JP2005288694A - 包装材料用積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属蒸着時に耐熱性を有し、積層体の他の部材との接合性に優れるプラスチックを原料とした金属蒸着フィルムを一部材とする包装物の外観に金属調の高級感を与え、バリア性が良好な包装材料用積層体を提供する。
【解決手段】印刷層(A)、メタロセン触媒を用いることにより製造される直鎖状低密度ポリエチレンにアルミニウム(AL)を真空蒸着したポリエチレン層(B)、紙層(C)及び上記ポリエチレンにALを蒸着したポリエチレン層(D)をその順に、かつ印刷層(A)とポリエチレン層(B)のポリエチレン層側を、ポリエチレン層(B)のAL蒸着層側と紙層(C)を、紙層(C)とポリエチレン層(D)のAL蒸着層側を、それぞれ接合させる。
【選択図】 なし
【解決手段】印刷層(A)、メタロセン触媒を用いることにより製造される直鎖状低密度ポリエチレンにアルミニウム(AL)を真空蒸着したポリエチレン層(B)、紙層(C)及び上記ポリエチレンにALを蒸着したポリエチレン層(D)をその順に、かつ印刷層(A)とポリエチレン層(B)のポリエチレン層側を、ポリエチレン層(B)のAL蒸着層側と紙層(C)を、紙層(C)とポリエチレン層(D)のAL蒸着層側を、それぞれ接合させる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装材料用積層体に関し、より詳細には液体食品等の包装に適した高級な外観を示し、良好なバリア性を有する包装材料用積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体食品等の包装材に紙を主体として、これとポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等のプラスチック、金属箔、金属蒸着フィルム等の材料を積層したものが用いられている。これらの材料は、材料個々の性質を発現させて紙の弱点を補強すると共に新たな機能を包装材に付与するために用いられる。
【0003】
これらの材料の一つである金属箔にはアルミニウム箔が多く用いられているが、この金属箔は、包装材に耐水性、防湿性、ガスバリア性、光線遮断性等を付与させる以外に、包装物の外観をメタル調にして高級感を与えるという利点を有している。
【0004】
この金属箔を用いる際に、余り薄いものを使用することができず、薄いものを使用する場合は予めプラスチックフィルム等と貼り合わせる必要があり、その場合は接着剤を必要とする。このように金属箔の使用に当たっては、上記の制限を受けたり、プラスチックフィルム等との貼り合わせ、接着剤の使用等の余分の工程等が必要である。
【0005】
上記の問題がある金属箔に替えて、金属蒸着フィルムの使用も行われている。
【0006】
包装材の材料に用いられる金属蒸着フィルムは、主としてアルミニウムの真空蒸着によって製造されるものであるが、真空蒸着は通常1300℃程度の高温で金属を蒸発させて行われることから、用いられるフィルムには耐熱性、寸法安定性が要求されている。従って、一般に融点の高い原料プラスチックやガラス転移温度が高い原料プラスチックを延伸する等の耐熱性向上処理を行ったフィルム、厚いフィルム等を用いなければならない。
【0007】
上記の理由から、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のフィルムを一軸又は二軸延伸したものにアルミニウムを真空蒸着したものが使用されているのが実状である。しかし、延伸によりフィルム表面が架橋(高結晶化)するために、接着性が低下し、従って蒸着フィルムは延伸フィルムと接着性が良好な直鎖状低密度ポリエチレンフィルム等を積層したものの延伸フィルム面に蒸着したものを使用しなければならない。
【0008】
又、延伸フィルムは、後の積層工程で熱をかけると収縮し易く、特に一軸延伸した高密度ポリエチレンは、その特性から、縦又は横方向の引き裂き強度が極度に弱いと言う欠点がある。このような理由から、蒸着するフィルムとしては、延伸してないインフレーション法やキャスト法で製造されるフィルム、特にポリエチレンフィルムが望ましい。それらの中でも、特にキャスト法で製造されるポリエチレンフィルムは、延伸フィルム並にフィルム厚さが均一で、その表面平滑性に優れており好適である。
【0009】
一方、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等は、いずれも融点が130℃以上であり、その融解・冷却エネルギーが大きく、このようなプラスチックのフィルムを他の部材とヒートシール等の方法で貼り合わせて積層体とする場合、高い温度や大きいエネルギーが必要となり不利である。特に、低密度ポリエチレンのような融点が130℃よりも低い部材とヒートシール等の方法で貼り合わせる場合、その影響は顕著である。この融解・冷却エネルギーという観点からからは、蒸着フィルムの原料プラスチックは融点が低い、低密度のポリエチレンのようなプラスチックが特に望ましい。
しかしながら、上述したように蒸着フィルムの原料プラスチックには耐熱性、寸法安定性が要求されていることから、従来の融点が低い低密度のポリエチレン等のプラスチックは適さない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、金属蒸着時に耐熱性を有し、積層体の他の部材との接合性に優れるプラスチックを原料プラスチックとした金属蒸着フィルムを一部材とする包装物の外観にメタリック調の高級感を与えると共にバリア性が良好な包装材料用積層体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点を改善すべく鋭意検討した結果、金属蒸着フィルム層として、メタロセン触媒を用いることにより製造される直鎖状低密度ポリエチレンにアルミニウムを真空蒸着したアルミニウム蒸着ポリエチレン層を積層体の外層及び最内層に用いることにより、本発明の目的を達成し得ることを見出し、本発明に到達した。
【0012】
すなわち、本発明は、印刷層(A)、メタロセン触媒を用いることにより製造される直鎖状低密度ポリエチレンにアルミニウムを真空蒸着したアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、紙層(C)及びメタロセン触媒を用いることにより製造される直鎖状低密度ポリエチレンにアルミニウムを真空蒸着したアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)がその順に接合しており、印刷層(A)とアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のポリエチレン層側が、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のアルミニウム蒸着層側と紙層(C)が、紙層(C)とアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)のアルミニウム蒸着層側が、それぞれ接していることを特徴とする包装材料用積層体(積層体1)を要旨とする。
【0013】
更に、本発明は、上記印刷層(A)の外面にポリオレフィン層(E)が設けられていることを特徴とする包装材料用積層体(積層体2)を要旨とする。
