JP3261686B2 - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JP3261686B2
JP3261686B2 JP36056892A JP36056892A JP3261686B2 JP 3261686 B2 JP3261686 B2 JP 3261686B2 JP 36056892 A JP36056892 A JP 36056892A JP 36056892 A JP36056892 A JP 36056892A JP 3261686 B2 JP3261686 B2 JP 3261686B2
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泰明 河合
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Asmo Co Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駆動力が大で、低電圧
駆動が可能な進行波および定在波型超音波モータに関す
るものである。
【0002】
【従来技術】電気エネルギーを機械的エネルギーの超音
波振動に変換し、回転力を取り出すものとして超音波モ
ータがある。超音波モータは、静粛、低速回転で、高ト
ルクが得られ、ダイレクトドライブが可能であることよ
り自動車用機能部品、各種ロボット等の分野で応用が検
討されつつある。この超音波モータの方式には種々ある
が、進行波型超音波モータが、安定したモータ特性を長
時間得ることができるという理由で実用化されている。
しかし、最近では、モータの適用範囲を広げるためにも
大きな駆動力を有する超音波モータの開発が要望される
ようになった。
【0003】例えば、特開平4−178179号には、
図1に示す構造の進行波型超音波モータが開示されてい
る。この超音波モータでは、駆動力を大きくするために
弾性体1を圧電素子2によって挟持する構成からなる。
この圧電素子は以下に示す構成からなる。すなわち、n
波の進行波性超音波振動を起こさせる場合、円板状の円
周方向に2n個に分割して1/2波長おきに分極方向を
違え、この圧電素子に電圧を印加すると、円周方向にn
次の軸方向屈曲振動を励振することができる。この超音
波モータでは、円板状の弾性体を前記した2枚の圧電素
子で挟持する構成としてあり、圧電素子の一方(弾性体
の上面に配した圧電素子)をsinωt、他方(弾性体
の下面に配した圧電素子)をcosωtの位相関係とす
る電極とすれば、両圧電素子は位置的に1/4波長ずら
して配置してあるので、時間的および空間的に直交関係
を持つように励振することにより、弾性体に屈曲振動モ
ードを起こさせることができる。このような構成により
弾性体の外周部に振動振幅が大きな進行波の振動モード
およびモータとして構成した場合に高トルクを得るもの
である。しかし、この超音波モータは、以下のような問
題点を有していた。
【0004】図2に電気入力と振動振幅の関係を模式的
に示したように、電気入力に限界があり、高駆動力を得
るために限界入力以上に高電圧を印加した場合には圧電
素子が割れる問題があり、また、電気入力と振動振幅の
関係は、電気入力を増大させると、非線形性効果が現れ
電気機械変換効率が悪くなる問題があった。したがっ
て、圧電体の割れ防止および電気入力と振動振幅の線形
領域で使用する観点から低電圧駆動が望ましい。しか
し、従来のような弾性体を1枚づつの圧電素子によって
挟持する構成からなる方法で低電圧駆動したのでは高振
幅、それに基づく高駆動力を得ることはできない。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】本発明者等は、前記し
た従来技術の問題点に鑑み、低電圧駆動で高駆動力を得
るべく以下のことに着眼し、本発明をなすに至ったもの
