JP2005287247A - 圧電体およびその分極方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 駆動電極間の分極を低減し、電極間に生じる分極の影響を抑える圧電体を提供する。
【解決手段】 圧電体1の裏面電極1k、1l、1mは、それぞれ駆動電極1a、1bに、駆動電極1c、1dに、駆動電極1e、1fに対応する。分極時、駆動電極を同電位とし、弾性部材4と接着される側の裏面電極に極性の異なる直流の高電圧を印加する。分極処理の結果、圧電体の厚み方向における分極31と、電極間の極表面に近い部分の横方向における分極32が生じる。圧電体1を駆動する場合、裏面電極1k、1l、1mは導電性部材を介して弾性部材4に接着され、同電位となるので、電極間の横方向における分極32による影響は出なくなる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、交流電圧が印加されることによって弾性体を励振する圧電体およびその分極方法に関する。
図13は従来の振動型アクチュエータの構成を示す正面図である。この振動型アクチュエータ120は、振動体115、移動体106および回転軸107から構成される。振動体115は、リング状の圧電体101、この圧電体101が接着され、複数の突起を有する弾性部材104、およびこの弾性部材104の各突起先端に接着された摩擦材105からなる。移動体106は、加圧されて摩擦材105に接触し、弾性部材104の振動によって生じた押圧力によって回転軸107を中心に回転運動する。
図14は圧電体101に駆動電圧を印加する側の電極構造を示す図である。駆動電圧を印加する側の電極構造では、隣り合う駆動電極の厚み方向における分極が「+」の極性を有する方向、「−」の極性を有する方向に交互に並ぶように生じている。通常の振動型アクチュエータの圧電体では、隣り合う駆動電極の厚み方向における分極が「+」の極性を有する方向、「−」の極性を有する方向に交互に生じるか、あるいは全て同じ極性を有する方向に、駆動電極が配置されていた。この振動型アクチュエータ120は、圧電体101の振動によって弾性部材104に2つの定在波を発生させ、その合成によって生じる進行波を用いて移動体106を移動させる。2つの定在波は、圧電体101の電極12aと電極12bに交流電圧を印加することによって発生する。電極12a、12bは、定在波が1/4の波長だけずれるような領域に設けられている。電極12a、12bの各領域内には、それぞれ定在波の半波長毎に分極が「+」の極性になる方向、「−」の極性になる方向に駆動電極が配置されている。一方、圧電体101の裏面には、全面が導通する電極が設けられている。
このような電極構造を有する圧電体内部の分極状態を示す。図15は電極12aの領域における圧電体101内部の分極方向を示す図である。図中、矢印は分極方向を表す。また、「+」、「−」の符号は、圧電体の厚み方向に分極された電圧の極性を表している。分極された電圧の極性は交互に切り替わるので、厚み方向における分極は交互に反対向きになる。また、分極は隣り合う駆動電極間でも生じる。
また、特許文献1には、電極12aおよび電極12b側の電極に、駆動時に交流電圧を加える代わりに、電極12aおよび電極12bの領域に対応する裏面電極を、それぞれの領域と同じ区画になるように分割し、電極12aおよび電極12b側の駆動電極を弾性体に接着し、裏面電極に交流電圧を印加することが示されている。
また、特許文献2には、隣り合う電極対がそれぞれ異なる位置的位相の定在波の発生に用いられる場合、圧電素子は一区画の電極毎に分割されることが示されている。また、特許文献3には、1枚の圧電素子に「+」、「+」、「−」、「−」の順に分極されることが示されている。いずれの特許文献における、両面に複数の電極構造を有する圧電素子であっても、表面と裏面の電極間隔は、ほぼ同じ間隔であった。
図16は他の従来における圧電素子に駆動電圧を印加する側の電極構造を示す図である。振動型アクチュエータの構成自体は、前述した図13の構成と同じである。図中、11a、11b、11c、11d、11e、11fは、それぞれ駆動電極である。11g、11h、11i、11jは、それぞれ振動検出用電極またはグランド電位供給用電極である。グランド電位供給用電極は、振動型アクチュエータを構成する際、裏面に接着される弾性部材104と導電性材料を介して接続される。このような電極構造では、圧電体の裏面が全面電極である場合、駆動電極側に「+」、「−」の極性を有する高電圧を印加して分極を行うので、図17に示すように、圧電体内部の厚み方向における分極は、「+」、「+」、「−」、「−」の極性順に生じるとともに、「+」の極性を有する方向と「−」の極性を有する方向の隣り合う分極用電極間には、横方向の分極が生じる。図17は分極方向が「+」、「+」、「−」、「−」の順に切り替わる場合の圧電体内部の厚み方向における分極状態を示す図である。