【0014】
更に、本発明は、上記アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)と上記紙層(C)の間にポリオレフィン層(F)が設けられていることを特徴とする包装材料用積層体(積層体3)を要旨とする。
【0015】
更に、本発明は、上記紙層(C)と上記アルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)の間にポリオレフィン層(G)が設けられていることを特徴とする包装材料用積層体(積層体4)を要旨とする。
【0016】
【発明の実施の態様】
本発明の積層体1は、印刷層(A)、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、紙層(C)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)がその順に接合しており、印刷層(A)とアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のポリエチレン層側が、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のアルミニウム蒸着層側と紙層(C)が、紙層(C)とアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)のアルミニウム蒸着層側が、それぞれ接していることを特徴とする。
【0017】
印刷層(A)は、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のポリエチレン層の上に設けられる。印刷層(A)の形成は、通常のインクを用い、通常の方法でポリエチレン層の上に印刷することによりなされるが、後記のように、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、紙層(C)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)を接合して積層体とした後、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)の上に形成させるのが好ましい。
【0018】
アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)を形成する原料プラスチックのメタロセン触媒を用いることにより製造される直鎖状低密度ポリエチレン(以下、mLLDPEという。)は、密度が0.941g/cm3 未満のものであるが、好ましくは0.925g/cm3 〜0.941g/cm3 未満のものである。密度が0.941g/cm3 以上、すなわち高密度ポリエチレン(直鎖状ポリエチレン)になると、高密度ポリエチレンを用いることによる上記の種々の弊害が生じる。又、密度が0.925g/cm3 未満の場合は、融点が115℃未満となり、好ましくない。
【0019】
mLLDPEは、通常分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が2〜4であり、メルトインデックス(MI:190℃、荷重2.16kg)が0.1〜100g/10分、特に0.1〜10g/10分のものが好ましい。このようなmLLDPEは、メタロセン触媒の存在下、エチレン及びコモノマーの炭素数が4〜8個のα−オレフィン、好ましくは1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等の炭素数が6個以上のα−オレフィンを共重合することによって製造したものが望ましい。
【0020】
上記メタロセン触媒とは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の遷移金属をπ電子系のシクロペンタジエニル基又は置換シクロペンタジエニル基等を含有する不飽和環状化合物ではさんだ構造の化合物であるメタロセンと、アルキルアルミノキサン、アルキルアルミニウム、アルミニウムハライド、アルキルアルミニウムルハライド等のアルミニウム化合物等の助触媒とを組合わせたものである。
【0021】
アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)は、上記mLLDPEを含む厚さが好ましくは30μm未満のフィルムにアルミニウム金属を真空蒸着させたものである。30μm未満のフィルムはmLLDPEフィルムのみからなる単層であってもよく、mLLDPEフィルムを積層した多層であってもよく、mLLDPEフィルムと他の例えば高密度ポリエチレンフィルム等とを積層した多層であってもよい。上記30μm未満のフィルムにアルミニウム金属を真空蒸着させる方法は、公知の方法に従えばよく、バッチ式でもよく、連続式でもよい。アルミニウム金属を真空蒸着させる前に、該フィルムを耐熱性樹脂でアンカーコート処理してもよい。真空蒸着の金属層の厚さは数百オングストローム程度でよい。
【0022】
紙層(C)を形成する紙は、坪量が50〜350g/m2 の通常のものでよい。
【0023】
アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、紙層(C)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)から積層体1とするには、通常各層を形成する各部材を接着剤を用いて接合することによりなされるが、アルミニウム蒸着ポリエチレン層 (B)と紙層(C)との接合及び紙層(C)とアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)との接合は、それぞれそれらアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)(D)のアルミニウム蒸着層側と紙層(C)が接するようにする必要がある。
本発明の積層体において、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)は包装物の外観にメタリック調の高級感を与えるよう作用し、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)はバリア性を持たせるよう作用する。
【0024】
本発明の積層体2は、積層体1の印刷層(A)の外面にポリオレフィン層(E)が設けられたものである。ポリオレフィン層(E)を設けることにより、印刷層(A)が保護される。ポリオレフィン層(E)のポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1等が挙げられるが、特にポリエチレンが好ましい。ポリエチレンは、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンのいずれでも良い。ポリオレフィン層(E)の厚さは、通常5〜200μmである。積層体2の印刷層(A)は、必ずしもアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のポリエチレン層の上に設ける必要はなく、ポリオレフィン層(E)の内面、すなわちアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)と接する面に設けても良い。
