JP6279757B2 - 補聴器システムをフィッティングする方法および補聴器フィッティング・システム - Google Patents

補聴器システムをフィッティングする方法および補聴器フィッティング・システム Download PDF

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Description

この発明は補聴器システムをフィッティングする方法に関する。この発明はまた,補聴器フィッティング・システムに関する。
この発明による補聴器は,概略的には,ユーザが聴覚信号として知覚することができる出力信号を提供する,またはそのような出力信号を提供することに貢献する任意のシステムを意味するものとして理解され,上記ユーザの個々の難聴(聴覚損失)(hearing loss)を補償する,またはユーザの難聴を補償することに貢献するように構成される手段を有する。このようなシステムには補聴器が含まれ,補聴器は身体もしくは頭部,特に耳の上もしくは耳の中に装着することができる,または完全にもしくは部分的に埋め込むことができる。もっとも,難聴を補償することを主要目的とはしない装置,たとえば家庭用電化製品(テレビ,ハイファイ・システム,携帯電話,MP3プレーヤーなど)も,個々の難聴を補償する対策が施されていれば,補聴器システムと考えることができる。
本願の開示において,補聴器は,聴覚障害者(hearing impaired user)によって耳の後ろまたは耳の中に装着されるように設計される,小さい,電池駆動の,小型電子機器として理解することができる。使用に先立って,補聴器は処方にしたがって補聴器フィッタによって調整される。上記処方は,いわゆるオージオグラムが得られる,聴覚障害者の裸耳聴能の聴覚テスト(聴力検査)に基づく。上記処方は,補聴器が,ユーザが聴覚障害(hearing deficit)を蒙っている可聴周波数範囲の部分の周波数の音を増幅することによって難聴を緩和する設定に達するように構築される。補聴器は,一または複数のマイクロフォン,電池,信号処理装置を含む小型電子回路,および音響出力トランスデューサを備えている。信号処理装置は好ましくはデジタル信号処理装置である。補聴器は耳の後ろまたは耳の中へのフィットに適するケース内に収められる。
本願の開示において,補聴器システムは,単一の補聴器を備えるものでもよく(いわゆるモノラル補聴器システム),補聴器ユーザの各耳に一つずつの2つの補聴器を備えるものでもよい(いわゆるバイノーラル補聴器システム)。さらに,補聴器システムは,外部装置,たとえば補聴器システムの他の機器と相互作用するように構成されるソフトウエア・アプリケーションを有するスマートフォンを含むものであってもよい。このように本願の開示において「補聴器システム装置」という用語は補聴器または外部装置を意味することができる。
これまでの補聴器フィッティングでは,補聴器ユーザが補聴器フィッタのオフィスを訪問し,補聴器フィッタがオフィス内に有しているフィッティング設備を用いてユーザの補聴器が調整される。典型的には,上記フィッティング設備は,適切な補聴器プログラミング・ソフトウエアを実行可能なコンピュータと,上記コンピュータと上記補聴器との間にリンクを提供するプログラミング装置を含む。
聴覚障害者の難聴は,多くの場合周波数に依存しており,かつ両方の耳で同じではないことがある。これは,人の難聴は周波数に依存して変化することを意味する。したがって,難聴を補償する場合,周波数依存増幅を利用するのが好ましい。このため補聴器の多くは帯域分割フィルタを備え,補聴器の入力トランスデューサによって受信される入力音信号を個別に処理される周波数帯域とも呼ばれる様々な周波数間隔(various frequency intervals)に分割する。これによって,各周波数帯域において難聴であるそれぞれの周波数帯域の入力音信号を個別に調整することができる。周波数依存調整は,通常,帯域分割フィルタと,周波数帯域のそれぞれについての圧縮器とを実装することによって行われ,これによっていわゆる帯域分割圧縮器が形成され,これが結合されることで多帯域圧縮器が形成される。このようにして,難聴に依存して各周波数帯域のゲインと各周波数帯域の入力音信号の入力レベルを個別に調整することができる。たとえば,帯域分割圧縮器は,各周波数帯域において大きな音よりもソフトな音に対してより大きなゲインを提供することができる。
伝統的に,補聴器システムは,個々の補聴器システムのユーザについての記録済オージオグラムだけに基づいてフィッティングされている。しかしながら,補聴器システムを装着することの恩恵(利点,benefit)は,類似するオージオグラムを持つユーザ,さらには同一のオージオグラムを持つユーザでさえも大きく異なることがあることが知られている。
したがって,補聴器システムの聴覚的フィッティング(audiological fitting)を改善する要望がある。
米国特許第7804973号は,個々のユーザのSNR損失(SNR loss)に基づいて,一または複数のノイズ低減アルゴリズムのパラメータを選択する方法を開示する。SNR損失という用語は,聴覚閾値を上回るレベルでの雑音テストにおいて,通常の聴力を持つ者に対して同様の聴能(performance)(50%単語認識)を達成するために聴覚障害者に必要とされる信号対雑音比(signal-to-noise ratio)(SNR)の平均増加(the average increase)として定義される。開示の方法の観点によると,補聴器システムの雑音汚染入力信号のSNRの修復/改善の程度は,個々のユーザのSNR損失に依存したものであった。しかしながら,この方法は,難聴のタイプの分類を使用して,SNR損失への対処において最も恩恵を受けるべく難聴の各タイプについて特に適応されるべき補聴器特性(機能)(hearing aid features),パラメータ設定,およびゲイン原理(gain rationales)の選択を導くものではない。
論文「A signal-to-noise ratio model for the speech-reception threshold of the hearing impaired」,プロンプ(Plomp)著,the Journal of Speech and Hearing Research発行,29巻,146〜154,1986年6月は,複数の厳選された文章の音圧レベルの適応トライアル・バイ・トライアル調整(an adaptive trial-by-trial adjustment)に基づいて,音声(語音)聴取閾値(Speech-Reception-Threshold)(SRT)を測定する好ましい方法を開示する。SRTは,50%の音声明瞭度(speech intelligibility)を得るために必要とされる音圧レベルとして求められる。この論文はさらに,診断目的のために単語リストが優先されるものの,意味のある短い文章の方が会話音声をより代表するものであり,したがって閾値条件は実際上重要な場面と同じであると述べている。文章は,音圧レベルの関数としての明瞭度スコアを表す心理関数(精神測定関数)(the psychometric function)の傾きが単一の単語よりも急峻(20%/dB)であるというさらなる利点を持つ。これはSRTの正確な推定に有益である。
上記論文はまた,正常な聴力を持つ個々人についての平均SRTを超える音声聴取閾値(SRT)の上昇として音声伝達ハンディキャップ(speech communication handicap)を定義する。上記SRTの上昇を引き起こす2つの要因が存在し,それは聴感損失(audibility loss)(主に聞き取ることができない少なくとも一部の音声スペクトルを生じさせる機能的聴覚欠損)と歪み損失(distortion loss)(歪んだ聴覚処理に起因する機能的聴覚欠損)である。聴感損失が感度の損失(loss of sensitivity)を表すのに対し,歪み損失は音声と雑音(騒音)の両方が可聴であるときに背景雑音(背景騒音)中で音声を理解するための能力低下(reduced ability)である。静音下の上記SRTは,聴感損失および歪み損失の両方によって上昇し,閾上雑音下のSRT(SRT in supra-threshold noise)は,歪み損失のみによって上昇する。したがって,個々の音声伝達ハンディキャップは,静音下のものと,閾上雑音下のものの,2つのSRTで特徴づけることができる。これは,難聴によって生じる機能障害を分類するための有用な情報であるが,上記論文は,この障害の程度を定量化するための自動的,効果的,かつ正確な方法を提供するものではない。
論文「On the auditory and cognitive functions that may explain an individual's elevation of the speech reception threshold in noise」 ハウトガストおよびファスン(Houtgast and Festen)著,International Journal of Audiology ,2008年,47:287-295は,いわゆる歪みの根源にある聴覚機能および認知機能の多様性を考慮しており,純音オージオグラムが同様のオージオグラムを持つ補聴器ユーザによって得られる雑音中会話テスト(speech-in-noise test)の様々な結果を説明するために十分ではない理由を理解するために考慮されるべき追加要因を示している。
