JP2005287315A - V−1遺伝子の用途 - Google Patents

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Toru Yamaguni
徹 山國
Yoshikuni Mizuno
美邦 水野
Hideki Mochizuki
秀樹 望月
Hidenori Hayakawa
英規 早川
Masafumi Onodera
雅史 小野寺
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Abstract

【課題】 本発明の課題は、神経変性疾患の治療を行うために、有用な医薬及び有用な医薬を得るためのスクリーニング方法等を提供することにある。
【解決手段】 本発明者は、上記の課題を解決するために神経由来細胞においてV-1遺伝子を発現させることにより、当該細胞の分化を促進することを見出した。


Description

本発明は、疾患関連遺伝子の用途に関する。さらに詳しくは、神経変性疾患の予防または治療として有用な疾患関連遺伝子産物を用いることを特徴とする薬剤のスクリーニング方法等に関する。
アルツハイマー病を含む中枢神経変性疾患患者の脳の機能再生には、失われた神経ネットワークを構成する神経細胞やその他の構成細胞を補充し、さらにこれらの補充された細胞群による神経ネットワークの機能的再構築が必須である。例えば、パーキンソン病は中脳黒質のドーパミン神経細胞のチロシン水酸化酵素活性が低下し、ドーパミン神経細胞の選択的変性脱落をきたす慢性進行性神経変性疾患である。
パーキンソン病の治療法の一つとして、残存するドーパミン神経細胞の機能を増強または再生させる遺伝子を導入する方法、いわゆる遺伝子治療法が期待されている。また、ドーパミン神経細胞へ分化しうる神経幹細胞に予め遺伝子を導入しておき、それを移植するex vivo transplantation法は、比較的容易であり、新たな脳機能再生のための遺伝子治療法として期待されている。特に遺伝子治療法において、高い効率で神経細胞に遺伝子を直接導入することが容易ではない場合に有効となる。
しかしながら、神経変性疾患に対して遺伝子治療法やex vivo transplantation法はまだ実用化前の段階であり、遺伝子治療法やex vivo transplantation法を用いた神経変性疾患の治療法の開発が望まれていた。
本発明者等が発見した新規蛋白質V-1(非特許文献1)は中枢・末梢神経細胞に広く発現する。小脳や大脳皮質・海馬の神経細胞おいては、生後の脳の発達期すなわち神経回路網の形成過程で、一過性に発現が上昇する特徴的な発現プロファイルを示す。
神経分化のモデル細胞であるPC12D細胞の培養系でのV-1強制発現実験により、本蛋白質が複数のカテコラミン生合成酵素遺伝子の発現の協調的増大によるカテコラミン生合成の促進(非特許文献2、3、4)、カテコラミンの分泌・遊離の増強 (非特許文献5)、ニコチン感受性の低下など神経機能に関わる遺伝子の協調的発現制御に関与することを明らかになった。
ついで、ノルアドレナリン生合成の亢進を示すV-1遺伝子改変マウスの開発に成功した(特許文献1、非特許文献6)。また、最近、脳やV-1過剰発現細胞株において、V-1蛋白質がアクチン結合蛋白質であるCAPZabと結合する事実が判明した。
また、V-1遺伝子の過剰発現は、神経分化のモデル細胞の一つであるPC12D細胞において、TH (チロシン水酸化酵素)や THの補酵素として知られるテトラハイトロビオプテリン(BH4)の生合成経路における律速酵素のGTP cyclohydrolase I等の遺伝子発現を増加させ、その結果、ドーパミンの生合成を亢進させた。
本蛋白質のような、神経伝達物質の生合成に関与する複数の酵素の転写を促進性に制御し、かつ神経伝達物質の遊離を増強する因子は、他に例がなく、本因子は極めてユニークな生理活性を示す。
V-1遺伝子の発現プロフィルから、V-1蛋白質が神経細胞の機能分化や形態分化を制御し、神経ネットワークの構築・維持に関わる重要な蛋白質であることが推察されていた。しかしながら、これらは発現プロファイルからの推察に過ぎず、V-1遺伝子あるいはこの遺伝子がコードするタンパク質が神経幹細胞の神経細胞への分化を引き起こすとの報告はない。
特開2002−253243 Eur. J. Biochem. 207, 615-620, 1992; J. Biol. Chem. 269, 9946-9951, 1994 J. Biol. Chem. 273, 27051-27054, 1998 Biochem. Biophys. Res. Commun. 293, 961-968, 2002 J. Biol. Chem. 277, 40768-40774, 2002 FEBS Lett. 530, 94-98 2002 Ads. Behav. Biol., 53, 53-56 2002
本発明の課題は、神経変性疾患の治療を行うために、有用な医薬及び有用な医薬を得るためのスクリーニング方法等を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、神経由来細胞においてV-1遺伝子を発現させることにより、当該細胞の増殖又は分化を促進することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする、配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を促進もしくは阻害することにより神経変性疾患の予防又は/及び治療作用を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(2)配列番号:1で表されるDNAの相補鎖とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAがコードするタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする、配列番号:1で表されるDNAの相補鎖とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAがコードするタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