位で略均等となることから、膝保護膨張部が、膨張途中で接近している乗員の膝付近と干渉しても、不必要に、その膝付近を押圧せず、的確に、膝付近を保護することができる。
特に、これらのガス流通孔は、エアバッグ本体の内周面から離れてエアバッグ本体の内周面に接していないことから、開口面積の調整で、的確に、ガス圧を調整できる。ちなみに、ガス流通孔の周縁の一部が、エアバッグ本体の内周面自体から構成されていれば、そのガス流通孔には、エアバッグ本体の内周面にガイドされて通過する膨張用ガスが多量に発生し、開口面積の調整によるガス圧調整が行い難い。
そして、複数のガス流通孔の開口面積を調整されたテザーは、膨張完了時のエアバッグ本体における収納部位から離脱した自由空間の位置に、配置されていることから、ケースの内周面側と衝突して流れを変化させた膨張用ガスの影響を受けずに、整流させた状態で、膨張用ガスを、ガス流通孔を経て、上方へ流すことができて、ガス圧を極力ばらつかせず、エアバッグ毎に、膝保護膨張部内のガス圧を、左右方向に沿う各部位で略均等とすることができる。
そしてまた、本発明に係るエアバッグ装置のエアバッグでは、左右方向に沿って配設されているテザーで区画されたエアバッグ本体の下部部位が、幅広く膨張した状態で、テザーの上方側のエアバッグ本体の上部部位が、膨張し始めることから、エアバッグ本体は、幅広く展開膨張して上方へ展開膨張することとなって、エアバッグ本体の下部部位側が、展開完了前に前進してくる乗員の膝の下方の脛等を、クッション性良く、保護可能となる。
したがって、本発明に係る膝保護用エアバッグ装置では、展開膨張途中のエアバッグの膝保護膨張部内でのガス圧を、左右方向に沿う各部位で略均等にすることができて、接近している乗員の膝付近を、的確に保護することができる。
そして、ガス流通孔は、膨張完了時のエアバッグ本体における乗員の脛との干渉位置の前方側から外れる位置に、配置することが望ましい。
すなわち、テザーにおけるガス流通孔の配置位置では、テザーが伸び易く、乗員側・車体側壁部相互の離隔距離を、他部より広げ、エアバッグ本体の厚さを厚くすることが避け難いが、テザーのガス流通孔が、脛との干渉位置から外れた位置に配置されていれば、脛を不必要に圧迫せずに、膝とともに、乗員の脛も、エアバッグ本体によって、的確に保護することができる。
また、エアバッグ本体内のテザーが、上下に複数段、配設されていれば、各テザーのガス流通孔を通過する膨張用ガスの整流作用を高めることができて、一層、展開膨張途中のエアバッグ本体の膝保護膨張部内でのガス圧を、左右方向に沿う各部位で均等にすることができる。さらに、膨張完了時のエアバッグ本体の厚さを、各部で規制できて、部分的な膨らみを無くして、膨張完了時のエアバッグ本体の全体の板形状を、維持し易くなる。
この場合、膨張完了時におけるエアバッグ本体の下縁側から少なくとも膝保護膨張部の直下までのエリアは、上縁側を車体側壁部の側でロール折りするロール折り工程を経て、折り畳まれていることが望ましい。
すなわち、上下方向に複数段配設されるテザーのガス流通孔が、上下方向で一致することとなっても、このようなエアバッグ本体の折り畳みでは、折りの解消時、ロール折りの巻きを解く状態となって、膨張用ガスが、ロール折り部位に邪魔されて、上方位置のガス流通孔に、直接的に進入し難くなり、膝保護膨張部での左右方向に沿う各部位でガス圧を略均等にする作用・効果を阻害しない。さらに、このロール折り部位は、上縁側を車体側壁部の側でロール折りして形成しており、折りを解消させて上方への展開する際、乗員と車体との間が狭くとも、乗員側への突出を抑えて、車体側に接近して展開を完了させ易い。
この場合、ロール折り工程の前に、膝保護膨張部は、上縁側をエアバッグ本体の下縁側に接近させるようにエアバッグ本体内に折り込む上縁折り込み工程を経て、折り畳まれていることが望ましい。
このような構成では、エアバッグ本体の上縁付近の乗員側壁部と車体側壁部とが、車両の前後方向で折り重ねられているだけであり、ロール折りと相違して、膨張用ガスで押されて、上縁が上方へ突出し易く、折りの解消が素早く行われる。さらに付言すると、エアバッグ本体内に折り込まれた上縁の周囲の乗員側壁部と車体側壁部とが、それぞれ、膝付近や車体に接触して、摩擦抵抗が大きくとも、それらの膝付近や車体と、直接、接触していない状態のエアバッグ本体の上縁は、容易に、素早く上方へ突出する。そのため、エアバッグ本体における膝付近と干渉する展開膨張時の上縁側のエリアが、上縁をエアバッグ本体内に折り込んでいれば、乗員の膝付近が膝保護用エアバッグ装置に極めて接近していても、エアバッグ本体の上縁側が、膨張用ガスの流入により、その膝付近と車体との間の狭い隙間に容易に侵入して、展開を完了させ、そしてさらに、膨張用ガスの流入によって、厚く膨張し、的確に、膝付近を保護することができる。
そして、エアバッグ本体が、膨張用ガスを、膨張完了時のエアバッグ本体の下縁側における左右方向の一方の縁側から、偏って流入させるように、構成されている場合には、複数のガス流通孔は、開口面積を、膨張用ガスの流入位置に近い側を小さく、膨張用ガスの流入位置から離れる側を大きくするように、調整して、配設させればよい。
