JP2018511280A - ダイナミックコンプレッサを制御する装置及び方法並びにダイナミックコンプレッサの増幅値を決定する方法 - Google Patents

ダイナミックコンプレッサを制御する装置及び方法並びにダイナミックコンプレッサの増幅値を決定する方法 Download PDF

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Abstract

補聴器のダイナミックコンプレッサ520を制御する装置は、左右のオーディオ信号170,180の両耳類似度110を決定する結合信号分析部100と、両耳類似度110と左又は右のオーディオ信号のある帯域内のレベル130とに依存して左又は右のオーディオ信号のその帯域のための増幅値145を提供する増幅調整部140とを含む。ダイナミックコンプレッサ520のための増幅値を決定する方法は、左チャネル用の第1ダイナミックコンプレッサ及び右チャネル用の第2ダイナミックコンプレッサを片耳オーディオ信号のために調整するステップ700と、右チャネル及び左チャネルにおける両耳オーディオ信号のための修正済みチャネル増幅機能を決定するステップ720と、片耳オーディオ信号のためのチャネル増幅機能を適用しかつ両耳信号のための修正済みチャネル増幅機能を適用するステップ730とを含む。【選択図】 図1

Description

本発明はオーディオ信号処理に関し、特に、補聴器に関連するオーディオ信号処理に関する。
補聴器を調整又は適応させるとき、個人のラウドネス感覚は非常に重要である。聴力損失は、典型的にはオーディオグラム(聴力図)によって記述され、典型的には125Hzと8KHzとの間である何とか聞こえる音のレベル(聴覚閾値レベル、HTL)と、不快なほど高いラウドネス感覚に繋がる音のレベル(不快ラウドネスレベル,UCL)とを含む。低いレベルの音は、聴覚障害者のためには、それが再び可聴となるように増幅されるべきである。しかし、聴覚障害者は、不快音量レベルについて、典型的には通常聴覚の所有者達と同様のレベルを有する。この現象はリクルートメント(Recruitment)と称される。これは、高レベル信号については、それが聴覚障害者にとって「やかまし過ぎ」にならぬように、その増幅を有意に低減させなければならないことを意味する。現状の補聴器において、このレベル及び周波数依存の増幅は、多帯域ダイナミックコンプレッサによって実行されている。そのコンプレッサは、入力信号を異なる周波数帯域に分割し、各周波数帯域における現在のレベルを測定するという方法で、望ましい増幅を計算して適用することができる。増幅値を個人の聴覚に対して適応させるときの一つの目標は、ラウドネス知覚の実質的な正常化である。しかしながら、各周波数チャネルにおける狭帯域ラウドネス補償の結果として、広帯域及び広帯域両耳信号においては、高すぎると知覚されるラウドネスをもたらしてしまう。従って、各周波数帯域内における個別の増幅規制を有する一つの多帯域ダイナミックコンプレッサを用いて、狭帯域信号及び広帯域信号のためのラウドネス補償を取得することが不可能であるという技術的課題がある。なぜなら、正確な増幅値を適用するためには、信号タイプの更なる区別を行う必要があるからである。この課題に関連して、様々な研究によって支持された様々な意見がある。しかし、日々の聴覚状態における現状の補聴器調整は、高い周囲レベルにおいてやかまし過ぎると知覚されているという、有意な経験的示唆がある。この特定の課題を現実的な方法で解決することが本発明の目的である。
今日、多帯域ダイナミックコンプレッサを個別の聴覚損失に対して適合させることは、典型的にはオーディオグラムを入力パラメータとして含む規定的な適合式(praeskriptiven Anpassformel)に基づいて実行されている。ラウドネス・ベースの方法では、オーディオグラムに加えてラウドネスのスケーリングも実施されなければならないので、初期適合のための測定演算量が増加してしまう。これまで、日常の臨床実務における閾値ベースの規定的適合に対し、ラウドネス・ベースの方法を確立することができなかったのは、適合において測定可能な利点が限られており、従って細かい調整に掛かる時間を節約できないからである。補聴器を適合させるための現状の基準は、NAL−NL2,DSL[i/0]のようなオーディオグラム・ベースの規則、又は、Siemens社によるConexxFitのような製造者特異の適合規則である。これらの閾値ベース適合規則は、典型的には広帯域信号(NAL−NL1スピーチ信号)のスピーチ理解度及びラウドネスの回復を最適化するよう構成されており、追加的に、経験的な修正ファクタ(NAL−NL2増幅低減、なぜならNAL−NL1はやかまし過ぎると評価される傾向があったので)を含む。ラウドネス補償の方法において、狭帯域ラウドネス機能を回復するため又はスピーチのラウドネスを正常化するための、ある試みがなされてきた。初期適合の後で、補聴器聴覚訓練士による細かい調整が行われ、典型的には広帯域信号について、装置を個別のラウドネス感覚及び主観的嗜好に対して調整する。狭帯域信号と広帯域信号とに対して異なる増幅値を適用するために、1つの信号の帯域幅とレベルとをそれぞれ使用する可能なアルゴリズムは、非特許文献1に記載されている。異なる信号タイプ(例えば狭帯域と広帯域)に対して1つのアルゴリズムがどのように調整され得るかという疑問が残る。1つの可能な解決策は、非特許文献1に記載されたように、多帯域ダイナミックコンプレッサにおける増幅を信号依存的に規制するために、ラウドネスモデルを使用することである。一般化されたラウドネスモデルを使用する際の欠点は、狭帯域信号及び広帯域信号の個別のラウドネス評価における推定誤差であり、これは特に補聴状態において重大となる。
補聴器の調整が全ての状況について適切にはならないことは、この調整の特異な欠点と言える。その理由の1つは、調整が典型的には片耳信号のためになされていないことである。換言すれば、補聴器を使用することになる各個人にとって、補聴器内のダイナミックコンプレッサが、まず例えば左耳について調整され、次に右耳について調整されるであろうことを意味する。調整がたとえ狭帯域信号及び広帯域信号について均等に適合するように行われた場合でも、これらの調整は、例えば両耳信号タイプにとってはまだやかまし過ぎることが分かってきた。しかし、そのような信号について可能であれば快適なラウドネスを得るために、増幅値が低減された場合には、他の信号がまた低くなり過ぎるであろう。
このため、補聴器の調整は特定の信号タイプには相対的に良好に働くが、他の信号タイプについては適切でないという問題を発生させ、これは一方では人間の聴覚の非線形性に起因するものであり、他方では聴覚障害の多様なタイプに起因するものである。
D. Oetting et al., "Model-based loudness compensation for broad- and narrow-band signals", Proceedings of ISAAR 2013; Auditory plasticity _ Listening with the brain, 2013
本発明の目的は、ダイナミックコンプレッサを制御し、ダイナミックコンプレッサの増幅値を決定する、改善された概念を提供することである。