を促進もしくは阻害することにより神経変性疾患の予防又は/及び治療作用を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(3)配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列を挿入、欠失もしくは置換したアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする、配列番号:1でDNAがコードするアミノ酸配列を挿入、欠失若しくは置換したアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を促進もしくは阻害することにより神経変性疾患の予防又は/及び治療作用を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(4)神経由来細胞を用いることを特徴とする請求項1から3記載のスクリーニング方法、
(5)請求項1から4記載のスクリーニング方法の何れかを用いて得られる化合物、その光学異性体、その薬学的に許容される塩、それらの水和物またはそれらの溶媒和物を有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬、
(6)請求項1から4記載のスクリーニング方法の何れかを用いて得られる化合物、その光学異性体、その薬学的に許容される塩、それらの水和物またはそれらの溶媒和物を有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬を投与することを特徴とする神経変性疾患の予防または治療方法、
(7)配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質の発現制御領域を用いることを特徴とする、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質の発現を制御することにより神経変性疾患の予防又は/及び治療作用を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(8)配列番号:1で表されるDNAの相補鎖とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAがコードするタンパク質の発現制御領域を用いることを特徴とする、配列番号:1で表されるアミノ酸配列をコードする遺伝子の相補鎖とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAがコードするタンパク質の発現を制御することにより神経変性疾患の予防又は/及び治療作用を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(9)配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列を挿入、欠失もしくは置換したアミノ酸配列を有するタンパク質の発現制御領域を用いることを特徴とする、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を挿入、欠失若しくは置換したアミノ酸配列を有するタンパク質の発現を制御することにより神経変性疾患の予防又は/及び治療作用を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(10)神経由来細胞を用いることを特徴とする請求項7から9記載のスクリーニング方法、
(11)請求項7から10記載のスクリーニング方法の何れかを用いて得られる化合物、その光学異性体、その薬学的に許容される塩、それらの水和物またはそれらの溶媒和物を有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬、
・ (12)請求項7から10記載のスクリーニング方法の何れかを用いて得られる化合物、その光学異性体、その薬学的に許容される塩、それらの水和物またはそれらの溶媒和物を有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬を投与することを特徴とする神経変性疾患の予防または治療方法、
(13)配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドを有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬、
(14)配列番号:1で表されるDNAの相補鎖とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAがコードするタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬、
(15)配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列を挿入、欠失もしくは置換したアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬、
(16)請求項13から15記載のタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬を投与することを特徴とする神経変性疾患の予防または治療方法、
(17)配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドをコードするDNAを有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬、
(18)配列番号:1で表されるDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬、
(19)配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列を挿入、欠失もしくは置換したアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドをコードするDNAを有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬、
