JP2934964B2 - 超音波モータ及び超音波モータの製造方法 - Google Patents

超音波モータ及び超音波モータの製造方法

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JP2934964B2 JP63245534A JP24553488A JP2934964B2 JP 2934964 B2 JP2934964 B2 JP 2934964B2 JP 63245534 A JP63245534 A JP 63245534A JP 24553488 A JP24553488 A JP 24553488A JP 2934964 B2 JP2934964 B2 JP 2934964B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は超音波モータ及び超音波モータの製造方法に
関するものである。
〔発明の概要〕
本発明は超音波モータにおいて、振動波の発生のため
に圧電素子の片側の面に円周方向に4の倍数で等間隔に
分割された扇形の電極パターンを設け、電極パターンの
隣接する2つを同方向に分極し、次に隣接する2つの逆
方向に分極するというように円周方向に順次2つずつの
組で互いに逆方向の圧電効果を示すように分極処理を行
った後、一つおきに逆方向に分極された短絡パターンを
短絡させるように圧電素子の外周に沿う短絡パターンを
形成し、残りの一つおきに逆方向に分極されたパターン
を短絡させるように内周に沿うパターンを形成し、外周
で短絡された電極群と内周で短絡された電極群のそれぞ
れに所定の駆動信号を印加することにより、簡単な構造
で高性能な超音波モータが実現できるようにしたもので
ある。
〔従来の技術〕
従来の超音波モータにおける圧電素子の電極構造は、
例えば周方向に3つの波を励振させようとした場合に
は、第4図に示すように中心に穴のある円板状圧電素子
401の片側の面の略半円部に等間隔に分割された電極パ
ターン群402aを設け、残りの略半円部は一方の端部に1
つの電極パターンの0.5ピッチの空白領域402b,さらに残
るもう一方の端部に1.5ピッチの空白領域402cを介して
同様に等間隔に分割された電極パターン群402dを設け、
互いに隣接する電極パターンを逆方向に分極するものが
一般的であった。この場合実装に際しては、402aおよび
402dの各電極パターン群をそれぞれ電気的に接続したう
えで、互いに90゜位相の異なる信号を印加することによ
り、進行波を発生させるようにしていた。
また、他の例として第5図に示すように中心に穴を有
する円板状圧電素子501の片側の面に円周方向に等間隔
に分割された502a〜502dを設け、該電極パターン502a〜
502dの隣接する2つの502a,502bを同方向に分極し、次
に隣接する2つの502c,502dを逆方向に分極するように
し、実装の場合は第6図に示すようにそれぞれの電極パ
ターンにリード線601を取りつけ、一つおきに502a,502c
のグループ601aと、502b,502dのグループ601bに束ね、
双方に時間的に90゜位相の異なる信号を印加することに
より進行波を発生させるようにした。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のような超音波モータでは、例えば第4図に示す
電極構造を有する圧電素子を用いた場合、一方の略半円
部で1つの定在波を発生させ、もう一方の略半円部で90
゜位相の異なる定在波を発生させ、それぞれの異なる定
在波を互いに反対側の半円部に伝幡させ、全体で2つの
定在波の合成により振動波を発生させるため、途中の電
極を設けていない部分等で位相ずれ等を起こして、均一
な進行波が発生できない。このことは、特に周方向に励
振する進行波の波数が少ない時に顕著である。このよう
な現象は主共振点以外の周波数でのスプリアス振動とい
う問題を生じるために、超音波モータの駆動時に共振周
波数を追尾する際、追尾するという問題を生じるとか、
主共振点付近での振幅量を低下させることにつながるこ
とになる。
又、第5図に示す電極パターンの場合には電極パター
ンの一つおきに90゜位相の異なる信号を加えることによ
り、全周にわたって均一に2つの定在波を発生させるこ
とができるため、均一な進行波が生じ、スプリアス等も
見られなくなる。しかし、隣接する電極パターンに異な
る信号を印加する必要があるため、電極パターンの数だ
けリード線の取り付けが必要となる。例えば、ロータを
機械的に安定に摩擦送りするために最低必要な3つの山
