JP2005286876A - 環境音提示装置及び補聴器調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
外部入力端子の有無にかかわらず、補聴器を調整するとともに、方向性も考慮した調整を可能とする。
【解決手段】
調整者が、PC30の入力装置34を使用して環境音再生プログラム44の実行を指示すると、処理装置32で環境音再生プログラム44が実行され、環境音選択画面が表示装置36に表示される。調整者が必要な環境音を選択すると、環境音再生プログラム44によって該当するデータファイルが環境音データベース42から抽出され、処理装置32で実行・再生される。これにより、該当する環境音がスピーカ12A〜12Dから出力される。再生された環境音は、補聴器14R,14Lを介して装用者16により聴取される。装用者16は、環境音の聞こえ具合を調整者に知らせる。調整者は、装用者16の聞こえ具合に応じて、調整用画面を参照しながら入力装置34により補聴器を調整する。
【選択図】図1
外部入力端子の有無にかかわらず、補聴器を調整するとともに、方向性も考慮した調整を可能とする。
【解決手段】
調整者が、PC30の入力装置34を使用して環境音再生プログラム44の実行を指示すると、処理装置32で環境音再生プログラム44が実行され、環境音選択画面が表示装置36に表示される。調整者が必要な環境音を選択すると、環境音再生プログラム44によって該当するデータファイルが環境音データベース42から抽出され、処理装置32で実行・再生される。これにより、該当する環境音がスピーカ12A〜12Dから出力される。再生された環境音は、補聴器14R,14Lを介して装用者16により聴取される。装用者16は、環境音の聞こえ具合を調整者に知らせる。調整者は、装用者16の聞こえ具合に応じて、調整用画面を参照しながら入力装置34により補聴器を調整する。
【選択図】図1
Description
本発明は、補聴器の調整(フィッティング)を行うための環境音を提示する環境音提示装置及び補聴器調整装置に関し、更に具体的にはデジタル補聴器の調整に好適な環境音提示の改良に関するものである。
補聴器の調整を行う従来技術としては、例えば下記特許文献1に記載の環境音提示装置がある。これによれば、環境音ファイル記憶部に記憶されている複数の環境音信号から、いずれか一つの環境音信号が環境音信号選択部によって選択される。選択された環境音信号は、環境音信号変換部でアナログ信号に変換され、キャリブレータを介して補聴器の外部入力端子に入力される。このようにして、補聴器の装用者に環境音が提示される。
特開2000−308197公報
しかしながら、以上のような背景技術には次のような不都合がある。
(1)補聴器に外部入力端子がある場合に限られ、外部入力端子がない補聴器には適用できない。
(2)装用者に対する音の方向性を考慮した調整が困難である。例えば、話し声が装用者の前方から聞こえる場合もあれば、後方から聞こえる場合もあり、それらの各々について最適となる調整を行うことができない。
(1)補聴器に外部入力端子がある場合に限られ、外部入力端子がない補聴器には適用できない。
(2)装用者に対する音の方向性を考慮した調整が困難である。例えば、話し声が装用者の前方から聞こえる場合もあれば、後方から聞こえる場合もあり、それらの各々について最適となる調整を行うことができない。
本発明は、以上の点に着目したもので、外部入力端子の有無にかかわらず、方向性も考慮した補聴器の調整を良好に行うことができる環境音提示装置及び補聴器調整装置を提供することを、その目的とするものである。
前記目的を達成するため、本発明は、補聴器を調整するための環境音を、補聴器の装用者に提示するための環境音提示装置であって、前記装用者に対して、少なくとも左右にスピーカを配置した防音室,前記スピーカで再生される多数の環境音のデータを集積した環境音データベース,コンピュータシステムによって実行され、前記環境音データベースの環境音データのうち、指定されたものを抽出して前記スピーカのうちの該当するものに出力して再生するための環境音再生手段,を備えたことを特徴とする。
