JP2005288208A - 粉体/液体連続混合装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】微少量でも最適な粉体と液体との連続混合を可能とする粉体/液体連続混合装置を提供する。
【解決手段】 粉体と液体との均一な混合流体の排出を行う回転混合盤18と駆動モータ22の回転駆動軸との結合を磁気結合として、回転混合盤の回転軸部のシール構造を省略した混合室20を備え、前記混合室の上部に、粉体を定量供給する粉体供給筒10の開口部を囲繞するように液体をその内壁面に沿って環状溢流膜として流下させるオーバーフローコーン14を設け、前記回転混合盤の回転中心となる上面部に円錐形状の分散展開コーン32を設けると共に、この分散展開コーンの中心部に指向させて、前記粉体供給筒の中心部または粉体供給筒より外側の斜め上方位置に液体噴射ノズル46を設けて、回転する前記分散展開コーン上に液体を噴射供給し、落下する粉体に液体を噴射当接して回転混合盤上における遠心方向への均一な混合分散を行うと共に前記分散展開コーン上における粉体の付着を防止するように構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、粉体と液体を連続的に混合する装置に係り、特に粉体と液体との均一な混合流体を得るための回転混合盤について、モータ駆動軸との結合を磁気結合とすることにより、回転混合盤の回転軸部のシール構造を省略し、混合室と駆動部を完全に分離した完全無漏洩の構造とすることができ、これにより従来において取扱いが困難とされた特殊溶剤の適用を可能にすると共に、粉体が溶剤と反応して溶剤の流入面や粉体の落下口外周部等へ付着するのを防止して、微少量でも最適な粉体と液体との連続混合を可能とする粉体/液体連続混合装置に関するものである。
従来より、食品、化学、薬品、プラスチック、電子、窯業、機械、金属等の産業分野において、各種素材の成形もしくは加工に際して、粉体を取扱うことが不可欠である。このような粉体の取扱いに際して、加湿、溶解、混練等の作業に加えて、分散、定量供給、成型、工程間輸送等を行う生産技術上の主要工程においては、それぞれの実施において必要な機器ないし装置として、粉体と液体とを連続的に混合ないし混練する各種の装置が提案され実用化されている。
本出願人は、先に、粉体を少量の液体であっても均一に加湿することができる連続混合方法およびその装置を開発し、特許を得た(特許文献1参照)。すなわち、この特許文献1に開示される粉体を均一に加湿する連続混合方法およびその装置は、基盤で覆われた混合室内で回転している回転混合盤に、連続的に定量供給される粉体に対して、複数の噴射ノズルから液体を噴出させ、前記回転混合盤に設けられこの回転混合盤の回転に伴って前記噴射ノズル口を横切るように配置された複数の上面スクレーパと、前記回転混合盤に設けられ前記混合室の内壁に沿って旋回する側面スクレーパおよび排出翼とにより、攪拌混合するように構成したものである。
また、本出願人は、粉体と液体との均一な混合流体を得るように構成した粉体と液体との連続混合装置において、(1) 液体に粉体を分散当接させるに際して液体を噴射供給し、粉体と液体との均一混合化を高めるよう構成配置した噴射ノズルを設けると共に、(2) 遠心作用によって前記粉体と液体との均一混合流体の排出を行う回転混合盤を設けた構成からなるものであって、(3) 粉体を連続的に定量供給する粉体供給筒の開口部を囲繞するように液体を環状溢流体膜として流下させるオーバーフローコーンを設け、(4) 前記オーバーフローコーンの下部にこれと同心的に回転混合盤を備えた混合室を形成し、(5) 前記混合室の外周の一部に粉体と液体との混合流体の排出口を設けた構成とすることにより、液体に粉体を分散接触させるに際し、さらに液体を噴射供給して粉体と液体との均一混合化を高めると共に、液体と粉体との均一混合流体の円滑かつ連続的な製造を容易化することができる粉体と液体との連続混合装置の開発に成功し、特許出願を行った(特許文献2参照)。
