JP2005286868A - 受信方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 位相の誤差とタイミングの誤差を簡易にかつ高精度に補正する。
【解決手段】 補間フィルタ336は、第2誤差検出部56から入力したタイミング制御信号216にもとづいて、デジタル受信信号200のタイミング誤差を補正する。第2位相回転部132は、位相補正信号220にもとづいて等化器42で等化された信号を回転させる。第2誤差検出部56は、第2位相回転部132からの出力信号にもとづいて、位相誤差およびタイミング誤差を検出する。FWT演算部50はFWT演算し、ウォルシュ変換値FWTを出力する。最大値検索部52は、64個のウォルシュ変換値FWTを入力し、それらの大きさにもとづいて、ひとつのウォルシュ変換値FWTを選択する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、受信技術に関し、特に無線通信回線を介した信号の位相の誤差とタイミングの誤差を補正するための受信方法および装置に関する。
2.4GHz帯の無線周波数を使用したスペクトル拡散通信システムとして、IEEE802.11b規格の無線LAN(Local Area Network)が実用化されている。当該無線LANは、CCK(Complementary Code Keying)変調によって、11Mbpsの最大伝送速度を実現する。このようなCCK変調に対応した受信装置は、一般的に、送信された信号の波形のパターンを予め複数用意しており、受信した信号の波形に最も近い波形の送信信号を復調結果としている(例えば、特許文献1参照。)。
このようなIEEE802.11b規格の無線LANで使用されているスペクトル拡散方式は、直接拡散方式といわれる。直接拡散方式は、送信側において、送信すべき情報の信号よりも高い周波数を有した拡散符号によって送信すべき情報の信号を直接拡散し、受信側において、受信した信号を送信側と同一の拡散符号で逆拡散して、送信すべき情報を抽出する。このような直接拡散方式の受信装置には、抽出した送信すべき信号を復調するための復調回路の他に、拡散された受信信号の相関検出を行うための同期捕捉回路、検出された相関を保持すると共に拡散符号クロックを再生するためのディレーロックループなどの同期追跡回路が備えられている。このようなディレーロックループは、受信した信号のクロックとVCOから出力されるクロックが一致するように制御される。
特開2003−168999号公報
受信した信号のタイミングの同期を確立するために、VCO(Voltage Controlled Oscillator)を制御して受信装置の基準周波数を調節すれば調節の精度は高くなるが、その一方で、受信装置は高安定性のVCOを備える必要があり、それによって受信装置の製造コストが高価になる傾向がある。また、VCOは電圧制御であるために、ノイズ等の影響を抑えなければならず制御が容易でない。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易にかつ高精度に受信した信号のタイミングを同期させる受信方法および装置を提供することにある。
本発明のある態様は、受信装置である。この装置は、受信した信号の位相が、受信した信号が配置されるべき位相に近づくように、受信した信号の位相の誤差とタイミングの誤差をそれぞれ補正する補正部と、検出した誤差から誤差の代表値を導出し、導出した誤差の代表値にもとづいて推定した位相の誤差を補正部に帰還する位相誤差推定部と、検出した誤差から誤差の散らばりの程度を導出し、導出した誤差の散らばりの程度にもとづいて推定したタイミングの誤差を補正部に帰還するタイミング誤差推定部と、位相の誤差とタイミングの誤差をそれぞれ補正した信号を復調する復調部とを備える。
「代表値」とは、分布を代表する値のことであり、平均、中央値、最頻値等を含む。「散らばりの程度」とは、観測値がどのように散らばっているかを示すものであり、レンジ、偏差、分散、所定の値からの誤差の絶対値等を含む。
以上の装置により、受信した信号が配置されるべき位相に近づくように補正された信号の位相と、受信した信号が配置されるべき位相の誤差の散らばりの程度にもとづいて、タイミングの誤差の程度を推定するので、タイミングの誤差を容易に推定できる。
補正部は、信号の位相の回転量を調節する回転部と、信号の遅延時間を調節するフィルタとを備え、回転部は、位相誤差推定部から帰還された位相の誤差にもとづいて、信号の位相の回転量を調節し、フィルタは、タイミング誤差推定部から帰還されたタイミングの誤差にもとづいて、信号の遅延時間を調節してもよい。タイミング誤差推定部は、検出した誤差の絶対値の平均を計算し、計算した平均値にもとづいて、タイミングの誤差を推定してもよい。タイミング誤差推定部は、検出した誤差が所定のしきい値をこえた回数を計算し、計算した回数にもとづいて、タイミングの誤差を推定してもよい。タイミング誤差推定部は、検出した誤差の分散を計算し、計算した分散値にもとづいて、タイミングの誤差を推定してもよい。
補正部で補正の対象となるべき受信した信号は、複数の位相信号からそれぞれ生成された複数チップのウォルシュ符号をひとつのシンボルとした信号であり、検出部は、受信した信号が配置されるべき位相を複数チップのウォルシュ符号が配置された位相のいずれかに設定し、復調部は、位相の誤差とタイミングの誤差をそれぞれ補正した信号をひとつのシンボル単位でウォルシュ変換して、複数の相関値をそれぞれ生成し、生成した複数の相関値にもとづいて複数の位相信号を出力してもよい。
本発明の別の態様は、受信方法である。この方法は、受信した信号の位相の誤差とタイミングの誤差をそれぞれ補正し、位相の誤差とタイミングの誤差をそれぞれ補正した信号と受信した信号が配置されるべき位相との誤差を検出し、検出した誤差の代表値にもとづいて位相の誤差の残留成分を推定し、検出した誤差の散らばりの程度にもとづいてタイミングの誤差の残留成分を推定し、推定した位相の誤差の残留成分とタイミングの誤差の残留成分を補正に反映させる。
