JP2005286815A - 電力増幅器 - Google Patents

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Abstract

【課題】多電源を使用したパワーアンプシステムにおいて、電源間の切換えをスムーズに行い、高効率で低発熱、低歪の効果を最大限に発揮できる電力増幅回路を実現する。
【解決手段】入力回路1と、第1、第2、第3と順次電圧が低下する3本の電源線11、12、13と、入力回路から夫々制御信号が入力するプッシュ側駆動回路2とプル側駆動回路3と、これらの駆動回路から出力される3本の駆動信号線と、第1、第2、第3の電源線にその導通路の一端が夫々接続され、3本の駆動信号線にそのゲートが夫々接続された3つの出力トランジスタM1,M2,M3と、これらの出力トランジスタの導通路の他端が共通に接続された出力端子15と、第3の電源線に接続された出力トランジスタのゲートインピーダンスを調整するインピーダンス回路4と、出力端子と入力回路の間に接続され帰還回路5とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、オーディオ信号用の電力増幅器(パワーアンプ)に係わり、特に複数チャネルのオーディオ信号を高い効率で増幅する高効率パワーアンプを内蔵した半導体集積回路に関するもので、例えばカーステレオ装置に搭載されるモノリシックパワーアンプICへの応用に好適な電力増幅回路に関する。
近年のように車載用オーディオ装置の大パワー化、多チャンネル化、マルチメディア化が進んでくると、高効率で発熱の少ないパワーアンプが一層望まれるようになってくる。オーディオ用のパワーアンプシステムとして、同一出力パワーで低発熱(低消費電力)とするために、従来から様々の試みがなされてきている。
例えば特許文献1においては、アナログ方式の高効率アンプシステムの中の1つとして、複数の電源レール間に複数のパワーアンプを縦に積み重ねるというKB級(Keyed B class)という方式が開示されている。この方式では、出力トランジスタがブリッジ接続された出力ブリッジ回路を有するBTL(Bridge Tied Load)型アンプを、例えば2つ縦積みして使用する。電源電圧をVccとした時、小信号入力時にはVcc/2電源でプッシュプル動作させ、大信号入力時には、Vcc電源を使用した従来のAB級動作に切り替えて、高効率で発熱の少ない電力増幅回路を実現している(特許文献1の図2〜図4参照)。
このKB級方式パワーアンプの基本構成の回路図を図8に示す。KB級パワーアンプは、上述のように、通常2つの増幅回路の出力トランジスタがブリッジ接続された形で使用されるが、図8はその一方を示したものである。
図8において、第1の電源レール11に接続された出力トランジスタQ1,及び第2の電源レール12に接続された出力トランジスタQ2、第3の電源レール13に接続された出力トランジスタQ3を具備しており、Q1,Q2の動作状態を制御するための、電位検出並びに駆動制御トランジスタQ4,Q5,入力信号を伝達するための入力回路10、入力回路10の信号を増幅し後段の出力トランジスタQ3を駆動するための駆動回路16、及び出力端子15の信号を入力回路10に帰還するための帰還回路17を具備している。
無信号状態のとき、出力電位は第2の電源レール12と第3の電源レール13との中間電位となるように設定されており、トランジスタQ4がONし、出力トランジスタQ2が動作状態となると、トランジスタQ4と差動スイッチを構成するトランジスタQ5はOFFし、出力トランジスタQ1は非動作状態となる。よって無信号状態では、Q2とQ3とでプッシュプルパワーアンプを形成している。
入力信号が増加しても、出力電位が第2の電源レールの電位を超えない場合は、トランジスタQ4がONし、Q2が動作状態となり、Q5はオフし、出力トランジスタQ1は非動作状態にある。よって、この期間は、出力トランジスタQ2が出力に電力を供給する状態となる。入力信号が増加して、出力電位が第2の電源レールに近い電位となれば、トランジスタQ5が徐々にONを始めて、出力トランジスタQ1が徐々に動作状態となる。よって、この期間は、Q1とQ2とで出力に電力を供給する状態となる。
さらに入力信号が増加して、出力電位が第2の電源レールの電位を超えるとQ5がONし、出力トランジスタQ1が動作状態となり、トランジスタQ4はOFFし、出力トランジスタQ2は非動作状態となる。よって、この期間はQ1のみが出力に電力を供給する状態となる。このように、出力電位に応じて、出力のパワートランジスタQ1,Q2の切換えを行い、複数の複数の異なる電源レールからの電力の供給の切換えを行うパワーアンプを実現している。
然しながら、この方式には幾つかの欠点がある。その1つは出力端子の状態が、パワーアンプの帰還回路の作用と、電位検出回路Q4,Q5で決定されるパワートランジスタの駆動状態の制御の2つの要因によって決定されているため、Q1とQ2のパワートランジスタの切替をスムーズに行なえないという欠点である。
即ち、電位検出回路Q4,Q5で設定された、Q1,Q2の出力トランジスタの切替の出力電位レベルが、Q2のコレクタ電位よりも高い設定になった場合、Q2からQ1への出力トランジスタの切替ができないことになってしまう。この場合、Q2のコレクタ電位は、第2の電源レール電位からQ2の残り電圧(Vce(sat))を差し引いたものになり、これはQ2の負荷駆動能力で決まる。
