JP2005285802A - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents

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昭哉 藤崎
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Abstract

【課題】接続信頼性の高い貫通導体を有する配線基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
少なくとも樹脂を含有するコア基板Aと、該コア基板Aの少なくとも一方の主面に形成された絶縁層1と、該絶縁層1を貫通して形成された貫通導体13と、前記コア基板A又は前記絶縁層1の主面に形成された配線層11とを具備してなる配線基板において、前記貫通導体13が太鼓状であることを特徴とする
【選択図】図1

Description

本発明は、配線基板及びその製造方法に関するもので、特に、貫通導体と配線層との接続信頼性を向上できる配線基板及びその製造方法に関するものである。
近年、電子機器は、小型化が進んでいるが、近年携帯情報端末の発達や、コンピューターを持ち運んで操作するいわゆるモバイルコンピューティングの普及によってさらに小型、薄型且つ高精細の配線基板が求められる傾向にある。
また、通信機器に代表されるように、高速動作が求められる電子機器が広く使用されるようになってきた。高速動作が求められるということは、高い周波数の信号に対し、正確なスイッチングが可能であるなど多種な要求を含んでいる。そのような電子機器に対応するため、高速な動作に適した配線基板が求められている。
高速な動作を行うためには、配線の長さを短くし、電気信号の伝播に要する時間を短縮することが必要である。配線の長さを短縮するために、配線の幅を細くし、配線の間隙を小さくするという、小型、薄型且つ高精細の配線基板が求められる傾向にある。
そのような高密度配線を有する配線基板の要求に対応するために、コア基板の表層に微細配線層を設けたビルドアップ基板が提案されている。
このビルドアップ基板は、まず、配線回路層が形成されたコア基板に、一方の表面に金属箔が設けられたポリオレフィン系樹脂フィルム樹脂層を加熱圧着した後、この金属箔をエッチングするか、もしくは金属箔に直接レーザ光を照射して、その一部に開口を形成し、その開口を介してレーザ光を照射し、ポリオレフィン系樹脂フィルム樹脂層に貫通孔用の孔を形成し、その後、ポリオレフィン系樹脂フィルム樹脂層の上層に設けられた金属箔をエッチングやメッキにより配線回路層を形成し、このポリオレフィン系樹脂フィルム上の配線回路層とともに、貫通孔に薄い無電解の銅めっき膜と、その表面に厚付けの電解銅メッキを行い、コア基板の配線回路層と微細配線層の配線回路層とを接続する貫通導体を形成することにより作製される(特許文献1参照)。
特開平2000−151118号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、コア基板の配線回路層と微細配線層の配線回路層とを接続する貫通導体が銅メッキで形成され、また、微細配線層の絶縁層がポリオレフィン系樹脂フィルムで形成されており、貫通導体が銅100%の金属、そして、絶縁層が100%樹脂であることから、配線基板の厚み方向に形成された貫通導体と絶縁層との間に大きな熱膨張係数差があり、温度サイクル試験等の環境変化の繰り返しによって微細配線層に形成されている配線回路層と貫通導体との接合強度が低下し、最終的に断線するという問題があった。
従って、本発明は、上記のような従来のビルドアップ法における課題を解決するものであり、具体的には、配線層と貫通導体との接続信頼性を改善できる配線基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の配線基板は、少なくとも樹脂を含有するコア基板と、該コア基板の少なくとも一方の主面に形成された絶縁層と、該絶縁層を貫通して形成された貫通導体と、前記コア基板又は前記絶縁層の主面に形成された配線層とを具備してなる配線基板において、前記貫通導体が太鼓状であることを特徴とする。
また、本発明の配線基板は、貫通導体の最大径が、貫通導体の最小径の1.2倍以上であることが望ましい。
また、本発明の配線基板は、貫通導体と接するコア基板側の配線層の表面粗さRz1が、前記貫通導体が形成された絶縁層と接する前記配線層の表面粗さRz2よりも小さく、その差が0.5μm以上であることが望ましい。
また、本発明の配線基板は、貫通導体が、少なくとも導体粉末と、樹脂とを含有してなることが望ましい。
また、本発明の配線基板は、貫通導体が、銅、アルミニウム、金、銀などから選ばれる少なくとも1種以上を含有する高融点金属と、錫、ビスマス、インジウム、鉛の少なくとも1種の金属、あるいはそれらの合金からなる低融点金属とを含有することが望ましい。
また、本発明の配線基板は、絶縁層が、有機繊維又は無機フィラー−のうち少なくとも1種を含有することが望ましい。
