JP2005287280A - テンション調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤ等線状体のテンション調整に用いられるテンション調整装置において、装置のコンパクト化および軽量化を実現することができ、もって取り扱い性に優れたテンション調整装置を提供する。
【解決手段】筒状のシリンダ2と、シリンダ2の内部に摺動自在に挿入されたピストン3と、一端4aをピストン3に連結し他端4bをシリンダ2の外部に突出させたロッド4と、シリンダ2内に配置されてロッド4を摺動自在に支持する軸受6と、シリンダ2内においてピストン3および軸受6間に設定されたガス封入室7と、シリンダ2の外周に配置されるとともに内部に第二ガス封入室10を設けた圧力容器9と、ガス封入室7および第二ガス封入室10を連通させる連通部11と、シリンダ2の一端2aおよびロッド4の他端4bに設けられた一対の連結部5とを有している。
【選択図】図3

Description

本発明は、ワイヤ等線状体のテンション調整に用いられるテンション調整装置に関するものである。
従来から、図4に示すように、鉄塔に掛け渡される電線の切断等の事故防止のためのテンション(張力)調整装置を提供することを目的とし、この目的を達成するため、鉄塔に張設された電線またはワイヤの張力調整装置において、シリンダ部52とアキュムレータ部53を備え、シリンダ部52のピストンロッド側油室54にアキュムレータ部53を接続し、ピストンロッド55にかかる電線Kの張力に応答して前記ピストンロッド側油室54からの油圧変動をアキュムレータ部53に蓄え、電線Kの張力に応答してピストンロッド55を伸縮させることを特徴とする電線またはワイヤの張力調整装置51が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、この従来技術によると、一つの装置51に、シリンダ(シリンダチューブ)56、ピストン57およびロッド55等を有するシリンダ部52とシェル(外殻)58およびブラダ59等を有するアキュムレータ部53とが併設される構造であるとともに、一つの装置51の内部に作動油Fおよび封入ガスGの双方が封入される構造であるために、装置51全体が如何にも大掛かりで、重量も重いと云う不都合がある。
特開2002−199569号公報
本発明は以上の点に鑑みて、ワイヤ等線状体のテンション調整に用いられるテンション調整装置において、装置のコンパクト化および軽量化を実現することができ、もって取り扱い性に優れたテンション調整装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるテンション調整装置は、ワイヤ等線状体のテンション調整に用いられるテンション調整装置において、筒状のシリンダと、前記シリンダの内部に摺動自在に挿入されたピストンと、一端を前記ピストンに連結し他端を前記シリンダの外部に突出させたロッドと、前記シリンダ内に配置されて前記ロッドを摺動自在に支持する軸受と、前記シリンダ内において前記ピストンおよび軸受間に設定されたガス封入室と、前記シリンダの外周に配置されるとともに内部に第二ガス封入室を設けた圧力容器と、前記ガス封入室および第二ガス封入室を連通させる連通部と、前記シリンダの一端および前記ロッドの他端に設けられた一対の連結部とを有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2によるテンション調整装置は、ワイヤ等線状体のテンション調整に用いられるテンション調整装置において、筒状のシリンダと、前記シリンダの内部に摺動自在に挿入されたピストンと、一端を前記ピストンに連結し他端を前記シリンダの外部に突出させたロッドと、前記シリンダ内に配置されて前記ロッドを摺動自在に支持する軸受と、前記シリンダ内において前記ピストンおよび軸受間に設定されたガス封入室と、前記シリンダの一端および前記ロッドの他端に設けられた一対の連結部とを有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3によるテンション調整装置は、ワイヤ等線状体のテンション調整に用いられるテンション調整装置において、シリンダ内でピストンに接するように封入された封入ガスを前記ピストンが直接押圧することによりテンション調整を行なうことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4によるテンション調整装置は、上記した請求項1のテンション調整装置において、圧力容器は、筒状を呈して同じく筒状のシリンダの外周に同軸的に配置され、前記シリンダの外周に環状の第二ガス封入室が設けられていることを特徴とするものである。