【0025】
印刷層(A)の形成は、通常のインクを用い、通常の方法でポリオレフィン層(E)の内面に印刷すれば良い。
【0026】
積層体2は、ポリオレフィン層(E)、印刷層(A)、上記アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、紙層(C)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)から、積層体1同様にして製造することができる。
【0027】
本発明の積層体3は、積層体1又は積層体2のアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)と紙層(C)の間にポリオレフィン層(F)が設けられたものである。
【0028】
ポリオレフィン層(F)を設けることにより、紙層(C)を保護すると共にアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のアルミニウム蒸着側と紙層(C)との接着性を向上させるという利点がある。ポリオレフィン層(F)のポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1等が挙げられるが、特にポリエチレンが好ましい。ポリエチレンは、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンのいずれでも良い。ポリオレフィン層(F)の厚さは、通常5〜200μmである。
【0029】
積層体3は、積層体1と同様にして、印刷層(A)、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、ポリオレフィン層(F)、紙層(C)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)から、積層体2と同様にして、ポリオレフィン層(E)、印刷層(A)、上記アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、ポリオレフィン層(F)、紙層(C)、及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)から、それぞれ製造することができる。又、ポリオレフィンを溶融、押出してポリオレフィン層(F)を形成すると同時にアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)及び紙層(C)と積層しても良い。
【0030】
本発明の積層体4は、積層体1又は積層体2の紙層(C)とアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)の間にポリオレフィン層(G)が設けられたものである。
【0031】
ポリオレフィン層(G)を設けることにより、紙層(C)を保護すると共にアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)のアルミニウム蒸着側と紙層(C)との接着性を向上させるという利点がある。ポリオレフィン層(G)のポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1等が挙げられるが、特にポリエチレンが好ましい。ポリエチレンは、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンのいずれでも良い。ポリオレフィン層(G)の厚さは、通常5〜200μmである。
【0032】
積層体4は、積層体1と同様にして、印刷層(A)、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、紙層(C)、ポリオレフィン層(G)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)から、積層体2と同様にして、ポリオレフィン層(E)、印刷層(A)、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、紙層(C)、ポリオレフィン層(G)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)から、積層体3と同様にして、印刷層(A)、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、ポリオレフィン層(F)、紙層(C)、ポリオレフィン層(G)、ポリオレフィン層(G)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)、又はポリオレフィン層(E)、印刷層(A)、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、ポリオレフィン層(F)、紙層(C)、ポリオレフィン層(G)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)から、それぞれ製造することができる。又、ポリオレフィンを溶融、押出してポリオレフィン層(G)を形成すると同時に紙層(C)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)と積層しても良く、更にポリオレフィンを溶融、押出してポリオレフィン層(F)及びポリオレフィン層(G)を形成すると同時にアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、紙層(C)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)と積層しても良い。
【0033】
上記の本発明の各包装材料用積層体はアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)を構成素材とするものであるが、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)の基材である上記直鎖状低密度ポリエチレンは、(a)耐熱性、特に蒸着時の、が優れる、(b)直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂・フィルムと紙や既存の低密度ポリエチレンとの相性が良く、シール特性に優れる、(c)二軸延伸ポリプロピレンフィルム・ポリエチレンテレフタレートフィルム並の高光沢を示し、印刷外観が良い、(d)直鎖状低密度ポリエチレンや場合により低密度ポリエチレンより優れた臭気等のオフフレーバー適性を有する、(e)耐環境応力亀裂(ESCR)が従来の低密度ポリエチレン等より優れる、(f)衝撃強さ等の各種強度に優れ、かつストローホール等を紙容器として加工した際の加工性に優れる、等の優位性を有している。又、該ポリエチレン層(B)はフィルムにアルミニウム蒸着層を有することから、フィルムの貼り合わせにより積層体を製造することができ、アルミニウム箔を有する積層体を製造する場合よりも、積層体の製造コストを低減することができる。
【0034】