本発明の配線基板の製造方法は、(a)少なくともスルーホールと配線層とを具備してなるコア基板の主面に、絶縁層を積層形成する工程と、(b)該絶縁層の所定の箇所にレーザ光を照射して貫通孔を形成する工程と、(c)該貫通孔内に導電性ペーストを充填して貫通導体を形成する工程と、(d)該貫通導体を形成した前記絶縁層の表面に、配線層が形成された転写フィルムを、減圧雰囲気で加熱、加圧して積層し、前記絶縁層の主面に前記配線層を転写形成するとともに、前記貫通導体を太鼓状に形成する工程と、(e)必要に応じ再度、絶縁層を積層形成した後、(b)(c)(d)工程を施す工程と、(e)(a)乃至(d)を経て作製された積層体を一括して硬化する工程と、を具備することを特徴とする。
また、本発明の配線基板の製造方法は、前記(a)の工程で用いる絶縁層が、主絶縁層と、該主絶縁層の両主面に形成された被覆層とから形成されていることが望ましい。
また、本発明の配線基板の製造方法は、前記(a)の工程で用いる絶縁層において、主絶縁層の硬度よりも、被覆層の硬度の方が高いことが望ましい。
本発明の配線基板では、貫通導体を太鼓状にすることで、絶縁層と貫通導体の熱膨張差から発生する絶縁層と貫通導体との界面での剪断応力に対し、貫通導体中央部の膨らみが応力発生方向を分散させることができるため、貫通導体の断線を防止できる。
また、積層方向における貫通導体の略中央部の最大径を、貫通導体上部あるいは下部の貫通導体の最小径に対して1.2倍以上にすることにより、貫通導体に積層方向に発生する引っ張り力に対して、貫通導体が抜けにくくなるため配線基板の信頼性を向上させることができる。
また、貫通導体と接するコア基板側の配線層の表面粗さRz1を、前記貫通導体が形成された絶縁層と接する前記配線層の表面粗さRz2よりも小さくし、その差を0.5μm以上にすることにより、絶縁層と配線層との接合強度を維持することができ、配線層が貫通導体と接する部分の配線導体表面を平滑にすることができ、貫通導体を構成する金属成分と導体配線層とのぬれ性が高まるため、貫通導体と配線層との接続強度を向上できるため、信頼性の高い配線基板を提供することができる。
また、貫通導体として、少なくとも導体粉末と、樹脂とを含有することにより、空隙のない緻密な貫通導体を実現でき、信頼性の高い配線基板を提供することができる。
また、貫通導体に、銅、アルミニウム、金、銀などから選ばれる少なくとも1種以上を含有する高融点金属と、錫、ビスマス、インジウム、鉛の少なくとも1種の金属、あるいはそれらの合金からなる低融点金属とを含有させることにより、貫通導体の硬化時に導電粒子間または配線層と導電粒子間に合金層による強い導電接続を形成でき、優れた接続信頼性を実現できる。
また、絶縁層として熱硬化性樹脂に加え、有機繊維や無機フィラーを混合することにより絶縁層の強度や剛性を向上させることできる。更に、低熱膨張の有機繊維や熱熱膨張の無機フィラーを添加することにより絶縁層の低熱膨張化が可能となり、配線基板に搭載されるデバイスとの熱膨張差を低減させることにより実装信頼性を向上させることができる。
本発明の配線基板の製造方法は、(a)少なくともスルーホールと配線層とを具備してなるコア基板の主面に、絶縁層を積層形成する工程と、(b)該絶縁層の所定の箇所にレーザ光を照射して貫通孔を形成する工程と、(c)該貫通孔内に導電性ペーストを充填して貫通導体を形成する工程と、(d)該貫通導体を形成した前記絶縁層の表面に、配線層が形成された転写フィルムを、減圧雰囲気で加熱、加圧して積層し、前記絶縁層の主面に前記配線層を転写形成するとともに、前記貫通導体を太鼓状に形成する工程と、(e)必要に応じ再度、絶縁層を積層形成した後、(b)(c)(d)工程を施す工程と、(e)(a)乃至(d)を経て作製された積層体を一括して硬化する工程と、を具備することを特徴とする。
このような配線基板の製造方法において、まず、絶縁シートをレーザ光で加工することにより、微小径で形状精度が高い貫通孔を容易に形成でき、同時に貫通導体底面の導体配線上面を平滑化できる。
さらに、貫通導体を形成した絶縁層の表面に、配線層が形成された転写フィルムを減圧雰囲気下で加熱加圧することにより容易に微細な配線層を形成でき、同時に貫通導体形状を太鼓上に形成することができる。
このように本発明の製造方法によれば、導体配線層間を接続するための貫通孔をレーザ光の照射によって形成しているため、感光性樹脂を使用する必要がなく、材料としてガラス転移点が高く、吸水率が小さいなど材料特性に優れた任意の絶縁材料を選定できる。しかも、絶縁層の形成と、導体配線層との形成を同時に並行して行うことができ、全ての絶縁層を一括で硬化することができるために製造工程の簡略化と短縮化を図ることができる。
また、前記(a)の工程で用いる絶縁層において、主絶縁層と、該主絶縁層の両主面に形成された被覆層とから形成することにより、主絶縁層と被覆層のレーザに対する吸収率を調整することやレーザに対する易加工性を調整することができ、主絶縁層と被覆層の穴形状を容易に調整することができる。
また、前記(a)の工程で用いる絶縁層において、主絶縁層の硬度よりも、被覆層の硬度の方を高くすることにより、主絶縁層を被覆層よりも変形しやすくすることができるため、例えば、絶縁層に貫通孔を設けた後に、貫通孔に貫通導体を充填し、さらに加圧することで容易に主絶縁層の穴径を被覆層の穴径よりも大きくすることができ、太鼓状の貫通導体を形成することができる。
本発明の配線基板は、例えば、図1(a)に示すように、少なくとも熱硬化性樹脂を含有する複数の絶縁基板3a〜3cを複数積層して形成された絶縁板5と、その絶縁板5の表面および内部に形成された主配線層7と、絶縁基板3に隔てられた主配線層7同士を接続するスルーホール導体9により構成されたコア基板Aの表面に絶縁層1が積層されて構成されている。