を発生させる場合、4つの電極パターンで一周期の波を
構成するため3×4=12個のパターンを必要とし、従っ
て第6図に示すように12本のリード線を取り付けなけれ
ばならない。このためリード線からの振動モレやハンダ
の重量増加による特性の変動などが見られ、モータの電
気〜機械変換効率が低下するとともに、数多くのリード
線をハンダ付けするための工数増にもつながるなどの課
題を有していた。
そこで本発明の目的は上記のような課題を解決し、簡
単な実装構造でスプリアスや振動モレ等の少ない高効率
の超音波モータを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、本発明では中心に穴を有
する円板状圧電素子の片側の面に円周方向に4つの倍数
で等間隔に分割された扇形の電極パターンを設け、電極
パターンの隣接する2つを同方向に分極し、次に隣接す
る2つを逆方向に分極するというように円周方向に順次
2つずつの組で互いに逆方向になるように分極処理を行
った後、一つおきに逆方向に分極された短絡パターンを
短絡させるように圧電素子の外周に沿う短絡パターンを
形成し、残りの一つおきに逆方向に分極されたパターン
を短絡させるように内周に沿うパターンを形成し、外周
で短絡された電極群と内周で短絡された電極群のそれぞ
れに駆動信号を印加することにより、2本のリード線を
取り付けるだけで進行波もしくは定在波を発生できるよ
うにした。
〔作用〕
上記のような構成によれば、進行波もしくは定在波の
波の数に関係なしに2本のリード線を取り付けるだけ
で、機械的振動波を発生させることが可能であるととも
に、圧電素子の全周にわたり均一に2つの定在波を発生
させることができるため、均一な振動波が生じ、スプリ
アス振動等も見られなくなる。このため、電気〜機械変
換効率が向上するとともに、リード線の本数が少なく構
造が簡単なため、小型化及び製造上の工数削減にとって
も大変有利となる。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。な
お、圧電振動子を利用した超音波モータについては定在
波方式と進行波方式などが考えられる(たとえば「新方
式/新原理モータ開発・実用化の要点」昭和59年日本工
業技術センター発行を参照。
第2図は進行波型超音波モータにおける進行波発生原
理の一例を示した図である。201は圧電セラミック、圧
電性結晶体からなる圧電素子で、図示するように幅bに
て等間隔に分極されており、隣りどうしの分極方向は互
いに逆方向となっている。各圧電素子にはクロム,ニッ
ケル,金などの導電材料を蒸着、スパッタリング等の手
法により202に示す電極が形成されており、それらをリ
ード線203,204で結線し、それぞれ異なるリード信号源
から高周波電圧が印加されることになる。また、リード
線203,204でそれぞれ結線された電極群の間には、幅c
なる空隙部分を設ける。この際、幅cなる空隙部分は分
極の有無ならびに電極の有無はどちらでも構わないこと
とする。ここで、説明の都合上cをはさむ電極の中心間
距離はaとする。以上の図および信号をもとに以下に進
行波発生のメカニズムについて説明する。図中の電極
部分の中点を基準に考えると進行波と後退波からなる屈
曲振動波は次のように表わせる。
Asin(wt−kx)+Asin(wt+kx) ……(1)式 ここで(1)式はいわゆる定在波を示していることに
なる。これに対してに示す電極部分による屈曲振動波
は次のように表わせる。
Bsin(wt−K(x+a)+φ)+Bsin(wt+K(wt+k(x
+a)+φ ……式 ここで、K=w/γ=2π/λ λ:波長,φ:に対する位相差角 (2)式にて、 とおくと、(2)式は次のように表わせる。
Bsin(wt−kx+απ)+Bsin(wt+kt+βπ) ……(4)式 従って、,より励振される屈曲振動波は(1)式
と(4)式を加え合わせた型で表わされる。
ここで、進行波成分だけが存在するための条件を
(4)式の展開式から考えるとαが偶数、βが奇数の場
合であることがわかる。ここで(3)式よりaとφにつ
いてαとβの式で表わすと次のようになる。
すなわち、(α+β)=(0,1),(2,3)の時には (α,β)=(2,1)の時には (α,β)=(0,3)の時には となって、それぞれのa,φを同時に満足する時に進行波
成分のみが存在することになる。一例をあげると、 の場合を考えれば、(1)式+(2)式は次のようにな
る。