この目的は、請求項1に記載のダイナミックコンプレッサを制御する装置、請求項12に記載のダイナミックコンプレッサを制御する方法又は請求項13に記載のダイナミックコンプレッサの増幅値を決定する方法、又は請求項15に記載のコンピュータプログラムによって達成される。
補聴器のダイナミックコンプレッサを制御する装置は、左右のオーディオ信号間の類似度を決定して両耳類似度を取得する、結合信号分析部を含む。更に、左又は右のオーディオ信号のある帯域についての増幅値を、両耳類似度とその帯域内の左又は右のオーディオ信号のレベルとに依存して提供するために、増幅調整部が設けられている。
結合信号分析部は、例えばユーザーによって手動で制御されることができ、又は、左右のチャネルをその両耳性(Binauralitaet)に関して実際に分析する分析部として作動することもできる。
増幅調整部は、両耳のラウドネス合計を考慮するよう構成されている。狭帯域片耳テスト信号に基づいて補聴器を調整すると、その補聴器を使用する個人にとって、特に高レベル広帯域信号について、やかまし過ぎ、よって我慢できないようなラウドネス感覚をもたらしてしまうことが分かってきた。換言すると、その個人は、広帯域両耳信号をやかまし過ぎると知覚するのである。しかし、広帯域両耳信号が調整に使用されるように調整を行った場合、例えば電話の会話中のような片耳信号は、その個人にとっては低すぎることになる。
その上、両耳ラウドネス合計の影響は、特にスピーチ信号のような広帯域信号において発生すること、とりわけ、関連する帯域における平均から高いレベルを有する信号において発生することが分かってきた。他方、狭帯域信号及び/又は平均から低いレベルを有する信号においては、その影響はさほど顕著ではなく、両耳と片耳の調整間の差は小さく、その結果、片耳信号又は両耳信号のための調整が、それぞれ他のクラスの信号にも良好に適合する。
好ましい実施形態は、補聴器の調整を改善するアルゴリズム及び方法に関連する。特に、一実施形態は、多帯域ダイナミックコンプレッサと、各周波数帯域内の増幅が1つ又は複数の規制パラメータ(Regelungsparameter)によって追加的に制御され得るようにそのダイナミックコンプレッサを調整すること、とに関連し、その規制パラメータは、入力信号の分析と異なる信号クラスへのそれら入力信号の分類とによってパラメータ化されたものである。特に、オーディオ信号の両耳性が決定され、個々の帯域についての増幅値がその信号の両耳性に基づいて決定される。他の規制パラメータは、信号の帯域幅、それぞれの帯域エネルギーに対する全体的エネルギーの比、隣接帯域のマスキングレベルに対する信号の比、マスクされない帯域の数、可聴帯域における信号エネルギーの分布の幅などであり、信号の両耳性(片耳:片方の耳だけに対する信号、両耳:両方の耳に対する同じ信号)に加えて使用されるものである。一実施形態において、多帯域コンプレッサにおける増幅は、まず信号の第1クラス、例えば片耳信号について調整され、次に信号の他のクラス、例えば両耳信号についてラウドネス感覚がこれらの調整を用いて測定されて、それらの結果が、所定のラウドネス目標関数を得るためのアルゴリズム内で修正パラメータ又は変更パラメータとして適用される。そのような方法で適応されたアルゴリズムは、信号の両方のクラスについてのラウドネス補償をもたらし、その結果として、信号の更なる所望のクラスについての調整をもたらす。
本発明の好ましい実施形態は、特に両耳信号について、広帯域ラウドネス知覚の補聴された状態を直接的に測定することにより、聴覚障害者にとって変更されたラウドネス感覚を狭帯域及び広帯域信号について補償するコンプレッサの、より効率的で改善された増幅調整をもたらす。
そのように調整された補聴器又は聴覚機器を装着している場合、低レベルの狭帯域信号、例えば洗濯機の信号音は十分にやかましいものとして知覚されるが、他方、やかましい広帯域信号、例えば交通雑音、即ち両耳の広帯域信号はやかまし過ぎるものとして知覚される訳ではない。
その上、調整の手間は低減され得るので、ラウドネススケーリングを実行するための診断上の手間が増大しても、全体的に見れば時間的な利点が残ることになる。
添付図面を参照しながら、以下に本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する。
ダイナミックコンプレッサを制御する装置のブロック図である。 両耳類似度、チャネルレベル及び帯域幅に基づいてチャネル増幅を提供するチャネル増幅機能の概略図である。 固定のチャネル増幅機能及びパラメータ依存のレベル変化を有する更なるチャネル増幅機能の図である。 信号分類部と、下流の増幅調整部及びチャネル増幅機能計算部と、をそれぞれ有する両耳プロセッサの概略図である。 マイクロホン、オーディオプロセッサ、多帯域ダイナミックコンプレッサ及び音声生成部を有する補聴器の概略図である。 左右のチャネルのための2つの補聴器の概略図である。 ダイナミックコンプレッサの増幅値を決定する方法を示す流れ図である。 図7のダイナミックコンプレッサの増幅値の調整に関する実装を示す。 聴覚障害者と比較した場合の通常聴覚者の聴力を示す。 片耳狭帯域信号及び片耳テスト信号に対して適応された補聴器についての聴覚曲線を示す。 片耳狭帯域信号及び両耳テスト信号に対して適応された補聴器についての聴覚曲線を示す。 狭帯域及び広帯域信号についての最適調整を取得するためのチャネルレベル増強を示す。 種々のテスト信号、即ち狭帯域及び異なる広帯域のテスト信号のバークスペクトルの概略図である。
図1は、ダイナミックコンプレッサを制御する装置のブロック図であり、図1には示されていないが、そのダイナミックコンプレッサは増幅調整部140の出力から増幅ファクタ145を受け取る。典型的には補聴器内に配置されているダイナミックコンプレッサを制御する装置は、左オーディオ信号170と右オーディオ信号118との類似度を決定して両耳類似度110を取得する結合信号分析部100を含む。両耳類似度110は増幅調整部へと供給され、その両耳類似度110に依存して左又は右のオーディオ信号のための増幅値が提供される。さらに、増幅値は左又は右のオーディオ信号のレベル130に依存し、そのレベル130は信号分析部120によって提供されており、信号分析部120は左オーディオ信号170及び/又は右オーディオ信号180を取得してレベル結果130を出力している。代替的に、レベルはまた結合信号分析部100によって提供されてもよく、その結合信号分析部は、入力パラメータとして左オーディオ信号の信号特性175及び右オーディオ信号の信号特性185を図1に示すように受け取る。
特に、増幅調整部140は、同一レベル130において、低い両耳類似度110のために提供される増幅ファクタと比較して、高い両耳類似度110におけるオーディオ信号のためにはより小さな増幅ファクタ145を提供するよう構成されている。
これは、両耳信号について、同一レベルにおいては、非両耳信号や片耳信号のためにそれぞれ使用される増幅信号よりも小さな増幅信号が使用されることを意味する。このことはグラフ150により概説されており、増幅調整部140が、同一レベルで高い両耳類似度110を有する信号については比較的小さな増幅ファクタを提供する一方で、同一レベルで低い両耳類似度を有する場合には比較的大きな増幅ファクタが使用される。