主要な形態の一つは、前記環境音を再生するスピーカを、前記装用者に対して、前後左右に配置したことを特徴とする。他の形態によれば、難聴者と健常者の聞こえ具合を比較するためのシミュレーション手段を備えたことを特徴とする。あるいは、前記環境音データベースが、装用者に対して方向性をもって聴取される環境音のデータを含むことを特徴とする。
更に他の形態は、前記いずれかの環境音提示装置であって、環境画像を装用者に対して表示する表示手段,環境音データベースに集積された環境音に対応する環境画像のデータを集積した環境画像データベース,環境音再生手段によって再生される環境音に対応する環境画像を前記環境画像データベースから抽出し、前記表示手段に出力して再生する環境画像再生手段,を備えたことを特徴とする。
本発明の補聴器調整装置は、前記コンピュータシステムによって実行され、前記いずれかの環境音提示装置によって提示された環境音を聴取した装用者の聞こえ具合に応じて、前記補聴器を調整する補聴器調整手段,を備えたことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本発明によれば、補聴器を調整するための多数の環境音が、環境音データベースに集積され、これらのうちの適宜のものが、防音室内に配置されたスピーカから再生される。このため、外部入力端子の有無に関係なく、補聴器の調整を行うことができる。また、スピーカが防音室内左右あるいは左右前後などに配置されるので、装用者に対して特定の方向から環境音再生を行うことができ、方向性を考慮した補聴器の調整を行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
最初に、図1〜図3を参照しながら本発明の実施例1を説明する。図1には、実施例1の全体構成が示されている。同図に示すように、防音室10が用意される。この防音室10の四隅には、環境音を再生するためのスピーカ12A〜12Dがそれぞれ配置されている。調整対象の補聴器14R,14Lを装用した装用者16は、それらスピーカ12A〜12Dの概略中心(音場の中心)に位置する。スピーカ12A〜12Dは、オーディオアンプ18及びI/F20を介してPC(パソコン)30に接続されており、補聴器14R,14LはI/F22を介してPC30に接続されている。
PC30は、CPU,RAM,ROMを含む処理装置32を中心に構成されており、キーボードやマウスなどの入力装置34,液晶ディスプレイなどの表示装置36,プリンタなどの出力装置38,ハードディスク40を備えている。また、上述したI/F20,22は、処理装置32に接続されている。その他、必要に応じて、DVDドライブなどが接続される。
ハードディスク40には、各種の環境音のデータファイルを集積した環境音データデース42,所望の環境音を選択して再生するための環境音再生プログラム44,補聴器14R,14Lを調整するための補聴器調整プログラム46が格納されている。また、調整データ48が保存される領域も確保されている。
以上のうち、環境音データベース42には、図2に示すような環境音のデータファイルが含まれている。同図中、例えばファイルF00はスピーカの音圧校正用音声で、左右前後の各スピーカ12A〜12D毎にファイルが用意されている。この音圧校正用音声を利用して、4つのスピーカ12A〜12Dの音の強さや位相が概略同じになるように、オーディオアンプ18の調整が行われる。
ファイルF01〜F03は男女の会話であり、声の大きさが異なるように設定されている。このような会話のファイルは、女性と子供の会話,老齢の男女の会話など、必要に応じて適宜設けられる。ファイルF11〜F14は会話と交通騒音であり、交通騒音の程度が異なるように設定されている。交通騒音の代わりに、電車の音,パーティ会場などにおける雑然とした会話音,などとしたファイルも適宜用意される。ファイルF21は、男女の会話がステレオとなっている。例えば、男性の声が前左のスピーカ12Aから出力され、女性の声が前右のスピーカ12Bから出力されるという具合である。もちろん、その逆でもよいし、後方のスピーカ12C,12Dから出力されるようにしてもよい。
