JP2005288719A - 検証部付スクラッチ印刷物およびその検証方法 - Google Patents

検証部付スクラッチ印刷物およびその検証方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特に複雑なゲーム等で、消費者には検証部がわからず、その当落等が容易に正確に検証することができ、さらに、故意に或いは不用意にゲーム部の一部が破壊されたとしても、その当落等が容易に検証できる検証部付スクラッチ印刷物の提供にある。
【解決手段】基材30の片面に、ゲームを構成する可変情報データ10の印字でなるゲーム部100と、可変情報データ10の当落等を表す検証データ20の印字でなる検証部200とを有するもので、前記ゲーム部100及び検証部200では、可変情報データ10及び検証データ20を覆うように易剥離層32を介してスクラッチ隠蔽層34が施され、検証部200を構成する検証データ20は、透明性に優れる蛍光インキで印字されている検証部付スクラッチ印刷物1とするものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、インスタント抽選付商品等の抽せんコードの如き機密の個別データをスクラッチ隠蔽層で隠蔽してあるスクラッチ印刷物に関するものであり、特に、機密の個別データが複雑なゲームにも利用できる印刷物の個別のデータであり、この個別データの当落等の検証に用いる検証部が付いた検証部付スクラッチ印刷物とその検証方法に関するものである。
従来、例えば、インスタント抽選券やゲーム用のカードなどにおいて、「当たり」、「外れ」あるいはそれに該当する絵柄などの機密の個別データを隠蔽するために、隠蔽性とスクラッチオフ性(引っ掻き落とし易さ性)を有するインキによりその機密の個別データを隠蔽し、購入した顧客がその使用に際し、コイン等でスクラッチオフして機密の個別データを視認するスクラッチ印刷物が知られ、種々の分野で利用されている。
上記のスクラッチ隠蔽層が施された印刷物として、例えば図6の積層断面図に示すように、用紙などでなる基材(30)の上に絵柄、文字、数字などの機密個別データ(11)が印刷されていて、その機密個別データ(11)を覆うように透明な剥離ニスなどによる易剥離層(32)が形成され、その易剥離層(32)の上にアルミニウム粉末等を含むスクラッチ隠蔽層(34)が施されているものがあり、このスクラッチ印刷物を購入した顧客がコインや爪等でスクラッチ隠蔽層(34)をスクラッチオフ(引っ掻き落とすこと)して、「当たり」、「外れ」など、あるいはそれに該当する絵柄などの機密個別データ(11)を目視で認識できるようになっている。
しかし、上記スクラッチ印刷物の機密個別データとして、比較的単純な「当たり」、「外れ」のみの情報であれば問題はないが、近年この機密個別データとして複雑なゲームが多くなり、例えば高額券などの等級に応じてゲームを複雑にし、「当たり」、「外れ」等がすぐには判らないようなゲーム性の豊かなゲームがあり、また、ビンゴ等1枚の券(カード等)で多くの時間楽しめるような券が要望されている。
このように、その個別データが複雑なゲームとなると、例えば売り場等で「外れ」券と「当たり」券とを勘違いし、換金してしまったり、等級(例えば1等、2等)を間違えて支払ったりするという問題がある。
また、複雑なゲームでは、「当たり」、「外れ」等が判りにくく、その鑑定に多くの時間を要するという問題点がある。
また、図7に示すように、例えば「好きな数字を足して100なら1000万」というスクラッチゲームで、スクラッチしたら左端列の最下段の数字が「07」であったものを、故意に破壊して「01」で「当たり」であったはずといって換金に来るというケース、あるいはスクラッチした際、不用意に左端列の最下段の数字が破壊してしまったが「当たり」であったのではないかといって当落の鑑定を依頼してくるケースなどがあり、これらの場合のいずれでも、この破壊された部分(50)の検証は、ほぼ不可能かあるいは長時間を要するものであった。
さらにまた、図8に示すように、例えば可変個別データ(10)が印字されているスクラッチ部をゲーム部(100)とし、別の箇所にスクラッチできる箇所を設け、そこに「当たり」、「外れ」等の検証データ(20)を印字しておき、この部分を検証部(200
0)とする検証部付スクラッチ印刷物もあるが、このシステムを知った者は、ゲーム自体を楽しまず検証箇所のみをスクラッチして換金に来たり、また検証箇所を壊して、鑑定困難とするという問題点があった。