さらに上記論文は,所与のSRTでの音声明瞭度(Speech Intelligibility Index)(SII)の算出を開示しており,この算出が,聴感上の周波数特定閾値を考慮することを示している。上記SRTが聴覚障害の効果のためだけで上昇したとき,それがSII算出において考慮され,上昇されたSRTでの上記SIIは健聴者についてのものと同じにとどまることが見いだされた。しかしながら,上記SRTの上昇が増加した歪みの効果に起因する場合には,上記SRTでのSIIは健聴者のものを超えて増加する。
したがって,上記論文は,SRTおよび純音閾値の測定とこれとともに行われるSII算出とを,聴感および歪み障害に主に起因する伝達ハンディキャップの原因を特徴付けるためにどのように使用することができるかを開示する。これは難聴によって生じる機能障害を分類するために有用な情報であるが,上記論文はこの障害の程度を定量化する,自動的,効率的,かつ正確な方法を提供するものではない。
したがって,この発明の特徴は,補聴器システムをフィッティングするための改善された方法を提供することにある。
この発明の別の特徴は,補聴器システムをフィッティングするための改善された方法を実行するように構成される補聴器フィッティング・システムを提供することにある。
第1の観点において,この発明は,請求項1に記載の補聴器システムをフィッティングする方法を提供する。
これにより補聴器システムをフィッティングする改善された方法が提供される。
第2の観点において,この発明は請求項25に記載の補聴器フィッティング・システムを提供する。
これにより改善された補聴器フィッティング・システムが提供される。
さらなる有利な特徴が従属請求項から明らかにされる。
この発明のさらなる他の特徴は,この発明を詳細に説明する以下の記載から当業者には明らかであろう。
一例として,この発明の好ましい実施態様を示しかつ記載する。当然であるが,この発明は他の実施態様が可能であり,そのいくつかの詳細は,この発明から逸脱することなく,様々な自明のすべての観点において修正することができる。したがって,図面および詳細な説明は本質的に例示として扱われ,限定するものではない。
この発明の第1の実施形態による補聴器フィッティングを実行するために必要とされる装置をかなり模式的に示している。 この発明の第2の実施形態による補聴器フィッティングを実行するために必要とされる装置をかなり模式的に示している。 この発明の一実施形態による補聴器フィッティング・システムの選択部分の追加的な詳細をかなり模式的に示している。 (a)は典型的な音声信号の音圧レベル(SPL)を時間の関数としてかなり模式的に示しており,(b)はこの発明の一実施形態による図4aの音声信号について適用されるゲインを時間の関数としてかなり模式的に示している。 従来技術から既知の圧縮器を有する補聴器をかなり模式的に示している。 この発明の一実施形態による図5の圧縮器のためのゲイン設定をかなり模式的に示している。
本願の開示において,聴感損失(audibility loss)および歪み損失(distortion loss)の用語は,機能的聴覚欠損(functional hearing deficit)の特定タイプとして理解される。以下において,聴感損失および減衰損失(attenuation loss)の用語は交換可能に使用することができ,これは歪み(distortion)および歪み損失についても同様である。聴感損失は,主に聞き取ることができない少なくとも一部の音声スペクトルを生じさせる機能的聴覚欠損を表し,歪み損失は,歪んだ聴覚処理に起因する機能的聴覚欠損を表す。聴感損失が感度損失(loss of sensitivity)を表すのに対し,歪みは音声とノイズ(雑音,騒音)の両方が可聴であるときの背景雑音(背景騒音)中における会話の理解の能力低下(the reduced ability)である。しかしながら,以下において,機能的聴覚欠損を蒙っている者のほとんどは,少なくともこれらの2つのタイプの機能的聴覚欠損の混合(mix)を有することを理解すべきであり,したがって聴感損失および歪み損失の用語は,各タイプの優性なもの(主要なもの)として理解すべきである。
本願の開示において,さらに,任意のパラメータの値が,パラメータの名称によって,またはパラメータの大きさもしくは値として,簡潔に示されることを理解されたい。
本願発明は,測定されかつ知覚される補聴器からの恩恵(benefit)が,従来の聴力検査を用いて測定される同様の聴覚閾値を持つ聴取者によって異なる,という事実に対処するものである。基礎となる聴覚病理(the underlying auditory pathology)が異なる場合であっても同様の閾値が観察されることがあることが認識されている。聴覚病理の違いはおそらくは補聴器の恩恵において観察される違い(the observed differences in hearing aid benefit)をもたらす。ノイズ(騒音)中の音声明瞭度(音声了解度)(speech intelligibility)のような機能的聴能上の蝸牛病変の効果の分類(classification of the effects of cochlear pathologies)は,補聴器の恩恵を改善する特性(features),パラメータ設定,ゲイン原理(理論的根拠)(gain rationales)の選択を誘導することができる。
古典的な音声聴力検査は一般に静音下の単語明瞭度(単語了解度)(word intelligibility)の測定を含み,ノイズ(騒音)中の明瞭度(了解度)の追加測定を行う国もある。これらのテストは音声弁別スコア(語音弁別能)(discrimination scores)と呼ばれている。音声の提示レベルが上昇しているときに音声弁別スコアが減少する場合,上記音声弁別スコアは後迷路性障害(retro-cochlear lesions)を示す。これは診断目的のテストの伝統的使用の一つである。典型的な臨床診療では音声弁別スコアが測定されてフィッティング場面において使用される。それが定性的に解釈され,臨床医のカウンセリングをガイドする。適度に高い提示レベルにおいて100%の明瞭度(了解度)に達しない患者は,補聴器増幅の十分な恩恵に達することが期待できない可能性がある。このようにカウンセリングを患者の期待に釣り合わせることができる。この発明は音声弁別スコアの尺度を定量データとして扱い,特性,パラメータ設定およびゲイン原理の選択をガイドすることができる。
特にこの発明は,難聴が歪みに起因するどうかに依存して,患者を所定の被験者グループに分類する考えを用いるものである。
機能的聴能の観点から補聴器ユーザを分類することによって,フィッティングソフトウェアは,ゲイン原理と補聴器特性とパラメータとをそれにしたがって調整することができる。この発明は,純音聴力検査,および音声聴力検査,特に雑音中の音声弁別テストのような従来の聴力検査を用いて得ることができるデータの使用を容易にする分類システムの可能性を実現することに向けられる。フィッティング原理,補聴器特性およびパラメータを,補聴器ユーザの定量化された機能的聴能にフィットするように適合させることができるので,ユーザにとっての利益(恩恵)が,雑音中の改善された伝達に関連することが期待される。これは,今日においてフィッティング・ルールが行うことができることを超えている。歪み聴覚処理をかなり蒙っており,したがって期待される恩恵を補聴器から受け取っていない補聴器ユーザのクラスについて最大の恩恵が期待される。典型的には,そのようなユーザはクリニックを数回訪問し,購入を取り消すことができる(may cancel their purchase)。
聴感損失は, 騒音外傷または老人性難聴の結果としての伝音性障害(conductive loss)および内外有毛細胞の機能不全(inner and outer hair cell dysfunction)と関連することがある。他方,歪み聴覚処理は,外毛細胞機能不全およびその結果としての蝸牛圧迫損傷(loss of cochlear compression),蝸牛周波数選択性減少(decreased cochlear frequency selectivity),およびテンポラル・コーディング・アクイティ減少(継時符号化聴力減少)(decreased temporal coding acuity)と関連することがある。
はじめに図1を参照して,図1はこの発明の第1の実施形態による補聴器フィッティングを実行するために必要とされる装置をかなり模式的に示している。図1は補聴器フィッティング・システム100を示すもので,いわゆる補聴器フィッタによって操作されるコンピュータ装置102を含み,上記コンピュータ装置102は補聴器ユーザ104によって装着される補聴器システム101をプログラムするように構成されている。