このような構成では、エアバッグを収納する収納部位としてのケースに対して、ガス吐出口を端部側に配置させたシリンダタイプのインフレーターを、その軸方向をケースの左右方向に沿わせて、保持させる構成の膝保護用エアバッグ装置に適用できる。すなわち、このような膝保護用エアバッグ装置では、ケースの外側に、もしくは、エアバッグ本体内に、インフレーターを設けても、インフレーターの軸方向端部側から流入する膨張用ガスが、膨張完了時のエアバッグ本体の下縁側における左右方向の一方の縁側から、偏って流入することとなるが、その場合でも、展開膨張途中のエアバッグ本体の膝保護膨張部内でのガス圧を、左右方向に沿う各部位で略均等にすることができて、接近している乗員の膝付近を、的確に保護することができる。
そして、このような膝保護用エアバッグ装置では、シリンダタイプのインフレーターを使用して、ケースの左右方向の幅寸法内に、インフレーターを配設させることができることから、上下方向の高さを小さくして、コンパクトに構成することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sは、乗員としての運転者Mの膝K(KL・KR)を保護できるように、図1・4に示すように、運転者Mの車両前方側であるステアリングコラム2の下方に配設されている。
なお、本明細書における上下、左右、及び、前後は、膝保護用エアバッグ装置Sを車両に搭載させた際の車両の上下・左右・前後に対応するものである。
ステアリングコラム2は、図1に示すように、ステアリングホイール1に連結されるコラム本体3と、ステアリングホイール1の下方のコラム本体3を覆うように配設されるコラムカバー6と、を備えて構成されている。コラム本体3は、メインシャフト4と、メインシャフト4の周囲を覆うコラムチューブ5と、を備えて構成されている。
コラムカバー6は、略四角筒形状の合成樹脂製として、コラム本体3を覆うように、コラム本体3の軸方向に沿って配設されている。コラムカバー6におけるインストルメントパネル(以下「インパネ」と省略する)8から突出する部位の後面6aは、略長方形板状とし、車両前後方向で、後上がりの曲面状に形成されている。
膝保護用エアバッグ装置Sは、折り畳まれたエアバッグ39、エアバッグ39に膨張用ガスを供給するインフレーター26、折り畳まれたエアバッグ39を収納するとともに車両後方側を開口させたケース11、ケース11にエアバッグ39を取り付けるリテーナ19、及び、ケース11におけるエアバッグ39の突出用開口11aの車両後方側を覆うエアバッグカバー32、を備えて構成されている。
ケース11は、図1〜3に示すように、板金製として、ステアリングコラム2の下部側に配設されている。ケース11は、有底の箱形状とされて、ケース11の前端側に配置される略長方形板状の底壁部15と、底壁部15の外周縁から略四角筒形状に後方側へ延びて、後端に、略長方形形状のエアバッグ39の突出用開口11aを開口させた周壁部12と、を備えて構成されている。周壁部12における上下で対向する壁部12a・12bの外表面側には、エアバッグカバー32をケース11に組み付けるための複数の係止爪部13が、突設されている。係止爪部13は、実施形態の場合、上壁部12aと下壁部12bとに、それぞれ、複数個(実施形態の場合4個ずつ)配設されて、先端13aを車両前方側に屈曲させて、先端13a側を、エアバッグカバー32の後述する側壁部35の上・下壁部35a・35bに形成された係止孔35c周縁に、係止可能な構成とされている。なお、実施形態の場合、各係止爪部13は、上・下壁部12a・12bに所定形状の切り込みを形成し、上・下壁部12a・12bから切り起すようにして、上・下壁部12a・12bと一体的に、形成されている。
底壁部15における車内側I(インフレーター26におけるコネクタ29側・図3参照)の端部側、すなわち、実施形態では左縁側に、リテーナ19の後述する保持部22を挿通可能とする略長方形状に開口した挿通孔15aが、前後方向に沿って貫通されて、形成されている。また、底壁部15における車外側O(インフレーター26における頭部28側)の端部側、すなわち、右縁側には、車両前方側(インフレーター26側)に突出するとともに、インフレーター26の後述する頭部28の周囲を覆い可能な案内流路17が、配設されている。さらに、底壁部15における案内流路17より車外側Oとなる部位には、リテーナ19の後述するボルト21を挿通させるための貫通孔15bが、形成されている。
案内流路17は、インフレーター26の頭部28に配設されたガス吐出口28aからの膨張用ガスGをエアバッグ本体40の流入用開口43へ案内するものであり、実施形態の場合、底壁部15の右縁側の一部を車両前方側に突出させて形成して、その後方側を開口させた略直方体の箱形状としている。そして、この案内流路17には、インフレーター26の頭部28を案内流路17内に嵌合させるように挿入させる挿入孔17bが、車内側Iの壁部17aに配設されている。
また、ケース11には、周壁部12の所定位置に、ケース11を車両のボディ側に取付固定させるための図示しない複数の取付ブラケットが、配設され、これらの取付ブラケットは、車両のボディ側に配設される図示しないインパネリインフォースメント等に、取付固定されている。
