以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する複数の可変表示部を含む可変表示装置(特別可変表示部)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
可変表示装置9の上方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する可変表示部を含む特別図柄表示器8が設けられている。特別図柄表示器8は、例えば、1つの7セグメント表示器によって構成される。
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
また、可変表示装置9と可変入賞球装置15との間には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDから成る特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。特別図柄始動記憶表示器18は、有効始動入賞がある毎に、点灯状態とするLEDの数を1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、点灯状態とするLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口(可変入賞球装置)を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はVカウントスイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当たりとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示を始めるとともに、可変表示装置9において飾り図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
停止時の可変表示装置9における特別図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
遊技球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を裏面から見た背面図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の裏面側には、外枠2A内の機構板の上部に球貯留タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が球貯留タンク38に供給される。球貯留タンク38内の遊技球は、誘導樋39を通って賞球ケース40Aで覆われる球払出装置に至る。
また、遊技機裏面側には、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された演出制御基板80を含む可変表示制御ユニット49、および遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。
可変表示装置9の可変表示制御を行う表示制御手段は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータやVDPなどで実現される。また、遊技機には、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cなどを駆動する回路が搭載されている枠側ランプドライバ基板35と、スピーカ27を駆動する回路が搭載されている音声制御基板70とが設置されている。
さらに、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910やその他の基板(図示せず)が設けられている。また、主基板31から他の基板に出力される信号を中継する集中中継基板77が設けられている。
なお、電気部品制御基板(払出制御基板および演出制御基板)には、それぞれ、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段(払出制御手段および演出制御手段)が搭載されている。払出制御手段および演出制御手段は、遊技制御手段からの指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、可変表示装置9等)を制御する。また、枠側に設けられているランプやLEDなどの発光体およびスピーカ27等の電気部品は、演出制御手段からの制御信号に従って、枠側ランプドライバ基板35および音声制御基板70に搭載されている回路部品によって駆動される。さらに、遊技機には、スイッチを搭載した基板やランプやLEDなどの発光体(以下。ランプ・LEDともいう。)が搭載された基板がある。なお、基板とは、電気的に駆動される電気部品、回路部品、コネクタや端子などの接続部品などを搭載した印刷配線板である。
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子盤(情報出力基板)34が設置されている。
球貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導樋39を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチが設けられている。球切れスイッチが球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチは遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導樋39における上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
以下、マイクロコンピュータを搭載した電気部品制御基板と、主基板31から信号を入力する基板とを、周辺基板と総称することがある。
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御用マイクロコンピュータに相当:遊技制御手段)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、およびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う始動口スイッチ14a、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの各スイッチは、入賞検出手段でもある。なお、入賞検出手段は、複数の入賞口に別個に入賞したそれぞれの遊技球をまとめて検出するものであってもよい。また、ゲートスイッチ32aのような通過ゲートであっても、賞球の払い出しが行われるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
さらに、盤側に設けられている発光体である装飾ランプ25を駆動するランプ回路36と、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、特別図柄始動記憶表示器41、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10および普通図柄始動記憶表示器41を駆動する表示駆動回路63とが設けられている。なお、装飾ランプ25として、LEDが用いられることがある。
遊技制御用マイクロコンピュータで実現される基本回路53は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータで実現される基本回路53で実現されているが、主として、遊技制御用マイクロコンピュータにおけるプログラムに従って制御を実行するCPU56で実現される。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。この例では、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされている。
CPU56のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。リセット信号がローレベルからハイレベルに変化すると、CPU56は動作を開始する。すなわち、ROM54に格納されているプログラムにもとづく処理を開始する。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は払出制御基板37上の回路によって制御される発射モータ94を含み、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。発射モータ94を駆動するための駆動信号は、タッチセンサ基板91を介して発射モータ94に伝達される。
また、制御状態に応じて主基板31から演出制御基板80に対して演出制御コマンドが送信される。そして、演出制御手段(具体的には演出制御用CPU)は、演出制御コマンドを受信する処理を実行し、枠側ランプドライバ基板35を介して枠側に設けられている発光体を制御するとともに、音声制御基板70を介してスピーカ27からの音出力を制御する。なお、枠側ランプドライバ基板35および音声制御基板70には、マイクロコンピュータが搭載されていてもよい。また、枠側ランプドライバ基板35および音声制御基板70には、主基板31における遊技制御手段(具体的にはCPU56)からコマンドが直接送信されるようにしてもよい。
なお、主基板31は、遊技機裏面において、1つの基板ボックスに収容された状態で設置される。そして、基板ボックスは容易には開けられない構造になっている。
図4は、遊技機に設けられている主要な基板の接続状態を示すブロック図である。図3には示されなかったが、主基板31から周辺基板(払出制御基板37を除く。また、基板として形成されているものに限らず、端子が複数配列している端子盤も含む。)への信号は、集中中継基板77を介して出力される。図4に示す例では、情報端子盤34、装飾ランプ25を搭載した装飾ランプ基板79、および演出制御基板80への信号が、集中中継基板77を介して出力される。なお、遊技機に設けられている各スイッチ(上述した入賞口スイッチ等)の検出信号は、スイッチ中継基板78を介して主基板31に入力される。
なお、図4には、情報端子盤34、装飾ランプ基板79および演出制御基板80が例示されているが、主基板31から信号を入力する周辺基板として、さらに多くの基板が存在している。例えば、図4には、1つの装飾ランプ基板79が示されているが、遊技盤6におけるランプ、LED、または7セグメントLEDの設置位置に応じて複数の装飾ランプ基板が設けられている。例えば、可変表示装置9の周囲に設けられているランプ・LEDを搭載した1つまたは複数の装飾ランプ基板が設けられ、大入賞口の周囲に設けられているランプ・LEDを搭載した1つまたは複数の装飾ランプ基板が設けられる。より多数の周辺基板が設けられていても、図4に例示するように、主基板31から出力される信号が、1つの集中中継基板77を介して全ての周辺基板に出力されることが好ましい。すなわち、全ての周辺基板に対して1つの集中中継基板77が設けられていることが好ましい。例えば、表示駆動回路63からの信号についても、集中中継基板77を介して周辺基板に出力されることが好ましい。さらに、遊技用装置の一つである電気部品としてのソレノイドに駆動信号を出力するソレノイド回路59(図3参照)からの駆動信号を、集中中継基板77を経由するようにしてもよい。