本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、上記構成を備えた本発明の請求項1、2または3によるテンション調整装置においては何れも、ピストンがその直ぐ隣りに封入される封入ガスを直接押圧することによりテンション調整がなされるよう構成されているために、当該装置は作動油をいっさい不要とし、またシリンダ部とアキュムレータ部を併設する必要がないものである。したがってこれらのことから、所期の目的どおり、装置のコンパクト化および軽量化を実現することができ、もって取り扱い性に優れたテンション調整装置を提供することができる。
またこれに加えて、請求項4によるテンション調整装置においては、筒状のシリンダの外周に同じく筒状の圧力容器が同軸的に配置されているために、第二ガス封入室の容積を大きく設定できる割りには装置全体の径寸法を小さく設定することができ、よって装置のコンパクト化を一層促進することができる。
尚、本件出願には、以下の実施形態が含まれる。
(1)アキュムレータ容器にシリンダを組み合わせ、ガス圧にて生じる力を油を介さないで直接ピストンに伝え、引張り方向の推力を生じるようにする。
(2)また、下記構造を特徴とする。
a.ガスの往復動シールのための構造として、ピストンの前後に潤滑油を封入し、ピストンにグリース用溝を設ける。
b.ロッドの回転が問題となる場合の方策として、ロッドの一部を非円形とする。
c.ロッドの軸受機構を設ける。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
第一実施例・・・
図1は、本発明の第一実施例に係るテンション調整装置1の構成説明図を示している。当該実施例に係るテンション調整装置1は、図2に示すようにワイヤ等鋼線の一種である鉄塔T間に架設された電線Kのテンションを調整するために用いられるものであって、以下のように構成されている。尚、当該実施例は本願の請求項1ないし4に係る発明についての共通の実施例である。
すなわち先ず、筒状のシリンダ2が設けられており、このシリンダ2の内部にピストン3が摺動自在に挿入されており、一端(図上右端)4aをこのピストン3に連結したロッド4の他端(図上左端)4bがシリンダ2の外部に突出せしめられている。シリンダ2の一端2aおよびロッド4の他端4bには、ここに図示しない連結具を介して上記電線Kを連結するための一対の連結部としての一対のフック5,5が設けられている。
また、上記シリンダ2の内部に、ロッド4を摺動自在に支持する軸受6が設けられており、シリンダ2の内部においてこの軸受6とピストン3との間にガスGを封入するためのガス封入室(ガス室)7が形成されている。したがって、ピストン3の直ぐ隣りにガスGが封入されることになる。ガス封入室7の気密を保つため、ピストン3の外周には、シリンダ2の内面に摺動自在に密接するピストンシール8が設けられており、軸受6の外周にも固定的なガスケット等のシール(図示せず)が設けられている。
また、上記シリンダ2の外周側に、筒状の圧力容器9が同軸的に固定されてその内部に環状の第二ガス封入室10が設けられており、この第二ガス封入室10と上記シリンダ2内のガス封入室7とを連通させるべく孔状の連通部11がシリンダ2に設けられている。筒状の圧力容器9は、その両端を窄め加工され、この両端をもってシリンダ2の外周に溶接等の手段により固定されているが、窄め加工の代わりとして、両端に軸直角平面状の端面を有するものとしても勿論良い。
また、連通部11を介して互いに連通するガス封入室7および第二ガス封入室10には、ガスGが所定の封入圧をもって封入されている。尚、当該装置1内には、圧力伝達媒体として機能する作動油はいっさい充填されていない。
上記構成のテンション調整装置1は、両端のフック5,5に連結した電線Kのテンションが変化すると、これに応じてピストン3がシリンダ2内でストロークして装置1全体として伸縮作動するものであって、装置1全体が延びれば延びるほどピストン3か封入ガスGを強く圧縮するので、大きな復元力が発生する。
図示したように、当該装置1においては、ピストン3がその直ぐ隣りに封入された封入ガスGを直接押圧することによりテンション調整がなされるように構成されているために、上記したように当該装置1は圧力伝達媒体として機能する作動油をいっさい必要としないものである。また、シリンダ、ピストンおよびロッド等を有するシリンダ部とシェルおよびブラダ等を有するアキュムレータ部とを並べて配置する必要がないものである。更にまた、筒状のシリンダ2の外周側に同じく筒状の圧力容器9が同軸的に配置されているために、第二ガス封入室10の容積を大きく設定できる割りには装置1全体の径寸法を小さく設定することができるものである。したがってこれらのことから、所期の目的どおり、装置のコンパクト化および軽量化を実現することができ、もって取り扱い性に優れたテンション調整装置1を提供することができる。