さらに、本出願人は、粉体と液体との均一な混合流体を得るように構成した粉体と液体との連続混合装置において、(1) 回転混合盤を備えた混合室の内面部、例えば前記混合室の内部周面および内部底面からなる内面部を、それぞれ被覆する周面部および底面部とからなる非金属製スリーブを構成して、(2) この非金属製スリーブを前記混合室の内面部に交換可能に装着することにより、前記混合室内における混合物の付着や発熱を防止すると共に、混合物の品質の変化を防止し、混合室の製造ないしメンテナンスを容易化して、装置の長期間に亘る連続運転を可能にし、しかも設備コストの低減を達成することができる粉体と液体との連続混合装置の開発に成功し、特許出願を行った(特許文献3参照)。
特に、前記特許文献3において提案された、粉体と液体との連続混合装置においては、前記非金属製スリーブもしくは非金属製カバー部材を構成するための非金属材料として、例えば塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、メタクリル樹脂、ナイロン、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、その他の熱可塑性樹脂からそれぞれ選択することにより、耐薬品性および熱安定性に優れたものを得ることができると共に、さらに選択される前記材料によっては、成形性、寸法安定性、機械特性、耐衝撃性等にも優れたものを得ることができることが開示されている。
一方、従来において、例えば液体攪拌機として、(1) 駆動側部分(モータ)と被駆動側部分(棒状の攪拌体)を有し、(2) 前記被駆動側部分が、攪拌される液体の容器の底部上に配置されるようになっており、(3) さらに前記被駆動側部分を、前記駆動側部分との磁気結合の手段(被駆動側が永久磁石、駆動側が永久磁石または電磁石)によって所定の回転軸周囲で回転駆動するように、前記駆動側部分を制御するための制御手段を有し、(4)前記駆動側部分および前記被駆動側部分は、磁気結合の結果生じた磁場線が、前記被駆動側部分の付近において、前記回転軸に対して実質的に垂直に延びるように促進すべく構成することにより、前記被駆動側部分の回転中に、被駆動側部分と容器底部とがそれぞれ受ける疲労を減少するようにした、磁気結合を備えた液体攪拌機が提案されている(特許文献4参照)。
特公昭63−43127号公報 特開2002−248330号公報 未公開の特願2003−89734号 特表2002−527218号公報
前述した従来の粉体と液体との連続混合装置においては、いずれも粉体と液体との均一混合流体の排出を行う回転混合盤を、駆動モータの回転軸と軸結合するものであるため、粉体の目詰りや液体の漏出を防止するために、軸シール部を複雑なラビリンス構造としたり、軸シール部材に各種の耐性に優れた特殊な素材を使用することから、装置構成が煩雑化し、しかも製造コストが増大すると共に、メンテナンス作業も頻繁に行う必要がある等の難点がある。特に、軸シール部材に対して、これを溶解する性質を有する特殊溶剤を混合液体として使用する場合には、液体の漏洩により適正な粉体と液体との連続混合を行うことが困難となる。また、粉体と溶剤とによる反応が顕著な場合には、溶剤の流入面や粉体の落下口外周部等において、粉体が付着して適正な粉体と液体との連続混合を妨げるばかりでなく、精密な粉体と液体との連続混合も到底困難となる。
そこで、本発明者等は、鋭意研究並びに試作を重ねた結果、従来の液体攪拌機等において回転駆動側手段と回転被駆動側手段との結合に採用されている磁気結合手段を、粉体と液体との均一混合流体の排出を行う回転混合盤と駆動モータの回転駆動軸との結合手段に適用することにより、回転混合盤の回転軸部のシール構造を省略して、混合室と駆動部を完全に分離した完全無漏洩の構造とすることができることを突き止めた。
