JP2005283431A - 放射線遮蔽容器 - Google Patents

Abstract

【課題】 取扱者の被曝が未然に防止される放射線遮蔽容器を提供することを課題とする。
【解決手段】 放射性薬剤２が収容される薬瓶３を収容する容器本体４と、この容器本体４を覆う蓋体５と、容器本体４及び蓋体５により画成される薬瓶３の収容領域８とを備え、容器本体４を蓋体５で蓋することで収容領域８から外部への放射線を遮蔽する放射線遮蔽容器１において、薬瓶３の収容領域８の放射線を、容器本体４又は蓋体５に設けられ収容領域８に連通する通路１１を通して、当該容器本体４又は蓋体５に備えられる放射線検出器１２により検出しこの検出した放射線に関する情報を表示するようにし、取扱者が蓋体５を開けること無く放射線遮蔽容器１内の放射能レベルを認識可能とする。
【選択図】 図１

Description

本発明は、放射性薬剤が収容される薬瓶を、外部への放射線を遮蔽するように収容する放射線遮蔽容器に関する。

例えば病院等のＰＥＴ検査（陽電子断層撮影検査）等に使用される放射性薬剤は、薬瓶（バイアル）に収容され、この薬瓶は放射線遮蔽容器に収容され適宜使用に供される。

この放射線遮蔽容器としては、薬瓶を収容する有底筒状の容器本体と、この容器本体を覆う蓋体と、容器本体及び蓋体により画成される薬瓶の収容領域とを備え、これらの容器本体及び蓋体を例えば鉛等の放射線遮蔽材で構成し、容器本体を蓋体で蓋することで外部への放射線を遮蔽するものが知られている（例えば、特許文献１参照）。
特開平６―３４５１３３号公報

ここで、上記放射線遮蔽容器内の薬瓶の放射能レベルを知る場合には、取扱者が蓋体を開けて薬瓶を取り出し当該薬瓶を放射線を測定する機器に取り込んで測定を行っているが、これでは、放射線遮蔽容器内の放射能レベルが高い場合、取扱者の所定以上の被曝が避けられず、改善が求められている。

そこで、本発明は、取扱者の被曝が未然に防止される放射線遮蔽容器を提供することを目的とする。

本発明による放射線遮蔽容器は、放射性薬剤が収容される薬瓶を収容する容器本体と、この容器本体を覆う蓋体と、容器本体及び蓋体により画成される薬瓶の収容領域とを備え、容器本体を蓋体で蓋することで収容領域から外部への放射線を遮蔽する放射線遮蔽容器において、容器本体又は蓋体に、収容領域に繋がる通路と、当該通路を通して前記収容領域の放射線を検出しこの検出した放射線に関する情報を表示する放射線検出器と、を備えることを特徴としている。

このような放射線遮蔽容器によれば、容器本体及び蓋体により画成される薬瓶の収容領域の放射線が、容器本体又は蓋体に設けられ収容領域に連通する通路を通して、当該容器本体又は蓋体に備えられる放射線検出器により検出されこの検出された放射線に関する情報が表示される。このため、取扱者は蓋体を開けること無く放射線遮蔽容器内の放射能レベルを認識可能とされる。

ここで、放射線検出器を駆動するバッテリが付設されていると、放射線遮蔽容器の運搬を含む取扱性が向上される。

このように本発明による放射線遮蔽容器によれば、取扱者が蓋体を開けること無く放射線遮蔽容器内の放射能レベルが認識可能とされるため、取扱者の被曝を未然に防止することが可能となる。

以下、本発明による放射線遮蔽容器の好適な実施形態について図１及び図２を参照しながら説明する。なお、各図において、同一の要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図１は、本発明の実施形態に係る放射線遮蔽容器を示す縦断面図、図２は、図１に示す放射線遮蔽容器の平面図である。

図１に示すように、放射線遮蔽容器１は、例えば、ＰＥＴ検査に使用されるメチオニン、コリン、ＦＤＧ（^１８Ｆ−フルオロデオキシグルコース）や、ＳＰＥＣＴ検査に使用される^６７Ｇａ、^２０１Ｔｌ等の放射性薬剤２が収容される薬瓶３を収容するためのものである。ここでいう放射性薬剤２としては放射性医薬品を含む。

放射線遮蔽容器１は、薬瓶３を収容する容器本体４と、この容器本体４を覆う蓋体５と、を備えている。これらの容器本体４及び蓋体５は、放射線遮蔽材としての例えばタングステンや鉛等で構成され、薬瓶３から出射される放射線の外部への透過漏出を阻止する。