である。まず、圧電素子の厚さを厚くすれば駆動力を大
きくできると考えた。そして、使用する圧電素子の厚さ
と、この圧電素子を駆動するのに必要な駆動電力の関係
を詳細に研究したところ、圧電素子の厚さが厚くなる程
高電圧が必要となるが高振幅の得られることが明らかと
なった。しかし、図2に示した電気入力と振動振幅の非
線形性がより顕著となって、圧電素子に割れが発生する
点である限界入力点に移行し易くなり、電気入力と振動
振幅の線形性を示す範囲である、投入可能な電気入力範
囲が小さくなる問題が生じた。
【0006】このように、圧電素子の厚さを厚くするこ
とにより高振幅にすることができるが、高電圧を加えな
ければならないので圧電素子が割れ易くなるという問題
があり、単に圧電素子を厚くするだけでは低電圧駆動で
高振幅すなわち高駆動力を得ることはできない。一方、
従来の圧電素子よりも薄くすると、高電圧にする必要は
ないが機械的強度が低下するため取扱が極めて厄介にな
るという問題が生ずる。そこで、本発明者等は、さらに
詳細な研究を重ね従来の圧電素子よりも薄い圧電素子を
複数枚組合せた結合体を形成すると共に、これらの結合
体を構成する圧電素子を電気的に並列接続すれば、見掛
上圧電素子の厚さを厚くしたのと同様になり、各圧電素
子から得られる駆動力はそれほど大きくないが、各圧電
素子の駆動力の和を求めれば大きな駆動力が得られ、か
つ、電気的に並列接続しているので低電圧駆動が可能と
なる。また、この結合体を構成する各圧電素子は薄いの
で割れの問題があるが、圧電素子を金属薄板を介して複
数枚組合せた結合体としているので、薄くしたことによ
る機械的強度の低下という問題も解決することができ
る。本発明は、駆動力が大で、かつ、低電圧駆動が可能
な超音波モータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波モータ
は、円形状の弾性体と、該弾性体を挟持して配置され電
圧の印加によって振動し弾性体に振動エネルギーを伝え
る結合体と、前記弾性体の振動伝達部位に加圧接触させ
てなる摺動面を有する移動体とからなる超音波モータで
あって、前記結合体は、1/2波長おきに分極方向を違
えて電気的に複数に分割された圧電素子を使用し、該圧
電素子と圧電素子の間に金属薄板を介して複数枚組合
せ、その隣会う圧電素子の分極方向を互いに反対方向に
なるように構成され、かつ弾性体を挟持して配置された
前記各結合体は互いに位置的に1/4波長ずらして配置
されてなり、各結合体を構成する圧電素子に並列的に交
流電圧を印加して前記弾性体に周方向の進行波および定
在波を発生させて前記移動体を回転させることを特徴と
する。
【0008】
【作用・効果】本発明は進行波および定在波型超音波モ
ータにおいて、従来使用されてきた圧電素子の厚さ(通
常0.5mm)に比べ薄くした圧電素子を多数枚組合せ
た結合体に形成し、この結合体によって弾性体を挟持す
る構成とし、高駆動力を得ようとするものである。この
ように本発明によって高駆動力が得られる理由は、以下
の通りであると推定される。すなわち、従来よりも厚さ
を薄くした圧電素子を多数枚組合せた結合体に形成し、
この結合体によって弾性体を挟持する構成としたので見
掛上圧電素子の厚さを厚くしたのと同様になって、各圧
電素子から得られる駆動力はそれほど大きくないが、各
圧電素子の駆動力の和を求めたことになり大きな駆動力
が得られるのである。また、前記結合体を構成する各圧
電素子を電気的に並列接続した構成としたので低電圧駆
動も可能となる。また、前記したように薄い圧電素子を
多数枚組合せた結合体に構成したので圧電素子が破損す
ることもない。
【0009】
【実施例】(具体例)本具体例の進行波型超音波モータ
において、圧電素子は、1/2波長おきに分極方向を違
えて電気的に複数に分割された円板状または円環状の圧
電体(この圧電体の複数に分割された各部位を圧電体セ
グメントと呼ぶ)と、該圧電体上に形成した電極である
