JP2005285162A - 光記録情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光学ヘッド装置より発生する近接場光により情報を記録再生する光記録情報記録媒体において、記録密度が1Tb/in2、あるいは、それ以上の場合でも、表面保護層や記録層の破壊が生じない、高い信頼性を持つ高密度記録媒体を提供する。
【解決手段】 情報を記録する記録層(2)の上に、記録媒体の最表面となる誘電体層(3)を設け、該設けた誘電体層(3)内に、誘電体層(3)の膜厚方向に連なり、直径が、記録に用いる光、及び、再生に用いる光の波長より小さい金属微粒子列(3)を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 情報を記録する記録層(2)の上に、記録媒体の最表面となる誘電体層(3)を設け、該設けた誘電体層(3)内に、誘電体層(3)の膜厚方向に連なり、直径が、記録に用いる光、及び、再生に用いる光の波長より小さい金属微粒子列(3)を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、高密度大容量光記録に用いる光記録情報記録媒体に関するものである。
近年、テラバイト(Tb,terabyte)級の情報を処理する技術として近接場光学方式が提案され、盛んに研究されている。この近接場光学方式は、近接場領域の近接場に存在する光を記録媒体への光源として用いるものであり、光の波長よりも小さい開口から発生する近接場光は、原則的に放射されないので、この近接場光を開口付近に位置した材料と相互作用させ、記録媒体への情報の記録、および、再生を行うことで光の回折限界を克服し、記録密度を飛躍的に向上させる可能性がある。
なお、本発明より先に出願された技術文献として、近接場光を効率よく発生させるために表面プラズモンを利用した情報記録再生装置がある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1は、三角プリズムの底面に全反射面を形成し、その全反射面に近接場発生用の微小開口を設けたマスク面が設けられているものである。
また、光導波路や光ファイバの端面を斜めに切断し、その端面に金属膜を製膜し、該製膜した金属膜にピンホールを形成し、金属膜での表面プラズモンを利用することで、ピンホールの透過率を向上させたものがある(例えば、特許文献2参照)。
また、微小金属を埋め込んだ平坦な基板に光を入射し、局在プラズモンを励起して微小体近傍の光電場を局所的に増強した光を用い、微小領域に情報の記録再生を行う方法がある(例えば、特許文献3参照)。
また、各種表面プラズモンを表面構造により制御するプラズモンミラーやプラズモンレンズの例を提案したものがある(例えば、非特許文献1参照)。
また、プラズモンデバイスのアナログとして、誘電体上に、電磁波の波長よりもその直径が小さい金属微粒子を設ける。そして、その誘電体上に設けた金属微粒子の間隔が電磁波波長よりも小さくなるような配列となるように金属微粒子列を設け、金属微粒子列の一端の金属微粒子を電磁波により励起すると、電磁エネルギーが金属微粒子列に沿って伝搬していくことが記載されたものがある(例えば、非特許文献2参照)。
特開2000−132861号公報
特開2000−173093号公報
特開2001−256664号公報
I.I.Smolyaninov et al.,"Experimental study of surface−plasmon scattering by individual surface defects",Physical Review B,Vol.56,No.3,pp.1601−1611(1997)
Stefan A. Maier, et al.,"Electromagnetic energy transport along arrays of closely spaced metal rods as an analogue to plasmonic devices",Applied Physics Letters,Vol.78,No.1, 1 January 2001, pp.16−18
なお、高密度で、かつ、高速に情報を読み書きしたり、ナノ光加工や光通信等に近接場光を利用したりするためには、より高効率に近接場光を発生させるプローブが必要であると同時に、そのような光学ヘッド装置より発生する近接場光により所望の情報を記録再生する記録媒体もそれに適したものが必要となる。
記録媒体は、一般的に、表面保護層、記録層、記録層の下基板側に下地層を備え、表面保護層は、光学ヘッド装置との磨耗に耐えうるように構成される。このような構成の記録媒体は、記録密度が1Tb/in2の場合を考えたとき、情報の1ビット分が記録媒体上に占める大きさは約20〜30nm四方となるが、仮に30nmとすると、近接場光が光学ヘッドにより発生し、記録層に情報を記録するためには表面保護層を通らなければならないことになる。
なお、表面保護層はSiC等の誘電体層で構成される。したがって、光の性質上、表面保護層にカップリングした電磁波は、表面保護層内で広がろうとする。このため、表面保護層が30nm近くになると記録層に達するまでに光が広がってしまい、30nmの大きさのマークを記録・再生することはできなくなる。そのため、表面保護層の厚さを5nm以下にしなければならない。
しかしながら、表面保護層を薄くすると、光学ヘッドと表面保護層とが接触したとき(実際は、頻繁に接触しながら記録・再生している)、表面保護層が破壊したり、記録層そのものが破壊したりすることになる。また、破壊に至らなくても、周囲の湿気やガスなどにより記録層が好ましくない変成を生じ、記録・再生が不可能となる。
このため、表面保護層はできれば数十nm程度の厚みが必要となる。また、記録層そのものも単なる平坦な膜構造であれば、ここに到達した光も記録層内で広がり、高密度な記録・再生ができなくなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、光学ヘッド装置より発生する近接場光により情報を記録再生する光記録情報記録媒体において、記録密度が1Tb/in2、あるいは、それ以上の場合でも、表面保護層や記録層の破壊が生じない、高い信頼性を持つ高密度記録媒体を提供することを目的とするものである。
かかる目的を達成するために、本発明は以下の特徴を有することとする。