Asin(wt+kx)+Asin(wt+kx) +Bsin(wt−kx)−Bsin(wt+kx) ……(6)式 ここで駆動回路より出される高周波電圧信号の振幅A
及びBがA=Bならば(6)式は2Asin(wt−kx)とな
り、進行波成分のみが残ることがわかる。また、逆転駆
動させるためには後退波成分のみを残せば良いわけであ
るから、(5)式におけるαとβを逆にしてαが奇数、
βが偶数となるようにすれば良い。実際上はを基準に
して考えると、に加える信号の位相を正転駆動させる
時に比べて180゜ずらせば良いことになる。
第3図は進行波型超音波モータが進行波成分によって
回転する原理を示した図である。301は振動体で、圧電
素子が弾性部材に接着されているために屈曲振動が生じ
ることになる。ここで、振動体301は第2図に示した原
理で右方向への進行波が生じると表面部と1点は左方向
への楕円軌跡を描くために、ロータ302は進行波の進行
方向とは逆方向に移動するわけである。以上ば日経メカ
ニカル(1985.9.23)などに掲載されており、振動体301
の表面上の1点が楕円軌跡を描くことに関する詳細な説
明も同文献に記されている。
第1図は本発明に係る圧電素子の電極構造を示すもの
で、中心に穴を有する圧電素子101の片側の面には円周
方向に等間隔に分割された扇形の電極パターン102a〜10
2dが形成されており、この状態で図に示すように隣接す
る2つのパターン102aと102bが同方向の圧電効果を示す
ように、またその次の2つのパターン102cと102dが102a
及び102bと逆方向の圧電効果を示すようにそれぞれ分極
処理を行い、分極処理後に各電極パターンの一つおきに
102aと102cを電気的に導通するための外周に沿う電極パ
ターン102e及び102bと102dを電気的に導通するための内
周に沿う電極パターン102fとが形成されている。以上に
より電気的な極性については外周短絡電極と内周短絡電
極の2つの異なる電極が交互に配置され、分極方向につ
いては2つずつの組で交互に逆方向になるように配置さ
れ、これらの組合わせで4つの電極パターンで一組とな
っている。ここで外周短絡電極と内周短絡電極に時間的
にほぼ90゜位相の異なる信号を印加することによって、
4つの電極パターン102a〜102dで−波長を形成するよう
な機械的進行波が発生する。
第7図は本発明に係る電極構造を有する進行波型超音
波モータの縦断面図を示すもので、圧電素子701を接着
してなる振動体702は金属等からなる弾性部材で、中心
軸703に打ち込み等により支持され、中心軸703は固定台
704に固定されている。ロータ705は振動体702の上方か
ら中心軸703を案内として組み込まれ、上方にある加圧
ばね706により振動体702に加圧接触するように配置され
ている。2本のリード線707のうちの1本707aが第1図
における外周短絡電極102a,102c,102eの一部に、もう1
本707bが内周短絡電極102b,102d,102fの一部にハンダ付
け等により取り付けられている。ここで、2本のリード
線707に時間的位相がほぼ90゜異なる信号を印加するこ
とによって、圧電素子701と振動体702は屈曲振動による
機械的進行波を発生し、振動体702に加圧接触されたロ
ータ705が回転運動することになる。
第8図は、第7図に示した進行波型超音波モータの2
本のリード線707のうち1本のリード線707aと振動体702
との間に高周波電圧を印加した際のインピーダンス特性
の一例を示したものである。なお、図に示したインピー
ダンス特性はロータ705を取りはずした状態すなわち振
動体702が上下方向に対してフリーな状態で測定したも
のである。対象としたモータ仕様の概略は以下の通りで
ある。
図より第4図に示した圧電素子の電極構造の説明の際
に示した主共振点以外でのスプリアス振動が見られない
ことがわかる。さらに第7図に示した進行波型超音波モ
ータを電気的な等価回路に置き換えて考えると、第9図
のようになるが、ここでL1901は等価回路の直列インダ
クタンス、C1902は等価回路の直列容量、R1903は等価回
路の直列抵抗、Co904は等価回路の並列容量、RLは負荷
抵抗をそれぞれ表わすものである。これによりR1903は
進行波型超音波モータにおける種々の損失すなわち、振
動子の内部損失や支持部での損失等を表わすものである
と同時に、圧電素子の電極構造の優劣を判断するのに都
合よい。そこで第7図に示した進行波型超音波モータの
圧電素子に第1図に示した本発明に係る電極構造と第4
図に示した従来の電極構造によるものとをそれぞれ用い
た場合の等価定数の比較を以下に示す。