上記のような優位性を有しているアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)を構成素材とする本発明の上記各包装材料用積層体からは、レンガ型等の直方体、屋根付き直方体、立方体、円筒形、平行六面体、平行8角柱体、胴部中央部が平行8角柱で頂部及び底部が4角形の所謂プリズマ型、パウチ等、従来公知の任意の形態の包装容器等を成形することができる。特に、上記積層体1及び積層体3からは、屋根付き直方体が、上記積層体2及び積層体4からは、直方体、、立方体、円筒形、平行六面体、平行8角柱体、胴部中央部が平行8角柱で頂部及び底部が4角形の所謂プリズマ型、パウチ等が、それぞれ今までの同種の各包装容器の成形時、食品充填時における諸問題を改善・解消することができ、それら各包装容器にはない性能を持った包装容器を成形することができる。
【0035】
すなわち、上記積層体1、積層体2及び積層体3からなる容器は、従来の紙とプラスチックとの積層体及びそれにアルミニウム箔を覆った積層体からなる容器に比べ、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)を有することから、(1)メタリック調の高級感が得られ、印刷外観に優れる、(2)蒸着層により光線透過を抑えられるため、ビタミンD等の牛乳成分の分解を抑えられる、(3)蒸着層が2層あるために、アルミニウム箔を有する容器相当のガスバリア性を有する、(4)シール性の良い直鎖状低密度ポリエチレンの特性が生き、紙容器成形食品充填時のシール不良等の問題を解消できる、又、アルミニウム箔がないことから、(5)アルミニウム箔の貼り合わせに比べ製造コストが優位である、(6)上記蒸着層がオングストローム単位と極薄であり環境負荷を極めて少なくすることができる、(7)アルミニウム箔の印刷時に必要なことがあるアルミニウム面のコロナ処理、特殊なインクの使用を無くすことができる、等の利点を有している。
【0036】
又、従来のアルミニウム箔内面付き紙容器に比べ、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)を有することから、(8)メタリック調の高級感が得られ、印刷外観に優れる、(9)シール性の良い直鎖状低密度ポリエチレンの特性が生き、紙容器成形時や食品充填時のシール不良(特に、従来の低密度ポリエチレン層で生じている、バルジング、ピンホール発生等の問題)等の問題を改善できる、等の利点を有している。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、詳細に説明する。
(実施例1)
密度:0.935g/cm3 、MI:4g/10分のmLLDPEが中芯(9μm)、密度:0.940g/cm3 、MI:4g/10分のmLLDPEが両外側(8μm)となるようにキャスト法で製膜した3層構造からなる厚さ25μmの無延伸フィルムの表面に、ポリウレタン系アンカーコート剤を塗布、乾燥して厚さ0.5μmのアンカーコート層を形成した後、引き続き連続真空蒸着装置に供給して、(1,200℃)で膜厚400オングストローム(40nm)のアルミニウム金属膜を形成し、アルミニウム蒸着ポリエチレンフィルムを製造した。
このアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(1)、紙(坪量200g/m2 )及び上記のアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(2)を接着剤を用いて積層し、アルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(1)のポリエチレン層の上にインクで印刷して本発明の積層体1を製造した。なお、紙はアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(1)及びアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(2)のアルミニウム蒸着層とそれぞれ接している。
【0038】
(実施例2)
実施例1で製造した積層体1のインク印刷層の上にポリエチレンフィルム(30μm)を接着剤を用いて積層し、本発明の積層体2を製造した。
【0039】
(実施例3)
実施例1で製造したアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(1)、低密度ポリエチレンフィルム(20μm)、紙(坪量160g/m2 )及び上記のアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(2)を接着剤を用いて積層し、アルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(1)のポリエチレン層の上にインクで印刷して本発明の積層体3を製造した。なお、紙とアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(2)のアルミニウム蒸着層が接している。
【0040】
(実施例4)
実施例1で製造したアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(1)、紙(坪量160g/m2 )、低密度ポリエチレンフィルム(20μm)及び上記のアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(2)を接着剤を用いて積層し、アルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(1)のポリエチレン層の上にインクで印刷し、更にインク印刷層の上に低密度ポリエチレンフィルム(30μm)を積層して、本発明の積層体4を製造した。なお、紙とアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(2)のアルミニウム蒸着層が接している。
【0041】
【発明の効果】
本発明の積層体を構成する一部材のアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のポリエチレンは、密度が低いにも関わらず耐熱性を有するために、そのフィルムにアルミニウム蒸着が可能である。従って、このようなアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)はポリエチレンであるために、包装材料用積層体を形成する他の部材に多く用いられているポリエチレン等のポリオレフィンと結合性が良好であり、積層体の製造、包装容器の成形が簡易である。本発明の積層体は、その外層がアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)からなることから、包装容器の外観がメタリック調の高級感を示し、その最内層がアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)からなることから、アルミニウム箔を用いた包装容器に近い効果を示す。
又、本発明の積層体は、アルミニウム箔を用いないことから、アルミニウム箔を用いて包装材料用積層体を製造する際、それを用いて包装容器を成形する際、更には成形された包装容器における種々の弊害はない。