従って、切替出力レベルの設定を、第2の電源レール電位からQ2の残り電圧を差し引いたものよりも、充分に低い電位に設定する必要があった。即ち、複数の異なる電源レールからの電力の供給の切替を、低い出力電力状態で行なわなければならず、充分高効率化を発揮できない状態になっていた。これを回避するためには、Q2の負荷駆動能力を充分に大きくするため、Q2のチップ面積を大きくしなければならない問題があった。
特開2002−353746号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、複数チャネルのオーディオ信号を高い効率で増幅でき、高効率で発熱の少ないパワーアンプシステムを提供することを目的とする。より具体的には、複数の電源レール、複数の出力トランジスタを使用するパワーアンプシステムにおいて、出力トランジスタ間の切り替えをスムーズに行うことができ、かつパワートランジスタのチップ面積を必要以上に大きくすることなく、高効率化の作用を最大限に引き出すことができる回路方式を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の電力増幅回路は、入力信号と帰還信号が入力し、これらを増幅して第1及び第2の制御信号を出力する入力回路と、n本(nは2以上の自然数)からなり、最も高い第1から最も低い第nまで、順次電圧が降下する複数の電源線と、前記第1の電源線が接続され、前記第1の制御信号が入力し、n個の第1の駆動信号出力端子を有するプッシュ側駆動回路と、前記第nの電源線が接続され、前記第2の制御信号が入力し、n個の第2の駆動信号出力端子を有するプル側駆動回路と、前記プッシュ側及びプル側の前記n個の駆動信号出力端子を夫々対応して接続するn本の駆動信号線と、前記n本の電源線にその導通路の一端が夫々接続され、前記n本の駆動信号線にそのゲートが夫々接続されたn個のMOSトランジスタと、前記n個のMOSトランジスタの前記導通路の他端が共通に接続された出力端子と、前記第1の電源線と第1のMOSトランジスタのゲートの間、若しくは前記第nの電源線と第nのMOSトランジスタのゲートの間にその導通路が接続され、そのゲートが前記第1若しくは第nのMOSトランジスタのゲートに接続され、前記第1若しくは第nのMOSトランジスタのゲートインピーダンスを調整するインピーダンス回路と、前記出力端子と前記入力回路の間に接続され、前記入力回路に前記帰還信号を送出する帰還回路とを具備することを特徴とする。
上記の構成において、例えばn=3の場合は、第1の電源線を電源電圧(Vcc),第3の電源線を接地電位(GND)、第2の電源線をVcc/2とすると、小信号入力時は第2の電源線(Vcc/2)と第3の電源線(GND)を用い、第2、第3のMOSトランジスタによるプッシュプル動作をさせることにより、低消費電力(低発熱)での高効率動作を可能としており、大信号入力時は第1の電源線(Vcc)と第3の電源線(GND)を用い、第1のMOSトランジスタによる通常のAB級動作をさせることができる。
また、プル側駆動回路およびプッシュ側駆動回路から出力される3本の駆動信号線を有し、第2の駆動信号線で第2のMOSトランジスタを動作限界まで駆動し、第2のMOSトランジスタが動作限界に達した時、第1の駆動信号線が帰還信号に基づいて第1のMOSトランジスタの駆動を開始させるので、高効率動作を極限まで発揮させることができ、デジタルスイッチを用いた場合と異なり、第2のMOSトランジスタから第1のMOSトランジスタへの切換えを、非常にスムーズに行なうことができる。また、第3の駆動信号線が第2、第3のMOSトランジスタのアイドル電流を適切に設定することにより低歪動作を可能にしている。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1〜第5の実施形態に共通する電力増幅回路の基本構成を示す回路図(ブロック図)である。入力回路1は入力端子14から入力信号を受けるとともに、帰還回路5から帰還信号を受け、これらを増幅し、プッシュ側駆動回路2、プル側駆動回路3に第1あるいは第2の制御信号を与える。
プッシュ側駆動回路2は第1の電源レール(電源線)から電源を供給され、プル側駆動回路3は、第3の電源レール(電源線)から電源を供給されている。通常、第1の電源レールには、装置の電源(Vcc)が供給され、第3の電源レールは接地電位(GND)に接続される。プル側駆動回路2とプッシュ側駆動回路3は夫々3つの駆動信号出力端子を有し、対応するもの同士が接続されている。それらを第1、第2、第3の駆動信号線と呼ぶことにする。
出力部は、MOSトランジスタから成る3つの出力トランジスタM1,M2,M3で構成されている。第1の出力トランジスタ(PMOS)M1は第1の電源レールと出力端子の間にその導通路が接続され、ゲート端子に第1の駆動信号線が接続されている。第2の出力トランジスタ(PMOS)M2は、その導通路が第2の電源レールと出力端子の間に接続され、そのゲート端子に第2の駆動信号線が接続されている。第3の出力トランジスタ(NMOS)M3は,その導通路が出力端子と第3の電源レールの間に接続され、そのゲート端子に第3の制御信号線が接続されている。第3の出力トランジスタ(NMOS)M3のゲート端子と第3の電源レールの間には、ゲートインピーダンスを調整するためのインピーダンス回路4が接続されている。以上により、3つの電源レールを有する電力増幅器が構成されるが、これはKB級増幅回路システムに組み込むことが可能なものとなっている。