特公平05−32995号公報 特開昭59−086484号公報 特開平05−122956号公報
しかしながら、上記従来例では、以下に掲げる問題があった。すなわち、前述したように分極方向が同じである場合、あるいは分極方向が交互に反転している場合、隣り合う電極間の分極状態が全て分極されない状態であるか、あるいは必ず分極される状態であるかのどちらかであるので、電極間の分極状態が駆動電極内で場所によって異なることはなかったが、分極方向が同じ電極対と異なる電極対とがほぼ全面で混在する場合、電極対間で分極された分極状態と分極されない分極状態とがほぼ全面で混在することになる。このため、交流電圧を印加した際、場所によって圧電素子の弾性係数や電極対間に生じる力が大きく異なっていた。特に、特許文献2では、圧電素子が1枚ずつ分割されているので、圧電素子を弾性体に接着した後に切り離す場合、弾性体に傷を付けないように高度な加工が要求されるとともに、切断した後に接着する場合、接着の精度や品質の低下に問題があった。
また、分極する側の電極間隔と駆動する側の電極間隔とが同じ間隔であったので、駆動する側の電極間隔は、駆動電圧に比べて高い分極時の高電圧が放電しないような間隔となるので、広くなり過ぎてしまい、圧電素子を有効に利用できなかった。
また、A相、B相、A相、B相と交互に異なる交流電圧が印加される圧電素子では、全体的に電極間の分極の有無がばらまかれるので、分極の偏りの影響を受けてしまった。
そこで、本発明は、駆動電極間の分極を低減し、かつ電極間に生じる分極の影響を抑えることができる圧電体およびその分極方法を提供することを目的とする。また、本発明は、分極時の放電を避けつつ、駆動電極の面積を広くすることで、圧電体を有効に利用でき、圧電体の加振性能を向上できる圧電体およびその分極方法を提供することを他の目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の圧電体は、電極に交流電圧が印加されることによって振動を発生する圧電体であって、前記圧電体の第1の区画に、振動発生時に前記交流電圧が印加される複数の駆動電極を設け、前記第1の区画と対向する前記圧電体の第2の区画に、分極時に分極電圧が印加される複数の分極電極を設け、前記分極電極は、同一方向に分極された、隣り合う前記駆動電極によって形成される領域に応じた形状を有することを特徴とする。
本発明の圧電体は、電極に交流電圧が印加されることによって振動を発生する圧電体であって、前記圧電体の第1の区画に、振動発生時に前記交流電圧が印加される複数の駆動電極を設け、前記第1の区画と対向する前記圧電体の第2の区画に、振動発生時に同電位とされる複数の電極を設け、前記第1の区画に設けられた駆動電極の間隔に比べ、前記第2の区画に設けられた電極の間隔が広いことを特徴とする。
本発明の圧電体の分極方法は、圧電体の第1の区画に、駆動時に交流電圧が印加される複数の駆動電極を設け、前記第1の区画と対向する前記圧電体の第2の区画に、分極時に分極電圧が印加される複数の分極電極を設け、前記分極電極は、同一方向に分極された、少なくとも1つの前記駆動電極によって形成される領域に応じた形状を有し、駆動時、前記複数の分極電極は導通状態で前記弾性体に接合され、前記駆動電極に交流電圧が印加される圧電体の分極方法であって、分極時、前記複数の駆動電極は同電位に接続され、前記複数の分極電極に極性の異なる分極電圧が印加されることを特徴とする。
本発明の圧電体および圧電体の分極方法によれば、駆動電極間の分極を低減し、かつ電極間に生じる分極の影響を抑えることができる。すなわち、圧電体の駆動電極をほぼ同電位の状態で分極できる。したがって、駆動電極間が分極されなくなるとともに、分極時に極性の異なる高電圧が印加される側の電極は、駆動時に同電位となるので、電極間に形成される分極の影響を低減できる。
本発明の圧電体およびその分極方法の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態の圧電体は、振動型アクチュエータに組み込まれる。
[第1の実施形態]