レベル測定のために、信号分析部120は、同一帯域幅を有するFFTフィルタバンク、又は、高周波になるほど帯域が広くなるバークフィルタバンクのような聴覚的に補償されたフィルタバンクなどの、フィルタバンクを含む。このフィルタバンクは、左右のオーディオ信号を複数の帯域へと分割し、各帯域内の個々のレベルを決定するために使用される。これらレベルは、左信号の信号特性175と右信号の信号特性185として、結合信号分析部100へと伝送される。信号分析部120によって決定され得る更なる信号特性の中には、信号の帯域幅、信号レベル、スペクトル分布の記述及びレベル変化の時間挙動などが、その他と共に含まれる。信号特性は、入力信号を可能な限り正確に記述する役割を担い、それにより、結合信号分析部100において、ラウドネス補償のために不可欠な信号パラメータを計算可能となり、従って、増幅調整部140による必要な増幅ファクタ145の決定が可能となる。補聴器を装着しているとき、信号特性は無線インターフェイスを介して左デバイスから右デバイスへと伝送される。全入力信号の伝送は、高いデータレート及び高い電流消費を起こす恐れもあり、これはここでは回避されるべきである。よって、信号を記述している必要な信号特性だけが低いデータレートで伝送されるべきである。左右のチャネル間に有線インターフェイスが存在するヘッドホンでの実装においては、信号分析部は入力信号を結合信号分析部へと無修正状態で送ることもでき、その場合、レベル130と帯域幅210と両耳類似度110に関する左右のチャネルの全ての分析が、結合信号分析部100において実行される。
更に、一実施形態において、結合信号分析部は、左右のオーディオ信号を帯域幅に関して分析する実際の結合信号分析部として構成されており、その場合、増幅調整部は、左又は右のオーディオ信号が狭帯域か広帯域かどうかに依存して、その帯域のための増幅ファクタを調整するよう構成されている。
好ましい一実施形態において、同一両耳類似度と同一レベルとを有する場合、狭帯域信号よりも広帯域信号に対してより低い増幅値145が使用される155。これは、特に広帯域信号において顕著であり、狭帯域信号においてはさほど顕著でないが、両耳ラウドネス合計が聴覚障害者にとって増強されるという状況を考慮したものであり、そのため、特に補聴器が狭帯域調整され、かつ聴覚障害者がテスト環境外の現実の生活の中で広帯域信号を聞く状況において、エラー含みの状態が発生してしまう。
ここで注意すべきは、増幅値は実際には、正の増幅又は負の増幅、即ち減衰にも関与し得るということである。増幅値が例えば増幅ファクタである場合、1より大きい増幅ファクタは実際の増幅をもたらし、他方、1よりも小さい増幅ファクタはそれぞれの減衰、即ち負の増幅をもたらす。
図2は増幅調整部の代替例を示し、この増幅調整部は、チャネルレベル130と帯域幅210と両耳類似度110とに依存してそれぞれのチャネル増幅を提供する、チャネル増幅機能(関数)200を実装している。チャネル増幅機能は、テーブル、算術的関数又はそれら両方の組合せとして構成されてもよい。特に、テーブル構成の場合、チャネルレベル130が入力パラメータとして使用され、チャネル増幅145が出力パラメータとして使用されるという事実から成立し得る。両耳類似度と同様に、帯域幅は異なる個々のテーブルの間で選択を行うことができ、その場合、帯域幅と両耳類似度の各組合せについて個別のテーブルが存在し、各テーブルがある入力チャネルレベルについての特異なチャネル増幅を提供する。
代替例を図3に示す。ここでは、狭帯域チャネル増幅機能300が存在し、それは入力レベル310によって「励起」され、ある帯域のために増幅ファクタ145を提供する。入力レベル310は図3において「第2人工レベル」と称される。その第2人工レベル310は以下のように取得される。
まず、実際のレベル330及び130がそれぞれ測定されて、第1チャネルレベル増強部320へと入力される。第1チャネルレベル増強部320は、SMRのような帯域幅パラメータ210により制御され、広帯域信号のためのチャネルレベル増強を取得する。他方、狭帯域信号についてはチャネルレベル増強は実行されない。換言すれば、相対的に狭帯域の信号とそれらのレベルとは、それぞれブロック320を無修正で通過し、他方、広帯域信号についての実際のレベル330は増強されて、第1人工レベル340が取得される。狭帯域調整されたチャネル増幅機能を使用して広帯域信号のための最適な調整が取得されるよう大きさ設定された、当該人工レベル340は、次に両耳類似度110により制御される第2チャネルレベル増強部350へと入力される。両耳信号が決定されると、第2人工レベル310を取得するために第1人工レベル340は更に増強されるであろうが、他方、その信号は電話の会話のような片耳であると両耳類似度110が示す場合には、第2チャネルレベル増強部350を無修正で通過し、その結果、この場合には第2人工レベル310が第1人工レベルと同等になる。
帯域幅/両耳類似度/チャネルレベルの異なる組合せのための異なるチャネル増幅機能の代替的な実施形態もまたあり得る。一実施形態において、増幅調整部140は、例えば片耳信号のために調整されたレベル増幅値機能300を実装するよう構成されており、その場合、両耳類似度に依存して、レベル増幅値機能及びチャネル増幅機能又は入力レベル(40,350,310)がレベル増幅値機能300において修正される。
ここで、増幅調整部は、好ましくは、両耳類似度に依存して、左又は右チャネルの測定されたオーディオ信号レベルに対して入力レベルを増強し、同じ測定レベルについてより小さな増幅ファクタを最終的に得るよう構成されている。
好ましい一実施形態において、比較的精密に調整されたオーディオ信号分析が実行され、その場合、好ましくは、信号分析部120が6個以上の帯域におけるレベル分析を実行し、更に好ましくは、全ての24個のバーク帯域について及び補聴器のために技術的に重要なバーク帯域において、それぞれ分析を実行する。このような構成では、増幅調整部140は、少なくとも6個の帯域の各々について、及び左右のオーディオ信号の各オーディオ信号について、増幅ファクタを提供するよう構成されている。結合信号分析部100は、左チャネル170と右チャネルとを相互に実際に比較し、短時間スペクトルのような左チャネルの信号特性175と右チャネルの信号特性185とを比較するよう構成されている。
代替的又は追加的に、結合信号分析部100は手動入力160によっても制御されることができ、その結果、補聴器を装着したある個人が、電話で会話するときに例えば片耳状態へと個別の手動の切り換えを行い、電話の会話が終了したときに両耳状態へと切り戻すことができる。換言すれば、両耳類似度110は、オーディオ信号分析、又は左右の耳に補聴器を装着している人の操作のいずれかにより取得され得る。代替的又は追加的に、両方の制御選択肢の組合せ、即ち追加的な手動の制御選択肢を用いた信号分析が結合信号分析部によって実行され得る。1つの制御選択肢は、例えば補聴器自体又はリモコンに付いている小さなスイッチであってもよく、この場合、2つの補聴器が無線又は有線の入力インターフェイスを備えている。