また、コア基板Aの表面に積層された絶縁層1a、1bの表面および内部には微細配線層11が形成され、さらに、絶縁層1により隔てられた主配線層7と微細配線層11、あるいは微細配線層11同士を接続するための貫通導体13が形成されている。
そして、本発明の配線基板においては、例えば、図1(b)の要部拡大図に示すように、絶縁層1の積層方向における中央部の貫通導体13の径R2が、その両端の貫通導体13の径R1、R3よりも大きい太鼓状の貫通導体13となっている。
このように、貫通導体13は、微細配線層11あるいは主配線層7と接する貫通導体13の両端の径R1、R3に対し、中央部の貫通導体径R2が大きく、この貫通導体13において、R2/R1≧1.2もしくはR2/R3≧1.2とすることが、貫通導体13における局部的な応力の発生を抑制するという理由から望ましい。また、この比率を1.4以上とすることがさらに望ましい。
また、この貫通導体13の最大径は高密度な配線基板を形成できるという理由から、75μm以下とすることが望ましく、特に、貫通導体13の最大径は60μm以下、さらに40μm以下とすることが望ましい。
また、図2に示すように、この貫通導体13と接するコア基板A側の主配線層7における貫通導体13との当接部7aの表面粗さ(Rz1−7)を、当接部7aを除く主配線層7bの表面、すなわち、主配線層7と絶縁層1との接着部7bの表面粗さ(Rz2−7)よりも小さくすることが重要である。また、貫通導体13と接するコア基板A側の微細配線層11においてもコア基板A側の微細配線層11における微細配線層11と貫通導体13との接触部11aの表面粗さ(Rz1−11)を微細配線層13と絶縁層1との接着部(Rz2−11)の表面粗さよりも小さくすることが重要である。
一方、絶縁層1と接着する主配線層7の表面7bおよび絶縁層1と接着する微細配線層11の表面11aの表面粗さ(Rz2)は大きくなるように加工されており、このことから絶縁層1に含まれている樹脂が主配線層7の表面7b、微細配線層11の表面11aの凹部に入り込むことにより絶縁層1と主配線層7、微細配線層11とを強固に接着できるのである。
また、当接部7a、11aの表面粗さ(Rz1)は0.5〜1.5μmが望ましく、特に、主配線層7、微細配線層11の高周波領域における伝送特性を損なわず、かつ貫通導体13との濡れ性を高めるという理由から0.7〜1.3μmであることが望ましい。一方、絶縁層1と接着する主配線層7の表面7b、微細配線層11の表面11bの表面粗さ(Rz2)は密着強度の観点から2μm以上が望ましく、特に、2.4〜3.5μmの範囲であることが望ましい。
また、当接部7a、11aの表面粗さ(Rz1)と、絶縁層1と接着する主配線層7の表面7b、微細配線層11の表面11bの表面粗さ(Rz2)との差は0.5μm以上であることが望ましく、特に高周波領域における伝送特性を安定化させるという理由から、その差は1.0〜2.8μmであることが望ましい。
これにより主配線層7、微細配線層11と貫通導体13との接続、および主配線層7、微細配線層11と絶縁層1との接続をさらに強固にできる。
また、この当接部7a、11aでは貫通導体13と主配線層7、微細配線層11とが強固に接合されており、さらに、この界面には貫通導体13と主配線層7、微細配線層11の金属成分との合金相あるいは金属間化合物が形成されている。
また、コア基板Aに設けられたスルーホール導体9の最大径は300μm以下、250μm以下、さらに100μm以下であることが、高密度な回路を形成できるという理由から望ましく、特に、スルーホール導体9の最大径が小さくなってもコア基板Aの層間接続を確実にできるという理由から、スルーホール導体9の最大径は70μm以上であることが望ましい。
また、コア基板Aに形成されている主配線層7もまた、微細配線層11と同様に、スルーホール導体9に当接される面の表面粗さ(Rz)が、絶縁層1との接着部の表面粗さ(Rz)よりも小さいことがスルーホール導体9と主配線層7との接続を強固にするという理由から望ましい。
また、絶縁層1は、少なくとも樹脂を含有するもので、エポキシ系樹脂、トリアジン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂など一般に回路基板に使用される樹脂が用いられるが、特にPPE(ポリフェニレンエーテル)、BTレジン(ビスマレイミドトリアジン)、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミドビスマレイミド樹脂、液晶ポリマーが望ましい。
また、例えば、図3(a)、(b)に示すように、絶縁層1は、複数の絶縁シート15を積層して形成されていてもよく、例えば、硬度の異なる絶縁シート15を用いることで、容易に貫通導体13を太鼓状に形成することができる。すなわち、貫通導体13の最大径R2の部分にあたる絶縁シート15aの硬度を貫通導体13の端部の径R1、R3の部分にあたる絶縁シート15bよりも低くすることで容易に貫通導体13を太鼓状に形成することができる。