金属電極体とから構成される。圧電素子は、圧電効果、
すなわち電圧を加えるとひずみまたは応力が生ずる、い
わゆる逆効果現象を利用した電気機械変換素子である。
圧電効果は圧電素子に直流高電圧を印加して残留分極を
生じさせて発現するが、本発明の超音波モータでは分極
方向と発生ひずみが直角方向に起こる圧電横効果を利用
するものであり、この圧電横効果を利用した場合には電
気機械変換効率は比較的低く、発生する駆動力も比較的
小さいが、比較的小さな電圧で駆動でき、大きな変位を
発生させることができる。このような圧電素子を構成す
る圧電体の材料として、PZTと呼ばれているジルコン
チタン酸鉛(PbZrO3 ・PbTiO3 )やチタン酸
バリウム(BaTiO2 )等の多結晶体を用いるのが望
ましい。各圧電体は、1/2波長区画からなる圧電体セ
グメントに等分割され、各圧電体セグメントは交互に異
なる方向性の圧電横効果を与える分極処理が施される。
【0010】金属電極体の材質としては導電性を有する
ものであれば特に限定はない。通常は、金、銀、ニッケ
ル、アルミニウム等が用いられる。また、金属電極体の
厚さは電極としての作用をなすことができるものであれ
ば特に限定はないが薄い方が望ましい。あまり厚くなる
と圧電素子の厚さが厚くなって、弾性体の厚み共振周波
数に影響を及ぼすと共に、屈曲振動の伝達効率が悪くな
るため好ましくない。また、金属電極体は、圧電体のお
もて面および裏面に形成する。おもて面には前記1/2
波長おきに分極方向を違えて配置した圧電体セグメント
上に分割電極を形成し、裏面には分極方向に無関係に一
様な、べた電極を形成する。また、圧電体と金属電極体
との接合方法については、特に限定はないが、通常、圧
電体の表面上に金属電極体を焼付け、あるいは蒸着、ス
パッタリング等で形成する。前記圧電素子は金属薄板を
介して複数枚組合せた結合体とし、該結合体を弾性体に
挟持した構成とする。該結合体を弾性体に挟持する場合
の構成例として、図3、図4に圧電素子を2枚組合せた
場合、図6に圧電素子を3枚組合せた場合について示
す。
【0011】次に、圧電素子を2枚組合せさせ結合体を
構成し、この結合体で弾性体を挟持した場合の機械的な
らびに電気的構成について図3、図4にもとづいて説明
する。また、この結合体を設置する進行波型超音波モー
タの構成は、図1において圧電素子の代わりに結合体を
用いたものと同一であるので適宜図1も参照しながら説
明する。まず、結合体3を作製する。前記した圧電体7
と金属電極体(分割電極6、べた電極8)とから構成さ
れる2組の圧電素子2を、金属薄板4を中心に挟み込
む。挟み込む側は両圧電素子とも前記分割電極6が形成
されている面とする。また、両圧電素子2は前記1/2
波長おきに分極方向を違えて電気的に複数に分割された
圧電体セグメント9の分極方向が両圧電素子で逆方向に
異なるように配設する。このように2枚の圧電素子の分
極方向が互いに反対方向であるため、各圧電素子に同時
に伸びまたは縮ひずみを発生できる。
【0012】また、前記金属薄板4がプラス電位を与え
るようにする。該金属薄板は、通常は円環状でその内外
形を圧電素子に合わせるが、円板状でも、外形等が圧電
素子の外形等より小さくてもよい。さらに、穴あきのメ
ッシュ構造等でもよい。また、材質としては、導電性を
有し屈曲振動に耐えうるものであればよく、例えば、高
弾性材料であるベリリウム銅、燐青銅等が望ましい。ま
た、その厚さは、0.01〜0.05mmの範囲が望ま
しい。0.01mmより小さいと機械的振動により破壊
するおそれがあり、一方0.05mmより大きいと、屈
曲振動の伝達効率が悪くなる。各結合体3と金属薄板と
の接合方法については、安定した接触状態が得られれば
特に限定はないが、通常、セラミックスと金属を接着す
るのに用いられる接着剤等を用いればよい。
【0013】この圧電素子2を2枚組合せた結合体3を