この点に関し、図6を参照されたい。図6は、特に、ある個人の左耳などである第1チャネル用の補聴器601と、右耳用などである第2チャネル用の第2補聴器602とを示している。図6において、手動入力の選択肢は、両方の補聴器601,602に対する手動制御入力160として示されている。代替的に、アンテナ611,612が2つの補聴器601,602にとっての無線インターフェイスを指示する目的で図示されており、これらインターフェイスを介して2つの補聴器が通信可能である。更に、例えば両方のオーディオ信号に基づいて作動する結合信号分析部が、第1チャネル用の第1補聴器601、又は第2チャネル用の第2補聴器602のいずれかに装備されていてもよく、両耳類似度の結果をそれぞれ他の補聴器へと送信する。代替的に、結合信号分析部は両方の補聴器内に存在してもよい。更に代替的には、結合信号分析部は2つの補聴器とは別の第3の装置内に装備されてもよく、その第3の装置は2つの補聴器と通信してもよい。
一実施形態において、結合信号分析部はスペクトル比較を実行する。このために、結合信号分析部は、左オーディオ信号170のスペクトル175と、右オーディオ信号180のスペクトル185とを受け取り、スペクトル比較を実行する。実際の比較は、例えば帯域毎に実行されてもよく、各帯域について左右の信号間のレベル差を決定し、複数の帯域のレベル差を評価した後で、片耳信号又は両耳信号のいずれが検査されていたのかを判定する。1つの選択肢は、例えば、1つの帯域内でのレベルが1つの閾値、例えば3dBなどを超える範囲で異なる場合には、その帯域内では非類似と判定される。次に、その信号に関連する複数の帯域の(非)類似度の結果が評価され、その複数の帯域が非類似結果を提供する場合には、片耳信号であると指示される。換言すれば、両耳類似度によって上述のような場合に片耳信号が指示され、その一方で、全ての帯域の少数部分だけが非類似の結果を提供する場合には、両耳類似度により、両耳特性及び両耳状態がそれぞれ指示される。
結合信号分析部はさらに、混合された時間/周波数ドメインの比較操作を実行するよう構成されてもよい。ここで、2つの補聴器601,602は、現在の信号部分のバークスペクトルを相互に交換し、バークスペクトル又は少なくともバークスペクトルの一部に基づいて両耳性を決定する。その上、両耳性の決定は、帯域選択的な方法で実行されてもよく、例えば、最初の例えば8個のバーク帯域を含む低い周波数ドメインにおいては両耳状態と判定され、他方、例えばその8番目のバーク帯域より上の高い周波数ドメインにおいては片耳状態と判定されてもよく、又はその逆の判定も起こり得る。従って、増幅ファクタは、できるだけ良好な補聴制御を得るために、個々の帯域について個別に調整されることができる。
図5は、マイクロホン500とオーディオプロセッサ510と多帯域ダイナミックコンプレッサ520と音声生成部530とを有する補聴器の概略図を示す。この構成では、オーディオプロセッサ510は、Bluetooth(登録商標)又は任意の他の近接場通信(Nahfeld-Kommunikation)などによる異なるチャネルからの情報を取得するよう構成されている。
本発明の好ましい実施形態において、帯域幅依存の増幅の制御に加え、両耳類似度に基づく制御も実行される。この制御は、個人の最適な支援を実現するために、リアルタイムで実行される。
他方、本発明の概念はまた、狭帯域信号と広帯域信号とについてだけでなく、両耳信号、特に両耳広帯域信号についても、異なる手順を用いて補聴器を調整するような適応にも使用される。
構成にもよるが、その適応方法のために、補聴なし又は補聴ありの測定値のラウドネス判定が使用されてもよく、又は、そのラウドネス判定はラウドネスモデルから推定されることもできる。従って、本発明はまた、狭帯域信号と広帯域信号間の差別化をせずに、両耳類似度だけに基づいて選択的増幅を実行することもできる。しかし、両耳類似度に加えて、帯域幅制御された処理と増幅値の決定とを実行することが望ましい。上述したように、ダイナミックプロセッサの適応は、補聴なし又は補聴ありの狭帯域又は好ましくは広帯域の測定値からのラウドネス感覚を用いて実行され得る。
更に、本発明はあるアルゴリズムに関連し、そのアルゴリズムはあるパラメータを増幅用の規制パラメータとして使用し、そのパラメータにより、信号を図4に示すように、狭帯域、広帯域、片耳及び両耳として分類することができる。
具体的には、オーディオ信号は信号分析部400へと入力され、その信号分析部は、図1の結合信号分析部100に関して上述したように、とりわけ両耳性又は片耳性を含む分類結果を提供する。両耳類似度は、次にチャネル増幅機能計算部及び増幅調整部140へとそれぞれ入力され、次に増幅ファクタ及び増幅値をそれぞれ帯域毎に提供し、このために、追加的に、図1に符号130で示したと同様に、各帯域について1つのレベルが使用される。両耳性/片耳性に追加する更なる信号分類は、狭帯域/広帯域の分類であり、又は更に別の分類、例えばスピーチ信号又は音楽信号の分類であり、これらもまた追加的に増幅ファクタの使用を必要とし得る。
好ましくは、調整及び適合のそれぞれのために、信号のそれぞれ異なるクラスに属するテスト信号、即ち狭帯域/広帯域、片耳/両耳のテスト信号が使用される。
特に、同一チャネルレベルを生成するがそれらの帯域幅に関しては異なる複数のテスト信号、例えばある中央周波数と複数の異なるバーク帯域幅とを有する一様励起雑音(UEN:uniform exciting noise)を使用することが好ましい。その場合、同一チャネルレベルではあるが異なるクラスの信号については異なる増幅値が得られるように、異なるクラスについての増幅が処理済み信号から決定されてもよい。好ましくは、ダイナミックコンプレッサは、まず第1クラスの信号がラウドネスに関して適応され、次に、その処理を活性化しながら、第1クラスの信号のための増幅値を変化させずに他のクラスの信号が適応される。
実施形態は、聴覚障害者のダイナミックレンジを回復するように個人の聴力に対してオーディオダイナミック圧縮アルゴリズムを適応させるために適用され得る。適応規則とアルゴリズムとの間の組合せは、補聴器内で使用可能であるが、聴力支援を伴う他のオーディオ製品、例えばヘッドホンやヘッドセットの形態の補聴器などにおいても使用可能である。ラウドネススケーリングを用いて、前記組合せは日々の臨床的適用において使用され得る適応方法を提供する。オーディオ製品において、スケーリング変更はまた、未較正のデバイス内でそれぞれの適応を実行するためにも使用され得る。
一実施形態は、オーディオ信号のダイナミックレンジを制限する方法に関し、そのダイナミックレンジ制限は、信号の特定のクラス間を差別化する規制の際に存在する規制パラメータに依存して使用され、それら信号のクラスは、片耳性/両耳性と、可能性として狭帯域及び広帯域など信号の更なるクラスとを含み、一般的に、二値のイエス/ノー判定に加えて、可能な中間ステージが使用され得る。