尚、封入するガスGの封入量が少なくても良い場合には、上記構成から圧力容器9、第二ガス封入室10および連通部11を省略することにしても良い。
第二実施例・・・
図3は、本発明の第二実施例に係るテンション調整装置1の一部切欠した正面図を示している。当該実施例に係るテンション調整装置1は、上記図2に示したようにワイヤ等鋼線の一種である鉄塔T間に架設された電線Kのテンションを調整するために用いられるものであって、以下のように構成されている。尚、当該実施例も本願の請求項1ないし4に係る発明についての共通の実施例である。
すなわち先ず、筒状のシリンダ2が設けられており、このシリンダ2の内部にピストン3が摺動自在に挿入されており、一端(図上右端)4aをこのピストン3に連結したロッド4の他端(図上左端)4bがシリンダ2の外部に突出せしめられている。シリンダ2の一端2aおよびロッド4の他端4bには、ここに図示しない連結具を介して上記電線Kを連結するための一対の連結部としての一対のフック5,5が設けられている。シリンダ2は、軸方向に並べられた二本のチューブ12,12の組み合わせよりなり、両チューブ12,12は両者の間に後記する中間部の軸受6を嵌合した状態で一体に接続されている。また、シリンダ2に対するロッド4の回り止め構造18が設けられており、この回り止め構造19は、ロッド4の周面に設けた二面幅部19を後記するシリンダ他端2bの軸受6とストロークの全長に亙って円周方向に係合させることにより構成されている。
また、上記シリンダ2の内部に、ロッド4を摺動自在に支持する軸受6が設けられており、シリンダ2の内部においてこの軸受6とピストン3との間にガスGを封入するためのガス封入室(ガス室)7が形成されている。軸受6は、シリンダ2の中間部に一つと他端2bに一つ都合二つ設けられており、中間部の軸受6とピストン3との間にガス封入室7が形成されている。したがってピストン3の直ぐ隣りにガスGが封入されることになる。ガス封入室8の気密を保つため、ピストン3の外周には、シリンダ2の内面に摺動自在に密接するピストンシール8が設けられており、またピストン3の前後に若干の封止油(図示せず)が注入されている。また、ピストン3の外周面には、ピストンシール8を装着するための環状の装着溝13が設けられているが、更にこの装着溝13の前後にそれぞれ封止油を保持するための環状の保持溝14が設けられている。また、ガス封入室8の気密を保つため、上記中間部の軸受6の外周には固定的なガスケット等のシール15が設けられている。ピストン3の図上右側の空間(外側空間)16は、ピストン3のストロークに応じて容積が変化することから、容積が変化しても圧力変動が生じないように大気開放されている。
また、上記シリンダ2の外周側に、筒状の圧力容器9が同軸的に固定されてその内部に環状の第二ガス封入室10が設けられており、この第二ガス封入室10と上記シリンダ2内のガス封入室7とを連通させるべく孔状の連通部11が上記中間部の軸受6に設けられている。筒状の圧力容器9は、その両端を窄め加工され、この両端をもってシリンダ2の外周に溶接等の手段によって固定されているが、窄め加工の代わりとして、両端に軸直角平面状の端面を有するものとしても勿論良い。圧力容器の一端には、ガスを注入するためのガス封入口(ガスバルブ)17が設けられている。
また、連通部11を介して互いに連通するガス封入室7および第二ガス封入室10には、ガスGが所定の封入圧をもって封入されている。尚、当該装置1内には、圧力伝達媒体として機能する作動油はいっさい充填されていない。
上記構成のテンション調整装置1は、両端のフック5,5に連結した電線Kのテンションが変化すると、これに応じてピストン3がシリンダ2内でストロークして装置1全体として伸縮作動するものであって、装置1全体が延びれば延びるほどピストン3か封入ガスGを強く圧縮するので、大きな復元力が発生する。
図示したように、当該装置1においては、ピストン3がその直ぐ隣りに封入された封入ガスGを直接押圧することによりテンション調整がなされるように構成されているために、上記したように当該装置1は圧力伝達媒体として機能する作動油をいっさい必要としないものである。また、シリンダ、ピストンおよびロッド等を有するシリンダ部とシェルおよびブラダ等を有するアキュムレータ部とを並べて配置する必要がないものである。更にまた、筒状のシリンダ2の外周側に同じく筒状の圧力容器9が同軸的に配置されているために、第二ガス封入室10の容積を大きく設定できる割りには装置1全体の径寸法を小さく設定することができるものである。したがってこれらのことから、所期の目的どおり、装置のコンパクト化および軽量化を実現することができ、もって取り扱い性に優れたテンション調整装置1を提供することができる。