図5は、主基板31における信号出力部と集中中継基板77に搭載されている部品を示す説明図である。図5に示すように、主基板31において、基本回路53(具体的には遊技制御用マイクロコンピュータの出力ポート)からの信号を情報端子盤34に出力する情報出力回路34、装飾ランプ基板79に信号を出力するランプ回路36、および演出制御基板80に信号を出力する出力バッファ回路67(図3では図示せず)は、集中中継基板77に向かう方向にしか信号を通過させない(集中中継基板77から主基板31への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路で構成されている。なお、図示はしないが、主基板31において、装飾ランプ基板79に信号を出力する表示駆動回路63についても、集中中継基板77に向かう方向にしか信号を通過させない信号方向規制手段としての単方向性回路で構成されている。単方向性回路として、トランジスタや、IC回路が使用される。なお、単方向性回路は、電流増幅機能を有していてもよい。
主基板31から集中中継基板77に出力される信号は、主基板31に搭載されているコネクタ31A、集中中継基板77に搭載されているコネクタ77A、およびコネクタ31Aとコネクタ77Aとの間を接続するケーブルで、集中中継基板77に伝達される。集中中継基板77には、主基板31から入力された信号を周辺基板に向かう方向にしか信号を通過させない(周辺基板から集中中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74,75,76が搭載されている。単方向性回路74,75,76として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図5には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路74,75,76は、各信号毎に設けられる。
また、図5に示す例では、情報出力回路34に出力される信号は、集中中継基板77に搭載されているコネクタ77Bを介して出力される。装飾ランプ基板79に出力される信号は、集中中継基板77に搭載されているコネクタ77Cを介して出力される。演出制御基板80に出力される信号は、集中中継基板77に搭載されているコネクタ77Dを介して出力される。
なお、図5には、主基板31から集中中継基板77には1つのコネクタを介して信号が出力される例が示されているが、複数のコネクタおよびケーブルを介して主基板31から集中中継基板77に信号が出力されるようにしてもよい。また、この実施の形態では、主基板31と払出制御基板27との間の信号は集中中継基板77を経由しないが、主基板31と払出制御基板27との間の信号として、主基板31から払出制御基板27に向かう信号しか存在しない場合には、主基板31から払出制御基板27に向かう信号が、集中中継基板77を経由するように構成してもよい。
また、集中中継基板77に、信号方向規制手段だけでなく、ノイズフィルタなどのノイズ除去用の部品を搭載してもよい。すなわち、中継基板において、遊技制御基板から入力される信号(全て、または、特にノイズ対策を行うことが望まれる演出制御コマンドやINT信号などの主要な信号すなわち正しく入力されないと遊技進行に支障を来す信号)に対してノイズ除去手段が設けられていることが好ましい。ノイズ除去用の部品を搭載することによって、主基板31と周辺基板との間の配線長が長くなっても、周辺基板に至る信号にノイズが乗る可能性を低減できる。また、集中中継基板77において、遊技制御基板から入力される信号(例えば信号についての電流)を増幅する増幅手段が搭載されていてもよい。そのように構成されている場合には、中継基板において増幅処理がなされるので、遊技制御基板に搭載される増幅回路をなくすことができる。
図6は、演出制御基板80、枠側ランプドライバ基板35および音声制御基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図6に示す例では、枠側ランプドライバ基板35および音声制御基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていない。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ(電気部品制御用マイクロコンピュータの一例)における演出制御用CPU101は、ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、集中中継基板77を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、集中中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか信号を通過させない(演出制御基板80の内部から集中中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート104および出力ドライバ110を介して音声制御基板70に対して音番号データを出力する。また、演出制御用CPU101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介して枠側ランプドライバ基板35まで延長されている。
枠側ランプドライバ基板35において、演出制御用CPU101に入出力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され各LEDに供給される。
この実施の形態では、枠側に設けられているランプ・LEDは、演出制御基板80に搭載されている演出用CPU101を含む演出制御手段によって制御される。また、可変表示装置9およびランプ・LED等を制御するためのデータがROMに格納されている。演出用CPU101は、ROMに格納されているデータにもとづいて可変表示装置9およびランプ・LED等を制御する。そして、枠側ランプドライバ基板35に搭載されている出力ポート352および各ドライバまたは駆動回路を介して、ランプ・LEDが駆動される。
なお、演出制御基板80、枠側ランプドライバ基板35および音声制御基板70は独立した基板であるが、それらは、例えば、遊技機裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置される。
音声制御基板70において、演出制御基板80からの音番号データは、入力ドライバ702を介して、例えばデジタルシグナルプロセッサによる音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
図7は、装飾ランプ基板25の一構成例を示すブロック図である。図7には、装飾ランプ25としてLEDが用いられている例が示されてる。そして、主基板31におけるランプ回路35にはLEDを駆動するトランジスタ(単方向性回路の一例)が搭載されている例が示されている。なお、LEDを駆動するトランジスタには、遊技制御用マイクロコンピュータ(具体的には出力ポート)から制御信号が出力されている。
図8は、集中中継基板77を収容する基板ボックスを示す正面図である。集中中継基板77は、遊技機裏面において、基板ボックスに収容されている。すなわち、収納手段としての基板ボックスに集中中継基板77が収納されて遊技機に取り付けられている。中継基板ボックスは、集中中継基板77が収容されたボックス本体770が蓋部773で覆われる構造である。蓋部773は、取付部771,772のそれぞれにおける取付穴にねじ込まれたワンウェイねじとその他のねじ(図示せず)でボックス本体770に固着される。ワンウェイねじとは、ねじ締め方向にしか回らないねじである。従って、一旦締め付けるとねじを取り外すことはできない。また、取付部771,772おいて、左右3つの取付穴のうちのそれぞれ1つにワンウェイねじが装着される。なお、ボックス本体770および蓋部773は、外から内側を視認可能な(例えば透明)合成樹脂等で形成されている。
蓋部773をボックス本体770から外して集中中継基板77を露出させようとする場合には、取付部771,772におけるワンウェイねじの取付部分(蓋部773との取付部分)を、切断工具などの治具を用いて切断する必要がある。従って、集中中継基板77は、遊技機から取り外されると、取り外し前の装着態様と同態様では装着不能である。また、取付部分の切断の履歴から集中中継基板77が露出された回数がわかる。管理者等が把握している取付部分の切断の履歴(回数)よりも実際の切断の回数が多い場合には、蓋部773が不正に外されて集中中継基板77が露出され、集中中継基板77に対して何らかの不正行為がなされた可能性があることがわかる。なお、取付部771,772にはそれぞれ3箇所の取付穴が設けられているので、蓋部773を3回まで外すことができる。
さらに、ボックス本体770の機構板に取り付けられる部分(図8に示す例では右側2カ所)に蝶番775が設けられる。そして、その反対側に、ボックス本体770を機構板に固定するための固定部776が設けられる。固定部776として、例えば、可撓性の爪部が、機構板に固定されている固着部に係合するような構造を採用することができる。
また、基板ボックスの上部において集中中継基板77が露出している部分があり、その部分に、コネクタ77A〜77Dが設置されている。
図9は、集中中継基板77を収納した基板ボックスが、蝶番775(図9では図示せず)を軸にして開かれた状態を示す説明図である。基板ボックスが、閉じられて機構板に固定されている場合には、例えば透明の蓋部773を介して集中中継基板77の表面側を視認できる。また、図9に示すように、基板ボックスが、開かれた状態では、例えば透明のボックス本体770の裏面を介して集中中継基板77の裏面側を視認できる。
図10は、特別図柄表示器8や可変表示装置9などの各図柄表示装置の接続状態の例を示す説明図である。図10に示すように、本例では、主基板31に搭載されているCPU56は、表示駆動回路63から駆動信号を出力する制御を行うことで、特別図柄表示器8と、特別図柄始動記憶表示器18と、普通図柄表示器10と、普通図柄始動記憶表示器41との表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU101は、主基板31からの演出制御コマンドにもとづいて、可変表示装置9を制御して飾り図柄の表示制御を行う。
本例では、特別図柄表示器8は、7セグメント表示器によって構成され、セグメント表示を行う。特別図柄は、例えば、「0」〜「9」の10個の数字が用いられる。特別図柄は、「0」〜「9」の順番で順次更新されることで変動表示が行われる、なお、「9」が表示されたあとは「0」に戻る。そして、変動表示が終了したときの停止図柄が「0」のときは「はずれ」を意味し、停止図柄が正の偶数(2,4,6,8)のいずれかであるときは「大当り」を意味し、停止図柄が奇数(1,3,5,7,9)のいずれかであるときは「確変大当り」を意味する。
また、本例では、特別図柄始動記憶表示器18と、普通図柄始動記憶表示器41とがLEDによって構成されている。また、普通図柄表示器10がランプによって構成され、可変表示装置9がLCDによって構成されている。飾り図柄は、例えば左中右の3図柄によって表示され、左中右それぞれの図柄には例えば「0」〜「9」の10個の数字が用いられる。そして、飾り図柄は、停止図柄が左中右それぞれが同一の図柄である場合には「大当り」を示唆(単に「大当り」ということがある)していることを意味し、それ以外の停止図柄である場合には「はずれ」を示唆(単に「はずれ」ということがある)していることを意味する。なお、可変表示装置9による表示演出を、キャラクタなどの識別情報により行うようにしてもよい。例えば、キャラクタにより表示演出を行う場合には、例えば野球選手を登場させてホームランを打った様子を表示することにより、大当りを示唆するようにすることなどが考えられる。