すなわち、連続的に供給される液体に粉体を分散当接させると共に回転混合盤を介して粉体と液体との均一な混合流体を得るように構成した粉体および液体との連続混合装置において、粉体と液体との均一混合流体の排出を行う回転混合盤と駆動モータの回転駆動軸との結合を磁気結合として、回転混合盤の回転軸部のシール構造を省略した混合室を備え、前記混合室の上部に、粉体を定量供給する粉体供給筒の開口部を囲繞するように液体を環状溢流膜として流下させるオーバーフローコーンを設けた構成とすることにより、従来において取扱いが不可能とされた特殊溶剤を容易に使用することができる、粉体/液体連続混合装置が得られることを突き止めた。
しかも、この場合において、前記回転混合盤は、混合室内に設けた中心軸部にベアリングを介して円滑に回転し得るように軸支し、しかも回転混合盤の回転中心となる上面部には円錐形状の分散展開コーンを形成する。そして、このように形成した回転混合盤の上方には、オーバーフローコーンを設けて、その上端部より内壁面に沿って液体を薄膜状に自然流下させると共に、オーバーフローコーンの中心上方に粉体供給筒の開口部を設けて、粉体を前記オーバーフローコーンの分散展開コーンに指向させて自然落下するように設定することにより、粉体の目詰りや液体の漏出を防止して、常に円滑な粉体と液体との均一な混合分散を達成することができる、粉体/液体連続混合装置が得られることを突き止めた。
さらに、前記オーバーフローコーンの中心部より混合室内の回転混合盤に設けた分散展開コーンの中心部に指向させて、前記粉体供給筒の中心部または粉体供給筒より外側の斜め上方位置に液体噴射ノズルを設けて、回転する前記分散展開コーン上に液体を噴射供給し、落下する粉体に液体を噴射当接して回転混合盤上における遠心方向への均一な混合分散を行うと共に前記分散展開コーン上における粉体の付着を防止するように構成する。そして、前記回転混合盤の回転により、オーバーフローコーンの内壁面に沿って流下した液体と、分散展開コーンに噴射当接した液体とにより、それぞれ均一に混合分散された粉体と液体との連続的な均一混合流体を、容易に得ることができることを突き止めた。
従って、本発明の目的は、粉体と液体との均一な混合流体を得るための回転混合盤と駆動モータの回転駆動軸との結合を磁気結合として、回転混合盤の回転軸部のシール構造を省略し、混合室と駆動部を完全に分離した完全無漏洩の構造とし、従来において取扱いが困難とされた特殊溶剤の適用を可能にすると共に、粉体が溶剤と反応して溶剤の流入面や粉体の落下口外周部等への付着を防止して、常に粉体と液体とが均一に混合分散された均一混合流体の連続的な生成を達成することができ、微少量でも最適な粉体と液体との連続混合を可能とする粉体/液体連続混合装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の粉体/液体連続混合装置は、連続的に供給される液体に粉体を分散当接させると共に回転混合盤を介して粉体と液体との均一な混合流体を得るように構成した粉体/液体連続混合装置において、
粉体と液体との均一な混合流体の排出を行う回転混合盤と駆動モータの回転駆動軸との結合を磁気結合として、回転混合盤の回転軸部のシール構造を省略した混合室を備え、
前記混合室の上部に、粉体を定量供給する粉体供給筒の開口部を囲繞するように液体をその内壁面に沿って環状溢流膜として流下させるオーバーフローコーンを設け、
前記回転混合盤の回転中心となる上面部に円錐形状の分散展開コーンを設けると共に、この分散展開コーンの中心部に指向させて、前記粉体供給筒の中心部または粉体供給筒より外側の斜め上方位置に液体噴射ノズルを設けて、回転する前記分散展開コーン上に液体を噴射供給し、落下する粉体に液体を噴射当接して回転混合盤上における遠心方向への均一な混合分散を行うと共に前記分散展開コーン上における粉体の付着を防止するように構成することを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の粉体/液体連続混合装置は、前記回転混合盤に、混合室内に設けた中心軸部にベアリングを介して軸支し、前記ベアリングを囲繞するように少なくとも1対の永久磁石を配置し、