ラウドネス判定を用いて第1クラスの信号に対してダイナミックコンプレッサを適応させた後で、第1クラスの信号のための増幅値を変更することなく第1クラスの信号に対して補聴を活性化している間に、他のクラスの信号が決定される。増幅ファクタを規制する目的で、自動増幅規制がダイナミック制限のために使用されてもよい。ダイナミックレンジの制限は複数の周波数チャネル内で実行でき、その場合、規制パラメータは、全ての周波数チャネルにおいて個別に計算されるか、異なる周波数チャネルに亘る計算規則により計算されるか、又は、全ての周波数チャネルについて同じ値と仮定してもよい。構成に依存して、カテゴリー・ラウドネススケーリング(kategoriale Lautheitsskalierung)がラウドネスを判定するために使用される。構成によるが、規制パラメータとしての信号の両耳性に加え、信号の帯域幅も規制パラメータとして追加的に使用され得る。構成に依存して、信号のダイナミクス自身もまた規制パラメータとして使用可能であり、その場合、好ましくは様々なオンセット/フェードアウェイ時間定数が使用される。ラウドネス判定は、連続的な信号表現を用いて、連続的又は不連続的に実行され得る。更に、補聴器の調整は自由場(Freifeld)の中で行うことが望ましく、さらなる構成においては、狭帯域片耳ラウドネス関数がヘッドホンを介して決定され、自由場における広帯域補聴が調整済みの狭帯域ラウドネス補償を用いて行われるように、補聴器の調整は実行される。
図7は、図5の多帯域ダイナミックコンプレッサ520のようなダイナミックコンプレッサの増幅値を決定するブロック図である。ステップ700において、第1ダイナミックコンプレッサ及び第2ダイナミックコンプレッサが、第1及び第2チャネルにおける片耳オーディオ信号のためのチャネル増幅機能を用いて、第1及び第2チャネルについてそれぞれ調整される。ステップ720において、修正済みチャネル増幅機能が、第1チャネル及び第2チャネルにおける両耳テストオーディオ信号のために決定される。次に、図7の740で示すように、オーディオ信号が片耳信号又は両耳信号へと分類された後で、ステップ730において、片耳オーディオ信号のためのチャネル増幅機能が適用され、更に両耳信号のための修正済みチャネル増幅機能が適用される。
構成によるが、第1及び第2チャネルにおける両耳テストオーディオ信号のための修正済みチャネル増幅機能を決定するステップ720は、図8に示すステップを含む。ステップ800は、第1及び第2チャネルについて両耳テスト信号を再生することを含む。ステップ810において、両耳テスト信号が検出され、一方では第1チャネルのための第1補聴器によって修正され、他方では第2チャネルのための第2補聴器によって修正され、その場合、第1補聴器と第2補聴器とは、片耳信号に対して既にそれぞれ調整されかつ適合されている。ステップ820において、修正済み両耳テスト信号、即ち2つの補聴器によって既に処理されたテスト信号に基づいたラウドネス判定が、典型的には電気的又は電子的デバイスによって受け取られる。
更に、第1及び第2チャネルにおける両耳テストオーディオ信号のための修正済みチャネル増幅機能を決定するステップ720は、変更ステップ830を含み、これも典型的には電気的又は電子的デバイスによるが、第1及び第2の補聴器のチャネル増幅機能を、ラウドネス判定が聴覚障害者でない個人のラウドネス判定と同じになるか、僅かに異なる程度になるまで変更する。このステップは、それぞれの目標機能を用いたフィードバック制御又はフォワード・カップリング・モードによって実行され得る。修正済みチャネル増幅機能は、これも典型的には電気的又は電子的デバイスによるが、受信されたラウドネス判定を使用して決定され、その場合、その修正済みチャネル増幅機能を第1補聴器内及び第2補聴器内で適用したとき、受信されたラウドネス判定が聴覚障害者でない個人のラウドネス判定から僅か数dBしかレベル差が生じないように、決定される。
以下に、様々な聴覚テストを図9a−9cを参照しながら提示する。図9a−9cの各グラフにおいて、信号の全体的なレベルは横座標のdB SPLで示され、その横座標の分割は0から100dB SPLの範囲に亘る。ラウドネスは縦座標上にCUでプロットされおり、そのCUはカテゴリー単位(Kategorie-Einheiten)であり、主観的ラウドネスが「非常に低い」(5CU)から「やかまし過ぎる」(50CU)まで変化する。更に、全てのグラフにおいて、灰色の太線は、通常聴覚を有する人、即ち通常聴覚者の平均曲線(Mean MH)を示し、黒い太線は、聴覚障害者の平均曲線(Mean HI−平均曲線−聴覚障害者)を示す。細い灰色線は、個別の聴覚障害者(Hi 個人)の曲線を示し、点曲線は通常聴覚を持つ9人の被験者の最小/最大値を示す。
水平線により結ばれた2つの点は、「非常にやかましい」(45CU)点における聴覚障害者の最小と最大との間の差(min/max HI)を示す。図9bは、片耳の定常テスト信号が使用された場合を示し、UEN1のような狭帯域信号とUEN5,UEN17又はIFノイズのような広帯域信号との両方を含み、それらは特に図11においてスペクトルに関して表されている。特に、図9bでは増幅適応が使用されており、そこでは狭帯域信号に対するラウドネス補償が得られるように増幅値が調整されている。狭帯域信号のため、特に片耳広帯域信号のための良好な片耳適応が示される。図9cは、比較として両耳テスト信号のためのラウドネス判定を示し、左の場合にはUEN1のような狭帯域テスト信号が使用されており、右の場合にはIFノイズのような広帯域テスト信号が使用されている。狭帯域テスト信号において、19dBの最小/最大値の距離と、通常聴覚者の平均レベル周辺の均一な分布とが示される。そのような場合には、修正は全く不要か殆ど必要でない。広帯域信号の分布の幅は、35dBの非常に高い値へと増大し、特に、最も鈍感な聴覚障害者が通常聴覚を有する平均的な人と近似的に対応するように、シフトされている。このような35dBの最小/最大値の距離の影響として、本発明を用いないと、聴覚障害者は通常聴覚を持つ人と比べ、35dB付近の信号をやかまし過ぎると知覚することになる。このように本発明に従えば、両耳類似度に依存して、増幅ファクタの低減と、図3に示す構成においては第2人工レベル310への人工的なレベル増強とが実行され、最終的に、高レベルの信号、特に両耳の場合の広帯域信号に対し、より低い増幅が得られるようになる。増幅ファクタは、図9cの右のグラフに示された最小/最大HIの距離ができるだけ小さくなるように、例えばたった20dBのオーダー、又は更に良好にはずっと小さくなるように、かつ分布が通常聴覚者の平均レベル周辺に均等に分布するように、適応される。
上述したように、HIリスナー(聴覚障害者)のための個々のラウドネス関数は、細い灰色線として図9a−9cに示されている。x軸上のレベルはダイナミック圧縮アルゴリズムにおける入力レベルに対応する。NHラウドネス関数は、太い灰色線(平均値)と、灰色の点線(最小及び最大値)により示される。太い黒線は、HIリスナーの平均的ラウドネス関数を示す。
図9aはラウドネス補償なし、即ち補聴なしの狭帯域片耳LNN2000信号に関する状態を示す。予想されるように、HIリスナーの大きな聴覚閾値のために、低いラウドネスの領域において、ラウドネス関数が右側へとずれている。図9bの左上に示された狭帯域ラウドネス補償の手法に従うLNN2000信号の増幅の結果として、個人のラウドネス関数(細い灰色線)は平均NHラウドネス関数(太い灰色線)に近くなる。平均の補償済みHIラウドネス関数(太い黒線)は、NH目標(太い灰色線)に対して良好に一致する。狭帯域UEN1信号についても、片耳(N)及び両耳(B)の場合において同様の結果が得られる。片耳の広帯域信号(UEN5,UEN17及びIFノイズ)については、目標NHラウドネス関数と平均の補償済みHIラウドネス関数との間に良好な一致が見られる。両耳状態のIFノイズ信号については(図9cの右側を参照)、HIリスナーは、20CUより上側で急上昇を伴う平均ラウドネス関数を示す。ここで、低いレベルにおいては、平均NHリスナーと比較して同様のラウドネスが得られている。これは、両耳状態の広帯域IFノイズ信号に対するHIリスナーの強い感受性を示し、両方のグループの平均値間には45CUにおいて14.1dBの距離が存在する。