次に遊技機の動作について説明する。図11は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(図示せず)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板37および演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される飾り図柄の初期図柄を示すコマンド(演出制御基板80に対して)や賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、特別図柄表示器8に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図12に示すステップS21〜S31の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS22)。CPU56は、さらに、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23,S24)。
図13は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:特別図柄のはずれ図柄を決定する(特別図柄判定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否か(本例では、飾り図柄でリーチ演出を実行するか否か)を決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
図12に示された遊技制御処理におけるステップS22では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数も用いられている。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、飾り図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS27)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS28)。
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS29)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
そして、CPU56は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS30)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS31)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS32)、割込許可状態に設定する(ステップS33)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。また、ステップS21〜S31の処理(ステップS28およびS30を除く)が、遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている可変表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97、ランプやLEDなどの発光体、スピーカなどの音発生部品等の遊技用装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう。)に相当する。
図14は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図14に示す特別図柄プロセス処理は、図12のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果を大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
変動時間設定処理(ステップS302):ランダム4の値に応じて変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
特別図柄変動処理(ステップS303):特別図柄の変動表示を開始したあと、所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示された時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。なお、大当りとする場合には、特別図柄変動処理にて、演出制御基板80に対して、飾り図柄の停止を指示するための飾り図柄停止コマンドを送信する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄表示器8における特別図柄を停止させる。そして、停止図柄が大当り図柄である場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
図15は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図15において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
この例では、特別図柄の各変動パターンは、はずれとするか否か、確変大当りとするか否か、非確変大当りとするか否か、リーチとするか否か、およびリーチとする場合のリーチ態様など、各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、本例では、リーチ演出は、飾り図柄を用いて行う。
なお、「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴うが変動結果(停止図柄)が大当りを生じさせるものとならない変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、「ノーマル」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。そして、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがある。
なお、短縮表示パターンが用いられるようにしてもよい。短縮表示パターンは、左中右の図柄の変動時間が例えば1.0秒という極めて短い変動パターンである。なお、図15には示されていないが、リーチ演出以外にも、予告演出の有無や、再変動演出の有無など、他の特定演出の実行の有無を含む変動パターンが含まれていてもよい。
図16は始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS111)。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やし(ステップS112)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS113では、図13に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム5が抽出される。
次いで、CPU56は、ステップS113にて特別図柄判定用バッファに格納した大当り判定用乱数にもとづいて大当りであるか否かの判定を行い(ステップS114)、はずれであればリーチ判定用乱数にもとづいてリーチとするか否かの判定を行う(ステップS115)。
大当りとするか否かなどを判定すると、CPU56は、その判定結果に応じて設定される変動パターン決定用テーブルと、ステップS113にて特別図柄判定用バッファに格納した変動パターン決定用乱数とにもとづいて、図15に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS116)。変動パターン決定用テーブルは、例えば、大当り用、確変大当り用、リーチ用、はずれ用がそれぞれあらかじめ用意され、ステップS114,S115の判定結果に応じて使用テーブルが設定される。
変動パターンを決定すると、CPU56は、決定した変動パターン指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS117)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS118)。
コマンドセット処理を実行することによって演出制御コマンドが演出制御基板80に送信される。この実施の形態では、演出制御手段に送信されうる各演出制御コマンドはROM54のコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。
そして、CPU56は、変動時間を短縮するか否かの判定を行うための変動時間短縮判定時間をセットする(ステップS119)。
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)〜特別図柄停止処理(ステップS304)をまとめた特別図柄変動処理の例を示すフローチャートである。特別図柄変動処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器8において特別図柄の変動がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
始動入賞記憶数が0でなければ、CPU56は、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各始動入賞記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、始動入賞記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS55)、大当りとするか否かの判定を行う(ステップS56)。はずれとする場合には、乱数格納バッファからリーチ判定用乱数を読み出し、リーチとするか否かの判定を行う(ステップS57)。
大当りの有無を決定すると、CPU56は、その決定結果に応じて、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS58)。具体的には、大当りとすることに決定されている場合には、乱数格納バッファに格納されている大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の値に従って大当り図柄を決定する。また、はずれとすることに決定されている場合には、乱数格納バッファに格納されているはずれ図柄決定用乱数(ランダム2)の値に従ってはずれ図柄を決定する。
さらに、CPU56は、ステップS56〜S57での大当りの有無やリーチの有無の決定結果に応じて変動パターンを判定し、特別図柄の変動時間を決定する(ステップS59)。なお、ステップS55〜ステップS59は、上述したステップS114〜ステップS116と同様にして処理される。
特別図柄の変動時間を決定すると、CPU56は、決定した変動時間を示す変動時間データを特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS60)、特別図柄表示器8での特別図柄の変動表示を開始する(ステップS61)。
その後、変動時間が終了すると、CPU56は、大当り図柄で停止させる場合には(ステップS63のY)、飾り図柄停止指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS64)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS65)。
そして、CPU56は、決定されている停止図柄で特別図柄を停止表示する(ステップS66)。さらに、CPU56は、大当りとするときには特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値に更新し、はずれとするときには特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新する(ステップS67)。