前記回転混合盤の永久磁石とそれぞれ対応するように前記混合室の底部外側に、駆動モータにより回転駆動する永久磁石または電磁石を備えた回転駆動部材を設けたことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の粉体/液体連続混合装置は、前記回転混合盤に、円形回転盤の上面外周部に混合室の天井部に対して掻取り操作を行う少なくとも1つまたは複数のスクレーパを設けると共に、円形回転盤の下面外周部に混合室の底部および内周部に対して掻出し操作を行う少なくとも1つまたは複数の掻出羽根を設けたことを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の粉体/液体連続混合装置は、前記オーバーフローコーンに、その内壁面に沿って環状溢流膜として流下させる液体を貯留する溢流槽の上部側を密閉被覆するための前記粉体供給筒および液体噴射ノズルを挿通配置したオーバーフローコーン・カバーを設け、このオーバーフローコーン・カバーの前記粉体供給筒を挿通する外周部分に透明板材を組み込んで内部を監視し得る覗き窓を形成したことを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の粉体/液体連続混合装置は、前記オーバーフローコーン・カバーに、前記オーバーフローコーンの内壁面に沿って環状溢流膜として流下させる液体を貯留する溢流槽の溢流口縁部に対し、前記液体の環状溢流膜上に粉体の付着を防止するための気流のカーテンを形成する気体供給手段を設けたことを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の粉体/液体連続混合装置は、前記オーバーフローコーン・カバーに、前記オーバーフローコーンの内壁部に挿通される前記粉体供給筒の外周部に対し、オーバーフローコーンの内壁面への粉体の付着を防止するための気流のカーテンを形成する気体供給手段を設けたことを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の粉体/液体連続混合装置は、前記気体供給手段により供給する気体として、不活性ガスないし空気等を使用することを特徴とする。
本発明の請求項8に記載の粉体/液体連続混合装置は、前記オーバーフローコーンにおいて、その内壁面に沿って環状溢流膜として流下させる液体は、液体を貯留する溢流槽内を旋回させるように供給して、オーバーフローコーンの内壁面に沿って旋回しながら流下するように構成したことを特徴とする。
本発明の請求項9に記載の粉体/液体連続混合装置は、前記オーバーフローコーン・カバーにおいて、前記オーバーフローコーンの内壁面に沿って流下する環状溢流膜上に気流のカーテンを形成する気体供給手段は、オーバーフローコーンの内壁面に沿って気流が旋回しながら流下するように構成したことを特徴とする。
本発明の請求項1および2に記載の粉体/液体連続混合装置によれば、粉体と液体との均一な混合流体を得るための回転混合盤と駆動モータの回転駆動軸との結合を磁気結合方式とすることにより、回転混合盤の回転軸部のシール構造を省略し、混合室と駆動部を完全に分離した完全無漏洩の構造とし、従来において取扱いが困難とされた特殊溶剤の適用を可能にすると共に、微少量でも最適な粉体と液体との連続混合を達成することができ、さらにメンテナンス作業の容易な粉体/液体連続混合装置を得ることができる。
本発明の請求項3に記載の粉体/液体連続混合装置によれば、混合室内において、回転混合盤により常に粉体と液体とが均一に混合分散された、連続的な均一混合流体の生成を容易に実現することができる。
本発明の請求項4に記載の粉体/液体連続混合装置によれば、オーバーフローコーンの内部における粉体と液体との混合分散状態を確認することができると共に、装置の制御操作の微調整が可能となり、効率的な粉体/液体連続混合装置の運転操作を達成することができる。
本発明の請求項5ないし7に記載の粉体/液体連続混合装置によれば、オーバーフローコーンの内部における粉体と液体との混合分散を円滑に促進して、常に粉体と液体とが均一に混合分散された、連続的な均一混合流体の生成を容易に実現することができる。