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装材料用積層体に関し、より詳細には液体食品等の包装に適した高級な外観を示し、良好なバリア性を有する包装材料用積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体食品等の包装材に紙を主体として、これとポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等のプラスチック、金属箔、金属蒸着フィルム等の材料を積層したものが用いられている。これらの材料は、材料個々の性質を発現させて紙の弱点を補強すると共に新たな機能を包装材に付与するために用いられる。
【0003】
これらの材料の一つである金属箔にはアルミニウム箔が多く用いられているが、この金属箔は、包装材に耐水性、防湿性、ガスバリア性、光線遮断性等を付与させる以外に、包装物の外観をメタル調にして高級感を与えるという利点を有している。
【0004】
この金属箔を用いる際に、余り薄いものを使用することができず、薄いものを使用する場合は予めプラスチックフィルム等と貼り合わせる必要があり、その場合は接着剤を必要とする。このように金属箔の使用に当たっては、上記の制限を受けたり、プラスチックフィルム等との貼り合わせ、接着剤の使用等の余分の工程等が必要である。
【0005】
上記の問題がある金属箔に替えて、金属蒸着フィルムの使用も行われている。
【0006】
包装材の材料に用いられる金属蒸着フィルムは、主としてアルミニウムの真空蒸着によって製造されるものであるが、真空蒸着は通常1300℃程度の高温で金属を蒸発させて行われることから、用いられるフィルムには耐熱性、寸法安定性が要求されている。従って、一般に融点の高い原料プラスチックやガラス転移温度が高い原料プラスチックを延伸する等の耐熱性向上処理を行ったフィルム、厚いフィルム等を用いなければならない。
【0007】
上記の理由から、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のフィルムを一軸又は二軸延伸したものにアルミニウムを真空蒸着したものが使用されているのが実状である。しかし、延伸によりフィルム表面が架橋(高結晶化)するために、接着性が低下し、従って蒸着フィルムは延伸フィルムと接着性が良好な直鎖状低密度ポリエチレンフィルム等を積層したものの延伸フィルム面に蒸着したものを使用しなければならない。
【0008】
又、延伸フィルムは、後の積層工程で熱をかけると収縮し易く、特に一軸延伸した高密度ポリエチレンは、その特性から、縦又は横方向の引き裂き強度が極度に弱いと言う欠点がある。このような理由から、蒸着するフィルムとしては、延伸してないインフレーション法やキャスト法で製造されるフィルム、特にポリエチレンフィルムが望ましい。それらの中でも、特にキャスト法で製造されるポリエチレンフィルムは、延伸フィルム並にフィルム厚さが均一で、その表面平滑性に優れており好適である。
【0009】
一方、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等は、いずれも融点が130℃以上であり、その融解・冷却エネルギーが大きく、このようなプラスチックのフィルムを他の部材とヒートシール等の方法で貼り合わせて積層体とする場合、高い温度や大きいエネルギーが必要となり不利である。特に、低密度ポリエチレンのような融点が130℃よりも低い部材とヒートシール等の方法で貼り合わせる場合、その影響は顕著である。この融解・冷却エネルギーという観点からからは、蒸着フィルムの原料プラスチックは融点が低い、低密度のポリエチレンのようなプラスチックが特に望ましい。
しかしながら、上述したように蒸着フィルムの原料プラスチックには耐熱性、寸法安定性が要求されていることから、従来の融点が低い低密度のポリエチレン等のプラスチックは適さない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、金属蒸着時に耐熱性を有し、積層体の他の部材との接合性に優れるプラスチックを原料プラスチックとした金属蒸着フィルムを一部材とする包装物の外観にメタリック調の高級感を与えると共にバリア性が良好な包装材料用積層体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点を改善すべく鋭意検討した結果、金属蒸着フィルム層として、メタロセン触媒を用いることにより製造される直鎖状低密度ポリエチレンにアルミニウムを真空蒸着したアルミニウム蒸着ポリエチレン層を積層体の外層及び最内層に用いることにより、本発明の目的を達成し得ることを見出し、本発明に到達した。
【0012】
すなわち、本発明は、印刷層(A)、メタロセン触媒を用いることにより製造される直鎖状低密度ポリエチレンにアルミニウムを真空蒸着したアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、紙層(C)及びメタロセン触媒を用いることにより製造される直鎖状低密度ポリエチレンにアルミニウムを真空蒸着したアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)がその順に接合しており、印刷層(A)とアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のポリエチレン層側が、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のアルミニウム蒸着層側と紙層(C)が、紙層(C)とアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)のアルミニウム蒸着層側が、それぞれ接していることを特徴とする包装材料用積層体(積層体1)を要旨とする。
【0013】
更に、本発明は、上記印刷層(A)の外面にポリオレフィン層(E)が設けられていることを特徴とする包装材料用積層体(積層体2)を要旨とする。
【0014】
更に、本発明は、上記アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)と上記紙層(C)の間にポリオレフィン層(F)が設けられていることを特徴とする包装材料用積層体(積層体3)を要旨とする。
【0015】
更に、本発明は、上記紙層(C)と上記アルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)の間にポリオレフィン層(G)が設けられていることを特徴とする包装材料用積層体(積層体4)を要旨とする。
【0016】
【発明の実施の態様】
本発明の積層体1は、印刷層(A)、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、紙層(C)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)がその順に接合しており、印刷層(A)とアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のポリエチレン層側が、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のアルミニウム蒸着層側と紙層(C)が、紙層(C)とアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)のアルミニウム蒸着層側が、それぞれ接していることを特徴とする。
【0017】