本発明は、かかる従来技術の問題点と他方抽せんやゲームを提供する側はそれらの要望点を解決するものであり、その課題とするところは、抽せんやゲーム等の当落等に関わる機密性を要する可変個別データと、該可変個別データの当落等を検証する検証データを隠蔽性とスクラッチオフ性(引っかき易さ)のインキで隠蔽されているスクラッチ印刷物において、当落や等級等が容易に正確に検証(判読)することができ、抽せんやゲーム(以下では、まとめてゲームと称する)の当落とか等級に代表される事項の検証(判読)の仕組みが一般の消費者にはわからず、ゲームのおもしろさを損なわれないように工夫され、かつ種々のセキュリティ性が保持され、さらに、故意にあるいは不用意にゲーム部の一部が破壊されたとしても、その当落等が容易に検証できる検証部付スクラッチ印刷物とその検証方法を提供することにある。
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、基材の片面に、可変情報データが印字されているゲーム部と、前記可変情報データの当落等を表す検証データが印字されている検証部とを有し、該ゲーム部では可変情報データを、また該検証部では検証データをそれぞれ覆うように易剥離層を介してスクラッチ隠蔽層が施されている検証部付スクラッチ印刷物において、前記可変情報データは、有色インキで印字され、前記検証データは、無色透明か又は淡い色であって可視光以外の光の照射によって蛍光を発する蛍光インキで印字されていることを特徴とする検証部付スクラッチ印刷物としたものである。
また、請求項2の発明では、上記検証データは、暗号化されていることを特徴とする請求項1記載の検証部付スクラッチ印刷物としたものである。
また、請求項3の発明では、上記可変情報データを印字する有色インキと検証データを印字する蛍光インキとは同一の印字機で印字可能な印刷特性をもつインキであることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の検証部付スクラッチ印刷物としたものである。
また、請求項4の発明では、上記基材には、遮光層が施されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の検証部付スクラッチ印刷物としたものである。
また、請求項5の発明では、上記ゲーム部および検証部のスクラッチ隠蔽層上の全面に白色隠蔽層を介して印刷柄層が施されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の検証部付スクラッチ印刷物としたものである。
さらにまた、請求項6の発明では、上記請求項1乃至5のいずれかに記載の検証部付スクラッチ印刷物を検証する方法であって、前記検証部のスクラッチ隠蔽層をスクラッチオフし、そこに前記蛍光インキが蛍光を発する光を照射することにより検証データを確認するステップを経て前記検証を行うことを特徴とする検証部付スクラッチ印刷物の検証方法としたものである。
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上記請求項1に係る発明によれば、基材の片面に、可変情報データが印字されているゲーム部と、前記可変情報データの当落等を表す検証データが印字されている検証部とを有し、該ゲーム部では可変情報データを、また該検証部では検証データをそれぞれ覆うように易剥離層を介してスクラッチ隠蔽層が施されている検証部付スクラッチ印刷物において、前記可変情報データは、有色インキで印字され、前記検証データは、無色透明か又は淡い色であって可視光以外の光の照射によって蛍光を発する蛍光インキで印字されているので、消費者は、検証部の存在には気付かずにゲーム部をスクラッチオフすることによって、このゲームを十分に楽しむことができ、さらに消費者が検証部をスクラッチオフしたとしても印字内容を単なる目視では視認できないので当落等が判らず、かつこのシステムが不明なので検証部を意図的に破壊するという行為も起こらない検証部付スクラッチ印刷物とすることができる。
さらにまた、前記検証データが蛍光インキで印字されているので、その当落等の検証は、売り場等において、代表例として紫外線を照射することにより(例えば、ブラックランプ付専用検証機等で)検証データが蛍光のために可視化されて容易に判読することができ、換金等の間違いや誤払いの低減に有効な検証部付スクラッチ印刷物とすることができる。
また、上記請求項2に係る発明によれば、上記検証データを、乱数表などを使用して暗号化することによって、「当たり」、「外れ」、等級等がばれにくくなり、セキュリティ性をより高くすることができる。