尚、封入するガスGの封入量が少なくても良い場合には、上記構成から圧力容器9、第二ガス封入室10、連通部11およびガス封入口17を省略することにしても良い。
また、上記第二実施例では、ピストン3の図上右側の空間(外側空間)16を大気開放する構成としたが、当該テンション調整装置1が雨ざらしの状況で使用されることを考慮すると、この空間16に雨滴やダスト等の異物が入り込まないようにこの空間16を閉塞することにしても良く、この場合には以下のように構成する。
(1)すなわち先ず、当該空間16の容積が最も小さいとき(ピストン3がストローク右端限に位置したとき)でも、容積が最も大きいとき(ピストン3がストローク左端限に位置したとき)の1/3程度の容積を確保するよう寸法諸元を設定する。
(2)次に、当該テンション調整装置1の組立て時に、当該空間16の容積が最も大きくなる状態(ピストン3がストローク左端限に位置した状態)で組み立てる。
(3)次いで、上記(2)の状態で組み立てた当該テンション調整装置1に対してガス封入口17からガスを封入すると、ガス封入室7,10の圧力が上昇するのに伴ってピストン3は右方向へストロークするが、上記(1)で説明したように当該空間16には1/3程度の容積が残る。このとき当該空間16の圧力は大気圧から3kgf/cm程度にまで上昇するが、依然として低圧のままであることから、ガスばね特性に問題となるような影響を及ぼすことはない。
したがって、この構成によれば、ガスばね特性に影響を及ぼすことがなくかつ当該空間16に雨滴やダスト等の異物が浸入することがない一層高性能のテンション調整装置1を提供することができる。
また、シリンダ2の他端2b側の軸受6の外側(図上左側)にシール機構(図示せず)を設ければ、この軸受6やその内部空間に雨滴やダスト等の異物が浸入するのを防止することもできる。
本発明の第一実施例に係るテンション調整装置の構成説明図 同テンション調整装置の使用状態説明図 本発明の題に実施例に係るテンション調整装置の一部切欠した正面図 従来例に係るテンション調整装置の構成説明図
符号の説明
1 テンション調整装置
2 シリンダ
2a,4a 一端
2b,4b 他端
3 ピストン
4 ロッド
5 フック(連結部)
6 軸受
7 ガス封入室
8 ピストンシール
9 圧力容器
10 第二ガス封入室
11 連通部
12 チューブ
13 装着溝
14 保持溝
15 シール
16 空間
17 ガス封入口
18 回り止め構造
19 二面幅部
G 封入ガス
T 鉄塔
K 電線(ワイヤ等線状体)

Claims (4)

  1. ワイヤ等線状体(K)のテンション調整に用いられるテンション調整装置(1)において、
    筒状のシリンダ(2)と、前記シリンダ(2)の内部に摺動自在に挿入されたピストン(3)と、一端(4a)を前記ピストン(3)に連結し他端(4b)を前記シリンダ(2)の外部に突出させたロッド(4)と、前記シリンダ(2)内に配置されて前記ロッド(4)を摺動自在に支持する軸受(6)と、前記シリンダ(2)内において前記ピストン(3)および軸受(6)間に設定されたガス封入室(7)と、前記シリンダ(2)の外周に配置されるとともに内部に第二ガス封入室(10)を設けた圧力容器(9)と、前記ガス封入室(7)および第二ガス封入室(10)を連通させる連通部(11)と、前記シリンダ(2)の一端(2a)および前記ロッド(4)の他端(4b)に設けられた一対の連結部(5)とを有することを特徴とするテンション調整装置。
  2. ワイヤ等線状体(K)のテンション調整に用いられるテンション調整装置(1)において、
    筒状のシリンダ(2)と、前記シリンダ(2)の内部に摺動自在に挿入されたピストン(3)と、一端(4a)を前記ピストン(3)に連結し他端(4b)を前記シリンダ(2)の外部に突出させたロッド(4)と、前記シリンダ(2)内に配置されて前記ロッド(4)を摺動自在に支持する軸受(6)と、前記シリンダ(2)内において前記ピストン(3)および軸受(6)間に設定されたガス封入室(7)と、前記シリンダ(2)の一端(2a)および前記ロッド(4)の他端(4b)に設けられた一対の連結部(5)とを有することを特徴とするテンション調整装置。
  3. ワイヤ等線状体(K)のテンション調整に用いられるテンション調整装置(1)において、
    シリンダ(2)内でピストン(3)に接するように封入された封入ガス(G)を前記ピストン(3)が直接押圧することによりテンション調整を行なうことを特徴とするテンション調整装置。
  4. 請求項1のテンション調整装置において、
    圧力容器(9)は、筒状を呈して同じく筒状のシリンダ(2)の外周に同軸的に配置され、前記シリンダ(2)の外周に環状の第二ガス封入室(10)が設けられていることを特徴とするテンション調整装置。
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