弾性体1の上面と下面に1/4波長の位置的なずれを与
えて配設する。前記結合体の弾性体への挟持する方法に
ついては、特に限定はないが、通常、金属と金属または
金属とセラミックス等を接着するのに用いられる接着剤
等を用いればよい。なお、この結合体では各圧電素子に
金属製分割電極6を形成しているが、金属薄板と結合さ
れる側の圧電素子は確実な導通が確保されれば分割電極
を省略してもよい。
【0014】弾性体1は、円形状で、通常は円板状また
は環状であり、円板状の場合は図1に示すように支持台
13によって支持され、また、環状の場合は通常外周で
支持される。また、弾性体の形状は、その断面が軸方向
中心線および直径方向中心線に対して対称形状とするの
がよい。該形状であれば圧電素子の屈曲振動を容易にし
かもバランスよく取り出すことができる。また、弾性体
の上面、下面の対称の位置に振動伝達部位5を設ける。
通常は振動伝達部位は弾性体の外周に近い部分に設け
る。また、弾性体の上面、下面の対称の位置に前記結合
体3を挟持する。結合体を挟持する位置に、特に限定は
ないが、通常は弾性体の半径方向において振動伝達部位
よりも内側に設ける。弾性体としては、振動損失が小さ
く、疲れ破断しにくい、例えば、アルミニウム、ステン
レス等の金属、あるいはセラミックス等よりなるものが
望ましい。
【0015】電気入力は弾性体1の上下面に配設した各
圧電素子結合体3の中心に設けられている金属薄板4の
一方にプラス電位であるsinωt、他方にcosωt
を入力して行う。また共通のアースは各結合体の弾性体
と相対する面と反対の面に設けられたべた電極8と弾性
体1から取るようにする。このように結合体に電圧を印
加すると、両結合体は位置的に1/4波長ずらせて配設
してあるので、時間的および空間的に直交関係を持つよ
うに弾性体を励振することにより、弾性体に進行波性の
屈曲振動モードを起こさせることができる。また、各結
合体が電気的に並列接続されるため低電圧駆動が可能と
なり、低電圧入力で従来の超音波モータと同等以上の振
動振幅が得られるため、従来にない高効率な超音波モー
タが実現できる。
【0016】次に、圧電素子を3枚組合せ結合体を構成
し、この結合体で弾性体を挟持した場合の機械的構成な
らびに電気的構成について図5にもとづいて説明する。
圧電素子の構成等は圧電素子を2枚組合せた場合と同様
なので差異のある部分についてのみ説明する。圧電素子
2を2枚組合せた結合体3上に、さらに金属薄板4を配
設する(以下この金属薄板を第2電極板42と呼び、前
記圧電素子を2枚組合せさせ圧電素子結合体内に配設し
た金属薄板を第1電極板41と呼ぶ)。該第2電極板4
2上に圧電素子2をさらに1枚追加配設する。この圧電
素子の1/2波長区画に等分割された各圧電体セグメン
ト9の分極方向と前記圧電素子を2枚組合せて作製した
結合体の上面の圧電素子の各圧電体セグメントの分極方
向とが逆方向に異なるように配設する。追加配設される
圧電素子が金属薄板と向かい会う側は、ベタ電極8が形
成されている面とする。かかる圧電素子を3枚組合せた
場合の各圧電体セグメントの分極方向は、1枚目と3枚
目の圧電素子が同じで、中間の2枚目の圧電素子の圧電
体セグメントの分極方向が異なるように配設される。こ
のように圧電素子を2枚の金属薄板を介して3枚組合せ
た結合体を、弾性体の上面と下面に1/4波長の位置的
なずれを与えて配設する。結合体が弾性体と向かい会う
側は、追加配設された圧電素子の分割電極6が形成され
ている面とする。
【0017】電気入力は弾性体1の上下面の一方に配設
した結合体3の第2電極板42と結合体の弾性体と相対
する面と反対の面に設けたべた電極8とにプラス電位の
sinωtを、他方の結合体3の第2電極板42および
べた電極8にプラス電位のcosωtを入力して行う。
また、共通のアースは各結合体3の第1電極板41と弾
性体1から取るようにする。このような構成としたの