本発明にかかる光記録情報記録媒体は、光学ヘッド装置より発生する近接場光により情報を記録再生する光記録情報記録媒体であって、情報を記録する記録層の上に、記録媒体の最表面となる誘電体層を設け、該設けた誘電体層内に、誘電体層の膜厚方向に連なり、直径が、記録に用いる光、及び、再生に用いる光の波長より小さい金属微粒子列を設けて構成されてなることを特徴とするものである。このように、誘電体層(表面保護層)内に、誘電体層の膜厚方向に連なり、直径が、記録に用いる光及び再生に用いる光の波長より小さい金属微粒子列を設けているので、表面層の厚さを厚くすることができ、記録密度が1Tb/in2あるいはそれ以上の場合でも、表面保護層や記録層を破壊することがなく、高い信頼性を持つ高密度記録媒体を得ることが可能となる。
また、本発明にかかる光記録情報記録媒体において、記録層は、記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を再生に用いる光により検出することができる記録微粒子を、金属微粒子列の最も基板に近い金属微粒子の直下に、情報記録の単位として含めて構成されてなることを特徴とするものである。このように記録層が、記録に用いる光により、光学的特性が変化し、該変化を再生に用いる光により検出することができる光記録微粒子を金属微粒子列の最も基板に近い端に、かつ、情報記録の単位(1ビット)として含むことから、微粒子配列を伝搬してきた光のエネルギーを効率よく記録微粒子にカップリングすることができ、さらに高密度な記録媒体を得ることが可能となる。
また、本発明にかかる光記録情報記録媒体において、記録微粒子は、相変化材料により構成されてなることを特徴とするものである。このように、記録微粒子が相変化材料により構成されていることから、その比抵抗は、金属微粒子列内の金属微粒子の比抵抗とほぼ等しいので、金属微粒子列を伝搬してきたエネルギーを効率よくカップリングすることが可能となる。
また、本発明にかかる光記録情報記録媒体において、記録微粒子は、金属微粒子の核と、該核の回りに記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を再生に用いる光により検出することができる光記録材料と、を配置して構成されてなることを特徴とするものである。このように、記録微粒子が、金属微粒子の核と該核の回りに、記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を再生に用いる光により検出することができる光記録材料を配置したことから、核となる金属微粒子の材料や光記録微粒子の直径などの条件を選択することで、微粒子配列を伝搬してきた光エネルギーを効率よく記録微粒子にカップリングすることが可能となる。
また、本発明にかかる光記録情報記録媒体において、光記録材料は、相変化材料であることを特徴とするものである。このように、光記録材料が相変化材料であることから、光記録材料の比抵抗が微粒子配列層内の金属微粒子および光記録微粒子の核となる金属微粒子の比抵抗とほぼ等しいので、伝搬してきたエネルギーを効率よくカップリングすることが可能となる。
また、本発明にかかる光記録情報記録媒体において、光記録材料は、有機色素材料であることを特徴とするものである。このように、光記録材料が有機色素材料であることから、電磁エネルギーによる有機色素材料の変成により情報が記録され、記録の前後で金属微粒子から記録微粒子へのカップリングが大きく異なるため、記録微粒子の状態により検出光量が変わる。つまり、情報を読み取る(再生する)ことが可能となる。
また、本発明にかかる光記録情報記録媒体において、光記録材料は、フォトクロミック材料であることを特徴とするものである。このように、光記録材料がフォトクロミック材料であることから、電磁エネルギーによるフォトクロミック材料の吸収スペクトルの変化により情報が記録され、記録の前後で金属微粒子から記録微粒子へのカップリングが大きく異なるため、記録微粒子の状態により検出光量が変わる。つまり、情報を読み取る(再生する)ことが可能となる。
また、本発明にかかる光記録情報記録媒体において、記録層は、記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を再生に用いる光により検出することができる光記録材料よりなり、かつ、記録層は、金属微粒子列の最も基板に近い金属微粒子の直下に、情報記録の単位として金属微粒子が含まれて構成されてなることを特徴とするものである。このように、記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を再生に用いる光により検出することができる光記録材料よりなる記録層内に金属微粒子を含むので、この金属微粒子の材料や直径など微粒子配列の金属微粒子に近いものを選ぶことにより微粒子配列を伝搬してきた光のエネルギーが効率よく記録層内の金属微粒子にカップリングすることができ、さらに高密度な記録媒体を得ることが可能となる。
また、本発明にかかる光記録情報記録媒体において、光記録材料は、有機色素材料であることを特徴とするものである。このように、光記録材料が有機色素材料であることから、電磁エネルギーによる有機色素材料の変成により情報が記録され、記録の前後で金属微粒子から記録微粒子へのカップリングが大きく異なるため、記録微粒子の状態により検出光量が変わる。つまり、情報を読み取る(再生する)ことが可能となる。
また、本発明にかかる光記録情報記録媒体において、光記録材料は、フォトクロミック材料であることを特徴とするものである。このように、光記録材料がフォトクロミック材料であることから、電磁エネルギーによるフォトクロミック材料の吸収スペクトルの変化により情報が記録され、記録の前後で金属微粒子から記録微粒子へのカップリングが大きく異なるため、記録微粒子の状態により検出光量が変わる。つまり、情報を読み取る(再生する)ことが可能となる。
また、本発明にかかる光記録情報記録媒体において、金属微粒子列間の距離を、記録または再生に用いる光の内、真空中の波長が長い方の光の波長の0.05倍より大きくしたことを特徴とするものである。このように、金属微粒子列間の距離を、記録または再生に用いる光の内、真空中の波長が長い方の光の波長の0.05倍より大きくしているので、記録媒体の情報記録の単位間でクロスイレース、クロスライト、クロスリードが生じないようにすることが可能となる。