図1は第1の実施形態における振動型アクチュエータの外観を示す正面図である。この振動型アクチュエータ20は、振動体15、移動体6および回転軸7から構成される。振動体15は、リング状の圧電体1、この圧電体1が接着され、複数の突起を有する弾性部材4、およびこの弾性部材4を形成する複数の突起の各先端に接着された摩擦材5からなる。移動体6は、加圧されて摩擦材5に接触し、弾性部材4の振動によって生じた押圧力によって回転軸7を中心に回転運動する。
図2は圧電体1の駆動電極側の電極構造および分極パターンを示す平面図である。圧電体1は、前述したように、振動型アクチュエータの弾性部材4に接着される。図中、1a、1c、1eは第1の駆動相の交流電圧(第1の交流電圧)が印加される駆動電極であり、1b、1d、1fは第2の駆動相の交流電圧(第2の交流電圧)が印加される駆動電極である。第1および第2の交流電圧は、時間的に90°位相のずれた交流電圧である。また、図中、「+」および「−」は、圧電体1の厚み方向における分極の極性を示している。
電極1a、1b、1c、1d、1e、1fは、それぞれ弾性部材4に生じる定在波の1/4の波長に相当する周長を有する。また、各電極の厚み方向には、ほぼ弾性部材4の全円周に亘って、順番に「+」、「+」、「−」、「−」…… 「+」、「+」の極性を有する方向に分極が行われている。一方、電極1g、1h、1i、1jは、グランド電位供給用電極または振動検出用電極であり、弾性部材4に生じる定在波の1/8の波長に相当する周長を有する。これらの電極1g〜1jのうち、いずれかがグランド電位供給用電極とされる。通常、グランド電位供給用電極としては、電極1gおよび電極1jの少なくとも一方が選択され、弾性部材4と導電性部材を介して接続される。また、振動検出用電極として、電極1hおよび電極1iの少なくとも一方が選択される。尚、振動検出用電極として、当初から1つの電極となるように、1/4の波長に相当する周長を有するものとしてもよい。
図3は圧電体1の弾性部材4に接着される裏面電極側の電極構造および分極パターンを示す図である。図3では、圧電体1の表面から透視して見た場合の電極構造が表されており、図2と重ねてみると、分極方向が同じであることがわかる。ここで、図2、図3を重ねた場合、対応する位置関係を分かり易くするために、周上の位置を表す一点鎖線s、t、uが示されている。
図において、1kは図2の駆動電極1a、1bに対応する裏面電極である。同様に、1lは駆動電極1c、1dに対応する裏面電極であり、1mは駆動電極1e、1fに対応する裏面電極である。従来の電極構造では、圧電体の裏面電極は全面電極であるのに対し、本実施形態の電極構造では、裏面電極は複数の区画に分割されている。
図4は圧電体内部の厚み方向における分極状態を示す図である。図中、矢印は分極方向を表しており、矢印の数や長さは分極の大きさを表している。また、「+」、「−」の符号は、分極時に高電圧が印加される極性を表している。従来のように、通常の分極時、駆動側の電極に極性の異なる直流の高電圧を印加し、裏面電極をグランド電位とするように接続するが、本実施形態では、駆動側の電極(駆動電極1a〜1e)を同電位(ここでは、グランド電位)とし、弾性部材4と接着される側の裏面電極に極性の異なる直流の高電圧を印加する。
ここで、裏面電極の間隔d0は、放電しない程度に広い間隔に設定されているが、分極時に高電圧が印加されない駆動電極1a、1b、1c、1d、1e、1fの間隔d1は、裏面電極の間隔d0と比較して狭くなっている。分極処理を行うと、図4の矢印に示すように、圧電体の厚み方向における分極31、および電極間の極表面に近い部分の横方向における分極32が生じる。
図5は圧電体1を弾性部材4に接着した後、駆動電極に駆動電圧が印加された場合の圧電体に発生する力の度合いを示す図である。この場合、駆動電極1a、1b、1c、1d、1e、1fの間隔は狭くなっているので、圧電体1を有効に利用できる。また、電極1k、1l、1mは導電性部材を介して弾性部材4に接着されて同電位となるので、これらの電極間に生じた横方向の分極32による影響はほぼ出なくなり、それによる力の発生はほとんど無い。このため、電極1a、1b間の弾性係数と、電極1b、1c間の弾性係数はほぼ同じになる。また、弾性部材4に生じる進行波は、弾性部材4の円周上のいずれにおいてもほぼ同じ振幅を有するので、進行波の振幅ムラ等に起因する摩擦材5の偏摩耗が発生せず、振動型アクチュエータの耐久性の向上、移動体の速度ムラの低減を図ることができる。