JP2005286084A - 量子化コンダクタンス素子、これを用いた磁場変化検出方法及び磁気検出方法、並びに量子化コンダクタンス素子の製造方法 - Google Patents

量子化コンダクタンス素子、これを用いた磁場変化検出方法及び磁気検出方法、並びに量子化コンダクタンス素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 イオン伝導層(13)が被覆された第1電極(11)と第2電極(12)とを、イオン伝導層と第2電極とを近接させて配設すると共に、近接部において、第1電極と第2電極とが、第1電極からイオン伝導層を貫通するように形成されたマクロ架橋部(15)と、マクロ架橋部の露呈面と第2電極との間に形成された量子化コンダクタンスを呈する金属ナノ架橋(14)とにより導通可能に接続されてなる量子化コンダクタンス素子、これを用いた磁場変化検出方法及び磁気検出方法並びに量子化コンダクタンス素子の製造方法。
【効果】 高い空間分解能で磁気を検出することができると共に、微細な空間における微弱な磁場変化を精度よく検出することができ、特に、テラビット級の磁気記録媒体などに形成される微細セルに保持される微小な磁気を感度よく、良好に、かつ連続的に検出することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、量子化コンダクタンス素子、これを用いた磁場変化検出方法及び磁気検出方法、並びに量子化コンダクタンス素子の製造方法、特に、テラビット級の磁気記録媒体などに形成される微細磁気セルに保持される微小な磁気を良好に、連続的に検出することができる量子化コンダクタンス素子、これを用いた磁場変化検出方法及び磁気検出方法、並びに量子化コンダクタンス素子の製造方法に関する。
磁気記録分野において、記録媒体の記録単位の高密度化の要求に伴い、これを達成し得る記録媒体を与える磁性材料の開発が進められているが、この記録媒体の高密度化の進捗に伴い、このような高密度磁気記録媒体が磁気記録装置として成立するためには、記録媒体の高密度化によってますます低下する微弱な磁気に応答し、かつ高い空間分解能を有する磁気センシングが必要となる。
磁気記録媒体の高密度化要請に伴い、磁気センシングの研究開発も進み、現在では、強磁性体薄膜内を流れる電流が受ける電気抵抗の磁気に対する変化、又は2つの強磁性体薄膜の間への絶縁体極薄膜の挿入により実現されるトンネル電流の磁場に対する変化を利用した薄膜磁気センサが実用化されているが、これらの磁気センサ素子では、磁場応答にあずかる領域の微細化は、微細加工限界で律則され、磁気検出の空間分解能も、高々、微細加工限界程度であると考えられている。
そこで、高い空間分解能で磁気を検出する方法として、スピン偏曲した電子のトンネル電流を検出する方法や磁区内の磁気双極子による力を感受する方法など、走査型プローブ顕微鏡で培われた技術の応用が模索されているが、走査型プローブ顕微鏡の探針は形成が困難であることや、探針の破壊を避けるための保護手段がないことが問題としてあり、更に、そのような探針を用いて実用的な磁気検出速度を達成することが現実的ではないことから、磁気記録装置に応用することは事実上不可能である。
一方、Ni,Pt,Cuなどの金属原子が数個並んで形成されたナノメータースケールの導電体、いわゆる金属ナノ架橋が量子化されたコンダクタンス(量子化コンダクタンス)を示すことが知られているが、このような金属ナノ架橋のコンダクタンスは100Oe程度の低磁場で大きく変化する。このような金属ナノ架橋をそのまま磁場変化の検出部として適用できれば、微弱磁場におけるいわゆるAB効果のような電子波干渉作用や磁場スイッチングをナノメータースケールという極めて高い空間分解能で検出することができるものと期待される。
なお、この発明に関する先行技術文献情報としては以下のものがある。
特開2002−76325号公報 特開2002−141494号公報 特表2001−506806号公報 特開2003−166929号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、微弱な磁場変化、特に、テラビット級等の磁気記録媒体などに形成される微細磁気セルに保持される微弱な磁気を感度よく、良好に、かつ連続的に検出することができる量子化コンダクタンス素子、これを用いた磁場変化検出方法及び磁気検出方法、並びに量子化コンダクタンス素子の製造方法を提供することを目的とする。