本発明にかかる光記録情報記録媒体は、光学ヘッド装置より発生する近接場光により情報を記録再生する光記録情報記録媒体であって、情報を記録する記録層の上に、記録媒体の最表面となる誘電体層を設け、該設けた誘電体層内に、誘電体層の膜厚方向に連なり、直径が、記録に用いる光、及び、再生に用いる光の波長より小さい金属微粒子列を設けて構成されてなることで、表面層の厚さを厚くすることができ、記録密度が1Tb/in2あるいはそれ以上の場合でも、表面保護層や記録層を破壊することがなく、高い信頼性を持つ高密度記録媒体を得ることが可能となる。
まず、図1を参照しながら、本発明にかかる光記録情報記録媒体の特徴について説明する。
本発明にかかる光記録情報記録媒体は、光学ヘッド装置より発生する近接場光により情報を記録再生する光記録情報記録媒体であり、情報を記録する記録層(2)の上に、記録媒体の最表面となる誘電体層(3)を設け、該設けた誘電体層(3)内に、誘電体層(3)の膜厚方向に連なり、直径が、記録に用いる光、及び、再生に用いる光の波長より小さい金属微粒子列(3)を設けて構成されてなることで、表面層(2、3)の厚さを厚くすることができ、記録密度が1Tb/in2あるいはそれ以上の場合でも、表面保護層(3)や記録層(2)を破壊することがなく、高い信頼性を持つ高密度記録媒体を得ることが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明にかかる光記録情報記録媒体について詳細に説明する。
まず、図1を参照しながら、本発明にかかる光記録情報記録媒体の構成について説明する。なお、図1は、光ヘッドを近接させた本発明にかかる光記録情報記録媒体を示唆する模式的斜視構成図である。
本発明にかかる光記録情報記録媒体は、メディア基板(1)上にナノ構造を持つナノ構造記録層(2)(図1に示唆するように、例えば、50nm間隔に仕切られたセル構造の記録層等)が設けられ、さらに、そのナノ構造記録層(2)の上には、誘電体(9)の中に金属微粒子(5)が膜厚方向に列をなす微粒子配列層(3)(誘電体層)が設けられている。また、スライダ形状の光ヘッド(4)の端面には金属薄膜、例えば、金、銀、銅、白金などの上に同種類の金属微粒子(5)が配置されている。
なお、レーザ光(6)の波長が、例えばλ=780nmとした場合、光ヘッド(4)、及び、微粒子配列層(3)の金属微粒子(5)の直径は、数十nm、より、具体的には、20nm程度が好ましい。また、微粒子配列層(3)の金属微粒子(5)の間隔も、数十nmから100nmの間が好ましい。より、具体的には、40nm程度が好ましい。つまり、金属微粒子(5)のピッチは、60nm程度となる。また、微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)同士の面内方向のピッチも60nm程度でよい。
微粒子配列層(3)は、周辺雰囲気中の湿気やガスから記録層(2)の材料を保護する表面保護層であるとともに、スライダ(光ヘッド(4))と記録媒体との接触による機械的破壊から記録層(2)を保護する耐摺動層の役目もある。
光ヘッド(4)の端面にある金属微粒子(5)の内、最も記録媒体よりの粒子に近接場光が生じる。この近接場光は、微粒子配列層(3)の最も表面よりの微粒子を励起することになる。このエネルギーは、微粒子配列層(3)の金属微粒子(5)の配列に沿って、記録層(2)の方に伝搬していくことになる。なお、本実施形態において、金属微粒子(5)の配列間の距離を、0.05λ(λは、使用している光の真空中での波長)以上とする構造が挙げられる。
微粒子配列層(3)の金属微粒子(5)の配列を伝搬していく近接場光のエネルギーは、金属微粒子列からはほとんどが外に出て行かず、いわば、閉じこめられた状態のまま伝搬することになる。伝搬するエネルギーは、粒子列から0.05λ程度の範囲に、エネルギーの90%が閉じこめられることになる。したがって、λ=780nmの場合、金属微粒子配列から40nm程度の範囲にエネルギーのほぼ90%が閉じこめられるので、金属微粒子列間の距離をこれ以上に取れば、隣の金属微粒子列にエネルギーが移ってしまうことはない。したがって、記録したい記録層内の金属微粒子に隣接する金属微粒子に誤って情報が記録される、いわゆるクロスライト(cross write)、あるいは、隣接する金属微粒子に記録されている情報が混信してしまう、いわゆるクロスリード(cross read)、または、記録を消してしまう、いわゆるクロスイレース(cross erase)が生じないことになる。
なお、伝搬速度は、0.6c(c=光速)なので、非常に高速となる。伝搬の損失は、約2.2λの長さに対して3db(1/√2≒0.7)なので、この程度の損失が許されるのならば、微粒子配列層(3)の厚みは、2.2×0.78μm=1.7μm程度でも可能である。実際には、1.7μm程度の厚みになると、作製する時間がかかり現実的ではないので、もっと薄い方が好ましい。例えば、0.1μm=100nmが適当である。ただし、これは一例であり、他の条件から必要であれば、もっと厚くても可能である。
なお、微粒子配列層(3)を単なる薄膜の表面保護層を用いた場合には、近接場が一旦、表面保護層内にカップリングすると、短い距離で拡散してしまうことになる。情報を記録する間隔の1/10以下にしなければならないので、この場合だと、6nmの厚みの保護層にしなければならない。しかしながら、保護層を薄くすると、光ヘッド(4)と接触したとき保護層のみの場合は、記録層(2)まで破壊する虞があるなど好ましくない結果をもたらすことになる。これに対して、本発明のように、誘電体層(表面保護層)内に該誘電体層の膜厚方向に連なり、直径が、記録に用いる光、及び、再生に用いる光の波長より小さい金属微粒子列を設けることで、微粒子配列層(3)(=誘電体層=表面保護層=耐摺動層)の厚さを100nm程度とすることが可能となり、記録密度が1Tb/in2あるいはそれ以上の場合でも、表面保護層や記録層を破壊することがなく、高い信頼性を持つ高密度記録媒体を得ることができる。しかも、近接場光は、金属微粒子列により広がらないので、高密度な記録・再生を実現することが可能となる。
次に、第2の実施例について説明する。