薬瓶３は、略牛乳瓶様の有底円筒状を成し、その上部開口が、注射針等の刺通を可能とする封止蓋体で封止されている。

容器本体４は、図１及び図２に示すように、略有底円筒状を成し、図１に示すように、この容器本体４と蓋体５により、薬瓶３の収容領域８が画成され、この収容領域８に薬瓶３が収容されている。この容器本体４には、有底円筒内底面に、薬瓶３の破損を防止するためのバイアルクッション６が設置されていると共に、本体外周上部に、図１及び図２に示すように、放射線遮蔽容器１全体を運搬するための把手７が揺動自在に設けられている。

蓋体５は、図１に示すように、中央下面に下方に突出する凸部９を備え、この凸部９が容器本体４の有底円筒内（凹部）に嵌り込むことで容器本体４を覆い、容器本体４と共に上記薬瓶３の収容領域８を画成している。この蓋体５の上面には、図１及び図２に示すように、当該蓋体５を容器本体４から取り外す、又、蓋する際に掴むための把手１０が揺動自在に設けられている。

ここで、特に本実施形態にあっては、図１に示すように、容器本体４に、収容領域８に繋がる通路１１と、この通路１１を通して収容領域８の放射線を検出する放射線検出器１２と、を備えている。収容領域８に繋がる通路１１は、容器本体４を水平方向に貫通するように設けられている。

放射線検出器１２は、図１及び図２に示すように、容器本体４の側面に設けられ、その外面が放射線遮蔽材である例えばタングステンや鉛等で覆われている。この放射線検出器１２は、図１に示すように、放射線を検出する放射線検出部１２ａが、通路１１に連通するように設けられている。

この放射線検出器１２としては種々のものが採用されるが、例えば放射線のエネルギーによる電離の結果生じた電荷を利用するＧＭ（ガイガーミューラー）計数管、半導体検出器等や、例えば放射線のエネルギーによる励起の結果生じた蛍光を利用するシンチレーションカウンタ等が採用される。

また、放射線検出器１２は、検出した放射線に関する情報（放射線量や放射能等）を外部に表示する表示部１２ｂを備えている。この表示部１２ｂは、外部に露出しているが、放射線の外部への漏出を防止すべく、通路１１に通じる放射線検出部１２ａに対しては、放射線を遮蔽可能に隔絶されている。この表示部１２ｂとしては種々のものが採用されるが、例えば、デジタル表示、又は、アナログ表示、又は、例えばレベルに応じて赤、黄、緑等の色別表示等を行うもの等が採用され、取扱者に目視可能とされている。さらに、この放射線検出器１２には、当該放射線検出器１２を駆動するためのバッテリ１２ｃが付設されている。

このように構成された放射線遮蔽容器１によれば、容器本体４及び蓋体５により画成される薬瓶３の収容領域８の放射線が、容器本体４に設けられ収容領域８に連通する通路１１を通して、当該容器本体４に備えられる放射線検出器１２により検出されこの検出された放射線に関する情報が表示部１２ｂで表示される。このため、取扱者は蓋体５を開けること無く放射線遮蔽容器１内の放射能レベルを認識可能とされ、取扱者の被曝を未然に防止することが可能とされている。

加えて、この放射線遮蔽容器１には、放射線検出器１２を駆動するバッテリ１２ｃが付設されているため、当該放射線遮蔽容器１の運搬を含む取扱性が向上されている。

以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、特に容器として好ましいとして、放射線検出器１２及び通路１１を容器本体４に設けているが、蓋体５に設けることも可能である。

また、放射線遮蔽容器１は、上記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、例えば、外観を良好とすべく合成樹脂製の外容器で覆うようにしても良く、要は、放射性薬剤が収容される薬瓶を収容する容器本体と、この容器本体を覆う蓋体と、容器本体及び蓋体により画成される薬瓶の収容領域とを備え、容器本体を蓋体で蓋することで収容領域から外部への放射線を遮蔽する放射線遮蔽容器であれば良い。

本発明の実施形態に係る放射線遮蔽容器を示す縦断面図である。 図１に示す放射線遮蔽容器の平面図である。

符号の説明

１…放射線遮蔽容器、２…放射性薬剤、３…薬瓶、４…容器本体、５…蓋体、８…薬瓶の収容領域、１１…通路、１２…放射線検出器、１２ａ…放射線検出部、１２ｂ…表示部、１２ｃ…バッテリ。

Claims (2)

1. 放射性薬剤が収容される薬瓶を収容する容器本体と、この容器本体を覆う蓋体と、前記容器本体及び前記蓋体により画成される前記薬瓶の収容領域とを備え、前記容器本体を前記蓋体で蓋することで前記収容領域から外部への放射線を遮蔽する放射線遮蔽容器において、
   前記容器本体又は前記蓋体に、
   前記収容領域に繋がる通路と、
   当該通路を通して前記収容領域の放射線を検出しこの検出した放射線に関する情報を表示する放射線検出器と、を備えることを特徴とする放射線遮蔽容器。
2. 前記放射線検出器を駆動するバッテリが付設されていることを特徴とする請求項１記載の放射線遮蔽容器。

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