次に図2を参照して,図2はこの発明の第2の実施形態による補聴器フィッティング・システム200をかなり模式的に示している。図2は補聴器フィッティング・システム200を示すもので,コンピュータ装置202および外部装置205を含み,上記コンピュータ装置102は補聴器フィッタ103によって操作され,補聴器ユーザ104によって装着される補聴器システム101をプログラムするように構成されており,上記外部装置205は補聴器システム101を通じてコンピュータ装置202によって補聴器ユーザに提供される音声テスト音に対する応答についてのユーザ入力を受け付けるように構成されている。上記外部装置205はさらに上記コンピュータ装置102にユーザ応答を提供するように構成されており,これによって音声テスト音に対する補聴器ユーザの応答を,補聴器システム101をプログラミングするときに考慮することができる。
上記外部装置205は,補聴器ユーザ104が知覚する音声テスト音に対するベストの応答を選択できるようにするグラフィカル・ユーザ・インターフェースを有してもよい。あるいは,上記外部装置205は自動音声認識(automatic speech recognition)(ASR)システムを装備しており,これによって補聴器ユーザ104は,知覚される音声テスト音をはっきりと発音するだけで,上記外部装置に補聴器ユーザ応答が提供される。
ASRシステムによって,いくつかの言語や方言に堪能でない補聴器フィッタが,基本的に任意の言語や方言を認識するようにトレーニングされたASRシステムに依存することができるので,このような場合にASRシステムは特に有利である。これによって補聴器フィッタがフィッティングすることができる聴覚障害者の数がかなり増加する。
図1および図2の実施態様の変形例において,補聴器フィッタ103および補聴器ユーザ104は同一人物でもよく,これによっていわゆるユーザ・フィッティングを実行することができる。ASRシステムによってユーザ応答の評価が自動的に取得されるので,ASRシステムの使用はユーザ・フィッティングについて特に有利である。
以下,この発明による方法の実施形態のさまざまなステップを説明する。
基本的に個々の補聴器ユーザの補聴器フィッティングに時間的に先立つ任意の時点において実行することができる第1のステップにおいて,健聴者の明瞭度(了解度)と音声明瞭度指数(SII)との関係(relation between intelligibility and a Speech Intelligibility Index for normal hearing persons)が導出される。
この実施形態では,用語「明瞭度」(了解度)(intelligibility)は,騒音中で多数の自立語(個々の単語)(a magnitude of independent words in noise)が提示され,その単語を繰り返すことが促されたときの正答率(the percentage of correct answers)として理解される。しかしながら,明瞭度スコア(intelligibility score)は,この実施形態では,正確に識別された単語数に基づくのではなく,これに代えて単語中の正確に識別された音素数(the number of correctly identified phonemes in words)に基づく。
この実施形態において,用語「音声明瞭度指数」(音声了解度指数)(Speech Intelligibility Index (SII))は,ANSI S3.5−1997規格で与えられる定義に基づいて算出することができる雑音中での音声明瞭度の尺度(a measure of speech intelligibility in noise)を表す。ANSI S3.5−1997規格は,伝達音声情報の理解量(intelligible amount of transmitted speech information)を予測する方法,すなわち線形伝送システムにおける音声明瞭度を提供するものである。SIIは常に0(音声が全く明瞭でない)と1(音声が完全に明瞭である)の間の値をとる。実際上,SIIは,音声明瞭度を伝えるためのシステム能力の客観的尺度であり,これによって聴取者は言われていることを理解することができる。
しかしながら,雑音が存在するまたは存在しないときの音声明瞭度の予測のための他の様々なモデルも,この発明によるSIIの範囲(scope)に含むことができる。このようなモデルは,入力音声信号および入力雑音信号,またはこれらの2つの入力信号の混合,または入力としての信号および雑音についての特定の情報を必要とし,ここで上記特定の情報は,たとえば,長期もしくは短期のパワー・スペクトルまたは変調特性を含むことができる。上記モデルは,好ましくは,個々の難聴による信号およびノイズに対する感受性低下を説明する。このような特性のいくつかを含むモデル例は以下の通りである。
−明瞭度指数(the Articulation Index)(AI) (SIIの前身)
−拡張SII(the Extended SII)(ESII) (論文「A Speech Intelligibility Index-based approach to predict the speech reception threshold for sentences in fluctuating noise for normal-hearing listeners」レバーゲン(Rhebergen)およびベルスフェルド(Versfeld)著,J. Acoust. Soc. Am., 117(4) ,2181-2192ページ,2005年4月を参照)
−音声伝達指数(the Speech Transmission Index)(STI),
−短時間客観明瞭度(the Short-Time Objective Intelligibility)(STOI)(論文「An Algorithm for Intelligibility Prediction of Time-Frequency Weighted Noisy Speech」タール(taal)その外著,IEEE Transactions on Audio Speech and Language Processing,2125-2136ページ,2011年を参照)および
−音声ベースのエンベロープ・パワー・スペクトル・モデル(the speech-based Envelope Power spectrum Model)(sEPSM)(論文「A multi-resolution envelope power based model for speech intelligibility」,ヨルゲンセン(Jorgensen)その外著,J. Acoust. Soc. Am., 134, 436-446ページ,2013年を参照)
しかしながら,基本的に,騒音中または静音中の音声明瞭度の推定を提供することができる任意のモデルが,この発明によるSIIの範囲内に含まれる。もっとも,上記モデルは,推定される騒音中の音声明瞭度が,健聴者といわゆる聴感損失を持つ聴覚障害者とで同じになるような個々人の聴覚損失閾値の効果(the effect of an individual persons hearing loss thresholds)を組み込むように適合されていることが好ましい。 一般的な観点では,聴感損失はオージオグラムによって決定されるので,上昇聴覚閾値(elevated hearing thresholds)について信頼できると考えられ,低いノイズレベルで聴覚障害者に必要とされる実質的により高い音声レベルについても信頼できると考えられる。現在,ANSI標準に基づくSII(結果的に対応するESIIも)は,聴力感度(聴感損失)の損失を考慮する上記モデルのうちの1つにすぎない。
SIIを算出するためには,音響信号中の信号および雑音内容(コンテンツ)の推定が必要とされる。信号および雑音推定については,正確性に違いはあるが,多くの方法が存在する。これらの方法の全てが当業者には明らかであり,すべての方法はこの実施形態の範囲に属することができる。
一例として,信号および雑音内容はパーセンタイル推定器を用いて推定することができる。パーセンタイルは,定義によると,累積分布がそのパーセンタイル以下である値(the value for which the cumulative distribution is equal to or below that percentile)である。パーセンタイル推定器からの出力値のそれぞれは,信号レベルが推定される時間間隔の所定パーセント内に入る信号レベル未満のレベル値の推定に対応する(The output values from the percentile estimator each correspond to an estimate of a level value below which the signal level lies within a certain percentage of the time during which the signal level is estimated.)。10%パーセンタイルはノイズを推定するために用いることができ,90%パーセンタイルは所望の信号内容を推定するために用いることができるが,他のパーセンタイル数を用いることができる。実際上は,ノイズレベルが,時間の10%に入る信号レベル未満の信号レベル(the signal level below which the signal levels lies during 10 % of the time)であり,音声レベルが,時間の90%に入る信号レベル未満の信号レベル(the signal level below which the signal levels lie during 90 % of the time)であることを意味する。パーセンタイル推定器は,音声と雑音のレベルを推定する非常に効率的な方法を実装する。