そこで、上記目的を達成するため、本発明は、第1金属を含む化合物からなるイオン伝導層が被覆された上記第1金属からなる第1電極と、上記第1金属とは異なる第2金属からなる第2電極とを、上記イオン伝導層と上記第2電極とを近接させて配設すると共に、上記近接部において、上記第1電極と第2電極とが、上記第1電極表面から上記イオン伝導層を貫通するように形成された上記第1金属からなるマクロ架橋部と、上記マクロ架橋部の露呈面と上記第2電極表面との間に形成された上記第1金属からなり量子化コンダクタンスを呈する金属ナノ架橋とにより導通可能に接続されてなることを特徴とする量子化コンダクタンス素子、及び
上記量子化コンダクタンス素子と、上記量子化コンダクタンス素子の第1電極及び第2電極を介して上記金属ナノ架橋に電圧を印加する電圧印加手段と、上記量子化コンダクタンス素子の金属ナノ架橋に流れる電流を計測する電流計測手段とを用い、上記金属ナノ架橋に対して外界から与えられる磁場の変化を、上記電圧印加手段により上記金属ナノ架橋に所定電圧を印加した状態で、上記磁場の変化による金属ナノ架橋のコンダクタンスの変調に伴う上記金属ナノ架橋に流れる電流の変化により検出することを特徴とする磁場変化検出方法を提供する。
この場合、電圧印加手段により金属ナノ架橋に所定電圧を印加した状態で、外界から金属ナノ架橋に磁場の変化が与えられると、この磁場の変化によって金属ナノ架橋のコンダクタンスが変調する。そして、このコンダクタンスの変調は金属ナノ架橋に流れる電流の変化によって検出することができる。このように、本発明の量子化コンダクタンス素子の金属ナノ架橋に流れる電流の変化を検出することによって、金属ナノ架橋に与えられた磁場の変化を検出することができる。
しかも、本発明の量子化コンダクタンス素子の場合、磁場変化の検出部である金属ナノ架橋がナノメータースケールと極めて小さく形成されていることから、高い空間分解能で磁場変化を検出することができると共に、金属ナノ架橋のコンダクタンスの変調は、量子化されたコンダクタンスであるから、量子力学的な状態変化によるコンダクタンスの変調、換言すれば、コンダクタンス素量の倍数変調として顕れ、微弱な磁場変化をステップワイズな変化に変換することができ、これにより微弱な磁場変化を感度よく検出することができる。
更に、本発明の量子化コンダクタンス素子は、金属ナノ架橋を、空気中、室温で安定的に長時間維持することができると共に、金属ナノ架橋が破壊された場合であっても容易に再生することが可能である。そのため、長時間に亘る磁場変化の検出が可能である。
また、本発明は、多数の磁気セルが形成された磁気記録媒体の上記磁気セルが保持する磁気を検出する方法であって、上記量子化コンダクタンス素子と、上記量子化コンダクタンス素子の第1電極及び第2電極を介して上記金属ナノ架橋に電圧を印加する電圧印加手段と、上記量子化コンダクタンス素子の金属ナノ架橋に流れる電流を計測する電流計測手段とを用い、上記金属ナノ架橋に対して上記磁気セルから与えられる磁場の変化を、上記電圧印加手段により上記金属ナノ架橋に所定電圧を印加した状態で上記磁気記録媒体の磁気セルが形成された磁気記録面近傍で上記金属ナノ架橋を走査して、上記磁場の変化による金属ナノ架橋のコンダクタンスの変調に伴う上記金属ナノ架橋に流れる電流の変化を検出することにより、上記磁気セルが保持する磁気を検出することを特徴とする磁気検出方法を提供する。
この場合、電圧印加手段により金属ナノ架橋に所定電圧を印加した状態で量子化コンダクタンス素子の金属ナノ架橋を磁気記録媒体の磁気記録面近傍で走査すれば、金属ナノ架橋には、各々の磁気セルが保持する各々の磁気の差に起因する磁場の変化が与えられ、この磁場の変化によって金属ナノ架橋のコンダクタンスが変調する。そして、このコンダクタンスの変調は金属ナノ架橋に流れる電流の変化によって検出することができる。このように、本発明の量子化コンダクタンス素子により、金属ナノ架橋に流れる電流の変化を検出することによって、磁気記録媒体の磁気セルが保持する磁気を検出することができる。
しかも、本発明の量子化コンダクタンス素子の場合、磁場変化の検出部である金属ナノ架橋がナノメータースケールと極めて小さく形成されていることから、高い空間分解能で磁場変化を検出することができると共に、金属ナノ架橋のコンダクタンスの変調は、量子化されたコンダクタンスであるから、量子力学的な状態変化によるコンダクタンスの変調、換言すれば、コンダクタンス素量の倍数変調として顕れ、微弱な磁場変化をステップワイズな変化に変換することができ、これにより微弱な磁場変化を感度よく検出することができ、磁気記録媒体の磁気セルが保持する微弱な磁気を感度よく検出することができる。