また、上記請求項3に係る発明によれば、上記可変情報データを印字する有色インキと検証データを印字する蛍光を発する蛍光インキとを、同一の印字機、例えばインクジェットプリンターやレーザープリンター(電子写真方式)で印字可能なインクジェット用インキや電子写真用トナーとすることによって、可変情報データと検証データとを同一の印字機で同時に印字することができ、両データの不一致による不具合がなくなるというメリットを有する検証部付スクラッチ印刷物とすることができる。
また、上記請求項4に係る発明によれば、基材に遮光層を施すことによって、スクラッチオフ前のゲーム部の可変情報データおよび検証部の検証データが強い光をかざすと、反対側から視認されてしまう如き、セキュリティに欠ける危惧のない検証部付スクラッチ印刷物とすることができる。
また、上記請求項5に係る発明によれば、上記ゲーム部および検証部のスクラッチ隠蔽層上の全面に白色隠蔽層を介して印刷柄層を施すことによって、消費者には検証部のスクラッチ隠蔽層の存在すら判らないようにし、かつこの印刷物のデザイン性を向上させた検証部付スクラッチ印刷物を提供できる効果がある。
さらにまた、上記請求項6に係る発明によれば、上記請求項1乃至5のいずれかに記載の検証部付スクラッチ印刷物を検証する方法であって、前記検証部のスクラッチ隠蔽層をスクラッチオフし、そこに前記蛍光インキが蛍光を発する光を照射することにより検証データを確認するステップを経て、前記検証を行うので、売り場等における検証データが蛍光のために可視化されて容易に判読することができ、換金等の間違いや誤払いの低減に有効な検証部付スクラッチ印刷物の検証方法とすることができる。
従って本発明は、抽せんやゲーム等の個別データがスクラッチ隠蔽層で隠蔽された、特には複雑なゲーム等でも利用できるスクラッチ印刷物の如き用途において、優れた実用上の効果を発揮する。尚もし当該検証データが印刷されていなかった場合には、そのスクラ
ッチ印刷物が偽造である可能性が高いと判断でき、、偽造の発見にも有用である。
以下本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の検証部付スクラッチ印刷物の一事例を表す正面図であり、図2は、本発明の検証部付スクラッチ印刷物を検証した他の一事例を表す正面図であり、図3は、本発明の検証部付スクラッチ印刷物の一事例を表す積層側断面図であり、図4は、本発明の検証部付スクラッチ印刷物を用いた時の一事例を示す積層側断面図である。また、図5は、本発明の検証部付スクラッチ印刷物を不正行為をしたときの一事例を示す正面図である。
上記本発明は、例えば図1(a)に示すように、基材(30)上にゲーム部(100)と、それに隣接する検証部(200)とを有し、そのゲーム部(100)では、ゲーム等を構成する多数の可変情報データ(10)が印刷データを印刷物1枚ごとに可変な印刷機で印字されていて、この上に易剥離層を介してスクラッチ隠蔽層(34)が施されている。この可変情報データ(10)はスクラッチ隠蔽層をスクラッチオフしないと視認できないようになっている。また、このゲーム部(100)の例えば近くに配された検証部(200)では、この可変情報データ(10)の当落や等級等を表す検証データ(図示せず)が印字されていて、この上に易剥離層を介してスクラッチ隠蔽層(34)が施されているもので、消費者にはこの検証データ(図示せず)が視認できないようになっている。
そこで、上記請求項1に係る発明では、図1(a)に示すように、ゲーム部(100)を構成する可変情報データ(10)は、有色インキ、好ましくは黒色系のインキで印字されていて、もう一方の検証部(200)を構成する検証データ(20)は、透明性の蛍光インキで印字されている検証部付スクラッチ印刷物(1)である。
この検証部付スクラッチ印刷物(1)を購入した消費者がゲーム部(100)をコイン等でスクラッチオフすると、有色の可変情報データ(10)が現れ、この可変情報データ(10)に従いゲームを楽しんだ後、このゲームの当落や等級等の検証を販売所等に持ち込み、販売所等では検証部(200)をスクラッチオフした後、例えば図1(b)に示すように、ブラックランプ(70)付検証機を用いると、透明性を有する蛍光インキが発光し、検証データ(20)が「当たり」として現れることによって、このゲームの当落の検証を正確に判読・検証され、その検証データ(20)に従い換金等を受けるシステムとするものである。
このように、検証データ(20)が、透明性の蛍光インキで印字されているので、たとえ消費者が検証部(200)の存在に気付き、検証部(200)をスクラッチオフしたとしても、検証部(200)の印字内容を視認できないので当落等が判らず、かつこの仕組み自体が不明なので検証部(200)の検証データ(20)を意図的に破壊するという行為も起こらないようにしたものである。