たとえば米国特許US−A−5687241に開示されている種類のパーセンタイル推定器を実装することができる。
この実施形態の変形例では,他の値のパーセンタイルをノイズおよび音声推定を決定するために用いることができる。
さらに他の変形例では,ノイズおよび音声推定は,音響出力信号を表すデジタル信号の二乗平均平方根の平均(Root-Mean-Square (RMS) averaging)に基づく。
ここで,明瞭度(intelligibility)と音声明瞭度指数(speech intelligibility index)の関係は,複数の健聴者に明瞭度を測定(計測)するように構成される一連のテストを実行し,上記テストにおいて用いられる音響テスト信号のそれぞれについて健聴者についての音声明瞭度指数を算出し,その後にその結果を補間して明瞭度と音声明瞭度指数の所望の関係を取得することによって健聴者について簡単に導出することができる。
この発明による実施形態の他の変形例では,「明瞭度」の測定は一連の個々の単語の表現に基づくことを要しない。一例として,個々の単語に代えて意味のある文を用いることができるが,いわゆる意味のない音節(nonsense syllables)を用いてもよく,その場合には,明瞭度スコアは複数の正しく識別された意味のない音節に基づくものとなる。一般に,意味のない音節は,言語に依存しないもの(language independent)であると考えることができ,したがって言語固有の単語または文章テストとは対照的に世界中で使用することができるという点で有利である。
しかしながら,この実施形態の変形例において,健聴者についての明瞭度と音声明瞭度指数の関係は,実際の測定に頼らずに導出してもよく,それに代えて,論文「Regression equations for the transfer functions of ANSI S3.5- 1969」,シェルベコー(Sherbecoe)およびシュタッドベイカー(Studebaker)著, J. Acoust. Soc. Am., 88(5), 1990年11月にあるような発行済みモデルに純粋に基づくことができる。
ここで自分の補聴器システムをフィッティングしようとする個々の補聴器ユーザのそれぞれについて実行されるのに必要とされるステップを説明する。
はじめにオージオグラムが取得される。オージオグラムは標準の純音聴力検査を用いて取得されるが,オージオグラムを取得するための当業者に自明のすべての他の方法を用いることができる。オージオグラムを取得するために用いられる方法は,この発明において重要ではない。この発明によると,オージオグラムは個々のユーザの良好な耳,すなわち難聴が最も小さい耳について取得される。しかしながら,この発明の変形例では,たとえば一方の耳が通常の聴力またはそれに近い聴力を持つ者については,悪い方の耳のオージオグラムを用いてもよい。他の変形例では,いわゆる両耳オージオグラムを用いてもよく,その場合には音響テスト信号が個々のユーザの両耳に提示されてオージオグラムを取得するために用いられる。しかしながら,さらに他の変形例では,個別のオージオグラムが個々人の両方の耳について取得される。すなわち,以下においてオージオグラムの用語は,一般には,上述した変形例を含む任意のタイプのオージオグラムを表す。
上記オージオグラムは,特定の音響テスト信号が個々の補聴器ユーザに提示されたときに音声明瞭度指数(SII)の対応する値を算出するために用いられる。この実施形態では,SIIの値はANSI S3.5−1997規格に基づいて算出される。SIIの算出は,個々のユーザについて取得されるオージオグラムの知識および個々のユーザに提示される音響信号の特性の知識を必要とする。
次の第2ステップでは,50単語のリストを用いて最大快適レベル(Most-Comfortable Level)(MCL)が静音下で測定される。測定されるMCLは個々の補聴器ユーザについての特定の音響テスト信号中の音声(語音)提示レベルを設定するために用いられ,測定されるMCLが80dB(A)よりも低いときには,測定されるMCLに等しい音声提示レベルまたは80dB(A)に等しい音声提示レベルが設定される。A特性加重デシベル(A-weighted decibels),省略形のdB(A)は,人の耳によって知覚される空気中の音の相対的な大きさの表記である。A特性加重系では,未加重デシベルと比べて,低周波数の音のデシベル値が低減され,可聴周波数についての補正は行われない。この補正は,人間の耳が,高い可聴周波数よりも低い可聴周波数,特に1000Hz以下で感度が低いことを理由に行われる。変形例では,上記MCLおよびこれによる音声提示レベルを,dB(A)以外の基本的には任意の他のスケール,たとえばdB音圧レベル(dBSPL)を用いて決定することができる。
次のステップでは,騒音下における音響音声テスト信号として提示される50語のリストに基づいて,音素スコアリング(phoneme scoring)を用いて個々の補聴器ユーザについての明瞭度が測定され,ここで上記音声提示レベルは上記第2ステップにおいて説明したように設定され,健聴者についての明瞭度およびSIIの間の導出される関係に基づいて,70%の第1の予測明瞭度(a first predicted intelligibility of 70%)が期待されるように上記雑音レベルが設定され,これによって第1の測定明瞭度が提供される。
この実施態様では,音響音声テスト信号として提示される50語は,記録音声(recorded speech)に基づくものであり,かつ雑音中における聴覚テスト(Hearing In Noise Test)(HINT)として知られる音声聴覚試験についての基準(recognized standard)に基づく。雑音(ノイズ)は定常的なもので,スペクトル的には音声(語音)素材(speech material)の平均長期スペクトルに一致しており,音響音声テスト信号はヘッドフォンを通して個々の補聴器ユーザに提示される。
変形例では,音響音声テスト信号として提示される50語は合成語(synthesized words)に基づくものでもよい。他の変形例では,音響音声テスト信号は,単一の補聴器,一セットの補聴器を通じて,または一セットのスピーカから,ユーザに提示される。
この実施形態の変形例では,提示される単語は(HINT)以外の別の基準,たとえば雑音中における言語知覚(Speech Perception In Noise)(SPIN)に基づくものでもよい。しかしながら,提示される単語はこのような基準に基づくものである必要はなく,さらなる変形例では,提示される単語の数は,この実施形態で用いられる50語よりも多くまたは少なく選択される。
この実施形態のさらなる変形例では,上記雑音が非定常的なものであり,マルチ−トーカー・バブル(multi-talker babble)または工場雑音のような記録雑音に基づくものである。さらなる変形例では,非定常または変調された雑音が提供される。一の変形例では,これは,与えられる音声素材の平均長期スペクトルに合致するようにして,白色雑音(ホワイト・ノイズ)の周波数スペクトルを成形するように構成された有限インパルス応答(Finite Impulse Response)(FIR)フィルタに白色雑音を供給し,次にそのような低周波数を持つFIRフィルタからの出力を周波数変調することによって提供され,その結果としての周波数スペクトルは依然として所与の音声素材の長期平均スペクトルに合致する。
この実施形態によると,明瞭度は,健聴者についての明瞭度とSIIとの関係を確立するときと,個々の補聴器ユーザについての明瞭度を測定するときとで同じようにして測定される。しかしながら,変形例では,測定は正確に同じやり方で実行する必要はない。一例では,提示される単語の数が異なってもよく,雑音スペクトルおよび音響音声テスト信号が提示されるやり方も同様である。
(正しく識別された音素のパーセンテージとして)明瞭度が測定されると,次に対応するSIIが,個々の補聴器ユーザの良好な耳のオージオグラムに基づいてかつ音響テスト信号の音声および雑音レベルに基づいて算出され,これによって第1のSII値が提供される。
第4のステップでは,30%の第2の予想明瞭度が期待されるように雑音レベルが設定される事実を除いて,個々の補聴器ユーザについての明瞭度が上述した第3のステップで与えられるようにして測定され,これによって第2の測定明瞭度および第2のSII値が提供される。
第5のステップでは,第1の測定明瞭度と第1の基準明瞭度(a first norm intelligibility)の差が算出され,ここで第1の基準明瞭度は,第1のSII値について,以前に導出された健聴者についての明瞭度とSIIの関係を用いて決定され,これによって第1の差分値が提供される。
第6のステップでは,第2の測定明瞭度と第2の基準明瞭度の差が算出され,ここで第2の基準明瞭度は,第2のSII値について,以前に導出された健聴者についての明瞭度とSIIの関係を用いて決定され,これによって第2の差分値が提供される。
第7のステップでは,基準誤差(ノルム誤差)(norm error)が,上記第1および第2の差分値の平均絶対値(average absolute magnitude)として決定される。