これよりR1の値より明らかなように本発明における圧
電素子の電極構造が従来に比べて、非常に有効であるこ
とが裏付けされる。
第10図は第7図に示した仕様の本発明に係る圧電素子
の電極構造を有する進行波型超音波モータの周波数〜回
転数特性の一例を示したもので、駆動電圧は正弦波形で
約6Vp−p,振動体702へのロータ705の加圧力は約10gfで
の特性である。回転周波数領域も比較的広く、最大回転
数も3000(r.p.m)以上と高速なことから、中速〜高速
領域における進行波型超音波モータの適用も可能であ
る。いずれにせよ本発明に係る圧電素子の電極構造によ
り、径小薄型な超音波モータにおいても、高効率化が実
現できるようになる。
第11図から第13図は本発明に係る圧電素子の電極構造
の他の実施例を示したものである。
第11図は圧電素子1101の裏面に、先の第1図で説明し
た内容に従って外周短絡電極パターン群1102及び内周短
絡電極パターン群1103を形成する際に、外周部と内周部
それぞれに電極部を形成しない余白部分a1104ならびに
余白部分b1105を設けたものである。一般に超音波モー
タに用いる円板状の圧電素子は薄くすることにより電界
強度が強くなり、先のモータ等価回路における直列抵抗
R1も減少することからモータ特性が向上する。しかしな
がら、薄くすることにより圧電素子1101の内外周端まで
電極パターンを形成すると、どうしても蒸着やスパッタ
リング等の際に端部から電極材のダレが生じ、リークま
たは分極処理時の高電圧印加にともなうスパーク等の問
題が生じることになる。そこで本実施例では内外径端部
に電極パターンを形成しない周状の余白部分を設けるこ
とで上記不都合を解決できる。
尚、圧電素子1101のもう一方の面の電極パターン1106
は全面電極パターンでも良いが、図示のごとく外周部に
余白を設けておくならば、先の裏面の説明において外周
部に余白部分を設ける必要性はないことになる。また、
裏面の電極パターン1106は本発明に係る圧電素子の電極
構造の場合には、裏面に形成された各分割電極部との実
質的な重なり部分の面積の大小により、各電極パターン
群の容量比が異なり、モータ特性に差異を生じることに
もなるため適時設定されることになる。
第12図は圧電素子1201の片面に形成された各短絡電極
パターン群のうち、外周短絡電極パターン群1202または
内周短絡電極パターン群1203の少ないとも1ヵ所に、反
対面側に設けられている電極パターンと重なり合ってい
ない部分を利用してマーキング1204を施した例を示した
ものである。マーキング1204は電極パターンの形状を一
部分変更することで実現したものであるが、マーキング
形状は本実施例における円弧状のものである必要性はな
く、他の形状でも良い。尚、マーキング1204の目的は分
極処理時における各分割電極の分極方向の識別、目安と
する他に、モータアセンブル時にリード線取付時の極性
識別用としても有効に利用されることになる。また、マ
ーキング1204を圧電素子1201の反対面側に設けられてい
る電極パターンと重なり合っていない部分に設ける必要
性はないが、マーキング1204の形状ならびに大きさによ
っては、部分的な実効面積の減少ならびにアンバランス
を生じることになり、結果的にスプリアス振動を生じる
等モータ特性上好ましくない現象も生じるため極力本実
施例のようにするのが好ましい。
第13図は、圧電素子1301の片面に形成された各電極パ
ターンのうち、外周短絡電極パターン群1302の内周部分
を利用して電気的に導通がないように扇形形状に検出用
電極パターン1304を設けた例を示したものである。本発
明に係る超音波モータは、機械振動をその源とするがた
めに、負荷、電源電圧、温度環境等の変動でモータの周
波数特性が刻々と変化し、モータ制御するにあたって
は、常に周波数の自動的な追尾手段が要求されることに
なる。追尾手段としては種々考えられるが、圧電素子の
圧電現象から生じる逆起電圧をモニタして自励発振回路
を形成するのは有効な手段である。そこで本実施例にお
いては、逆起電圧モニタ用の検出電極パターン1304を本
発明に係る圧電素子の電極構造の一部に設けた例を示し
た。この際、検出用電極パターン1304は図示するよう
に、なるべく圧電素子1301の中心孔近くに設けてかつ、
面積を小さく抑制するのがモータ効率上必要不可欠であ
る。尚、検出用電極パターン1304は必要に応じて複数箇
所設けても良いし、分極処理方向も用途に応じて設定さ
れるべきものである。
第14図および第15図は本発明に係る圧電素子の電極構