印刷層(A)は、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のポリエチレン層の上に設けられる。印刷層(A)の形成は、通常のインクを用い、通常の方法でポリエチレン層の上に印刷することによりなされるが、後記のように、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、紙層(C)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)を接合して積層体とした後、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)の上に形成させるのが好ましい。
【0018】
アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)を形成する原料プラスチックのメタロセン触媒を用いることにより製造される直鎖状低密度ポリエチレン(以下、mLLDPEという。)は、密度が0.941g/cm3 未満のものであるが、好ましくは0.925g/cm3 〜0.941g/cm3 未満のものである。密度が0.941g/cm3 以上、すなわち高密度ポリエチレン(直鎖状ポリエチレン)になると、高密度ポリエチレンを用いることによる上記の種々の弊害が生じる。又、密度が0.925g/cm3 未満の場合は、融点が115℃未満となり、好ましくない。
【0019】
mLLDPEは、通常分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が2〜4であり、メルトインデックス(MI:190℃、荷重2.16kg)が0.1〜100g/10分、特に0.1〜10g/10分のものが好ましい。このようなmLLDPEは、メタロセン触媒の存在下、エチレン及びコモノマーの炭素数が4〜8個のα−オレフィン、好ましくは1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等の炭素数が6個以上のα−オレフィンを共重合することによって製造したものが望ましい。
【0020】
上記メタロセン触媒とは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の遷移金属をπ電子系のシクロペンタジエニル基又は置換シクロペンタジエニル基等を含有する不飽和環状化合物ではさんだ構造の化合物であるメタロセンと、アルキルアルミノキサン、アルキルアルミニウム、アルミニウムハライド、アルキルアルミニウムルハライド等のアルミニウム化合物等の助触媒とを組合わせたものである。
【0021】
アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)は、上記mLLDPEを含む厚さが好ましくは30μm未満のフィルムにアルミニウム金属を真空蒸着させたものである。30μm未満のフィルムはmLLDPEフィルムのみからなる単層であってもよく、mLLDPEフィルムを積層した多層であってもよく、mLLDPEフィルムと他の例えば高密度ポリエチレンフィルム等とを積層した多層であってもよい。上記30μm未満のフィルムにアルミニウム金属を真空蒸着させる方法は、公知の方法に従えばよく、バッチ式でもよく、連続式でもよい。アルミニウム金属を真空蒸着させる前に、該フィルムを耐熱性樹脂でアンカーコート処理してもよい。真空蒸着の金属層の厚さは数百オングストローム程度でよい。
【0022】
紙層(C)を形成する紙は、坪量が50〜350g/m2 の通常のものでよい。
【0023】
アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、紙層(C)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)から積層体1とするには、通常各層を形成する各部材を接着剤を用いて接合することによりなされるが、アルミニウム蒸着ポリエチレン層 (B)と紙層(C)との接合及び紙層(C)とアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)との接合は、それぞれそれらアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)(D)のアルミニウム蒸着層側と紙層(C)が接するようにする必要がある。
本発明の積層体において、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)は包装物の外観にメタリック調の高級感を与えるよう作用し、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)はバリア性を持たせるよう作用する。
【0024】
本発明の積層体2は、積層体1の印刷層(A)の外面にポリオレフィン層(E)が設けられたものである。ポリオレフィン層(E)を設けることにより、印刷層(A)が保護される。ポリオレフィン層(E)のポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1等が挙げられるが、特にポリエチレンが好ましい。ポリエチレンは、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンのいずれでも良い。ポリオレフィン層(E)の厚さは、通常5〜200μmである。積層体2の印刷層(A)は、必ずしもアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のポリエチレン層の上に設ける必要はなく、ポリオレフィン層(E)の内面、すなわちアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)と接する面に設けても良い。
【0025】
印刷層(A)の形成は、通常のインクを用い、通常の方法でポリオレフィン層(E)の内面に印刷すれば良い。
【0026】
積層体2は、ポリオレフィン層(E)、印刷層(A)、上記アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、紙層(C)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)から、積層体1同様にして製造することができる。
【0027】
本発明の積層体3は、積層体1又は積層体2のアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)と紙層(C)の間にポリオレフィン層(F)が設けられたものである。
【0028】
ポリオレフィン層(F)を設けることにより、紙層(C)を保護すると共にアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のアルミニウム蒸着側と紙層(C)との接着性を向上させるという利点がある。ポリオレフィン層(F)のポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1等が挙げられるが、特にポリエチレンが好ましい。ポリエチレンは、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンのいずれでも良い。ポリオレフィン層(F)の厚さは、通常5〜200μmである。
【0029】