なお、入力回路1は、通常第1の電源レール(Vcc)と第3の電源レール(GND)に接続されて賦活されるが、必ずしも電位はVccとGNDであることを要せず、任意に設定できるので、図1においては電源接続は図示が省略されている。以降の図面においても同様とする。
図2は、第1の実施形態に係る電力増幅回路の、より具体的な回路図である。入力回路1、帰還回路5、出力部の3つのMOSトランジスタの部分は、図1と同じである。プッシュ側駆動回路2、プル側駆動回路3、インピーダンス回路4が具体的に示されている。
入力回路1の第1の制御信号により制御される、プッシュ側駆動回路としてのドライバトランジスタ(バイポーラトランジスタ)Qa1,Qa2,Qa3は、夫々エミッタ面積が4:1:2に選択されている。一方、入力回路1の第2の制御信号により制御される、プル側駆動回路3としてのドライバトランジスタ(バイポーラトランジスタ)Qb1,Qb2,Qb3は、夫々エミッタ面積が1:1:1に選択されている。
ドライバトランジスタQa1,Qa2,Qa3及びQb1,Qb2,Qb3は夫々連結されており、ドライバトランジスタQa1、Qb1の接続線(第1の駆動信号線)は第1の出力トランジスタM1のゲート端子に接続されてこれを駆動する。ドライバトランジスタQa2、Qb2の接続線(第2の駆動信号線)は第2の出力トランジスタM2のゲート端子に接続されてこれを駆動する。ドライバトランジスタQa3、Qb3の接続線(第3の駆動信号線)は第3の出力トランジスタM3のゲート端子に接続されてこれを駆動する。
第3の出力トランジスタM3のゲート端子と第3の電源レールの間には、ダイオード接続されたNMOSトランジスタM4が接続され、第3の出力トランジスタM3のゲートインピーダンスを調整している。出力端子15と入力回路1の間には、帰還回路5が接続されている。
入力端子14に供給される信号が無い無信号状態において、ドライバトランジスタQb1,Qb2,Qb3に流れる電流がIであるように、帰還回路5の作用を受けつつ入力回路1から前記第1および第2の制御信号が送られている。この場合、ドライバトランジスタQb2に流れる電流IはドライバトランジスタQa2にそのまま流れることになるので、Qa2流れる電流もIになる。ドライバトランジスタQa3はQa2の2倍のエミッタ面積を持つので、Qa3は2×Iの電流を流すことができる。その結果、NMOSトランジスタM4にはIの電流が流れることになり、NMOSトランジスタM4と第3の出力トランジスタM3の面積比で決まるアイドル電流Ioutが第2、第3の出力トランジスタM2,M3を通じて流れることになる。
一方、ドライバトランジスタQa1はQa2の4倍の面積を有するので、4×Iを流そうとするものの、ドライバトランジスタQb1の電流がIのため、電流比較の結果コレクタエミッタ間損失が少なくなり、Qa1のコレクタが第1の電源レール電位近くまで上昇する。この結果、第1の出力トランジスタM1はオフとなる。従って、この場合、第2の電源レール12と第3の電源レール13の間に直列接続された第2、第3の出力トランジスタM2、M3でプッシュプルアンプを構成していることになる。
まず、入力信号レベルが低く、出力信号レベルが第2の電源レール12の電位を超えない範囲での動作を説明する。入力信号が入力され、入力回路1はドライバトランジスタQb1,Qb2,Qb3に供給する電流を増加させ、一方でドライバトランジスタQa1,Qa2,Qa3に供給する電流を減少させるように働く。無信号時には、Qb2とQa2の電流を等しくするように帰還回路5が作用し、入力回路1の動作状態が決定していたため、Qb2の電流がQa2の電流を容易に超えることになる。換言すれば、Qb2のコレクタエミッタ間電圧が減少し、第2の出力トランジスタM2に流れる電流が増えることになる。
また、ドライバトランジスタQb1,Qb2の電流は等しいものの、Qa1の電流はQa2の電流よりも4倍多く流れるように設計されているために、入力信号レベルが低い状態では、第1の出力トランジスタM1はオフしたままの設定とされている。換言すれば、第2の出力トランジスタM2が動作してプッシュプルアンプを形成し、帰還回路5が作用している間は、ドライバトランジスタQb1,Qb2,Qb3の電流は必要以上に増えないため、このときのQb1の電流がQa1の電流を超えないようにドライバトランジスタQa1,Qa2のエミッタ面積比を採るようにする。よって、この期間においては、電力増幅回路は第2の電源レール及び第2の出力トランジスタM2を通じて、出力端子15に電力を供給する事になり、本回路を前述のKB級パワーアンプシステムに適用すれば、同一出力パワーで低発熱(低消費電力)の高効率動作となり得る。
なお、上記のプッシュプル動作において、プッシュ側駆動回路2のドライバトランジスタの出力電流が増えると、MOSトランジスタM2のゲート・ソース間容量の放電と、MOSトランジスタM1のゲート・ソース間容量の充電を同時に行なう。換言すれば、プッシュ側駆動回路及びプル側駆動回路の駆動信号出力端子は、駆動信号線を通じて対応するMOSトランジスタのゲート容量を充放電させている。