(20)請求項17から19記載のDNAを有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬を投与することを特徴とする神経変性疾患の予防または治療方法、
(21)配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドを有効成分として含有する神経細胞増殖又は分化剤、
(22)配列番号:1で表されるDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAがコードするタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を有効成分として含有する神経細胞増殖又は分化剤、
(23)配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列を挿入、欠失もしくは置換したアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を有効成分として含有する神経細胞増殖又は分化剤、
(24)配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドをコードするDNAを有効成分として含有する神経細胞増殖又は分化剤、
(25)配列番号:1で表されるDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを有効成分として含有する神経細胞増殖又は分化剤、
(26)配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列を挿入、欠失もしくは置換したアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドをコードするDNAを有効成分として含有する神経細胞増殖又は分化剤、
(27)請求項21から26記載の神経細胞増殖又は分化剤を投与することを特徴とする神経細胞の増殖又は分化方法、

























を提供する。
配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは約60%以上、さらに好ましくは約70%以上、より好ましくは約80%以上、特に好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質としては、例えば、配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列を有するタンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好ましい。
本発明の遺伝子及びタンパク質はいずれの種由来のものであってもよく、例えばヒト、マウス、ラットなどの哺乳動物由来のものがある。これらのうち、ヒトの治療薬の研究開発に用いるのであればヒト由来のものであることが好ましい。本発明で用いられる配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質(以下、本発明のタンパク質と称する場合もある)は、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウスなど)の細胞(例えば、神経細胞、グリア細胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位などに由来するタンパク質であってもよく、合成タンパク質であってもよい。
本発明で用いられるタンパク質をコードするDNAとしては、例えば、配列番号:1で表されるDNAの相補鎖とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明で用いられるタンパク質と実質的に同質の性質を有するタンパク質をコードするDNAであれば何れのものでもよい。
本発明で用いられるタンパク質をコードするDNAとしては、前述した本発明で用いられるタンパク質をコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。
配列番号:1で表されるDNAの相補鎖とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列番号:1で表されるDNAと約50%以上、好ましくは約60%以上、さらに好ましくは約70%以上、より好ましくは約80%以上、特に好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。ハイブリダイゼーションは、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook etal., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハイストリンジェントな条件に従って行なうことができる。ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19から40mM、好ましくは約19から20mMで、温度が約50から70℃、好ましくは約60から65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。
また、配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列を挿入、欠失もしくは置換したアミノ酸配列を有するタンパク質としては、例えば、配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1から30個程度、好ましくは1から10個程度、さらに好ましくは1から5個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1から30個程度、好ましくは1から10個程度、さらに好ましくは1から5個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1から30個程度、好ましくは1から10個程度、さらに好ましくは1から5個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1から30個程度、好ましくは1から10個程度、さらに好ましくは1から5個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれらを組み合わせたアミノ酸配列を含有するタンパク質などのいわゆるムテインも含まれる。上記のようにアミノ酸配列が挿入、欠失または置換されている場合、その挿入、欠失または置換の位置としては、特に限定されない。