で、圧電素子を2枚組合せ結合体を構成し、この結合体
で弾性体を挟持した場合と同様、弾性体に進行波性の屈
曲振動モードを起こさせることができる。また、各圧電
素子結合体が電気的に並列接続されるため低電圧駆動が
可能となり低電圧入力で従来の超音波モータと同等以上
の振動振幅を得ることができ、従来にない高効率な超音
波モータが実現できる。また、圧電素子を偶数枚、金属
薄板を介して組合わせた場合は、前記圧電素子を2枚組
合わせた場合と同様に、また、圧電素子を奇数枚金属薄
板を介して組合わせた場合は、前記圧電素子を3枚組合
わせた場合と同様に構成すればよい。
【0018】次に、移動体10は、弾性体1の振動伝達
部位5に加圧接触させてなる摺動面11を有する。この
摺動面で弾性体の進行波性の屈曲振動による回転力を移
動体に伝達し、移動体は回転することになる。この移動
体が回転すると、移動体を軸支する軸12が回転し、駆
動力を外部に取り出すことができる。
【0019】(実施例1)圧電素子を2枚または3枚組
合せた結合体を作製し、それらの結合体で弾性体を挟持
した振動体を使い超音波モータを作製し、そのモータ特
性を調べた。 (1)圧電素子を2枚組合せた結合体を有する振動体を
使った超音波モータの作製 本実施例1の進行波型超音波モータ、および振動体の結
合体の断面の概略図を図1、図3および図4に示す。1
は弾性体で、材質がクロムモリブデン鋼からなり、円形
で直径は47mmで、弾性体1を結合体3が挟持した部
位の厚さは2mmとした。その断面形状は軸方向中心線
および直径方向中心線で振り分けた場合に対称形状のも
のである。この弾性体の外周面より内側の上下面には振
動伝達部位5が設けられる。また該振動伝達部位の内側
の上下面に圧電素子2を2枚組合せた結合体3が挟持さ
れる。該弾性体1は支持台13によって支持される。結
合体3は図4に示すように、金属薄板4を介して圧電素
子を2枚組合せた構造からなる。圧電素子は、圧電体7
と電極である金属電極体(6、8)とからなる。圧電体
はPZT(ジルコン酸・チタン酸鉛)からなる外径が4
2mm、内径が28mmで厚さが0.2mmの環状で周
方向に6波を生じさせるものを用いた。該圧電体は1/
2波長区画に等分割され、この等分割された圧電体セグ
メント9は交互に異なる方向性に圧電横効果を与える分
極が形成されている。この1/2波長区画に分極された
圧電体セグメントが厚さ方向において互いに+−逆方向
に分極されている。この環状圧電体の表面上には電極で
ある金属電極体層(6、8)が形成してある。該金属電
極体層は、材質が銀であり、蒸着によって、厚さ2〜4
に形成されている。
【0020】かかる構成からなる2枚の圧電素子2を、
金属薄板4を中心にして組合せ接合する。金属薄板と接
する側は両圧電素子とも分割電極6側とする。両圧電素
子は前記1/2波長区画に等分割した圧電体セグメント
9の分極方向が両圧電素子で逆方向に異なるように配設
する。該金属薄板は、材質が42合金であり、厚さが
0.05mmの円環状でその内外形を圧電素子に合わせ
る。圧電素子と金属薄板との接合は、エポキシ樹脂系接
着剤によって行った。
【0021】次に、この圧電素子2を2枚組合せ、全体
の厚さを0.45mmにした結合体3を弾性体1の上面
と下面に1/4波長の位置的なずれを与えて挟持する。
前記結合体の弾性体への接合挟持は、エポキシ樹脂系接
着剤によって行った。また、弾性体1の屈曲振動伝達部
位5に、円板状の移動体10を加圧接触させる。該移動
体は、材質がアルミニウムで、摺動面11には、テフロ
ン系摩擦材が取りつけられている。この摺動面で弾性体
の進行波性屈曲振動を移動体に伝達して、移動体が回転
することになる。この移動体が回転すると、移動体を軸
支する軸12が回転し、駆動力を外部に取り出すことが
できる。
【0022】(2)圧電素子を3枚組合せた結合体を有