入力信号が増加して、出力電位が第2の電源レール12の電位に近づくと、第2の出力トランジスタM2の負荷駆動能力の限界に近づき、第2の電源レールの電位に対し出力端子15の出力波形がクリップし始める状態となる(所謂Ronで決まる第2の出力トランジスタM2の残り電圧の作用)。このとき、帰還回路5の作用により、入力回路からのドライバトランジスタQb1,Qb2,Qb3の駆動電流がさらに増加することになる。本帰還作用によりドライバトランジスタQb1の電流がQa1の電流より増えることになれば、第1の出力(PMOS)トランジスタM1のゲート電圧は次第に下降を始め、徐々に第1の出力トランジスタM1がONすることになる。よって、この期間は第1、第2の出力トランジスタM1,M2とで出力端子15に電力を供給する状態となる。
上記の期間は、本実施形態の回路をKB級パワーアンプシステムに適用した場合、同一出力パワーで低発熱(低消費電力)のKB級の高効率動作と、従来のAB級パワーアンプ動作との切替の境目の期間となる。
さらに入力信号が増加して、第1の出力トランジスタM1の動作により、出力電位が第2の電源レール12の電位を超えれば、第2の出力トランジスタM2のゲートは駆動されるものの、M2のドレイン・ソース電位は逆転することになる。このとき、第2の電源レールは流し込む方向のインピーダンスを高い設定としておけば(例えば、エミッタフォロワを用いた電源を使用するなど)、第2の出力トランジスタM2はカットオフしているものと見なせる。即ち、第2の電源レール12は、対応する第2の出力トランジスタM2に、一方向のみの電流を供給するように設定されている。
従って、この期間は第1の出力トランジスタM1のみが出力端子15に電力を供給する状態となる。よって、この期間においては、従来のAB級パワーアンプ動作と変わらず、低発熱(低消費電力)の高効率動作とはならないものの、第2の出力トランジスタM2が電力を供給するよりも、より高い電力を出力端子に供給することができる。
このように、出力端子15の出力電位に応じて、第1、第2の出力トランジスタM1,M2の動作状態の切替を行い、複数の異なる電源レールからの電力の供給の切替をスムーズに行なうパワーアンプシステムを実現しており、KB級パワーアンプシステムに適用した場合、低発熱(低消費電力)の効果を最大限発揮するパワーアンプシステムを実現することができる。
先に述べた、同一出力パワーで低発熱(低消費電力)の高効率動作と、従来のAB級パワーアンプ動作との動作状態の切換えとなる動作期間時における出力電力が高いほど、複数チャネルのオーディオ信号を高い効率で増幅している期間が多くなる。これにより、より高効率で発熱の少ないパワーアンプシステムとなるわけだが、本実施形態の場合、第2の出力トランジスタM2の動作限界(所謂残り電圧Ronと負荷に供給する電流の積)に至る出力信号レベルまで、同一出力パワーで低発熱(低消費電力)の高効率動作を行なうことができるため、KB級パワーアンプシステムに適用した場合、パワーアンプシステムの効率を最大限に向上させることが可能となる。また、第1、第2のの出力トランジスタM1、M2の動作切換えをパワーアンプの帰還ループの作用により行なうので、非常にスムーズな切換えが可能となり、安定動作にも適するものである。
なお、上記の効果は、本実施形態の電力増幅器が、プル側駆動回路およびプッシュ側駆動回路から出力される3本の駆動信号線を有し、第2の駆動信号線で第2の出力トランジスタM2を動作限界まで駆動し、第2の出力トランジスタM2が動作限界に達した時、第1の駆動信号線が帰還信号に基づいて第1の出力トランジスタM1の駆動を開始することに基づいている。また、第3の駆動信号線が第2、第3の出力トランジスタM2,M3のアイドル電流を適切に設定しているので、低歪の増幅を可能にしている。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係る電力増幅回路の回路図である。第2の実施形態が第1の実施形態と異なるところは、プッシュ側駆動回路2を構成するトランジスタがPMOSトランジスタMa1,Ma2,Ma3で構成され、プル側駆動回路3を構成するトランジスタがNMOSトランジスタMb1,Mb2,Mb3で構成されていることである。他の部分は第1の実施形態と同じなので、重複する説明を省略する。
プッシュ側ドライバトランジスタMa1,Ma2,Ma3は、ゲートの幅・長さ比(W/L)若しくはゲート面積比が4:1:2に選択されており、プル側ドライバトランジスタMb1,Mb2,Mb3は、ゲートの(W/L)若しくは面積比が1:1:1に選択されている。
第1の実施形態と同様に、入力端子に供給される信号が無い、無信号状態において、ドライバトランジスタMb1,Mb2,Mb3に流れる電流がIであるように、入力回路1に帰還回路5が作用している。その結果、NMOSトランジスタM4にもIの電流が流れることになり、NMOSトランジスタM4と第3の出力トランジスタM3の面積比で決まるアイドル電流Ioutが第2、第3の出力トランジスタM2,M3を通じて流れることになる。
一方、ドライバトランジスタMa1はMa2の4倍の面積を有するため、4×Iを流そうとするものの、Mb1の電流がIのため、電流比較の結果、ドライバトランジスタMa1のドレインが、第1の電源レール11の電位近辺まで上昇し、第1の出力トランジスタM1がオフ状態となる。このため、第2の電源レール12と第3の電源レール13の間に直列接続された第2、第3の出力トランジスタM2、M3にて、プッシュプルアンプが構成されている。