本発明のさらに別の態様も、受信方法である。この方法は、受信した信号の位相が、受信した信号が配置されるべき位相に近づくように、受信した信号の位相の誤差とタイミングの誤差をそれぞれ補正するステップと、位相の誤差とタイミングの誤差をそれぞれ補正した信号と受信した信号が配置されるべき位相との誤差を検出するステップと、検出した誤差から誤差の代表値を導出し、導出した誤差の代表値にもとづいて推定した位相の誤差を補正するステップに帰還するステップと、検出した誤差から誤差の散らばりの程度を導出し、導出した誤差の散らばりの程度にもとづいて推定したタイミングの誤差を補正するステップに帰還するステップと、位相の誤差とタイミングの誤差をそれぞれ補正した信号を復調するステップとを備える。
補正するステップは、信号の位相の回転量を調節するステップと、信号の遅延時間を調節するステップとを備え、回転量を調節するステップは、位相誤差推定部から帰還された位相の誤差にもとづいて、信号の位相の回転量を調節し、遅延時間を調節するステップは、タイミング誤差推定部から帰還されたタイミングの誤差にもとづいて、信号の遅延時間を調節してもよい。推定したタイミングの誤差を補正するステップに帰還するステップは、検出した誤差の絶対値の平均を計算し、計算した平均値にもとづいて、タイミングの誤差を推定してもよい。推定したタイミングの誤差を補正するステップに帰還するステップは、検出した誤差が所定のしきい値をこえた回数を計算し、計算した回数にもとづいて、タイミングの誤差を推定してもよい。推定したタイミングの誤差を補正するステップに帰還するステップは、検出した誤差の分散を計算し、計算した分散値にもとづいて、タイミングの誤差を推定してもよい。
補正するステップで補正の対象となるべき受信した信号は、複数の位相信号からそれぞれ生成された複数チップのウォルシュ符号をひとつのシンボルとした信号であり、検出するステップは、受信した信号が配置されるべき位相を複数チップのウォルシュ符号が配置された位相のいずれかに設定し、復調するステップは、位相の誤差とタイミングの誤差をそれぞれ補正した信号をひとつのシンボル単位でウォルシュ変換して、複数の相関値をそれぞれ生成し、生成した複数の相関値にもとづいて複数の位相信号を出力してもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、簡易にかつ高精度に受信した信号のタイミングを同期できる。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、IEEE802.11b規格の無線LANの無線装置、特に受信装置に関する。受信装置は、受信した信号であるCCK変調の信号をFWT(Fast Walsh Transform)演算する。さらに受信装置は、FWT演算して得られた複数の相関値の中から大きさが最大の相関値を選択し、当該選択した相関値に対応した位相信号の組合せをCCK変調に含まれた位相信号として再生する。ここで、CCK変調の信号は差動符号化した信号にもとづいて生成されているため、通常は、受信装置において絶対的な位相の補正を必要としなかった。
本実施例に係る受信装置は、受信したCCK変調の信号に対してFWT演算の前に絶対的な位相を補正し、さらにFWT演算によって生成された相関値に、相関値が同相成分の軸と直交成分の軸から離れるほど値が大きくなるような近似を行う。その結果、最終的に選択されるべき相関値は、近似した値の大きさが大きくなるような位相に配置される。そのため、当該相関値が複数の相関値の中から、選択される可能性が向上して、信号の受信特性が向上する。また、本実施例に係る受信装置は、絶対的な位相を補正したCCK変調の信号の位相とCCK変調の信号が配置されるべき位相、すなわち、「π/4」、「3π/4」、「−3π/4」、「−1/4」との間の位相の誤差を検出する。
さらに、検出した位相の誤差を平均した値、すなわち、ある程度長期的な位相の誤差にもとづいて、CCK変調の信号の絶対的な位相の補正に使用するための位相の誤差を推定する。一方、検出した位相差の散らばりの程度を表した値、例えば分散にもとづいて、CCK変調の信号を受信する際のタイミングの誤差を推定する。推定した位相の誤差とタイミングの誤差はFWT演算の前の処理にフィードバックされて、受信したCCK変調の信号の絶対的な位相の補正とタイミングの同期に反映される。
本実施例の前提として、IEEE802.11b規格におけるCCK変調の概略を説明する。CCK変調は、8ビットをひとつの単位(以下、この単位を「CCK変調単位」とする)とし、この8ビットを上位からd1、d2、・・・d8と名づける。CCK単位のうち、下位6ビットは、[d3,d4]、[d5,d6]、[d7,d8]単位でそれぞれQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)の信号点配置にマッピングされる。また、マッピングした位相をそれぞれ(φ2、φ3、φ4)とする。さらに、位相φ2、φ3、φ4から8種類の拡散符号P1からP8を以下の通り生成する。
Figure 2005286868
一方、CCK変調単位のうち、上位2ビットの[d1,d2]は、DQPSK(Differntial encoding Quadrature Phase Shift Keying)の信号点配置にマッピングされ、ここではマッピングした位相をφ1とする。なお、φ1が被拡散信号に相当する。さらに、被拡散信号φ1と拡散符号P1からP8より、以下の通り8通りのチップ信号X0からX7を生成する。
Figure 2005286868