例えば、絶縁シート15aの硬度を絶縁シート15bの硬度より小さくするには、絶縁シート15aの樹脂として、絶縁シート15bよりもガラス転移温度の低い樹脂を用いたり、樹脂の含有量を多くしたり、あるいは硬化度を低くするなど方法がある。なお、絶縁シート15の積層数は図1に示すように3層であっても、2層であってもよいが、3層とした場合には確実に太鼓状の貫通導体を形成することができる。一方、2層とした場合には、層構成に工夫が必要となる場合があるが、3層構造の場合よりもより簡単な工程となる。
この絶縁シート15aは、強度向上の観点から熱可塑性で高耐熱のフィルムや上記樹脂にアラミド繊維、セルロース繊維などの有機繊維を補強材として含浸させたものが好適に用いられる。このとき、有機繊維は強度向上の観点から織布または不織布として含有させることが望ましい。また、絶縁層1に有機繊維が30〜70体積%の割合で含まれることが望ましい。また、レーザ光による加工を行う場合にはレーザ吸収光の調整を行う為、Tiなどの紫外線吸収剤を入れることも好適に用いられる。
また、絶縁シート15bは、原料として室温でワニス状になるため熱硬化性樹脂であることが望ましい。さらに、絶縁層1のレーザ吸収光や加工性の調整、あるいは基材強度を高めるために、上記樹脂に無機質フィラーを添加することもできる。無機質フィラーとしては、SiO、Al、ZrO、TiO、AlN、SiC、BaTiO、SrTiOの少なくとも1種以上の材料が使用できる。フィラーの形状は平均粒径が20μm以下、特に10μm以下、最適には7μm以下の略球状の粉末が用いられる。また、高誘電率のフィラーを用いることによって、絶縁層1の誘電率を高めることも可能である。さらに、樹脂と無機質フィラーの体積比率を85:15〜15:85の比率で適宜配合することにより、絶縁層1の熱膨張係数を調整することができる。
一方、コア基板Aを構成する絶縁基板3もまた、絶縁層1と同様のA−PPE(ポリフェニレンエーテル樹脂)等の熱硬化性樹脂が好適に用いられる。また、絶縁基板3に混合される充填材としては無機フィラーや繊維体があり、織布、不織布など任意の性状のものを用いればよい。また、アラミド繊維、セルロース繊維などの有機繊維体を用いることもできる。特に、絶縁基板3に用いる繊維体として、ガラス繊維に前記熱硬化性樹脂を含浸したものが強度を高める点で最も望ましい。
また、主配線層7、微細配線層11は、配線を形成するに好適な金属より形成され、例えば、金、銀、銅、アルミニウムの少なくとも1種を含む低抵抗金属の電解金属箔が好適に使用される。この電解金属箔の厚みは1〜35μmが良く、望ましくは、導電性が低く配線の微細化に適しているという観点から5〜18μmが良い。この電解金属箔の厚み、言い換えれば主配線層7、微細配線層11の厚みが1μmより小さいと配線の抵抗率が高くなり、また35μmより大きいと、積層時にコア基板Aや絶縁層1の変形が大きくなったり、主絶縁層1や絶縁層1への金属の埋め込み量が多くなるなどして、樹脂硬化後に配線基板が変形を起こしやすいなどの問題がある。
また、主配線層7、微細配線層11はいずれも絶縁基板3、絶縁層1に埋設されていることが望ましい。このように主配線層7、微細配線層11をそれぞれ絶縁基板3、絶縁層1に埋設することで、主配線層7、微細配線層11自体の厚みに起因する積層不良が発生することがなく、絶縁基板3間、絶縁層1間、並びに絶縁基板3と絶縁層1との優れた密着性と、配線基板全体としての非常に優れた平滑性を実現できる。
また、スルーホール導体9、貫通導体13となる貫通孔に充填される導体ペーストとしては、例えば主配線層7、微細配線層11を形成する金属の粉末にエポキシ、セルロース等の樹脂成分を添加し、酢酸ブチルなどの溶媒によって混練したものが好適に使用される。この導体ペーストは貫通孔への充填後溶剤を乾燥させるが、はじめから溶剤の量を0とすることで乾燥時間を短縮することができる。
また、スルーホール導体9、貫通導体13の低抵抗化とスルーホール導体9、貫通導体13上部、底部の主配線層7、微細配線層11を形成する金属箔との接続性向上のために、少なくとも銅、アルミニウム、金、銀などから選ばれる少なくとも1種以上からなる高融点金属と錫、鉛、ビスマス、インジウムの少なくとも1種の金属、あるいはそれらの合金からなる低融点金属から形成されることが望ましい。高融点金属としては、低抵抗の観点から特に銅または銀が望ましい。低融点金属の融点は硬化時に金属導体のネックを形成させる観点から250℃以下であることが望ましい。
また、スルーホール導体9、貫通導体13に用いられる金属粉末の平均粒子径は1〜15μmの範囲とすることが望ましく、導電性ペーストの分散性と主配線層7、微細配線層11との濡れ性および充填性を高めるために3〜6μmとすることが望ましい。
そして、貫通導体13では、その端部側から0.1μm以上の厚みで主配線層7、微細配線層11を構成する金属成分が含まれていることがより好ましく、このように主配線層7、微細配線層11を構成する金属成分が拡散することにより、貫通導体13と主配線層7、微細配線層11との接合を強固にできる。尚、多層配線基板を一括硬化で作製する点からスルーホール導体9、貫通導体13を構成する金属成分は同じ成分を含有することが望ましい。
以下に、本発明の配線基板の製造方法について説明する。
まず、コア基板Aを作製するにあたって、図4(a)に示すように、半硬化状態の絶縁基板21に対して、レーザ加工により所望のスルーホール23を形成する。そして図4(b)に示すように、そのスルーホール23内に金属粉末を含有する導体ペーストを充填してスルーホール導体25を形成する。