本発明で用いられるタンパク質の部分ペプチドとしては、前記した本発明で用いられるタンパク質の部分ペプチドであって、好ましくは、前記した本発明で用いられるタンパク質と同様の性質を有するものであればいずれのものでもよい。例えば、本発明で用いられるタンパク質の構成アミノ酸配列のうち少なくとも20個以上、好ましくは50個以上、さらに好ましくは70個以上、より好ましくは100個以上、最も好ましくは200個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが用いられる。また、本発明で用いられる部分ペプチドは、そのアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1から10個程度、さらに好ましくは1から5個)のアミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1から20個程度、より好ましくは1から10個程度、さらに好ましくは1から5個)のアミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1から20個程度、より好ましくは1から10個程度、さらに好ましくは1から5個)のアミノ酸が挿入され、または、そのアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1から10個程度、より好ましくは1から5個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。
本発明で用いられるタンパク質または部分ペプチドの塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
本発明で用いられる部分ペプチドをコードするDNAとしては、前述した本発明で用いられる部分ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。

本発明で用いられる部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列をコードするDNAの一部分を有するDNA、配列番号:1で表されるDNAの相補鎖とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明で用いられるタンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質をコードするDNAの一部分を有するDNAなどがあげられる。ハイブリダイゼーションの方法およびハイストリンジェントな条件は、それぞれ前記と同様な方法および条件が用いられる。
本発明で用いられる神経変性疾患としてはアルツハイマー病、パーキンソン病、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症等があげられるが、これらに限定されるわけではない。
本発明の神経変性疾患の改善に有用であることを証明するためには、当該遺伝子あるいはタンパク質が神経細胞の増殖あるいは、神経幹細胞から神経細胞への分化を促進させることを示せばよい。神経変性疾患は神経が変性し神経ネットワークが失われることにより生ずる病気であり、神経細胞の増殖あるいは、神経幹細胞から神経細胞への分化を促進させることができれば神経ネットワークを再構築することができ、結果として神経変性疾患を改善することができるからである。
例えば、神経由来幹細胞を本発明のタンパク質をコードする遺伝子で形質転換し、本発明のタンパク質の発現量を増加させることができる。これにより神経幹細胞の神経細胞への分化が促進すれば、本発明のタンパク質が神経変性疾患の改善に有効であることを示すことができる。
ここで用いる細胞は、神経に関与している細胞を用いなければならない。神経に関係しない細胞でこのような作用が確認できても、実際の作用を反映したことにはならないからである。
細胞において本発明の遺伝子が発現した時、神経幹細胞から神経細胞への分化を促進するかは、例えば以下の方法により確認することができる。本発明の遺伝子を挿入したベクターで形質転換を行った細胞と、遺伝子を挿入していないベクターで形質転換を行った細胞(コントロール細胞)の2種類を作製する。数日間培養し、2種類の細胞を比較観察し、神経突起の伸長の差を測定することにより確認することができる。
V-1のcDNA配列およびアミノ酸配列はすでに報告されている(Genbank/EMBL データベース Accession No. D26179)。
本発明のcDNAあるいは遺伝子は、上記のアミノ酸配列や塩基配列の情報などを基に設計し合成したプライマーやプローブを用い、通常のPCR法やあるいはDNAライブラリーからのスクリーニングにより単離することができる。これらを適当なベクターに組み込んで発現用ベクターを構築できる。
ベクターとしては適当なプロモーター(例えばCMVプロモーター、SV40プロモーター等)を含む動物細胞用のベクター(例えばレトロウイルス系ベクター、SV40系ベクター等)を使用できる。
細胞は、例えばヒト、マウス、ラットなどの哺乳動物由来のものがある。これらのうち、ヒトの治療薬の研究開発に用いるのであればヒト由来のものであることが好ましい。また、神経における作用を調べているため、神経由来のものである必要がある。
以下に、本発明で用いられるタンパク質もしくは部分ペプチドまたはその塩(以下、本発明のタンパク質と略記する場合がある)、本発明で用いられるタンパク質または部分ペプチドをコードするDNA(以下、本発明のDNAと略記する場合がある)の用途を説明する。