入力信号レベルが低く、出力信号レベルが第2の電源レール12の電位を超えない範囲では、入力回路1はドライバトランジスタMb1,Mb2、Mb3に供給する電圧を増加させ、一方でドライバトランジスタMa1,Ma2,Ma3に供給する電圧を減少させるように働く。その他の動作、入力信号レベルが増加した場合の動作は、第1の実施形態のドライバトランジスタQax,QbxをドライバトランジスタMax,Mbxと置き換えればよいので、重複する説明を省略する。
上記のように、プル側、プッシュ側駆動回路のドライバトランジスタをMOSトランジスタで構成しても、第1の実施形態と同様な効果を奏することが可能である。
(第3の実施形態)
図4は第3の実施形態に係る電力増幅回路の回路図である。第1の電源レール11と出力端子15の間に第1の出力トランジスタM1が接続されており、第2の電源レール12と出力端子15の間に第2の出力トランジスタM2が接続され、出力端子と第3の電源レールの間に第3の出力トランジスタM3が接続されている。
入力回路1により駆動される、プッシュ側駆動回路2としてのドライバトランジスタ(バイポーラトランジスタ)Qa1,Qa2,Qa3は、夫々エミッタ面積が4:1:2に設定されており、夫々のエミッタ抵抗Ra1,Ra2,Ra3は,1/4、1、1/2に設定されている。一方、入力回路1により駆動される、プル側駆動回路としてのドライバトランジスタ(バイポーラトランジスタ)Qb1,Qb2,Qb3は、夫々エミッタ面積が1:1:1に設定されており、夫々のエミッタ抵抗Rb1,Rb2,Rb3は1:1:1に設定されている。
ドライバトランジスタQa1,Qa2,Qa3とQb1,Qb2,Qb3は、夫々抵抗Rc1,Rc2,Rc3を介して連結されており、ドライバトランジスタQa1と抵抗Rc1の接続ノードは第1の出力トランジスタM1のゲート端子に接続されてこれを駆動する。ドライバトランジスタQa2と抵抗Rc2の接続ノードは第2の出力トランジスタM2のゲート端子に接続されてこれを駆動する。ドライバトランジスタQb3と抵抗Rc3との接続ノードは第3の出力トランジスタM3のゲート端子に接続されてこれを駆動する。
第3の出力トランジスタM3のゲート端子と第3の電源レール13の間には、ゲートが第3の出力トランジスタM3のゲートに接続され、ドレインがRc4を介して第3の出力トランジスタM3のゲートに接続されたNMOSトランジスタM4が接続されている。出力端子15と入力回路1の間には、帰還回路5が接続されている。抵抗Rc1,Rc2,Rc3は本回路の動作上、本質的には必要ないが、夫々Qb1,Qb2,Qb3の最大電流を制限する抵抗である。このため、車載用アンプに使用した場合、電源電圧が瞬時に大きく変動しても破壊を防ぐことが出来、信頼性が向上する。また、抵抗Rc4は、NMOSトランジスタM4のインピーダンスを上げるための調整抵抗であり、これらも本回路の動作上、本質的には必要ないものであるが、インピーダンスを上げることにより、更なる低歪化を実現できる。
第3の実施形態の電力増幅回路の動作は、第1の実施形態のそれと実質的に同じなので重複する説明は省略する。図4の回路構成であっても、図2の回路構成と同様な効果を奏することができる。
(第4の実施形態)
図5は、第4の実施形態に係る電力増幅回路の回路図である。第1の電源レール11と出力端子15の間に、第1の出力トランジスタM1が接続されており、出力端子15と第2の電源レール12の間に第2の出力トランジスタM2が接続されており、出力端子15と第3の電源レールの間に第3の出力トランジスタM3が接続されている。入力回路1により駆動される、プッシュ側ドライバトランジスタ(バイポーラ)Qa1,Qa2,Qa3は、夫々エミッタ面積が1:1:1に選択されており、一方入力回路1により駆動されるプル側ドライバトランジスタ(バイポーラ)Qb1,Qb2,Qb3は、夫々エミッタ面積比が4:1:2に選択されている。ドライバトランジスタQa1,Qa2,Qa3とQb1,Qb2,Qb3は、夫々連結されており、ドライバトランジスタQa1、Qb1の接続線(第1の駆動信号線)は第3の出力トランジスタM3のゲート端子に接続されてこれを駆動する。ドライバトランジスタQa2、Qb2の接続線(第2の駆動信号線)は第2の出力トランジスタM2のゲート端子に接続されてこれを駆動する。ドライバトランジスタQa3、Qb3の接続線(第3の駆動信号線)は第1の出力トランジスタM1のゲート端子に接続されてこれを駆動する。
第1の出力トランジスタM1のゲート端子と第1の電源レール11の間には、ダイオード接続されたNMOSトランジスタM4が接続されている。出力端子15と入力回路1の間には、帰還回路5が接続されている。
入力端子14に供給される信号が無い無信号状態において、ドライバトランジスタQa1,Qa2,Qa3に流れる電流がIであるように、帰還回路5の作用を受けつつ入力回路1から制御信号が送られている。この場合、ドライバトランジスタQa2に流れる電流IはドライバトランジスタQb2にそのまま流れることになるので、Qb2に流れる電流もIになる。ドライバトランジスタQb3はQb2の2倍のエミッタ面積を持つので、Qb3は2×Iの電流を流すことができる。その結果、NMOSトランジスタM4にはIの電流が流れることになり、NMOSトランジスタM4と第1の出力トランジスタM1の面積比で決まるアイドル電流Ioutが第1、第2の出力トランジスタM1,M2を通じて流れることになる。