このような強い感受性を低減するために、両耳状態が存在する場合にはチャネル増幅ファクタが低減される。
本発明の実施形態において、帯域選択的な増幅のために必要な修正値は、通常のラウドネス知覚を回復できるようにする値である。特に、本発明に従えば、両耳ラウドネス合計が考慮され、これがラウドネス知覚に対して有意に影響を与えることは、発明者らによって発見されてきた通りである。同等なラウドネス知覚を得るためには、1つの耳に提供される信号は、これらの信号が両方の耳に提供される場合と比べ、より高い値が必要となる。通常聴覚者にとって、この両耳ラウドネス合計の影響は、狭帯域信号よりも広帯域信号についてよりやかましいものとなる。この影響は、聴覚障害者にとって、狭帯域信号については明らかに同様であるが、広帯域信号についてはかなり増大する。本発明は、狭帯域補償に後続する広帯域信号のための必要な増幅低減を決定する方法を提供する。更に、本発明は、狭帯域補償に加え、これらの増幅低減ファクタが狭帯域補償から独立して適用され得ることを可能にする。
本発明の一実施形態は、通常聴覚を有する人々の平均ラウドネス関数を目標ラウドネス関数として使用し、狭帯域、広帯域、片耳及び両耳の信号とについて、それぞれの増幅値を決定する。ここで、目標ラウドネス関数もまた様々に決定又は事前決定され得る。例えば、ラウドネスに関して最も鈍感な通常聴覚者について測定されたラウドネス関数が使用されることができ、又は、ラウドネス関数は、「やかましい」を上回るラウドネス判定が全くなくなるように、各位置及び形態に関して事前決定されることもできる。
図11は様々なテスト信号を示し、ここでは、狭帯域テスト信号UEN1が単一のバーク帯域を占める様子と、第1の比較的低レベルの広帯域信号UEN5が5個のバーク帯域を占める様子とが示される。より大きな広帯域信号UEN17は17個のバーク帯域を占め、スピーチのスペクトルと非常に似たスペクトルを有する最大の広帯域信号であるIFノイズは全帯域幅、即ち24個のバーク幅を占める。特に、図示された各信号において、各UEN信号のエネルギーは、各バーク帯域に亘って均等に分布されており、UEN17信号の各帯域における個々のエネルギーの結合が、UEN1信号の単一帯域におけるエネルギーをもたらすことになる。更に、全てのUEN5帯域におけるエネルギーの結合は、全てのUEN17帯域又は単一のUEN1帯域におけるエネルギーと等しい。信号IFノイズは、女性の話者についての長期間平均スピーチスペクトルと類似し、減少するバークスペクトルを示す。
両耳類似度を計算するとき、信号にとって重要な帯域だけが考慮されるべきである。例えば、高いレベル(例えば左右の耳に対して70dB SPL)を有する信号UEN1が、低いレベルを有するUEN17とミックスされる。UEN17のレベルは左右の耳で異なっており、例えば左側では30dBであり、右側では20dBである。よって、帯域の比較は全ての帯域において10dBの差があるという影響を与えるであろうし、これは0dBの差があるUEN1の帯域とはかけ離れている。UEN1はUEN1よりも有意にやかましく知覚されるので、ラウドネス感覚にとってはUEN1の帯域だけが本質的な重要性を持つ。それが、その信号について高い両耳類似度が決定される所以である。代替的に、UEN1の帯域が高い両耳類似度を示す一方で、他の全ての帯域が低い両耳類似度を示すように、両耳類似度が各帯域について処理されてもよい。
本発明によれば、聴覚障害者は、片耳狭帯域ラウドネス補償の手法によって補聴されているときでも、より高いラウドネス判定を与えないことが確保される。なぜなら、増幅ファクタは、特に広帯域両耳信号について低減されるからである。従って、聴覚障害者はまた、スペクトルラウドネス合計と両耳ラウドネス合計の影響を受けると考えられる。更に、聴覚障害を診断するため、及び特に補聴器を調整するためにも、両耳表現を有する広帯域信号が既に使用されている場合には、聴覚障害者にとっての利便性が強く増強される。
これまで幾つかの態様を装置の文脈で示してきたが、これらの態様は対応する方法の説明をも表しており、1つのブロック又は装置が1つの方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応することは明らかである。同様に、方法ステップを説明する文脈で示した態様もまた、対応するブロック、項目、又は対応する装置の特徴を表している。
所定の構成要件にもよるが、本発明の実施形態は、ハードウエア又はソフトウエアにおいて構成可能である。この構成は、例えばフレキシブルディスク,DVD,ブルーレイディスク,CD,ROM,PROM,EPROM,EEPROM,フラッシュメモリ、ハードドライブ又は他の磁気若しくは光学メモリなどのデジタル記憶媒体を使用して実行することができ、そのデジタル記憶媒体は、その中に格納された電子的に読み取り可能な制御信号を有し、それら制御信号は、本発明の各方法が実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働する(又は協働可能である)。従って、そのデジタル記憶媒体はコンピュータ読み取り可能であってもよい。本発明に従う幾つかの実施形態は、電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアを含み、それら制御信号は、上述した方法の1つを実行するようプログラム可能なコンピュータシステムと協働可能である。
一般的に、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として構成することができ、そのプログラムコードは当該コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で作動するときに、本発明の方法の一つを実行するよう作動可能である。そのプログラムコードは例えば機械読み取り可能なキャリアに記憶されていても良い。
本発明の他の実施形態は、上述した方法の1つを実行するための、機械読み取り可能なキャリアに格納されたコンピュータプログラムを含む。
換言すれば、本発明の方法の一実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で作動するときに、上述した方法の1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。本発明の他の実施形態は、上述した方法の1つを実行するために記録されたコンピュータプログラムを含む、データキャリア(又はデジタル記憶媒体、又はコンピュータ読み取り可能な媒体)である。
本発明の他の実施形態は、上述した方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを表現するデータストリーム又は信号列である。そのデータストリーム又は信号列は、例えばインターネットのようなデータ通信接続を介して伝送されるよう構成されても良い。
他の実施形態は、上述した方法の1つを実行するように構成又は適応された、例えばコンピュータ又はプログラム可能な論理デバイスのような処理手段を含む。