積層体3は、積層体1と同様にして、印刷層(A)、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、ポリオレフィン層(F)、紙層(C)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)から、積層体2と同様にして、ポリオレフィン層(E)、印刷層(A)、上記アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、ポリオレフィン層(F)、紙層(C)、及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)から、それぞれ製造することができる。又、ポリオレフィンを溶融、押出してポリオレフィン層(F)を形成すると同時にアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)及び紙層(C)と積層しても良い。
【0030】
本発明の積層体4は、積層体1又は積層体2の紙層(C)とアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)の間にポリオレフィン層(G)が設けられたものである。
【0031】
ポリオレフィン層(G)を設けることにより、紙層(C)を保護すると共にアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)のアルミニウム蒸着側と紙層(C)との接着性を向上させるという利点がある。ポリオレフィン層(G)のポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1等が挙げられるが、特にポリエチレンが好ましい。ポリエチレンは、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンのいずれでも良い。ポリオレフィン層(G)の厚さは、通常5〜200μmである。
【0032】
積層体4は、積層体1と同様にして、印刷層(A)、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、紙層(C)、ポリオレフィン層(G)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)から、積層体2と同様にして、ポリオレフィン層(E)、印刷層(A)、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、紙層(C)、ポリオレフィン層(G)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)から、積層体3と同様にして、印刷層(A)、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、ポリオレフィン層(F)、紙層(C)、ポリオレフィン層(G)、ポリオレフィン層(G)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)、又はポリオレフィン層(E)、印刷層(A)、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、ポリオレフィン層(F)、紙層(C)、ポリオレフィン層(G)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)から、それぞれ製造することができる。又、ポリオレフィンを溶融、押出してポリオレフィン層(G)を形成すると同時に紙層(C)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)と積層しても良く、更にポリオレフィンを溶融、押出してポリオレフィン層(F)及びポリオレフィン層(G)を形成すると同時にアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、紙層(C)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)と積層しても良い。
【0033】
上記の本発明の各包装材料用積層体はアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)を構成素材とするものであるが、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)の基材である上記直鎖状低密度ポリエチレンは、(a)耐熱性、特に蒸着時の、が優れる、(b)直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂・フィルムと紙や既存の低密度ポリエチレンとの相性が良く、シール特性に優れる、(c)二軸延伸ポリプロピレンフィルム・ポリエチレンテレフタレートフィルム並の高光沢を示し、印刷外観が良い、(d)直鎖状低密度ポリエチレンや場合により低密度ポリエチレンより優れた臭気等のオフフレーバー適性を有する、(e)耐環境応力亀裂(ESCR)が従来の低密度ポリエチレン等より優れる、(f)衝撃強さ等の各種強度に優れ、かつストローホール等を紙容器として加工した際の加工性に優れる、等の優位性を有している。又、該ポリエチレン層(B)はフィルムにアルミニウム蒸着層を有することから、フィルムの貼り合わせにより積層体を製造することができ、アルミニウム箔を有する積層体を製造する場合よりも、積層体の製造コストを低減することができる。
【0034】
上記のような優位性を有しているアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)及びアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)を構成素材とする本発明の上記各包装材料用積層体からは、レンガ型等の直方体、屋根付き直方体、立方体、円筒形、平行六面体、平行8角柱体、胴部中央部が平行8角柱で頂部及び底部が4角形の所謂プリズマ型、パウチ等、従来公知の任意の形態の包装容器等を成形することができる。特に、上記積層体1及び積層体3からは、屋根付き直方体が、上記積層体2及び積層体4からは、直方体、、立方体、円筒形、平行六面体、平行8角柱体、胴部中央部が平行8角柱で頂部及び底部が4角形の所謂プリズマ型、パウチ等が、それぞれ今までの同種の各包装容器の成形時、食品充填時における諸問題を改善・解消することができ、それら各包装容器にはない性能を持った包装容器を成形することができる。
【0035】
すなわち、上記積層体1、積層体2及び積層体3からなる容器は、従来の紙とプラスチックとの積層体及びそれにアルミニウム箔を覆った積層体からなる容器に比べ、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)を有することから、(1)メタリック調の高級感が得られ、印刷外観に優れる、(2)蒸着層により光線透過を抑えられるため、ビタミンD等の牛乳成分の分解を抑えられる、(3)蒸着層が2層あるために、アルミニウム箔を有する容器相当のガスバリア性を有する、(4)シール性の良い直鎖状低密度ポリエチレンの特性が生き、紙容器成形食品充填時のシール不良等の問題を解消できる、又、アルミニウム箔がないことから、(5)アルミニウム箔の貼り合わせに比べ製造コストが優位である、(6)上記蒸着層がオングストローム単位と極薄であり環境負荷を極めて少なくすることができる、(7)アルミニウム箔の印刷時に必要なことがあるアルミニウム面のコロナ処理、特殊なインクの使用を無くすことができる、等の利点を有している。