本発明の請求項8および9に記載の粉体/液体連続混合装置によれば、オーバーフローコーンの内部における粉体と液体との均一な混合分散を促進して、連続的な均一混合流体の生成を容易に実現することができる。
次に、本発明に係る粉体/液体連続混合装置の実施例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1ないし図6は、本発明に係る粉体/液体連続混合装置の一実施例を示すものである。すなわち、図1において、参照符号10は粉体定量供給装置等(図示せず)に接続されて所要の粉体を連続的に定量供給する粉体供給筒を示す。この粉体供給筒10の開口部10aに対し、この粉体供給筒10の先端部を囲繞するように、所要の液体を溢流槽12の溢流口縁部12aから環状溢流膜として流下させる内壁面を有するオーバーフローコーン14が設けられている。なお、このオーバーフローコーン14に設けられた溢流槽12には、所要の液体を連続的に供給するための給水管16が適宜連通接続されている。
前記オーバーフローコーン14の下部には、前記オーバーフローコーン14と同心的に回転混合盤18を備えた混合室20が設けられている。しかるに、本実施例において、前記回転混合盤18は、駆動モータ22の回転駆動軸22aとの結合を、磁気結合として、回転混合盤18の回転軸部のシール構造を省略し、混合室20を駆動部から完全に分離した完全無漏洩の構造として構成される。このため、前記回転混合盤18は、混合室20内に設けた中心軸部20aにベアリング24を介して軸支し、前記ベアリング24を囲繞するように少なくとも1対の永久磁石26、26が配置されている。そして、前記回転混合盤18の永久磁石26、26とそれぞれ対応するように、混合室20の底部外側に、駆動モータ22により回転駆動する永久磁石28、28(または電磁石)を備えた回転駆動部材30が構成配置されている。
また、前記回転混合盤18は、その回転中心となる上面部に、前記粉体供給筒10の開口部10aに指向して起立する円錐形状の分散展開コーン32が設けられている。さらに、前記回転混合盤18は、円形回転盤の上面外周部に混合室20の天井部に対して掻取り操作を行う少なくとも1つのスクレーパ34(図示例では3つスクレーパ34)が設けられると共に、円形回転盤の下面外周部に混合室20の底部および内周部に対して掻出し操作を行う少なくとも1つの掻出羽根35(図示例では3つの底部掻出羽根35aと3つの内周部掻出羽根35b)が設けられている〔図2および図3参照〕。なお、前記混合室20の外周の一部には、粉体と液体との均一混合流体の排出を行うための排出口36が設けられている。
前記オーバーフローコーン14は、その内壁面に沿って環状溢流膜として流下させる液体を貯留する溢流槽12の上部側を密閉被覆するための前記粉体供給筒10を挿通配置したオーバーフローコーン・カバー40を設ける。このオーバーフローコーン・カバー40には、前記粉体供給筒10を挿通する外周部分に、透明板材42を組み込んで内部を監視し得るようにした覗き窓44を形成する(図4および図5参照)。なお、参照符号43は、前記透明板材42を密封保持するための押え板を示す。
また、前記オーバーフローコーン・カバー40には、前記回転混合盤18の回転中心となる上面部に設けた分散展開コーン32の中心部に指向させて、前記粉体供給筒10の開口部10aより外側の斜め上方位置に、液体噴射ノズル46を配置して、この液体噴射ノズル46と連通する給水管48を前記オーバーフローコーン・カバー40の一側部に適宜挿通配置する(図4および図5参照)。
このように構成することにより、前記粉体供給筒10の開口部10aから前記回転混合盤18の回転中心となる上面部に設けた分散展開コーン32上に落下供給される粉体PWは、その斜め上方から液体噴射ノズル46により噴射供給される液体WJが噴射当接し、回転混合盤18上における遠心方向への均一な混合分散が行われて、粉体と液体との連続的な均一混合流体の生成を容易に達成することができると共に、前記分散展開コーン32上における粉体の付着を防止することができる(図4参照)。