一方、ドライバトランジスタQb1はQb2の4倍の面積を有するので、4×Iを流そうとするものの、ドライバトランジスタQa1の電流がIのため、コレクタエミッタ間損失が少なくなり、Qb1のコレクタが第1の電源レール電位まで下降する。この結果、第3の出力トランジスタM3はオフとなる。従って、この場合、第1の電源レール11と第2の電源レール12の間に直列接続された第1、第2の出力トランジスタM1、M2でプッシュプルアンプを構成していることになる。
まず、入力信号レベルが低く、出力信号レベルが第2の電源レール12の電位を超えない範囲での動作を説明する。負の入力信号が入力されると、入力回路1はドライバトランジスタQa1,Qa2,Qa3に供給する電流を増加させ、一方でドライバトランジスタQb1,Qb2,Qb3に供給する電流を減少させるように働く。無信号時には、Qa2とQb2の電流を等しくするように帰還回路5が作用し、入力回路1の動作状態が決定しているため、Qa2の電流がQb2の電流を容易に超えることになり、第2の出力トランジスタM2に流れる電流が増えることになる。ドライバトランジスタQa1,Qa2の電流は等しいものの、Qb1の電流はQb2の電流よりも4倍多く流れるように設計されているために、入力信号レベルが低い状態では、第3の出力トランジスタM3はオフしたままの設定とされている。換言すれば、第2の出力トランジスタM2が動作してプッシュプルアンプを形成し、帰還回路5が作用している間は、ドライバトランジスタQa1,Qa2,Qa3の電流は必要以上に増えないため、このときのQa1の電流がQb2の電流を超えないようにドライバトランジスタQb1,Qb2のエミッタ面積比を採るようにする。よって、この期間においては、電力増幅回路は第2の電源レール12及び第2の出力トランジスタM2を通じて、出力端子15に電力を供給する事になり、本回路をKB級パワーアンプシステムに適用すれば、同一出力パワーで低発熱(低消費電力)の高効率動作となり得る。
入力信号が増加して、出力電位が第2の電源レール12の電位に近づくと、第2の出力トランジスタM2の負荷駆動能力の限界に近づき、第2の電源レールの電位に対し出力端子15の出力波形がクリップし始める状態となる(所謂Ronで決まる出力トランジスタM2の残り電圧の作用)。このとき、帰還回路5の作用により、入力回路1からのドライバトランジスタQa1,Qa2,Qa3の駆動電流がさらに増加することになる。この帰還作用により入力回路1からのドライバトランジスタQa1,Qa2,Qa3の駆動電流がさらに増加することになる。本帰還作用により、ドライバトランジスタQa1の電流がQb1の電流より増えることになれば、第3の出力トランジスタM3のゲート電圧は次第に上昇を始め、徐々に第3の出力トランジスタM3がONすることになる。よって、この期間は第2、第3の出力トランジスタM2,M3とで出力に電力を供給する状態となる。
この期間は、本回路をKB級パワーアンプシステムに適用した場合、同一出力パワーで低発熱(低消費電力)の高効率動作と、従来のAB級パワーアンプ動作との切替における境目となる。
さらに入力信号が増加して、第3の出力トランジスタM3の動作により、出力電位が第2の電源レール12の電位を超えれば、第2の出力トランジスタM2のゲートは駆動されるものの、M2のドレイン・ソース電位は逆転することになる。このとき、第2の電源レールは掃き出す方向のインピーダンスを高い設定としておけば、第2の出力トランジスタM2はカットオフしているものと見なせる。従って、この期間は第3の出力トランジスタM3のみが出力に電力を供給する状態となる。よって、この期間においては、従来のAB級パワーアンプ動作と変わらず、低発熱(低消費電力)の高効率動作とはならないものの、第2の出力トランジスタM2が供給するよりも、より高い電力を出力端子に供給することができる期間となる。
このように、出力電位に応じて、第2、第3の出力トランジスタM2,M3の動作状態の切替を行い、複数の異なる電源レールからの電力の供給の切替を行なうパワーアンプを実現しており、KB級パワーアンプに適用することで、低発熱(低消費電力)のパワーアンプシステムを実現することができる。
本実施形態の構成は、第1の実施形態の図2の構成を上下方向で部分的に対称、即ち小入力信号入力時第1、第2のMOSトランジスタM1、M2でプッシュプル構成を採り、MOSトランジスタM4がM1のゲートインピーダンスを調整し、ドライバトランジスタQb1,Qb2,Qb3の面積比を変える構成となっており、図2の回路の上に図5の回路を重ねれば、2段積みのKBアンプシステムを容易に構成することができる。本実施形態の場合も、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第5の実施形態)
図6は、第5の実施形態に係る電力増幅回路の回路図である。第1の実施形態の図2と類似しているので、異なるところのみ説明し、重複する部分の説明は省略する。プッシュ側駆動回路2としてのドライバトランジスタ(バイポーラトランジスタ)Qa1,Qa2,Qa3は、夫々エミッタ面積が4:1:2に選択されていて、プル側駆動回路3としてのドライバトランジスタ(バイポーラトランジスタ)Qb1,Qb2,Qb3は、夫々エミッタ面積が1:1:1に選択されている点は第1の実施形態と同じである。