【0036】
又、従来のアルミニウム箔内面付き紙容器に比べ、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)を有することから、(8)メタリック調の高級感が得られ、印刷外観に優れる、(9)シール性の良い直鎖状低密度ポリエチレンの特性が生き、紙容器成形時や食品充填時のシール不良(特に、従来の低密度ポリエチレン層で生じている、バルジング、ピンホール発生等の問題)等の問題を改善できる、等の利点を有している。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、詳細に説明する。
(実施例1)
密度:0.935g/cm3 、MI:4g/10分のmLLDPEが中芯(9μm)、密度:0.940g/cm3 、MI:4g/10分のmLLDPEが両外側(8μm)となるようにキャスト法で製膜した3層構造からなる厚さ25μmの無延伸フィルムの表面に、ポリウレタン系アンカーコート剤を塗布、乾燥して厚さ0.5μmのアンカーコート層を形成した後、引き続き連続真空蒸着装置に供給して、(1,200℃)で膜厚400オングストローム(40nm)のアルミニウム金属膜を形成し、アルミニウム蒸着ポリエチレンフィルムを製造した。
このアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(1)、紙(坪量200g/m2 )及び上記のアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(2)を接着剤を用いて積層し、アルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(1)のポリエチレン層の上にインクで印刷して本発明の積層体1を製造した。なお、紙はアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(1)及びアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(2)のアルミニウム蒸着層とそれぞれ接している。
【0038】
(実施例2)
実施例1で製造した積層体1のインク印刷層の上にポリエチレンフィルム(30μm)を接着剤を用いて積層し、本発明の積層体2を製造した。
【0039】
(実施例3)
実施例1で製造したアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(1)、低密度ポリエチレンフィルム(20μm)、紙(坪量160g/m2 )及び上記のアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(2)を接着剤を用いて積層し、アルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(1)のポリエチレン層の上にインクで印刷して本発明の積層体3を製造した。なお、紙とアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(2)のアルミニウム蒸着層が接している。
【0040】
(実施例4)
実施例1で製造したアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(1)、紙(坪量160g/m2 )、低密度ポリエチレンフィルム(20μm)及び上記のアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(2)を接着剤を用いて積層し、アルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(1)のポリエチレン層の上にインクで印刷し、更にインク印刷層の上に低密度ポリエチレンフィルム(30μm)を積層して、本発明の積層体4を製造した。なお、紙とアルミニウム蒸着ポリエチレンフィルム(2)のアルミニウム蒸着層が接している。
【0041】
【発明の効果】
本発明の積層体を構成する一部材のアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のポリエチレンは、密度が低いにも関わらず耐熱性を有するために、そのフィルムにアルミニウム蒸着が可能である。従って、このようなアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)はポリエチレンであるために、包装材料用積層体を形成する他の部材に多く用いられているポリエチレン等のポリオレフィンと結合性が良好であり、積層体の製造、包装容器の成形が簡易である。本発明の積層体は、その外層がアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)からなることから、包装容器の外観がメタリック調の高級感を示し、その最内層がアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)からなることから、アルミニウム箔を用いた包装容器に近い効果を示す。
又、本発明の積層体は、アルミニウム箔を用いないことから、アルミニウム箔を用いて包装材料用積層体を製造する際、それを用いて包装容器を成形する際、更には成形された包装容器における種々の弊害はない。
Claims (4)
- 印刷層(A)、メタロセン触媒を用いることにより製造される直鎖状低密度ポリエチレンにアルミニウムを真空蒸着したアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)、紙層(C)及びメタロセン触媒を用いることにより製造される直鎖状低密度ポリエチレンにアルミニウムを真空蒸着したアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)がその順に接合しており、印刷層(A)とアルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のポリエチレン層側が、アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)のアルミニウム蒸着層側と紙層(C)が、紙層(C)とアルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)のアルミニウム蒸着層側が、それぞれ接していることを特徴とする包装材料用積層体。
- 上記印刷層(A)の外面にポリオレフィン層(E)が設けられていることを特徴とする請求項1記載の包装材料用積層体。
- 上記アルミニウム蒸着ポリエチレン層(B)と上記紙層(C)の間にポリオレフィン層(F)が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の包装材料用積層体。
- 上記紙層(C)と上記アルミニウム蒸着ポリエチレン層(D)の間にポリオレフィン層(G)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の包装材料用積層体。
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