第2の実施例における光記録情報記録媒体は、図2に示唆するように、記録層(10)は、記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を再生に用いる光により検出することができる記録微粒子(12)を、金属微粒子列の最も基板に近い金属微粒子(5)の直下に、情報記録の単位として含めて構成されてなることを特徴とするものである。また、記録微粒子(12)は、相変化材料(14)により構成されてなることを特徴とするものである。以下、図2を参照しながら、第2の実施例の光記録情報記録媒体について説明する。なお、図2は、本発明にかかる光記録情報記録媒体の実施例を示唆する模式的な斜視構成図である。基本的には図1と同じ構成であるが、図2に示唆するように、第2の実施例の光記録情報記録媒体は、図1に示唆する記録層(2)の構造が異なることになる。
第2の実施例における光記録情報記録媒体は、図2に示唆するように、記録層(10)は、記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を再生に用いる光により検出することができる記録微粒子(12)を、金属微粒子列の最も基板に近い金属微粒子(5)の直下に、情報記録の単位として含めて構成されてなることを特徴とするものである。また、記録微粒子(12)は、相変化材料(14)により構成されてなることを特徴とするものである。以下、図2を参照しながら、第2の実施例の光記録情報記録媒体について説明する。なお、図2は、本発明にかかる光記録情報記録媒体の実施例を示唆する模式的な斜視構成図である。基本的には図1と同じ構成であるが、図2に示唆するように、第2の実施例の光記録情報記録媒体は、図1に示唆する記録層(2)の構造が異なることになる。
第2の実施例における光記録情報記録媒体は、図2に示唆するように、記録層(10)は、誘電体(11)の中に記録微粒子(12)が分散された状態になっている。記録微粒子(12)の直径は、微粒子配列層(3)の金属微粒子(5)と等しくするのが好ましい。また、微粒子配列層(3)内の最も記録層(10)に近い金属微粒子(5)と、その直下の記録微粒子(12)間のピッチは、微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)間のピッチと等しくすることが好ましい。また、微粒子配列層(3)の誘電体(9)の誘電率と、記録層(10)内の誘電体(11)の誘電率とが近いことが好ましい。また、記録微粒子(12)そのものは金属を主成分とする合金が好ましい。これらの条件により微粒子配列層(3)内の微粒子配列を伝搬してきた光のエネルギーが効率よく記録微粒子(12)にカップリングすることができることになる。いわゆる、インピーダンスマッチングが取れた状態となる。
なお、記録微粒子(12)の材料としては、いわゆる相変化材料が適している。例としては、AgInSbTe、GeSbTe、AgInSbTeGe、InTe、SbTeなどが挙げられる。これらは合金であるので、その比抵抗は、ほとんど微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)の比抵抗とほぼ等しいので、伝搬してきたエネルギーが効率よくカップリングすることになる。
なお、記録微粒子(12)に好適な相変化材料は、結晶相とアモルファス相との間で相変化を生じる。両相間ではその比抵抗が6桁近く変化する。したがって、金属微粒子(5)から記録微粒子(12)へのカップリングが、記録微粒子(12)が結晶相である場合と、アモルファス相である場合と、で大きく異なることになる。これにより、記録微粒子(12)の相状態により、微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)の配列から記録微粒子(12)にまで伝播するエネルギーが変わることになる。
なお、記録微粒子(12)に伝わった光エネルギーは、スライダの反対側から検出するため、記録微粒子(12)の状態により、検出光量は変わることになる。つまり、情報を読み取る(情報を再生する)ことが可能となる。なお、第2の実施例は、記録微粒子(12)として相変化材料を適用したが、記録に用いる光によりその光学的特性が変化しうるもので、再生が可能なものであれば、他の材料を適用することも可能である。
次に、第3の実施例について説明する。
第3の実施例における光記録情報記録媒体は、図3に示唆するように、記録微粒子(12)は、金属微粒子(13)の核と、該核の回りに記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を前記再生に用いる光により検出することができる光記録材料(14)と、を配置し、その光記録材料(14)として、相変化材料を適用したことを特徴とするものである。以下、図3を参照しながら、第3の実施例の光記録情報記録媒体について説明する。なお、図3は、本発明にかかる光記録情報記録媒体の実施例を示唆する模式的構成図である。
第3の実施例における光記録情報記録媒体は、図3に示唆するように、記録微粒子(12)は、金属微粒子(13)の核と、該核の回りに記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を前記再生に用いる光により検出することができる光記録材料(14)と、を配置し、その光記録材料(14)として、相変化材料を適用したことを特徴とするものである。以下、図3を参照しながら、第3の実施例の光記録情報記録媒体について説明する。なお、図3は、本発明にかかる光記録情報記録媒体の実施例を示唆する模式的構成図である。
なお、図3は、記録媒体の構造のみを示唆している。記録再生の方法は、図1、図2の場合と同じである。また、微粒子配列層(3)は上記の実施例と同様である。
第3の実施例における光記録情報記録媒体の記録層(10)は、誘電体(11)の中に記録微粒子(12)が分散された状態になっている。ただし、記録微粒子(12)の構造が第2の実施例とは異なる。第3の実施例における記録層(10)の記録微粒子(12)は、その記録微粒子(12)の核となる金属微粒子(13)と、この金属微粒子(13)を包み込むように設けられている光記録材料(相変化材料)(14)とで構成されている。