リテーナ19は、板金製として、図2・3・6に示すように、基板部20と、基板部20から突出するように配設されて、インフレーター26と連結させるための保持部22と、を備えて構成されている。基板部20は、ケース11の底壁部15より僅かに小さい長方形板状とし、底壁部15の後面との間に、エアバッグ39の流入用開口43の周縁付近を挟持して、エアバッグ39の開口43周縁を保持するように、構成されている。基板部20には、案内流路17に対応した位置に、案内流路17及びエアバッグ39の開口43に連通する略正方形状の連通孔20aが、形成されている。また、基板部20の連通孔20aを越えた右端側には、車両前方側に突出するとともに、リテーナ19を底壁部15に補助的に固定させるためのボルト21が、配設されている。また、基板部22の外周縁には、車両後方側に延びる補強用リブ20bが、形成されている。
保持部22は、基板部20からケース11の底壁部15とエアバッグ39とを貫通して延びて、インフレーター26に連結され、インフレーター26を閂として使用して、リテーナ19をケース11に取り付けるものである。そして、実施形態の場合、保持部22は、底壁部15に配設された挿通孔15aとエアバッグ39の挿通孔44とを経て、ケース11の車両前方側に突出する断面口字状として、前端付近の上下に、かしめて、インフレーター26をケース底壁部15側へ押圧可能な押圧片22a・22aを設けて、構成されている。なお、インフレーター26の本体部27には、押圧片22a・22aをかしめて、保持部22によりインフレーター26を保持した際、インフレーター26が案内流路17から抜けることを防止可能な凹溝からなる段差部27aが、形成されている。
インフレーター26は、シリンダタイプとされて、図2・3に示すように、ケース11の前方側となる底壁部15の外側に、軸方向を左右方向に沿わせて配設されている。インフレーター26は、略円柱状の本体部27と、本体部27の一端側に配設される頭部28と、を備えて構成されている。頭部28は、本体部27より小径とされて、外周面に、膨張用ガスGを吐出可能な複数のガス吐出口28aを備えている。また、本体部27の頭部28から離れた端部には、作動信号入力用のリード線30を結線させたコネクタ29が、接続されている。また、本体部27における保持部22が配設される部位には、保持部22の各押圧片22aに係合可能な凹溝からなる段差部27aが形成されている。
そして、実施形態のインフレーター26は、ケース底壁部15の左右方向の幅寸法より若干小さい長さ寸法として、頭部28を底壁部15の左右方向の一方の端部側(実施形態では、車外側Oとなる右縁側)に片寄らせて、配設されている。
エアバッグカバー32は、図2〜4に示すように、オレフィン系等の熱可塑性エラストマーから形成され、ケース11の車両後方側を覆い可能なように構成されて、ケース11に組み付けられている。また、エアバッグカバー32は、アッパパネル8aとロアパネル8bとからなるインパネ8におけるロアパネル8b側に、配設されており、ケース11の突出用開口11a付近に配設される扉配設部34と、扉配設部34の周囲に配設される一般部33と、を備えて構成されている。
扉配設部34の周囲には、扉配設部34に隣接して、ロアパネル8bが、配設されている。実施形態の場合、扉配設部34とロアパネル8bとは、車両後方側の面を略面一とするように、配設されている(図2・3参照)。そして、扉配設部34は、扉部38と、扉部38の周縁近傍となる部位に配設されて、ケース周壁部12の上下左右を覆うように配設される略四角筒形状の側壁部35と、を備えて構成されている。
扉部38は、ケース11の開口11aより僅かに大きく形成されて、開口11aを覆う略長方形板状とされている。扉部38は、実施形態では、上下方向に開く2枚の扉部38から構成されている。そして、これらの扉部38は、上端及び下端に、開き時の回転中心となるヒンジ部37を配設させるとともに、扉部38の周囲における車両後方側から見て略H字形状となる部位に、薄肉の破断予定部36を、配設させて構成されている。
側壁部35の上下の壁部35a・壁部35bは、エアバッグカバー32をケース11に組み付ける組付片とされ、それぞれ、ケース周壁部12に形成される係止爪部13を周縁に係止させるための略長方形状に開口した係止孔35cを、配設させている。
一般部33は、図2・3に示すように、扉配設部34の周囲に配設されるロアパネル8bに干渉しないように、扉配設部34から、ロアパネル8bの肉厚分車両前方側に凹ませるようにして、形成されている。
エアバッグ39は、図1・4〜9に示すように、可撓性を有したポリエステルやポリアミド糸等からなる織布から形成されて、エアバッグ本体40と、エアバッグ本体40内に配設されて膨張完了時のエアバッグ本体40の厚さを規制するテザー56・57と、を備えて構成されている。
エアバッグ本体40は、展開膨張完了時の形状を、図1・4の二点鎖線や図5・6に示すように、略長方形板状とするとともに、乗員としての運転者Mの膝KL・KRを保護可能な左右方向の幅寸法を備える形状としている。
そして、エアバッグ本体40は、展開膨張完了時の上縁40a側を膝保護膨張部47とし、膝保護膨張部47の下方を脛保護膨張部48として構成されるとともに、展開膨張完了時に乗員としての運転者M側に位置する乗員側壁部41と、車体側のコラムカバー6側に位置する車体側壁部42と、を備えて構成され、両壁部41・42の外形形状を略等しくした平面エアバッグとしている。さらに、実施形態の場合、エアバッグ本体40は、一枚の織布を使用して、展開膨張完了時の下縁40b側で折り、重ねた周縁相互を縫合するようにして、形成されている。