次に、図4(c)に示すように、スルーホール導体25を形成した半硬化状態の絶縁基板21の主面に樹脂フィルム29の主面に形成された電解金属箔からなる主配線層27を当接させ、加熱加圧による転写により絶縁基板21の主面に主配線層27を埋設、形成する。
本発明では、この主配線層27の形成をあらかじめ樹脂フィルム29上にラミネートした金属箔をエッチングして作製したパターンの転写によって行う。転写条件は主配線層27が絶縁基板21上に埋設されて転写されるとともに、加圧加熱した際に絶縁基板21が変形せず、さらに、この後の積層が可能なように未硬化状態を保持する温度、圧力、時間が望ましく、その温度は60〜150℃、圧力は10〜50MPa、時間1〜10分が適当である。
例えば、主配線層27の形成には、まず、適当な樹脂フィルム29の表面にメッキ法などによって作製された銅、金、銀、アルミニウム等から選ばれる1種または2種以上の合金からなる厚さ1〜35μmの電解金属箔を接着し、その電解金属箔の表面に所望の配線パターンの鏡像パターンとなるようにレジスト層を付設した後、エッチング、レジスト除去によって所定の配線パターンの鏡像の主配線層27を形成する。この主配線層27の厚みは微細化が可能で導体抵抗を低くするという理由から5〜18μmが望ましい。また、通常、主配線層27の表面粗さは絶縁樹脂との密着強度確保の観点から粗化処理により調整される。
樹脂フィルム29としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、塩化ビニル、ポリプロピレン等公知のものが使用できる。樹脂フィルム29の厚みは10〜100μmが適当であり、望ましくは25〜50μmが良い。これは、樹脂フィルム29の厚みが10μmより小さいと樹脂フィルム29の変形や折れ曲がりにより形成した導体配線が断線を引き起こし易くなり、厚みが100μmより大きいと樹脂フィルム29の柔軟性がなくなるため樹脂フィルム29の剥離が難しくなるためである。また、樹脂フィルム29表面に電解金属箔を接着するための接着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系、エポキシ系等公知の接着剤が使用できる。
また、内部の主配線層27を形成するためには、あらかじめ表面粗さ(Ra)が0.2μm以上の電解金属箔を樹脂フィルム29に貼り合わせた方が絶縁基板21を形成する熱硬化性樹脂をエッチング処理において水分に曝すことがないので含有水分量を低くできる。この時、電解金属箔のカップリング処理を施さない方が、主配線層27を転写後のフィルムから剥離しやすい。
次に、図4(d)に示すように、その積層物を温度60〜150℃、圧力10〜50MPa、1〜10分の条件で加圧加熱した後、樹脂フィルム29を剥がすことにより、図4(e)に示すような、絶縁基板21を貫通してスルーホール導体25が形成された絶縁基板21の片面に、主配線層27が埋設された配線ユニットCを作製することができる。
また、例えば、配線ユニットCの形成にあたって、スルーホール導体25を形成した絶縁基板21の両面に主配線層27が形成された樹脂フィルム29を積層し、圧着することにより、絶縁基板21の両面への主配線層27の転写を同時に行うことができる。
また、上記のようにして作製した配線ユニットCの表面に埋設された主配線層27のうち、コア基板Aの表面側に位置する主配線層27に対して粗化処理を行い、主配線層27の表面粗さ(Rz)が0.5μm以上、特に1.6μm以上となるようにすることが望ましい。
この粗化処理は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、蟻酸などの酸処理による化学的なエッチング処理によって施すことができ、例えば、酸溶液を主配線層27の表面に噴霧することが望ましい。また、粗面化処理面(エッチング面)には、尖頭状の突起を多数形成することが望ましく、このような尖頭状の突起は、例えば、10質量%蟻酸溶液によって1μm/分以上の粗化速度で良好に形成できる。
そして、図5(f)に示すように、上記図4(a)〜(e)と同様にして作製された配線ユニットD、Eを配線ユニットCとともに積層し、加熱加圧することにより、例えば、図5(g)に示すようなコア基板Aを作製することができる。
次に、コア基板Aの表面に絶縁層41を積層する。例えば、図6(h)に示す3層構造の絶縁層41を用いる場合には、以下の方法が用いられる。
まず、液晶ポリマー層42aの表面を、熱硬化性樹脂からなる被覆層42bとの密着性を高めるためにバフ研磨・ブラスト研磨・ブラシ研磨・プラズマ処理・コロナ処理・紫外線処理・薬品処理等の方法を用いて中心線表面粗さRaが0.05〜5μmの値となるように粗化する。中心線表面粗さRaは、半田リフローの際に液晶ポリマー層42aと被覆層42bとの剥離を防止するという観点からは0.05μm以上であることが好ましく、表面に被覆層42bを形成する際に空気のかみ込みを防止するという観点からは5μm以下であることが好ましい。
次に、熱硬化性樹脂の絶縁性スラリーを液晶ポリマー42aの両面に塗布する。この絶縁性スラリーは、好適には、前述したような樹脂と無機フィラーの複合材料に、トルエン、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メタノール、メチルセロソルブアセテート、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド等の溶媒を添加して所定の粘度を有する流動体からなる。この絶縁性スラリーの粘度は、シート成形法にもよるが、例えば、ドクターブレード法で成形する場合、ハーケ社製レオメータRS100を使用し、直径20mmφ、角度1°のコーンを用いたときの、せん断速度100s−1の条件で1〜30Pa・sとすることが望ましい。