送信装置は、チップ信号X0からX7の順に送信する(以下、チップ信号X0からX7によって構成される時系列の単位も「CCK変調単位」という)。なお、IEEE802.11b規格ではCCK変調の他に、DBPSK(Differntial encoding Binary Phase Shift Keying)やDQPSKの位相変調した信号が既知の拡散符号によって拡散されて送信される。
図1は、実施例に係る通信システムのバーストフォーマットを示す。このバーストフォーマットは、IEEE802.11b規格のShortPLCPに相当する。バースト信号は、図示のごとくプリアンブル、ヘッダ、データの領域を含む。さらに、プリアンブルは、DBPSKの変調方式によって伝送速度1Mbpsで通信され、ヘッダは、DQPSKの変調方式によって伝送速度2Mbpsで通信され、データは、CCKの変調方式によって伝送速度11Mbpsで通信される。また、プリアンブルは、56ビットのSYNC、16ビットのSFDを含み、ヘッダは、8ビットのSIGNAL、8ビットのSERVICE、16ビットのLENGTH、16ビットのCRCを含む。一方、データに対応したPSDUの長さは、可変である。
図2は、実施例に係る無線装置100の構成を示す。無線装置100は、アンテナ300、スイッチ部302、直交変調部304、直交検波部306、発振器308、ゲインアンプ310、ベースバンド処理部312、制御部334を含む。また、ベースバンド処理部312は、DA部314、送信フィルタ部316、変調部318、スクランブル部320、バースト組立部322、AD部324、AGC部326、復調部26、デスクランブル部328、バースト分解部330、MACインターフェース部332を含む。また、信号としてデジタル受信信号200、出力信号202を含む。
アンテナ300は、無線周波数の信号を送受信する。スイッチ部302は、直交変調部304から入力した信号をアンテナ300へ出力、あるいはアンテナ300から入力した信号を直交検波部306へ出力する。なお、直交変調部304から入力した信号と直交検波部306へ出力する信号は中間周波数であるので、スイッチ部302は、直交変調部304から入力した信号を無線周波数に変換してアンテナ300へ出力し、アンテナ300から入力した信号を中間周波数に変換して直交検波部306へ出力する。発振器308は、所定の周波数の信号、ここでは正弦波を発振する。直交検波部306は、発振器308から入力した所定の周波数の信号にもとづいて、スイッチ部302から入力した信号を直交検波する。一般的に直交検波したベースバンドの信号は同相成分と直交成分を有するので、2本の信号線が示されるべきであるが、ここでは図を簡潔に表示するため、これらの信号線を1本で示した。以下同様である。
ゲインアンプ310は、AGC部326で設定された利得にもとづいて直交検波部306で直交検波した信号を増幅する。AGC部326は、ゲインアンプ310で増幅された信号の振幅がAD部324のダイナミックレンジに入るように利得を制御する。AD部324は、ゲインアンプ310で増幅された信号をAD変換し、デジタル信号であるデジタル受信信号200を出力する。復調部26は、デジタル受信信号200を復調して出力信号202を出力する。ここで、デジタル受信信号200は、スペクトル拡散された信号であり、デジタル受信信号200は送信されたビット系列の情報である。デスクランブル部328は、デジタル受信信号200をデスクランブルする。バースト分解部330は、バースト信号を構成した信号を分解して、MACインターフェース部332に出力する。また、MACインターフェース部332は送信すべきビット系列を外部から入力する。
バースト組立部322は、入力したビット系列からバースト信号を構成する。スクランブル部320は、バースト信号をスクランブルする。変調部318は、スクランブル部320から入力した信号を変調して送信フィルタ部316に出力する。ここで、変調にはスペクトル拡散も含む。送信フィルタ部316は、変調した信号の高周波成分を遮断し、DA部314が送信フィルタ部316から入力した信号をDA変換する。直交変調部304は、DA部314から入力した信号を直交変調して、中間周波数の信号をスイッチ部302に出力する。制御部28は、無線装置100のタイミング等を制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリのロードされた予約管理機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図3は、復調部26の構成を示す。復調部26は、補間フィルタ336、第1位相回転部130、等化器42、相関器44、PSK復調部46、第1誤差検出部48、第2位相回転部132、FWT演算部50、最大値検索部52、φ1復調部54、第2誤差検出部56、スイッチ部60を含む。また、信号として、復調信号204、位相誤差信号206、フィルタ出力信号214、タイミング制御信号216、位相補正信号220、回転信号218、φ1信号208、φ成分信号210、ウォルシュ変換値FWTを含む。
補間フィルタ336は、第2誤差検出部56から入力したタイミング制御信号216にもとづいて、デジタル受信信号200のタイミング誤差を補正し、補正した信号をフィルタ出力信号214として出力する。補間フィルタ336の構成は後述するが、補間フィルタ336は、信号の遅延時間を調節できるフィルタとを備えており、タイミング制御信号216にもとづいて遅延時間が調節されるような構成になっている。なお、デジタル受信信号200は、図示しない送信側で複数の位相信号からそれぞれ生成されたCCK変調の信号であり、これは複数チップの信号がCCK変調単位でひとつのシンボルとされている。
第1位相回転部130は、後述の第1誤差検出部48から入力した位相誤差信号206によって、フィルタ出力信号214の位相を回転する。当該回転の結果、CCK変調の信号が配置されるべき位相のいずれかに近づくように、すなわち、フィルタ出力信号214の信号点が、同相成分の軸と直交成分の軸の中間の位相、すなわちπ/4、3π/4、5π/4、7π/4のいずれかに近づくように回転される。なお、第1位相回転部130での回転は、複素成分のベクトル演算によってなされてもよいし、位相成分のみの加減演算によってなされてもよい。