第8のステップでは,個々の補聴器ユーザの難聴が,上記基準誤差が所定の閾値の10%よりも小さいときに第1のクラスに属するように分類され,上記基準誤差が10%以上であるときに第2のクラスに属するように分類される。変形例では,上記所定の閾値は,5%から15%の範囲,さらには5%から25%の範囲の値が与えられる。
この実施形態の変形例では,明瞭度は,対象者のSRTと,SRTに対応するSNRから2dBおよび4dB低いSNRとにおいて測定される。SIIと明瞭度との関係性を示す散布図(scatterplots)が生成され,線形回帰関数(linear regression functions)がこの散布図に適合される。結果として得られる線形回帰式は,音声素材の各セットについての通常基準SII−明瞭度関数(normal reference SII-intelligibility functions)を規定する。測定スコアと予測スコアとの間のパーセント明瞭度差(percent intelligibility differences)は,各スコアについて,予測誤差(prediction error)または残差(residual)を規定する。これらの残差の平均値は線形回帰モデルでは必然的に0.00であり,残差は正規分布していると仮定される。このように,残差の標準偏差は,参照関数についての明瞭度スコアの範囲についての情報(information about the range of intelligibility scores about the reference function)を提供する。この範囲は,通常聴力を持つ対象者の個人差と,音声テスト素材に関連する測定誤差に起因する。
線形回帰分析における特定の参照関数の残差は正規分布していると仮定される。したがって,それらの標準偏差はzスコア(z-score)に変換することができ,通常の聴覚集団のある割合に及ぶzスコアの範囲をzp変換(z-to-p transform)を用いて決定することができる。この方法は,通常参照関数(normal reference functions)の周囲に上下境界を規定するために用いることができ,通常の聴覚集団の90%を含み,通常の聴覚集団の5%が上部境界の上に入り,かつ5%が下部境界の下に入る。上下境界を持つこの通常参照関数は,個々の補聴器ユーザの難聴を識別する分類ルールを規定するために用いることができる。
たとえば,平均残差が,通常サンプルからSII明瞭度データポイントの90%を含む上記通常参照関数の上下境界内に入る個人は,通常範囲内にあると考えられ,したがって第1のクラスに属するとして分類される。換言すると,聴感上の効果(effects of audibility)がSII算出によって考慮されると,第1のクラスに属するものとして分類される個人は,健聴者のものと同様に,様々なSNRおよび様々なSII値において騒音中の音声の理解について聴覚知覚処理の効率(efficiency of auditory perceptual processes)を提示する。
同様に,下側境界を下回る平均残差を持つ個々の関数は第2のクラスに属するものとして分類される。これらのSII−明瞭度関数は,これらの個人が通常の聴力を持つ個人(および聴感損失を持つ個人)と同じレベルの明瞭度を達成するためにはより大きなSII値を必要とすることを明らかする。第2のクラスに属するものとして分類される個人は,正常な聴力を持つ個人よりも騒音中の音声の理解について劣った聴覚処理効率(less efficient auditory perceptual processes)を提示する。
聴覚障害者について個々の関数は,通常サンプルからのSIIデータポイントの90%を含む上部境界を越える平均残差も提示する。このような関数は,健聴者と同等の少なくとも性能(performance)を提示し,第1のクラス(聴感損失)に属するように設定される。これに代えて,聴覚障害者に再指示および再テストすることを考慮してもよく,それは,同じSIIにおいて聴覚障害者が健聴者よりも高いレベルの明瞭度を達成するという事実が,SRT/SII算出が誤っていたおよび/または対象者が再指示されかつ再テストされることを必要とすることを示すことがあるからである。
この実施形態の別の変形例では,音声明瞭度指数の関数としての基準明瞭度と測定明瞭度に関する曲線間の傾斜差(the slope difference between the curves relating the norm intelligibility and the measured intelligibility as a function of the speech intelligibility index)によって,基準誤差が規定される。この場合,所定の閾値は,音声明瞭度指数における0.1ポイントの変化あたり10%の明瞭度に設定され(the predetermined threshold is set to be 10% intelligibility per 0.1 points of change in the speech intelligibility index), 変形例では,所定の閾値は,音声明瞭度指数における0.1ポイントの変化あたり5%から15%の範囲の値,さらには5%から25%の範囲の値を与えることができる。
さらなる変形例では,明瞭度を測定するときに用いられる言語に基づいて上記所定閾値が選択され,さらに他の変形例では,所定の閾値を,提示される音響音声テスト信号の雑音特性のような明瞭度測定の他のパラメータに依存させてもよい。さらに他の変形例では,上記所定の閾値を,提示される音響音声テスト信号が,個々の(個別の)単語,意味のある文章,または意味のない音節を含んでいたものかどうかに依存して決定することができる。
以下,第1のクラスに属するものとして分類される難聴を聴感損失として示すこともあり,第2のクラスに属するものとして分類される難聴を歪み損失として示すこともある。さらに,聴覚欠損および難聴の用語は交換可能に用いることができる。
第9のステップにおいて,補聴器ゲイン,補聴器特性または補聴器パラメータが,上記分類の結果に基づいて設定される。
変形例では,2つ以上の難聴クラスを含むことができる。一例として,上記分類は3つのクラスを含み,聴感損失が第1のクラスに,中程度の歪み損失が第2のクラスに,厳しい歪み損失が第3のクラスに入る。この例では,10%未満の基準誤差が第1のクラスに,10%以上30%未満の基準誤差が第2のクラスに,30%以上の基準誤差が第3のクラスに入る。しかしながら,さらなる変形例では,第2の所定の閾値を15%から40%の範囲から選択することができる。
この実施形態のさらに他の変形例では,補聴器ゲイン,補聴器特性または補聴器パラメータの設定は,分類の結果だけに基づくものでなく,基準誤差の定量値(すなわち大きさ)に直接基づくものでもよい。特に,基準誤差の定量値は,分類に応じて実行される補聴器調整の大きさを決定するために用いることができる歪み損失を定量化するために使用することができる。明らかではあるが,基準誤差の定量値は聴感損失を定量するためにも用いることができる。
しかしながら,聴感損失はオージオグラムに基づいて定量化することもできるので,これはさほど有利ではない。この発明の一実施形態では,ノイズ低減アルゴリズムが難聴分類の結果に応じて適合され,ノイズ低減アルゴリズムは,歪み損失よりも聴感損失について周波数範囲の減衰を少なくし,これは歪み損失タイプの難聴を持つ補聴器ユーザは,典型的には,積極的なノイズ低減から大きな利益を受けることができるからである。
ノイズ低減アルゴリズムの適合のさらなる詳細は,以下のステップを含むことができる。
−音声明瞭度指数を最適化するために少なくとも一の周波数チャンネルにおいてゲインを設定する,
−上記ゲインの初期設定の後,上記第1の難聴クラスに分類された聴覚欠損について,+3dBから−6dBの範囲の値を用いて少なくとも一の周波数チャンネルにおけるゲインを調整する,
または,ゲインの初期設定の後,第2の難聴クラスに分類された聴覚欠損について,0dBから−12dBの範囲の値を用いて少なくとも一の周波数チャンネルにおけるゲインを調整する。
概略的にはこの実施形態が目指すところは,信号対雑音比を増加することではなく,音声理解を損なうことなくできる限り減衰することにあり,すなわち可聴音声の手がかりはまだ聞こえていることを保証すること(assuring that audible speech cues are still audible)である。第1のクラスに分類される聴覚損失にとって,音(音声および雑音の混合)が快適レベルで聞こえる明瞭度が重要である。このカテゴリに属する補聴器ユーザは,したがって,デフォルト設定が示すものをできる限り減衰しないノイズ低減アルゴリズムを好むであろう。