造の製法の一例を示したものである。本発明において
は、周方向に分割形成された電極パターンに対して互い
に逆方向に圧電効果を示すように分極処理されたものど
うしを圧電素子の内外周を利用してパターン接続すると
いう手法を用いているために、始めから第1図に示すよ
うな電極パターンを一度に形成することはできない。す
なわち、分極処理の前後各1回ずつのパターン形成が必
要となるわけである。そこで一般的に圧電素子への薄膜
形成技術として利用されるのが、蒸着ならびにスパッタ
リングであり、以下に製法の一例について説明を加え
る。
第14図に示した例は分極処理前後に各1回の蒸着によ
り本発明に係る電極構造を実現する手法を示したもので
ある。まず図(a)に示す分極処理前に圧電素子1401に
適当なマスクパターンを用いて分極電極パターン1402a
〜1402lを形成する。この際、パターン一つおきに外周
部まではり出しているパターン群1402a,1402c,1402e,14
02g,1402i,1402kと逆に内周部まではり出しているパタ
ーン群1402b,1402d,1402f,1402h,1402h,1402j,1402lが
作られる。
ここで、分割電極パターン1402bおよび1402hの内周部
には、分極処理後の蒸着の際に圧電素子1402自体がわず
かな回転ずれを起こすことも考慮して周方向にパターン
面積をはり出して形成しておく。また、蒸着時のパター
ン材質としては種々あるが、圧電素子とのコンタクトメ
タルとしてクロムを形成し、その上にリード線のハンダ
付け性を増すためにニッケルを形成し、さらに酸化防止
および導通性を増す意味で金を形成するという三層構造
が極めて良好である。次に図(b)に示す分極処理後に
再度蒸着手段により図中、黒い太線で示すような外周短
絡パターン1403a〜1403fおよび内周短絡パターン1404a,
1404bを形成すれば本発明に係る電極構造が容易に実現
可能となる。尚、内周短絡パターンが1404aと1404bとに
2分割されている理由としては、圧電素子1401の内周部
に電極パターンを形成しない余白部分を設ける際には、
このようにしないとマスクパターンが形成されないため
であり、場合によっては2分割以外でも問題はない。さ
らに図中、(+)あるいは(−)とあるのは分極方向を
示したものであり、圧電素子1401の反対面側に形成され
た電極パターンに対して正の電界は印加して分極処理し
たものを(+)とし、負の電界を印加して分極処理した
ものを(−)としている。
第15図に示した例は、図(a)で示すごとく分極処理
前の蒸着によるパターン形成で、あらかじめ分割電極パ
ターン1502a〜1502lを一つおきに内外周を利用してわず
かな隙間を介して形成しておき、分極処理後、図(b)
に示すように導電性接着剤、ボンディング等で接続する
手法を示したものである。本手法によれば、分極処理後
に形成するパターン面積が少ないので、再度蒸着等を行
う必要性もなく、製造コストの削減も考えられることに
なる。
以上のように本発明では時間的位相の異なる2つの定
在波の発生源が第4図のように半円ずつにかたよること
がなく、第1図に示すように全周にわたり1/4波長ごと
に交互に均等に配置されているため、全周にわたり均一
な進行波が発生する。また、圧電素子に取付けるリード
線は常に2本あれば良いため、リード線からの振動モレ
及びハンダの重量増加による特性変動が最小限に抑えら
れる。これにより、電気〜機械変換効率が極めて高い超
音波モータが実現するとともに、モータの小型化及び製
造工数の削減にとっても大変有利となる。
尚、上記実施例についてはすべて分割電極数12の場
合、すなわちモータの周方向に励振される波数3の場合
について説明してきたが、この他の波数の場合について
も本発明は容易に実施可能であり、本発明の範囲に含ま
れるものである。
〔発明の効果〕
本発明は以上説明したように、圧電素子の電極パター
ンを分極処理後に一つおきに外周に沿うパターンと内周
に沿うパターンで短絡させるという簡単な構造で、スプ
リアスのない振動特性が得られるとともに、リード線の
数が2本で済むため振動モレも少なくなり、電気〜機械
変換効率の高い超音波モータが得られるという効果を有
する。
さらに、リード線が2本で済むことから構造が簡単で
モータの小型化及び製造工数の削減にとって有利である
という効果も有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る圧電素子の電極構造を示す平面