等化器42は、第1位相回転部130から出力された信号に含まれたマルチパス伝送路の影響を除去する。等化器42は、トランスバーサル型のフィルタによって構成される。なお、トランスバーサル型のフィルタにDFE(Decision Feedback Equalizer)が付加された構成であってもよく、また、等化器42のタップ係数が設定されるまでは、等化器42は、入力された信号をそのまま出力してもよい。
相関器44は、図1のバーストフォーマットのプリアンブルとヘッダのような所定の拡散符号で拡散された位相変調信号を逆拡散するために、等化器42から出力された信号を当該拡散符号で相関処理する。相関処理は、スライディング型の相関処理であってもよいし、マッチドフィルタ型の相関処理であってもよい。
PSK復調部46は、相関器44で逆拡散した逆拡散信号を復調する。逆拡散信号の変調方式がDBPSKあるいはDQPSKであるので、復調は遅延検波で実行される。第1誤差検出部48は、復調信号204にもとづいて位相誤差を検出する。詳細は後述するが、検出した位相誤差は、位相誤差信号206として出力される。
第2位相回転部132は、信号の位相を回転できる機能を有し、第2誤差検出部56で検出された位相の誤差である位相補正信号220にもとづいて回転量を調節し、当該回転量によって等化器42で等化された信号を回転させる。当該回転の結果、回転された信号はCCK変調された信号が配置された位相のいずれかに近づくように配置される。なお、同様の処理が第1位相回転部130でもなされているが、第2位相回転部132は、第1位相回転部130の処理の結果生じた位相誤差の残留成分を補正する。また、第2位相回転部132は、回転した信号を回転信号218として出力する。
第2誤差検出部56は、第2位相回転部132からの回転信号218にもとづいて、位相誤差およびタイミング誤差を検出する。検出の方法は後述するが、第2誤差検出部56は、検出した位相誤差およびタイミング誤差を位相補正信号220およびタイミング制御信号216としてそれぞれ出力する。
FWT演算部50は、図1のバーストフォーマットのデータ区間のようにCCK変調された信号に対応した値であって、第2位相回転部132からの回転信号218をFWT演算し、ウォルシュ変換値FWTを出力する。ここで、前述のごとく、回転信号218は、位相の誤差とタイミングの誤差をそれぞれ補正した信号である。FWT演算部50の処理をより具体的に説明すると、CCK変調単位のチップ信号を入力して、チップ信号間の相関処理によって、64個のウォルシュ変換値FWT、すなわち相関値を出力する。
最大値検索部52は、64個のウォルシュ変換値FWTを入力し、それらの大きさにもとづいて、ひとつのウォルシュ変換値FWTを選択する。さらに、選択したひとつのウォルシュ変換値FWTに応じて、φ1の遅延検波される前の信号に相当したφ1信号208と、φ2からφ4の組合せをφ成分信号210として出力する。φ1復調部54は、φ1信号208を遅延検波して、φ1を生成する。さらに、φ1からφ4の組合せから、伝送すべき情報信号のd1、d2、・・・d8を再生して出力する。すなわち、FWT演算部50、最大値検索部52、φ1復調部54は、補間フィルタ336、第1位相回転部130、第2位相回転部132、第2誤差検出部56によって位相の誤差とタイミングの誤差がそれぞれ補正された信号を復調する。
スイッチ部60は、PSK復調部46から出力された信号とφ1復調部54から出力された信号のいずれかを選択し、出力信号202として出力する。図1のバーストフォーマットのプリアンブルとヘッダの区間では、PSK復調部46から出力された信号を選択し、バーストフォーマットのデータ領域の区間では、φ1復調部54から出力された信号を選択し、選択した信号の反転信号を出力する。
図4は、第1誤差検出部48の構成を示す。第1誤差検出部48は、記憶部74、判定部70、複素共役部72、スイッチ部76、乗算部78を含む。
記憶部74は、図1のバーストフォーマットのプリアンブル領域に対応した既知の信号を記憶し、プリアンブル領域に該当するタイミングで記憶した既知の信号を出力する。
判定部70は、図1のバーストフォーマットのヘッダの区間において、予め定めた判定のしきい値にもとづいて、復調信号204の値を判定する。当該判定は、復調信号204の同相成分と直交成分に対してそれぞれ行う。なお、図1のバーストフォーマットのデータ領域の区間では、ヘッダの区間で導出した位相誤差信号206を引き続き出力してもよい。
複素共役部72は、判定部70で判定した信号の複素共役を計算する。
スイッチ部76は、プリアンブルの区間で記憶部74からの信号を参照信号として出力し、複素共役部72からの信号を参照信号として出力する。
乗算部78は、スイッチ部76から出力される参照信号と、復調信号204を乗算し、参照信号に対する復調信号204の誤差を位相誤差信号206として出力する。
図5は、補間フィルタ336の構成を示す。補間フィルタ336は、遅延部338と総称される第1遅延部338a、第N遅延部338n、第N+1遅延部338(n+1)、第N+2遅延部338(n+2)、第Z遅延部338z、係数乗算部340と総称される第1係数乗算部340a、第2係数乗算部340b、第N+1係数乗算部340(n+1)、総和部342、選択部344を含む。