特に、この方法によれば、例えば、体積が6.25×10-6〜25×10-6μm3程度、磁気発生面が6.25×10-4〜25×10-4μm2程度である磁気セルに保持される磁気により与えられる磁場が100Oe程度以下、特に50〜100Oe程度の微弱な磁場であっても磁気セルに起因する微弱な磁場変化を検出することが可能であり、いわゆるテラビット級の磁気記録媒体の磁気セルに保持される磁気を感度よく、良好に、かつ連続的に検出することが可能である。
更に、本発明は、第1金属を含む化合物からなるイオン伝導層を上記第1金属からなる第1電極の表面に被覆し、次いで、上記イオン伝導層と第2電極とを近接させてこの近接部に上記第1電極から上記第2電極に向かう負の電圧を印加し、上記イオン伝導層の上記近接部の金属カチオンを還元することにより、上記第1電極と第2金属との間を導通可能とする上記第1金属からなる導電路を形成し、次いで、上記導電路に上記第1電極から上記第2電極に向かう正の電圧を印加し、上記導電路を構成する金属原子の一部を酸化して金属カチオンとすると共に、この金属カチオンを上記導電路からイオン伝導層へ移動させることにより、上記導電路を、上記第1電極表面から上記イオン伝導層を貫通する上記第1金属からなるマクロ架橋部と、上記マクロ架橋部の露呈面と上記第2電極表面との間を架橋する上記第1金属からなり量子化コンダクタンスを呈する金属ナノ架橋とに形成することを特徴とする量子化コンダクタンス素子の製造方法を提供する。
この方法により量子化コンダクタンス素子を製造すれば、第1電極と第2電極との間を、量子化コンダクタンスを呈して導通可能に架橋する金属ナノ架橋を容易に形成することができる。
本発明によれば、高い空間分解能で磁気を検出することができると共に、微細な空間における微弱な磁場変化を精度よく検出することができ、特に、テラビット級の磁気記録媒体などに形成される微細セルに保持される微小な磁気を感度よく、良好に、かつ連続的に検出することができる。
発明を実施するための最良の形態及び実施例
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の量子化コンダクタンス素子は、第1金属を含む化合物からなるイオン伝導層が被覆された第1金属からなる第1電極と、第1金属とは異なる第2金属からなる第2電極とを、イオン伝導層と第2電極とを近接させて配設すると共に、上記近接部において、第1電極と第2電極とが、第1電極表面からイオン伝導層を貫通するように形成された第1金属からなるマクロ架橋部と、マクロ架橋部の露呈面と第2電極表面との間に形成された第1金属からなり量子化コンダクタンスを呈する金属ナノ架橋とにより電気的に導通可能(導電可能)に接続されてなるものである。
本発明の量子化コンダクタンス素子の構成の一例を模式的に示す図1を参照し、本発明の量子化コンダクタンス素子を詳しく説明すると、図1に示されるように、量子化コンダクタンス素子1は、第1電極11、第2電極12、イオン伝導層13、金属ナノ架橋14及びマクロ架橋部15から構成されている。この場合、第1電極11の表面には、イオン伝導層13が第1電極11を被覆するように形成されていると共に、第1電極11表面からイオン伝導層13を貫通するように第1金属からなるマクロ架橋部15が形成されている。また、このマクロ架橋部15と第2電極12表面との間に第1金属からなる金属ナノ架橋14がマクロ架橋部の露呈面と第2電極表面とを架橋するように形成されている。そして、第1電極11と第2電極12とは、この構成により、金属ナノ架橋14とマクロ架橋部15とにより導通可能となっている。なお、この場合、イオン伝導層13は、金属ナノ架橋14及びマクロ架橋部15を形成する際のイオン流通路として機能し、特に、金属ナノ架橋14近傍から第1金属のイオン(カチオン)を除去したり、金属ナノ架橋を再生する際、第1金属のイオン(カチオン)を金属ナノ架橋14へ供給したりするためのイオン流通路として機能する。
本発明の量子化コンダクタンス素子において、第1電極11、イオン伝導層13、金属ナノ架橋14及びマクロ架橋部15を構成する第1金属としては、Ag,Cu等が好適に挙げられる。一方、第2電極12を構成する第2金属は、第1金属とは異なる金属であるが、Pt,Au,Ni,Feなどが好適である。また、イオン伝導層13を形成するイオン伝導材料としては、第1金属の化合物、好ましくはカルゴケナイト又はハロゲン化物、具体的にはAg2S,Ag2Se,Ag2Te,Cu2S,Cu2Se,Cu2Te,AgI,AgBrなどが挙げられる。イオン伝導層13を第1金属のカルゴケナイトやハロゲン化物とすれば、第1金属からなる第1電極11の表面を、カルコゲンやハロゲンを気相で反応させることによりカルゴケナイトやハロゲン化物のイオン伝導層13を形成できる点で好適である。