ファイルF22,F23は、会話と交通騒音であるが、会話が装用者16の前方から聞こえる場合と後方から聞こえる場合で異なる。ファイルF31は、小説などの朗読のファイルで、例えば4つのスピーカ12A〜12Dから順次右回りで音声が出力されるようになっている。左回りのファイルも必要に応じて用意される。ファイルF41〜F43は、特定の周波数帯域の音である。広帯域の音としては、雨音,炭酸水,コピー機,飛行機などがある。高周波帯域の音としては、風鈴,鈴虫,子猫,電話,シャワーなどがある。低周波の音としては、水槽,乾燥機,犬などがある。ファイルF51〜F54は、特定周波数の音である。例えば、ファイルF51は周波数500Hzの掃除機の音,ファイルF52は周波数1000Hzのヘアドライヤの音という具合である。
その他、必要に応じて、目覚まし時計の音,水を流す音,洗濯機の音,ドアチャイムの音,ショッピングモールの音,デパートの音,電車内の音,電話のベル音などが用意される。各ファイルの音の長さは、例えば50秒,20秒,5秒など、適宜設定される。更に、各ファイルの音声を4つのスピーカ12A〜12Dのいずれから出力するかについても、適宜設定してよい。
次に、環境音再生プログラム44は、
a,環境音データベース42に蓄積されている環境音の選択画面を表示装置36に表示する機能,
b,該表示画面上で入力装置34により選択された環境音のデータファイルを、環境音データベース42から抽出して処理装置32に送るとともに、I/F20及びオーディオアンプ18を介してスピーカ12A〜12Dのうちの該当するもので再生・出力する機能,
をそれぞれ備えている。
a,環境音データベース42に蓄積されている環境音の選択画面を表示装置36に表示する機能,
b,該表示画面上で入力装置34により選択された環境音のデータファイルを、環境音データベース42から抽出して処理装置32に送るとともに、I/F20及びオーディオアンプ18を介してスピーカ12A〜12Dのうちの該当するもので再生・出力する機能,
をそれぞれ備えている。
補聴器調整プログラム46は、補聴器14R,14Lのフィッティング(聴こえかたの調整)を行うためのもので、通常は補聴器14R,14Lのメーカーから提供されるものである。具体的には、利得(音量),ラウドネス,明瞭度,指向性,ノイズリダクションなどの調整が行われる。なお、デジタルとアナログなど、補聴器のタイプによって調整項目も異なってくる。
調整データ48は、補聴器14R,14Lの調整を行った結果のデータで、調整を行った日時,調整の内容などのデータが装用者の氏名,住所などの顧客データとともに管理される。なお、図1中の難聴シミュレーションプログラム60については後述する。
次に、本実施例の動作を説明する。補聴器14R,14Lの調整の準備として、各スピーカ12A〜12Dの音圧校正が、例えば1週間に1回という具合で行われる。本システムを操作する調整者(オペレータ)は、装用者16の位置にサウンドレベルメータ(図示せず)を設置するとともに、PC30の入力装置34を使用して環境音再生プログラム44の実行を指示する。すると、処理装置32で環境音再生プログラム44が実行され、環境音選択画面が表示装置36に表示される。調整者は、該画面を参照し、音圧校正用音声を選択する。すると、環境音再生プログラム44によって、該当する音圧校正用音声ファイルF00が環境音データベース42から抽出され、処理装置32に送られる。処理装置32は、音声校正用音声ファイルF00を実行し、音声校正用音声を再生する。これにより、スピーカ12A〜12Dから音圧校正用の音声信号が出力され、サウンドレベルメータを利用して音圧が校正される。すなわち、スピーカ12A〜12Dの音圧レベルが同じになるように、オーディオアンプ18を調整する。
次に、図3のシーケンス図も参照しながら、補聴器14R,14Lの調整について説明する。調整者が環境音再生プログラム44を処理装置32で実行すると、環境音選択画面が表示装置36に表示される(ステップS10)。一方、調整対象の補聴器14R,14Lを耳に取り付けた装用者16は、図1に示すように、所定位置に座る。調整者は、補聴器14R,14Lの調整用端子(図示せず)をPC30のI/F22に接続するとともに、PC30において補聴器調整プログラム46を実行する。これにより、表示装置36に調整用画面が表示される(ステップS12)。