この発明の別の実施形態では,聴感損失を持つ者についての補聴器圧縮器が,歪み損失を持つ者についての設定と比較して相対的に低い圧縮を持つように適合される。好ましくは,圧縮比は,聴感損失を持つ者について1:1〜1.5:1の範囲とすることができる。聴感損失を持つ者は,一般に,オリジナルの信号に類似する変調特性を持つ信号を処理しかつ解釈することができる。聴感損失を持つ者は,より安定的でかつ自然な音像を生成する遅い時定数を用いるダイナミックレンジ圧縮システムの利益を好む傾向がある。他方,歪み損失を持つ者は,振幅変調のディップにおいて搬送される信号情報(signal information conveyed in the dips of amplitude modulations)を利用することができない。その代わり,その者は,典型的には1.5:1よりも大きな圧縮比かつ比較的早い時定数を持つ圧縮システムによって実行される,低減された変調深さ(reduced modulation depth)を持つ処理信号からの利益を好む。
この発明のさらに別の実施形態では,ビーム形成特性を持つ補聴器が歪み損失を持つ補聴器ユーザに対して特に推奨され,これは,これらの補聴器ユーザは一般に空間的に分離されたノイズを比較的多くの有害として経験しており,したがってビーム形成特性からより多くの利益を受けるからである。
この発明のさらに別の実施形態では,聴感損失を持つ者について,補聴器圧縮器は,従来のオージオグラムに基づくゲイン処方(たとえば,NAL−NL2,DSLまたはメーカー独自の原理)と同等またはそれよりも大きなゲインによって処方されるように適合される。聴感損失を持つ補聴器ユーザは,高い音圧レベルの許容について一般に優れており,従来のゲイン原理が考慮する異常なラウドネス成長(すなわちラウドネス・リクルーメント)についての問題にさほど悩まされない。歪み損失を持つ者は,従来のオージオグラムベースのゲイン処方と同様またはそれより小さいゲインで処方されるべきである。歪み損失を持つ補聴器ユーザは,一般に異常なラウドネス成長に悩まされており,これは,歪み損失の特性である聴覚病理のタイプに関連するからである。従来のゲイン原理は異常なラウドネス成長を考慮するが,重い歪み損失を持つ者のために必要な程度を一般に考慮していない。
この発明のさらに別の実施形態では,補聴器は第1および第2の補聴器圧縮器を備えるように構成され,ここで第1の補聴器圧縮器が第1の信号レベル推定に基づいて第1のゲインを決定するように構成され,第2の補聴器圧縮器が第2の信号レベル推定に基づいて第2のゲインを決定するように構成され,第1の補聴器圧縮器がNAL−NL2,DSLまたはいくつかのメーカー独自の原理のような従来のオージオグラムベースのゲイン処方に基づいて個々の聴覚欠損を緩和するために与えられるべき第1のゲイン値を決定するように構成されており,第2の補聴器圧縮器が,上記第2のレベル推定が上記第1のレベル推定よりも小さいときに上記第1のゲイン値を低減し,かつ上記第2のレベル推定が上記第1のレベル推定よりも大きい場合に上記第1のゲイン値を維持するように構成され,上記第2の信号レベル推定器が第1の信号レベル推定器よりも高速のアタックおよびリリース時間を提供するように構成されている。
このタイプの補聴器は,歪み損失を持つ者にとって特に有利であり,それは,このような者は,一般に,たとえ音声アーティファクトが結果として導入されている場合であっても,可能な限り減衰される背景ノイズを有することから利益を得るからである。
次に図4aを参照して,図4aは時間の関数としての典型的な音声信号401の音圧レベル(SPL)をかなり模式的に示している。図4aは,短いポーズ(brief pauses)によって分けられた一連の音声音(speech sounds)として,音響用語における音声信号を示している。図4aはまた,音声信号の変動よりもかなりゆっくりしたアタックおよびリリース時間を提供するように構成される第1の音声レベル推定402を示している。一例として,第1の音声レベル推定は,音声レベル信号の90%パーセンタイルとして提供することができる。図4aに示されていないが(分かりやすくするためである),第2の音声レベル推定は,音声信号の変動よりも早いアタックおよびリリース時間を提供するように構成され,結果的に音声信号401に密接に追従する。一例として,第2の音声レベル推定も音声レベル信号の90%パーセンタイルとして提供することができる。このようにこの特定の実施形態では,第1および第2の音声レベル推定の唯一の違いは,アタックおよびリリース時間の速さである。
次に図4bを参照して,図4bは,歪み聴覚損失を有する個人にとって有益である適用ゲイン403を時間の関数としてかなり模式的に示しており,それは,音声シーケンス間のポーズ中の信号は主にノイズであり,歪み損失を蒙っている者は,通常,できる限りノイズが抑制されることを好むからである。
次に図5を参照して,図5は従来技術から知られている圧縮器を有する補聴器500をかなり模式的に示すもので,簡潔なやり方で図4bのゲイン(利得)動作を実装するために使用することができる。
補聴器500の信号経路は,音響入力信号を電気入力信号501に変換する入力トランスデューサまたはマイクロフォン515を備えている。この信号は2つの分岐,すなわちゲイン係数を算出するために用いられるゲイン分岐と,ゲイン乗算器513において修正されるレベルを持つことが意図される信号を搬送するために用いられる信号分岐に分割される。上記ゲイン分岐中の電気入力信号は,第1の信号レベル推定器505と第2の信号レベル推定器503とに供給され,これらはそれぞれ低速および高速で応答するように構成されている。したがって信号レベル推定器からの出力は,低速信号レベル推定に基づく第1の推定信号レベル504と,高速信号レベル推定に基づく第2の推定信号レベル502である。
次に第1の推定信号レベル504が2つの分岐,すなわち低速信号レベル推定に基づく入力に適する第1圧縮器509への入力として用いられる圧縮器入力分岐と,減算ユニット517において第2の推定信号レベル502から上記第1の推定信号レベル504を減算するために用いられる減算分岐とに与えられる。結果として得られる信号レベル506は次に第2圧縮器507への入力として用いられる。第1圧縮器509および第2圧縮器507は,それらのそれぞれの圧縮器入力レベルおよび圧縮器特性に基づいてゲインを決定する。以下において,第1および第2の信号レベル推定器および圧縮器を,ときに,それぞれ低速および高速信号レベル推定器および圧縮器と呼ぶ。参照符号510および508は,それぞれ第1圧縮器509および第2圧縮器507によって生成された圧縮器ゲイン制御出力である。次に加算ユニット514は上記圧縮器出力(複数)を加算し,最終ゲイン制御信号511を生成する。乗算器513が信号経路中に設けられており,上記最終ゲイン制御信号511を乗算することによって電気入力信号501を増幅して増幅信号512を生成し,これが次に出力トランスデューサ516によって音響出力信号に変換される。
好ましくは,推定信号レベル(502,504および506)および圧縮器ゲイン制御出力(508,510および511)をdBで与えることで,結果的に簡単な減算ユニット517および加算ユニット514となる。
次に図6を参照して,図6は,この発明の実施形態による図5を参照して説明した上記圧縮器のためのゲイン設定をかなり模式的に示している。第1のゲイン曲線601は図5の第1の圧縮器509によって決定されたゲインを示しており,第2のゲイン曲線602は図5の第2の圧縮器507によって決定されたゲインを示している。
すなわち図6は,第2の(すなわち高速の)推定信号レベルが第1の(すなわち低速の)推定信号レベルを超えた場合に,最終ゲイン制御信号511が第1の圧縮器509によって提供されるゲイン制御信号と等しくなることを示している。他方,第2の(すなわち高速の)推定信号レベルが第1の(すなわち低速の)推定信号レベルを下回る場合,たとえば音声シーケンス中のポーズのときに,最終ゲイン制御信号511が上記第1の圧縮器509によって提供されるゲイン制御信号に対して低減される。
図6に示すように,第2の(すなわち高速の)圧縮器507によって提供される拡張(expansion)は,上記第1の(すなわち低速の)推定信号レベル504が図6において破線603で示される所定の閾値を超えるときにだけ実行されるように選択してもよい。この閾値は,通常62dB SPLに設定される,低速音声のレベルに対応させてもよい。しかしながら,上記閾値を音声の他のレベルに対応させることが望まれるときには,上記閾値を60から68dB SPLの範囲から選択することもできる。さらに上記閾値は,上記拡張が,最小またはたとえば典型的な音声レベルを超える大きさのレベルを除くすべてのレベルについて提供されるべきである場合には,実際上,音圧レベルのより広い範囲から選択することができる。これに代えて,上記第2の(すなわち高速の)圧縮器507によって提供される拡張を,音声が検出されたときにだけ実行するように選択してもよい。
特定の実施形態では,上記第2の(すなわち高速の)圧縮器507によって提供される上記拡張比は2:1となるように選択され,これによってdBでのゲイン減少は第1および第2の推定信号レベルの差の2倍となる。しかしながら,変形例では,拡張比は1:1から3:1の拡張比の範囲から選択することができる。
このようにこの発明の実施形態では,補聴器ユーザのための補聴器システムのフィッティング方法は,第1の聴覚損失クラスに分類される聴覚欠損に比べて第2の聴覚損失クラスに分類される聴覚欠損について,音声シーケンス間のポーズ中に上記ゲインが減衰されるように,補聴器によって適用されるゲインが適合される。