また、上記請求項2に係る発明では、検証部(200)内の検証データ(20)を、「当たり」、「外れ」のような単純な文字から、乱数表等を利用して「A」は「当たり」、「B」は「外れ」などに暗号化し、例えば図2に示すように、「A」は「当たり」としたもので、万が一このシステムが認識され、消費者がスクラッチ隠蔽層をスクラッチオフし、ブラックランプ(70)を用いて視認したとしても簡単には当落等が判らないようにしたものである。
また、上記請求項3に係る発明は、図1(b)に示すように、例えばゲーム部(100
)を構成する可変情報データ(10)を印字する有色インキと、検証部(200)を構成する検証データ(20)を印字する透明性を有する蛍光インキとを、同一のインクジェットプリンター(但し両データ用のノズル部を有する)で印字可能なインクジェット用インキとすることを特徴とする検証部付スクラッチ印刷物(1)である。
上記インクジェットプリンターに代え、例えばレーザー光による印字即ち電子(写真)式トナー(インキ)の転写方式で有色の可変情報データ(10)および透明性に優れる蛍光トナー(インキ)でなる検証データ(20)とすることもできる。
このように、同一のプリンターで用いることのできるインキ(インキジェット用インキや電子写真用トナー)とすることによって、有色の可変情報データ(10)と蛍光色の検証データ(20)とを同一のプリンターで同時に印字することができ、よって、両データ(10、20)の不一致による不具合(トラブル等)がなくなるというメリットを有するものとすることができる。
また、上記請求項4に係る発明は、例えば図3(a)に示すように、検証部付スクラッチ印刷物(1)を構成する基材(30)の裏面全面に遮光層(30a)が印刷されているものである。
上記遮光層(30a)を、例えば図3(b)に示すように、ゲーム部(100)を構成する有色の可変情報データ(10)が印字されている基材(30)の裏面にのみ印刷されているものとすることもできる。これは、検証部(200)を構成する検証データ(20)として透明性に優れる蛍光インキで印字されているので、遮光層(30a)は不必要であるためである。
また、基材(30)に施す遮光層(30a)として、例えば図3(c)に示すように、2枚の上質紙等の間に遮光紙を遮光層(30a)として積層した基材(30)とすることもできる。
上述した図3(a)、(b)および図3(c)に示すように、遮光層(30a)が施された基材(30)とすることによって、例えば強い光を与えて、その反対側から見てもスクラッチオフ前のゲーム部(100)の可変情報データ(10)や検証部(200)の当落等を表す検証データ(20)を不正に視認することができない信頼性をより向上させた検証部付スクラッチ印刷物(1)とすることができる。
さらにまた、上記請求項5に係る発明は、図3(a)、(b)、および図3(c)に示すように、ゲーム部(100)を構成する可変情報データ(10)および検証部(200)を構成する検証データ(20)上のスクラッチ隠蔽層(34)を覆うように、全面に白色隠蔽層(37)を施し、その上に印刷柄層(38)を施した検証部付スクラッチ印刷物(1)とするものである。
このように、ゲーム部(100)および検証部(200)のスクラッチ隠蔽層(34)上に白色隠蔽層(37)を施すことによって、消費者には検証データ(20)が印字されている検証部のスクラッチ隠蔽層(34)の存在すら判らないようにし、かつこの白色隠蔽層(37)によってこの上に印刷で例えばゲームの内容等を表す印刷柄層(38)を施すことができ、この検証部付スクラッチ印刷物(1)のデザイン性をも向上させたものとすることもできる。
上記本発明の検証部付スクラッチ印刷物(1)をさらに詳しく説明すると、図3(a)に示すように、例えば坪量150〜200g/m2 程度の上質紙を基材(30)とし、
その裏面には黒色インキ等で遮光層(30a)が印刷されていて、その表面には多孔質の体質顔料を主体とした白色のインキ受理層(31)が塗布されている。
上記インキ受理層(31)を生成する多孔質の体質顔料としては、例えば、アルミナ白、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ケイソウ土、ケイ酸カルシウムなどの白色顔料が挙げられ、これら体質顔料10〜25重量%を、例えばオフセット用メジウム(ロジン変性フェノール樹脂、大豆油、亜麻仁油、鉱物油等ビヒクルにドライヤーや酸化抑制剤等の添加剤でなる)に分散させたオフセットインキで印刷し、厚さ1〜5μm程度のインキ受理層(31)とすることができる。上記オフセット用メジウムに代え、グラビア用メジウム、あるいはスクリーン印刷用、ロールコート用等とし、それぞれの方式で印刷または塗工することもできる。