そして、この絶縁性スラリーを、たとえば容器に溜めておき、その中に液晶ポリマー層42aを通過させることによりワニス状態の熱硬化性樹脂を液晶ポリマー層42aの両面に塗布した後、乾燥して、図6(h)に示すような半硬化の液層ポリマー層42aの両主面に被覆層42bが形成された絶縁層41である積層体を作製することができる。
次に、図7(i)に示すように、この絶縁層41を温度100〜160℃、圧力1〜10MPa、時間1〜10分の条件でコア基板Aに接着する。なお、図7(i)以降の図においては、絶縁層41の積層構造は省略した。このとき、積層する温度及び圧力によって架橋度を調整し、三層構造の絶縁層において表面側の絶縁層が内部の絶縁層よりも高い硬度になるように設定する。その後、図7(j)に示すように絶縁層41にUV−YAGレーザなどで貫通孔43を形成する。この貫通孔43は絶縁層41の下層に埋設されている主配線層27が露出するようにして形成する。
そのさい、主配線層27のレーザ光にさらされた面はレーザ加工によって一部、溶融、または昇華させて平滑化することが望ましい。このとき、主配線層27のレーザ光にさらされる面、言い換えると、後に貫通導体13と接する主配線層27のRz1が0.5〜1.5μmとなるようにレーザ照射して平滑化することが望ましい。ここでレーザ加工の条件は、例えばUV−YAGレーザ加工機を用いた場合、加工エネルギーを0.1〜2.0W、単位時間のパルス数(Rep−Rate)を1kHz〜50kHzの範囲とすることが適当である。このUV−YAGはRep−Rateが小さいほど出力エネルギーが大きくなり、また、レーザ光を放つ繰り返し回数が多いほど主配線層27を削っていくものである。そして、加工エネルギーが0.1Wより低い場合、もしくはパルス数が50kHzより大きい場合、貫通孔43の底部に樹脂残渣が残りやすく、また、加工エネルギーが2.0Wより高い場合、もしくはパルス数1kHzより小さい場合、貫通孔43底部の主配線層27に貫通する穴が開いたり、主配線層27にダメージが残る。また、レーザ光を放つ繰り返し回数は多いほど主配線層27を削るため、その出力により最適回数が決められる。
次に、図8(k)に示すように、このようにして形成した貫通孔43に、スルーホール導体25を形成したときと同様に金属粉末を含有する導体ペーストを充填して、貫通導体45を形成する。この導体ペーストは、銅、アルミニウム、金、銀などから選ばれる少なくとも1種以上を含有する高融点金属と、錫、ビスマス、インジウム、鉛の少なくとも1種の金属、あるいはそれらの合金からなる低融点金属とを含有する混合体であり、この低融点金属は硬化時の加圧、加熱によって貫通孔43上部と底部の配線層に濡れるか、金属の種類によっては配線層に拡散するものである。
さらに、図8(l)に示すように、主配線層27を形成したときと同様に、エッチングによりあらかじめ作製した樹脂フィルム46上の金属箔の配線パターンを粗面化した後、絶縁層41に転写することにより絶縁層41上に埋設された薄層配線層47を形成する。転写の際の温度は60〜150℃、圧力は10〜50MPa、時間1〜10分の条件が適当で、圧力が10MPaより小さいと厚み方向への圧縮が十分でなく貫通導体45を太鼓状に形成することができない。また、50MPaより大きいと転写時の樹脂の流動が大きくなり絶縁層41の厚みが制御できない。更にひどいときには、貫通導体43が流れ、隣接する貫通導体43間の絶縁がたもてなくなる、もしくは電気的にショートする危険がある。薄層配線層47の転写後、樹脂フィルム29を剥がすことにより、図9(m)に示すような配線基板を形成することができる。
その後、必要に応じて、絶縁層41の積層工程以降の工程を繰り返すことにより、絶縁層41および薄層配線層47を多層化することができる。このようにして作製した多層積層体を硬化して一体化して、絶縁基板21並びに絶縁層41の熱硬化性樹脂が完全に硬化する温度に加熱することにより、図1に示すような本発明の配線基板を作製することができる。この場合の硬化温度は、200〜250℃であることが望ましい。
また、配線基板の表面にさらにソルダーレジスト層を形成する場合は、この配線基板の表面にエポキシ樹脂などのソルダーレジスト層を全面に塗布し、その後、露光/現像して所定の箇所にパターンを露出させても良い。
なお、以上説明した例では3層構造の絶縁層41を用いたが、2層構造の場合でも本発明の配線基板を作製できるのは言うまでもない。また、単層の絶縁層41を用いた場合でも、絶縁層41の表面と内部とで硬化の程度を変化させることで、あたかも2層あるいは3層構造の絶縁層41を用いた場合と同様に太鼓状の貫通導体45を形成することができるのは勿論である。
コア基板Aを形成する絶縁基板21として、ガラスクロスにポリフェニレンエーテル樹脂(A−PPE樹脂)を含浸したプリプレグを用意した。次に、このプリプレグからなる絶縁基板21にCOレーザを用いて100μmφの径を有するスルーホール23を形成した。