次に、遊技制御手段から演出制御手段に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図18は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図18に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、ストローブ信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。なお、図18には、演出制御コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板(この実施の形態では払出制御基板37)への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図19に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御手段から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御手段が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図19に示された極性と逆極性であってもよい。
図20は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図20に示す例において、コマンド8000(H)〜8058(H)は、特別図柄を可変表示する可変表示装置9における特別図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。
コマンドA000(H)は、飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そして、コマンドC000(H)〜EXXX(H)は、飾り図柄の変動および大当り遊技に関わらない可変表示装置9の表示状態に関する演出制御コマンドである。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
また、コマンドE400(H)は、高確率状態から低確率状態になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。
演出制御基板80の演出制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した演出制御コマンドを受信すると図20に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプ・LEDの表示状態を変更し、必要ならば音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図20に示された例以外の制御コマンドも遊技制御手段から演出制御手段に送信される。例えば、賞球ランプ51や球切れランプ52の表示状態、および大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドも遊技制御手段から演出制御手段に送信される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図21は、演出制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、予告乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
次に、主基板31からの演出制御コマンド受信処理について説明する。図22は、主基板31から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。音声制御手段や、ランプ制御手段においても同様に、リングバッファ形式でないバッファ形式としてもよい。
主基板31からの演出制御用のINT信号は演出制御用CPU101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用CPU101において割込がかかる。そして、演出制御用CPU101は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドデータを、コマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する。
図23は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく。
受信した演出制御コマンドが変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS613)、演出制御用CPU101は、未処理変動回数カウンタの値を1加算し(ステップS614)、そのコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS615)。
未処理変動回数カウンタは、例えば演出制御基板80が備えるRAMに設けられ、未処理の飾り図柄の変動表示に関わる変動パターンコマンドの受信回数を計数するカウンタである。
そして、ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS616)。
図24は、変動パターンデータ格納領域の例を示す説明図である。図24に示すように、変動パターンデータ格納領域は、未処理変動回数カウンタのカウント値に対応して複数設けられている。
そして、ステップS615では、図24に示すように、受信した変動パターンコマンドのEXTデータが、ステップS614にて加算されたあとの未処理変動回数カウンタのカウント値に対応する変動パターンデータ格納領域に格納される。
図25は、図21に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
飾り図柄通常処理(ステップS800):未だ実行していない飾り図柄の変動表示が残っているか否か確認する。具体的には、未処理変動回数カウンタの値が1以上であるか否か確認する。
飾り図柄変動パターン決定処理(ステップS801):変動パターンデータ格納領域の格納情報などにもとづいて、飾り図柄の変動パターンを決定する。
全図柄変動開始処理(ステップS802):左中右図柄の変動が開始されるように制御する。
図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
全図柄停止処理(ステップS804):変動時間が終了したことに応じて、飾り図柄の変動を停止し停止図柄を表示する。なお、表示結果が大当り表示結果(大当りを示唆する表示結果)である場合には、変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(飾り図柄停止の演出制御コマンド)を受信していたら、飾り図柄の変動を停止し停止図柄を表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
大当たり遊技中処理(ステップS806):大当たり遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
図26は、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。演出制御実行データは、表示制御実行データとランプ制御実行データとを含む。表示制御実行データは、飾り図柄の変動期間中における可変表示装置9の表示状態を示すデータが設定されている。例えば、表示制御実行データ1には、可変表示開始時の可変表示装置9の表示状態を示すデータが設定されている。また、ランプ制御実行データは、飾り図柄の変動期間中におけるランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。例えば、ランプ制御実行データ1には、可変表示開始時のランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。そして、飾り図柄の変動期間中において、表示状態を切り替えるタイミング(例えば可変表示装置9において新たなキャラクタが登場するタイミング、ランプ・LEDを点灯状態から消灯状態に切り替えるタイミング)が到来すると、演出制御手段は、プロセスデータにおける次の演出制御実行データに従って、可変表示装置9およびランプ・LEDの表示状態を制御する。プロセスタイマ設定値には、切替のタイミングに応じた時間が設定されている。
このように、演出制御手段が、ROMに記憶されているプログラムおよびプロセスデータにもとづいて演出手段を制御し、複数の演出手段(この実施の形態では可変表示装置9およびランプ・LED)の制御に関わるプログラムが、演出制御基板80に搭載されているROMに格納されている。そして、それらのプログラムを格納するROMを1つのROMとして構成することができる。従って、部品点数を減らすことができる。また、ROMに記憶されているプロセスデータのうち、プロセスタイマ設定値が共通化されている。従って、演出制御手段のROM容量を節減することができる。なお、演出制御実行データについても、表示制御実行データとランプ制御実行データとを共通化できるのであれば、1つの演出制御実行データとしてもよい。このように、この実施の形態では、複数の演出手段の制御に関わるデータのうち少なくとも一部のデータ(この実施の形態では音声データROM704に格納されているデータを除くデータ)を同一ROMに格納することができる。
図26に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセスデータは、飾り図柄の変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。なお、飾り図柄の変動パターンと、特別図柄の変動パターンとは異なるものである。ただし、飾り図柄の変動パターンには、少なくとも、図15に示した各変動パターンに対応する変動パターンが含まれる。
図27は、図25に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄通常処理(ステップS800)を示すフローチャートである。飾り図柄通常処理において、演出制御用CPU101は、未処理変動回数カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS811)。0であれば、処理を終了する。0でなければ(1以上であれば)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動パターン決定処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS812)。
図28は、図25に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動パターン決定処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動パターン決定処理において、演出制御用CPU101は、未処理変動回数カウンタの値が2以上であり(ステップS821のY)、かつ、今回からの変動表示が連続してはずれとなっている場合には(ステップS822のY)、飾り図柄についての複数回の変動表示を統合させた変動表示の変動パターンを決定するか否か判定する(ステップS823)。
なお、ステップS822では、変動パターンデータ格納領域(図24参照)に格納されている受信した変動パターンコマンドのEXTデータそれぞれにもとづいて、今回からの変動表示が連続してはずれとなっているか否か確認する。今回からの複数回の変動に関わる各EXTデータがそれぞれはずれである場合には、ステップS822にてYと判定される。
また、ステップS823では、例えば、変動表示の統合判定を行うための乱数を抽出し、あらかじめ用意されている所定の比較値と一致するか否かを判定することで、複数の変動表示を統合した変動パターンを決定するか否か判定する。