なお、核となる金属微粒子(13)の材料は、微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)と同じ物が好ましい。記録微粒子(12)の誘電体(11)の誘電率や光記録材料(14)の特性により異なるが、記録微粒子(12)の直径、すなわち、金属微粒子(13)と光記録材料(14)(図3では、相変化材料)とを合わせた直径を、あるいは、核となる金属微粒子(13)の直径を、微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)と等しくするのが好ましい。また、微粒子配列層(3)内の最も記録層(10)に近い金属微粒子(5)と、その直下の記録微粒子(12)と間のピッチは、微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)間のピッチと等しくすることが好ましい。また、微粒子配列層(3)の誘電体(9)の誘電率と記録層(10)の誘電体(11)の有電率とが近いことが好ましい。また、記録微粒子(12)の光記録材料(14)は、金属を主成分とする合金が好ましい。これらの条件により、微粒子配列層(3)内の金属微粒子配列を伝搬してきた光のエネルギーが効率よく記録微粒子(12)にカップリングすることができる。いわゆる、インピーダンスマッチングが取れた状態となる。
なお、記録微粒子(12)の光記録材料(14)としては、いわゆる相変化材料が適している。例としては、AgInSbTe、GeSbTe、AgInSbTeGe、InTe、SbTeなどが挙げられる。これらは、合金であるので、その比抵抗は、ほとんど微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)、および、記録微粒子(12)の核となる金属微粒子(13)の比抵抗とほぼ等しいので、伝搬してきたエネルギーが効率よくカップリングすることになる。
なお、光記録材料(14)となる相変化材料は、結晶相とアモルファス相との間で相変化を生じることになる。両相間ではその比抵抗が6桁近く変化する。したがって、金属微粒子(5)から記録微粒子(12)へのカップリングが、記録微粒子(12)が結晶相である場合と、アモルファス相である場合とで大きく異なることになる。これにより記録微粒子(12)の相変化材料の相状態により、微粒子配列層(3)の金属微粒子配列から記録微粒子(12)にまで伝播するエネルギーが変わることになる。なお、記録微粒子(12)に伝わった光エネルギーは、スライダの反対側から検出するので、記録微粒子(12)の状態により、検出光量は変わることになる。つまり、情報を読み取る(情報を再生する)ことが可能となる。
なお、第3の実施例における光記録情報記録媒体における光記録材料(14)として相変化材料を適用したが、記録に用いる光によりその光学的特性が変化しうるもので、再生が可能なものであれば、他の材料を適用することも可能である。
次に、第4の実施例について説明する。
第4の実施例における光記録情報記録媒体は、図4に示唆するように、記録微粒子(12)は、金属微粒子(15)の核と、該核の回りに記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を前記再生に用いる光により検出することができる光記録材料(16)と、を配置し、その光記録材料(16)として、有機色素材料を適用したことを特徴とするものである。以下、図4を参照しながら、第4の実施例の光記録情報記録媒体について説明する。なお、図4は、本発明にかかる光記録情報記録媒体の実施例を示唆する模式的構成図である。
第4の実施例における光記録情報記録媒体は、図4に示唆するように、記録微粒子(12)は、金属微粒子(15)の核と、該核の回りに記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を前記再生に用いる光により検出することができる光記録材料(16)と、を配置し、その光記録材料(16)として、有機色素材料を適用したことを特徴とするものである。以下、図4を参照しながら、第4の実施例の光記録情報記録媒体について説明する。なお、図4は、本発明にかかる光記録情報記録媒体の実施例を示唆する模式的構成図である。
なお、図4は、記録媒体の構造のみを示唆している。記録再生の方法は、図1、図2の場合と同じである。また、微粒子配列層(3)は上記の実施例と同様である。
第4の実施例における光記録情報記録媒体において、記録層(10)は、誘電体(11)の中に記録微粒子(12)が分散された状態になっている。ただし、記録微粒子(12)の構造が、上記実施例とは異なることになる。第4の実施例における記録微粒子(12)は、その記録微粒子(12)の核となる金属微粒子(15)と、金属微粒子(15)を包み込むように設けられている光記録材料(有機色素材料)(16)と、により構成される。
なお、核となる金属微粒子(15)の材料は、微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)と同じ物が好ましい。記録微粒子(12)の誘電体(11)の誘電率や光記録材料(16)の特性により異なるが、記録微粒子(12)の直径、すなわち、金属微粒子(15)と光記録材料(16)(図4では、有機色素材料)とを合わせた直径を、あるいは、核となる金属微粒子(15)の直径を、微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)と等しくするのが好ましい。また、微粒子配列層(3)内の最も記録層(10)に近い金属微粒子(5)とその直下の記録微粒子(12)間のピッチは、微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)間のピッチと等しくすることが好ましい。また、微粒子配列層(3)の誘電体(9)の誘電率と記録層(10)の誘電体(11)の誘電率とが近いことが好ましい。これらの条件により微粒子配列層(3)内の金属微粒子配列を伝搬してきた光のエネルギーが効率よく記録微粒子(12)にカップリングすることが可能となる。いわゆるインピーダンスマッチングが取れた状態となる。
なお、記録微粒子(12)の光記録材料(16)として、有機色素材料を用いることが好ましい。例としては、フタロシアニンなどのシアニン色素、アザアヌレン色素、金属キレート色素などが挙げられる。記録微粒子(12)の核である金属微粒子(15)にカップリングした光は、近接場光としてこの金属微粒子(15)周辺に存在する。その電磁界が数十nmの非常に狭い領域に閉じこめられるので、電磁界強度は、非常に強くなる。この電磁界のエネルギーにより有機色素材料(16)が変成し、情報が記録されることになる。なお、変成は有機色素材料(16)の分子構造の変化と形状変化との両方で生じる。したがって、金属微粒子(5)から記録微粒子(12)へのカップリングが、有機色素材料(16)への記録前後で大きく異なることになる。これにより、有機色素材料(16)の状態により、微粒子配列層(3)内の金属微粒子配列から記録微粒子(12)まで伝播するエネルギーが変わることになる。記録微粒子(12)に伝わった光エネルギーはスライダの反対側から検出するので、記録微粒子(12)の状態により、検出光量は変わることになる。つまり、情報を読み取る(情報を再生する)ことが可能となる。