次に、調整者は、PC30の表示装置36の環境音選択画面を参照し、必要な環境音を選択する(ステップS20)。すると、環境音再生プログラム44によって該当するデータファイルが環境音データベース42から抽出され、処理装置32で実行・再生される。これにより、該当する環境音がスピーカ12A〜12Dから出力される。装用者16は、補聴器14R,14Lを介して再生された環境音を聴取する(ステップS22)。装用者16は、環境音の聞こえ具合を調整者に知らせる(ステップS24)。調整者は、装用者16の聞こえ具合に応じて、調整用画面を参照しながら入力装置34により調整作業を行う(ステップS26)。例えば、利得を全体として下げる,高周波域を上げるなどの作業を行う。以上の手順を、環境音を変えながら繰り返し行う。例えば、次のような調整を行う。
(1)データファイルF01〜F03による調整・・・男女の会話を、大きさを変えて装用者16に提示する。主として利得の調整が行なわれる。データファイルF02の通常の大きさの会話を提示することにより、補聴器14L,14Rを装用した場合と、装用しない場合の聞こえ具合を比較することができる。また、補聴器使用時の語音明瞭度の調整を行うことができる。更に、装用者16が従来リニア増幅型の補聴器を使用しており、新たにWDRC(ワイドダイナミックレンジコンプレッション)型の補聴器を装用するような場合、会話の大きさを変更して、両補聴器の聞こえ具合を比較することができる。WDRC型の補聴器は、小さい声の増幅率が高く、大きい声の増幅率が低いというノンリニアの増幅特性を有しており、声の大きさを変更することで、その特性を検証することができる。
(2)データファイルF11〜F14による調整・・・交差点などの交通騒音下での会話を、騒音レベルを変えて装用者16に提示する。主として、ノイズリダクションの調整が行われる。これにより、騒音下での会話の聴取機能について、どの程度改善されるものかを装用者が検証しあるいは限界を知ることができる。また、補聴器14R,14Rの一方のみを装用することで、環境騒音下での片耳装用と両耳装用の聴取の相違を検証することができ、環境騒音の種類を変更することで、環境騒音の相違による聴取の違いを検証することもできる。なお、本実施例では、騒音と会話が一つのデータファイルとなっているが、会話と騒音を別個のデータファイルで構成し、会話に対する騒音のレベルを変化してミキシング再生するようにしてもよい。
(3)データファイルF21〜F23による調整・・・会話の音声を特定方向から装用者16に提示する。データファイルF21により男女の会話を左右のスピーカ12A,12Bからそれぞれ提示し、データファイルF22,F23により交通騒音下の会話を前方もしくは後方から提示することで、指向性の調整,左右補聴器のバランスチェックを行うことができる。また、方耳装用と両耳装用の場合を比較することで、両耳装用の場合のほうが音源の方向が判断しやすいこと,後方の会話の聴取も容易になることを検証できる。
(4)データファイルF31による調整・・・前方左スピーカ12A→前方右スピーカ12B→後方右スピーカ12C→後方左スピーカ12Dの順に朗読の音声が提示される。朗読を4つのスピーカから巡回して提示することで、音源の方向感を確認することができる。
(5)データファイルF41〜F43による調整・・・笑い声,パトカーのサイレンの音,エアコンの稼動音などの周波数帯域ごとの環境音を提示する。これにより、周波数帯域毎の利得を調整し、更にはラウドネスや音質を調整することができる。
(6)データファイルF51〜F54による調整・・・掃除機,ヘアドライヤ,電気カミソリ,警報ベルなどの個別の環境音を提示する。これにより、特定周波数の音の聴取の検証を行うことができる。
(7)様々な環境音による調整・・・例えば、病院待合室,ショッピングモール,幹線道路,レストラン,パチンコ店,音楽ホール,デパート食品売り場等の各種の生活環境における環境音を提示することで、実施に装用者16がそれらの場所に出向くことなく、簡便にシミュレーションを行うことができる。
以上のようにして補聴器14R,14Lの調整が行われ、調整内容や調整結果のデータ48が得られる。この調整データ48は、装用者16である顧客のデータとともに管理される。