なお、実施形態の場合、膨張完了時の膝保護膨張部47の上下方向の長さ寸法L0は、180〜200mm程度としている。
また、膨張完了時のエアバッグ本体40の下縁40b側における車体側壁部42の部位には、流入用開口43及び挿通孔44・45が、形成されている(図3・10参照)。流入用開口43は、案内流路17とリテーナ19の連通孔20aとに対応し、エアバッグ本体40の右縁40d側の位置に配設されて、インフレーター26のガス吐出口28aから吐出された膨張用ガスGをエアバッグ本体40内に流入させることとなる。挿通孔44は、リテーナ19の保持部22を挿通させるものであり、エアバッグ本体40の左縁40c側の位置に配置されている。挿通孔45は、リテーナ19のボルト21を挿通させるものであり、流入用開口43より右縁43d側に配置されている。そして、エアバッグ本体40は、挿通孔44からリテーナ19の保持部22を突出させ、挿通孔45からリテーナ19のボルト21を突出させて、開口43の周縁を、ケース底壁部15とリテーナ19の基板部20との間に挟持されて、ケース11に取り付けられている。
さらに、テザー56・57は、エアバッグ本体40の乗員側壁部41と車体側壁部42とを連結するように、上下二段に配設されている。これらのテザー56・57は、エアバッグ本体40内を上下に区画するように、左右方向に沿ってエアバッグ本体40の内周面40eの全域に、縫合されて連結されるとともに、複数のガス流通孔58を有して、配設されている。各テザー56・57は、左右方向に長い帯状(長方形板状)としている。
上方側のテザー56は、膝保護膨張部47の直下に位置して、膝保護膨張部47と脛保護膨張部48とを区画するように配設され、下方側のテザー57は、車両搭載状態でのエアバッグ本体40の展開膨張完了時、ケース11から車両後方側に離脱した位置に、配設されている。
各ガス流通孔58は、エアバッグ本体40の内周面40eから離れて、配設されるとともに、膝保護膨張部47内での膨張用ガスGのガス圧を左右方向に沿う各部位で略均等とするように、開口面積を調整されて、配設されている。実施形態の場合には、各テザー56・57に3個ずつのガス流通孔58A・58B・58C・58D・58E・58Fが配設されている。
そして、インフレーター26からの膨張用ガスGの上流側となる下段側のテザー57において、各ガス流通孔58D・58E・58Fが、左右方向におけるインフレーター26のガス吐出口28aに接近している側を、すなわち、流入用開口43に接近している側を、小さな開口面積として、流入用開口43から離れるにしたがって、大きな開口面積としている。すなわち、流入用開口43に接近しているガス流通孔58Dが、最も小さな開口面積として、流入用開口43から最も離れているガス流通孔58Fが、最も大きな開口面積として、流通孔58D・58F間のガス流通孔58Eが、孔58D・58Fの略中間の開口面積としている。これらの開口形状は、乗員側壁部41と車体側壁部42とを相互に連結する前後方向の長さを長く、左右方向の長さを短くした長円形として、極力、テザー57が、流通孔58の配置部位での前後方向の伸びを抑えるように、構成されている。なお、孔58が、前後方向の長さを短く、左右方向の長さを長くすれば、前後方向で、開き易く、テザー57が、流通孔58の配置部位で、前後方向に伸び易い。
また、膝保護膨張部47の直下のテザー56では、実施形態の場合、テザー57でのガス流通孔58の整流作用が大きいことから、ガス流通孔58A・58B・58Cは、同じ開口形状で、かつ、同じ開口面積として、膝保護膨張部47内の左右方向での各部位のガス圧を、略均等するように、設定されている。
さらに、これらのガス流通孔58の配置位置は、膨張完了時のエアバッグ本体40における運転者Mの脛Lとの干渉位置の前方側から外れる位置に、配置されている。そのため、運転者Mの左右の脛Lが上下方向に略沿って配置されることから、実施形態の場合、それらの脛Lから外れる位置とすると、テザー57とテザー56とのガス流通孔58が上下で一致し、孔58Dの上方に孔58Aが配置され、孔58Eの上方に孔58Bが配置され、孔58Fの上方に孔58Cが配置されることとなる。
つぎに、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sの車両への搭載について述べる。まず、エアバッグ39を製造する場合には、乗員側・車体側壁部41・42をエアバッグ本体40の下縁40b側で連結させた状態の所定の布材を準備し、その布材におけるエアバッグ本体40の内周面40e側となる一方の乗員側・車体側壁部41・42に、各テザー56・57の前後方向の対応する縁を縫合し、ついで、エアバッグ本体40の下縁40b側を二つ折りしつつ、他方の車体側・乗員側壁部42・41に、各テザー56・57の前後方向の他方の縁を、縫合する。そしてさらに、各テザー56・57を前後方向の中間付近で折り、各テザー56・57の左右の縁を、それぞれ、二枚重ねとするともに、乗員側・車体側壁部41・42の外周縁相互を重ねて、壁部41・42の外周縁相互を、各テザー56・57の左右の縁と共縫いしつつ、縫合すれば、エアバッグ39を製造することができる。