なお、記録微粒子(12)の光記録材料(16)として有機色素材料を用いたが、記録に用いる光によりその光学的特性が変化しうるものであり、再生が可能なものであれば、他の材料を適用することも可能である。
次に、第5の実施例について説明する。
第5の実施例における光記録情報記録媒体は、図5に示唆するように、記録微粒子(12)は、金属微粒子(17)の核と、該核の回りに記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を前記再生に用いる光により検出することができる光記録材料(18)と、を配置し、その光記録材料(18)として、フォトクロミック材料を適用したことを特徴とするものである。以下、図5を参照しながら、第5の実施例の光記録情報記録媒体について説明する。なお、図5は、本発明にかかる光記録情報記録媒体の実施例を示唆する模式的構成図である。
第5の実施例における光記録情報記録媒体は、図5に示唆するように、記録微粒子(12)は、金属微粒子(17)の核と、該核の回りに記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を前記再生に用いる光により検出することができる光記録材料(18)と、を配置し、その光記録材料(18)として、フォトクロミック材料を適用したことを特徴とするものである。以下、図5を参照しながら、第5の実施例の光記録情報記録媒体について説明する。なお、図5は、本発明にかかる光記録情報記録媒体の実施例を示唆する模式的構成図である。
なお、図5は、記録媒体の構造のみを示唆している。記録再生の方法は、図1、図2の場合と同じである。また、微粒子配列層(3)は上記の実施例と同様である。
第5の実施例における光記録情報記録媒体において、記録層(10)は、誘電体(11)の中に記録微粒子(12)が分散された状態になっている。ただし、記録微粒子(12)の構造が、上記実施例とは異なることになる。第5の実施例における記録微粒子(12)は、その記録微粒子(12)の核となる金属微粒子(17)と、金属微粒子(17)を包み込むように設けられている光記録材料(フォトクロミック材料)(18)と、により構成される。
核となる金属微粒子(17)の材料は、微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)と同じ物が好ましい。記録微粒子(12)の誘電体(11)の誘電率や光記録材料(18)の特性により異なるが、記録微粒子(12)の直径、すなわち、金属微粒子(15)と光記録材料(18)(図5では、フォトクロミック材料)とを合わせた直径を、あるいは、核となる金属微粒子(17)の直径を、微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)と等しくするのが好ましい。また、微粒子配列層(3)内の最も記録層(10)に近い金属微粒子(5)とその直下の記録微粒子(12)間のピッチは、微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)間のピッチと等しくすることが好ましい。また、微粒子配列層(3)の誘電体(9)の誘電率と記録層(10)の誘電体(11)の誘電率とが近いことが好ましい。これらの条件により微粒子配列層(3)内の金属微粒子配列を伝搬してきた光のエネルギーが効率よく記録微粒子(12)にカップリングすることが可能となる。いわゆるインピーダンスマッチングが取れた状態となる。
なお、記録微粒子(12)の光記録材料(18)として、フォトクロミック材料を用いる。例としては、ジアリールエテン(図8−(a),(b),(c)に例を示す)、フキド、スピロベンゾピラン、アゾベンゼンなどが挙げられる。記録微粒子(12)の核である金属微粒子(17)にカップリングした光は、近接場光としてこの金属微粒子(17)周辺に存在する。その電磁界が数十nmの非常に狭い領域に閉じこめられるので、電磁界強度は非常に強くなる。この電磁界のエネルギーによりフォトクロミック材料(18)の吸収スペクトルが変化し、情報が記録される。吸収スペクトルの変化は、フォトクロミック材料(18)の屈折率の実数部と虚数部との両方が変化することである。したがって、金属微粒子(5)から記録微粒子(12)へのカップリングが、フォトクロミック材料(18)への記録前後で大きく異なることになる。これによりフォトクロミック材料(18)の状態により、微粒子配列層(3)内の金属微粒子配列から記録微粒子(12)まで伝播するエネルギーが変わることになる。記録微粒子(12)に伝わった光エネルギーはスライダの反対側から検出するので、記録微粒子(12)の状態により、検出光量は変わることになる。つまり、情報を読み取る(情報を再生する)ことが可能となる。
なお、記録微粒子(12)の光記録材料(18)としてフォトクロミック材料を用いたが、記録に用いる光によりその光学的特性が変化しうるもので、再生が可能なものであれば、他の材料を適用することも可能である。
次に、第6の実施例について説明する。
第6の実施例における光記録情報記録媒体は、図6に示唆するように、記録層(10)は、記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を再生に用いる光により検出することができる光記録材料(19)よりなり、かつ、記録層(10)は、金属微粒子列の最も基板に近い金属微粒子(5)の直下に、情報記録の単位として金属微粒子(12)が含まれて構成され、光記録材料(19)は、有機色素材料であることを特徴とするものである。以下、図6を参照しながら、第6の実施例の光記録情報記録媒体について説明する。なお、図6は、本発明にかかる光記録情報記録媒体の実施例を示唆する模式的構成図である。