遅延部338は、入力した信号を遅延する。ここで、遅延部338は、第1遅延部338aから第N遅延部338nと、第N+1遅延部338(n+1)から第Z遅延部338zのふたつに大きく分けられ、前者を前段遅延部と総称し、後者を後段遅延部と総称する。前段遅延部、係数乗算部340、総和部342は、入力したデジタル受信信号200のタイミングを高速なタイミングに変更する補間フィルタを構成する。前段遅延部は、デジタル受信信号200を遅延させ、係数乗算部340は遅延部338からの出力信号とデジタル受信信号200に対して、予め記憶した係数を乗算し、総和部342は係数乗算部340で係数を乗算した結果の総和を計算する。これらの構成がデジタル受信信号200のタイミングを高速なタイミングに変更する機能を有するために、係数乗算部340が記憶した係数は、予め計算やシミュレーション等によって規定された係数であって、かつその機能に応じた係数であるものとする。
後段遅延部と選択部344は、信号の遅延時間を調節する。後段遅延部は、総和部342から総和の結果を入力し、後段遅延部に含まれた第N+1遅延部338(n+1)、第N+2遅延部338(n+2)、第Z遅延部338z単位に入力した総和部342から総和の結果を出力する。選択部344は、タイミング制御信号216にもとづいて、後段遅延部に含まれた各遅延部から入力した総和部342から総和の結果のうちのひとつを選択し、選択した信号をフィルタ出力信号214として出力する。ここで、選択部344は、216にもとづいて、第N+1遅延部338(n+1)からの総和部342から総和の結果を選択したり、第N+2遅延部338(n+2)からの総和部342から総和の結果を選択したりすることによって、総和部342から総和の結果の遅延時間を調節する。
図6は、第2誤差検出部56の構成を示す図である。第2誤差検出部56は、検出部346、平均部348、係数乗算部350、加算部352、ジッタ計測部354、平均部356、判定部358を含む。
検出部346は、回転信号218を入力し、回転信号218を構成するCCK変調の信号の位相と当該CCK変調の信号が配置されるべき位相、すなわち「π/4」、「3π/4」、「5π/4」、「7π/4」のいずれかとの誤差を検出する。
平均部348は、検出部346で検出した誤差から誤差の代表値、ここでは平均値を導出する。平均値を導出するのは、検出した誤差に含まれたノイズの影響を低減するためである。係数乗算部350は、平均値に予め定めた係数を乗算する。なお、係数は固定の値にかきらず、バースト信号の先頭から徐々に値が変化するようなものであってもよい。加算部352は、係数を乗算した平均値をそれまでの値に加算して、位相の誤差を推定する。推定した位相は位相補正信号220として出力される。このように、検出部346、平均部348、係数乗算部350、加算部352と、図3の第2位相回転部132は、フィードバックループを構成しているので、位相の誤差が小さくなる方向に動作する。
ジッタ計測部354は、検出部346で検出した誤差の散らばりの程度として、検出部346で検出した誤差の絶対値を導出する。平均部356は、ジッタ計測部354で導出した検出部346で検出した誤差の絶対値の平均値を導出する。平均値を導出するのは、検出した誤差に含まれたノイズの影響を低減するためである。判定部358は、平均部356で導出した平均値を予め規定したしきい値と比較し、平均値がしきい値をこえていれば、タイミングの誤差が存在すると判定する。タイミングの誤差が存在すれば、図5の補間フィルタ336に含まれた選択部344が選択する信号を変更する、すなわち前後にずらすようにタイミング制御信号216を設定して、出力する。
以上のごとく、第2誤差検出部56は、検出部346で検出した誤差にもとづいて、タイミングの誤差を推定しているが、これらの関係を説明する。図7(a)−(f)は、タイミング誤差の影響を示す。図7(a)は、タイミングの誤差がない場合のCCK変調の信号の同相(I)成分と直交(Q)成分の波形を示す。図中に示した「1」、「2」、「3」、「4」は、信号をサンプリングするタイミングを示しており、ここでは、それぞれ波形の最大値および最小値でサンプリングしているので、タイミングの誤差がない。図7(b)は、図7(a)の波形のコンスタレーションを示す。タイミングの誤差がないので、CCK変調の信号はQPSKの信号点、すなわち「π/4」、「3π/4」、「5π/4」、「7π/4」に配置されている。図7(c)は、図7(b)の位相を「0」から「π/2」の位相に位相縮退させた場合のCCK変調の信号の配置を示す。図示のごとく、位相「π/4」に縮退して配置される。
図7(d)は、タイミングの誤差がある場合のCCK変調の信号のI成分とQ成分の波形を示す。図中に示した「1」、「2」、「3」、「4」は、図7(a)と異なって波形の最大値および最小値からずれており、このずれに相当したタイミングの誤差がある。図7(e)は、図7(d)の波形のコンスタレーションを示す。タイミングの誤差があるので、CCK変調の信号はQPSKの信号点(図中の「×」印)、すなわち「π/4」、「3π/4」、「5π/4」、「7π/4」からずれた位置に配置されている。
図7(f)は、図7(e)の位相を「0」から「π/2」の位相に位相縮退させた場合のCCK変調の信号の配置を示す。図示のごとく、それぞれのタイミングの信号は、位相「π/4」に存在せず、その周辺に散らばって配置されている。すなわち、タイミングの誤差が存在すれば、信号点は、CCK変調の信号が配置されるべき信号点に存在せず、CCK変調の信号が配置されるべき信号点の付近に散らばって存在する。そのため、この散らばりの程度にもとづいて、タイミングの誤差が推定できる。なお、CCK変調の信号に位相誤差のみが存在すれば、信号点は、CCK変調の信号が配置されるべき信号点に存在しないが、CCK変調の信号が配置されるべき信号点の付近に散らばらず、縮退するように存在する。