開示する実施形態の変形例では,ある聴覚損失クラスに属するとして測定明瞭度を分類するステップが省略され,これに代えて基準誤差(すなわち,基準誤差の値)がゲインまたは補聴器パラメータを設定するために直接に用いられる。この発明による方法の特定の変形例では,基準誤差に対応する値および補聴器システムにおいて調整されるべきゲインまたは補聴器パラメータを記憶するルックアップ・テーブルに基づいて,ゲインまたは補聴器パラメータが直接に設定される。当業者に明らかなように,ルックアップ・テーブルの機能性は,基準誤差の関数として直接に調整されるゲインの値または補聴器パラメータを提供する数学的関数またはアルゴリズムのような,多くのやり方で実装することができる。
次に図3を参照して,図3は,図1と比較していくつかの追加詳細を持つ補聴器フィッティング・システムをかなり模式的に示している。補聴器フィッティング・システム100のコンピュータ102は,複数のメモリ(110,111および112)と,複数のデジタル信号処理装置(113,114,115,116,117,118および119)を備えている。
第1のメモリ110は,第1および第2の信号対雑音比をそれぞれ持つ第1および第2の音声テスト信号を表す第1のデジタル信号および第2のデジタル信号を表すデータを保持しており,第2のメモリ111は補聴器システムを装着する者のオージオグラムを表すデータを保持しており,第3のメモリ112は音声明瞭度指数の値の関数として応答の正解率の関係(relation between the relative correctness of the response)を表すデータを保持しており,ここで上記関係は健聴者の能力に基づいて取得される。
第1のデジタル信号処理装置113は第1および第2のデジタル信号を処理し,補聴器システムを装着している者に補聴器システムの電気−音響出力トランスデューサを通じて音声テスト信号を提供するように構成されている。第2のデジタル信号処理装置114は,音声テスト信号の内容を提供することによって,補聴器システムを装着している者に応答を促すように構成され,かつ音声テスト信号に対して補聴器システムを装着している者からの応答を受信するように構成されている。第3のデジタル信号処理装置115は,音声テスト信号についての応答の正解率(relative correctness)を表す第1および第2の値を算出するように構成されている。第4のデジタル信号処理装置116は第1および第2の音声テスト信号のそれぞれについて第1および第2の音声明瞭度指数の値を決定するように構成されており,ここで補聴器システムを装着している者のオージオグラムが考慮される。第5のデジタル信号処理装置117は上記補聴器システムを装着している難聴者からの応答の正解率を表す値と,第3のメモリから取得される正解率の値との間の違いに基づいて,基準誤差を算出するように構成されており,ここで音声明瞭度指数の同値が正解率の両方の値を取得するために用いられる。第6のデジタル信号処理装置118は,上記基準誤差が所定の閾値を超えているかどうかを決定し,上記決定に依存して上記補聴器システムを装着している聴覚障害者の難聴を分類するように構成されており,上記第7のデジタル信号処理装置119は上記分類に依存して補聴ゲイン,特性およびパラメータを設定するように構成されている。
変形例では,少なくともいくつかの様々なメモリおよびデジタル信号処理装置を,それぞれ一のメモリまたはデジタル信号処理装置に統合してもよい。
さらなる変形例では,第6のデジタル信号処理装置118は聴覚損失を分類するように構成されず,かつ第7のデジタル信号処理装置119は,上記分類に対応する補聴器ゲイン,特性またはパラメータを設定するように構成されない。これに代えて,第6のデジタル信号処理装置118が上記基準誤差の大きさに応じて補聴器ゲインまたはパラメータ調整を算出するように構成され,上記第7のデジタル信号処理装置119が上記算出された補聴器ゲインまたは補聴器パラメータの調整を設定するように構成される。この発明の特定の利点は,標準的に利用可能な臨床措置(standard available clinical measures)が患者の機能的な聴力を定量化するために用いられることであり,ここで上記定量化はこの発明による基準誤差の大きさのような単純な方法で提供される。
この発明の特定の利点は,患者の機能的な聴力を,時間のかかる適応方法,たとえば従来技術に記載されている音声聴取閾値(speech-reception-threshold)(SRT)を測定する方法を使用することなく,定量化できることである。
この発明のさらに別の特定の利点は,比較的違いの大きな信号対雑音比を有する少なくとも2セットの音響音声テスト信号を使用して実行される一連の明瞭度測定に基づくことができることであり,これによって明瞭度測定のロバスト性および/または精度,したがって機能的聴力の定量化を改善することができる。
この発明のさらに別の特定の利点は,測定明瞭度および対応する基準明瞭度の間の絶対差の平均として,(基準誤差の大きさを通じて)機能的聴力の定量化を決定することによって,差の簡単な平均化では差の大きさが反対符号となることを考慮しなくてもよいので,定量化の質が向上されることである。
この発明のさらに別の利点は,患者の機能的聴力が定量化され,したがって機能的難聴のタイプを分類するために用いることができ,これによってある補聴器特性のアクティベーションを,上記分類に依存して行うことができることにある。特に,機能的聴覚損失タイプの分類は,たとえばビーム形成のように,最大の利益を提供する補聴器特性が何かに関して補聴器フィッタが補聴器ユーザに提供することができるガイダンスの改善を通じてメリットになる。
この発明のさらに別の利点は,患者の機能的聴力を定量化して,その後に補聴器ゲインまたは補聴器パラメータの値を決定するときに直接に用いることができる点にある。特に,補聴器システムが,初期的には補聴器ユーザのオージオグラムに基づいてフィッティングすることができ,その後に機能的聴力の定量化を初期的フィッティングの選択設定の調整のために用いることができる点が有利である。
基本的に,この発明の重要な利点は,改善された補聴器フィッティングを提供することができる点にあり,それは補聴器特性の選択,補聴器ゲインおよび他の補聴器パラメータの設定を,機能的聴力の定量化および分類に依存させることができるからである。

Claims (27)

  1. 補聴器ユーザ用に補聴器システムをフィティングする方法であって,
    上記補聴器ユーザのオージオグラムを取得し,
    上記補聴器ユーザに第1の音響音声テスト信号を第1の信号対雑音比で提示し,かつ上記第1の音響音声テスト信号の内容を識別することを上記補聴器ユーザに促し,これによって第1の測定明瞭度を提供し,
    上記補聴器ユーザのオージオグラムを考慮して上記第1の音響音声テスト信号について音声明瞭度指数の第1の大きさを算出し,
    上記音声明瞭度指数の上記第1の大きさでの健聴者についての明瞭度を決定し,これによって第1の基準明瞭度を提供し,
    上記第1の測定明瞭度と上記第1の基準明瞭度との差に基づいて基準誤差を決定し,
    上記基準誤差が所定の閾値未満であるときに上記測定明瞭度を第1の難聴クラスに属するとして分類し,
    上記基準誤差が上記所定の閾値を超える場合に上記測定明瞭度を第2の難聴クラスに属するとして分類し,
    上記分類の結果に基づいて,ゲイン,補聴器特性または補聴器パラメータを設定する,
    方法。
  2. 上記補聴器ユーザに第2の音響音声テスト信号を第2の信号対雑音比で提示し,上記第2の音響音声テスト信号の内容を識別することを上記補聴器ユーザに促し,これによって第2の測定明瞭度を提供し,
    上記補聴器ユーザのオージオグラムを考慮して上記第2の音響音声テスト信号について音声明瞭度指数の第2の大きさを算出し,
    上記音声明瞭度指数の上記第2の大きさでの健聴者についての明瞭度を決定し,これによって第2の基準明瞭度を提供し,
    上記第1の測定明瞭度と上記第1の基準明瞭度との差に基づきかつ上記第2の測定明瞭度と上記第2の基準明瞭度との差に基づいて,上記基準誤差を決定する,
    請求項1に記載の方法。
  3. 上記基準誤差が,上記第1の測定明瞭度と上記第1の基準明瞭度との差の絶対値と,上記第2の測定明瞭度と上記第2の基準明瞭度との差の絶対値の平均として決定される,請求項2に記載の方法。
  4. 上記所定の閾値が5から20%の範囲にあり,上記明瞭度が上記補聴器ユーザによる正答のパーセンテージとして与えられる,
    求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 上記基準誤差が,上記音声明瞭度指数の関数としての上記測定明瞭度の曲線と,上記音声明瞭度指数の関数としての上記基準明瞭度の曲線との傾斜差に基づいて決定される,請求項2に記載の方法。
  6. 上記所定の閾値が,上記音声明瞭度指数における0.1ポイントの変化あたり10%の明瞭度である,請求項5に記載の方法。
  7. 上記明瞭度を測定するステップが,
    上記補聴器ユーザに一連の単語を提示し,
    上記補聴器ユーザに上記単語を繰り返すことを促し,
    上記補聴器ユーザの応答に基づいて正しく知覚された単語のパーセンテージを決定し,
    上記正しく知覚された単語のパーセンテージを上記測定明瞭度として用いるものである,