本発明のタンパク質は神経幹細胞における神経細胞への分化を制御している。よって本発明のタンパク質の活性を促進若しくは発現量を増大する化合物、又はその塩は、神経変性疾患患者における神経幹細胞での神経細胞への分化促進することにより、神経変性疾患の医薬として使用できる。したがって、本発明のタンパク質及び当該タンパク質をコードするDNAは、本発明のタンパク質の活性を促進若しくは発現量を増大する化合物、又はその塩のスクリーニングを行うために有用である。
すなわち、本発明は本発明のタンパク質及び当該タンパク質をコードするDNAを用いることを特徴とする本発明のタンパク質の活性を促進若しくは発現量を増大する化合物、又はその塩のスクリーニング方法を提供する。
具体的には、例えば本発明のタンパク質と被検化合物の結合を基準としてスクリーニングを行うことができる。
本発明のタンパク質と被験化合物の結合は、いずれか一方を固相に固定し、他方を標識しておくことによって容易に検出することができる。したがって、たとえば支持体上に合成されたコンビナトリアルライブラリーは、本発明のスクリーニングに好適な被験化合物である。この場合は、蛍光標識した本発明のタンパク質を反応させることにより、両者の結合を容易に検出することができる。
本発明によって決定された遺伝子の情報を利用して、プロモーターやエンハンサーを単離することができる。例えば、ゲノムライブラリーを、遺伝子の塩基配列に基づくプローブでスクリーニングすることによって、本発明のタンパク質のゲノムDNAを単離することができる。単離されたゲノムDNAをもとに、プロモーターやエンハンサー等の発現制御領域を取得することができる。こうして取得された発現制御領域は、当該遺伝子の発現の制御を目的とする医薬品の開発に利用することができる。
具体的には、プロモーター等の下流にレポーター遺伝子、例えばルシフェラーゼ遺伝子を結合したベクターを構築し、適当な宿主細胞、例えば哺乳類動物細胞を該ベクターで形質転換することにより、スクリーニング用細胞を作製する。被験化合物を該細胞の培地中に添加し適当な時間の後、レポーター遺伝子が発現するか否かを測定することにより、本発明の遺伝子の発現を制御する医薬品を取得することができる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、試験化合物、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから選ばれた化合物であり、本発明のタンパク質の活性を促進若しくは阻害する化合物又は本発明のタンパク質の発現を制御する化合物である。該化合物の塩としては、前記した本発明で用いられるタンパク質の塩と同様のものが用いられる。本発明で用いられるタンパク質の活性を促進若しく阻害する化合物又は本発明のタンパク質の発現を制御する化合物は、神経変性疾患に対する予防・治療剤などの医薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物を上述の予防・治療剤として使用する場合、常套手段に従って製剤化し、経口的または非経口的に投与することができる。例えば、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤などとすることができる。このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例えば、マウス、ラットなど)に対して投与することができる。該化合物またはその塩の投与量は、例えば経口投与する場合、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、一般的に成人(体重60kgとして)においては、一日につき該化合物を約0.1から100mg、好ましくは約1.0から50mg、より好ましくは約1.0から20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、注射剤の形で通常成人(60kgとして)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01から30mg程度、好ましくは約0.1から20mg程度、より好ましくは約0.1から10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
非経口投与のための組成物としては、例えば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤などの剤形を包含する。かかる注射剤は、自体公知の方法に従って、例えば、上記化合物またはその塩を通常注射剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁または乳化することによって調製する。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of hydrogenated castor oil)〕などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどを併用してもよい。調製された注射液は、通常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられる坐剤は、上記化合物またはその塩を通常の坐薬用基剤に混合することによって調製される。
上記の経口用または非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するような投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、それぞれの投薬単位剤形当たり通常5から500mg、とりわけ注射剤では5から100mg、その他の剤形では10から250mgの上記化合物が含有されていることが好ましい。なお前記した各組成物は、上記化合物との配合により好ましくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有してもよい。
本発明の遺伝子は、神経幹細胞における神経細胞への分化を制御している。よって本発明は当該遺伝子を用いた遺伝子治療方法あるいはex vivo transplantation法を行うために有用である。
遺伝子の細胞内への導入方法としては、ウイルスベクターによるもの、及びその他のものに大別される。本発明の医薬においてはいずれの方法も適用することができる。