図8は、判定部358の判定原理を示す。図8は、図7(f)に対応し、図中の「×」印はCCK変調の信号が配置されるべきQPSKの信号点を示す。また、「1」、「2」、「3」、「4」と示した○印は、それぞれのタイミングでの信号点の配置を示す。前述のごとく、タイミングの誤差が生じれば、それぞれのタイミングでの信号点は、CCK変調の信号が配置されるべき信号点から散らばって配置される。そのため、図示のごとく、CCK変調の信号が配置されるべき信号点の位相を中心とした角度θをしきい値として設け、それぞれのタイミングでの信号点が角度θを外れた場合に、タイミングの誤差が生じていると判断できる。例えば、タイミング「1」、「2」等をCCK変調の信号の間隔であるとした場合に、タイミングの誤差が「1/16チップ」であれば「π/64」の位相の誤差が生じ、タイミングの誤差が「1/8チップ」であれば「π/32」の位相の誤差が生じ、タイミングの誤差が「1/4チップ」であれば「π/16」の位相の誤差が生じる。
判定部358は、上記のような判定原理にもとづいてタイミングの誤差の存在を判定しているが、さらにノイズの影響を低減させるため、それぞれのタイミングでの信号点の位相としきい値を直接比較せずに、前述のごとく、それぞれのタイミングでの信号点の誤差の絶対値を平均してから、しきい値と比較している。なお、説明の簡略化のために、図7(f)や図8のように位相を「0」から「π/2」の位相に位相縮退させたが、これに限らず、図7(e)のような状態で、以上の判定原理にもとづいて、タイミングの誤差の存在を判定してもよい。
図9は、FWT演算部50の構成を示す図である。FWT演算部50は、φ2推定部80と総称される第1φ2推定部80a、第2φ2推定部80b、第3φ2推定部80c、第4φ2推定部80d、φ3推定部82と総称される第1φ3推定部82a、第2φ3推定部82b、φ4推定部84を含む。また信号として、チップ信号Xと総称されるX0、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、第1相関値Yと総称されるY0−0、Y0−1、Y0−2、Y0−3、Y1−0、Y1−1、Y1−2、Y1−3、Y2−0、Y2−1、Y2−2、Y2−3、Y3−0、Y3−1、Y3−2、Y3−3、第2相関値Zと総称されるZ0、Z1、Z15、Z16、Z17、Z31、ウォルシュ変換値FWTと総称されるFWT0、FWT1、FWT63を含む。ここで、チップ信号Xは前述の回転信号218に相当し、CCK変調単位の回転信号218をそれに含まれた要素で示した信号である。
φ2推定部80は、それぞれふたつのチップ信号X、例えば、X0とX1を入力し、X0の位相を0、π/2、π、3π/2回転させて、X1と回転させたX0をそれぞれ加算して、Y0−0からY0−3をそれぞれ出力する。ここでは、X0を回転させた位相とφ2の位相が等しい場合に、該当する第1相関値Yの大きさが大きくなる。その結果、φ2を推定できる。
φ3推定部82は、φ2推定部80と同様に動作し、例えば、Y0−0からY0−3とY1−0からY1−3を入力して、Z0からZ15をそれぞれ出力し、第2相関値Zの大きさよりφ3を推定できる。φ4推定部84は、φ2推定部80と同様に動作し、Z0からZ31を入力して、FWT0からFWT63を出力し、ウォルシュ変換値FWTの大きさよりφ4、さらにφ1を推定できる。
図10は、第1φ2推定部80aの構成を示す。第1φ2推定部80aは、0位相回転部86、π/2位相回転部88、π位相回転部90、3/2π位相回転部92、加算部94と総称される第1加算部94a、第2加算部94b、第3加算部94c、第4加算部94dを含む。
0位相回転部86、π/2位相回転部88、π位相回転部90、3/2π位相回転部92は、X0の位相をそれぞれ0、π/2、π、3π/2回転させる。それらの出力は、加算部94でX1と加算される。
図11は、最大値検索部52の構成を示す。最大値検索部52は、選択部110、近似部112、比較部114と総称される第1比較部114a、第2比較部114b、第3比較部114c、第4比較部114d、第5比較部114e、第6比較部114f、第7比較部114g、最大値比較部116、最大値格納部118、最大値Index格納部120を含む。
選択部110は、FWT0からFWT63の64個のデータを入力し、8個ずつのデータを出力する。例えば、最初のタイミングでFWT0からFWT7を出力し、次のタイミングでFWT8からFWT15を出力する。
近似部112は、ウォルシュ変換値FWTの大きさを近似によって求める。ここでは、ウォルシュ変換値FWTの同相成分と直交成分をそれぞれIとQとすれば、絶対値和によって大きさRを求める。
(数3)
R = |I|+|Q|
比較部114は、8個のRを比較し、最大の大きさをもつウォルシュ変換値FWTを選択する。
最大値比較部116は、FWT0からFWT63の中で、前回の8個のウォルシュ変換値FWTの最大値と比較し、大きいほうを選択する。最終的には、FWT0からFWT63の中で最大の大きさをもつウォルシュ変換値FWTを選択する。選択されたウォルシュ変換値FWTは最大値格納部118に格納される。
最大値Index格納部120は、最大値格納部118に最終的に格納された最大のウォルシュ変換値FWTに対応したφ2からφ4の組合せを出力する。
図12は、最大値検索部52で選択されるべきウォルシュ変換した信号のコンスタレーションを示す。図中のI軸とQ軸は、それぞれ同相成分の軸と直交成分の軸を示し、図中の○印は、位相誤差のない場合の理想的なウォルシュ変換値FWTのコンスタレーションを示す。点線は、ウォルシュ変換値FWTの大きさを通常の2乗和で求めた場合と同様に一定の大きさを示す。一方、図中に示した正方形は、点線に対応したウォルシュ変換値FWTを前述の絶対値和で求めた場合の大きさである。なお、図中のI軸とQ軸に示した「1」と「−1」の値は、ウォルシュ変換値FWTを正規化した場合の値であって、実際のウォルシュ変換値FWTはこれ以外の値であってもよい。
正方形と点線のずれが、近似による誤差を示し、特にπ/4、3π/4、5π/4、7π/4で大きくなっている。しかしながら、図示のごとく、ウォルシュ変換値FWTのコンスタレーションが配置されるべき位相で近似した値が大きくなるため、当該ウォルシュ変換値FWTが選択されやすくなり、受信特性が向上する。一方、位相誤差およびタイミング誤差があれば、ウォルシュ変換値FWTのコンスタレーションは、図中の×印となるため、当該ウォルシュ変換値FWTが選択されにくくなり、受信特性の劣化の可能性がある。これを防止するために、本実施例では、補間フィルタ336、第1位相回転部130、第2位相回転部132、第2誤差検出部56で位相の誤差とタイミングの誤差を補正している。