本発明において金属ナノ架橋14は、そのチャネル長(マクロ架橋部15の露呈面と第2電極12との距離(図1において、Lで示される))が原子1〜5個分、好ましくは1〜3個分に相当する長さ、チャネル長方向に直交する幅(図1において、Dで示される)が原子1〜10個分、好ましくは1〜3個分、より好ましくは1〜2個分に相当する幅で集合したマクロ架橋部と第2電極とを導通可能に架橋する金属集合体(図1では、チャネル長が原子約3個分、幅が原子1個分である場合を例示)であり、この金属ナノ架橋は、電気伝導度が量子化されたコンダクタンス(量子化コンダクタンス)を呈するものになっている。
本発明においては、量子化コンダクタンスを呈する金属ナノ架橋に電圧を印加し、微小な電流を通電した状態で磁場の変化(磁気モーメント)によるコンダクタンスの変調を検出し、その変調を磁場の変化(磁気モーメント)の信号として利用するものである。金属ナノ架橋に量子化コンダクタンスが発現する要件としては、金属ナノ架橋のチャネル長が電子のコヒーレンス長程度であることが挙げられる。なお、金属ナノ架橋中の電子状態を固体の電子状態と直接結び付けることはできないが、電子のコヒーレンス長を固体金属中の自由電子のスクリーニング長程度とすると、金属ナノ架橋のチャネル長はせいぜい原子1個〜5個、好ましくは1〜3個程度である。この場合、磁気を検知する実効領域は1/1000〜40/1000nm3程度、好ましくは1/1000〜25/1000nm3程度となる。
本発明においては、このような量子化コンダクタンス素子1と共に、図1に示されるような、量子化コンダクタンス素子1の第1電極11及び第2電極12を介して金属ナノ架橋に電圧を印加する電圧印加手段(直流電源)31と、量子化コンダクタンス素子の金属ナノ架橋に流れる電流を計測する電流計測手段32とを、第1電極11と第2電極12とを、電圧印加手段31及び電流計測手段32を介して導通可能に接続して用いることにより、量子化コンダクタンス素子1の金属ナノ架橋14を磁気検出部として磁場の変化を検出することができ、本発明においては、これらを用いて、金属ナノ架橋に対して外界から与えられる磁場の変化を、電圧印加手段により金属ナノ架橋に所定電圧を印加した状態で、磁場の変化による金属ナノ架橋のコンダクタンスの変調に伴う金属ナノ架橋に流れる電流の変化により検出する。
この場合、量子化コンダクタンス素子1の金属ナノ架橋14に、磁場の強弱や磁場の極性が変化するといった磁場の変化が、例えば、図中、白抜き矢印で示される方向のような、金属ナノ架橋14の導通方向に直交する方向に与えられると、この磁場の変化の前後において、金属ナノ架橋14が呈するコンダクタンスが変調する。従って、この磁場の変化の前後に亘って、金属ナノ架橋14に電圧印加手段31により一定電圧を印加しておけば、コンダクタンスの変調を、電流計測手段32により計測される電流の変化として検出することができる。そして、この場合、金属ナノ架橋14のコンダクタンスの変調は、量子化コンダクタンスを呈するもの、即ち、量子力学的状態変化に従うものであることから、電流計測手段32により計測される電流の変化は、量子化されたコンダクタンスに従い、コンダクタンス素量の倍数で、ステップワイズに変化する。そのため、微弱な磁場変化、例えば、100Oe以下、特に50〜100Oe程度の微弱な磁場変化であっても感度よく検出することが可能である。
更に、磁場検出部である金属ナノ架橋のサイズが極めて小さいことから、磁場の変化を高い空間分解能、例えば、体積が6.25×10-6〜25×10-6μm3程度、磁気発生面が6.25×10-4〜25×10-4μm2程度の微細磁気セルが与える磁場の変化を良好に検出することが可能であることから、本発明は、多数の磁気セルが形成された磁気記録媒体の磁気セルが保持する磁気を検出する方法として好適である。この場合、量子化コンダクタンス素子と、量子化コンダクタンス素子の第1電極及び第2電極を介して金属ナノ架橋に電圧を印加する電圧印加手段と、量子化コンダクタンス素子の金属ナノ架橋に流れる電流を計測する電流計測手段とを用い、金属ナノ架橋に対して磁気セルから与えられる磁場の変化を、電圧印加手段により金属ナノ架橋に所定電圧を印加した状態で磁気記録媒体の磁気セルが形成された磁気記録面近傍で金属ナノ架橋を走査して、磁場の変化による金属ナノ架橋のコンダクタンスの変調に伴う金属ナノ架橋に流れる電流の変化を検出することにより、磁気セルが保持する磁気を検出することができる。