ウイルスベクターによる導入方法としては、例えばレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポリオウイルス、シンビス他のRNAウイルス等にV-1遺伝子を組み込んで導入する方法が挙げられる。この中で、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス等を用いた方法が特に好ましい。
その他の導入方法としては、リポソーム法、リポフェクチン法、マイクロインジェクション法、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法等が挙げられ、リポソーム法が特に好ましい。
また、遺伝子を実際に医薬として作用させるには、V-1遺伝子を直接体内に導入するIn Vivo 法、及びヒトからある種の細胞を採取し体外でV-1遺伝子を該細胞に導入しその細胞を体内に戻すEx Vivo 法がある(日経サイエンス,1994年4月号,20-45 頁、月刊薬事,36(1), 23-48(1994)、及びこれらの引用文献等)。本発明の医薬においては治療目的の疾患、標的臓器等に応じて、適宜いずれかの方法を選択して適用することができる。
In Vivo 法は、Ex Vivo 法に比べて費用と手間が少なく、また簡便である。Ex Vivo 法は、遺伝子の細胞内導入の効率がよい。
本発明の医薬において、In Vivo 法により投与する場合は治療目的の疾患、標的臓器等に応じた適当な投与経路により投与され得る。例えば、静脈、動脈、皮下、筋肉内などに投与するか、又は脳、神経等の疾患の対象部位に直接投与することができる。疾患部位に直接投与すれば、臓器選択的に治療することができる。
また、Ex Vivo 法による場合には、常法に準じ、ヒトの細胞(例えば、リンパ球、造血幹細胞等)を採取し、それに本発明の医薬を感作させて遺伝子導入を行った後、遺伝子産生細胞をヒトへ戻すことが行われる。
In Vivo 法により投与する場合は、種々の製剤形態(例えば、液剤等)をとりうるが、一般的には有効成分である遺伝子を含有する注射剤等とされる。
また、必要に応じて、慣用の担体を加えてもよい。当該注射剤等は常法により調製することができ、例えば、V-1遺伝子を適切な溶剤(例えば、滅菌された水、緩衝液、生理食塩水等)に溶解した後、フィルター等で濾過して滅菌し、次いで無菌的な容器に充填することにより調製することができ、また遺伝子に代え、遺伝子を組み込んだウイルスベクターを製剤化してもよい。さらに、遺伝子を包埋したリポソーム(又はHJV−リポソーム)においては、懸濁剤、凍結剤、遠心分離濃縮凍結剤などのリポソーム製剤の形態とすることができる。
製剤中の遺伝子の含量は、治療目的の疾患、標的臓器、患者の年齢、体重などにより適宜調製することができるが、通常V-1遺伝子として0.0001mg〜 100mg、好ましくは 0.001mg〜10mgであり、これを数日ないし数月に1回投与するのが適当である。


以下に本発明を実施例で具体的に説明するが、これはその代表例を示すものであって、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(シュードタイプレトロウイルスベクターGCDNsapGFPの構築)
従来使われていたMLV (murine leukemia virus) のLTR (long terminal repeat)をstem cellに感染しやすい株の MSCV (murine stem cell virus) LTRに置換し、またスプライシングアクセプターにcDNAの開始コドンを合わせることでGFPの発現を増強するようにデザインした。
GCDNsapV-1-GFPシュードタイプレトロウイルスベクターをベースにし、V-1遺伝子とGFP遺伝子の間にIRESを挿入した(図1)。1種類のDNAから2箇所のオープンリーディングフレームを翻訳することで、同時にV-1とGFPを発現させることができた。
(シュードタイプレトロウイルスベクターの作製)
V-1遺伝子を組み込んだベクターDNAを導入したプロデューサー細胞である293gpg細胞 (kindly provided by Dr. R. C. Mulligan)は、DMEM (high glucose、4.5 g/l; Life Technology)に10%非動化fetal bovine serum、penicillin G sodium (100 U/ml)、streptomycin sulfate (100 mg/ml)、2 mM L-glutamine、G418 (0. 3mg/ml)、puromycin (2 mg/ml)、tetracycline (1 mg/ml)を添加した培地で培養した。
Tet Off systemのためtetracyclineを抜いた培地で48から72時間培養し細胞上清を回収し4℃、16時間、6,000 x gにて遠心した。ペレットダウンしたウイルスをPBSで溶かした。濃縮したウイルスのtiterは1x109 cells transducing units/ml for Hela cellsであった。
(神経幹細胞の培養とtransduction)
胎生14日目のWistar ラット胎仔の線条体、黒質を摘出し、15 mM Hepes buffer、0.6%glucose、3 mM sodium bicarbonate、2.5 mM glutamine、25 mg/ml insulin、100 mg/ml transferrin、20 nM progesterone、60 mM putrescine、30 nM sodium selenite、20 ng/ml EGF、20 ng/ml bFGFを添加したF12/DMEM (Life Technologies)でピペッティングし、culture bottleにて培養した。1.0×105 個の細胞に3 mlのウイルスを添加し、ウイルス感染後3日目および7日目に4%パラホルムアルデヒドで細胞を固定した。
(免疫細胞化学)