図、第2図は進行波発生の原理図の一例を示す説明図、
第3図は進行波型超音波モータの回転原理図の一例を示
す説明図、第4図,第5図は従来の圧電素子の電極構造
の一例を示す平面図、第6図は従来の電極構造を有する
進行波型超音波モータの縦断面図、第7図は本発明に係
る電極構造を有する進行波型超音波モータの縦断面図、
第8図は本発明に係る電極構造を有する進行波型超音波
モータのインピーダンス特性の一例を示す説明図、第9
図は本発明に係る進行波型超音波モータの等価回路図、
第10図は本発明に係る進行波型超音波モータの周波数−
回転特性の一例を示す説明図、第11図,第12図,第13図
は本発明に係る圧電素子の電極構造の他の実施例を示す
平面図、第14図(a),(b),第15図(a),(b)
は本発明に係る圧電素子の電極構造の製法の一例を示す
平面図である。 101,201,401,501,701,1101,1201,1301,1401,1501……圧
電素子 102,202,402,502,1106,1402,1502……電極パターン 1102,1202,1302……外周短絡電極パターン群 1103,1203,1204……内周短絡電極パターン群 1403,1503……外周短絡パターン 1404,1504……内周短絡パターン 1104,1105……余白部分 1204……マーキング 1304……検出用電極パターン 203,204,601,707……リード線 301,702……振動体 302,705……ロータ 703……中心軸 704……固定台 706……加圧ばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 合議体 審判長 高瀬 博明 審判官 松野 高尚 審判官 内藤 二郎 (56)参考文献 特開 昭60−245482(JP,A) 実開 昭60−44496(JP,U)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両面に電極パターンが形成された圧電素子
    と、前記圧電素子を固定した振動体と、前記振動体に圧
    接し前記圧電素子の伸縮運動により摩擦駆動するロータ
    とを有する超音波モータにおいて、 前記電極の一方は、4の倍数で等間隔に分割され所定の
    間隔をもって配置された駆動電極パターンと、前記駆動
    電極パターンを各々1個おきに2つの組をなすように短
    絡する短絡パターンとからなり、前記圧電素子は、前記
    駆動電極パターンに対応する領域が分極処理され、短絡
    パターンに対応する領域が分極処理されていない領域と
    からなることを特徴とする超音波モータ。
  2. 【請求項2】前記圧電素子はリング状をなし、その外周
    および内周には、前記電極パターンを形成しない周状の
    部分を有することを特徴とする請求項1記載の超音波モ
    ータ。
  3. 【請求項3】前記圧電素子は、前記駆動電極パターンの
    少なくとも1箇所に、前記駆動電極パターンと異なる形
    状の電極を有することを特徴とする請求項1記載の超音
    波モータ。
  4. 【請求項4】前記圧電素子は、前記駆動電極パターンの
    少なくとも1箇所に、前記駆動電極パターンのいずれと
    も導通しない扇形の電極パターンを有することを特徴と
    する請求項1記載の超音波モータ。
  5. 【請求項5】前記圧電素子に形成される他方の電極は、
    全周にわたる非分割の電極であることを特徴とする請求
    項1記載の超音波モータ。
  6. 【請求項6】両面に電極パターンが形成された圧電素子
    と、前記圧電素子を固定した振動体と、前記振動体に圧
    接し前記圧電素子の伸縮運動による振動波により摩擦駆
    動するロータとを有する超音波モータの製造方法におい
    て、 前記圧電素子の一方の面に4の倍数で等間隔に分割され
    所定の間隔をもって配置された駆動電極パターンを形成
    する工程と、 隣接する2個ずつの前記駆動電極パターンを1組として
    交互に逆方向の圧電効果を示すように、前記圧電素子の
    前記駆動電極パターンが形成された領域を分極処理する
    工程と、 前記駆動電極パターンを各々1個おきに2つの組をなす
    ように短絡する短絡パターンを、前記圧電素子の分極処
    理されていない領域に形成する工程と、 を有することを特徴とする超音波モータの製造方法。
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