複数回分の飾り図柄の変動表示を統合させると判定した場合には、演出制御用CPU101は、あらかじめ用意されている複数種類の変動パターンの中から、複数回のはずれの変動表示それぞれの変動時間を合計した変動時間の変動パターンのいずれかを選択し、選択した変動パターンで飾り図柄の変動表示を行うことに決定する(ステップS824)。なお、ステップS824では、飾り図柄の表示内容のうち、遊技制御手段で決定された内容以外の全ての内容を決定する。具体的には、リーチ演出の有無、再変動演出の有無、キャラクタを登場させるか否か、リーチ、予告、再変動などにおける具体的演出内容などの飾り図柄の表示に関わるもの全てが該当する。なお、ステップS826の決定処理についても同様である。
複数回のはずれの変動表示の変動時間を合計した変動時間の変動パターンとすることに決定すると、演出制御用CPU101は、変動時間が合計された変動表示の数を未処理変動回数カウンタから減算する(ステップS825)。また、このとき、変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータを、変動時間が合計された変動表示の数だけシフトする。
ステップS821〜ステップS823のいずれかでNと判定した場合には、演出制御用CPU101は、未処理変動回数=1に対応する変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータに応じて飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS826)、未処理変動回数カウンタから1減算する(ステップS827)。また、このとき、変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータを1つシフト(例えば、未処理変動回数=2〜nに対応して格納されている各EXTデータを、それぞれ、未処理変動回数=1〜n−1に対応する格納領域にシフトする)する。
そして、演出制御プロセスフラグを全図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS828)。
図29は、演出制御プロセス処理における全図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。全図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、飾り図柄の可変表示の変動パターンに応じたプロセスデータを選択する(ステップS831)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS832)。また、プロセスデータ中の表示制御実行データ1にもとづいてLCD制御を行う(ステップS833)。例えば、表示制御実行データ1の内容に応じた信号を、LCDによる可変表示装置9に与える。なお、表示制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってLCD制御を行うように構成してもよい。また、プロセスデータ中のランプ制御実行データ1にもとづいてランプ・LED制御を行う(ステップS834)。例えば、ランプ制御実行データ1の内容に応じた信号を各ランプ・LEDに与える。なお、ランプ制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってランプ・LED制御を行うように構成してもよい。
また、変動パターンに応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS835)。音声出力基板70において、音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム707で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
その後、変動時間タイマ(飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS836)、演出制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS837)。
図30は、演出制御プロセス処理における図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS841)、プロセスデータにおける演出制御実行データの切り替えを行う(ステップS842)。すなわち、プロセスデータにおいて、次に設定されているプロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS843)、次に設定されている表示制御実行データにもとづいてLCD制御を行う(ステップS844)。また、プロセスデータ中の次に設定されているランプ制御実行データにもとづいてランプ・LED制御を行う(ステップS845)。
そして、変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理に対応した値にする(ステップS847)。
図31は、演出制御プロセス処理における全図柄停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。全図柄停止処理において、演出制御用CPU101は(ステップS851のN)、飾り図柄の変動表示結果を大当り表示結果(大当りを示唆する表示結果)としない場合には、決定されている停止図柄で飾り図柄を停止させる制御を行う(ステップS853)。
一方、飾り図柄の変動表示結果を大当り表示結果とする場合には(ステップS851のN)、演出制御用CPU101は、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(飾り図柄停止の演出制御コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS852)。全図柄停止を指示する演出制御コマンドを受信していれば、記憶されている停止図柄で飾り図柄を停止させる制御を行う(ステップS853)。
そして、ステップS853で大当り図柄を表示した場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS856)。
ステップS853で大当り図柄を表示しない場合(はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄通常処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS855)。
次に、本例の遊技機における特別図柄と飾り図柄の変動状態の関係について詳しく説明する。図32は、始動入賞が連続して4回あった場合における特別図柄と飾り図柄の変動状態の具体例を示すタイミング図である。この例では、4回の始動入賞(始動入賞A〜D)にもとづく特別図柄の表示結果は、すべてはずれとなるものとする。また、ここでは、始動入賞A,B,C,Dにもとづく特別図柄の変動パターンは、ステップS116にて、それぞれ、10秒、5秒、5秒、10秒の変動時間の変動パターンに決定されるものとする。
図32に示すように、始動入賞Aが発生すると、CPU56は、始動口スイッチ通過処理(図16参照)を実行し、事前判定(ステップS114〜S116参照)の結果にもとづいて、10秒の変動時間で表示結果がはずれであることを示す変動パターンコマンドを送信する(ステップS117〜S118参照)。また、CPU56は、始動入賞Aに応じた特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する。
演出制御用CPU101は、始動入賞Aにもとづく変動パターンコマンドを受信すると、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、10秒の変動時間で表示結果がはずれとなる飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS821のN、ステップS826参照)、決定した変動パターンに従って飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する。
次いで、CPU56は、始動入賞B〜Dが発生する毎に始動口スイッチ通過処理を実行し、事前判定の結果にもとづいて、始動入賞Bにもとづく5秒の変動時間で表示結果がはずれであることを示す変動パターンコマンド、始動入賞Cにもとづく5秒の変動時間で表示結果がはずれであることを示す変動パターンコマンド、始動入賞Dにもとづく10秒の変動時間で表示結果がはずれであることを示す変動パターンコマンドを順次送信する。この時点では、図32に示すように、始動入賞Aに応じた特別図柄の変動表示が未だ終了していないため、始動入賞Bに応じた特別図柄の変動表示は開始されない。
演出制御用CPU101は、始動入賞B〜Dにもとづく変動パターンコマンドを受信する毎に、未処理変動回数カウンタを加算し(ステップS614)、変動パターンコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS615)。
その後、CPU56は、10秒間の特図変動Aを終了すると、始動入賞Bに応じた特別図柄の変動表示(特図変動B)を5秒間実行し、始動入賞Cに応じた特別図柄の変動表示(特図変動C)を5秒間実行し、始動入賞Dに応じた特別図柄の変動表示(特図変動D)を10秒間実行する。すなわち、特図変動A、特図変動B、特図変動C、特図変動Dを順次実行する。
一方、演出制御用CPU101は、10秒間の飾り変動Aを終了すると、未処理変動回数カウンタの値が2以上であり(ステップS821のY参照)、はずれが2回以上連続しているため(ステップS822のY参照)、複数の変動表示を統合した変動パターンとするか否か判定する(ステップS823参照)。
この例では、複数の変動表示を統合した変動パターンとすることに決定し(ステップS823のY参照)、特図変動Bに対応する飾り図柄の変動表示(飾り変動B)と、特図変動Cに対応する飾り図柄の変動表示(飾り変動C)と、特図変動Dに対応する飾り図柄の変動表示(飾り変動D)とを統合した変動パターンに決定したものとする(ステップS824参照)。
飾り変動B〜飾り変動Dを統合した変動パターンとしては、例えば、変動時間が飾り変動B〜飾り変動Dの合計の20秒であり、表示結果がはずれ(リーチとなったあとはずれになるものを含む)となる変動パターンのいずれかが選択される。
そして、演出制御用CPU101は、決定した変動パターンに従って、飾り図柄の変動表示を実行する。
図33は、始動入賞が連続して4回あった場合における特別図柄と飾り図柄の変動状態の他の具体例を示すタイミング図である。この例では、4回の始動入賞(始動入賞A〜D)にもとづく特別図柄の表示結果は、すべてはずれとなるものとする。また、ここでは、始動入賞A,B,C,Dにもとづく特別図柄の変動パターンは、ステップS116にて、それぞれ、10秒、5秒、5秒、10秒の変動時間の変動パターンに決定されるものとする。
図33に示す例では、CPU56は図32に示した例と同様の処理を行うため、CPU56の動作については説明を省略する。
この例においても、演出制御用CPU101は、始動入賞Aにもとづく変動パターンコマンドを受信すると、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、10秒の変動時間で表示結果がはずれとなる飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS821のN、ステップS826参照)、決定した変動パターンに従って飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する。