このような磁気記録媒体の磁気検出方法として具体的には、例えば、図2に示されるように、第1電極11及び第2電極12の先端に金属ナノ架橋14が形成された量子化コンダクタンス素子1の第2電極12側からセンス電圧を印加すると共に、第1電極11側からON/OFF可能な読み出し電圧を印加し、この読み出し電圧がON状態で、量子化コンダクタンス素子1の金属ナノ架橋14を多数の磁気セルを有する磁気記録媒体4に近接させて量子化コンダクタンス素子1又は磁気記録媒体4のいずれかを動かし、金属ナノ架橋14を磁気記録媒体4の磁気記録面近傍で走査するようにしてやれば、金属ナノ架橋14に対して磁気セルから与えられる磁場の変化、即ち、磁気セルの各々からそれらが保持する各々の磁気の差に起因して与えられる磁場の変化を、磁場の変化による金属ナノ架橋のコンダクタンスの変調に伴う金属ナノ架橋に流れる電流の変化を検出することができ、これをセンスアップすれば、電流のステップワイズな出力波形信号として検出することが可能である。
また、図3に示されるように、第1電極11及び第2電極12の先端に金属ナノ架橋14が形成された量子化コンダクタンス素子1の第2電極12側から通電再生電圧を印加し、量子化コンダクタンス素子1の金属ナノ架橋14を多数の磁気セルを有する磁気記録媒体4に近接させて量子化コンダクタンス素子1又は磁気記録媒体4のいずれかを動かし、金属ナノ架橋14を磁気記録媒体4の磁気記録面近傍で走査するようにしてやれば、図2の場合と同様に、金属ナノ架橋14に対して磁気セルから与えられる磁場の変化を、第1電極1に接続したフィードバック回路33により、磁場の変化による金属ナノ架橋のコンダクタンスの変調に伴うフィードバック信号として検出することができる。なお、図2,3において、13はイオン伝導層である。また、図3の量子化コンダクタンス素子1の先端部の構造は、図2の量子化コンダクタンス素子1と同じであるため、図3においては量子化コンダクタンス素子1の先端部の拡大図の図示を省略する。
本発明において適用される金属ナノ架橋のコンダクタンスに変調を与える磁場の変化としては、通常の拡散的な電子輸送に適用される電子が受けるローレンツ力に起因するもの以外にも、コヒーレンス長程度の金属ナノ架橋を利用していることから、電子波干渉作用(いわゆるAB効果)による磁場の変化や、磁場印加による弱局在の解消作用などを利用することも可能である。
一方、本発明の量子化コンダクタンス素子を製造する方法としては、第1金属を含む化合物からなるイオン伝導層を第1金属からなる第1電極の表面に被覆し、次いで、イオン伝導層と第2電極とを近接させてこの近接部に第1電極から第2電極に向かう負の電圧を印加し、イオン伝導層の近接部の金属カチオンを還元することにより、第1電極と第2金属との間を電気的に導通可能(導電可能)とする第1金属からなる導電路を形成し、次いで、導電路に第1電極から第2電極に向かう正の電圧を印加し、導電路を構成する金属原子の一部を酸化して金属カチオンとすると共に、この金属カチオンを導電路からイオン伝導層へ移動させることにより、導電路を、第1電極表面からイオン伝導層を貫通する第1金属からなるマクロ架橋部と、マクロ架橋部の露呈面と第2電極表面との間を架橋する第1金属からなり量子化コンダクタンスを呈する金属ナノ架橋とに形成する方法が好適である。
具体的には、例えば、図1に示される量子化コンダクタンス素子を製造する場合、まず、図4(A)に示されるように、第1金属を含む化合物からなるイオン伝導層13を第1金属からなる第1電極11の表面に被覆し、イオン伝導層13と第2電極12とを近接させる。
この場合、第1金属からなる第1電極11の表面に第1金属を含む化合物からなるイオン伝導層13を被覆する方法としては、第1電極11の表面に、カルコゲンやハロゲンを気相で反応させることによりカルゴケナイト又はハロゲン化物からなるイオン伝導層13として形成することが好適である。また、イオン伝導層13の形成後にイオン伝導層13と第2電極12とを近接させるが、この場合、この近接は一般には実質的に接触しているとされる状態であり、この状態は、一方がその自重により他方に接触している状態や、この状態から更に、一方から他方に荷重をかけることにより圧接して接触させた状態などにより達成できる。
次に、イオン伝導層13と第2電極12との近接部に第1電極11から第2電極12に向かう負の電圧を、好ましくは0.1〜0.8V程度で印加し、この電圧の印加により、第2電極12から第1電極11に向かう電子の流れが発生し、これによりイオン伝導層13の第2電極12との近接部において第1金属のイオン(カチオン)が還元されて、図4(B)に示されるように、第1電極11と第2電極12との間に第1金属からなる導電路50が形成される。この導電路50はイオン伝導層13と第2電極12との近接状態に依存して本発明の金属ナノ架橋に比べてかなり大きく形成されるため、この操作だけでは金属ナノ架橋とはならない。