尚、弾性部材が導電性材質からなる場合、導電性部材を介することなく、圧電体を弾性部材に接着するだけで、電極1k、1l、1mを同電位とすることができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態の振動型アクチュエータは、圧電体の電極構造を除き、前記第1の実施形態と同様の構成(図1参照)を有するので、その説明を省略する。図6は第2の実施形態における圧電体の駆動電極側の電極構造および分極パターンを示す平面図である。図7は圧電体の弾性部材4に接着される裏面電極側の電極構造および分極パターンを示す図である。図7では、前記第1の実施形態と同様、圧電体の表面から透視して見た場合の電極構造が表されている。
この圧電体はリング状に1枚からなり、その駆動側の面には、電極パターンが形成されている。この電極パターンでは、外周側と内周側とで異なる定在波が弾性部材に生じるように、等間隔の複数からなる電極が内周側と外周側で位置的にずれて配置されている。各電極の1区画の周長は、ほぼ定在波の半波長に相当する。
ここで、外周側および内周側の電極パターンでは、それぞれ円周に沿って分極方向が交互に反転しており、内周のみあるいは外周のみを考えた場合、電極間の分極が交互に反転しているので、特に問題が生じることはない。
しかし、内周および外周の電極間では、分極方向が同方向である部位と異方向である部位とが混在している。このような混在は、弾性部材と圧電体が一体となって構成される振動体の弾性係数に、場所による偏りを発生させ、対称性を損ない、振動を劣化させる原因となる。
そこで、本実施形態では、前記第1の実施形態と同様、裏面電極に極性の異なる高電圧を印加し、駆動電極をグランド電位として分極処理を行う。電極3a、3cでは、「+」の極性を有する方向に分極する必要があるので、これらをまとめて分極処理するために、裏面には、これらをまとめた領域に相当する形状の電極3eが設けられている。同様に、電極3b、3dは、「−」の極性を有する方向に分極する必要があるので、これらをまとめて分極処理するために、裏面には、これらをまとめた領域に相当する形状の電極3fが設けられている。尚、図6、図7では、対応する位置関係を表すものとして、一点鎖線v、wが示されている。
分極処理では、圧電体3の各裏面電極に、極性の異なる高電圧を所望の分極方向となるように印加するとともに、駆動電極3a、3b、3c、3dを全てほぼ同電位にして分極を行う。そして、圧電体3を弾性部材4に接合する際、駆動電極に位相の異なる交流電圧を印加するとともに、裏面電極は同電位となるように導通部材を介して接続され、弾性部材4に接合される。このように、分極時に高電圧を印加する裏面電極の間隔に比べ、駆動電極の間隔を狭くできるので、圧電体3を有効利用できる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態の振動型アクチュエータは、圧電体の電極構造を除き、前記第1、第2の実施形態と同様の構成(図1参照)を有するので、その説明を省略する。図8は第3の実施形態における圧電体の駆動電極側の電極構造および分極パターンを示す平面図である。図9は圧電体の弾性部材4に接着される裏面電極側の電極構造および分極パターンを示す図である。図8における破線51は、図9の裏面電極パターンに対応するものであり、分極方向の境界を表す。
第3の実施形態では、前記第2の実施形態と異なり、電極8a、8cは導通しており、電極8b、8dも導通している。しかし、分極方向は、図8に示すように、破線51を境に反転している。通常、駆動電極から分極する際、電極が導通しているので、極性の異なる分極ができないので、分極した後に電極間を導電性部材で接続するが、本実施形態のように、駆動電極を同電位とし、各裏面電極に、極性の異なる高電圧を印加して分極することで、電極間を切断しなくても、分極方向を切り替えることができる。
電極8a、8bを「+」の極性となる方向に分極するために、これらをまとめて分極処理し、裏面にこれらをまとめた形状を有する電極8eを形成する。同様に、電極8c、8dを「−」の極性となる方向に分極するために、これらをまとめて分極処理し、裏面にこれらをまとめた形状を有する電極8fを形成する。
分極処理を行う際、駆動電極8a、8b、8c、8dを同電位にし、裏面電極8e、8fを含む各裏面電極に、極性の異なる高電圧を印加して所望の分極方向に分極を生じさせる。一方、駆動する際、電極8e、8fを含む全ての裏面電極を同電位とし、駆動電極に2相の交流電圧を印加し、圧電体8が接合される弾性体4に進行波を発生させる。また、分極時に高電圧が印加される側の電極間隔よりも、駆動電圧が印加される側の電極間隔を狭くできるので、圧電体8を有効に利用できる。