このように、本実施例によれば、装用者の左右前後にスピーカを配置しているので、非常に臨場感のある環境再現が可能であり、良好に補聴器の調整や聞こえ具合の検証を行うことができる。特に、方向性を考慮した調整も簡便に行うことができる。更に、外部入力端子を必要としないので、外部入力端子の有無にかかわらず、どのようなタイプの補聴器にも適用可能である。
次に、本発明の実施例2について説明する。なお、上述した実施例1と対応する構成要素には同一の符号を用いることとする。この実施例2では、音声のみならず、画像も同時に表示される。図4に示すように、本実施例では、ハードディスク40に、環境画像データベース50が用意される。環境画像データベース50は、上述した環境音データベース42に含まれている環境音データファイルに対応する環境画像データファイルを蓄積したものである。例えば、環境音データファイルF13の会話と交通騒音の環境音に対して、車両が往来する交差点で話をする男女の画像を用意するという具合である。なお、環境画像データファイルは、環境音データファイルの各々に対して異なるものを用意してもよいし、複数の環境音データファイルに対して一つのものを共通に用意してもよい。また、ハードディスク40には、環境画像再生プログラム52が用意されている。この環境画像再生プログラム52は、上述した環境音再生プログラム44と連動して実行されるようになっている。
更に、本実施例では、防音室10内にディスプレイ54が装用者16の正面側に設けられており、適宜のI/F56を介して処理装置32に接続されている。環境画像データベース50から読み出された環境画像ファイルは、処理装置32及びI/F56を介してディスプレイ54に供給され、環境画像が再生されるようになっている。
次に、本実施例の動作を説明する。例えば、上述した実施例1のように、環境音再生プログラム44による環境音選択画面上で環境音データファイルF13が選択されたとする。すると、環境画像再生プログラム52は、環境画像データベース50から、該データファイルF13に対応する環境画像データファイルを抽出し、処理装置32に送る。処理装置32は、更に画像データをI/F56を介してディスプレイ54に出力する。これにより、スピーカ12A〜12Dからは、交通騒音と会話の音声が装用者16に提示されるとともに、ディスプレイ54からは、車両が往来する交差点で話をする男女の画像が装用者16に提示される。このため、装用者16は、あたかも自分が交差点に立って車両の往来による交通雑音や男女の会話を聞いているかのような印象を受けるようになり、非常に臨場感のある状態で補聴器14R,14Lの調整を行うことが可能となる。
なお、本実施例では、ディスプレイ54を装用者16の正面に配置したが、左右の側面,更には上面や後面に配置するようにしてよい。また、ディスプレイ54とスピーカ12A,12Bを一体的に構成するようにしてもよい。更に、調整終了時に調整データ48,例えば装用者16の聴力図(オージオグラム)をディスプレイ54に表示したり、環境音選択画面をディスプレイ54に表示して、装用者16自らが好みの環境音及び環境画像を再生して調整具合を検証するというような利用方法にも適用してよい。画像としては、動画でもよいし、静止画でもよい。スライドショーのようなものであってもよい。
次に、本発明の実施例3について説明する。この実施例3は、難聴者の家族や縁者が、難聴者本人の聞こえ具合を体験するためのシミュレーションを行う例である。本実施例では、図1に示した難聴シミュレーションプログラム60が実行される。難聴シミュレーションプログラム60は、
(1)シミュレーション対象の難聴者のオージオグラム,すなわち聴力検査器(図示せず)によって測定した各周波数毎の音圧レベルの入力画面を表示する機能,
(2)環境音再生プログラム44によって選択された環境音を、健常者が通常聞こえる音圧レベル,前記難聴者のオージオグラムが反映された音圧レベル,前記難聴者が補聴器を装用した場合に聞こえる音圧レベル,の3種類で再生する機能,
(3)前記3種類の音圧レベルの環境音のうちのいずれを再生するかを選択する画面を表示する機能,