なお、壁部41・42の外周縁相互の全周を縫合する前には、準備した布材に予め形成しておいた挿通孔44から保持部22を突出させ、挿通孔45からボルト21を突出させるようにして、エアバッグ本体40内にリテーナ19を収納させておく。
そして、エアバッグ本体40をテザー56・57とともに折り畳む。このエアバッグ本体40の折り畳み工程では、乗員側・車体側壁部41・42を重ねて平らに展開した状態から、ケース11に収納できるように、上下方向と左右方向との寸法を小さくするため、左右方向に沿った折目を付ける横折り工程と、上下方向に沿った折目を付ける縦折り工程と、を経て、折り畳んでおり、実施形態の場合、横折り工程では、上縁折り込み工程とロール折り工程とを行って、折り畳んでいる。
上縁折り込み工程では、図10のA・Bに示すように、エアバッグ本体40の膨張完了時の上縁40a側を、膨張完了時の下縁40b側に接近させるように、エアバッグ本体40内に折り込み、上縁40a側の乗員側壁部41と車体側壁部42とを、それぞれ、折り重ねて、上縁折り込み部位51を形成する。なお、このような乗員側壁部41と車体側壁部42とをそれぞれ単独で折り重ねて、縁40aをエアバッグ本体40内に入れ込む折り方は、通常、カクタス折りという。
また、この上縁折り込み工程では、X−X断面図に示すように、上縁40a側における下縁40b側に突出する折目51aを、上端のテザー56に当てて、上縁40aを折り込むように、構成すれば、エアバッグ本体40内へ折り込む上縁40a側の上下方向の長さ寸法、すなわち、上縁折り込み部位51の上下方向の長さ寸法L1を、エアバッグ39毎に、容易に安定させることができ、エアバッグ39の折り畳み時の作業効率を良好にすることができる。ちなみに、X−X断面図では、テザー56と上縁折り込み部位51の折目51aとに、隙間を開けて図示しているが、実際には、折目51aを、テザー56に当てて、テザー56が、下縁40b側に押し込まれて延びるように、折り畳んでいる。また、実施形態の場合、上縁折り込み部位51の長さ寸法L1は、約50mmとしている。
そして、上縁折り込み工程後のロール折り工程では、図10のB・Cに示すように、上縁折り込み行程後の状態の上縁52側を、車体側壁部42の側で、膨張完了時の下縁40b側に接近させるように、ロール折りして、ロール折り部位53を形成する。
ついで、図10のC・Dに示すように、左右方向の幅寸法を狭めるように、縦折り工程として、ロール折り部位53の左右両端53bを中央53aに接近させるように、折れば、エアバッグ本体40の折り畳みが完了する。
エアバッグ本体40の折り畳み完了後には、折り崩れ防止用の破断可能な図示しないラッピングフィルムにより、エアバッグ本体40をくるむ。このとき、挿通孔44・45から突出させたリテーナ19の保持部22やボルト21は、ラッピングフィルムから突出させておくとともに、ラッピングフィルムにおける流入用開口43の部位も、開けておく。
ついで、リテーナ19の保持部22とボルト21とを、それぞれ、ケース底壁部15に形成された挿通孔15a及び貫通孔15bから突出させるようにして、折り畳まれたエアバッグ39を、リテーナ19とともに、ケース11内に収納させる。そして、貫通孔15bから突出しているボルト21に、ナット24を螺合させる。
その後、頭部28側から保持部22に挿通させるようにして、インフレーター26の頭部28を、挿通孔17aを介して案内流路17内に挿入させ、そして、保持部22の各押圧片22aをインフレーター26に押し付けるようにかしめて、インフレーター26を保持部22から抜け不能に固定させれば、リテーナ19をケース底壁部15に対して固定でき、インフレーター26とエアバッグ39とをケース11に組み付けることができる。
その後、各係止爪部13の先端13aを各係止孔35c周縁に係止させるようにして、ケース11に、エアバッグカバー32を組み付ける。そして、ケース11の図示しない取付ブラケットを、ボディ側のインパネリインフォースメント等に取付固定し、同時に、リード線30を結線させたコネクタ29を、インフレーター26の本体部27に接続させる。その後、インパネ8やアンダーカバー9(図1・2・4参照)を取り付ければ、膝保護用エアバッグ装置Sを車両に搭載することができる。
エアバッグ装置Sの車両への搭載後、リード線30を経てインフレーター26の本体部27に作動信号が入力されれば、頭部28に形成されたガス吐出口28aから膨張用ガスGが吐出され、膨張用ガスGが、エアバッグ本体40の開口43を経て、エアバッグ本体40内に流入し、エアバッグ本体40は、図11・12に示すように、扉部38を押し開いて、ケース11の突出用開口11aから車両後方側へ突出し、さらに、折り畳み工程の折りを解消しつつ、上方へ展開膨張し、膨張を完了させることとなる。
その際、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、エアバッグ本体40の膝保護膨張部47の下方位置のテザー56・57が、複数のガス流通孔58の開口面積を調整されており、エアバッグ本体40の展開膨張時、図7に示すように、複数のガス流通孔58を経て膝保護膨張部47内に流入する膨張用ガスGの圧力が、左右方向に沿う各部位で略均等となることから、膝保護膨張部47が、膨張途中で接近している運転者Mの膝K付近と干渉しても、不必要に、その膝K付近を押圧せず、的確に、膝K付近を保護することができる。