[第4の実施形態]
図10はリニア駆動型の振動型アクチュエータの外観を示す斜視図である。図において、9は圧電体である。10は圧電体9が接着された弾性部材である。11は弾性部材10の突起10aが加圧・接触される移動体である。
図11は圧電体9の駆動電極側の電極構造および分極パターンを示す平面図である。電極9a、9cは、弾性部材10が面外方向に1次の曲げ振動を形成するための電極である。電極9bは、弾性部材10が面内方向かつ矢印方向に一次の縦振動を形成するための電極である。これらの2つの振動を合成し、弾性部材10の突起10aと移動体11が接する面に楕円振動が生じ、移動体11が直線的に移動するようになっている。
ここで、各電極の分極方向に着目すると、電極9bと電極9cとでは同方向であるが、電極9aと電極9bとでは逆方向である。このため、駆動側の電極9a、9b、9cに高電圧を印加して分極すると、電極9aと電極9bの間に横方向の分極が生じるが、電極9bと電極9cの間には横方向の分極が生じない。このため、理想の振動状態で振動を発生できなくなり、効率の低下等を招く。
図12は圧電体の弾性部材4に接着される裏面電極側の電極構造および分極パターンを示す図である。図12には、駆動電極側から見た圧電体9の裏面の電極構造と分極方向が示されている。電極9bと電極9cが同方向の分極であるので、これらをまとめて分極処理するために、裏面にこれらをまとめた形状を有する電極9eを設けるとともに、電極9aに対応する裏面電極9dを設けた。裏面電極9d、9eは、弾性部材10に接着され、駆動時に同電位となる。また、分極時に高電圧が印加される側の電極間隔より駆動時に交流電圧が印加される側の電極間隔を狭くできるので、圧電体9を有効に利用できる。
以上示したように、上記各実施形態によれば、圧電体の駆動側電極をほぼ同電位の状態で分極できる。したがって、駆動電極間が分極されなくなるとともに、分極時に極性の異なる高電圧が印加される側の裏面電極は、駆動時に同電位となるので、電極間に形成される分極の影響を低減できる。また、1つ以上の駆動電極をまとめるように、他方の面に分極電極を形成したので、駆動電極より面積が大きくなった結果、弾性体への導通品質を向上できる。また、分極時の放電を避けることができるとともに、駆動電極の面積を広くすることができ、圧電体の加振性能を向上できる。また、圧電体の厚み方向における分極によらず、駆動電極間に生じる分極を低く抑えることができる。このため、駆動電圧を印加した際、不要な振動が発生しないので、効率が落ちない。
以上が本発明の実施形態の説明であるが、本発明は、これら実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
本実施形態では、駆動電極と裏面電極の電極構造が異なる場合を示したが、同じ電極構造でも、同様の効果が得られる。つまり、分極する際に極性の異なる高電圧が印加された側の電極を駆動の際に同電位となるようにすればよい。また、この場合、電極をまとめないので、同電位に接続する電極が増えてしまうので、接続の信頼性が多少劣ることを考慮する必要がある。また、駆動電極が表面と裏面に分かれている場合、駆動電極の領域に対応する面毎に、その裏面電極に極性の異なる高電圧を印加して分極し、駆動時には、分極時に高電圧が印加された側の電極がほぼ同電位となるようにすればよい。また、弾性部材を電気的に絶縁したい場合、同時に同電位にする側の各電極に対し、例えばフレキシブル基板で電極間を接続し、所定の直流電圧に接続すればよい。
第1の実施形態における振動型アクチュエータの外観を示す正面図である。 圧電体1の駆動電極側の電極構造および分極パターンを示す平面図である。 圧電体1の弾性部材4に接着される裏面電極側の電極構造および分極パターンを示す図である。 圧電体内部の厚み方向における分極状態を示す図である。 圧電体1を弾性部材4に接着した後、駆動電極に駆動電圧が印加された場合の圧電体に発生する力の度合いを示す図である。 第2の実施形態における圧電体の駆動電極側の電極構造および分極パターンを示す平面図である。 圧電体の弾性部材4に接着される裏面電極側の電極構造および分極パターンを示す図である。 第3の実施形態における圧電体の駆動電極側の電極構造および分極パターンを示す平面図である。 