固定した細胞はPBSで洗い1次抗体、anti-MAP2 (mouse IgG; 希釈倍率:1:200; Upstate)、anti-GFAP (rabbit IgG;希釈倍率:1:10000; kindly provided by Dr. Tokutake)、anti-GFP (mouse IgG; 希釈倍率:1:100; Sigma; または rabbit IgG;希釈倍率:1:50; Chemicon)を室温で1から2時間あるいは4℃ で一晩反応させた。その後、PBSで洗浄して2次抗体(FITC標識anti-mouse または anti-rabbit IgG; 希釈倍率:1:500;Vector Laboratories、あるいはAlex594標識anti-mouse または anti-rabbit IgG; 希釈倍率:1:500;Molecurar Probes)を室温にて1時間反応させた。
従来、神経幹細胞から神経細胞への分化誘導には、特殊な培養条件下でのneurosphereの培養が必要であった。しかし、V-1遺伝子を導入した神経幹細胞は、導入3日目には、非分化誘導条件下で多くの神経幹細胞はneurosphereを維持出来なくなり、dishへの接着が認められた(図2)。さらに、感染7日目において、V-1/GFP-retrovirusを感染させた細胞では、コントロール群のGFP-retrovirus感染細胞に比べて、非常に長い突起の伸展が観察された(図2)。また、突起伸展を示した細胞群を同定する目的で、細胞免疫染色による検討を行なった結果、神経細胞の分子マーカーであるMAP2陽性細胞(図3、4)とアストログリア細胞の分子マーカーのGFAP陽性細胞(図5)の存在が明らかとなった。
すなわち、神経幹細胞へのV-1遺伝子の導入により、in vitroで神経細胞およびアストログリア細胞が分化誘導可能であることが判明した。また、V-1遺伝子の作用は、感染3日目より感染7日目の方が、より強いMAP2陽性細胞の分化誘導作用が認められ、分化誘導作用には時間依存性があることが判明した。
本研究により、V-1が神経幹細胞から神経細胞およびアストログリア細胞へ分化誘導する活性を有することが明らかとなった。本発明者によって世界で初めて開発されたV-1/GFP-retrovirusの感染による神経幹細胞から神経細胞あるいはアストログリア細胞への分化誘導法は、極めて高い確率で神経幹細胞に遺伝子を導入し、脳の構成細胞を生み出す画期的方法である。さらに、本技術は再生医療、特に中枢神経変性疾患患者の脳機能再生医療を目標としたneural stem cell biology およびneural stem cell technologyの研究・技術領域において、新しい方法を提供するものである。
シュードタイプレトロウイルスベクターGCDNsapGFPを示す図である。 V-1遺伝子を導入した神経幹細胞をおよびコントロールベクターを導入した神経幹細胞をV-1抗体で染色した結果を示す図である。 V-1遺伝子を導入した神経幹細胞をおよびコントロールベクターを導入した神経幹細胞をMAP2抗体で染色した結果を示す図である。 V-1遺伝子を導入した神経幹細胞をおよびコントロールベクターを導入した神経幹細胞における、MAP2陽性細胞数を示す図である。 V-1遺伝子を導入した神経幹細胞をおよびコントロールベクターを導入した神経幹細胞をGFAP抗体で染色した結果を示す図である。

Claims (27)

  1. 配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする、配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を促進もしくは阻害することにより神経変性疾患の予防又は/及び治療作用を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  2. 配列番号:1で表されるDNAの相補鎖とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAがコードするタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする、配列番号:1で表されるDNAの相補鎖とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAがコードするタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を促進もしくは阻害することにより神経変性疾患の予防又は/及び治療作用を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  3. 配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列を挿入、欠失もしくは置換したアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする、配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列を挿入、欠失若しくは置換したアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を促進もしくは阻害することにより神経変性疾患の予防又は/及び治療作用を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  4. 神経由来細胞を用いることを特徴とする請求項1から3記載のスクリーニング方法。
  5. 請求項1から4記載のスクリーニング方法の何れかを用いて得られる化合物、その光学異性体、その薬学的に許容される塩、それらの水和物またはそれらの溶媒和物を有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬。
  6. 請求項1から4記載のスクリーニング方法の何れかを用いて得られる化合物、その光学異性体、その薬学的に許容される塩、それらの水和物またはそれらの溶媒和物を有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬を投与することを特徴とする神経変性疾患の予防または治療方法。