そこで、次に導電路50に第1電極11から第2電極12に向かう正の電圧を、好ましくは0.005〜0.026V程度で印加する。この電圧の印加により、今度は第1電極11から第2電極12に向かう電子の流れが発生し、これにより、導電路50を構成する金属原子の一部が酸化されて第1金属のイオン(金属カチオン)51となり、この金属カチオン51が導電路50からイオン伝導層13へ移動することにより、図4(C)に示されるように、この導電路50が徐々に細くなって、最終的に、図4(D)に示されるように、この導電路50の第1電極11側が、第1電極11表面からイオン伝導層13を貫通する第1金属からなるマクロ架橋部15に、第2電極12側が、マクロ架橋部15の露呈面と第2電極12表面との間を架橋する第1金属からなり量子化コンダクタンスを呈する金属ナノ架橋14となる。
この方法により量子化コンダクタンス素子を製造すれば、第1電極と第2電極との間を導通可能に架橋する金属ナノ架橋を容易に、かつ確実に形成することができる。
本発明の量子化コンダクタンス素子においては、金属ナノ架橋を、空気中、室温においても安定的に長時間維持することができる。そのため、長時間に亘る磁場変化の検出が可能である。また、本発明の量子化コンダクタンス素子、特に、上述した方法により製造した量子化コンダクタンス素子は、万一、金属ナノ架橋が切断された場合にあっても、上述した電圧の印加操作、即ち、第1電極から第2電極に向かう負の電圧の印加と、第1電極から第2電極に向かう正の電圧の印加とを量子化コンダクタンス素子に施せば、金属ナノ架橋を再生することも可能である。
なお、本発明の量子化コンダクタンス素子においては、金属ナノ架橋をエポキシ樹脂等の高分子材料により、特に第1電極(イオン伝導層)及び第2電極の金属ナノ架橋近傍と共に封止することが好ましく、この封止により金属ナノ架橋の酸化等の化学変化を抑制すると共に、金属ナノ架橋の機械的強度を向上させることができる。
以下、更に具体的な実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)量子化コンダクタンス素子の作製
第1電極と第2電極との導電路の形成
まず、第1電極として、直径φ0.5mm×100mmのAgワイア((株)ニラコ製)を用意し、このAgワイアの表面をサンドペーパー(320番)で研磨し、研磨屑をエタノールで湿らした脱脂綿で、よくふき取った後、アセトン、エタノール中で超音波洗浄する表面処理を施した。
次に、アニール管に硫黄粉末((株)高純度化学研究所、純度99.95%、粒径5μm以下)を0.3g入れた後、上記表面処理を施したAgワイアを直接硫黄に触れないようにアニール管内に、Agワイアの一部がアニール管から突出した状態で固定した。この場合、Agワイアのアニール管から突出させるのは、後述する第1電極から第2電極への他方で導通させる際の接点を確保するためである。
次に、アニール管を120℃に加熱した。加熱により硫黄粉末が液化(融点119℃)して硫黄が蒸発することにより、Agワイア表面がイオン伝導層として硫化銀Ag2S膜により被覆された第1電極を得た。
次に、上記手法により作製したAg2S被覆したAgワイア(Ag2Sで被覆された第1電極)とPtワイアである対向電極(第2電極)とを、Ag2Sで被覆された第1電極上に第2電極を十字状に配置して載置することにより当接させた。その際、リード線を、電気的にオーミック接触を保った状態で第1電極(金属Ag部分)と接続し、このリード線と第2電極とを微小電流計(Keithley社製 617型)及び直流電源(アドバンテスト社製 R6147型)を介して電気的に接続した。
次に、所定電圧を印加して電流値を計測することにより、第1電極と第2電極との間が電圧印加可能な程度に十分近接していることを確認した。この際、電圧を第1電極と第2電極に−0.01〜−0.4Vを印加したところ、数百Ω〜数十kΩの抵抗に相当する電流が認められ、電圧印加可能であることが確認された。なお、両者が近接していることを確認した後は、通電を直ちに止めた。導通確認後、機械的強度を確保すると共に、外気からの影響を遮断するために、この近接部分をエポキシ樹脂(絶縁材)で封止した。
金属ナノ架橋の形成