代案として、前述した粉体供給筒10の開口部10aより斜め上方位置に配置した液体噴射ノズル46は、前記粉体供給筒10の中心部を挿通させて、前記分散展開コーン32の中心部に指向するように液体噴射ノズル46′を配置することができる(図7参照)。この場合、その他の構成は前述した図4に示す実施例と全く同じである。従って、同一の構成部分には、同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。すなわち、前記粉体供給筒10の中心部に液体噴射ノズル46′を配置することによっても、前記と同様に粉体と液体との連続的な均一混合流体の生成と共に、分散展開コーン32上における粉体の付着防止を達成することができる(図7参照)。
なお、前記オーバーフローコーン・カバー40は、前記オーバーフローコーン14の内壁面に沿って環状溢流膜として流下させる液体を貯留する溢流槽12の溢流口縁部12aに対して、前記液体の環状溢流膜上に気流AF1 のカーテンを形成するための2重管構造からなる気体供給手段50aを設ける(図4ないし図7参照)。従って、このように構成した気体供給手段50aから、オーバーフローコーン14の内部へ、不活性ガスまたは空気等を注入することにより、前記環状溢流膜上に気流AF1 のカーテンが形成されて、粘着性の強い粉体のオーバーフローコーン14の内壁面への付着を防止することができる。
また、前記オーバーフローコーン・カバー40は、前記覗き窓44を形成する透明板材42の下面縁部より、前記オーバーフローコーン14の内部に指向させて、前記透明板材42の内面全体に気流AF2 のカーテンを形成するための気体供給手段50bを設ける(図4ないし図7参照)。従って、このように構成した気体供給手段50bから、オーバーフローコーン14の内部へ、不活性ガスまたは空気等を注入することにより、前記透明板材42の内面に気流AF2 のカーテンが形成されて、粘着性の強い粉体の透明板材42の内面への付着を防止して、覗き窓44としての機能を常に適正な状態に維持することができる。
さらに、前記オーバーフローコーン・カバー40は、前記オーバーフローコーン14の内部に挿通される前記粉体供給筒の外周部に、その開口部10aから放出される粉体を回転混合盤18の中心部へ指向させて落下するように気流AF3 のカーテンを形成するための2重管構造からなる気体供給手段52を設ける(図4ないし図7参照)。従って、このように構成した気体供給手段52から、前記粉体供給筒の外周部に沿って、その下方へ不活性ガスまたは空気等を注入することにより、粉体供給筒の開口部10aから落下する粉体を囲繞するように気流AF3 のカーテンが形成されて、粉体が浮遊して周辺に付着するのを有効に防止することができる。
また、前記オーバーフローコーン14において、その内壁面に沿って環状溢流膜として流下させる液体は、給水管16の開口部に対して偏向板54を配置して、液体を貯留する溢流槽12内を旋回させるように供給して、オーバーフローコーン14の内壁面に沿って旋回しながら流下するように形成する。このように構成することによっても、粉体のオーバーフローコーン14の内壁面への付着防止に有効である(図5参照)。
一方、前記オーバーフローコーン・カバー40において、前記液体の環状溢流膜上に粉体の付着を防止するための気流AF1 のカーテンを形成する気体供給手段50aについては、オーバーフローコーン14の内壁面に沿って気流が旋回しながら流下するように構成することによって、粉体のオーバーフローコーン14の内壁面への付着防止に有効である(図5参照)。同様にして、前記覗き窓44における透明板材42の内面への粉体の付着を防止ための気流AF2 のカーテンを形成する気体供給手段50bについても、透明板材42の下面外周縁部より下面に沿って気流が旋回しながら流過するように構成することによって、粉体の透明板材42の内面への付着防止に有効である(図5参照)。