次に、このスルーホール23に導体ペーストを充填してスルーホール導体25を形成した。導体ペーストは銅粉末の表面に3質量%銀コートした平均粒径5μmの導電性粒子と低融点金属粉末として平均粒径が7μmの錫粉末との混合粉末に対してトリアリルシアヌレート(TAIC)からなる有機成分を混合して調製し、この導体ペーストの粘度は30〜500Pa・s(ハーケ社製RS100レオメータ、コーン10mmφ、コーン角度1°、せん断速度100s−1)とした。
次に、絶縁基板21に転写する主配線層27として、厚み38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム29に、厚み12μmの電解銅箔27を貼り合わせて転写用の電解銅箔付きフィルムを準備した。この電解銅箔27の表面にドライフィルムレジストを貼付し、露光、炭酸ナトリウム溶液の噴霧による現像、塩化第二鉄によるエッチングを行い台形の形成角60°の形成角をもつ主配線層27を形成した。その後、水酸化ナトリウム溶液を用いてレジスト膜を剥離し、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に配線パターンを形成した。この後、蟻酸10質量%の水溶液を噴霧して主配線層27となる配線パターンを有する電解銅箔27の表面を表面粗さ(Rz)が2.9〜3.1μmとなるように粗化した。
なお、この電解銅箔27の表面の表面粗さ(Rz)は原子間力顕微鏡を用いてSiプローブで、50×50μmの領域を高さレンジ3μmで測定した。測定箇所は1つの配線パターンあたり5箇所とした。また、配線パターンはランド径が90μm、配線幅は70μmで作製した。
次に、導体ペーストを充填してスルーホール導体25を形成した絶縁基板21に対して、このポリエチレンテレフタレートフィルム29上に形成した配線パターンを有する電解銅箔27を位置あわせした後、120℃、20MPa、3分間の熱圧着により転写した。
次に、主配線層27を形成したプリプレグ21を4層積み重ね、120℃、5MPa、3分間の条件で加圧加熱を行い積層して、半硬化状態のコア基板Aを作製した。
次に、熱硬化性PPE樹脂に平均粒径1.0μmの球状シリカをその含有率を変更して加え、これに溶剤としてトルエン、硬化触媒を1体積%添加し、1時間混合してワニスを調整した。
また、融点が290℃で、上下面に平行な方向における熱膨張係数が−3×10−6/℃で、厚みが100μmの液晶ポリマー層42aを準備し、この表面を減圧プラズマ装置を用いて、電圧を27kV、雰囲気をCFおよびO(ガス流量がそれぞれ80cm/分)の条件で表面粗さが0.05μmとなるようにプラズマ処理した。
この後、ドクターブレード法によって、液晶ポリマー層42aの上下面に、厚さが35μmとなるように樹脂ワニスを塗布し、被覆層42bを形成して絶縁層41を作製した。
次に、上記方法で作製した絶縁層41を、先に作製した半硬化状態のコア基板Aの表面に130℃、5MPa、1分間の加圧加熱条件で積層した。
次に、コア基板Aに積層した絶縁層41の所定位置に、UV−YAGレーザ装置を用いて貫通孔43を形成した。このとき加工エネルギーを0.5W、単位時間のパルス数(Rep−Rate)を8〜10kHz、トレパニング加工とし、繰り返し回数3〜10回で絶縁層との接着部の表面粗さRz1を変化させて、最大径が約50μmの貫通孔43を形成した。このとき、貫通孔43底面に露出した主配線層27の表面粗さ(Rz1)は加工時のエネルギー及びパルス数を変化させることにより調整した。
次に、コア基板Aに用いた導体ペーストを、この貫通孔43に埋め込み、貫通導体45を形成した。
その後、コア基板Aに主配線層27を形成したときと同様に、電解銅箔付きフィルムを用いて、表面粗さ3μm、厚み18μmの薄層配線層47となる電解銅箔が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルム46を絶縁層41に位置合わせして、積層し、温度130℃、時間3分間で、圧力を5〜50MPaの範囲で変化させて、加熱加圧を行い、樹脂フィルム29と接着層を剥離して絶縁層41に微細配線層47を転写した。
その後、上記の工程を再度繰り返し行い、コア基板Aの表面および裏面に、それぞれ2層の貫通導体45と薄層配線層47とを有する絶縁層41を形成した後、温度240℃、圧力20MPa、1時間の条件で一括硬化し、配線基板を作製した。
このようにして360個の貫通導体45が微細配線層47によって直列に連結された配線基板を作製した。この配線基板に対して、240℃、2分のはんだディップ試験を行い、その前後の360個の貫通導体45と微細配線層47とからなる配線回路の電気抵抗を測定し、貫通導体45あたりの電気抵抗値の変化率を評価した。
また、配線基板を積層方向に切断して、走査型電子顕微鏡を用いて貫通孔43の貫通導体45の形状、並びに主配線層27、薄層配線層11の表面粗さを測定した。
なお、比較例として絶縁層41に微細配線層を転写する際圧力を5MPaで行なって作製した配線基板を作製した。この場合貫通孔43の形成方法以外の条件は同じとした。
Figure 2005285802
表1の結果から明らかなように、貫通導体の形状が太鼓状とならなかった試料No.1では、半田ディップ試験後の抵抗変化率が54%と大きく、信頼性に劣ることがわかる。
一方、本発明の貫通導体の形状が太鼓状となった試料No.2〜18ではいずれも抵抗変化率が9%以下となり、信頼性が格段に向上していることがわかる。