また、演出制御用CPU101は、始動入賞B〜Dにもとづく変動パターンコマンドを受信する毎に、未処理変動回数カウンタを加算し(ステップS614)、変動パターンコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS615)。
その後、演出制御用CPU101は、10秒間の飾り変動Aを終了すると、未処理変動回数カウンタの値が2以上であり(ステップS821のY参照)、はずれが2回以上連続しているため(ステップS822のY参照)、複数の変動表示を統合した変動パターンとするか否か判定する(ステップS823参照)。
この例では、複数の変動表示を統合した変動パターンとしないことに決定し(ステップS823のN参照)、受信している始動入賞Bにもとづく変動パターンコマンドにもとづいて、5秒の変動時間で表示結果がはずれとなる飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS821のN、ステップS826参照)、決定した変動パターンに従って飾り図柄の変動表示(飾り変動B)を実行する。
その後、演出制御用CPU101は、5秒間の飾り変動Bを終了すると、未処理変動回数カウンタの値が2以上であり(ステップS821のY参照)、はずれが2回以上連続しているため(ステップS822のY参照)、複数の変動表示を統合した変動パターンとするか否か判定する(ステップS823参照)。
この例では、複数の変動表示を統合した変動パターンとすることに決定し(ステップS823のY参照)、特図変動Cに対応する飾り図柄の変動表示(飾り変動C)と、特図変動Dに対応する飾り図柄の変動表示(飾り変動D)とを統合した変動パターンに決定したものとする(ステップS824参照)。
飾り変動C〜飾り変動Dを統合した変動パターンとしては、例えば、変動時間が飾り変動C〜飾り変動Dの合計の15秒であり、表示結果がはずれ(リーチとなったあとはずれになるものを含む)となる変動パターンのいずれかが選択される。
そして、演出制御用CPU101は、決定した変動パターンに従って、飾り図柄の変動表示を実行する。
図34は、始動入賞が連続して4回あった場合における特別図柄と飾り図柄の変動状態のさらに他の具体例を示すタイミング図である。この例では、最初の3回の始動入賞(始動入賞A〜C)にもとづく特別図柄の表示結果がすべてはずれとなり、最後の1回の始動入賞(始動入賞D)にもとづく特別図柄の表示結果は大当りとなるものとする。また、ここでは、始動入賞A,B,C,Dにもとづく特別図柄の変動パターンは、ステップS116にて、それぞれ、10秒、5秒、5秒、10秒の変動時間の変動パターンに決定されるものとする。
図34に示すように、始動入賞Aが発生すると、CPU56は、始動口スイッチ通過処理(図16参照)を実行し、事前判定(ステップS114〜S116参照)の結果にもとづいて、10秒の変動時間で表示結果がはずれであることを示す変動パターンコマンドを送信する(ステップS117〜S118参照)。また、CPU56は、始動入賞Aに応じた特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する。
演出制御用CPU101は、始動入賞Aにもとづく変動パターンコマンドを受信すると、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、10秒の変動時間で表示結果がはずれとなる飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS821のN、ステップS826参照)、決定した変動パターンに従って飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する。
次いで、CPU56は、始動入賞B〜Dが発生する毎に始動口スイッチ通過処理を実行し、事前判定の結果にもとづいて、始動入賞Bにもとづく5秒の変動時間で表示結果がはずれであることを示す変動パターンコマンド、始動入賞Cにもとづく5秒の変動時間で表示結果がはずれであることを示す変動パターンコマンド、始動入賞Dにもとづく10秒の変動時間で表示結果が大当りであることを示す変動パターンコマンドを順次送信する。この時点では、図34に示すように、始動入賞Aに応じた特別図柄の変動表示が未だ終了していないため、始動入賞Bに応じた特別図柄の変動表示は開始されない。
演出制御用CPU101は、始動入賞B〜Dにもとづく変動パターンコマンドを受信する毎に、未処理変動回数カウンタを加算し(ステップS614)、変動パターンコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS615)。
その後、CPU56は、10秒間の特図変動Aを終了すると、始動入賞Bに応じた特別図柄の変動表示(特図変動B)を5秒間実行し、始動入賞Cに応じた特別図柄の変動表示(特図変動C)を5秒間実行し、始動入賞Dに応じた特別図柄の変動表示(特図変動D)を10秒間実行する。すなわち、特図変動A、特図変動B、特図変動C、特図変動Dを順次実行する。
一方、演出制御用CPU101は、10秒間の飾り変動Aを終了すると、未処理変動回数カウンタの値が2以上であり(ステップS821のY参照)、はずれが2回以上連続しているため(ステップS822のY参照)、複数の変動表示を統合した変動パターンとするか否か判定する(ステップS823参照)。
この例では、複数の変動表示を統合した変動パターンとすることに決定し(ステップS823のY参照)、特図変動Bに対応する飾り図柄の変動表示(飾り変動B)と、特図変動Cに対応する飾り図柄の変動表示(飾り変動C)と、特図変動Dに対応する飾り図柄の変動表示(飾り変動D)とを統合した変動パターンに決定したものとする(ステップS824参照)。
飾り変動B〜飾り変動Dを統合した変動パターンとしては、例えば、変動時間が飾り変動B〜飾り変動Dの合計の20秒であり、表示結果が大当りとなる変動パターンのいずれかが選択される。
演出制御用CPU101は、決定した変動パターンに従って、飾り変動B〜飾り変動Dを統合した飾り図柄の変動表示を実行する。
CPU56は、特図変動Dの表示結果を大当り表示結果とするため(ステップS63のY参照)、飾り図柄停止コマンドを送信(ステップS64,S65参照)したあと、特図変動Dを終了して特別図柄を大当り図柄で停止表示する(ステップS66参照)。
演出制御用CPU101は、飾り変動B〜飾り変動Dを統合した飾り図柄の変動表示の変動期間が終了したあと、飾り図柄停止コマンドを受信していれば(ステップS852のY参照)、飾り変動B〜飾り変動Dを統合した飾り図柄の変動表示を終了して大当りを示唆する図柄(例えば左中右同一の図柄)で飾り図柄を停止表示する(ステップS853参照)。
以上に説明したように、特別図柄表示器8を遊技制御手段が制御するとともに、可変表示装置9を演出制御手段が制御する構成とし、遊技制御手段が、有効始動入賞が発生したときに大当りか否かなどの事前判定を行い、その判定結果を示す変動パターンコマンドを演出制御手段に送信するとともに、演出制御手段が、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の変動パターンを決定し、決定した変動パターンに従って飾り図柄を順次変動表示させる構成としたので、遊技制御手段の制御負担を軽減させることができ、多くのバリエーションの演出を行うことができるという効果を奏する。
具体的には、遊技制御手段は、飾り図柄の変動パターンのすべてを決定する必要がなく、また、飾り図柄の停止タイミングなどの変動状態にもすべて関与する必要がない。このため、飾り図柄の変動表示に関わる遊技制御手段の制御負担が軽減されるのである。
また、具体的には、遊技制御手段が、飾り図柄の変動パターンのすべてを決定しないので、飾り図柄の変動パターンの決定に用いる各種のデータ(テーブル、プログラムなど)を主基板31が備える記憶媒体に保存しておく必要がなくなる。パチンコ遊技機では、不正防止の観点より、大当りの決定を行うマイクロコンピュータでは、プログラムの書き換えを容易に判別可能とするために、記憶容量が制限されている。一方、演出制御基板80では、そのような制限がない。このようなことから、演出制御手段で飾り図柄の変動パターンを決定し得る構成としているので、多くのバリエーションの演出を行うことができるのである。
また、上述した実施の形態では、遊技制御手段が、変動時間と変動態様とを示す変動パターンコマンドを、原則として1回(大当りとなるときは変動表示の停止時に飾り図柄停止指定の制御コマンドが別途送信される)だけ送信する構成としているので、制御信号を送信する回数を低減させることができ、遊技制御手段の制御負担を軽減させることができる。
具体的には、従来の遊技機には、例えば特開2000−325585号公報に記載されている遊技機のように、遊技制御手段によって、識別情報の可変表示の開始時に、識別情報の表示パターンを示す制御信号と、停止図柄を特定可能な制御信号とが送信され、表示制御手段により、受信した制御信号にもとづく識別情報を可変表示制御が行われるものがある。ところが、上述した実施の形態では、識別情報である飾り図柄の可変表示を演出制御手段に実行させるために、遊技制御手段が、変動時間と変動態様とを示す変動パターンコマンドを、1回だけ送信するようにしているので、上記の従来の遊技機と比較して、制御信号を送信する回数を低減させることができ、遊技制御手段の制御負担を軽減させることができるのである。
また、上述した実施の形態では、遊技制御手段が始動入賞時に大当り判定などを行って変動パターンコマンドを送信し、演出制御手段が、複数の飾り図柄の変動表示を統合した変動パターンを決定し、複数の変動表示を統合した飾り図柄の変動表示を行う構成としたので、演出のバリエーションを増加させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技制御手段における制御信号の送信タイミングの管理負担を軽減させることができる。
すなわち、例えば上記の従来の遊技機(例えば特開2000−325585号公報に記載されている遊技機)では、遊技制御手段によって、識別情報の可変表示の開始時に、識別情報の表示パターンを示す制御信号と、停止図柄を特定可能な制御信号とが送信される。これに対し、上述した実施の形態では、有効始動入賞が発生したときに、大当りとするか否かなどの判定処理を実行し、その判定結果にもとづいて変動パターンコマンドを決定して送信する構成としているので、遊技制御手段における制御信号の送信タイミングの管理負担を軽減させることができるのである。
また、以上に説明したように、上記の実施の形態では、主基板31から周辺基板への信号が集中中継基板77を経由して各周辺基板に出力される。そして、主基板31には、集中中継基板77からの信号入力を阻止するための信号方向規制手段が設けられている(図5参照)。また、集中中継基板77には、周辺基板からの信号入力を阻止するための信号方向規制手段が設けられている(図5参照)。さらに、主基板31から信号を入力し主基板31に対して信号を送出しないマイクロコンピュータを搭載した電気部品制御基板において、集中中継基板77から信号が入力される部分に、集中中継基板77への信号出力を阻止するための信号方向規制手段が設けられている(例えば、図6に示す入力バッファ回路102)。
主基板31から各周辺基板への信号が集中中継基板77に集中され、かつ、主基板31において集中中継基板77に出力される信号に対して信号方向規制手段が設けられているので、主基板31に対して不正に賞球払出を行わせたり不正に大当りを生じさせるような不正信号の入力が効果的に防止される。
すなわち、従来では、不正行為を防止するために、可変表示手段の制御を行う表示制御手段と遊技制御手段との間に、遊技制御手段から表示制御手段への方向にしか信号を通過させない一方向データ転送手段を設置した遊技機が提案されている(例えば特開平8−224339号公報(段落0009−0011、図1))。