次に、上記直流電源により、第1電極に電子を注入しながら、金属ナノ架橋を形成する。この際の電流変化を測定することにより、金属ナノ架橋の形成を確認することができる。まず、第2電極に−0.56Vの負電圧を印加したところ、図5に示されるようなコンダクタンスの経時変化を示した。即ち、電圧印加後、連続的に上昇するカーブを示した。これは、上記電圧の印加により架橋を構成する金属原子の数が多すぎることを意味し、ナノメータースケールよりはるかに大きい巨視的な大きさを有する金属架橋構造が形成されていることを意味し、これは、量子化コンダクタンスを呈する金属ナノ架橋とはなっていない。
そこで、印加電圧の極性を反転して第1電極から第2電極へ電子が注入されるようにし、第2電極に正電圧を+0.8Vから+0.005〜+0.026Vになるまで段階的に変更して印加した。この第1電極から第2電極への電子注入操作により、上記の巨視的な金属架橋構造を構成する金属Agは徐々に酸化されてAgカチオンとなり、この生成したAgカチオンはイオン伝導層へと移動する。その結果、図6に示されるように、第1電極及び第2電極間のコンダクタンスは、コンダクタンス量子G0の倍数に沿って段階的に変調した。また、コンダクタンス素量は7.75×10-5Sと寄生抵抗コンダクタンス(通常10-1〜10-3S)に比べて十分小さく、誤差も1%程度であった。
このことから、量子化コンダクタンスを示すナノメータースケールの架橋構造(金属Agナノ架橋)が形成されていることが確認された。また、この量子化コンダクタンスを示す金属Agナノ架橋構造は、12時間以上継続して保たれることが確認された。金属ナノ架橋構造からこれを変質させる大気からの酸素や電荷等の変質因子を更に厳密に遮断すれば、金属ナノ架橋構造を更に長時間に亘り保持することが可能である。
(2)磁場変化検出特性の評価
次に、上記した方法で作製した量子化コンダクタンス素子を用い、この量子化コンダクタンス素子の磁場変化検出特性を評価した。評価に用いた装置の構成模式図を図7に示す。
図7において、1は量子化コンダクタンス素子であり、この量子化コンダクタンス素子1は、Ag2S膜であるイオン伝導層13で被覆された金属Agからなるワイア状の第1電極11と、金属Ptからなるワイア状の第2電極12と、第1電極11と第2電極12とを電気的に接続する金属ナノ架橋(Ag金属ナノ架橋)14とを備えている。この第1電極11と第2電極12とは十字状に配設され、また、図7(C)に示されるように、第1電極11には、その一部にマクロ架橋部15がイオン伝導層13を貫通して形成されており、このマクロ架橋部15と金属Agナノ架橋14とが電気的に接続されて、更に、金属Agナノ架橋14と第2電極12とが電気的に接続されることにより、第1電極11と第2電極12とが一方で導通している。なお、この場合、図7(B)に示されるように、金属Agナノ架橋14は、マクロ架橋部15、並びに第2電極12及びイオン伝導層13の金属Agナノ架橋14と隣接する部分と共に、エポキシ樹脂16で封止されている。また、第1電極11と第2電極12は、他方で直流電源34及び微小電流計35を介して電気的に接続されている。
また、図7(A)において、2は磁気発生装置であり、この場合、最大磁場強度500ガウスのDC磁場発生装置を用いた。磁場は、磁気発生装置2に備えられたヘルムホルツコイル21に電流を流すことにより発生するが、この場合、コ字形の軸22がヘルムホルツコイル21を貫通して設けられており、軸22の両端部は、第2電極12上方及び第1電極11(イオン伝導層13)下方の金属Agナノ架橋14に近接する位置に配設され、更に、軸22の両端部には電磁石ヘッド23,23が各々第2電極12と第1電極11(イオン伝導層13)とに向けて設けられている。磁気発生装置2に備えられたヘルムホルツコイル21に電流を流すことにより、電磁石ヘッド23,23間に磁場が発生し、磁場を金属Agナノ架橋14に与えることができるようになっている。
上記装置を用い、量子化コンダクタンス素子1に電圧(13mV)を印可した状態で、磁気発生装置2により金属Agナノ架橋14に所定の300ガウスの磁場の印加を断続的に繰り返すスウィッチング操作をしたところ、図8に示されるように、磁場を印加したとき(ON時)では、磁場を印加していないとき(OFF時)に比べ、約1.1倍のコンダクタンスを示し、コンダクタンスが磁場のON−OFFに連動して不連続に変化することが確認された。この量子化コンダクタンス素子のスウィッチング特性は磁場印加に対して可逆的であり、磁気センシングにおける磁気の極性変化による磁場のスウィッチング挙動を検出できることを示している。