ドライバトランジスタQa1,Qa2,Qa3及びQb1,Qb2,Qb3は夫々連結されており、ドライバトランジスタQa1、Qb1の接続線(第1の駆動信号線)はPMOSトランジスタM7と第1の出力トランジスタM1のゲート端子に接続されてこれを駆動する。ドライバトランジスタQa2、Qb2の接続線(第2の駆動信号線)はPMOSトランジスタM6と第2の出力トランジスタM2のゲート端子に接続されてこれを駆動する。ドライバトランジスタQa3、Qb3の接続線(第3の駆動信号線)は第3の出力トランジスタM3のゲート端子に接続されてこれを駆動する。
第3の出力トランジスタM3のゲート端子と第3の電源レールの間には、NMOSトランジスタM5とM4が縦積み接続されており、NMOSトランジスタM4のゲートは第3の出力トランジスタM3のゲートに接続され、NMOSトランジスタM5のゲートは抵抗Rd1の一端に接続されている。抵抗Rd1の他端は第3の電源レール13に接続されている。PMOSトランジスタM7,M6は夫々第1、第2の出力(PMOS)トランジスタM1,M2とゲートを共通にし、PMOSトランジスタM7は第1の電源レール11と抵抗Rd1の一端間に接続され、PMOSトランジスタM6は第2の電源レール12と抵抗Rd1の一端間に接続されている。出力端子15と入力回路1の間には、帰還回路5が接続されている。
本実施形態の基本的な動作は、第1の実施形態と同じであるので重複する説明を省略し、異なる回路部分の動作のみ説明する。入力信号が無信号のとき、第2、第3の出力トランジスタM2,M3を流れるアイドル電流Ioutに比例した電流が、PMOSトランジスタM6を流れる。PMOSトランジスタM6に流れる電流が抵抗Rd1に流れ込むことで、NMOSトランジスタM5がオンする。NMOSトランジスタM5がオンすることによって、NMOSトランジスタM4がオンする。NMOSトランジスタM4がオンすることによって、無信号時に第3の駆動信号線よりNMOSトランジスタM5,M4に電流I1が流れる。
電流I1がNMOSトランジスタM4に流れることにより、M4のゲート・ソース電圧VGS4が発生する。電圧VGS4は第3の出力トランジスタM3のゲート・ソース電圧となり、電流I1によって発生したVGS4を正確に第3の出力トランジスタM3に供給することができる。従って、アイドル電流Ioutのばらつきが少なくなる。
次に、第3の駆動信号線の信号により第3の出力トランジスタM3が駆動されると、第2の出力トランジスタM2はカットオフされる。第2の出力トランジスタM2がカットオフされることにより、第3の出力トランジスタM3はカットオフされる。第3の出力トランジスタM3がカットオフされることにより、NMOSトランジスタM5もカットオフされる。
これにより、第3の駆動信号線からNMOSトランジスタM4に流れ込む電流はゼロになるので、ドライバトランジスタ側からみた第3の出力トランジスタM3のゲートインピーダンスが高くなる。従って、増幅回路全体のゲインが大きくなり、低歪増幅が可能になる。
更に、NMOSトランジスタM5の面積を非常に小さくして、第3の駆動信号線からの信号がゼロの時および第3の出力トランジスタM3が駆動される時の第3の出力トランジスタM3のゲートインピーダンスの比を小さくすることにより、更なる低歪増幅を可能にする。ここで、NMOSトランジスタM5の面積を非常に小さくしても、無信号時のNMOSトランジスタM4のゲート・ソース電圧を変化させることが無いため、アイドル電流Ioutを増加させない。また、NMOSトランジスタM5の面積を、第1の出力トランジスタM1に対して非常に小さくできるため、チップサイズが小さくなる。
上記は、第2の出力トランジスタM2とゲートが共通に接続されたPMOSトランジスタM6について動作を説明したが、第1の出力トランジスタM1とゲートが共通に接続されたPMOSトランジスタM7についても同様である。
以上のように、第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏することはもとより、アイドル電流のばらつきをより少なくすることができ、ほぼ完全な低歪増幅が可能になる。
(第6の実施形態)
第1〜第5の実施形態では、3個の電源レールがある場合を説明したが、本発明はこれに限るものではない。図7は第6の実施形態に係る電力増幅回路の回路図であり、n個(nは2以上の整数)の電源レールを有している。
出力MOSトランジスタもM1〜Mnのn個有しており、プッシュ側駆動回路2とプル側駆動回路3の間を、n本の駆動信号線が連結している。このn本の駆動信号線は、夫々n個の出力MOSトランジスタのゲートに接続されている。出力トランジスタMnのゲートと第nの電源レールの間にはインピーダンス回路4が接続され、出力端子15と入力回路1の間には帰還回路5が接続されている。
なお、図7は図3に対応する形のn段構成を示したが、図5に対応する形のn段構成も可能であることは言うまでも無い。このように、n個の電源レールを有する場合は、計算上の理論電力効率はB級アンプのn倍に改善され、理論消費電力(発熱)も大幅に改善することができる。
以上、本発明の電力増幅回路の実施形態を、KB級アンプに適用する場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではなく、複数の電源を信号レベルに応じて切り替えるG級、信号レベルが大きい時に電源電位を一時的にリフトアップするH級のパワーアンプシステムなどにも適用可能である。