第6の実施例における光記録情報記録媒体は、図6に示唆するように、記録層(10)は、記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を再生に用いる光により検出することができる光記録材料(19)よりなり、かつ、記録層(10)は、金属微粒子列の最も基板に近い金属微粒子(5)の直下に、情報記録の単位として金属微粒子(12)が含まれて構成され、光記録材料(19)は、有機色素材料であることを特徴とするものである。以下、図6を参照しながら、第6の実施例の光記録情報記録媒体について説明する。なお、図6は、本発明にかかる光記録情報記録媒体の実施例を示唆する模式的構成図である。
なお、図6は、記録媒体の構造のみを示唆している。記録再生の方法は、図1、図2の場合と同じである。また、微粒子配列層(3)は上記の実施例と同様である。
第6の実施例における光記録情報記録媒体において、記録層(10)は、有機色素材料(19)の中に金属微粒子(12)が分散された状態になっている。記録層(10)内の金属微粒子(12)の材料は、微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)と同じ物が好ましい。記録層(10)内の金属微粒子(12)の直径は、微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)と等しくするのが好ましい。また、微粒子配列層(3)内の最も記録層(10)に近い金属微粒子(5)とその直下の記録層(10)内の金属微粒子(12)間のピッチは、微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)間のピッチと等しくすることが好ましい。また、微粒子配列層(3)の誘電体(9)の誘電率と記録層(10)の光記録材料(図6では、有機色素材料)の誘電率とが近いことが好ましい。これらの条件により。微粒子配列層(3)内の金属微粒子配列を伝搬してきた光のエネルギーが効率よく記録層(10)内の金属微粒子(12)にカップリングすることが可能となる。いわゆるインピーダンスマッチングが取れた状態となる。
なお、記録層(10)の光記録材料(19)として、有機色素材料を用いる。例としては、フタロシアニンなどのシアニン色素、アザアヌレン色素、金属キレート色素などが挙げられる。記録層(10)内の金属微粒子(12)にカップリングした光は、近接場光としてこの金属微粒子(12)周辺に存在する。その電磁界が数十nmの非常に狭い領域に閉じこめられるので、電磁界強度は非常に強くなる。この電磁界のエネルギーにより記録層(10)内の金属微粒子(12)周辺の有機色素材料(19)が変成し、情報が記録されることになる。この変成は、有機色素材料(19)の分子構造の変化と形状変化との両方で生じる。したがって、金属微粒子(5)から記録層(10)内の金属微粒子(12)へのカップリングが、有機色素材料(19)への記録前後で大きく異なることになる。これにより、有機色素材料(19)の状態により、微粒子配列層(3)内の金属微粒子配列から記録層(10)内の金属微粒子(12)まで伝播するエネルギーが変わることになる。記録層(10)内の金属微粒子(12)に伝わった光エネルギーはスライダの反対側から検出するので、記録層(10)内の金属微粒子(12)周辺の記録材料(19)(有機色素材料)の状態により、検出光量は変わることになる。つまり情報を読み取る(情報を再生する)ことが可能となる。
なお、記録層(10)の光記録材料として有機色素材料(19)を適用したが、記録に用いる光によりその光学的特性が変化しうるもので、再生が可能なものであれば、他の材料を適用することも可能である。
次に、第7の実施例について説明する。
第7の実施例における光記録情報記録媒体は、図7に示唆するように、記録層(10)は、記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を再生に用いる光により検出することができる光記録材料(20)よりなり、かつ、記録層(10)は、金属微粒子列の最も基板に近い金属微粒子(5)の直下に、情報記録の単位として金属微粒子(12)が含まれて構成され、光記録材料(20)は、有機色素材料であることを特徴とするものである。以下、図7を参照しながら、第7の実施例の光記録情報記録媒体について説明する。なお、図7は、本発明にかかる光記録情報記録媒体の実施例を示唆する模式的構成図である。
第7の実施例における光記録情報記録媒体は、図7に示唆するように、記録層(10)は、記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を再生に用いる光により検出することができる光記録材料(20)よりなり、かつ、記録層(10)は、金属微粒子列の最も基板に近い金属微粒子(5)の直下に、情報記録の単位として金属微粒子(12)が含まれて構成され、光記録材料(20)は、有機色素材料であることを特徴とするものである。以下、図7を参照しながら、第7の実施例の光記録情報記録媒体について説明する。なお、図7は、本発明にかかる光記録情報記録媒体の実施例を示唆する模式的構成図である。
なお、図7は、記録媒体の構造のみを示唆している。記録再生の方法は、図1、図2の場合と同じである。また、微粒子配列層(3)は上記の実施例と同様である。
第7の実施例における光記録情報記録媒体は、記録層(10)は、フォトクロミック材料(20)の中に金属微粒子(12)が分散された状態になっている。記録層(10)内の金属微粒子(12)の材料は、微粒子配列層(3)の金属微粒子(5)と同じ物が好ましい。記録層(10)内の金属微粒子(12)の直径は、微粒子配列層(3)の金属微粒子(5)と等しくするのが好ましい。また、微粒子配列層(3)内の最も記録層(10)に近い金属微粒子(5)とその直下の記録層(10)内の金属微粒子(12)間のピッチは、微粒子配列層(3)内の金属微粒子(5)間のピッチと等しくすることが好ましい。また、微粒子配列層(3)の誘電体(9)の誘電率と記録層(10)の光記録材料(図7では、フォトクロミック材料)の誘電率とが近いことが好ましい。これらの条件により、微粒子配列層(3)内の金属微粒子配列を伝搬してきた光のエネルギーが効率よく記録層(10)内の金属微粒子(12)にカップリングすることが可能となる。いわゆるインピーダンスマッチングが取れた状態となる。