特に、これらのガス流通孔58は、エアバッグ本体40の内周面40eから離れてエアバッグ本体40の内周面40eに接していないことから、開口面積の調整で、的確に、ガス圧を調整できる。ちなみに、ガス流通孔58の周縁の一部が、エアバッグ本体40の内周面40e自体から構成されていれば、そのガス流通孔58には、エアバッグ本体40の内周面40eにガイドされて通過する膨張用ガスが多量に発生し、開口面積の調整によるガス圧調整が行い難い。
そして、複数のガス流通孔58の開口面積を調整されたテザー56・57は、膨張完了時のエアバッグ本体40における収納部位としてのケース11から離脱した自由空間の位置に、配置されていることから、ケース11の内周面側に衝突して流れを変えた膨張用ガスGの影響を受けずに、整流させた状態で膨張用ガスGを、ガス流通孔58を経て、上方へ流すことができて、ガス圧を極力ばらつかせず、エアバッグ39毎に、膝保護膨張部47内のガス圧を、左右方向に沿う各部位で略均等とすることができる。
そしてまた、左右方向に沿って配設されているテザー56で区画されたエアバッグ本体40の下部部位48が、幅広く膨張した状態で、テザー56の上方側のエアバッグ本体40の上部部位47が、膨張し始めることから、エアバッグ本体40は、幅広く展開膨張して上方へ展開膨張することとなって、エアバッグ本体40の下部部位48側が、展開完了前に前進してくる運転者Mの膝Kの下方の脛L等を、クッション性良く、保護可能となる。
したがって、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、展開膨張途中のエアバッグ39の膝保護膨張部47内でのガス圧を、左右方向に沿う各部位で略均等にすることができて、接近している運転者Mの膝K付近を、的確に保護することができる。
そして、実施形態では、ガス流通孔58が、膨張完了時のエアバッグ本体40における運転者Mの脛Lとの干渉位置の前方側から外れる位置に、配置されている。そのため、テザー56・57のガス流通孔58の配置位置では、テザー56・57が前後方向に伸び易く、図8・9に示すように、乗員側・車体側壁部41・42相互の離隔距離を、他部より広げ、エアバッグ本体40の厚さを厚くすることが避け難いが、テザー56・57のガス流通孔58が、脛Lとの干渉位置から外れた位置に配置されていれば、脛Lを不必要に圧迫せずに、膝Kとともに、運転者Mの脛Lも、エアバッグ本体40によって、的確に保護することができる。
なお、ガス流通孔58が脛Lの前方側から外れる位置とは、脛Lを不必要に圧迫しない状態であればよいことから、ガス流通孔58の左右方向の中心が、脛Lの前方側へ突出する左右方向の中心から、左右方向に沿って、離れていれば、よく、そのため、例えば、脛Lの前方側への投影状態で、若干、ガス流通孔58の周縁の一部が、重なってもよい。
また、実施形態では、エアバッグ本体40内のテザー56・57が、上下に複数段、配設されており、各テザー56・57のガス流通孔58を通過する膨張用ガスGの整流作用を高めることができて、一層、展開膨張途中のエアバッグ本体40の膝保護膨張部47内でのガス圧を、左右方向に沿う各部位で均等にすることができる。さらに、膨張完了時のエアバッグ本体の厚さを、各部で規制できて、部分的な膨らみを無くして、膨張完了時のエアバッグ本体40の全体の板形状を、維持し易くなる。
勿論、上記の点を考慮しなければ、一段のテザーを配置させるだけでもよい。また、実施形態では、上段のテザー56に設けた複数のガス流通孔58に関し、開口形状と開口面積とを等しく設定したが、膝保護膨張部47における左右方向に沿った各部のガス圧の均等化のために必要であれば、開口面積を調整してもよいことは勿論である。
さらに、実施形態のエアバッグ39では、膨張完了時におけるエアバッグ本体40の下縁40b側から少なくとも膝保護膨張部47の直下までのエリアが、上縁52側を車体側壁部42の側でロール折りするロール折り工程を経て、折り畳まれている。そのため、実施形態のように、上下方向に複数段配設されるテザー56・57のガス流通孔58が、上下方向で一致することとなっても、折りの解消時、ロール折りの巻きを解く状態となって、膨張用ガスGが、ロール折り部位53に邪魔されて、上方位置のガス流通孔58に、直接的に進入し難くなり、膝保護膨張部47での左右方向に沿う各部位でガス圧を略均等にする作用・効果を阻害しない。さらに、このロール折り部位53は、上縁52側を車体側壁部42の側でロール折りして形成しており、折りを解消させて上方への展開する際、運転者Mと車体6との間が狭くとも、運転者M側への突出を抑えて、車体6側に接近して展開を完了させ易い。