  7. 配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質の発現制御領域を用いることを特徴とする、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質の発現を制御することにより神経変性疾患の予防又は/及び治療作用を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  8. 配列番号:1で表されるDNAの相補鎖とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAがコードするタンパク質の発現制御領域を用いることを特徴とする、配列番号:1で表されるアミノ酸配列をコードする遺伝子の相補鎖とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAがコードするタンパク質の発現を制御することにより神経変性疾患の予防又は/及び治療作用を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  9. 配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列を挿入、欠失もしくは置換したアミノ酸配列を有するタンパク質の発現制御領域を用いることを特徴とする、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を挿入、欠失若しくは置換したアミノ酸配列を有するタンパク質の発現を制御することにより神経変性疾患の予防又は/及び治療作用を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  10. 神経由来細胞を用いることを特徴とする請求項7から9記載のスクリーニング方法。
  11. 請求項7から10記載のスクリーニング方法の何れかを用いて得られる化合物、その光学異性体、その薬学的に許容される塩、それらの水和物またはそれらの溶媒和物を有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬。
  12. 請求項7から10記載のスクリーニング方法の何れかを用いて得られる化合物、その光学異性体、その薬学的に許容される塩、それらの水和物またはそれらの溶媒和物を有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬を投与することを特徴とする神経変性疾患の予防または治療方法。
  13. 配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬。
  14. 配列番号:1で表されるDNAの相補鎖とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAがコードするタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬。
  15. 配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列を挿入、欠失もしくは置換したアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬。
  16. 請求項13から15記載のタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬を投与することを特徴とする神経変性疾患の予防または治療方法。
  17. 配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドをコードするDNAを有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬。
  18. 配列番号:1で表されるDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬。
  19. 配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列を挿入、欠失もしくは置換したアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドをコードするDNAを有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬。
  20. 請求項17から19記載のDNAを有効成分として含有する神経変性疾患の予防及び/又は治療薬を投与することを特徴とする神経変性疾患の予防または治療方法。
  21. 配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を有効成分として含有する神経細胞増殖又は分化剤。
  22. 配列番号:1で表されるDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAがコードするタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を有効成分として含有する神経細胞増殖又は分化剤。
  23. 配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列を挿入、欠失もしくは置換したアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を有効成分として含有する神経細胞増殖又は分化剤。
  24. 配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドをコードするDNAを有効成分として含有する神経細胞増殖又は分化剤。
  25. 配列番号:1で表されるDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを有効成分として含有する神経細胞増殖又は分化剤。
  26. 配列番号:1で表されるDNAがコードするアミノ酸配列を挿入、欠失もしくは置換したアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドをコードするDNAを有効成分として含有する神経細胞増殖又は分化剤。
  27. 請求項21から26記載の神経細胞増殖又は分化剤を投与することを特徴とする神経細胞の増殖又は分化方法。
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