以上の構成による復調部26の動作を説明する。プリアンブルとヘッダの区間において、相関器44は、等化器42で等化した信号を逆拡散し、PSK復調部46は復調し、それに応じてスイッチ部60は出力信号202を出力する。また、第1誤差検出部48は、復調信号204から位相誤差を検出して、第1位相回転部130は検出された位相誤差にもとづいてフィルタ出力信号214の位相を補正する。一方、データの区間において、補間フィルタ336は、タイミング制御信号216にもとづいてデジタル受信信号200のタイミングの誤差を補正して等化器42に出力し、第2位相回転部132は、位相補正信号220にもとづいて等化器42から入力した信号の位相の誤差を補正する。
第2誤差検出部56は、第2位相回転部132から入力した回転信号218にもとづいて、タイミング制御信号216と位相補正信号220を出力する。FWT演算部50は、第2位相回転部132から入力した回転信号218をFWT演算してウォルシュ変換値FWTを求め、最大値検索部52は、ウォルシュ変換値FWTの大きさを絶対値和で求めて、最大のウォルシュ変換値FWTに対応したφ2からφ4の組合せを出力し、φ1復調部54はφ1を出力する。
本発明の実施例によれば、受信した信号の絶対的な位相を予め補正しているので、補正した位相と受信した信号が配置されるべき位相の誤差から、受信した信号の位相の誤差とタイミングの誤差を推定できる。また、受信した信号の絶対的な位相を予め補正しているので、補正した位相と受信した信号が配置されるべき位相の誤差の散らばりの程度を統計処理してタイミングの誤差を推定するので、推定精度を高くできる。また、受信した信号の位相の誤差とタイミングの誤差を推定するための処理の一部を共有化できるので、処理量の増大を低減できる。また、タイミングの誤差の補正がフィルタの遅延時間の調整によってなされるので、タイミングの誤差の補正が容易になされる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、復調部26は、スペクトル拡散した信号を復調し、第2誤差検出部56は、CCK変調の信号の位相の誤差にもとづいて、位相の誤差およびタイミングの誤差を推定した。しかしながらこれに限らず例えば、スペクトル拡散されていないシングルキャリアの信号やマルチキャリアの信号を処理対象にしてもよい。その場合においても、シングルキャリアの信号やマルチキャリアの信号は位相空間の所定の位相に配置されており、第2誤差検出部56は、実施例と同様に誤差を小さくするように位相の誤差とタイミングの誤差を推定する。本変形例によれば、様々な通信システムに本発明を適用できる。つまり、信号点が所定の位相に配置されていればよい。
本発明の実施例において、第2誤差検出部56は、検出部346で検出した誤差の絶対値の平均値を導出し、導出した平均値を予め規定したしきい値と比較し、タイミングの誤差の存在を判定している。しかしながらこれに限らず例えば、第2誤差検出部56は、検出部346で検出した誤差が所定のしきい値をこえた回数を計算し、計算した回数が所定回数を超えた場合に、タイミングの誤差が存在すると判定してもよい。ここで、しきい値は、図8の角度θのように設けられる。本変形例によれば、カウンタによって処理を行えるので、処理がさらに簡易になる。つまり、検出部346で検出した誤差の散らばりの程度が分かればよい。
本発明の実施例において、第2誤差検出部56は、検出部346で検出した誤差の絶対値の平均値を導出し、導出した平均値を予め規定したしきい値と比較し、タイミングの誤差の存在を判定している。しかしながらこれに限らず例えば、第2誤差検出部56は、検出部346で検出した誤差の分散を計算し、計算した分散値を予め規定したしきい値と比較し、タイミングの誤差の存在を判定してもよい。本変形例によれば、検出部346で検出した誤差の散らばりの程度を分散によって検出するので、散らばりの程度の把握が正確になる。つまり、検出部346で検出した誤差の散らばりの程度が分かればよい。
本発明の実施例において、近似部112は、ウォルシュ変換値FWTの大きさの近似値Rを絶対値和によって求めている。しかしこれに限らず例えば、以下の通りにウォルシュ変換値FWTの大きさの近似値Rを求めてもよい。
(数4)
R = Max{|I|,|Q|}+0.5×Min{|I|,|Q|}
また、次のように求めてもよい。
(数5)
R = Max{|I|,|Q|}+0.5×Min{|I|,|Q|}−K×(Max{|I|,|Q|}−Min{|I|,|Q|})
また、ウォルシュ変換値FWTの位相とウォルシュ符号が配置された位相のいずれかとの誤差を計算し、誤差が小さくなればそれと反対に大きくなるような係数を計算する。ウォルシュ変換値FWTのIとQの2乗和に係数を乗算して、近似値Rを求めてもよい。本変形例によれば、受信特性をより向上できる。つまり、ウォルシュ変換値FWTの位相が、ウォルシュ符号が配置された位相のいずれかに近づくほど、近似値Rの大きさが大きくなればよい。
本発明の実施例において、第1位相回転部130と第2位相回転部132は、受信した信号の位相誤差のみを補正している。しかしこれに限らず例えば、位相誤差とは別に周波数誤差を補正してもよい。本変形例によれば、位相誤差の検出範囲を狭くでき、それに応じて位相誤差の検出精度を高くできるため、受信特性を向上できる。すなわち、受信した信号の位相誤差が補正されていればよい。