する超音波モータの作製 圧電素子を2枚組合せた結合体との差異は、用いた圧電
素子の厚さを0.15mmとさらに薄くした点と、1枚
目と3枚目の圧電素子2の相対する各圧電体セグメント
9の分極方向を同一とし、これらの各圧電体セグメント
の分極方向と中間にある2枚目の圧電素子2の各圧電体
セグメントの分極方向が反対方向になるように配設し、
各圧電素子の間に金属薄板4を配設したことである。結
合体3全体の厚さは0.55mmとした。弾性体1への
接合挟持の方法および超音波モータの構成は、圧電素子
を2枚組合せた結合体の場合とほぼ同様である。
【0023】(3)振動体とした場合の特性評価 実施例の圧電素子を2枚組合せた結合体を弾性体両面に
挟持する方式による振動体(圧電素子4枚方式)と圧電
素子を3枚組合せた結合体を弾性体両面に挟持する方式
による振動体(圧電素子6枚方式)および従来例の弾性
体両面に圧電素子を1枚づつ挟持する方式による振動体
(従来方式)、それぞれの特性を調べた。従来方式にお
ける圧電素子の厚さは0.5mmとした以外は実施例と
同一の条件とした。
【0024】その結果を表1に示す。表1には、振動体
の電気的特性である共振周波数、機械的せん鋭度を示す
Q値、動アドミッタンスおよび機械的出力である縦振幅
値を示した。実施例の圧電素子4枚および6枚方式は従
来方式に比べ電気特性の動アドミッタンス値が大きくな
ることより低インピーダンスになることがわかる。ま
た、機械的特性の縦振幅値はほぼ同等か、若千高い値を
示すことがわかる。また、Q値は実施例、比較例ともに
実用上充分な値を示した。
【0025】
【表1】
【0026】(4)超音波モータとした場合の特性評価 上記(3)の振動体を超音波モータとした場合の特性評
価を行った。まず、各振動体を用いた場合にどの程度の
加圧力および駆動電圧で超音波モータが駆動可能かを調
べた。その結果、各振動体は、表2に示した加圧力およ
び駆動電圧で超音波モータが駆動可能なことが明らかと
なった。すなわち、実施例の圧電素子4枚および6枚方
式は比較例の従来方式に比べ20〜30%低い加圧力で
作動可能であり、かつ駆動電圧が従来方式に比べ約50
%以下でも作動可能であることが明らかとなった。次
に、上記加圧力および駆動電圧で超音波モータを駆動し
た場合の超音波モータ特性を調べた。その結果を表3に
示す。実施例の圧電素子4枚および6枚方式は比較例の
従来方式に比べ低加圧力および低電圧駆動であるにもか
かわらず高回転数および高トルクが得られている。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】また、本実施例の結合体を用いた超音波モ
ータは、その結合体の厚さが従来の圧電素子の厚さとほ
ぼ同一でも低電圧駆動が可能なため、結合体の厚さをさ
らに厚くすることにより超音波モータ特性のトルクをよ
り増大させることができる。さらに、本発明の結合体
は、実施例において進行波型モータについて説明した
が、本発明の結合体を弾性体の上面および下面のみに配
置、さらには挟持して、位置的に1/4波長ずらし、定
在波駆動により定在波型モータを構成することも可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】進行波型超音波モータの断面の概略図である。
【図2】電気入力と振動振幅の関係を示した模式図であ
る。
【図3】本実施例の進行波型超音波モータの電気的構成
を示した模式図である。
【図4】圧電素子を4枚用いた結合体断面の概略図であ
る。
【図5】圧電素子を6枚用いた結合体断面の概略図であ
る。
【符号の説明】