(4)環境音の前記3種類の音圧レベルを、音声スペクトラムアナライザにより周波数スペクトラムとして表示・出力する機能,
を備えている。なお、難聴者が補聴器を装用した場合の音圧レベルは、上述した実施例1の調整データ48を参照することで得ることができる。
(1)シミュレーション対象の難聴者のオージオグラム,すなわち聴力検査器(図示せず)によって測定した各周波数毎の音圧レベルの入力画面を表示する機能,
(2)環境音再生プログラム44によって選択された環境音を、健常者が通常聞こえる音圧レベル,前記難聴者のオージオグラムが反映された音圧レベル,前記難聴者が補聴器を装用した場合に聞こえる音圧レベル,の3種類で再生する機能,
(3)前記3種類の音圧レベルの環境音のうちのいずれを再生するかを選択する画面を表示する機能,
(4)環境音の前記3種類の音圧レベルを、音声スペクトラムアナライザにより周波数スペクトラムとして表示・出力する機能,
を備えている。なお、難聴者が補聴器を装用した場合の音圧レベルは、上述した実施例1の調整データ48を参照することで得ることができる。
本実施例によれば、まず、調整者は、PC30で難聴シミュレーションプログラム60を実行し、入力画面を表示して、シミュレーション対象となる難聴者のオージオグラムデータを入力する。その後、環境音再生プログラム44を実行し、適宜の環境音データファイルを選択する。次に、調整者が、難聴シミュレーションプログラム60により上述した3種類の音圧レベルのうちいずれか一つを選択すると、当該種類の音圧レベルにより、選択された環境音が再生される。このような手順を繰り返すことで、選択された環境音が、健常者の音圧レベル,難聴者のオージオグラムに基づく音圧レベル,難聴者の補聴器装用時の音圧レベルでそれぞれ再生される。難聴者の家族や縁者は、これらを防音室10内で試聴することで、難聴者の難聴の程度がどのようなレベルなのか,それが補聴器によってどのように改善されるのかを、極めて簡便にシミュレートすることができる。
上記説明では、難聴者のオージオグラムのみを考慮したが、難聴者の語音明瞭度(語音弁別機能)も考慮した音圧レベルで会話や朗読などの話し声を再生することで、難聴者の言葉の聞き取りの程度もシミュレートすることができる。なお、語音明瞭度は、「ア」,「キ」,「シ」,「タ」,「ニ」などの単音節を20程度呈示したときの正答率によって与えられる。呈示する音圧レベルによって異なる。
次に、調整者が、入力画面上で周波数スペクトル表示を選択すると、再生された環境音の音圧レベルの周波数スペクトラムが、表示装置36上に表示される。必要があれば、前記3種類の音圧レベルが同時に画面上に表示される。すなわち、難聴者自身に対して、健常者,難聴者,難聴者の補聴器装用時のアナライザ出力,すなわち周波数スペクトラムの差異が表示される。これにより、難聴者は、自分が健常者より聴こえが低下していること,補聴器を装用することで健常者まで到達しないまでも聴こえが向上することを、視覚的に理解することができる。
また、例えば、高音域に大きな聴力損失があるような場合には、低音域及び中音域については通常会話を聴取可能な範囲まで改善できるが、高音域についてはそれが困難であることを難聴者に視覚的に説明することができる。更に、通常会話が聴取できる閾値を周波数スペクトラムのグラフ上に示すことにより、例えば、裸耳では通常会話の聴取が困難であるが、補聴器を装用することで通常会話の聴取が可能な閾値に達することを説明することもできる。もちろん、以上の点を、難聴者のみならず、その家族などに提示することで、家族も、それらの点を視覚的に理解することができる。なお、音圧レベルの周波数スペクトラムの表示を、図4に示したディスプレイ54で行うようにしてもよいし、プリントアウトするようにしてもよい。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例で示したPCのシステム構成は一例であり、同様の作用を奏するように設計変更可能である。例えば、前記実施例では、データベースやプログラムをハードディスクに格納したが、DVDなどの記憶媒体に格納するようにしてもよいし、ネットワークを通じて提供するようにしてもよい。例えば、本店にサーバを設置し、支店にクライアントPCを設置し、本店のサーバからデータファイルやプログラムを支店のクライアントPCに提供するという具合である。