また、光記録材料としては、フォトクロミック材料を用いる。例としては、ジアリールエテン(図8−(a),(b),(c)に例を示す)、フキド、スピロベンゾピラン、アゾベンゼンなどが挙げられる。記録層(10)内の金属微粒子(12)にカップリングした光は、近接場光としてこの金属微粒子周辺に存在する。その電磁界が数十nmの非常に狭い領域に閉じこめられるので、電磁界強度は非常に強くなる。この電磁界のエネルギーにより記録層(10)内の金属微粒子(12)周辺のフォトクロミック材料(20)の吸収スペクトルが変化し、情報が記録されることになる。この吸収スペクトルの変化はフォトクロミック材料(20)の屈折率の実数部と虚数部との両方が変化することである。したがって、金属微粒子(5)から記録層(10)内の金属微粒子(12)へのカップリングが、フォトクロミック材料(20)への記録前後で大きく異なることになる。これによりフォトクロミック材料(20)の状態により、微粒子配列層(3)内の金属微粒子配列から記録層(10)内の金属微粒子(12)まで伝播するエネルギーが変わることになる。記録層(10)内の金属微粒子(12)に伝わった光エネルギーはスライダの反対側から検出するので、記録層(10)内の金属微粒子(12)周辺の記録材料(20)(フォトクロミック材料)の状態により、検出光量は変わることになる。つまり、情報を読み取る(情報を再生する)ことが可能となる。
なお、記録層(10)の光記録材料(20)としてフォトクロミック材料を適用したが、記録に用いる光によりその光学的特性が変化しうるもので、再生が可能なものであれば、他の材料を適用することも可能である。
なお、上述する実施例は、本発明の好適な実施例であり、上記実施例のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。例えば、上記実施例における光記録情報記録媒体において、金属微粒子列間の距離を、0.05λ(λは、使用している光の真空中での波長)以上とすることが好ましい。これにより、記録媒体の情報記録の単位間でクロスイレース、クロスライト、クロスリードが生じないようにすることができることが可能となる。
また、上記実施例において、光ヘッドとしてはスライダ端面にプラズモンレンズを設けたものだけでなく、スライダ底面にプラズモンレンズを設けたものでも可能である。また、プラズモンレンズを用いたものに限定されるわけではなく、図9に示唆するように光導波路(21)をスライダ(22)の端面に設けたものや、図10に示唆するように、ボウ・タイ型と呼ばれるものでも良いし、そのほかでも良い。また、上記実施例では金属微粒子や記録微粒子などは球形であるものを示したが、特にこれに限定するものではなく、楕円球体、立方体、直方体などでも可能である。
本発明の利用可能性として電子写真の背面露光型感光体ドラム等が好適である。
1 基版
2 ナノ構造記録層
3 微粒子配列層
4 光ヘッド
5、13、15、17 金属微粒子
6 レーザ光
7 サスペンション
8 プラズモンレンズ
9、11 誘電体
10 記録層
12 記録微粒子
14 相変化材料
16、19 有機色素材料
18、20 フォトクロミック材料
21 光導波路
22 スライダ
2 ナノ構造記録層
3 微粒子配列層
4 光ヘッド
5、13、15、17 金属微粒子
6 レーザ光
7 サスペンション
8 プラズモンレンズ
9、11 誘電体
10 記録層
12 記録微粒子
14 相変化材料
16、19 有機色素材料
18、20 フォトクロミック材料
21 光導波路
22 スライダ
Claims (11)
- 光学ヘッド装置より発生する近接場光により情報を記録再生する光記録情報記録媒体であって、
前記情報を記録する記録層の上に、前記記録媒体の最表面となる誘電体層を設け、該設けた誘電体層内に、前記誘電体層の膜厚方向に連なり、直径が、記録に用いる光、及び、再生に用いる光の波長より小さい金属微粒子列を設けて構成されてなることを特徴とする光記録情報記録媒体。 - 前記記録層は、前記記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を前記再生に用いる光により検出することができる記録微粒子を、前記金属微粒子列の最も基板に近い金属微粒子の直下に、情報記録の単位として含めて構成されてなることを特徴とする請求項1記載の光記録情報記録媒体。
- 前記記録微粒子は、相変化材料により構成されてなることを特徴とする請求項2記載の光記録情報記録媒体。
- 前記記録微粒子は、前記金属微粒子の核と、該核の回りに前記記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を前記再生に用いる光により検出することができる光記録材料と、を配置して構成されてなることを特徴とする請求項2記載の光記録情報記録媒体。
- 前記光記録材料は、相変化材料であることを特徴とする請求項4記載の光記録情報記録媒体。
- 前記光記録材料は、有機色素材料であることを特徴とする請求項4記載の光記録情報記録媒体。
- 前記光記録材料は、フォトクロミック材料であることを特徴とする請求項4記載の光記録情報記録媒体。
- 前記記録層は、前記記録に用いる光により光学的特性が変化し、該変化を前記再生に用いる光により検出することができる光記録材料よりなり、かつ、前記記録層は、前記金属微粒子列の最も基板に近い金属微粒子の直下に、情報記録の単位として前記金属微粒子が含まれて構成されてなることを特徴とする請求項1記載の光記録情報記録媒体。
- 前記光記録材料は、有機色素材料であることを特徴とする請求項8記載の光記録情報記録媒体。
- 前記光記録材料は、フォトクロミック材料であることを特徴とする請求項8記載の光記録情報記録媒体。
- 前記金属微粒子列間の距離を、記録または再生に用いる光の内、真空中の波長が長い方の光の波長の0.05倍より大きくしたことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光記録情報記録媒体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004093490A JP2005285162A (ja) | 2004-03-26 | 2004-03-26 | 光記録情報記録媒体 |
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-
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- 2004-03-26 JP JP2004093490A patent/JP2005285162A/ja not_active Withdrawn
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