他の実施形態は、上述した方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータを含む。
幾つかの実施形態においては、(例えば書換え可能ゲートアレイFPGAのような)プログラム可能な論理デバイスが、上述した方法の幾つか又は全ての機能を実行するために使用されても良い。幾つかの実施形態では、書換え可能ゲートアレイは、上述した方法の1つを実行するためにマイクロプロセッサと協働しても良い。一般的に、そのような方法は、好適には任意のハードウエア装置によって実行される。これはコンピュータプロセッサ(CPU)のように何れにでも適用可能なハードウエアであってもよく、又は、ASICのように方法に関して特定型のハードウエアであってもよい。
上述の実施形態は、本発明の原理の単なる説明に過ぎない。上述の装置及び詳細の修正及び変更が当業者にとって明らかなことは理解されよう。従って、本発明は以下に添付する特許請求の範囲の主題によってのみ限定されるべきであり、実施形態の説明及び解説の方法で表現された特定の詳細によっては限定されないことが趣旨である。
[参考文献]
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この目的は、請求項1に記載のダイナミックコンプレッサを制御する装置、請求項11に記載のダイナミックコンプレッサを制御する方法又は請求項12に記載のダイナミックコンプレッサの増幅値を決定する方法、又は請求項14に記載のコンピュータプログラムによって達成される。
図1は、ダイナミックコンプレッサを制御する装置のブロック図であり、図1には示されていないが、そのダイナミックコンプレッサは増幅調整部140の出力から増幅ファクタ145を受け取る。典型的には補聴器内に配置されているダイナミックコンプレッサを制御する装置は、左オーディオ信号170と右オーディオ信号180との類似度を決定して両耳類似度110を取得する結合信号分析部100を含む。両耳類似度110は増幅調整部へと供給され、その両耳類似度110に依存して左又は右のオーディオ信号のための増幅値が提供される。さらに、増幅値は左又は右のオーディオ信号のレベル130に依存し、そのレベル130は信号分析部120によって提供されており、信号分析部120は左オーディオ信号170及び/又は右オーディオ信号180を取得してレベル結果130を出力している。代替的に、レベルはまた結合信号分析部100によって提供されてもよく、その結合信号分析部は、入力パラメータとして左オーディオ信号の信号特性175及び右オーディオ信号の信号特性185を図1に示すように受け取る。
好ましい一実施形態において、同一両耳類似度と同一レベルとを有する場合、狭帯域信号よりも広帯域信号に対してより低い増幅値145が使用される。この点は、グラフ155により示されている。これは、特に広帯域信号において顕著であり、狭帯域信号においてはさほど顕著でないが、両耳ラウドネス合計が聴覚障害者にとって増強されるという状況を考慮したものであり、そのため、特に補聴器が狭帯域調整され、かつ聴覚障害者がテスト環境外の現実の生活の中で広帯域信号を聞く状況において、エラー含みの状態が発生してしまう。
帯域幅/両耳類似度/チャネルレベルの異なる組合せのための異なるチャネル増幅機能の代替的な実施形態もまたあり得る。一実施形態において、増幅調整部140は、例えば片耳信号のために調整されたレベル増幅値機能300を実装するよう構成されており、その場合、両耳類似度に依存して、レベル増幅値機能及びチャネル増幅機能又は入力レベル(340,350,310)がレベル増幅値機能300において修正される。
以下に、様々な聴覚テストを図9a−9cを参照しながら提示する。図9a−9cの各グラフにおいて、信号の全体的なレベルは横座標のdB SPLで示され、その横座標の分割は0から100dB SPLの範囲に亘る。ラウドネスは縦座標上にCUでプロットされおり、そのCUはカテゴリー単位(Kategorie-Einheiten)であり、主観的ラウドネスが「非常に低い」(5CU)から「やかまし過ぎる」(50CU)まで変化する。更に、全てのグラフにおいて、灰色の太線は、通常聴覚を有する人、即ち通常聴覚者の平均曲線(Mean H)を示し、黒い太線は、聴覚障害者の平均曲線(Mean HI−平均曲線−聴覚障害者)を示す。細い灰色線は、個別の聴覚障害者(Hi 個人)の曲線を示し、点曲線は通常聴覚を持つ9人の被験者の最小/最大値を示す。
図9aはラウドネス補償なし、即ち補聴なしの狭帯域片耳LNN2000信号に関する状態を示す。予想されるように、HIリスナーの大きな聴覚閾値のために、低いラウドネスの領域において、ラウドネス関数が右側へとずれている。図9bの左上に示された狭帯域ラウドネス補償の手法に従うLNN2000信号の増幅の結果として、HI個人のラウドネス関数(細い灰色線)は平均NHラウドネス関数(太い灰色線)に近くなる。平均の補償済みHIラウドネス関数(太い黒線)は、NH目標(太い灰色線)に対して良好に一致する。狭帯域UEN1信号についても、片耳()及び両耳(B)の場合において同様の結果が得られる。片耳の広帯域信号(UEN5,UEN17及びIFノイズ)については、目標NHラウドネス関数と平均の補償済みHIラウドネス関数との間に良好な一致が見られる。両耳状態のIFノイズ信号については(図9cの右側を参照)、HIリスナーは、20CUより上側で急上昇を伴う平均ラウドネス関数を示す。ここで、低いレベルにおいては、平均NHリスナーと比較して同様のラウドネスが得られている。これは、両耳状態の広帯域IFノイズ信号に対するHIリスナーの強い感受性を示し、両方のグループの平均値間には45CUにおいて14.1dBの距離が存在する。
本発明の一実施形態は、通常聴覚を有する人々の平均ラウドネス関数を目標ラウドネス関数として使用し、狭帯域、広帯域、片耳及び両耳の信号とについて、それぞれの増幅値を決定する。ここで、目標ラウドネス関数もまた様々に決定又は事前決定され得る。例えば、ラウドネスに関して最も鈍感な通常聴覚者について測定されたラウドネス関数が使用されることができ、又は、ラウドネス関数は、「やかましい」を上回るラウドネス判定が全くなくなるように、各位置及び形態に関して事前決定されることもできる。
図10は、狭帯域及び広帯域信号についての最適調整を取得するためのチャネルレベル増強を示している。
両耳類似度を計算するとき、信号にとって重要な帯域だけが考慮されるべきである。例えば、高いレベル(例えば左右の耳に対して70dB SPL)を有する信号UEN1が、低いレベルを有するUEN17とミックスされる。UEN17のレベルは左右の耳で異なっており、例えば左側では30dBであり、右側では20dBである。よって、帯域の比較は全ての帯域において10dBの差があるという影響を与えるであろうし、これは0dBの差があるUEN1の帯域とはかけ離れている。UEN1はUEN17よりも有意にやかましく知覚されるので、ラウドネス感覚にとってはUEN1の帯域だけが本質的な重要性を持つ。それが、その信号について高い両耳類似度が決定される所以である。代替的に、UEN1の帯域が高い両耳類似度を示す一方で、他の全ての帯域が低い両耳類似度を示すように、両耳類似度が各帯域について処理されてもよい。結合信号分析部(100)は、右オーディオ信号と前記左オーディオ信号との間の各帯域におけるレベルを比較し、前記信号にとって重要な帯域を評価することによって前記信号の両耳類似度(110)を提供するよう構成されている。前記信号にとって重要な帯域とは、全体の信号の1%を超えるラウドネス比を有する帯域のことである。また、結合信号分析部は、右オーディオ信号及び左オーディオ信号のスペクトルの対応する帯域同士のエネルギー差を決定し、前記信号にとって重要な帯域に亘るエネルギー差の平均値は前記信号の両耳類似度(110)についての値を表し、前記信号にとって重要な帯域とは、全体の信号の1%を超えるラウドネス比を有する帯域のことである。