前述した構成からなる本発明に係る粉体/液体連続混合装置においては、駆動モータ22の回転駆動部材30と磁気結合された回転混合盤18を設けた混合室20内において、前記粉体供給筒10の開口部10aから前記回転混合盤18の回転中心となる上面部に設けた分散展開コーン32上に落下供給される粉体PWは、その斜め上方または中心部から液体噴射ノズル46または46′により噴射供給される液体WJに噴射当接して、回転混合盤18上における遠心方向への均一な混合分散が行われる。次いで、前記回転混合盤18の回転により、回転混合盤18に設けたスクレーパ34および掻出羽根35a、35bにより、オーバーフローコーン14の内壁面に沿って環状溢流膜となって流下する液体と分散当接して、粉体と液体との連続的な均一混合流体が円滑に生成され、排出口36から連続的かつ円滑に排出することができる(図4および図7参照)。
また、本発明における粉体/液体連続混合装置は、粉体と液体との均一な混合流体を得るための回転混合盤18と駆動モータ22の回転駆動部材30との結合を磁気結合としたことにより、前記回転混合盤18に設けるベアリング32の材質をセラミックスまたはSUS系の金属を使用することにより、粉体と混合する液体として各種の溶剤の適用を可能とすることができる。さらに、回転混合盤18は、回転軸部がシール構造を省略した完全無漏洩の構成のため、従来困難とされた危険性の高い溶剤を使用することができると共に、回転混合盤18と混合室20との間隙を最小限に設定してデッドスペースを無くし、粉体と液体との効率的な均一混合流体の生成を行うことができると共に、ほぼ100%に近い歩留まりで粉体と液体との連続的な混合を達成することができる。そして、回転混合盤18は、永久磁石を組み込んだ簡単な構成のため、故障も殆どなくメンテナンスが不要であり、洗浄に際しても分解組み立てが不要であり、取扱いの極めて簡便な装置構成とすることができる(図1参照)。
さらに、本発明の粉体/液体連続混合装置によれば、回転混合盤18を回転駆動するための回転駆動部材30に対し、駆動モータ22を直結することができると共に、縦軸方向の寸法も短縮化できるので、据付面積の縮小化と装置全体のコンパクト化を容易に実現することができる等の利点が得られる。
以上、本発明の好適な実施例についてそれぞれ説明したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内において、多くの設計変更を行うことができる。
本発明に係る粉体/液体連続混合装置の一実施例を示す概略断面側面図である。 図1に示す回転混合盤の要部断面側面図である。 図2に示す回転混合盤の概略平面図である。 図1に示す粉体/液体連続混合装置のオーバーフローコーンおよびオーバーフローコーン・カバーを示す要部拡大断面側面図である。 図4に示すオーバーフローコーン・カバーの平面図である。 図4のA−A線要部拡大断面図である。 本発明に係る粉体/液体連続混合装置の別の実施例からなるオーバーフローコーンおよびオーバーフローコーン・カバーを示す要部拡大断面側面図である。
符号の説明
10 粉体供給筒
10a 開口部
12 溢流槽
12a 溢流口縁部
14 オーバーフローコーン
16 給水管
18 回転混合盤
20 混合室
20a 中心軸部
22 駆動モータ
22a 回転駆動軸
24 ベアリング
26 永久磁石
28 永久磁石(電磁石)
30 回転駆動部材
32 分散展開コーン
34 スクレーパ
35 掻出羽根
35a 底部掻出羽根
35b 内周部掻出羽根
36 排出口
40 オーバーフローコーン・カバー
42 透明板材
43 押え板
44 覗き窓
46、46′ 液体噴射ノズル
48 給水管
50a 気体供給手段
50b 気体供給手段
52 気体供給手段
54 偏向板
PW 落下供給される粉体
WJ 噴射供給される液体
AF1 気体供給手段50aによる気流
AF2 気体供給手段50bによる気流
AF3 気体供給手段52による気流

Claims (9)

  1. 連続的に供給される液体に粉体を分散当接させると共に回転混合盤を介して粉体と液体との均一な混合流体を得るように構成した粉体/液体連続混合装置において、