しかし、遊技機には、表示制御用のマイクロコンピュータを搭載した基板以外にもマイクロコンピュータを搭載したサブ基板が存在する。また、上述したように、マイクロコンピュータを搭載したサブ基板以外にも、遊技制御手段からの制御信号に応じて動作する遊技用装置そのものが搭載された基板や、遊技制御手段からの制御信号に応じて遊技用装置を駆動する回路(例えばドライバ回路)が搭載された基板が設けられていることがあるが、それらの基板にも、遊技制御基板から信号が出力される。そのような多数の基板と遊技制御基板との間の信号線についても不正行為に対する対策が必要である。さらに、上記の従来の遊技機(特開平8−224339号公報に記載された遊技機)では、サブ基板において不正基板を取り付けるなどの不正行為には有効であるが、一方向データ転送手段における遊技制御手段の側で不正行為がなされた場合には、遊技制御手段に対して不正信号が入力されてしまう。
これに対し、上述した実施の形態では、主基板31からの信号が集中中継基板77に集中するように構成するとともに、かつ、主基板31において集中中継基板77に出力される信号に対して信号方向規制手段を設ける構成としている。このため、主基板31に対して不正に賞球払出を行わせたり不正に大当りを生じさせるような不正信号の入力が効果的に防止されるのである。
なお、上記の実施の形態では、主基板31から信号を入力し主基板31に対して信号を送出しないマイクロコンピュータを搭載した電気部品制御基板として演出制御基板80を例示したが、主基板31から信号を入力し主基板31に対して信号を送出しないマイクロコンピュータを搭載した電気部品制御基板が他にもある場合には、その基板についても、主基板31からの信号が集中中継基板77を経由するように構成されるとともに、集中中継基板77から信号が入力される部分に、集中中継基板77への信号出力を阻止するための信号方向規制手段が設けられる。
以上のような構成を採用することによって、遊技機の動作に不審な点があり不正行為(主基板31に対して不正に賞球払出を行わせたり不正に大当りを生じさせるような信号を入力させる行為、例えば、周辺基板や基板間のケーブルに不正基板を接続するような行為)が疑われるような場合には、主基板31以外では、集中中継基板77のみを調べればよい。主基板31に対して不正信号を送り込むために、集中中継基板77に対して不正信号を送り込んでも、その信号は、集中中継基板77に搭載されている信号方向規制手段によって、主基板31側への信号伝達が阻止されるからである。
また、1つの集中中継基板77のみを調査すればよいことから、多数の中継基板が設けられている場合に比べて、特に、多数の中継基板が縦続的に配置されている場合に比べて、調査時間を短縮できる。また、集中中継基板77の表面および裏面は基板ボックスの外部から容易に視認できるので(図8および図9参照)、集中中継基板77を調査する際に、調査は容易である。さらに、集中中継基板77を収納する基板ボックスは容易に開けられないような構造であるとともに、開けられた場合に、容易にそのことが把握される(図8参照)。そのことからも、集中中継基板77対してなされた不正行為の発見が容易である。
なお、上記の実施の形態では、全ての周辺基板に対して1つの集中中継基板77が設けられていたが、複数の中継基板を並列的に設けてもよい。例えば、各周辺基板に対応して、またはいくつかの周辺基板(全ての周辺基板ではない)に対して1つの中継基板を設けるようにしてもよい。その場合には、不正行為の調査時間が長くなる可能性はあるが、遊技機内部において、配線引き回しが容易になる等のメリットがある。
また、上記の実施の形態では、集中中継基板77は基板ボックスに強固に収納され、容易には遊技機から取り外すことができない構造であったが、ワンウェイねじを用いるのではなく、一般的なねじ等で固定するといった簡易な固定方法を用いてもよい。その場合には、治具としてのねじ回し(ドライバ)やコイン状のものを用いて集中中継基板77が遊技機から取り外される。簡易な固定方法を用いた場合でも、集中中継基板77の表面および裏面は基板ボックスの外部から容易に視認できるので、集中中継基板77の調査は容易である。
このように、集中中継基板77は、所定の治具(ねじ回しや切断工具など)の使用により遊技機から取り外し可能に装着されていることが好ましい。集中中継基板77を容易に取り外すことができず、集中中継基板77に対して不正行為がなされることを防止できるからである。
また、上述したように、集中中継基板77は、遊技機から取り外されると、取り外し前の装着態様と同態様では装着不能に(例えばワンウェイねじで)遊技機に装着されていることがより好ましい。集中中継基板77が不正に取り外されたことを容易に認識できるからである。
なお、上記の実施の形態では、主基板31における遊技制御手段が、遊技盤6に設けられている発光体を制御する構成であったが、遊技盤6に設けられている発光体を遊技制御手段以外の制御手段(例えば、演出制御手段や、演出制御用マイクロコンピュータ以外のマイクロコンピュータであって遊技機おける発光体を制御するマイクロコンピュータ)によって制御されるように構成されている場合でも、本発明を適用することができる。
また、上記の実施の形態では、主基板31からの信号を集中中継基板77を経由させるようにしたが、払出制御基板37から、払出制御基板37に対する周辺基板(払出制御基板37から信号を入力する基板)に出力される各信号ついて、払出制御主基板37から周辺基板への方向にしか通過させない単方向性回路を搭載した1つの中継基板を経由させるようにしてもよい。例えば、賞球払出中であることを示す(または賞球残があることを示す)賞球ランプや補給球切れの状態であることを示す球切れランプなどが、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータによって制御される場合に、それらのランプ、またはそれらのランプを搭載した基板への信号を始めとする各信号を、中継基板を経由させるようにしてもよい。そのように構成されている場合には、主基板31に対する不正行為の防止および調査と同様に、払出制御基板37に対して、不正に遊技球を払い出させるような不正信号の入力を確実に防止できるとともに、不正行為がなされているか否かの調査が容易になる。また、主基板31の場合と同様に、中継基板として、各周辺基板または複数の周辺基板対応に、複数の中継基板が並列的に設置されていてもよい。
なお、上述した実施の形態では、はずれが2回以上連続している場合に限って複数の変動表示を統合する構成としていたが、複数回の未処理の変動表示があり、かつ次回の変動がはずれである場合であれば、はずれが2回以上連続していなくても、複数の変動表示を統合するようにしてもよい。すなわち、次回がはずれの変動表示で、その次が大当りの変動表示である2つの未処理の変動表示がある場合についても、上述した図34と同様の処理を行うことで、矛盾なく飾り図柄演出を行うことができる。
また、上述した実施の形態では、大当りとする場合には、特別図柄の変動を停止するときに飾り図柄停止コマンドを送信する構成としていたが、大当りとする場合に、特別図柄の変動中に変動の残り時間を示す演出制御コマンドを送信する構成としてもよい。また、変動パターンコマンドに大当り表示結果が表示されるまでの時間を含む構成とすれば、変動パターンコマンド以外のコマンドを送信すれば、大当り図柄の表示タイミングの整合を取るための演出制御コマンドを別途送信する必要をなくすことができる。
変形例1.
また、上述した実施の形態では、演出制御手段が、飾り図柄の変動開始時に、飾り図柄の変動パターンを決定する構成としていたが、遊技制御手段からの変動パターンコマンドを受信したときに飾り図柄の変動パターンを決定する構成としてもよい。
この場合、遊技制御手段は、始動入賞時の判定結果がはずれであった場合には(ステップS114)、変動時間を特定することなくはずれであることを示す変動パターンコマンド(はずれであることのみを示す変動パターンコマンド)を決定し(ステップS116)、決定した変動パターンコマンドを送信する(ステップS117〜S118)。また、遊技制御手段は、始動入賞時の判定結果が大当りであった場合には(ステップS114)、変動時間と大当りであることとを示す変動パターンコマンドを決定し(ステップS116)、決定した変動パターンコマンドを送信する(ステップS117〜S118)。この変動時間は、演出制御手段にて変動パターンコマンドが受信され直ちに飾り図柄の変動表示が開始するとした場合のその変動表示の開始時から、該当する始動入賞にもとづく特別図柄の可変表示の表示結果が表示されるときまでの時間(すなわち、特別図柄表示器8にて大当り表示結果が確定表示されるときまでの時間)とされる。よって、そのような時間が変動時間とされた大当りを示す変動パターンがステップS116にて選択あるいは生成される。
一方、この例では、演出制御手段は、コマンド解析処理(ステップS704)にて、はずれを示す変動パターンコマンドを受信すると、あらかじめ定められている所定期間(例えば5秒、7秒など、複数種類の中から選択するようにしてもよい)を変動時間とする飾り図柄の変動パターンを決定する。そして、演出制御プロセス処理(ステップS705)にて、決定した変動パターンに従って飾り図柄の変動表示を実行する。
また、演出制御手段は、コマンド解析処理(ステップS704)にて、大当りを示す変動パターンコマンドを受信すると、受信した変動パターンコマンドが示す変動時間の飾り図柄の変動パターンを決定する。そして、演出制御プロセス処理(ステップS705)にて、決定した変動パターンに従って飾り図柄の変動表示を実行する。
この例では、演出制御手段は、変動パターンコマンドを受信したときに変動パターンを決定し、飾り図柄の変動表示を順次実行する。すなわち、演出制御手段は、変動パターンコマンドを受信すると、対応する飾り図柄の変動表示を直ちに開始する。よって、可変表示を円滑に消化させるために、はずれの変動表示を行う際には、変動時間は短く設定することが望ましい。
ただし、大当りを示唆する表示結果となる変動表示を直ちに実行できないときは、演出制御手段は、図35に示すように、大当りを示唆する表示結果となる変動表示の変動期間を調整した変動パターンを決定し、飾り図柄の確定表示と特別図柄の確定表示との時期が一致するようにする。
具体的には、演出制御手段が、図35に示すように、始動入賞Aにもとづくはずれを示す変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行しているときに、始動入賞Bにもとづく大当りで変動期間が期間bであることを示す変動パターンコマンドを受信したとする。この場合には、演出制御手段は、始動入賞Bにもとづく変動パターンコマンドが示す変動期間(期間b)から、独自に設定した飾り変動Aの変動期間(期間a)の残り期間(期間d)を減算した期間cを変動期間とする変動パターンを決定し、飾り変動Aが終了したあとに、決定した変動パターンに従って飾り図柄の変動表示(飾り変動B)を行う。
上記のように構成すれば、演出のバリエーションを増加させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技制御手段における制御信号の送信タイミングの管理負担を軽減させることができる。さらに、大当りとなるときの特別図柄と飾り図柄の確定表示タイミングを一致させることができる。
すなわち、例えば上記の従来の遊技機(例えば特開2000−325585号公報に記載されている遊技機)では、遊技制御手段によって、識別情報の可変表示の開始時に、識別情報の表示パターンを示す制御信号と、停止図柄を特定可能な制御信号とが送信される。これに対し、上記の変形例では、有効始動入賞が発生したときに、大当りとするか否かなどの判定処理を実行し、その判定結果にもとづいて変動パターンコマンドを決定して送信する構成としているので、遊技制御手段における制御信号の送信タイミングの管理負担を軽減させることができるのである。
変形例2.