1. 弾性体 2. 圧電素子 3. 結合体 4. 金属薄板 5. 振動伝達部位 6. 分割電極 7. 圧電体 8. べた電極 9. 圧電体セグメント 10.移動体 11.摺動面 12.軸 13.支持台 14.軸受 15.カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 半田 昇 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ株式 会社内 (56)参考文献 特開 平4−178179(JP,A) 特開 昭60−174078(JP,A) 実開 平4−124898(JP,U) 実開 昭62−202087(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周部に振動伝達部位をもち、適正に励
    振されるとバネ弾性によって該振動伝達部位に進行波が
    周方向に生じる円盤状の弾性体と、 周方向に沿って該進行波の半波長ごとに交互に逆転する
    分極方向をもつ圧電素子と、該圧電素子の両面に接合さ
    れた金属薄膜とをもち、それぞれ該弾性体の表裏両面に
    接合されて該弾性体の該振動伝達部位を励振する一対の
    結合体と、 該弾性体の該振動伝達部位に付勢力をもって当接してい
    る摺動面をもち、回転駆動されうる移動体と、 を有し、該一対の圧電素子に適正な交流電流が印加され
    ると、該振動伝達部位に該進行波が励起され、該進行波
    によって該摺動面に作用する摩擦力により該移動体が回
    転駆動される超音波モータにおいて、 両前記結合体は、それぞれ分極方向が互いに対向または
    背向して積層された複数枚の圧電素子と、各該圧電素子
    の間に介在する金属薄膜とをもち、 各該圧電素子の厚さは0.2mm以下であることを特徴
    とする、 超音波モータ。
  2. 【請求項2】 外周部に振動伝達部位をもち、適正に励
    振されるとバネ弾性によって該振動伝達部位に進行波が
    周方向に生じる円盤状の弾性体と、 周方向に沿って該進行波の半波長ごとに交互に逆転する
    分極方向をもつ圧電素子と、該圧電素子の両面に接合さ
    れた金属薄膜とをもち、それぞれ該弾性体の表裏両面に
    接合されて該弾性体の該振動伝達部位を励振する一対の
    結合体と、 該弾性体の該振動伝達部位に付勢力をもって当接してい
    る摺動面をもち、回転駆動されうる移動体と、 を有し、該一対の圧電素子に適正な交流電流が印加され
    ると、該振動伝達部位に該進行波が励起され、該進行波
    によって該摺動面に作用する摩擦力により該移動体が回
    転駆動される超音波モータにおいて、 両前記結合体は、それぞれ分極方向が互いに対向または
    背向して積層された二枚の圧電素子と、これら二枚の圧
    電素子の間に介在する金属薄膜とをもつことを特徴とす
    る、 超音波モータ。
  3. 【請求項3】 外周部に振動伝達部位をもち、適正に励
    振されるとバネ弾性によって該振動伝達部位に進行波が
    周方向に生じる円盤状の弾性体と、 周方向に沿って該進行波の半波長ごとに交互に逆転する
    分極方向をもつ圧電素子と、該圧電素子の両面に接合さ
    れた金属薄膜とをもち、それぞれ該弾性体の表裏両面に
    接合されて該弾性体の該振動伝達部位を励振する一対の
    結合体と、 該弾性体の該振動伝達部位に付勢力をもって当接してい
    る摺動面をもち、回転駆動されうる移動体と、 を有し、該一対の圧電素子に適正な交流電流が印加され
    ると、該振動伝達部位に該進行波が励起され、該進行波
    によって該摺動面に作用する摩擦力により該移動体が回
    転駆動される超音波モータにおいて、 両前記結合体は、それぞれ分極方向が互いに対向または
    背向して積層された二枚の圧電素子と、これら二枚の圧
    電素子の間に介在する金属薄膜とをもち、 各該圧電素子の厚さは、それぞれ0.15mmを越え
    0.2mm以下であることを特徴とする、 超音波モータ。
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