本発明の量子化コンダクタンス素子の構成の一例を模式的に示す図である。 本発明の量子化コンダクタンス素子を用いて磁気記録媒体の磁気セルが保持する磁気を検出する方法の一例を説明するための図であり、(B)は(A)のX部の部分拡大図、(C)は(B)のY部の部分拡大図である。 本発明の量子化コンダクタンス素子を用いて磁気記録媒体の磁気セルが保持する磁気を検出する方法の他の例を説明するための図である。 本発明の量子化コンダクタンス素子の製造方法により金属ナノ架橋が形成される状態を説明するための模式図である。 実施例1において、第2電極に負電圧を印加したときのコンダクタンスの経時変化を示すグラフである。 実施例1において、第2電極に正電圧を段階的に印加したときのコンダクタンスの経時変化を示すグラフである。 実施例1において量子化コンダクタンス素子の評価に用いた装置の構成を模式的に示す図であり、(B)は(A)のZ−Z線に沿った断面図、(C)は(B)のW部の部分拡大図である。 実施例1における量子化コンダクタンス素子の磁場応答特性を示すグラフである。
符号の説明
1 量子化コンダクタンス素子
11 第1電極
12 第2電極
13 イオン伝導層
14 金属ナノ架橋
15 マクロ架橋部
16 エポキシ樹脂
2 磁気発生装置
21 ヘルムホルツコイル
22 軸
23 電磁石ヘッド
31 電圧印加手段
32 電流計測手段
33 フィードバック回路
34 直流電源
35 微小電流計
4 磁気記録媒体
50 導電路
51 金属カチオン

Claims (4)

  1. 第1金属を含む化合物からなるイオン伝導層が被覆された上記第1金属からなる第1電極と、上記第1金属とは異なる第2金属からなる第2電極とを、上記イオン伝導層と上記第2電極とを近接させて配設すると共に、上記近接部において、上記第1電極と第2電極とが、上記第1電極表面から上記イオン伝導層を貫通するように形成された上記第1金属からなるマクロ架橋部と、上記マクロ架橋部の露呈面と上記第2電極表面との間に形成された上記第1金属からなり量子化コンダクタンスを呈する金属ナノ架橋とにより導通可能に接続されてなることを特徴とする量子化コンダクタンス素子。
  2. 請求項1記載の量子化コンダクタンス素子と、上記量子化コンダクタンス素子の第1電極及び第2電極を介して上記金属ナノ架橋に電圧を印加する電圧印加手段と、上記量子化コンダクタンス素子の金属ナノ架橋に流れる電流を計測する電流計測手段とを用い、上記金属ナノ架橋に対して外界から与えられる磁場の変化を、上記電圧印加手段により上記金属ナノ架橋に所定電圧を印加した状態で、上記磁場の変化による金属ナノ架橋のコンダクタンスの変調に伴う上記金属ナノ架橋に流れる電流の変化により検出することを特徴とする磁場変化検出方法。
  3. 多数の磁気セルが形成された磁気記録媒体の上記磁気セルが保持する磁気を検出する方法であって、請求項1記載の量子化コンダクタンス素子と、上記量子化コンダクタンス素子の第1電極及び第2電極を介して上記金属ナノ架橋に電圧を印加する電圧印加手段と、上記量子化コンダクタンス素子の金属ナノ架橋に流れる電流を計測する電流計測手段とを用い、上記金属ナノ架橋に対して上記磁気セルから与えられる磁場の変化を、上記電圧印加手段により上記金属ナノ架橋に所定電圧を印加した状態で上記磁気記録媒体の磁気セルが形成された磁気記録面近傍で上記金属ナノ架橋を走査して、上記磁場の変化による金属ナノ架橋のコンダクタンスの変調に伴う上記金属ナノ架橋に流れる電流の変化を検出することにより、上記磁気セルが保持する磁気を検出することを特徴とする磁気検出方法。
  4. 第1金属を含む化合物からなるイオン伝導層を上記第1金属からなる第1電極の表面に被覆し、次いで、上記イオン伝導層と第2電極とを近接させてこの近接部に上記第1電極から上記第2電極に向かう負の電圧を印加し、上記イオン伝導層の上記近接部の金属カチオンを還元することにより、上記第1電極と第2金属との間を導通可能とする上記第1金属からなる導電路を形成し、次いで、上記導電路に上記第1電極から上記第2電極に向かう正の電圧を印加し、上記導電路を構成する金属原子の一部を酸化して金属カチオンとすると共に、この金属カチオンを上記導電路からイオン伝導層へ移動させることにより、上記導電路を、上記第1電極表面から上記イオン伝導層を貫通する上記第1金属からなるマクロ架橋部と、上記マクロ架橋部の露呈面と上記第2電極表面との間を架橋する上記第1金属からなり量子化コンダクタンスを呈する金属ナノ架橋とに形成することを特徴とする量子化コンダクタンス素子の製造方法。

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