Claims (15)

  1. ダイナミックコンプレッサ(520)を制御する装置であって、
    右オーディオ信号(170)と左オーディオ信号(180)との間の両耳類似度(110)を決定する結合信号分析部(100)と、
    前記両耳類似度(110)と前記右オーディオ信号又は前記左オーディオ信号のレベル(130)とに依存して、前記右オーディオ信号又は前記左オーディオ信号のための増幅値(145)を提供する増幅調整部(140)と、
    を含む、装置。
  2. 請求項1に記載の装置であって、
    前記増幅調整部(140)は、前記増幅値を、同一レベル(130)において、高い両耳類似度を有する場合に低い両耳類似度の場合よりも小さな値となるように(150)調整する、装置。
  3. 請求項1又は2に記載の装置であって、前記右オーディオ信号又は前記左オーディオ信号を複数の帯域へと分割し、各帯域におけるレベル(130)を決定する信号分析部(120)を更に含む、装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置であって、
    前記結合信号分析部(100)は、前記右オーディオ信号又は前記左オーディオ信号の帯域幅(210)、又は前記右オーディオ信号と前記左オーディオ信号との結合の帯域幅を決定するよう更に構成されており、
    前記増幅調整部(140)は、前記決定された帯域幅に依存して、前記帯域についての前記増幅値を更に調整する(155)よう構成されている、装置。
  5. 請求項4に記載の装置であって、
    前記増幅調整部(140)は、前記増幅値(145)を、同一レベルにおいて、高い帯域幅を有する場合には低い帯域幅の場合よりも小さな値へと調整する(155)、装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置であって、
    前記増幅調整部(140)は、片耳信号に対して適応されたレベル増幅値機能(200,300)を実装するよう構成されており、
    前記増幅調整部(140)は、前記両耳類似度(110)に依存して、前記レベル増幅値機能又は前記レベル増幅値機能における入力レベルを修正するよう構成されている、装置。
  7. 請求項6に記載の装置であって、
    前記増幅調整部(140)は、前記両耳類似度(110)に依存して、測定されたオーディオ信号レベルに対して前記入力レベルを増強(350)するよう構成されている、装置。
  8. 請求項3に記載の装置であって、前記信号分析部(120)は、前記右オーディオ信号又は前記左オーディオ信号を少なくとも6つの帯域へと分割し、
    前記増幅調整部(140)は、前記右オーディオ信号及び前記左オーディオ信号の少なくとも6つの帯域のための増幅ファクタ(145)を提供するよう構成されている、装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置であって、
    前記結合信号分析部(100)は、前記右オーディオ信号のスペクトルと前記左オーディオ信号のスペクトルとを取得し、それら2つのスペクトルを比較することで前記両耳類似度(110)を決定するよう構成されている、装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置であって、
    前記結合信号分析部(100)は、前記右オーディオ信号と前記左オーディオ信号との間の複数の帯域におけるレベルを比較し、前記信号にとって重要な帯域を評価することによって前記信号の両耳類似度(110)を提供するよう構成されており、前記信号にとって重要な帯域とは、全体の信号の1%を超えるラウドネス比を有する帯域のことである、装置。
  11. 請求項9に記載の装置であって、
    前記結合信号分析部は、前記右オーディオ信号及び前記左オーディオ信号のスペクトルの対応する帯域同士のエネルギー差を決定するよう構成されており、前記信号にとって重要な帯域に亘るエネルギー差の平均値は前記信号の前記両耳類似度(110)についての値を表し、前記信号にとって重要な帯域とは、全体の信号の1%を超えるラウドネス比を有する帯域のことである、装置。
  12. ダイナミックコンプレッサ(520)を制御する方法であって、
    右オーディオ信号と左オーディオ信号との両耳類似度(110)を決定するステップ(100)と、
    前記両耳類似度(110)と前記右オーディオ信号又は前記左オーディオ信号のある帯域におけるレベル(130)とに依存して、前記右オーディオ信号又は前記左オーディオ信号の前記帯域についての増幅値(145)を提供するステップ(140)と、
    を含む、方法。
  13. ダイナミックコンプレッサ(520)のための増幅値を決定する方法であって、
    左チャネル用の第1ダイナミックコンプレッサ及び右チャネル用の第2ダイナミックコンプレッサを、片耳オーディオ信号のために調整するステップ(700)と、
    前記右チャネル及び前記左チャネルにおける両耳オーディオ信号のための修正済みチャネル増幅機能を決定するステップ(720)と、
    片耳オーディオ信号のためのチャネル増幅機能を適用し、かつ両耳信号のための前記修正済みチャネル増幅機能を適用するステップ(730)と、
    を含む、方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、
    前記左チャネル及び前記右チャネルのための両耳テスト信号を再生するステップ(800)と、
    前記左チャネルのための第1補聴器(601)と前記右チャネルのための第2補聴器(602)とによって前記両耳テスト信号を検出するステップ(810)であって、前記第1補聴器及び前記第2補聴器は片耳信号について調整されている、ステップと、
    ラウドネス判定を受け取るステップ(820)と、を更に含み、
    前記修正済みチャネル増幅機能を決定するステップ(720)において、前記修正済みチャネル増幅機能は受け取られたラウドネス判定を使用して決定され、前記修正済みチャネル増幅機能を前記第1補聴器(601)及び前記第2補聴器(602)内で適用する際に、各聴覚障害者の受け取られたラウドネス判定が所定のラウドネス関数のレベルに関する所定の閾値よりも小さな差となるように、決定する、方法。
  15. コンピュータプログラムがコンピュータ上で作動するとき、請求項12乃至14のいずれかに記載の方法を実行する、プログラムコードを有するコンピュータプログラム。
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