また、上述した各実施の形態において、演出制御手段が、未処理の変動表示の数が所定数(例えば4個)以上となったときに、はずれを示唆する表示結果となる飾り図柄の変動表示の変動期間を短縮させるように構成してもよい。
この場合、具体的には、例えば、演出制御手段が、例えばステップS821にて未処理変動回数カウンタが処理数(例えば4個)以上であることを確認すると、ステップS824あるいはステップS826にて変動時間を短縮させた変動パターンを決定するようにすればよい。なお、ステップS824にて変動時間を短縮させる際には、例えば、複数回分の可変表示の変動時間を加算したあと、加算した変動時間を短縮させるようにすればよい。
上記のように構成すれば、遊技制御手段の制御負担を増加させることなく、変動表示の実行頻度を向上させることができ、可変表示演出を円滑に行うことができる。
また、上記の実施の形態では、始動入賞記憶数を最大4個であるとしていたが、3個以下あるいは5個以上とされていてもよい。さらに、あらかじめ定められた所定条件の成立によって、始動入賞記憶数の上限が変化するように構成されていてもよい。具体的には、例えば、通常時は最大4個であるが、大当りが発生した場合には、大当り遊技状態が終了するまで、最大15個となるようにすることが考えられる。
また、上述した実施の形態では、特別図柄表示器8が7セグメント表示器によって構成され、特別図柄始動記憶表示器18と普通図柄始動記憶表示器41とがLEDによって構成され、普通図柄表示器10がランプによって構成され、可変表示装置9がLCDによって構成されることとしていたが、各表示装置には、それぞれ、7セグメント表示器、LED、ランプ、ドットマトリクスなどの各種を表示装置を適用することができる。
図36(A)は、特別図柄表示器8、特別図柄始動記憶表示器18、普通図柄始動記憶表示器41および普通図柄表示器10を7セグメント表示器により構成した場合の例を示す説明図である。また、図36(B)は、特別図柄表示器8、特別図柄始動記憶表示器18、普通図柄始動記憶表示器41および普通図柄表示器10をLEDにより構成した場合の例を示す説明図である。
図36(B)に示す例では、特別図柄表示器8が2つのLEDにより構成されている。この場合、特別図柄は、2つのLEDのうち右側だけが点灯した状態で停止表示されているときは「はずれ」を意味し、2つのLEDのうち左側だけが点灯した状態で停止表示されているときは「大当り」を意味し、2つのLEDの両方が点灯した状態で停止表示されているときは「確変大当り」を意味するようにすればよい。
なお、上述した実施の形態において、ある一の識別情報(例えば普通図柄、特別図柄、飾り図柄)の変動表示を行うための条件となる作動ゲート(例えばゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a)を遊技領域に複数個並べて配置し、遊技球が複数個の作動ゲートを連続して通過するように構成することで、保留記憶数を一気に上限数まで増加し得るようにしてもよい。具体的には、例えば図37に示すように、4つのゲート32A〜32Dを遊技球が連続して通過するように配置し、ゲート32A〜32Dを連続して通過させることで保留記憶が一気に4個増加するように構成するようにすればよい。
また、図38に示すように、遊技領域に形成された蛇行ルート(例えば遊技球が各ゲート間を移動するのに5秒程度かかるようにルートを形成する)上に複数の作動ゲート32A〜32Dを所定の間隔をあけて配置する構成とし、蛇行ルート上を流下する遊技球が1つ目の作動ゲート32Aを通過したあと次の作動ゲート32Bを通過するまでの間に、1つ目の作動ゲート32Aの通過に応じた識別情報の可変表示結果を表示し、表示結果に応じて可変入賞球装置15を開放させる。また、その遊技球が2つ目の作動ゲート32Bを通過したあと次の作動ゲート32Cを通過するまでの間に、2つ目の作動ゲート32Bの通過に応じた識別情報の可変表示結果を表示し、表示結果に応じて可変入賞球装置15を開放させる。このような処理を繰り返し実行することで、可変入賞球装置15を連続的に開放させるようにしてもよい。なお、最初のゲート32Aには、遊技球が流入しにくいようにしておくことが望ましい。
図39は、他の遊技機における可変入賞球装置の構成例を示す説明図である。図39に示す可変入賞球装置500を備える遊技機は、始動入賞口(図示せず)へ遊技球が入賞すると、始動遊技状態となって可変入賞球装置500を開放状態にし、可変入賞球装置500内の特定領域501aに遊技球が入賞(V入賞)すると、特定遊技状態が発生し、特定遊技状態では、可変入賞球装置500を連続開放する遊技機である。この遊技機では、可変入賞球装置500の連続開放は、所定のラウンド(開放サイクル)数だけ行われる。そして、可変入賞球装置500内の特定領域501bに遊技球が入賞すると、特定遊技状態の継続権を獲得したことになる。継続権を獲得すると、所定のラウンド数の可変入賞球装置500の連続開放が終了したあと、可変入賞球装置500の連続開放が再度実行される。この継続権は、例えば8回、16回などの上限数に達するまで連続して獲得することができる。
図39に示すように、可変入賞球装置500は、可動することで通路を切り換える通路切換部材502と、3つの通過穴511,512,513が設けられている上側クルーン503と、上側クルーン503の下部に配され3つの通過穴514,515,516が設けられている下側クルーン504と、開閉動作を行う左右の開閉片505,506とを備えている。
左右の開閉片505,506が開放状態となったときに可変入賞球装置500内に流入した遊技球は、通路切換部材502によって、大当り遊技状態であるときは下側クルーン504に導かれ、大当り遊技状態でないときは上側クルーン503に導かれる。下側クルーン504または上側クルーン503に導かれた遊技球は、クルーン503,504上を回転しながら中心方向に転動され、通過穴511,512,513,514,515,516のいずれかに落下する。
上側クルーン503に導かれた遊技球は、通過穴511に落下した場合には、特定領域501aに入賞し、大当り遊技状態が発生する。一方、通過穴512,513のいずれかに落下した場合には、その遊技球は排出される。
また、下側クルーン504に導かれた遊技球は、通過穴514に落下した場合には、特定領域501bに遊技球が入賞し、大当り遊技状態の継続権を獲得することになる。一方、通過穴515,516のいずれかに落下した場合には、遊技球は排出される。
上記のように、可変入賞球装置500は、大当り遊技状態の発生用の通過口(特定領域501a)と、大当り遊技状態の継続権の発生用の通過口(特定領域501b)とを別個に備えている。また、大当り遊技状態であるか否かに応じて、通路切換部材502によって、遊技球を、特定領域501aが配されている領域が、特定領域501bが配されている領域とに振り分けする構成となっている。
なお、大当り遊技状態の継続権の発生用の通過口を可変入賞球装置500の外部の遊技領域に設ける構成とし、大当り遊技状態の継続権の獲得のために技術介入性を持たせるようにしてもよい。また、遊技領域の入口(打球を遊技領域に誘導する内側レールの先端部分)や、遊技球が遊技領域から排出されるアウト口26などの遊技球が必ず通過(あるいは高確率で通過)する場所に大当り遊技状態の継続権の発生用の通過口を設ける構成とし、事前に定められた最終ラウンドまで大当り遊技状態を必ず継続(あるいは高確率で継続)させるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、主基板と周辺基板とを備えた構成を有していれば、スロット機にも本発明を適用できる。