実施例に係る通信システムのバーストフォーマットを示す図である。 実施例に係る無線装置の構成を示す図である。 図2の復調部の構成を示す図である。 図3の第1誤差検出部の構成を示す図である。 図3の補間フィルタの構成を示す図である。 図3の第2誤差検出部の構成を示す図である。 図7(a)−(f)は、タイミング誤差の影響を示した図である。 図6の判定部の判定原理を示す図である。 図3のFWT演算部の構成を示す図である。 図9の第1φ2推定部の構成を示す図である。 図3の最大値検索部の構成を示す図である。 図3の最大値検索部で選択されるべきウォルシュ変換した信号のコンスタレーションを示す図である。
符号の説明
26 復調部、 42 等化器、 44 相関器、 46 PSK復調部、 48 第1誤差検出部、 50 FWT演算部、 52 最大値検索部、 54 φ1復調部、 56 第2誤差検出部、 60 スイッチ部、 70 判定部、 72 複素共役部、 74 記憶部、 76 スイッチ部、 78 乗算部、 80 φ2推定部、 82 φ3推定部、 84 φ4推定部、 86 0位相回転部、 88 π/2位相回転部、 90 π位相回転部、 92 3/2π位相回転部、 94 加算部、 100 無線装置、 110 選択部、 112 近似部、 114 比較部、 116 最大値比較部、 118 最大値格納部、 120 最大値Index格納部、 130 第1位相回転部、 132 第2位相回転部、 200 デジタル受信信号、 202 出力信号、 204 復調信号、 206 位相誤差信号、 208 φ1信号、 210 φ成分信号、 214 フィルタ出力信号、 216 タイミング制御信号、 218 回転信号、 220 位相補正信号、 300 アンテナ、 302 スイッチ部、 304 直交変調部、 306 直交検波部、 308 発振器、 310 ゲインアンプ、 312 ベースバンド処理部、 314 DA部、 316 送信フィルタ部、 318 変調部、 320 スクランブル部、 322 バースト組立部、 324 AD部、 326 AGC部、 328 デスクランブル部、 330 バースト分解部、 332 MACインターフェース部、 334 制御部、 336 補間フィルタ、 338 遅延部、 340 係数乗算部、 342 総和部、 344 選択部、 346 検出部、 348 平均部、 350 係数乗算部、 352 加算部、 354 ジッタ計測部、 356 平均部、 358 判定部、 FWT ウォルシュ変換値、 X チップ信号、 Y 第1相関値、 Z 第2相関値。

Claims (7)

  1. 受信した信号の位相が、前記受信した信号が配置されるべき位相に近づくように、前記受信した信号の位相の誤差とタイミングの誤差をそれぞれ補正する補正部と、
    前記位相の誤差とタイミングの誤差をそれぞれ補正した信号と前記受信した信号が配置されるべき位相との誤差を検出する検出部と、
    前記検出した誤差から誤差の代表値を導出し、前記導出した誤差の代表値にもとづいて推定した位相の誤差を前記補正部に帰還する位相誤差推定部と、
    前記検出した誤差から誤差の散らばりの程度を導出し、前記導出した誤差の散らばりの程度にもとづいて推定したタイミングの誤差を前記補正部に帰還するタイミング誤差推定部と、
    前記位相の誤差とタイミングの誤差をそれぞれ補正した信号を復調する復調部と、
    を備えることを特徴とする受信装置。
  2. 前記補正部は、信号の位相の回転量を調節する回転部と、信号の遅延時間を調節するフィルタとを備え、
    前記回転部は、前記位相誤差推定部から帰還された位相の誤差にもとづいて、信号の位相の回転量を調節し、
    前記フィルタは、前記タイミング誤差推定部から帰還されたタイミングの誤差にもとづいて、信号の遅延時間を調節することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記タイミング誤差推定部は、前記検出した誤差の絶対値の平均を計算し、計算した平均値にもとづいて、前記タイミングの誤差を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の受信装置。
  4. 前記タイミング誤差推定部は、前記検出した誤差が所定のしきい値をこえた回数を計算し、計算した回数にもとづいて、前記タイミングの誤差を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の受信装置。
  5. 前記タイミング誤差推定部は、前記検出した誤差の分散を計算し、計算した分散値にもとづいて、前記タイミングの誤差を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の受信装置。
  6. 前記補正部で補正の対象となるべき受信した信号は、複数の位相信号からそれぞれ生成された複数チップのウォルシュ符号をひとつのシンボルとした信号であり、
    前記検出部は、前記受信した信号が配置されるべき位相を前記複数チップのウォルシュ符号が配置された位相のいずれかに設定し、
    前記復調部は、前記位相の誤差とタイミングの誤差をそれぞれ補正した信号をひとつのシンボル単位でウォルシュ変換して、複数の相関値をそれぞれ生成し、前記生成した複数の相関値にもとづいて複数の位相信号を出力することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の受信装置。
  7. 受信した信号の位相の誤差とタイミングの誤差をそれぞれ補正し、前記位相の誤差とタイミングの誤差をそれぞれ補正した信号と前記受信した信号が配置されるべき位相との誤差を検出し、前記検出した誤差の代表値にもとづいて位相の誤差の残留成分を推定し、前記検出した誤差の散らばりの程度にもとづいてタイミングの誤差の残留成分を推定し、推定した位相の誤差の残留成分とタイミングの誤差の残留成分を補正に反映させることを特徴とする受信方法。
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