さらに、実施形態の場合には、ロール折り工程の前に、膝保護膨張部47の上縁40a側を、エアバッグ本体40の下縁40b側に接近させるように、エアバッグ本体40内に折り込む上縁折り込み工程を設けて、エアバッグ本体40を折り畳んでいる。そのため、エアバッグ本体40の上縁40a付近の乗員側壁部41と車体側壁部42とが、車両の前後方向で折り重ねられているだけであり、ロール折りと相違して、膨張用ガスGで押されて、上縁40aが上方へ突出し易く、折りの解消が素早く行われる。さらに付言すると、エアバッグ本体40内に折り込まれた上縁40aの周囲の乗員側壁部41と車体側壁部42とが、それぞれ、膝K付近や車体6に接触して、摩擦抵抗が大きくとも、それらの膝K付近や車体6と、直接、接触していない状態のエアバッグ本体40の上縁40aは、容易に、素早く上方へ突出する。そのため、エアバッグ本体40における膝K付近と干渉する展開膨張時の上縁40a側のエリア47が、上縁40aをエアバッグ本体40内に折り込んでいれば、運転者Mの膝K付近が膝保護用エアバッグ装置Sに極めて接近していても、エアバッグ本体40の上縁40a側が、膨張用ガスGの流入により、その膝K付近と車体6との間の狭い隙間に容易に侵入して、展開を完了させ、そしてさらに、膨張用ガスGの流入によって、厚く膨張し、的確に、膝K付近を保護することができる。
なお、上縁折り込み工程を行わず、エアバッグ39の横折り工程をロール折り工程だけで行った場合では、図12の括弧書きに示すように、エアバッグ本体40の上縁40a側が、ロール折りを完全に解消しない状態で、エアバッグ本体40が極めて接近している運転者Mの膝K付近と干渉すれば、その際、エアバッグ本体40の上縁40aに連なって車両後方側に位置する膨張用ガスGの下流側部位40gが、膨らみ、膝K付近と車体6との間で、エアバッグ本体40の上縁40aとその上縁40aに連なる膨張用ガスGの下流側部位40gとが挟まり、さらに、エアバッグ本体40の上縁40aが、摩擦等によって、車体6と下流側部位40gとの間から抜けなければ、下流側部位40gの膨張と上縁40a自体の膨張とによって、運転者Mの膝K付近と干渉しているエアバッグ本体40の部位が、厚く膨らみ、運転者Mの膝K付近を車両後方側へ押す事態を招いてしまい、好ましくない。
そしてまた、実施形態では、エアバッグ本体40が、膨張用ガスGを、膨張完了時のエアバッグ本体40の下縁40b側における左右方向の一方の右縁40d側から、偏って流入させるように、構成されているものの、テザー57のガス流通孔58D・58E・58Fが、開口面積を、膨張用ガスGの流入位置に近い側を小さく、膨張用ガスGの流入位置から離れる側を大きくするように、調整して、配設させている。
このような構成では、実施形態のように、エアバッグ39を収納する収納部位としてのケース11に対して、ガス吐出口28aを端部側に配置させたシリンダタイプのインフレーター26を、その軸方向をケース11の左右方向に沿わせて、保持させる構成の膝保護用エアバッグ装置Sに適用できる。すなわち、実施形態のような膝保護用エアバッグ装置Sでは、ケース11の外側に、もしくは、エアバッグ本体40内に、インフレーター26を設けても、インフレーター26の軸方向端部側から流入する膨張用ガスGが、膨張完了時のエアバッグ本体40の下縁40b側における左右方向の一方の右縁40d側から、偏って流入することとなるが、その場合でも、展開膨張途中のエアバッグ本体40の膝保護膨張部47内でのガス圧を、左右方向に沿う各部位で略均等にすることができて、接近している運転者Mの膝K付近を、的確に保護することができる。
そして、このような膝保護用エアバッグ装置Sでは、シリンダタイプのインフレーター26を使用して、ケース11の左右方向の幅寸法内に、インフレーター26を配設させることができることから、上下方向の高さを小さくして、コンパクトに構成することができる。
また、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、エアバッグ本体40内に、展開膨張完了時のエアバッグ本体40を略板状に維持可能に、乗員側・車体側壁部41・42相互を連結する厚さ規制用の複数のテザー56・57が、上下方向に並設されるとともに、それぞれ、左右方向に沿って配設されており、上縁折り込み工程時、エアバッグ本体40の上縁折り込み部位51の折目51aを、上端のテザー56に当てて、上縁40a側を折り込んでいる。そのため、上縁折り込み工程で形成する上縁折り込み部位51の上下方向の長さ寸法L1を、エアバッグ39毎に、容易に安定させることができ、エアバッグ39の折り畳み時の作業効率を良好にすることができる。
なお、実施形態では、収納部位としてのケース11に収納できるように、左右方向の幅寸法を狭める縦折り工程を、横折り工程後に行っているが、縦折り工程は、横折り工程の前、あるいは、上縁折り込み工程とロール折り工程との間、に行ってもよく、さらに、ケース11の左右方向の幅寸法が大きければ、縦折り工程を行わなくともよい。
また、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、インフレーター26の頭部28を覆うとともに、ガス吐出口28aからの膨張用ガスGをエアバッグ本体40の流入用開口43に案内させる案内流路17を、ケース11に設けた場合を示したが、リテーナ19に、底壁部15の挿通孔15cやエアバッグ開口43を挿通させるようにして、頭部28を覆う案内流路17を設けてもよい。