    求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 上記一連の単語を提示するステップが,文章または個々の単語に基づくものである,請求項7に記載の方法。
  9. 上記明瞭度を測定するステップが,
    静音下での最大快適レベルの測定に基づいて,上記補聴器ユーザに提示される一連の単語についての音声提示レベルを決定することをさらに含む,
    請求項7または8に記載の方法。
  10. 上記明瞭度を測定するステップが,所定の信号対雑音比が得られるように,音響音声テスト信号の雑音レベルを決定するステップをさらに含む,
    請求項7,8または9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 上記明瞭度を測定するステップがノイズ・スペクトルを成形するステップをさらに含み,上記スペクトルが,上記補聴器ユーザに提示される一連の単語の長期平均音声スペクトルに対応する,
    請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 上記第1の信号対雑音比が,上記基準明瞭度が15から45%の範囲に入るように選択され,
    上記第2の信号対雑音比が,上記基準明瞭度が55から85%の範囲に入るように選択される,
    請求項2に記載の方法。
  13. 上記第1の難聴クラスが,主として音声スペクトルの少なくとも一部が聞こえない機能的聴覚欠損に関連づけられており,
    上記第2の難聴クラスが,歪んだ聴覚処理に起因する機能的聴覚欠損に関連づけられている,
    求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 上記明瞭度の測定のステップが,ユーザ応答を記録する自動音声認識を用いるステップを含む,
    求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 上記オージオグラムを取得するステップが,
    非対称の聴覚損失である場合に良好な耳のオージオグラムを用いるステップをさらに含む,
    求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 上記補聴器ユーザのオージオグラムを考慮して音響音声テスト信号について音声明瞭度指数の第1の大きさを算出するステップが,所与の音響音声テスト信号について上記算出される音声明瞭度指数の第1の大きさが,健聴者と聴感損失を持つ聴覚障害者とで同じとなるように上記音声明瞭度指数を適応するステップを含む,
    求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 所与の大きさの音声明瞭度指数について健聴者の明瞭度を決定するステップが,健聴者についての上記明瞭度と上記音声明瞭度指数との関係から上記明瞭度を抽出するステップを含む,
    求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 上記関係が,健聴者についての上記明瞭度と上記音声明瞭度指数の一セットの対応値を用いた補間を使用することによって取得される,請求項17に記載の方法。
  19. 上記第2の難聴クラスに分類される聴覚欠損よりも上記第1の難聴クラスに分類される聴覚欠損について周波数範囲の減衰を少なくするようにノイズ低減アルゴリズムを適合するステップをさらに含む,
    求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 上記ノイズ低減アルゴリズムを適合するステップが,
    少なくとも一の周波数チャンネルにおけるゲインを設定して音声明瞭度指数を最適化し,
    上記第1の難聴クラスに分類される聴覚欠損について,上記ゲインの初期設定の後,+3dBから−6dBの範囲の値で少なくとも一の周波数チャンネルのゲインを調整し,
    上記第2の難聴クラスに分類される聴覚欠損について,上記ゲインの初期設定の後,0dBから−12dBの範囲の値で少なくとも一の周波数チャンネルのゲインを調整する,
    請求項19に記載の方法。
  21. 上記第2の難聴クラスに分類される聴覚欠損についてのアタックおよびリリース時間よりも上記第1の難聴クラスに分類される聴覚欠損についてより長いアタックおよびリリース時間を提供するように補聴器圧縮器を適合するステップをさらに含む,
    求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 上記第2の難聴クラスに分類される聴覚欠損についての圧縮比よりも上記第1の難聴クラスに分類される聴覚欠損についてより小さい圧縮比を提供するように補聴器圧縮器を適合するステップをさらに含む,
    求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 上記第1の難聴クラスに分類される聴覚欠損について,補聴器圧縮器のゲイン設定を適合して従来のオージオグラムベースのゲイン処方よりも高いゲインを提供し,かつ
    上記第2の難聴クラスに分類される聴覚欠損について,補聴器圧縮器のゲイン設定を適応して従来のオージオグラムベースのゲイン処方よりも低いゲインを提供する,
    ステップをさらに含む,
    求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 上記基準誤差の大きさに基づいて,上記ゲインの大きさ,または上記補聴器パラメータを設定するステップをさらに含む,求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 補聴器ユーザ用に補聴器システムをフィッティングする方法であって,
    上記補聴器ユーザのオージオグラムを取得し,
    上記補聴器ユーザに第1の音響音声テスト信号を第1の信号対雑音比で提示し,かつ上記第1の音響音声テスト信号の内容を識別することを上記補聴器ユーザに促し,これによって第1の測定明瞭度を提供し,
    上記補聴器ユーザのオージオグラムを考慮して上記第1の音響音声テスト信号について音声明瞭度指数の第1の大きさを算出し,
    上記音声明瞭度指数の上記第1の大きさでの健聴者について明瞭度を決定し,これによって第1の基準明瞭度を提供し,
    上記第1の測定明瞭度と上記第1の基準明瞭度との差に基づいて基準誤差を決定し,
    上記基準誤差に基づいて補聴器ゲインまたは補聴器パラメータを設定する,
    方法。
  26. クライアント,および上記クライアントが補聴器システムと通信できるようにするリンク手段を備える補聴器フィッティング・システムであって,上記クライアントがさらに,
    第1のメモリに記憶された,第1の信号対雑音比を持つ第1の音声テスト信号を表す第1のデジタル信号と,
    上記第1のメモリに記憶された,第2の信号対雑音比を持つ第2の音声テスト信号を表す第2のデジタル信号と,
    上記第1および第2のデジタル信号を処理して,上記補聴器システムの電気−音響出力トランスデューサを通じて上記補聴器システムの装着者に上記音声テスト信号(複数)を提供するように構成される第1のデジタル信号処理装置と,
    上記音声テスト信号(複数)の内容を提供することによって上記補聴器システムの装着者に応答を促すように構成され,かつ上記音声テスト信号(複数)に対する上記補聴器システムの装着者からの応答を受信するように構成される第2のデジタル信号処理装置と,
    上記音声テスト信号(複数)についての応答の正解率を表す第1および第2の値を算出するように構成される第3のデジタル信号処理装置と,
    上記補聴器システムの装着者のオージオグラムを表すデータを保持する第2のメモリと,
    上記補聴器システムの装着者のオージオグラムを考慮して,上記第1および第2の音声テスト信号のそれぞれについての音声明瞭度指数の第1および第2の値を決定するように構成される第4のデジタル信号処理装置と,
    上記音声明瞭度指数の値の関数としての上記応答の上記正解率間の関係であって,健聴者の能力に基づいて取得される関係を表すデータを保持する第3のメモリと,
    上記補聴器システムを装着している聴覚障害者からの応答の正解率を表す値と,上記第のメモリから取得される正率の値の差に基づいて基準誤差を算出するように構成され,同じ値の上記音声明瞭度指数が上記正解率の両方の値を取得するために用いられる,第5のデジタル信号処理装置と,
    上記基準誤差が所定の閾値を超えているまたは下回っているかどうかを決定し,かつ上記決定に依存して上記補聴器システムを装着している聴覚障害者の難聴を分類するように構成される第6のデジタル信号処理装置と,
    上記分類に依存して,補聴器ゲイン,特性またはパラメータを設定するように構成される第7のデジタル信号処理装置と,
    を備えている,補聴器フィッティング・システム。
  27. 上記第7のデジタル信号処理装置が,上記基準誤差の大きさに依存して,補聴器ゲインまたはパラメータの調整の大きさを設定するように構成されている,
    請求項26に記載の補聴器フィッティング・システム。
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