このインキ受理層(31)上のゲーム部(100)に相当するヶ所にインクジェット方式により、このゲームに従った可変情報データ(10)が、有色のインキ、例えば、有色顔料5〜15%程度を1リットルの水とエマルジョン樹脂でなる溶媒に分散させた水性のインクジェット用インキで印字され、同時にインキ受理層(31)上の検証部(200)に相当するヶ所にゲーム部(100)と同方式で有機蛍光顔料を色材とした水性のインクジェット用インキにて、このゲーム部(100)を構成する可変情報データ(10)に連動した当落等を表す検証データ(20)が印字される。
上記水性のインクジェット用インキは、ノズルの詰まり等に安定性があり、このインクジェット用インキを構成する有色顔料としては、水と親和性のよいものが好ましく、具体的には、黒色用として、例えばファーネスブラック、アセチレンブラック等カーボンブラックやアニリンブラック等有機顔料が挙げられ、他の各色用として、例えばピグメントイエロー、ジアゾイエロー(以上黄色用)、ブリリアントカーミン6B、キクナクリドンマゼンタ(以上マゼンタ用)、フタロシアニンブルーG、E(以上シアン用)等およびこれら混合が挙げられ、これら顔料の粒径は、インクジェット方式に使用されるため、ノズルの詰まり防止を考慮すると、また着色性やインキの経時的な分散安定性を考慮すると小さい方が好ましく、平均粒径が10nm〜200nm、最大粒径が500nm以下のものが好ましく用いられる。
また、上記検証データ(20)の印字に使用するインクジェット用インキを構成する蛍光顔料としては、蛍光染料と合成樹脂固溶体でなる顔料を用い、その蛍光染料には、昼光下では黄色を、ブラックランプ(70)下では緑から黄緑色を呈するブリリアントスルホフラビンFF、チオフラビン、ベーシックイエローあるいはフルオレセインなどが挙げられ、これら顔料1〜10%程度を1リットルの水とエマルジョン樹脂でなる溶媒に分散させた水性のインクジェット用インキが好適に用いられる。
また、上記インクジェット用インキを構成するエマルジョン樹脂としては、例えばポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール等数多くの樹脂が挙げられ、上記有色顔料や蛍光顔料等の基材に対する結着材の役割も果たすものである。
さらにゲーム部(100)および検証部(200)では、可変情報データ(10)および検証データ(20)を覆うように、例えばポリウレタンアクリル樹脂にシリコンを5%程度添加した剥離ニスをグラビア方式等で塗布して厚さ3〜10μmの易剥離層(32)を形成し、さらにその上に、SBR樹脂にアルミニウム粉末を添加したスクラッチインキをスクリーン印刷方式で厚さ3〜10μmのスクラッチ隠蔽層(34)が形成される。
続いて、上記で得られたゲーム部(100)および検証部(200)でのスクラッチ隠
蔽層(34)上の全面にチタン白を主体とする顔料でなる白色インキをオフセット印刷あるいはグラビア印刷方式で白色隠蔽層(37)を施し、その上にオフセット印刷等で印刷柄層(38)が形成された検証部付スクラッチ印刷物(1)とするものである。
上記のような構成の検証部付スクラッチ印刷物(1)を購入した消費者は、このゲームのメッセージ(ゲーム部のヶ所をスクラッチオフすること)に従い、ゲーム部(100)をコイン等でスクラッチオフすると、例えば図4(a)に示すように、ゲーム部(100)のスクラッチ隠蔽層とともに白色隠蔽層(37)と印刷柄層(38)が剥がされて、透明な易剥離層(32)を通して可変情報データ(10)が視認できるようになる。
また、例えば消費者が、これに隣接している検証部(200)に気がついて、図4(b)に示すように、この検証部(200)をスクラッチオフしても、検証データ(20)が透明性の高い蛍光インキで印字され、しかも暗号化までされているので視認は不可能で、かつその存在すら判らないようになっているものである。
また、本発明では、図3(a)に示すように、例えば検証部(200)およびゲーム部(100)の基材(30)上にレーザー光による印字即ち電子(写真)式トナー(インキ)の転写方式で検証データ(20)および可変情報データ(10)を印字することもできるが、この場合は、図3(a)に示すようなインクジェット方式による印字の場合のようにインキ受理層(31)は不必要である。なお、その他の印字方式として、例えばサーマルヘッドによる感熱リボン転写方式(この場合のリボンにはカーボンブラックや蛍光染料を主体とする顔料が含まれる転写層が形成されている)、ドットインパクト方式などが挙げられ、これらいずれの方式でもインキ受理層(31)は不必要であるる。