また、実施形態では、プッシュ側駆動回路のドライバトランジスタのエミッタ、若しくはゲート面積比を4:1:2としたが、この比は例示であり適宜変更可能である。その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々変更して実施することが可能である。
3個の電源レールを用いた場合の実施例に共通する概念を説明するための回路図。 第1の実施形態に係る電力増幅回路の回路図。 第2の実施形態に係る電力増幅回路の回路図。 第3の実施形態に係る電力増幅回路の回路図。 第4の実施形態に係る電力増幅回路の回路図。 第5の実施形態に係る電力増幅回路の回路図。 n個の電源レールを用いた場合の実施例に共通する概念を説明するための電力増幅回路の回路図。 従来のKB級電力増幅回路の基本構成を示す回路図。
符号の説明
1、10…入力回路
2…プッシュ側駆動回路
3…プル側駆動回路
4…インピーダンス回路
5、17…帰還回路
11…第1の電源レール
12…第2の電源レール
13…第3の電源レール
14…入力端子
15…出力端子
16…駆動回路
M1,M2、M3、Mn、Q1,Q2,Q3…出力トランジスタ
M4、M5.M6,M7…インピーダンス制御用トランジスタ
Ma1,Ma2,Ma3、Qa1,Qa2,Qa3…プッシュ側ドライバトランジスタ
Mb1,Mb2,Mb3、Qb1,Qb2,Qb3…プル側ドライバトランジスタ
Ra1,Ra2,Ra3,Rb1,Rb2,Rb3、Rc1,Rc2,Rc3,Rc4、Rc5、Rd1…抵抗

Claims (5)

  1. 入力信号と帰還信号が入力し、これらを増幅して第1及び第2の制御信号を出力する入力回路と、
    n本(nは2以上の自然数)からなり、最も高い第1から最も低い第nまで、順次電圧が降下する複数の電源線と、
    前記第1の電源線が接続され、前記第1の制御信号が入力し、n個の第1の駆動信号出力端子を有するプッシュ側駆動回路と、
    前記第nの電源線が接続され、前記第2の制御信号が入力し、n個の第2の駆動信号出力端子を有するプル側駆動回路と、
    前記プッシュ側及びプル側の前記n個の駆動信号出力端子を夫々対応して接続するn本の駆動信号線と、
    前記n本の電源線にその導通路の一端が夫々接続され、前記n本の駆動信号線にそのゲートが夫々接続されたn個のMOSトランジスタと、
    前記n個のMOSトランジスタの前記導通路の他端が共通に接続された出力端子と、
    前記第1の電源線と第1のMOSトランジスタのゲートの間、若しくは前記第nの電源線と第nのMOSトランジスタのゲートの間にその導通路が接続され、そのゲートが前記第1若しくは第nのMOSトランジスタのゲートに接続され、前記第1若しくは第nのMOSトランジスタのゲートインピーダンスを調整するインピーダンス回路と、
    前記出力端子と前記入力回路の間に接続され、前記入力回路に前記帰還信号を送出する帰還回路と、
    を具備することを特徴とする電力増幅回路。
  2. 入力信号と帰還信号が入力し、これらを増幅して第1及び第2の制御信号を出力する入力回路と、
    第1の電源電圧が与えられる第1の電源線と、
    前記第1の電源電圧より低い第2の電源電位が与えられる第2の電源線と、
    前記第2の電源電圧より低い第3の電源電圧が与えられる第3の電源線と、
    前記第1の電源線が接続され、前記第1の制御信号が入力し、3個の駆動信号出力端子を有するプッシュ側駆動回路と、
    前記第3の電源線が接続され、前記第2の制御信号が入力し、3個の駆動信号出力端子を有するプル側駆動回路と、
    前記プッシュ側及びプル側駆動回路の前記3個の駆動信号出力端子を夫々対応して接続する3本の駆動信号線と、
    前記第1、第2、第3の電源線にその導通路の一端が夫々接続され、前記3本の駆動信号線にそのゲートが夫々接続された第1、第2、第3のMOSトランジスタと、
    前記第1、第2、第3のMOSトランジスタの前記導通路の他端が共通に接続された出力端子と、
    前記第1の電源線と第1のMOSトランジスタのゲートの間、若しくは前記第3の電源線と第3のMOSトランジスタのゲートの間にその導通路が接続され、そのゲートが前記第1若しくは第3のMOSトランジスタのゲートに接続され、前記第1若しくは第3のMOSトランジスタのゲートインピーダンスを調整するインピーダンス回路と、
    前記出力端子と前記入力回路の間に接続され、前記入力回路に前記帰還信号を送出する帰還回路と、
    を具備することを特徴とする電力増幅回路。
  3. 前記入力回路の前記入力信号が増加するとき、前記第1の制御信号は前記プッシュ側駆動回路の前記駆動信号出力端子の出力電流を減少させ、前記第2の制御信号は前記プル側駆動回路の前記駆動信号出力端子の出力電流を増加させることを特徴とする請求項1または2に記載の電力増幅回路。
  4. 前記プッシュ側駆動回路及び前記プル側駆動回路の前記駆動信号出力端子は、前記駆動信号線を通じて対応する前記MOSトランジスタのゲート容量を充放電させることを特徴とする請求項1または2に記載の電力増幅回路。
  5. 前記インピーダンス回路は、前記入力信号が無い状態において、前記第1の電源線若しくは第nの電源線に最も近接する2つのMOSトランジスタに流れる電流を決定することを特徴とする請求項1に記載の電力増幅回路。
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