さらに、実施形態の膝保護用エアバッグ装置Sでは、インフレーター26をケース11の外側に配置しており、取り扱いに注意を要するインフレーター26をエアバッグ本体40内に収納することなく、エアバッグ本体40の折り畳みを行えることから、エアバッグ本体40の折り畳みの自動化を、容易に行うことができる。勿論、この点を考慮しなければ、技術文献1等に記載されているように、従来と同様に、エアバッグ本体40内にインフレーター26を収納して、エアバッグ本体40を折り畳んで、インフレーター26ととともに、エアバッグ本体40をケース11内に収納するように構成してもよい。
さらにまた、実施形態では、運転者M用の膝保護用エアバッグ装置Sについて例示したが、本発明の膝保護用エアバッグ装置は、助手席の前方側に搭載してもよい。
本発明の一実施形態である膝保護用エアバッグ装置の使用状態を示す車両前後方向の概略縦断面図である。 膝保護用エアバッグ装置の車両前後方向の概略拡大縦断面図であり、図3のII−II部位を示す図である。 図2のIII−III部位の概略横断面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置の使用状態を示す車両後方側から見た概略正面図である。 実施形態で使用するエアバッグの正面図である。 リテーナを収納したエアバッグを、単体で膨張させた縦断面図であり、図5のVI−VI部位に対応する。 エアバッグを単体で膨張させた縦断面図であり、図6のVII−VII部位に対応する。 エアバッグを単体で膨張させた横断面図であり、図5のVIII−VIII部位に対応する。 エアバッグを単体で膨張させた横断面図であり、図5のIX−IX部位に対応する。 実施形態のエアバッグの折り畳み工程を説明する図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置の作動時の状態を示す概略縦断面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置の作動完了時の状態を示す概略縦断面図である。
符号の説明
11…(収納部位)ケース、
39…エアバッグ、
40…エアバッグ本体、
40a…上縁、
40b…下縁、
40e…内周面、
41…乗員側壁部、
42…車体側壁部、
47…膝保護膨張部、
48…脛保護膨張部、
56・57…テザー、
58(58A・58B・58C・58D・58E・58F)…ガス流通孔、
G…膨張用ガス、
K(KL・KR)…膝、
L…脛、
M…乗員、
S…膝保護用エアバッグ装置。

Claims (6)

  1. 乗員の膝を保護可能に、膨張用ガスを流入させて、収納部位から車両後方側へ突出するとともに上方へ展開膨張する構成として、
    膨張完了時の乗員側に位置する乗員側壁部と、車体側に位置する車体側壁部と、を有するエアバッグ本体と、
    前記乗員側壁部と前記車体側壁部とを連結して前記エアバッグ本体の膨張完了時の厚さを規制するテザーと、
    を備えてなるエアバッグ、
    を具備して構成される膝保護用エアバッグ装置であって、
    前記エアバッグ本体が、膨張完了時の上縁側に、膝保護膨張部を配設させるように構成され、
    前記テザーが、膨張完了時の前記エアバッグ本体における前記収納部位から離脱した位置とした前記膝保護膨張部の下方で、前記エアバッグ本体内を上下に区画するように、左右方向に沿って前記エアバッグ本体の内周面の全域に連結されるとともに、複数のガス流通孔を有して、配設され、
    複数の前記ガス流通孔が、前記膝保護膨張部内での前記膨張用ガスのガス圧を左右方向に沿う各部位で略均等とするように、開口面積を調整され、かつ、前記エアバッグ本体の内周面から離れて、配設されていることを特徴とする膝保護用エアバッグ装置。
  2. 前記ガス流通孔が、膨張完了時の前記エアバッグ本体における乗員の脛との干渉位置の前方側から外れる位置に、配置されていることを特徴とする請求項1に記載の膝保護用エアバッグ装置。
  3. 前記テザーが、上下に複数段、配設されていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の膝保護用エアバッグ装置。
  4. 膨張完了時における前記エアバッグ本体の下縁側から少なくとも前記膝保護膨張部の直下までのエリアが、上縁側を前記車体側壁部の側でロール折りするロール折り工程を経て、折り畳まれていることを特徴とする請求項3に記載の膝保護用エアバッグ装置。
  5. 前記ロール折り工程の前に、前記膝保護膨張部が、上縁側を前記エアバッグ本体の下縁側に接近させるように前記エアバッグ本体内に折り込む上縁折り込み工程を経て、折り畳まれていることを特徴とする請求項4に記載の膝保護用エアバッグ装置。
  6. 前記エアバッグ本体が、前記膨張用ガスを、膨張完了時の前記エアバッグ本体の下縁側における左右方向の一方の縁側から、偏って流入させるように、構成されて、
    少なくとも最下端に位置する前記テザーにおける複数の前記ガス流通孔が、開口面積を、前記膨張用ガスの流入位置に近い側を小さく、前記膨張用ガスの流入位置から離れる側を大きくするように、調整して、配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の膝保護用エアバッグ装置。

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