(2)前記実施例に示した環境音や環境画像も一例であり、必要に応じて更に多数の環境音や環境画像を用意してよい。前記実施例に示した防音室の構成も一例であり、例えば、更に多数のスピーカを用意する,照明を環境音に対応して変化させるなどである。
本発明によれば、外部入力端子がある補聴器のみならず、外部入力端子がない補聴器についても適用できる。また、装用者に対する音の方向性を考慮した調整が可能であり、特にデジタルタイプの補聴器の調整に効果的である。
10:防音室
12A〜12D:スピーカ
14R,14L:補聴器
16:装用者
18:オーディオアンプ
20,22:インターフェース
30:PC(パソコン)
32:処理装置
34:入力装置
36:表示装置
38:出力装置
40:ハードディスク
42:環境音データベース
44:環境音再生プログラム
46:補聴器調整プログラム
48:調整データ
50:環境画像データベース
52:環境画像再生プログラム
54:ディスプレイ
56:インターフェース
60:難聴シミュレーションプログラム
F00〜F54:ファイル
12A〜12D:スピーカ
14R,14L:補聴器
16:装用者
18:オーディオアンプ
20,22:インターフェース
30:PC(パソコン)
32:処理装置
34:入力装置
36:表示装置
38:出力装置
40:ハードディスク
42:環境音データベース
44:環境音再生プログラム
46:補聴器調整プログラム
48:調整データ
50:環境画像データベース
52:環境画像再生プログラム
54:ディスプレイ
56:インターフェース
60:難聴シミュレーションプログラム
F00〜F54:ファイル
Claims (6)
- 補聴器を調整するための環境音を、補聴器の装用者に提示するための環境音提示装置であって、
前記装用者に対して、少なくとも左右にスピーカを配置した防音室,
前記スピーカで再生される多数の環境音のデータを集積した環境音データベース,
コンピュータシステムによって実行され、前記環境音データベースの環境音データのうち、指定されたものを抽出して前記スピーカのうちの該当するものに出力して再生するための環境音再生手段,
を備えたことを特徴とする環境音提示装置。 - 前記環境音を再生するスピーカを、前記装用者に対して、前後左右に配置したことを特徴とする請求項1記載の環境音提示装置。
- 難聴者と健常者の聞こえ具合を比較するためのシミュレーション手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の環境音提示装置。
- 前記環境音データベースが、装用者に対して方向性をもって聴取される環境音のデータを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の環境音提示装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の環境音提示装置であって、
環境画像を装用者に対して表示する表示手段,
環境音データベースに集積された環境音に対応する環境画像のデータを集積した環境画像データベース,
環境音再生手段によって再生される環境音に対応する環境画像を前記環境画像データベースから抽出し、前記表示手段に出力して再生する環境画像再生手段,
を備えたことを特徴とする環境音提示装置。 - 前記コンピュータシステムによって実行され、請求項1〜5のいずれかに記載の環境音提示装置によって提示された環境音を聴取した装用者の聞こえ具合に応じて、前記補聴器を調整する補聴器調整手段,
を備えたことを特徴とする補聴器調整装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004100468A JP2005286876A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | 環境音提示装置及び補聴器調整装置 |
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