以下に本発明の試料について詳細に説明する。
絶縁層の加圧条件を変化させた試料No.2〜8では、加圧圧力が高くなるに従って、R1/R2、R3/R2が大きくなり、抵抗変化率が小さくなる傾向にあり、特に、加圧圧力が10MPa以上となる試料No.3〜8では、抵抗変化率が4%以下となり優れた信頼性を示した。
また、貫通導体と微細配線層との接続部の表面粗さRz1を変化させた試料No.9〜12では、表面粗さRz1が小さくなるにつれて、抵抗変化率が小さくなる傾向にある。
また、微細配線層の表面粗さRz2を変化させた試料No.13〜16では、表面粗さRz2が大きくなるにつれて抵抗変化率が小さくなる傾向にある。
(a)は、本発明のコア基板表面に表面多層配線層を形成した多層配線基板の一例を説明するための概略断面図であり、(b)は、その要部拡大図である。 貫通導体と主配線層、微細配線層との接合部の要部拡大図である。 (a)は、3層構造の絶縁層、(b)は、2層構造の絶縁層を説明する断面図である。 本発明の配線基板の製造方法の一例を説明するための工程図である。 本発明の配線基板の製造方法の一例を説明するための工程図である。 本発明の配線基板の製造方法の一例を説明するための工程図である。 本発明の配線基板の製造方法の一例を説明するための工程図である。 本発明の配線基板の製造方法の一例を説明するための工程図である。 本発明の配線基板の製造方法の一例を説明するための工程図である。
符号の説明
1・・・絶縁層
3・・・絶縁基板
5・・・絶縁板
7・・・主配線層
9・・・絶縁層
11・・・微細配線層
13・・・貫通導体
A・・・コア基板
R1・・・貫通導体の最小径
R2・・・貫通導体の最大径
Rz1・・・貫通導体と接するコア基板側の配線層の表面粗さ
Rz2・・・絶縁層と接する配線層の表面粗さ

Claims (9)

  1. 少なくとも樹脂を含有するコア基板と、該コア基板の少なくとも一方の主面に形成された絶縁層と、該絶縁層を貫通して形成された貫通導体と、前記コア基板又は前記絶縁層の主面に形成された配線層とを具備してなる配線基板において、前記貫通導体が太鼓状であることを特徴とする配線基板。
  2. 貫通導体の最大径が、貫通導体の最小径の1.2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  3. 貫通導体と接するコア基板側の配線層の表面粗さRz1が、前記貫通導体が形成された絶縁層と接する前記配線層の表面粗さRz2よりも小さく、その差が0.5μm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板。
  4. 貫通導体が、少なくとも導体粉末と、樹脂とを含有してなることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の配線基板。
  5. 貫通導体が、銅、アルミニウム、金、銀などから選ばれる少なくとも1種以上を含有する高融点金属と、錫、ビスマス、インジウム、鉛の少なくとも1種の金属、あるいはそれらの合金からなる低融点金属とを含有することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載の配線基板。
  6. 絶縁層が、有機繊維又は無機フィラーのうち少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれかに記載の配線基板。
  7. (a)少なくともスルーホールと配線層とを具備してなるコア基板の主面に、絶縁層を積層形成する工程と、(b)該絶縁層の所定の箇所にレーザ光を照射して貫通孔を形成する工程と、(c)該貫通孔内に導電性ペーストを充填して貫通導体を形成する工程と、(d)該貫通導体を形成した前記絶縁層の表面に、配線層が形成された転写フィルムを、減圧雰囲気で加熱、加圧して積層し、前記絶縁層の主面に前記配線層を転写形成するとともに、前記貫通導体を太鼓状に形成する工程と、(e)必要に応じ再度、絶縁層を積層形成した後、(b)(c)(d)工程を施す工程と、(e)(a)乃至(d)を経て作製された積層体を一括して硬化する工程と、を具備することを特徴とする配線基板の製造方法。
  8. 前記(a)の工程で用いる絶縁層が、主絶縁層と、該主絶縁層の両主面に形成された被覆層とから形成されていることを特徴とする請求項7に記載の配線基板の製造方法。
  9. 前記(a)の工程で用いる絶縁層において、主絶縁層の硬度よりも、被覆層の硬度の方が高いことを特徴とする請求項8に記載の配線基板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011504523A (ja) * 2007-11-13 2011-02-10 サムスン ファイン ケミカルズ カンパニー リミテッド 均一な誘電率を持つプリプレグ、及びこのプリプレグを使用した金属箔積層板とプリント配線板
JP2017228669A (ja) * 2016-06-23 2017-12-28 京セラ株式会社 配線基板およびその製造方法
WO2023003024A1 (ja) * 2021-07-20 2023-01-26 京セラ株式会社 配線基板

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