以上のような構成の検証部付スクラッチ印刷物(1)は、消費者には当落等を表す検証データ(20)は視認できないが、販売所等のブラックランプ(70)付専用検証機では容易にかつ正確に当落等の検証が可能とするものである。即ち、図5に示すように、例えば「好きな数字を足して100なら1000万」という検証部付スクラッチ印刷物(1)で、ゲーム部(100)をスクラッチしたら左端列の最下段の数字が「07」であったものを、故意に破壊して「01」で「当たり」であったはずといって換金に来るというケースでも、販売所等でこのゲーム部(100)に隣接する検証部(200)をスクラッチオフし、ブラックランプ(70)付専用検証機で「外れ」あるいはその暗号「B」という検証データ(20)が判読され、この破壊された部分(50)が「01」ではなかったことが判明され、このような不正行為を防止することもできる。
また、不用意に破壊された場合でも容易にかつ正確に検証データ(20)を判読できる検証部付スクラッチ印刷物(1)とすることができる。
本発明の検証部付スクラッチ印刷物の一実施の形態を示すもので、(a)は、その正面図であり、(b)は、その検証部をスクラッチオフシ、検証したときの正面図である。 本発明の検証部付スクラッチ印刷物の他の一実施の形態を示す正面図である。 本発明の検証部付スクラッチ印刷物を示すもので、(a)は、その一事例を示す側断面図であり、(b)は、他の一事例を示す側断面図であり、(c)は、更に他の一事例を示す側断面図である。 本発明の検証部付スクラッチ印刷物の他の一事例の使用中の側断面図であり、(a)は、ゲーム中であり、(b)は、不正使用中を表している。 本発明の検証部付スクラッチ印刷物を不正使用した一事例を示す正面図である。 従来のスクラッチ印刷物の一事例を側断面で表した説明図である。 従来のスクラッチ印刷物を使用した一事例を説明する正面図である。 従来のスクラッチ印刷物の他の一事例を説明する正面図である。
符号の説明
1‥‥検証部付スクラッチ印刷物
10‥‥可変(個別)情報データ
11‥‥機密個別データ
20‥‥検証データ
30‥‥基材
30a‥‥遮光層
31‥‥インキ受理層
32‥‥易剥離層
34‥‥スクラッチ隠蔽層
36‥‥黒色隠蔽層
37‥‥白色隠蔽層
38‥‥印刷柄層
50‥‥破壊された部分
70‥‥ブラックランプ
100‥‥ゲーム部
200‥‥検証部

Claims (6)

  1. 基材の片面に、可変情報データが印字されているゲーム部と、前記可変情報データの当落等を表す検証データが印字されている検証部とを有し、該ゲーム部では可変情報データを、また該検証部では検証データをそれぞれ覆うように易剥離層を介してスクラッチ隠蔽層が施されている検証部付スクラッチ印刷物において、前記可変情報データは、有色インキで印字され、前記検証データは、無色透明か又は淡い色であって可視光以外の光の照射によって蛍光を発する蛍光インキで印字されていることを特徴とする検証部付スクラッチ印刷物。
  2. 上記検証データは、暗号化されていることを特徴とする請求項1記載の検証部付スクラッチ印刷物。
  3. 上記可変情報データを印字する有色インキと検証データを印字する蛍光インキとは同一の印字機で印字可能な印刷特性をもつインキであることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の検証部付スクラッチ印刷物。
  4. 上記基材には、遮光層が施されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の検証部付スクラッチ印刷物。
  5. 上記ゲーム部および検証部のスクラッチ隠蔽層上の全面に白色隠蔽層を介して印刷柄層が施されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の検証部付スクラッチ印刷物。
  6. 上記請求項1乃至5のいずれかに記載の検証部付スクラッチ印刷物を検証する方法であって、前記検証部のスクラッチ隠蔽層をスクラッチオフし、そこに前記蛍光インキが蛍光を発する光を照射することにより検証データを確認するステップを経て前記検証を行うことを特徴とする検証部付スクラッチ印刷物の検証方法。
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