圧電体の弾性部材4に接着される裏面電極側の電極構造および分極パターンを示す図である。 リニア駆動型の振動型アクチュエータの外観を示す斜視図である。 圧電体9の駆動電極側の電極構造および分極パターンを示す平面図である。 圧電体の弾性部材4に接着される裏面電極側の電極構造および分極パターンを示す図である。 従来の振動型アクチュエータの構成を示す正面図である。 圧電体101に駆動電圧を印加する側の電極構造を示す図である。 電極12aの領域における圧電体101内部の分極方向を示す図である。 他の従来における圧電素子に駆動電圧を印加する側の電極構造を示す図である。 分極方向が「+」、「+」、「−」、「−」の順に切り替わる場合の圧電体内部の厚み方向における分極状態を示す図である。
符号の説明
1、9 圧電体
1a〜1f、3a〜3d、8a〜8d、9a〜9c 駆動電極
1k〜1m、3e、3f、8e、8f、9d、9e 裏面電極
4、10 弾性体
6、11 移動体
15 振動体
20 振動型アクチュエータ

Claims (11)

  1. 電極に交流電圧が印加されることによって振動を発生する圧電体であって、
    前記圧電体の第1の区画に、振動発生時に前記交流電圧が印加される複数の駆動電極を設け、
    前記第1の区画と対向する前記圧電体の第2の区画に、分極時に分極電圧が印加される複数の分極電極を設け、
    前記分極電極は、同一方向に分極された、隣り合う前記駆動電極によって形成される領域に応じた形状を有することを特徴とする圧電体。
  2. 前記第1の区画に設けられた駆動電極の間隔に比べ、前記第2の区画に設けられた分極電極の間隔が広いことを特徴とする請求項1記載の圧電体。
  3. 前記第1の区画には、同一方向に分極される領域を有する前記隣り合う駆動電極と、異なる方向に分極される領域を有する前記隣り合う駆動電極とが混在し、前記第2の区画には、前記同一方向に分極される領域に応じた形状を有する分極電極が設けられていることを特徴とする請求項1記載の圧電体。
  4. 電極に交流電圧が印加されることによって振動を発生する圧電体であって、
    前記圧電体の第1の区画に、振動発生時に前記交流電圧が印加される複数の駆動電極を設け、
    前記第1の区画と対向する前記圧電体の第2の区画に、振動発生時に同電位とされる複数の電極を設け、
    前記第1の区画に設けられた駆動電極の間隔に比べ、前記第2の区画に設けられた電極の間隔が広いことを特徴とする圧電体。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の圧電体と、前記圧電体を接合した弾性体とを有し、前記第1の区画に設けられた駆動電極に交流電圧が印加されることによって、前記弾性体に振動を発生することを特徴とする振動体。
  6. 請求項5に記載の振動体と、前記振動体の弾性体の表面に加圧されて接触する移動体とを有し、前記第1の区画に設けられた駆動電極に交流電圧が印加されることによって、前記弾性体の表面に進行波を発生することを特徴とする振動型アクチュエータ。
  7. 圧電体の第1の区画に、駆動時に交流電圧が印加される複数の駆動電極を設け、前記第1の区画と対向する前記圧電体の第2の区画に、分極時に分極電圧が印加される複数の分極電極を設け、前記分極電極は、同一方向に分極された、少なくとも1つの前記駆動電極によって形成される領域に応じた形状を有し、駆動時、前記複数の分極電極は導通状態で前記弾性体に接合され、前記駆動電極に交流電圧が印加される圧電体の分極方法であって、
    分極時、前記複数の駆動電極は同電位に接続され、前記複数の分極電極に極性の異なる分極電圧が印加されることを特徴とする圧電体の分極方法。
  8. 前記分極電極は、前記第1の区画内の、同一方向に分極された、隣り合う前記駆動電極によって形成される領域に応じた形状を有することを特徴とする請求項7記載の圧電体の分極方法。
  9. 前記第2の区画は、駆動時、同電位の直流電圧が前記複数の分極電極に印加される側であることを特徴とする請求項7記載の圧電体の分極方法。
  10. 前記第2の区画は、駆動時、前記弾性体に接合される側であることを特徴とする請求項7記載の圧電体の分極方法。
  11. 前記第1の区画に設けられた駆動電極の間隔に比べ、前記第2の区画に設けられた分極電極の間隔が広いことを特徴とする請求項7記載の圧電体の分極方法。
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