    粉体と液体との均一な混合流体の排出を行う回転混合盤と駆動モータの回転駆動軸との結合を磁気結合として、回転混合盤の回転軸部のシール構造を省略した混合室を備え、
    前記混合室の上部に、粉体を定量供給する粉体供給筒の開口部を囲繞するように液体をその内壁面に沿って環状溢流膜として流下させるオーバーフローコーンを設け、
    前記回転混合盤の回転中心となる上面部に円錐形状の分散展開コーンを設けると共に、この分散展開コーンの中心部に指向させて、前記粉体供給筒の中心部または粉体供給筒より外側の斜め上方位置に液体噴射ノズルを設けて、回転する前記分散展開コーン上に液体を噴射供給し、落下する粉体に液体を噴射当接して回転混合盤上における遠心方向への均一な混合分散を行うと共に前記分散展開コーン上における粉体の付着を防止するように構成することを特徴とする粉体/液体連続混合装置。
  2. 前記回転混合盤は、混合室内に設けた中心軸部にベアリングを介して軸支し、前記ベアリングを囲繞するように少なくとも1対の永久磁石を配置し、
    前記回転混合盤の永久磁石とそれぞれ対応するように前記混合室の底部外側に、駆動モータにより回転駆動する永久磁石または電磁石を備えた回転駆動部材を設けたことを特徴とする請求項1記載の粉体/液体連続混合装置。
  3. 前記回転混合盤は、円形回転盤の上面外周部に混合室の天井部に対して掻取り操作を行う少なくとも1つまたは複数のスクレーパを設けると共に、円形回転盤の下面外周部に混合室の底部および内周部に対して掻出し操作を行う少なくとも1つまたは複数の掻出羽根を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の粉体/液体連続混合装置。
  4. 前記オーバーフローコーンは、その内壁面に沿って環状溢流膜として流下させる液体を貯留する溢流槽の上部側を密閉被覆するための前記粉体供給筒および液体噴射ノズルを挿通配置したオーバーフローコーン・カバーを設け、このオーバーフローコーン・カバーの前記粉体供給筒を挿通する外周部分に透明板材を組み込んで内部を監視し得る覗き窓を形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の粉体/液体連続混合装置。
  5. 前記オーバーフローコーン・カバーは、前記オーバーフローコーンの内壁面に沿って環状溢流膜として流下させる液体を貯留する溢流槽の溢流口縁部に対し、前記液体の環状溢流膜上に粉体の付着を防止するための気流のカーテンを形成する気体供給手段を設けたことを特徴とする請求項4記載の粉体/液体連続混合装置。
  6. 前記オーバーフローコーン・カバーは、前記オーバーフローコーンの内部に挿通される前記粉体供給筒の外周部に対し、オーバーフローコーンの内壁面への粉体の付着を防止するための気流のカーテンを形成する気体供給手段を設けたことを特徴とする請求項4または5記載の粉体/液体連続混合装置。
  7. 前記気体供給手段により供給する気体は、不活性ガスないし空気等を使用することを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の粉体/液体連続混合装置。
  8. 前記オーバーフローコーンにおいて、その内壁面に沿って環状溢流膜として流下させる液体は、液体を貯留する溢流槽内を旋回させるように供給して、オーバーフローコーンの内壁面に沿って旋回しながら流下するように構成したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の粉体/液体連続混合装置。
  9. 前記オーバーフローコーン・カバーにおいて、前記液体の環状溢流膜上に粉体の付着を防止するための気流のカーテンを形成する気体供給手段は、オーバーフローコーンの内壁面に沿って気流が旋回しながら流下するように構成したことを特徴とする請求項8記載の粉体/液体連続混合装置。
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